(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に添付図面を参照しながら、本開示の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0014】
なお、説明は以下の順序で行うものとする。
0.はじめに
0.1.本開示の概要
1.第1の実施形態
1.1.無線通信システムの構成例
1.2.読取装置10の機能構成例
1.3.無線通信端末30の機能構成例
1.4.無線通信システム1000の動作
1.5.変形例
2.第2の実施形態
2.1.無線通信システム1000の構成例
2.2.無線通信システム1000の動作
3.ハードウェア構成例
4.まとめ
【0015】
<0.はじめに>
<<0.1.本開示の概要>>
近年、ICカードやICカード機能を有する移動端末を用いた決済手段が普及している。消費者は、例えば、店頭における商品購入において、現金に代わる支払手段として上記のような決済手段を選択することが可能である。具体的には、POS(Point Of Sales)端末などが、ICカードが保持する電子マネーの情報をNFCなどの無線通信を介して読み取ることで、決済処理が行われる。上記のような決済手段によれば、現金の受け渡しに係る煩雑さを排除し、消費者および販売者の双方の利便性を高めることができる。
【0016】
一方、例えば、カフェやフードコートなどでの商品購入においては、商品の提供を受けるまでの複数の段階が存在する。上記の段階には、例えば、メニューを見て商品を注文する段階、注文した商品に係る支払いを行う段階、商品の出来上りに係る通知を受ける段階、および商品を受け取る段階などが含まれる。
【0017】
しかし、多くの場合、上記の複数の段階は、多くの人手を介して実現されているのが現状である。上記の複数の段階を自動化するためには、専用機器の配備などにコストが掛かることから、多くの場合、システム化が実現されているのは、商品の支払いに係る段階のみに留まっている。また、上記の複数の段階がシステム化された場合であっても、注文窓口や商品の受け取り窓口などのスペースや、待ち行列のためのスペースを確保することが求められる。このため、カフェやフードコートなどの店舗では、商品提供に係る一連の処理を低コストで効率化する手法が求められていた。
【0018】
本開示に係る技術思想は、上記の点に着目して発想されたものであり、複数の段階を含むサービスにおいて、注文から商品提供までの一連の流れを低コストで効率化することを可能とする。このため、本開示に係る無線通信システムは、サービスの段階に応じた複数の無線通信装置を備え、上記の複数の無線通信装置に、段階に応じたアドバタイズや電波強度を設定することを特徴の一つとする。
【0019】
以下における実施形態の説明では、本開示に係る無線通信システムおよび無線通信装置が有する構成上の特徴や当該特徴が奏する効果について具体的に説明する。また、以下における実施形態の説明では、本開示に係る無線通信システムおよび無線通信装置が、カフェやフードコートなどにおけるサービス提供に適用される場合を例に述べる。しかし、本開示に係る無線通信システムおよび無線通信装置の適用は係る例に限定されない。本開示に係る無線通信システムおよび無線通信装置は、例えば、駐車場、ロッカーなどのサービスに適用することも可能である。本開示に係る無線通信システムおよび無線通信装置は、複数の段階を含むサービスに対し、広く適用され得る。
【0020】
<1.第1の実施形態>
<<1.1.無線通信システムの構成例>>
まず、本開示の第1の実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係る無線通信システム1000の構成例を示す図である。
図1を参照すると、本実施形態に係る無線通信システム1000は、複数の読取装置10a〜10c、および提供装置20を備える。また、本実施形態に係る複数の読取装置10a〜10cは、それぞれ無線通信端末30との無線通信を行う。
【0021】
(読取装置10)
本実施形態に係る読取装置10は、カフェやフードコートなどに配置され、サービスの提供に係る信号を送信する無線通信装置であってよい。ここで、上記のサービスの提供に係る信号には、アドバタイズが含まれてよい。また、本実施形態に係るサービスの提供に係る信号には、読取装置10が送信する種々の情報が含まれる。本実施形態に係る読取装置10は、上記のアドバタイズに基づいて接続された無線通信端末30との無線通信を行うことができる。この際、本実施形態に係る読取装置10は、例えば、BLE(Bluetooth Low Energy)などを用いて無線通信端末30との無線通信を行う。
【0022】
ここで、本実施形態に係る読取装置10は、それぞれがサービスの各段階に対応する無線通信装置であってよい。この際、本実施形態に係る読取装置10は、サービスの段階に対応する信号を、当該段階に対応する電波強度で送信することを特徴の一つとする。すなわち、本実施形態に係る読取装置10は、サービスの段階に対応するアドバタイズを、当該段階ごとに設定された通信範囲に送信することができる。
【0023】
例えば、本実施形態に係る読取装置10cは、サービスの提供完了段階に対応する第1の無線通信装置であってよい。ここで、上記の提供完了段階は、例えば、物品の引き渡し段階であってよい。本実施形態に係る読取装置10cは、物品の受け渡し段階に対応するアドバタイズを、当該段階に対応する電波強度で送信する機能を有する。この際、本実施形態に係る読取装置10cは、
図1に示すように、他の段階に対応する読取装置10aおよび10bと比較して弱い電波強度でアドバタイズを送信する。また、上記の物品には、例えば、消費者が注文した商品や、消費者がサービス提供を受けるために預託する預かり品などが含まれてよい。
【0024】
また、本実施形態に係る読取装置10cは、アドバタイズに基づいて接続された無線通信端末30から受信するサービス履歴情報に基づいて、提供装置20のロック状態を解除させる機能を有する。ここで、上記のサービス履歴情報には、例えば、決済ログなどが含まれてよい。また、本実施形態に係る読取装置10cは、アドバタイズに基づいて接続された無線通信端末30にサービスに係る付加情報を送信する機能を有する。ここで、上記の付加情報には、例えば、レシート情報、クーポン情報、ポイント情報などが含まれてよい。本実施形態に係る読取装置10cが有する機能の詳細については後述する。
【0025】
また、本実施形態に係る読取装置10bは、サービスの提供に係る準備完了段階に対応する第2の無線通信装置であってよい。ここで、上記の準備完了段階は、例えば、商品の調理が完了し提供の準備が完了した段階などであってよい。本実施形態に係る読取装置10bは、上記の準備完了段階に対応するアドバタイズを、当該段階に対応する電波強度で送信する機能を有する。この際、本実施形態に係る読取装置10bは、
図1に示すように、受け渡し段階に対応する読取装置10cと比較して強い電波強度でアドバタイズを送信する。
【0026】
また、本実施形態に係る読取装置10bは、上記のアドバタイズに基づいて接続された無線通信端末30にサービスの提供に係る準備完了通知を送信する機能を有する。本実施系形態に係る読取装置10bが有する機能の詳細については後述する。
