(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
各々の燃料噴射モジュール(300)は、集合管燃料ノズル部分(302)および複数の燃料噴射ランス(304)を備え、前記複数の燃料噴射ランス(304)は、前記複数の一体型燃焼器ノズル(100)のうちのそれぞれの一体型燃焼器ノズル(100)の燃料噴射パネル(110)に流体連通している、請求項6に記載の環状燃焼システム(36)。
各々の燃料噴射パネル(110)は、正圧側側壁(116)と、負圧側側壁(118)と、前記正圧側側壁(116)と前記負圧側側壁(118)との間に定められた複数の予混合チャネル(132、134)と、前記複数の予混合チャネル(132、134)に流体連通した複数の噴射出口(126、128)とを含み、前記複数の噴射出口(126、128)は、前記正圧側側壁(116)に沿って定められた少なくとも1つの正圧側噴射出口(126)と、前記負圧側側壁(118)に沿って定められた少なくとも1つの負圧側噴射出口(126)とを含む、請求項6または7に記載の環状燃焼システム(36)。
前記複数の一体型燃焼器ノズル(100)の各々の一体型燃焼器ノズル(100)は、内側ライナセグメント(106)および外側ライナセグメント(108)を含み、前記内側ライナセグメント(106)および前記外側ライナセグメント(108)は、前記燃料噴射パネル(110)と一体に形成されている、請求項6乃至8のいずれかに記載の環状燃焼システム(36)。
【発明を実施するための形態】
【0021】
次に、本開示のさまざまな実施形態を詳しく参照するが、その1つ以上のが、添付の図面に示されている。詳細な説明においては、図中の特徴を参照するために、数字および文字による記号表示を使用する。図および説明における同様または類似の記号表示は、本開示の同様または類似の部分を参照して使用されている。
【0022】
本明細書において使用されるとき、用語「第1の」、「第2の」、および「第3の」は、或る構成要素を別の構成要素から区別するために入れ換え可能に使用することができ、個々の構成要素の位置または重要性を示そうとするものではない。「上流」および「下流」という用語は、流体経路における流体の流れに対する相対的な方向を指す。例えば、「上流」は流体が流れてくる方向を指し、「下流」は流体が流れていく方向を指す。「半径方向に」という用語は、特定の構成要素の軸方向の中心線に実質的に垂直な相対的な方向を指し、「軸方向に」という用語は、特定の構成要素の軸方向の中心線に実質的に平行および/または同軸に整列する相対的な方向を指し、「円周方向に」という用語は、特定の構成要素の軸方向の中心線を中心にして延びる相対的な方向を指す。
【0023】
本明細書で使用される専門用語は、あくまでも特定の実施形態を説明する目的のためのものであり、限定を意図するものではない。本明細書において使用されるとき、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」、および「この(the)」は、文脈からそのようでないことが明らかでない限り、複数形も含むように意図される。さらに、用語「・・・を備える/含む(comprises)」および/または「・・・を備えている/含んでいる(comprising)」が、本明細書において使用されるとき、そこで述べられている特徴、事物、ステップ、動作、要素、および/または構成要素の存在を規定するが、1つ以上の他の特徴、事物、ステップ、動作、要素、構成要素、および/またはそれらのグループの存在または追加を排除するものではないことを、理解できるであろう。
【0024】
各々の例は、限定ではなく、説明のために提示される。実際、本発明の技術的範囲または技術的思想から逸脱することなく、修正および変形が可能であることは、当業者にとって明らかであろう。例えば、或る実施形態の一部として図示または説明された特徴を、別の実施形態について使用して、さらに別の実施形態を得ることができる。このように、本開示は、添付の特許請求の範囲およびそれらの均等物の範囲に含まれるような修正および変形を包含するように意図される。
【0025】
本開示の典型的な実施形態が、例示の目的で、陸上発電用ガスタービンの分割型環状燃焼システムの文脈において一般的に説明されるが、当業者であれば、本開示の実施形態が、任意の種類のターボ機械用燃焼器に適用可能であり、特許請求の範囲に具体的に記載されていない限り、陸上発電用ガスタービンの環状燃焼システムに限定されないことを、容易に理解できるであろう。
【0026】
ここで図面を参照すると、
図1は、典型的なガスタービン10の概略図を示している。ガスタービン10は、一般的に、吸気部12、吸気部12の下流に配置された圧縮機14、圧縮機14の下流に配置された燃焼部16、燃焼部16の下流に配置されたタービン18、およびタービン18の下流に配置された排気部20を含む。さらに、ガスタービン10は、圧縮機14をタービン18に結合させる1つ以上のシャフト22を含むことができる。
【0027】
動作時に、空気24が、吸気部12を通って圧縮機14へと流れ、圧縮機14において次第に圧縮され、したがって、圧縮空気26が燃焼部16へともたらされる。圧縮空気26の少なくとも一部は、燃焼部16において燃料28と混合されて燃やされ、燃焼ガス30を発生させる。燃焼ガス30は、燃焼部16からタービン18へと流れ、タービン18において燃焼ガス30からロータブレード(図示せず)へとエネルギ(運動および/または熱)が移され、シャフト22を回転させる。次いで、この機械的な回転エネルギを、圧縮機14を動作させ、さらには/あるいは電気を発生させるなど、種々の目的に使用することができる。次いで、タービン18を出る燃焼ガス30を、排気部20を介してガスタービン10から排出することができる。
【0028】
図2は、本開示のさまざまな実施形態による燃焼部16の上流側の図を示している。
図2に示されるように、燃焼部16は、外側ケーシングまたは圧縮機吐出ケーシング32によって少なくとも部分的に囲まれてよい。圧縮機吐出ケーシング32は、燃焼部16の種々の構成要素を少なくとも部分的に囲む高圧プレナム34を少なくとも部分的に定めることができる。高圧プレナム34は、圧縮機14(
図1)に流体連通し、圧縮機14から圧縮空気26を受け取ることができる。種々の実施形態において、