【0027】
また、本実施形態に係る読取装置10aは、サービスの注文段階に対応する第3の無線通信装置であってよい。ここで、上記の注文段階は、例えば、消費者が店舗のメニューから商品を選択し注文を行う段階であり得る。本実施形態に係る読取装置10aは、上記の注文段階に対応するアドバタイズを、当該段階に対応する電波強度で送信する機能を有する。この際、本実施形態に係る読取装置10aは、
図1に示すように、受け渡し段階に対応する読取装置10cと比較して強い電波強度でアドバタイズを送信する。
【0028】
また、本実施形態に係る読取装置10aは、上記のアドバタイズに基づいて接続された無線通信端末30に提供サービスに係るメニュー情報を送信する機能を有する。また、本実施形態に係る読取装置10aは、アドバタイズに基づいて接続された無線通信端末30から、サービスに係る注文情報を受信する機能を有する。
【0029】
さらには、本実施形態に係る読取装置10aは、上記のアドバタイズに基づいて接続された無線通信端末30との間で提供サービスに係る決済処理を行う機能を有する。本実施形態に係る読取装置10cが有する機能の詳細については後述する。
【0030】
(提供装置20)
次に、本実施形態に係る提供装置20について説明する。本実施形態に係る提供装置20は、消費者にサービス提供を行う機能を有する。このため、本実施形態に係る提供装置20は、サービスの提供完了段階において、読取装置10cから送信される信号に基づき、サービス提供に係るロック状態を解除する機能を有する。
【0031】
より具体的には、本実施形態に係る提供装置20は、例えば、消費者が注文した商品などを格納する格納器と、当該格納器に対するロック手段(施錠手段)を備えてもよい。この場合、本実施形態に係る提供装置20は、読取装置10cの制御に基づいて格納器のロック状態を解除することで、消費者に商品を提供することが可能である。
【0032】
(無線通信端末30)
本実施形態に係る無線通信端末30は、読取装置10a〜10cとの無線通信を行い、種々の情報を送受信する機能を有する。本実施形態に係る無線通信端末30は、例えば、BLEにより読取装置10a〜10cとの通信を行ってよい。この際、本実施形態に係る無線通信端末30は、読取装置10a〜10cが送信するアドバタイズに基づいて、読取装置10a〜10cとの接続を確立することができる。
【0033】
また、本実施形態に係る無線通信端末30は、読取装置10aとの間で決済処理を行う機能を有する。このため、本実施形態に係る無線通信端末30は、SE(Secure Element)を備えてよい。なお、本実施形態に係る無線通信端末30は、消費者が所有する移動端末であってよい。本実施形態に係る無線通信端末30は、例えば、携帯電話、スマートフォン、タブレット、ウェアラブルデバイスなどであり得る。
【0034】
以上、本実施形態に係る無線通信システム1000の構成例について説明した。上述したように、本実施形態に係る無線通信システム1000は、サービスの各段階に対応する複数の読取装置10を備えることを特徴の一つとする。また、本実施形態に係る読取装置10は、サービスの段階に対応するアドバタイズを、当該段階に対応する電波強度で送信することを特徴の一つとする。本実施形態に係る無線通信システム1000によれば、サービスの段階に応じた通信距離を設定し、当該通信距離に基づいた情報通信を実現することが可能となる。このため、サービス提供に係る一連の処理を、人手を介さずに、汎用的な読取装置10により低コストで自動化することができ、また、店舗のスペースを有効に活用することができる。
【0035】
なお、
図1を用いた上記の説明では、本実施形態に係る無線通信システム1000が3つの読取装置10a〜10cを備える場合を例に述べたが、本実施形態に係る読取装置10の数は、係る例に限定されない。本実施形態に係る無線通信システム1000は、例えば、2つの読取装置10を備えてもよいし、4つ以上の読取装置10を備えてもよい。本実施形態に係る読取装置10の数は、適用されるサービスの形態に応じて、柔軟に設計され得る。
【0036】
また、
図1を用いた上記の説明では、本実施形態に係る読取装置10cと提供装置20とがそれぞれ別の装置として具備される場合について述べた。一方、本実施形態に係る読取装置10cおよび提供装置20は、同一の装置として実現されてもよい。本実施形態に係る無線通信システム1000の構成は、サービスの仕様や運用に応じて柔軟に変更され得る。
【0037】
<<1.2.読取装置10の機能構成例>>
次に、本実施形態に係る読取装置10の機能構成例について説明する。
図2は、本実施形態に係る読取装置10および無線通信端末30の機能ブロック図である。
図2を参照すると、本実施形態に係る読取装置10は、通信部110、制御部120、および入出力部130を備える。
【0038】
(通信部110)
通信部110は、無線通信端末30との無線通信を行う機能を有する。本実施形態に係る通信部110は、サービスの段階に対応するアドバタイズを、当該段階に対応する電波強度で送信する。また、通信部110は、上記のアドバタイズに基づいて接続された無線通信端末30に、サービス提供に係る種々の情報を送信する機能を有する。
【0039】
具体的には、本実施形態に係る通信部110は、サービスに係るメニュー情報、準備完了通知、付加情報などを無線通信端末30に送信することができる。また、通信部110は、無線通信端末30からサービスに係る注文情報を受信してよい。さらには、通信部110は、無線通信端末30とのサービス決済に係る情報を送受信する。なお、通信部110は、無線通信端末30との間で暗号化通信を行ってもよい。
【0040】
また、通信部110は、提供装置20にロック状態の解除を命じる信号を送信する機能を有する。この際、通信部110は、提供装置20との間で無線通信を行ってもよいし、有線通信を行ってもよい。
【0041】
(制御部120)
制御部120は、読取装置10の動作を全体的に制御する機能を有する。具体的には、制御部120は、通信部110が送信するアドバタイズの内容や送信頻度などを制御してよい。また、制御部120は、上記のアドバタイズを送信する電波強度を制御することができる。
【0042】
また、制御部120は、通信部110が送信するサービスに係るメニュー情報、準備完了通知、付加情報などを生成する機能を有する。また、制御部120は、通信部110が受信する情報に基づいてサービスに係る決済処理を実行する。
【0043】
また、制御部120は、入出力部130に係る入出力を制御する機能を有してよい。制御部120は、例えば、入出力部130から入力された情報に基づいて種々の処理を実行し、当該処理の結果を入出力部130に出力させてもよい。
【0044】
(入出力部130)
入出力部130は、ユーザによる入力操作を受け付ける機能を有する。上記の機能は、例えば、各種のボタンやレバー、キーボード、マウス、タッチパネルなどにより実現されてもよい。また、入出力部130は、制御部120の制御に基づいて種々の情報を出力する機能を有する。上記の機能は、例えば、各種の表示装置、音声出力装置、LED(Light Emitting Diode)などを含む光源などにより実現され得る。