図2に示されるように、燃焼部16は、ガスタービンのシャフト22に一致してよい軸方向の中心線38を中心にして周状に配置されたいくつかの一体型燃焼器ノズル100を含む分割型環状燃焼システム36を含む。
【0029】
図3は、本開示の少なくとも1つの実施形態による分割型環状燃焼システム36の一部分について、第1の側から見た部分分解斜視図を示している。
図4は、本開示の少なくとも1つの実施形態による分割型環状燃焼システム36の一部分について、第2の側から見た部分分解斜視図を示している。
図2、
図3、および
図4に共同で示されるように、分割型環状燃焼システム36は、複数の一体型燃焼器ノズル100を含む。本明細書でさらに説明されるように、各々の燃焼器ノズル100は、第1の側壁および第2の側壁を含む。特定の実施形態においては、下流のタービンノズル120の正圧側および負圧側のそれぞれとの側壁の一体化に基づいて、第1の側壁が正圧側側壁である一方で、第2の側壁が負圧側側壁である。本明細書においてなされる正圧側側壁および負圧側側壁への言及は、特定の実施形態を代表したものであり、そのような言及が、検討を容易にするためになされており、そのような言及が、とくに具体的な文脈によって指示されない限り、いかなる実施形態の範囲も限定しようとするものではないことを、理解すべきである。
【0030】
図3および
図4に共同で示されるように、円周方向に隣接する燃焼器ノズル100の各ペアが、燃焼器ノズル100の間にそれぞれの主燃焼ゾーン102およびそれぞれの二次燃焼ゾーン104を定めることで、主燃焼ゾーン102および二次燃焼ゾーン104の環状アレイが形成される。主燃焼ゾーン102および二次燃焼ゾーン104は、隣接する主燃焼ゾーン102および二次燃焼ゾーン104のそれぞれから、燃料噴射パネル110によって円周方向において隔てられ、あるいは流体に関して分離されている。
【0031】
図3および
図4に共同で示されるように、各々の燃焼器ノズル100は、内側ライナセグメント106と、外側ライナセグメント108と、内側ライナセグメント106と外側ライナセグメント108との間を延びる中空または半中空の燃料噴射パネル110とを含む。内側ライナセグメント106と外側ライナセグメント108との間に2つ以上の(例えば、2つ、3つ、または4つ以上の)燃料噴射パネル110を配置することにより、シールを必要とする隣接するライナセグメント間の接合部の数を、減らすことができると考えられる。本明細書における説明を容易にするために、それぞれの内側および外側ライナセグメント106、108の間に燃料噴射パネル110を1枚だけ有している一体型燃焼器ノズル100に言及するが、燃料噴射パネルに対するライナセグメントの2:1の比率は、必須ではない。
図3および
図4に示されるように、各々の燃料噴射パネル110は、前端部分または上流端部分112と、後端部分または下流端部分114と、第1の(正圧側)側壁116(
図3)と、第2の(負圧側)側壁118(
図4)とを含む。
【0032】
分割型環状燃焼システム36は、
図3および
図4においては燃焼器ノズル100から分解されて図示されている複数の環状に配置された燃料噴射モジュール300をさらに含む。各々の燃料噴射モジュール300は、燃料ノズル部分302(集合管燃料ノズルとして図示されている)と、それぞれの燃料噴射パネル110の前端部分112に設置されるように構成された複数の燃料噴射ランス304とを含む。本明細書における説明の目的で、燃料ノズル部分302は、「集合管燃料ノズル」または「集合管燃料ノズル部分」と呼ばれることもある。しかしながら、燃料ノズル部分302は、任意の種類の燃料ノズルまたはバーナ(スワール燃料ノズルまたはスウォズルなど)を含み、あるいは備えることができ、特許請求の範囲は、とくに述べられない限りは、集合管燃料ノズルに限定されるべきではない。
【0033】
各々の燃料噴射モジュール300は、円周方向において隣接する2つの燃料噴射パネル110の間を円周方向に少なくとも部分的に延びることができ、さらには/あるいはそれぞれの燃焼器ノズル100のそれぞれの内側ライナセグメント106および外側ライナセグメント108の間を半径方向に少なくとも部分的に延びることができる。軸方向に多段化された燃料噴射の動作の際に、集合管燃料ノズル部分302が、あらかじめ混合された燃料および空気の流れ(すなわち、第1の可燃性混合物)をそれぞれの主燃焼ゾーン102へともたらす一方で、燃料噴射ランス304は、詳しくは後述される複数の正圧側および/または負圧側予混合チャネルを介してそれぞれの二次燃焼ゾーン104へと(第2の可燃性混合物の一部としての)燃料をもたらす。
【0034】
少なくとも1つの実施形態において、
図3および
図4に示されるように、1つ以上の燃料噴射パネル110の下流端部分114は、燃焼生成物の流れをタービンブレードに向かって加速させるおおむね翼形の形状のタービンノズル120へと変化する。したがって、各々の燃料噴射パネル110の下流端部分114を、前縁を有さない翼形部と見なすことができる。一体型燃焼器ノズル100が燃焼部16内に取り付けられるときに、タービンノズル120を、タービン18のタービンロータブレード段のすぐ上流に位置させることができる。
【0035】
本明細書において使用されるとき、「一体型燃焼器ノズル」という用語は、燃料噴射パネル110、燃料噴射パネルの下流のタービンノズル120、燃料噴射パネル110の前端112から後端114(タービンノズル120によって具現化される)まで延びる内側ライナセグメント106、および燃料噴射パネル110の前端112から後端114(タービンノズル120によって具現化される)まで延びる外側ライナセグメント108を含む継ぎ目のない構造を指す。少なくとも1つの実施形態において、一体型燃焼器ノズル100のタービンノズル120は、第1段のタービンノズルとして機能し、タービンロータブレードの第1の段の上流に配置される。
【0036】
上述したように、1つ以上の一体型燃焼器ノズル100は、内側ライナセグメント106、外側ライナセグメント108、燃料噴射パネル110、およびタービンノズル120を含む一体または単一の構造体または物体として形成される。一体型燃焼器ノズル100を、鋳造、付加製造(3D印刷など)、または他の製造技術によって、一体化された構成要素または継ぎ目のない構成要素として製造することができる。燃焼器ノズル100を単一または一体の構成要素として形成することにより、燃焼器ノズル100の種々の造作の間のシールの必要性を減らし、あるいは無くすことができ、部品の数およびコストを減らすことができ、組み立て工程を単純にし、あるいは無くすことができる。他の実施形態においては、燃焼器ノズル100を、溶接などによって製造することができ、あるいは異なる製造技術から形成することができ、その場合には、或る技術で製作された構成要素が、同じまたは別の技術によって製作された構成要素に接合される。
【0037】
特定の実施形態において、各々の一体化型燃焼器ノズル100の少なくとも一部分またはすべてを、セラミックマトリックス複合材料(CMC)または他の複合材料から形成することができる。他の実施形態においては、各々の一体型燃焼器ノズル100の一部分またはすべて、より具体的にはタービンノズル120またはその後縁を、(遮熱コーティングで覆われた)酸化によく耐える材料から製作することができ、あるいは酸化によく耐える材料で覆うことができる。
【0038】
別の実施形態(図示せず)においては、少なくとも1つの燃料噴射パネル110が、燃料噴射パネル110の長手方向(軸方向)の軸線に整列した後縁へと先細りであってよい。すなわち、燃料噴射パネル110は、タービンノズル120に一体化されなくてもよい。これらの実施形態においては、燃料噴射パネル110およびタービンノズル120の数が同じでないことが望ましい場合がある。先細りの燃料噴射パネル110(すなわち、一体のタービンノズル120を有さない燃料噴射パネル110)を、一体のタービンノズル120を有する燃料噴射パネル110(すなわち、一体型燃焼器ノズル100)と交互または何らかの他のパターンにて使用することができる。
【0039】
再び
図3および
図4を参照すると、いくつかの実施形態においては、軸方向のジョイントまたは分割線122が、円周方向において隣接する一体型燃焼器ノズル100の内側ライナセグメント106と外側ライナセグメント108との間に形成されてよい。分割線122を、隣接する一体型燃焼器ノズル100の各ペアの間に形成されるそれぞれの主燃焼ゾーン102および二次燃焼ゾーン104の円周方向における中央に沿って配置でき、あるいは何らかの他の位置に配置することができる。一実施形態においては、1つ以上のシール(スプライン型シールなど)を、各々のジョイント122に沿って配置でき、各々のジョイント122は、ライナセグメント106または108のそれぞれの隣接するエッジの一方または両方に凹状のシール受け領域(図示せず)を含むことができる。隣接する一体型燃焼器ノズル100の円周方向において隣接する各々のタービンノズル120の間に、別個のスプライン型シールを使用することができる。他の実施形態(図示せず)においては、ライナセグメント106,108が、複数の一体型燃焼器ノズル100にまたがって円周方向に延在でき、この場合、燃焼システム36について必要なシールの数が少なくて済み、燃焼ゾーン102,104のいくつかのサブセットが、周囲の分割線122およびシールを有することができる。
【0040】
図5が、本開示の少なくとも1つの実施形態による少なくとも部分的に組み立てられた典型的な一体化型燃焼器ノズル100の正圧側116の断面図を示している。特定の実施形態においては、
図3、
図4、および
図5に共同で示されるように、タービンノズル120の部分または1つ以上の燃料噴射パネル110の下流端部分114の一部分を、対応するシールド124によって少なくとも部分的に覆い、あるいは包むことができる。
図3および
図4は、1つのシールド124が燃料噴射パネル110の対応するタービンノズル部分120から分離され、2つのさらなるシールド124が円周方向において隣接するタービンノズル120に取り付けられている状態の図を示している。シールド124を、一体型燃焼器ノズル100の高温の動作環境に適した任意の材料から形成することができる。例えば、1つ以上の実施形態においては、1つ以上のシールド124を、CMCまたは酸化によく耐える他の材料から形成することができる。いくつかの例では、シールド124を、遮熱コーティングで覆うことができる。
【0041】
特定の実施形態においては、
図3、
図4、および
図5に示されるように、内側ライナセグメント106のうちの燃料噴射パネル110の下流端部分114に近接する部分を、シールド124をタービンノズル120へと滑らせることができるように形成することができる。内側ライナセグメント106へと取り付けられる内側フックプレート228を、シールド124を所定の場所に固定するために使用することができる。
【0042】
種々の実施形態においては、
図3に示されるように、各々の燃料噴射パネル110が、正圧側側壁116に沿って定められた半径方向に間隔を空けつつ位置する複数の正圧側噴射出口126を含むことができる。
図4に示されるように、各々の燃料噴射パネル110は、負圧側側壁118に沿って定められた半径方向に間隔を空けつつ位置する複数の負圧側噴射出口128を含むことができる。それぞれの主燃焼ゾーン102の各々は、1対の円周方向において隣接する一体型燃焼器ノズル100の対応する正圧側噴射出口126および/または負圧側噴射出口128の上流に定められる。二次燃焼ゾーン104の各々は、1対の円周方向において隣接する一体型燃焼器ノズル100の対応する正圧側噴射出口126および/または負圧側噴射出口128の下流に定められる。
【0043】
図3、
図4、および
図5に共同で示されるように、円周方向において隣接する2つの燃料噴射パネル110の正圧側噴射出口126および負圧側噴射出口128は、第2の燃料および空気混合物をそれぞれの主燃焼ゾーン102から由来する燃焼ガスの流れへと噴射するそれぞれの噴射面130、131を定める。特定の実施形態においては、正圧側噴射面130と負圧側噴射面131とを、燃料噴射パネル110の下流端部分114から同じ軸方向距離に定めることができ、すなわち軸方向において燃料噴射パネル110の下流端部分114からの同じ軸方向距離に位置させることができる。他の実施形態においては、正圧側噴射面130および負圧側噴射面131を、燃料噴射パネル110の下流端部分114からの異なる軸方向距離に定めることができ、すなわち軸方向において燃料噴射パネル110の下流端部分114からの異なる軸方向距離に位置させることができる。