【0045】
また、上記の表示装置は、例えば、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ装置、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)装置、OLED(Organic Light Emitting Diode)装置などにより実現されてもよい。
【0046】
以上、本実施形態に係る読取装置10の機能構成について説明した。
図2を用いた上記の説明では、読取装置10が、通信部110、制御部120、および入出力部130を備える場合について説明したが、本実施形態に係る読取装置10の機能構成は、係る例に限定されない。本実施形態に係る読取装置10は、例えば、
図2に示す以外の構成をさらに備えてもよい。読取装置10は、例えば、制御部120による処理に用いられる各種のデータを保持する記憶部などをさらに備えてもよい。
【0047】
また、例えば、読取装置10は、入出力部130の入力機能もしくは出力機能のいずれか、または双方の機能を有していなくてもよい。本実施形態に係る読取装置10の機能構成は、サービスの仕様や運用に応じて柔軟に変更され得る。
【0048】
<<1.3.無線通信端末30の機能構成例>>
引き続き
図2を参照して、本実施形態に係る無線通信端末30の機能構成例について説明する。
図2を参照すると、本実施形態に係る無線通信端末30は、通信部310、制御部320、および入出力部330を備える。
【0049】
(通信部310)
通信部310は、読取装置10との無線通信を行う機能を有する。本実施形態に係る通信部310は、読取装置10が送信するアドバタイズに基づいて、読取装置10との接続を確立することができる。また、通信部310は、接続した読取装置10からサービスの提供に係る種々の情報を受信する機能を有する。
【0050】
具体的には、本実施形態に係る通信部310は、サービスに係るメニュー情報、準備完了通知、付加情報などを読取装置10から受信する。また、通信部310は、読取装置10にサービスに係る注文情報を送信する機能を有する。
【0051】
(制御部320)
制御部320は、無線通信端末30の動作を全体的に制御する機能を有する。例えば、は、制御部320は、通信部310が行う無線通信を制御する。具体的には、制御部320は、入出力部330が検出した入力操作に基づいて、注文情報を生成し、通信部310に送信させてよい。また、制御部320は、読取装置10との間における決済処理を制御する。
【0052】
また、制御部320は、入出力部330に係る入出力を制御する。制御部320は、例えば、通信部310が受信したメニュー情報、準備完了通知、付加情報などを入出力部330に出力させる。また、制御部320は、例えば、入出力部330から入力された情報に基づいて種々の処理を実行し、当該処理の結果を入出力部330に出力させてもよい。
【0053】
(入出力部330)
入出力部330は、消費者による入力操作を受け付ける機能を有する。当該機能は、例えば、各種のボタンやキーボード、タッチパネル、マイクロフォンなどにより実現され得る。本実形態に係る入出力部330は、例えば、消費者による注文操作などを受け付けてよい。
【0054】
また、入出力部330は、制御部320の制御に基づいて種々の情報を出力する機能を有する。本実施形態に係る入出力部330は、例えば、サービスに係るメニュー情報、準備完了通知、付加情報などを出力してよい。当該機能は、例えば、各種の表示装置、音声出力装置、LEDなどを含む光源、振動発生装置などにより実現され得る。また、上記の表示装置は、例えば、液晶ディスプレイ装置、OLED装置などにより実現されてもよい。
【0055】
以上、本実施形態に係る無線通信端末30の機能構成について説明した。
図2を用いた上記の説明では、無線通信端末30が、通信部310、制御部320、および入出力部330を備える場合について説明したが、本実施形態に係る無線通信端末30の機能構成は、係る例に限定されない。本実施形態に係る無線通信端末30は、例えば、
図2に示す以外の構成をさらに備えてもよい。無線通信端末30は、例えば、制御部320による処理に用いられる各種のデータを保持する記憶部などをさらに備えてもよい。本実施形態に係る無線通信端末30の機能構成は、サービスの仕様や運用に応じて柔軟に変更され得る。
【0056】
<<1.4.無線通信システム1000の動作>>
次に、本実施形態に係る無線通信システム1000の動作について、具体例を挙げながら詳細に説明する。以下における説明では、本実施形態に係る無線通信システム1000がカフェやフードコートにおけるサービス提供に適用される場合を例に説明する。ここで、当該サービスには、商品の注文段階、準備完了段階、および提供完了段階(受け渡し段階)が含まれてよい。
【0057】
(注文段階における動作)
まず、
図3を参照して、商品の注文段階における無線通信システム1000の動作について説明する。
図3は、注文段階における無線通信システム1000および無線通信端末30の処理の流れを示すシーケンス図である。
図3を参照すると、まず、本実施形態に係る読取装置10aは、注文段階に対応するアドバタイズを送信する(S501)。この際、読取装置10aは、注文段階に対応する電波強度で上記のアドバタイズを送信してよい。例えば、読取装置10aは、0〜数十mの通信距離でアドバタイズを送信することができる。このように、読取装置10aが比較的強い電波強度でアドバタイズを送信することで、店舗に入店した消費者は、例えば、席に座ったまま商品の注文を行うことが可能となる。このために、本実施形態に係る読取装置10aは、例えば、店舗の天井などに複数設置されてもよい。
【0058】
次に、無線通信端末30は、ステップS501で送信されるアドバタイズから識別情報を取得する(S502)。ここで、ステップS502で取得される識別情報とは、例えば、サービスを識別するためのUUID(Universally Unique Identifier)などであってよい。
【0059】
続いて、無線通信端末30は、ステップS502で取得した識別情報に基づいて、読取装置10aに接続要求を行う(S503)。
【0060】
次に、読取装置10aは、ステップS503で行われる接続要求に対し接続応答を実行する(S504)。ステップS503における接続要求およびステップS504における接続応答により、読取装置10aと無線通信端末30との間の無線通信が確立される。なお、この際、無線通信端末30は、接続が確立されたことを光源の点灯や振動を発生させることにより消費者に通知してもよい。
【0061】
読取装置10aと無線通信端末30との間の無線通信が確立されると、続いて、読取装置10aは、無線通信端末30にサービスメニューを送信する(S505)。
【0062】
ステップS505で送信されるサービスメニューを受信した無線通信端末30は、当該サービスメニューを表示する(S506)。
図4は、無線通信端末30の入出力部330が出力するサービスメニューの一例を示す図である。