【0044】
図3および
図5は、複数の正圧側噴射出口126を、一体型燃焼器ノズル100の軸方向の中心線に対する共通の半径方向の平面または噴射面130に位置し、すなわち燃料噴射パネル110の下流端部分114から共通の軸方向距離に位置するものとして図示しているが、特定の実施形態においては、正圧側噴射出口126のうちの1つ以上を、半径方向において隣接する正圧側噴射出口126と比べて軸方向にずらすことで、特定の正圧側噴射出口126について下流端部分114までの正圧側噴射出口126の軸方向距離をオフセットしてもよい。同様に、
図4は、複数の負圧側噴射出口128を、共通の半径方向の平面または噴射面131に位置し、すなわち燃料噴射パネル110の下流端部分114から共通の軸方向距離に位置するものとして図示しているが、特定の実施形態においては、負圧側噴射出口128のうちの1つ以上を、半径方向において隣接する負圧側噴射出口128と比べて軸方向にずらすことで、特定の負圧側噴射出口128について下流端部分114までの負圧側噴射出口128の軸方向距離をオフセットしてもよい。
【0045】
さらに、噴射出口126,128は、均一なサイズ(すなわち、断面積)を有するものとして図示されているが、場合によっては、燃料噴射パネル110の異なる領域において異なるサイズの噴射出口126,128を使用することが望ましい場合がある。例えば、より大きな直径を有する噴射出口126,128を、燃料噴射パネル110の半径方向中央部に使用できる一方で、より小さな直径を有する噴射出口126,128を、内側ライナセグメント106および外側ライナセグメント108に近い領域に使用することができる。同様に、所与の側壁116または118の噴射出口126または128に、対向する側壁118または116の噴射出口128または126とは異なるサイズを持たせることが、望ましい場合がある。
【0046】
上述したように、少なくとも1つの実施形態においては、二次の燃料−空気の導入を、燃料噴射パネル110の片側(例えば、正圧側側壁116または負圧側側壁118)から生じさせることが、望ましい場合がある。したがって、各々の燃料噴射パネル110は、共通の側壁(116または118)上に出口を有するただ1組の予混合チャネルのみを備えることができる。さらに、各々の燃料噴射パネル110は、一方の側壁上に予混合チャネルの2つ(または、3つ以上)のサブセットを備えることができ、これらのサブセットに、燃料噴射ランス304のそれぞれのサブセットによって別々に燃料を供給することができ、ランス304の各々のサブセットへの燃料供給を、独立に開始させ、減少させ、あるいは停止することができる。他の実施形態においては、各々の燃料噴射パネル110が、両方の側壁(116および118)上に出口を有する予混合チャネルの2つ(または、3つ以上)のサブセットを備えることができ、これらのサブセットに、(
図13に示されるとおりの)燃料噴射ランス304のそれぞれのサブセットによって別々に燃料を供給することができ、ランス304の各々のサブセットへの燃料供給を、独立に開始させ、減少させ、あるいは停止することができる。
【0047】
図6、
図7、および
図8が、
図5に示した燃焼器ノズル100について、切断線6−6、切断線7−7、および切断線8−8のそれぞれに沿って得た断面図を示している。
【0048】
図6および
図7に共同で示されるように、各々の燃料噴射パネル110は、燃料噴射パネル110の側面に出口を有する複数の予混合チャネルを含む。一例において、正圧側予混合チャネル132(
図6)が、正圧側116に出口126を有するチャネルである一方で、負圧側予混合チャネル134(
図7)は、負圧側118に出口128を有するチャネルである。各々の正圧側予混合チャネル132は、それぞれの正圧側噴射出口126に流体連通している。各々の負圧側予混合チャネル134は、それぞれの負圧側噴射出口128に流体連通している。少なくとも1つの実施形態においては、
図6に示されるように、正圧側予混合チャネル132が、正圧側側壁116と負圧側側壁118との間の燃料噴射パネル110の内部に定められる。少なくとも1つの実施形態においては、
図7に示されるように、負圧側予混合チャネル134が、正圧側側壁116と負圧側側壁118との間の燃料噴射パネル110の内部に定められる。
【0049】
上述したように、燃料噴射パネル110は、片側(正圧側側壁116または負圧側側壁118のいずれか)に沿って配置された出口を終端とする予混合チャネル(132または134)を有することができると考えられる。したがって、本明細書においては、正圧側側壁116および負圧側側壁118の両方に出口126,128を有する実施形態を参照しているが、特許請求の範囲に記載されていない限り、燃料−空気混合物をもたらすための出口126,128を正圧側側壁116および負圧側側壁118の両方が有する必要はないことを、理解すべきである。
【0050】
特定の実施形態においては、
図6および
図7に示されるように、燃料噴射パネル110の正圧側側壁116および負圧側側壁118のいずれかまたは両方の肉厚Tを、燃料噴射パネル110の軸方向(または、長手方向)の長さおよび/または半径方向のスパンに沿って変化させることができる。例えば、燃料噴射パネル110の正圧側側壁116および負圧側側壁118のいずれかまたは両方の肉厚Tを、上流端部分112と下流端部分114との間、および/または内側ライナセグメント106と外側ライナセグメント108(
図5)との間で変化させることができる。
【0051】
特定の実施形態においては、
図6に示されるように、全体としての噴射パネルの厚さPTを、燃料噴射パネル110の軸方向(または、長手方向)の長さおよび/または半径方向のスパンに沿って変化させることができる。例えば、正圧側側壁116および/または負圧側側壁118が、2つの円周方向において隣接する一体型燃焼器ノズル100の間を流れる燃焼ガスの流れへと向かい、さらには/あるいはそのような流れの中へと外側に膨らむ凹部を含むことができる。全体としての噴射パネルの厚さPTにおける膨らみまたは変動は、それぞれの正圧側側壁116または負圧側側壁118の半径方向のスパンおよび/または軸方向の長さに沿った任意の地点で生じ得る。パネルの厚さPTまたは膨らみの位置を、局所領域を肉厚Tの変更を必要とすることなく特定の目標速度および滞留時間プロファイルを達成するように仕立てるために、正圧側側壁116または負圧側側壁118の軸方向の長さおよび/または半径方向のスパンに沿って変化させることができる。膨らみの領域を、所与の燃料噴射パネル110の正圧側側壁116および負圧側側壁118に両方において対称にする必要はない。