図4には、無線通信端末30の入出力部330に表示されるメニュー情報が示されている。このように、店舗に設置された読取装置10aが当該店舗のメニュー情報を無線通信端末30に送信することで、消費者は、店舗内の任意の場所で自身が所有する無線通信端末30を介してメニュー情報を確認することができる。
【0063】
続いて、無線通信端末30は、消費者の操作に基づいてメニューの選択および注文を確定する(S507)。
図5は、無線通信端末30の入出力部330に表示される注文確認画面の一例を示している。
図5に示すように、入出力部330は、消費者による入力操作に基づいて選択されたメニューの名称や合計金額などを表示してもよい。また、入出力部330は、
図5に示すように、注文の確定に係るボタンや取消ボタンなどを併せて表示してもよい。消費者は、入出力部330に表示される情報を確認し、また、確定操作などを行うことで、注文窓口に赴かずとも注文を行うことができる。
【0064】
再び、
図3を参照して説明を続ける。入出力部330を介して消費者が注文操作を実行すると、無線通信端末30は、確定した注文情報を読取装置10aに送信する(S508)。
【0065】
次に、読取装置10aは、受信した注文情報に基づいて、無線通信端末30に対し残高の確認を行う(S509)。
【0066】
ここで、残高が注文金額を上回っている場合、読取装置10aと無線通信端末30との間で決済処理が実行される(S510)。
【0067】
決済処理が完了すると、読取装置10aは、ステップS508で受信した注文情報に基づいてオーダー処理を実行する(S511)。ここで、上記のオーダー処理は、例えば、入出力部330に注文情報を表示することで、調理スタッフに注文の内容を知らしめる処理であってもよいし、調理装置に対し調理の開始を命じる処理であってもよい。
【0068】
オーダー処理が完了すると、続いて、読取装置10aは、無線通信端末30に注文受理情報を送信する(S512)。
【0069】
次に、注文受理情報を受信した無線通信端末30は、入出力部330に注文受理情報を表示する(S513)。
図6は、無線通信端末30の入出力部330に表示される注文受理情報の一例である。
図6に示すように、本実施形態に係る注文受理情報は、例えば、オーダー番号などの識別番号を含んでもよい。注文受理情報がオーダー番号を含むことで、消費者は注文が受理されたことを認識できるだけでなく、店舗への問い合わせを行う際にも利用することができる。
【0070】
また、
図6に示すように、本実施形態に係る注文受理情報は、例えば、商品の受け渡し予定時間などの情報を含んでよい。注文受理情報が商品の受け渡し予定時間を含むことで、消費者は受け渡しまでの時間を把握することができる。このため、ユーザが一度店舗から離れて別の用事を済ませるなど時間の有効活用ができると同時に、店舗内の限られたスペースを有効に活用することも期待される。
【0071】
(準備完了段階における動作)
次に、本実施形態に係る準備完了段階における無線通信システム1000および無線通信端末30の動作について説明する。
図7は、注文段階における無線通信システム1000および無線通信端末30の処理の流れを示すシーケンス図である。
【0072】
図7を参照すると、まず、本実施形態に係る提供装置20に商品の格納が行われる(S601)。ステップS601における商品の格納は、例えば、調理スタッフなどの人手を介して行われてもよいし、調理装置による自動格納が行われてもよい。なお、商品の格納後、提供装置20はロック状態に遷移する。
【0073】
ステップS601における商品の格納が完了すると、提供装置20は、読取装置10bに格納通知を送信する(S602)。この際、上記の格納通知の送信は、無線通信により行われてもよいし、有線通信により行われてもよい。
【0074】
次に、格納通知を受信した読取装置10bは、準備完了段階に対応するアドバタイズを送信する(S603)。この際、読取装置10bは、準備完了段階に対応する電波強度で上記のアドバタイズを送信してよい。例えば、読取装置10bは、0〜数十mの通信距離でアドバタイズを送信することができる。このように、読取装置10bが比較的強い電波強度でアドバタイズを送信することで、消費者が商品の受け渡し窓口周辺にいない場合であっても、商品の提供準備が完了したことを消費者に知らせることが可能となる。このために、本実施形態に係る読取装置10bは、例えば、店舗の天井などに複数設置されてもよい。
【0075】
次に、無線通信端末30は、ステップS603で送信されるアドバタイズから識別情報を取得する(S604)。
【0076】
続いて、無線通信端末30は、ステップS604で取得した識別情報に基づいて、読取装置10bに接続要求を行う(S605)。
【0077】
次に、読取装置10bは、ステップS605で行われる接続要求に対し接続応答を実行する(S606)。ステップS605における接続要求およびステップS606における接続応答により、読取装置10bと無線通信端末30との間の無線通信が確立される。この際、無線通信端末30は、接続が確立されたことを光源の点灯や振動を発生させることにより消費者に通知してもよい。
【0078】
読取装置10bと無線通信端末30との間の無線通信が確立されると、続いて、読取装置10bは、無線通信端末30に準備完了通知を送信する(S607)。
【0079】
ステップS607で送信される準備完了通知を受信した無線通信端末30は、入出力部330に準備完了通知を表示する(S608)。
図8は、無線通信端末30の入出力部330が出力する準備完了通知の一例を示す図である。
図8に示すように、本実施形態に係る準備完了通知には、商品の提供準備が完了した旨のメッセージや、商品の受け渡しに利用される提供装置20を特定するための情報が含まれてよい。
図8に示す一例では、提供装置20を特定するための情報が、「Box No:15A」、として示されている。消費者は、入出力部330に表示される当該情報を確認することで、商品の受け渡しに用いられる提供装置20を特定することができる。なお、
図8には示していないが、本実施形態に係る準備完了通知には、受け渡しに用いられる提供装置20の位置を示す地図などが含まれてもよい。
【0080】
(提供完了段階における動作)
次に、本実施形態に係る提供完了段階における無線通信システム1000および無線通信端末30の動作について説明する。
図9は、提供完了段階における無線通信システム1000および無線通信端末30の処理の流れを示すシーケンス図である。
【0081】
図9を参照すると、まず、本実施形態に係る読取装置10cは、提供完了段階に対応するアドバタイズを送信する(S701)。この際、読取装置10cは、提供完了段階に対応する電波強度で上記のアドバタイズを送信してよい。例えば、読取装置10cは、0〜数十cmの通信距離でアドバタイズを送信することができる。このように、読取装置10cが比較的弱い電波強度でアドバタイズを送信することで、無線通信端末30を所有する所有者が提供装置20の近傍に存在する場合にのみ、商品の受け渡しを行うことができる。
【0082】
次に、無線通信端末30は、ステップS701で送信されるアドバタイズから識別情報を取得する(S702)。
【0083】
続いて、無線通信端末30は、ステップS702で取得した識別情報に基づいて、読取装置10cに接続要求を行う(S703)。
【0084】
次に、読取装置10cは、ステップS703で行われる接続要求に対し接続応答を実行する(S704)。ステップS703における接続要求およびステップS704における接続応答により、読取装置10cと無線通信端末30との間の無線通信が確立される。この際、無線通信端末30は、接続が確立されたことを光源の点灯や振動を発生させることにより消費者に通知してもよい。
【0085】
読取装置10cと無線通信端末30との間の無線通信が確立されると、続いて、読取装置10cは、無線通信端末30からサービス履歴情報を取得する(S705)。ここで、ステップS705で取得されるサービス履歴情報には、決済ログが含まれてよい。また、本実施形態に係る決済ログは、例えば、決済日時、決済金額、決済番号などの情報が含まれてよい。
【0086】
続いて、読取装置10cは、ステップS705で取得した決済ログを参照し、商品に係る決済が完了しているか否かを判定する(S706)。ここで、決済が完了していることを確認すると、読取装置10cは、提供装置20にロック解除指示を送信する(S707)。読取装置10cがステップS706の判定、およびステップS707のロック解除指示を行うことで、人手を介さずに消費者に商品を受け渡すことが可能となる。
【0087】
次に、ロック解除指示を受信した提供装置20は、商品が格納された格納器のロック状態を解除する(S708)。
図10は、本実施形態の提供装置20に係るロック状態の解除について説明するための図である。
図10には、読取装置10c(図示しない)が弱い電波強度で送信するアドバタイズに基づいて接続された無線通信端末30から取得した決済ログに基づいて、提供装置20のロック状態を解除させる様子が示されている。
【0088】
図10に示すように、本実施形態に係る読取装置10cは、弱い電波強度でアドバタイズを送信することで、提供装置20の近傍にのみ通信可能範囲RAを設定することが可能である。読取装置10cが
図10に示すように通信可能範囲RAを設定することで、無線通信端末30を所持する消費者が提供装置20の近傍に近づいた場合にのみ、提供装置20のロック状態を解除させることができ、商品SOを確実に消費者に受け渡すことが可能となる。
【0089】
なお、本実施形態に係る無線通信システム1000は、複数の提供装置20を備えてもよい。
図11は、本実施形態に係る無線通信システム1000が複数の提供装置20を備える場合の通信可能範囲RAについて説明するための図である。
図11には、複数の提供装置20a〜20dと、それぞれの提供装置20a〜20dに対応する提供可能範囲RAa〜RAdが示されている。この際、提供可能範囲RAa〜RAdは、
図11に示すように、互いの干渉を避けられる範囲に設定されてよい。このように、本実施形態に係る無線通信システムでは、それぞれの提供装置20a〜20dに特有の提供可能範囲RAa〜RAdを設定することで、複数の消費者に同時対応しながらも、消費者が購入した商品を当該消費者に確実に受け渡すことができる。
【0090】
なお、
図11に示すように、本実施形態に係る提供装置20は、厨房側とダイニング側の境界に配置されてもよい。提供装置20が
図11に示すように配置されることで、厨房側におけるスタッフによる商品の格納と、ダイニング側における消費者による商品の取り出しとを効率的に行うことができる。
【0091】
また、本実施形態に係る提供装置20は、複数の格納器を備えてもよい。
図12は、複数の格納器を備える提供装置20の一例を示す図である。
図12には、複数の格納器A〜Hを備える提供装置20と、提供装置20に設定される通信可能範囲RAとが示されている。
図12に示す提供装置20は、読取装置10cから受信するロック解除指示に基づいて、格納器A〜Hを回転させ、該当する商品が格納された格納器がダイニング側に配置されるように制御を行ってよい。この際、提供装置20が受信するロック解除指示には、該当する格納器を特定するための情報が含まれてよい。このように、本実施形態に係る提供装置20が複数の格納器を備えることで、店舗の限られたスペースを有効に活用することができる。
【0092】
再び、
図9に戻って説明を続ける。ステップS706において決済ログの確認が行われると、続いて、読取装置10cは、無線通信端末30にサービス提供に係る付加情報を送信する(S709)。
【0093】
次に、無線通信端末30は、受信した付加情報を入出力部330に表示する(S710)。
図13は、無線通信端末30の入出力部330に表示される付加情報の一例を示す図である。
図13には、消費者が購入した商品に係る電子レシートが示されている。このように、本実施形態に係る付加情報は、レシート情報を含んでよい。また、本実施形態に係る付加情報は、
図13に示すレシート情報の他、クーポン情報、ポイント情報、保証情報などが含まれてもよい。本実施形態に係る付加情報にはサービス提供に係る種々の情報が含まれ得る。本実施形態に係る読取装置10cが上記のような付加情報を無線通信端末30に送信することで、サービスの付加価値を高める効果が期待される。
【0094】
<<1.5.変形例>>
次に、本実施形態に係る変形例について説明する。上記の説明では、本実施形態に係る読取装置10がPeripheralであり、無線通信端末30がCentralである場合を例に説明した。一方、本実施形態に係るPeripheralおよびCentralの役割は、上記とは反対であってもよい。すなわち、本実施形態では、無線通信端末30がPeripheralであり、読取装置10がCentralであってもよい。
【0095】
この場合、本実施形態に係る無線通信端末30は、サービスの段階に対応する信号を、当該段階に対応する電波強度で送信する機能を有してよい。具体的には、無線通信端末30の通信部310は、サービスの要求に係る信号を、各段階に対応する電波強度で送信することができる。
【0096】
すなわち、無線通信端末30の通信部310は、サービスの注文段階において、アドバタイズを強い電波強度で送信し、当該アドバタイズに基づいて接続された読取装置10aからサービスメニューなどの情報を含む信号を受信する。
【0097】
また、無線通信端末30の通信部310は、サービスの準備完了段階において、アドバタイズを強い電波強度で送信し、当該アドバタイズに基づいて接続された読取装置10bから準備完了通知などの情報を含む信号を受信する。
【0098】
また、無線通信端末30の通信部310は、サービスの提供完了段階において、アドバタイズを弱い電波強度で送信し、当該アドバタイズに基づいて接続された読取装置10cから付加情報などを含む信号を受信する。
【0099】
すなわち、本実施形態に係る無線通信端末30は、サービスの段階に応じてアドバタイズを送信する際の電波強度を制御する機能を有してよい。無線通信端末30が有する上記の機能によれば、消費者が所持する移動端末側で通信距離の制御を行うことが可能となり、店舗側に設置される読取装置10などをより汎用的な装置で実現することができる。
【0100】