【0052】
特定の実施形態においては、
図6に示されるように、正圧側予混合チャネル132のうちの1つ以上が、燃料噴射パネル110の長手軸に沿って延びるおおむね一直線または直線状の部分136と、それぞれの正圧側噴射出口126のすぐ上流に定められるおおむね湾曲した部分138とを有することができる。特定の実施形態においては、
図7に示されるように、負圧側予混合チャネル134のうちの1つ以上が、燃料噴射パネル110の長手軸に沿って延びるおおむね一直線の部分140と、対応する負圧側噴射出口128のすぐ上流に定められる湾曲した部分142とを有することができる。湾曲した部分138,142は、内側半径(燃料噴射パネル110の上流端112に向かう)および外側半径(燃料噴射パネル110の下流端114に向かう)を含むことができる。少なくとも1つの実施形態においては、
図8に示されるように、正圧側予混合チャネル132が、半径方向に間隔を空けつつ位置することができ、あるいは対応する負圧側予混合チャネル134によって隔てられてよい。
【0053】
特定の実施形態においては、
図6および
図7に示されるように、正圧側予混合チャネル132および/または負圧側予混合チャネル134は、燃料噴射パネル110の正圧側側壁116と負圧側側壁118との間を横切り、あるいは屈曲して延びることができる。一実施形態において、正圧側予混合チャネル132および/または負圧側予混合チャネル134は、燃料噴射パネル110の一直線または一定の軸方向(または、長手方向)平面に沿うよりもむしろ、正圧側側壁116と負圧側側壁118との間を半径方向内側および/または外側に横切ることができる。正圧側予混合チャネル132および/または負圧側予混合チャネル134を、燃料噴射パネル110内でさまざまな角度に向けることができる。特定の実施形態においては、1つ以上の正圧側予混合チャネル132および/または負圧側予混合チャネル134が、さまざまなサイズおよび/または形状にて形成されてよい。特定の実施形態においては、1つ以上の予混合チャネル132,134が、曲がり、ねじれ、よじれ、螺旋状部分、タービュレータ、などの混合促進用の造作を含むことができる。
【0054】
図6、
図7、および
図8に共同で示されるように、それぞれの燃料噴射モジュール300からの燃料噴射ランス304が、燃料噴射パネル110内に定められ、とくには燃料噴射パネル110の上流端部分112の付近において正圧側側壁116と負圧側側壁118(
図6および
図7)との間に定められた予混合空気プレナム144を通って延びる。各々の燃料噴射ランス304の下流端部分306が、それぞれの燃料噴射パネル110のそれぞれの正圧側予混合チャネル132またはそれぞれの負圧側予混合チャネル134の中へと少なくとも部分的に延び、これらに流体連通している。やはり、必ずしも両方の予混合チャネル132,134が存在する必要はない。むしろ、1組の予混合チャネル132または134だけを使用してもよい。
【0055】
図9が、本開示の少なくとも1つの実施形態による複数の一体型燃焼器ノズル100のうちの典型的な一体型燃焼器ノズル100について、予混合空気プレナム144の一部分を切断した断面の下流方向の斜視図である。
図10は、本開示の少なくとも1つの実施形態による
図9に示した燃料噴射パネル110の一部分の拡大図を示している。
【0056】
少なくとも1つの実施形態においては、
図9および
図10に共同で示されるように、各々の燃料噴射パネル110が、燃料噴射ランス304を予混合チャネル132,134へと導くための半径方向に間隔を空けつつ位置する複数の環状のカラーまたは座146を含む。各々のカラー146は、中央開口部151を定めており、複数のストラット148によって支持されている。各々のカラー146は、対応する燃料噴射ランス304の中央開口部151への挿入または整列を助けるために、中央開口部151に外接するテーパ部または発散部150を含むことができる。ストラット148を、それぞれのカラー146の周囲に対応する予混合チャネル132または134への流路152を定めるように、それぞれのカラー146の周りに間隔を空けつつ配置することができる。流路152は、予混合空気プレナム144と正圧側および負圧側予混合チャネル132,134との間の流体連通をもたらす。
図6、
図7、および
図8に示されるように、カラー146を、燃料噴射ランス304の少なくとも一部分(下流端部分306など)を受け入れ、かつ/または支持するようなサイズとすることができる。
【0057】
図11が、少なくとも1つの実施形態による典型的な燃料噴射ランス304が挿入された典型的な燃料噴射パネル110の一部分の上方からの(見下ろしの)断面図を示している。特定の実施形態においては、
図11に示されるように、1つ以上の燃料噴射ランス304の下流端部分306が、送出先端部308を含む。送出先端部308は、(上述したとおりの)それぞれの燃料噴射パネル110のそれぞれのカラー146を通っての設置を容易にするために、円錐形、収束形、またはテーパ状であってよく、それぞれの正圧側予混合チャネル132またはそれぞれの負圧側予混合チャネル134へと少なくとも部分的に延びることができる。送出先端部308は、インジェクタ燃料プレナム336(後述)と流体連通する1つ以上の噴射ポート310を含むことができる。
【0058】
特定の実施形態においては、
図11に示されるように、1つ以上の燃料噴射ランス304が、蛇腹部分またはカバー312を含む。蛇腹部分312は、分割型環状燃焼システム36の動作中の燃料噴射パネル110と噴射ランス304との間のおおむね軸方向の相対的な熱による伸びまたは移動を許容することができる。特定の実施形態においては、
図11に示されるように、燃料噴射パネル110が、燃料噴射パネル110の上流端部分112に近接して配置され、あるいは燃料噴射パネル110の上流端部分112に結合した複数の浮動カラー154を含むことができる。浮動カラー154は、一体型燃焼器ノズル100(とくには、燃料噴射パネル110)と燃料噴射モジュール300との間の半径方向および/または軸方向の移動を許容することができる。