他方、本実施形態に係るPeripheralおよびCentralの役割は、サービスの段階に応じて変化してもよい。例えば、サービスの注文段階や準備完了段階では、強い電波強度、すなわち、広い通信距離での通信が行われるため、上記の各段階では、単一の読取装置10に対し複数の無線通信端末30が接続される可能性が高い。
【0101】
このため、サービスの注文段階や準備完了段階においては、無線通信端末30がPeripheralの役割を果たし、読取装置10がCentralの役割を果たすことで、通信処理を効率化することができる。
【0102】
一方、サービスの提供完了段階では、弱い電波強度、すなわち、狭い電波強度での通信が行われるため、当該段階では、単一の読取装置10に対し単一の無線通信端末30が接続される。このため、サービスの提供完了段階においては、読取装置10がPeripheralの役割を果たし、無線通信端末30がCentralの役割を果たすことで、通信処理を効率化することが可能である。
【0103】
以上説明したように、本実施形態に係るPeripheralおよびCentralの役割は、固定的ではなく、サービスの仕様や運用により柔軟に変更され得る。本実施形態に係る技術思想は、種々のサービスに対し広く適用可能である。
【0104】
<2.第2の実施形態>
<<2.1.無線通信システム1000の構成例>>
次に、本開示の第2の実施形態について説明する。上記における第1の実施形態に係る説明では、サービスに係る決済処理が、読取装置10と無線通信端末30との間で実行される場合について説明した。一方、本開示の第2の実施形態では、上記の決済処理がオンライン上で行われることを特徴の一つとする。本実施形態に係る無線通信システム1000が有する上記の特徴によれば、読取装置10と無線通信端末30との通信をより簡素化することができ、店舗ごとにおける構築コストを大幅に低減することが可能となる。
【0105】
以下、本実施形態に係る無線通信システム1000の構成について詳細に説明する。なお、以下における本実施形態の説明では、第1の実施形態との差異について中心に述べ、第1の実施形態と共通する構成および機能については、詳細な説明を省略する。
【0106】
図14は、本実施形態に係る無線通信システム1000の構成例を示す図である。
図14を参照すると、本実施形態に係る無線通信システム1000は、複数の読取装置10a〜10c、提供装置20に加え、Webサーバ40をさらに備える。また、Webサーバ40は、無線通信端末30とネットワーク50を介して接続される。
【0107】
(Webサーバ40)
本実施形態に係るWebサーバ40は、無線通信端末30からのリクエストに応じたコンテンツを提供する機能を有する。より具体的には、本実施形態に係るWebサーバ40は、無線通信端末30から送信される店舗情報に基づいて、無線通信端末30にサービスに係るメニュー情報を送信する機能を有する。この際、Webサーバ40は、上記の店舗情報に基づいて、店舗ごとに特有のメニュー情報を送信することができる。
【0108】
また、本実施形態に係るWebサーバ40は、上記の店舗情報に基づいて、無線通信端末30との間でサービスに係る決済処理を行う機能を有する。この際、Webサーバは、上記の店舗情報に基づいて、決済の対象となる店舗を特定することが可能である。
【0109】
なお、本実施形態に係るWebサーバ40は、複数の店舗に対応するサーバであってよい。本実施形態に係るWebサーバ40が複数店舗に対し少なくとも1台以上設置されることで、サービスメニューの提供機能や決済機能を集中化することができ、店舗ごとにおける構築コストを低減することが可能である。
【0110】
(ネットワーク50)
ネットワーク50は、無線通信端末30とWebサーバ40とを接続する機能を有する。ネットワーク50は、インターネット、電話回線網、衛星通信網などの公衆回線網や、Ethernet(登録商標)を含む各種のLAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)などを含んでもよい。また、ネットワーク50は、IP−VPN(Internt Protocol−Virtual Private Network)などの専用回線網を含んでもよい。また、ネットワーク50は、Wi−Fi(登録商標)、Bluetoothなど無線通信網を含んでもよい。
【0111】
<<2.2.無線通信システム1000の動作>>
次に、本実施形態に係る無線通信システムの動作について、具体例を挙げながら詳細に説明する。
図15は、注文段階における無線通信システム1000および無線通信端末30の処理の流れを示すシーケンス図である。
【0112】
図15を参照すると、まず、本実施形態に読取装置10aは、注文段階に対応するアドバタイズを送信する(S801)。この際、読取装置10aは、第1の実施形態と同様に、注文段階に対応する強い電波強度で上記のアドバタイズを送信してよい。
【0113】
次に、無線通信端末30は、ステップ801で送信されるアドバタイズから識別情報および店舗情報を取得する(S802)。このように、本実施形態に係る読取装置10aは、サービスを提供する店舗を特定するための店舗情報を送信する機能を有する。読取装置10aが有する上記の機能によれば、無線通信端末30が該当する店舗に特有のメニュー情報をWebサーバ40から取得することが可能となる。
【0114】
続いて、無線通信端末30は、ステップS802で取得した店舗情報をWebサーバ40に送信する(S803)。無線通信端末30は、汎用的なブラウザアプリケーションや専用アプリケーションを介して店舗情報の送信を行ってもよい。
【0115】
次に、Webサーバ40は、受信した店舗情報に基づき、該当する店舗に特有のメニュー情報を無線通信端末30に送信する(S804)。
【0116】
次に、無線通信端末30は、受信したメニュー情報に基づいて、店舗に特有のメニューを入出力部330に表示する(S805)。
【0117】
また、無線通信端末30は、消費者の操作に基づいてメニューの選択および注文を確定し、確定した注文情報を保持する(S806)。なお、ステップS805およびステップS806における処理は、
図4および
図5で示したようなユーザインタフェースにより実現され得る。
【0118】
また、ステップS802〜S806における処理が実行される間、本実施形態に係る読取装置10aは、継続してアドバタイズを送信してよい(S807)。
【0119】
ステップS806で注文情報を確定した無線通信端末30は、ステップS807で送信されるアドバタイズから識別情報を取得する(S808)。
【0120】
続いて、無線通信端末30は、ステップS808で取得した識別情報に基づいて、読取装置10aに接続要求を行う(S809)。
【0121】
次に、読取装置10aは、ステップS809で行われる接続要求に対し接続応答を実行する(S810)。ステップS809における接続要求およびステップS810における接続応答により、読取装置10aと無線通信端末30との間の無線通信が確立される。
【0122】
読取装置10aと無線通信端末30との間の無線通信が確立されると、無線通信端末30は、ステップS806で確定した注文情報を読取装置10aに送信する(S811)。
【0123】
次に、注文情報を受信した読取装置10aは、注文に対する受信通知を無線通信端末30に送信する(S812)。
【0124】
次に、受信通知を受信した無線通信端末30は、決済に係る確認画面を入出力部330に表示する(S813)。
【0125】
ここで、消費者による確認操作が行われると、続いて、無線通信端末30は、Webサーバ40に決済要求を送信する(S814)。
【0126】
次に、決済要求を受信したWebサーバ40は、決済承認を無線通信端末30に送信し、サービスに係る決済処理を実行する(S815)。この際、Webサーバ40は、第1の実施形態で説明したような残高の確認処理を行ってもよい。
【0127】
次に、決済承認を受信した無線通信端末30は、注文確定情報を読取装置10aに送信する(S816)。
【0128】
次に、注文確定情報を受信した読取装置10aは、注文受理情報を無線通信端末30に送信する(S817)。
【0129】
また、読取装置10aは、ステップS816で受信した注文確定情報に基づいてオーダー処理を実行する(S818)。
【0130】
一方、注文受理情報を受信した無線通信端末30は、受信した注文受理情報を入出力部330に表示する(S819)。なお、注文受理情報の表示は、
図6に示したようなユーザインタフェースにより実現されてよい。
【0131】
以上、本実施形態の注文段階における無線通信システム1000および無線通信端末30の動作について説明した。なお、
図15を用いて説明した注文段階に続く準備完了段階、および提供完了段階については、第1の実施形態における処理と実質的に同一的であってよいため、説明を省略する。
【0132】
上述したように、本実施形態に係る無線通信システム1000によれば、メニュー情報の提供および決済処理をオンライン上で実現することが可能となり、読取装置10の処理負担を大きく低減することができる。
【0133】
また、本実施形態に係るWebサーバ40と読取装置10は、オンラインでリアルタイムに接続しなくてもよいため、複数店舗の決済処理を集中化することができ、店舗ごとの構築コストを大幅に低減することが可能である。
【0134】
<3.ハードウェア構成例>
次に、本開示に係る読取装置10および無線通信端末30に共通するハードウェア構成例について説明する。
図16は、本開示に係る読取装置10および無線通信端末30のハードウェア構成例を示すブロック図である。
図16を参照すると、読取装置10および無線通信端末30は、例えば、CPU871と、ROM872と、RAM873と、ホストバス874と、ブリッジ875と、外部バス876と、インターフェース877と、入力装置878と、出力装置879と、ストレージ880と、ドライブ881と、接続ポート882と、通信装置883と、を有する。なお、ここで示すハードウェア構成は一例であり、構成要素の一部が省略されてもよい。また、ここで示される構成要素以外の構成要素をさらに含んでもよい。
【0135】
(CPU871)
CPU871は、例えば、演算処理装置又は制御装置として機能し、ROM872、RAM873、ストレージ880、又はリムーバブル記録媒体901に記録された各種プログラムに基づいて各構成要素の動作全般又はその一部を制御する。
【0136】
(ROM872、RAM873)
ROM872は、CPU871に読み込まれるプログラムや演算に用いるデータ等を格納する手段である。RAM873には、例えば、CPU871に読み込まれるプログラムや、そのプログラムを実行する際に適宜変化する各種パラメータ等が一時的又は永続的に格納される。
【0137】
(ホストバス874、ブリッジ875、外部バス876、インターフェース877)
CPU871、ROM872、RAM873は、例えば、高速なデータ伝送が可能なホストバス874を介して相互に接続される。一方、ホストバス874は、例えば、ブリッジ875を介して比較的データ伝送速度が低速な外部バス876に接続される。また、外部バス876は、インターフェース877を介して種々の構成要素と接続される。
【0138】
(入力装置878)
入力装置878には、例えば、マウス、キーボード、タッチパネル、ボタン、スイッチ、及びレバー等が用いられる。さらに、入力装置878としては、赤外線やその他の電波を利用して制御信号を送信することが可能なリモートコントローラが用いられることもある。また、入力装置878には、マイクロフォンなどの音声入力装置が含まれる。
【0139】
(出力装置879)
出力装置879は、例えば、CRT(Cathode Ray Tube)、LCD、又は有機EL等のディスプレイ装置、スピーカ、ヘッドホン等のオーディオ出力装置、プリンタ、携帯電話、又はファクシミリ等、取得した情報を利用者に対して視覚的又は聴覚的に通知することが可能な装置である。また、本開示に係る出力装置879には、振動を発生させるモータなど、利用者に触覚的感覚を提供する種々の装置が含まれてよい。
【0140】
(ストレージ880)
ストレージ880は、各種のデータを格納するための装置である。ストレージ880としては、例えば、ハードディスクドライブ(HDD)等の磁気記憶デバイス、半導体記憶デバイス、光記憶デバイス、又は光磁気記憶デバイス等が用いられる。
【0141】
(ドライブ881)
ドライブ881は、例えば、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、又は半導体メモリ等のリムーバブル記録媒体901に記録された情報を読み出し、又はリムーバブル記録媒体901に情報を書き込む装置である。
【0142】
(リムーバブル記録媒体901)
リムーバブル記録媒体901は、例えば、DVDメディア、Blu−ray(登録商標)メディア、HD DVDメディア、各種の半導体記憶メディア等である。もちろん、リムーバブル記録媒体901は、例えば、非接触型ICチップを搭載したICカード、又は電子機器等であってもよい。
【0143】
(接続ポート882)
接続ポート882は、例えば、USB(Universal Serial Bus)ポート、IEEE1394ポート、SCSI(Small Computer System Interface)、RS−232Cポート、又は光オーディオ端子等のような外部接続機器902を接続するためのポートである。
【0144】
(外部接続機器902)
外部接続機器902は、例えば、プリンタ、携帯音楽プレーヤ、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、又はICレコーダ等である。
【0145】
(通信装置883)
通信装置883は、ネットワークに接続するための通信デバイスであり、例えば、有線又は無線LAN、Bluetooth(登録商標)、BLE、NFC、又はWUSB(Wireless USB)用の通信カード、光通信用のルータ、ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)用のルータ、又は各種通信用のモデム等である。
【0146】
<4.まとめ>