【0059】
図8〜
図11に示されるように、予混合チャネル132,134は、燃料噴射パネル110の正圧側側壁116と負圧側側壁118との間に配置された共通の半径方向の平面内に配置されている。あるいは、
図12に示されるように、正圧側予混合チャネル132および/または負圧側予混合チャネル134を、出口を燃料噴射パネル110の両側面に位置させ、あるいは出口を燃料噴射パネル110の同じ側面に位置させつつ、燃料噴射パネル110の負圧側側壁118および/または正圧側側壁116と一体に形成してもよい。この実施形態においては、燃料噴射ランス304を、燃料噴射ランス304が対応する予混合チャネル132、134の入口に整列するように、正圧側燃料噴射ランスからなる第1のサブセットおよび負圧側燃料噴射ランスからなる第2のサブセットへと円周方向に分けることができる。燃料噴射ランス304の第1のサブセットおよび燃料噴射ランス304の第2のサブセットに、1つ以上のインジェクタ燃料プレナム336によって燃料をもたらすことができる。
【0060】
図13が、一実施形態による典型的な一体型燃焼器ノズル100の一部分へと挿入された典型的な燃料噴射モジュール300の下流側への斜視図を示している。
図14が、
図13に示したとおりの燃料噴射モジュール300の上流側への斜視図を示している。種々の実施形態において、
図13および
図14に共同で示されるように、燃料噴射モジュール300は、ハウジング本体314を有する集合管燃料ノズル部分302を含む。ハウジング本体314は、前方(または、上流側)プレートまたは面316と、後方(または、下流側)プレートまたは面318と、前方プレート316から後方プレート318まで軸方向に延びる外周壁320と、外周壁320の内側を前方プレート316および後方プレート318を通って軸方向に延びる複数の管322とを含むことができる。特定の実施形態においては、(浮動カラーシールなどの)シール324が、ハウジング本体314の外周壁320の少なくとも一部分を取り囲む。シール324は、円周方向において隣接する燃料噴射モジュール300の外壁などのシール面と係合して、それらの間の流体の流れを防止または低減することができる。
【0061】
各々の管322は、前方プレート316またはその上流に定められた入口326(
図13)と、後方プレート318またはその下流に定められた出口328(
図14)と、それぞれの入口326および出口328の間を延びる予混合通路330(
図14に隠れ線で示されている)とを含む。
図14に隠れ線で示されているように、燃料ノズルプレナム332が、燃料噴射モジュール300のハウジング本体314の内部に定められる。複数の管322の各々の管322は、燃料ノズルプレナム332を通って延びている。管322の少なくともいくつかは、燃料ノズルプレナム332内に配置された少なくとも1つの燃料ポート334を含み、あるいは燃料ノズルプレナム332内に配置された少なくとも1つの燃料ポート334を定める。各々の燃料ポート334は、燃料ノズルプレナム332からそれぞれの予混合通路330への流体連通を可能にする。特定の実施形態においては、燃料ノズルプレナム332を、ハウジング本体314内に定められた2つ以上の燃料ノズルプレナム332へと細分化し、あるいは仕切ることができる。
【0062】
動作時に、気体燃料(または、いくつかの実施形態においては、気体混合物へと改質された液体燃料)が、燃料ノズルプレナム332から燃料ポート334を介して各々の管322のそれぞれの予混合通路330へと流れ、各々の管322のそれぞれの入口326に進入する空気と混ざり合う。燃料ポート334を、例えば、2つの隣接する一体型燃焼器ノズル100の間で燃焼力学を処置または調節し、あるいは分割型環状燃焼システム36とタービン18との間でコヒーレントな軸方向モードを緩和するためにマルチタウ(multi−tau)配置が望まれる場合に、単一の軸方向平面または2つ以上の軸方向平面においてそれぞれの管322に沿って位置させることができる。
【0063】
図13に示した実施形態においては、複数の燃料噴射ランス304の各々の燃料噴射ランス304が、燃料噴射モジュール300のハウジング本体314の外周壁320の半径方向壁部分に沿って、隣接する燃料噴射ランス304から半径方向に間隔を空けて配置されている。
図13に隠れ線で示されているように、インジェクタ燃料プレナムまたは燃料回路336は、燃料噴射モジュール300のハウジング本体314の内部に定められる。
【0064】
特定の実施形態において、燃料噴射ランス304は、インジェクタ燃料プレナム336に流体連通する。特定の実施形態において、インジェクタ燃料プレナム336は、2つ以上のインジェクタ燃料プレナム336に細分化されてもよい。例えば、特定の実施形態においては、インジェクタ燃料プレナム336を、複数の燃料噴射ランス304のうちの第1のサブセット340に燃料を供給することができる第1のインジェクタ燃料プレナム338と、複数の燃料噴射ランス304のうちの第2のサブセット344に燃料を供給することができる第2のインジェクタ燃料プレナム342とに細分化することができる。図示のように、燃料噴射ランス304の第1のサブセット340は、半径方向内側のサブセットであってよく、燃料噴射ランス304の第2のサブセット344は、半径方向外側のサブセットであってよい。
【0065】
他の実施形態においては、複数の燃料噴射ランス304のうちの1つおきの燃料噴射ランス304に、第1のインジェクタ燃料プレナムによって燃料を供給することができる一方で、残りのランス304には、別の燃料インジェクタプレナムによって燃料が供給される。このような構成においては、一方の側壁に沿って出口を有する予混合チャネル(例えば、132)への燃料の供給を、反対側の側壁の予混合チャネル(例えば、134)への燃料の供給から独立して行うことが可能である。
【0066】