以上説明したように、本開示に係る無線通信システム1000は、サービスの段階に対応する信号を、当該段階に対応する電波強度、すなわち通信距離で送信する機能を有する。また、本開示に係る無線通信システム1000は、接続された無線通信装置との間で、サービスの段階に対応する種々の情報を送受信し、サービスに係る決済処理を実行することができる。また、本開示に係る無線通信システム1000は、上記決済処理に係る決済ログに基づいて、提供装置20のロック状態を解除し、サービスに係る物品を消費者に提供することが可能である。係る構成によれば、サービスの段階に応じたより効率的かつ利便性の高い処理を実現することが可能となる。
【0147】
以上、添付図面を参照しながら本開示の好適な実施形態について詳細に説明したが、本開示の技術的範囲はかかる例に限定されない。本開示の技術分野における通常の知識を有する者であれば、請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。
【0148】
例えば、上記実施形態では、本開示に係る無線通信システム1000がカフェやフードコートにおけるサービス提供に適用される場合を例に述べたが、本技術は係る例に限定されない。
【0149】
例えば、本開示に係る無線通信システム1000は、大型のスーパーなどにおけるサービス提供に適用されてもよい。多くの大型スーパーでは、消費者は商品棚から商品をカートに移し、当該カートと共に決済口に並ぶことで支払いを行っている。しかし、消費者にとって、所望する商品を陳列する商品棚を探すことや、重量のある商品を自身で運ぶことは、大きな負担となり得る。
【0150】
このため、上記のような大型スーパーに本開示に係る無線通信システム1000を適用することで、商品を注文するエリア、決済をするエリア、および商品の受け渡しを行うエリアを、時間および場所の2つの軸で区分することができ、より高価値なサービスを提供することが可能となる。
【0151】
また、本開示に係る無線通信システム1000は、ショールームタイプの家具店にも同様に適用可能である。この際、決済時に消費者が利用する駐車場エリアを登録することで、商品を車両の近傍で受け渡してもよい。
【0152】
また、上記の実施形態では、無線通信端末30がSEを備える場合を例に説明したが、本開示に係る決済処理は、SEを用いる方式のほか、HCE(Host Card Emulation)などの方式により実現されてもよい。
【0153】
また、上記の実施形態では、無線通信端末30がスマートフォンなどの移動端末である場合を例に説明したが、本開示に係る無線通信端末30は、無線通信機能、およびSEなどを備えた簡易的な出力装置であってもよい。
【0154】
また、本開示の無線通信システム1000および無線通信端末30の処理における各ステップは、必ずしもシーケンス図に記載された順序に沿って時系列に処理する必要はない。例えば、無線通信システム1000および無線通信端末30の処理における各ステップは、シーケンス図に記載した順序と異なる順序で処理されても、並列的に処理されてもよい。
【0155】
また、本明細書に記載された効果は、あくまで説明的または例示的なものであって限定的ではない。つまり、本開示に係る技術は、上記の効果とともに、または上記の効果に代えて、本明細書の記載から当業者には明らかな他の効果を奏しうる。
【0156】
なお、以下のような構成も本開示の技術的範囲に属する。
(1)
サービスの提供に係る信号を送信する複数の無線通信装置、
を備え、
前記サービスは、提供に係る複数の段階を含み、
複数の前記無線通信装置は、複数の前記段階にそれぞれ対応し、前記段階に対応する前記信号を、前記段階に対応する電波強度で送信する、
無線通信システム。
(2)
前記信号は、アドバタイズを含み、
複数の前記無線通信装置は、前記段階に対応する前記アドバタイズを送信する、
前記(1)に記載の無線通信システム。
(3)
複数の前記段階は、サービスの提供完了段階を含み、
前記提供完了段階に対応する第1の無線通信装置は、他の段階に対応する無線通信装置と比較して、弱い電波強度で前記信号を送信する、
前記(1)または(2)に記載の無線通信システム。
(4)
物品を提供する提供装置、
をさらに備え、
前記第1の無線通信装置は、前記信号に基づいて接続された接続装置から受信するサービス履歴情報に基づいて、前記提供装置のロック状態を解除させる、
前記(3)に記載の無線通信システム。
(5)
前記提供完了段階は、物品の引き渡し段階であり、
前記提供装置は、前記物品を格納する格納器を備える、
前記(4)に記載の無線通信システム。
(6)
前記サービス履歴情報は、前記サービスに係る決済ログを含み、
前記第1の無線通信装置は、前記決済ログに基づいて前記提供装置のロック状態を解除させる、
前記(4)または(5)に記載の無線通信システム。
(7)
複数の前記段階は、サービスの提供に係る準備完了段階を含み、
前記準備完了段階に対応する第2の無線通信装置は、前記第1の無線通信装置と比較して、弱い電波強度で前記信号を送信する、
前記(3)〜(6)のいずれかに記載の無線通信システム。
(8)
前記第2の無線通信装置は、前記信号に基づいて接続された接続装置に前記サービスの提供に係る準備完了通知を送信する、
前記(7)に記載の無線通信システム。
(9)
複数の前記段階は、サービスの注文段階を含み、
前記注文段階に対応する第3の無線通信装置は、前記第1の無線通信装置と比較して、強い電波強度で前記信号を送信する、
前記(3)〜(8)のいずれかに記載の無線通信システム。
(10)
前記第3の無線通信装置は、前記信号に基づいて接続された接続装置から前記サービスに係る注文情報を受信する、
前記(9)に記載の無線通信システム。
(11)
前記第3の無線通信装置は、前記信号に基づいて接続された接続装置に前記サービスに係るメニュー情報を送信する、
前記(9)または(10)に記載の無線通信システム。
(12)
前記第3の無線通信装置は、前記信号に基づいて接続された接続装置との間で前記サービスに係る決済処理を行う、
前記(9)〜(11)のいずれかに記載の無線通信システム。
(13)
前記第3の無線通信装置は、前記サービスを提供する店舗を特定する店舗情報を送信する、
前記(9)または(10)に記載の無線通信システム。
(14)
前記サービスに係る情報を提供するWebサーバ、
をさらに備え、
前記Webサーバは、前記信号に基づいて接続された接続装置から送信される前記店舗情報に基づいて、前記接続装置との間で前記サービスに係る決済処理を行う、
前記(13)に記載の無線通信システム。
(15)
前記Webサーバは、前記信号に基づいて接続された接続装置から送信される前記店舗情報に基づいて、前記接続装置に前記サービスに係るメニュー情報を送信する、
前記(13)または(14)に記載の無線通信システム。
(16)
前記第1の無線通信装置は、前記信号に基づいて接続された接続装置に前記サービスの提供に係る付加情報を送信する、
前記(3)〜(15)のいずれかに記載の無線通信システム。
(17)
サービスの要求に係る信号を送信する送信部と、
前記要求に係る信号に基づいて接続される接続装置から前記サービスの提供に係る信号を受信する受信部と、
を備え、
前記サービスは、提供に係る複数の段階を含み、
前記送信部は、前記段階に対応する前記要求に係る信号を、前記段階に対応する電波強度で送信する、
無線通信装置。