特定の実施形態においては、燃料噴射ランス304を、燃料噴射ランスの半径方向外側のサブセット304(a)、燃料噴射ランスの中間または中央のサブセット304(b)、および燃料噴射ランスの半径方向内側のサブセット304(c)へと細分化することができる。この構成において、燃料噴射ランスの半径方向外側のサブセットおよび半径方向の内側サブセット304(a)、304(c)が、或る1つの燃料インジェクタプレナムから燃料を受け取ることができる一方で、燃料噴射ランスの中間のサブセット304(b)、もう1つの(別個の)燃料インジェクタプレナムから燃料を受け取ることができる。複数の燃料噴射ランス304を、燃料噴射ランス304の燃料が別個独立に供給され、あるいは共通に供給される複数のサブセットへと細分化することができるが、本開示は、特許請求の範囲にとくに記載されない限り、燃焼噴射ランスの2つまたは3つのサブセットに限定されない。
【0067】
燃料を、分割型環状燃焼システム36の前端部分から燃料噴射モジュール300内の種々のプレナムへと供給することができる。例えば、燃料を、圧縮機吐出ケーシング32に結合した端部カバー(図示せず)を介し、さらには/あるいは圧縮機吐出ケーシング32の前端部分に配置された1つ以上の管または導管を介して、種々の燃料噴射モジュール300へと供給することができる。
【0068】
あるいは、燃料を、半径方向外側の燃料マニホールドまたは燃料供給アセンブリ(図示せず)から燃料噴射モジュール300へと外側ライナセグメント108を通って半径方向に供給することができる。さらに別の構成(図示せず)においては、燃料を、集合管燃料ノズル302または燃料噴射ランス304を介して導入される前に燃料噴射パネル110を冷却するように、燃料噴射パネル110の後端114へと供給し、正圧側側壁116および/または負圧側側壁118を通って導くことができる。
【0069】
別の構成(図示せず)においては、燃料を、燃料噴射パネル110の後端114へと供給し、燃料噴射パネル110の後端から始まって正圧側側壁116および負圧側側壁118に出口126、128をそれぞれ有している予混合チャネル132,134へと導くことができる。この構成においては、燃料噴射ランス304の必要性がなくなり、集合管燃料ノズル302への燃料を、(本明細書に記載の燃料供給導管などの燃料供給導管を介して)半径方向または軸方向に供給することができる。
【0070】
図13に示されるように、種々の実施形態においては、燃料ノズルプレナム332ならびに/あるいはインジェクタ燃料プレナム336またはインジェクタ燃料プレナム338,342に燃料を供給するために、1つ以上の導管346を使用することができる。例えば、一実施形態において、導管346は、チューブインチューブ(tube−in−tube)構成を形成する内側管350を同心円状に取り囲む外側管348を含むことができる。この実施形態においては、外側燃料回路352が、内側管350と外側管348との間に半径方向に定められ、内側燃料回路354が、内側管350の内側に形成され、したがって燃料ノズルプレナム332および/またはインジェクタ燃料プレナム336,338,342への同心な燃料流路が定められる。例えば、外側燃料回路352が、インジェクタプレナム336,338,342のうちの1つ以上へと燃料を供給できる一方で、内側燃料回路354が、燃料ノズルプレナム332へと燃料を供給でき、あるいは逆もまた然りである。別の実施形態(図示せず)においては、燃料ノズルプレナム332およびインジェクタ燃料プレナム336に燃料をもたらすために、別個の管348,350を使用してもよい。
【0071】
図15が、別の実施形態による燃料噴射モジュール300の上流側への斜視図を示している。
図16が、別の実施形態による別の燃料噴射モジュール300の上流側への斜視図を示している。
図17は、円周方向に隣接する一体型燃焼器ノズル100に組み込まれた複数の(
図15に示したとおりの)燃料噴射モジュール300の下流側への斜視図を示している。
【0072】
図15、
図16、および
図17に共同で示される実施形態においては、集合管燃料ノズル部分302の複数の管322が、管の第1のサブセット356および管の第2のサブセット358に細分化される。ハウジング本体314は、共通の前方プレート316と、第1の後方プレート360と、第2の後方プレート362と、管の各々のサブセット356,358の周囲に延在して、1つ以上のそれぞれの燃料ノズルプレナム(図示せず)を定める外周壁320とを含む。本明細書において使用されるとき、用語「燃料ノズルプレナム」および「集合管燃料プレナム」は、燃料噴射モジュール300の燃料ノズル部分302(場合によっては、集合管燃料ノズル)へと燃料を供給する燃料プレナムを指して入れ換え可能に使用され得る。
【0073】
管の第1のサブセット356は、前方プレート316、ハウジング本体314内に定められた第1の燃料ノズルプレナム、および第1の後方プレート360を通って延びる。管の第2のサブセット358は、前方プレート316、ハウジング本体314内に定められた第2の燃料ノズルプレナム、および第2の後方プレート362を通って延びる。
図15に示されるように、複数の燃料噴射ランス304が、円周方向において管の第1のサブセット356と管の第2のサブセット358との間および/または第1の後方プレート360と第2の後方プレート362との間に配置される。
【0074】
図16は、燃料噴射パネル110内のインジェクタ燃料プレナムへと燃料が半径方向にもたらされる実施形態において使用することができる別の燃料噴射モジュール300を示している。この実施形態においては、燃料噴射ランス304を燃料噴射モジュール300から省略して、管のそれぞれのサブセット356,358の間に円周方向のすき間を残すことができる。
【0075】
特定の実施形態においては、
図14、
図15、および
図16に示されるように、燃料噴射モジュール300のうちの1つ以上が、燃料噴射モジュール300の集合管燃料ノズル部分302から出る燃料および空気混合物に点火するためのイグナイタ364を含むことができる。特定の実施形態においては、
図15および
図16に示されるように、シール366(フラ型またはばね式シールなど)を、1つ以上の燃料噴射モジュール300のハウジング本体314の側周壁368に沿って配置することができる。シール366は、隣接する燃料噴射モジュール300の隣接する側周壁と係合して、両者の間の流体の流れを防止または低減することができる。
【0076】
図15、
図16、および
図17は、各々の燃料噴射モジュール300に組み合わせられた1対の燃料導管382,392を示している。一実施形態(
図15および
図17)においては、燃料導管382,392を、上述したように、チューブインチューブ構成として製作することができる。この場合、第1の燃料導管382が、集合管の第1のサブセット356および燃料噴射ランス304の第1のサブセット(個別の参照番号は標記されていない)へと燃料を供給することができる一方で、他方の燃料導管392は、集合管の第2のサブセット358および燃料噴射ランス304の第2のサブセットへと燃料を供給することができる。
【0077】
別の実施形態(
図16)においては、燃料導管382が、集合管の第1のサブセット356に燃料を供給でき、第2の導管392が、集合管の第2のサブセット358に燃料を供給することができる。さらに別の変種においては、集合管の第1のサブセット356および集合管の第2のサブセット358に、(第1の燃料導管382による供給を受ける)共通の第1の燃料ノズルプレナム372および(第2の燃料導管392による供給を受ける)共通の第2の燃料ノズルプレナムによって供給を行うことで、管の各々のサブセット356,358を、集合管の半径方向内側および半径方向外側のグループにさらに分割することができる。すなわち、第1の集合サブセット356の半径方向内側の管および第2の集合サブセット358の半径方向内側の管に、第1の導管382によって燃料をもたらすことができる一方で、サブセット356,358の半径方向外側の管に、第2の導管392によって燃料をもたらすことができる。したがって、単一の燃料噴射モジュール300の共通のハウジング内に、別個独立に燃料を供給することができる半径方向内側および半径方向外側の集合管サブセットを作り出すことが可能である。
【0078】
図17は、3つのそれぞれの燃焼器ノズル100に組み合わせられた
図15の3つの典型的な燃料噴射モジュール300のセットを示している。図示されているように、集合管の第1のサブセット356は、燃料噴射パネル110の負圧側側壁(118)の円周方向外側に位置する。燃焼器ノズル100は、第1および第2の集合管燃料ノズルのサブセット356,358の間に位置する。第2の集合管燃料ノズルのサブセット358は、同じ燃料噴射パネル110の正圧側(116)の円周方向外側に位置する。したがって、各々の主燃焼ゾーン102は、第1の燃料噴射モジュール300の第2の集合管燃料ノズルのサブセット358および第2の(隣接する)燃料噴射モジュール300の第1の集合管燃料ノズル356からの燃料および空気混合物を燃焼させる。同様に、予混合チャネル132,134が燃料噴射パネル110の側壁の各々に配置されている実施形態においては、各々の二次燃焼ゾーン104が、第1の燃料噴射パネル110の負圧側予混合チャネル134および第2の(隣接する)燃料噴射パネル110の正圧側予混合チャネル132からの燃料および空気混合物を燃焼させる。
【0079】
図18が、少なくとも1つの実施形態による燃料噴射パネル110の一部分および(
図15および
図17に示した)燃料噴射モジュール300を含む一体型燃焼器ノズル100の一部分の断面上面図を示している。
図19が、少なくとも1つの実施形態による典型的な一体型燃焼器ノズル100に挿入された(
図15に示した)燃料噴射モジュール300の実施形態について、正圧側側壁116を切除した断面側面図を示している。
【0080】
図18に示されるように、複数の管322のうちの管の第1のサブセット356は、それぞれの燃料噴射パネル110の負圧側側壁118の一部分に沿って延び、複数の管322のうちの管の第2のサブセット358は、同じ燃料噴射パネル110の正圧側側壁116に沿って延びている。このように、
図17に示されるように、2つの円周方向に隣接する一体型燃焼器ノズル100に取り付けられた2つの円周方向に隣接する燃料噴射モジュール300が、分割型環状燃焼システム36の各々の主燃焼ゾーン102のための管322の全バンクを形成するために必要である。
【0081】
特定の実施形態において、
図18および
図19に示されるように、集合管燃料プレナム332は、2つ以上の集合管燃料プレナムに細分化されてもよい。例えば、一実施形態においては、集合管燃料プレナム332を、壁371あるいは燃料噴射モジュール300内に画定または配置された他の障害物によって、第1の集合管燃料プレナム370および第2の集合管燃料プレナム372へと細分化し、あるいは仕切ることができる。この構成においては、
図18に示されるように、第1の集合管燃料プレナム370が、管の第1のサブセット356へと燃料を供給できる一方で、第2の集合管燃料プレナム372が、管の第2のサブセット358へと燃料を供給することができる。この構成においては、管の第1のサブセット356および管の第2のサブセット358に、互いに独立に燃料を供給することができ、あるいは管の第1のサブセット356および管の第2のサブセット358を、互いに独立に動作させることができる。
【0082】
特定の実施形態においては、
図18に示されるように、集合管燃料プレナム332を、ハウジング本体314内に配置された1つ以上のプレートまたは壁373によって管の一方または両方のサブセット356,358を横切って軸方向に細分化することにより、前方の集合管燃料プレナム332(a)および後方の集合管燃料プレナム332(b)を形成することができる。燃料ポート334のうちの1つ以上を、前方の集合管燃料プレナム332(a)に流体連通させ、燃料ポート334のうちの1つ以上を、後方の集合管燃料プレナム332(b)に流体連通させることにより、燃焼力学を処置または調節するためのマルチタウの柔軟性をもたらすことができる。
【0083】
特定の実施形態においては、
図19に示されるように、インジェクタ燃料プレナム336を、第1のインジェクタ燃料プレナム374および第2のインジェクタ燃料プレナム376に細分化または分割することができる。この実施形態においては、複数の燃料噴射ランス304を、燃料噴射ランス304の第1の(または、半径方向内側の)サブセット378および燃料噴射ランス304の第2の(または、半径方向外側の)サブセット380に細分化することができる。燃料噴射ランス304の第1のサブセット378が、第1のインジェクタ燃料プレナム374に流体連通でき、燃料噴射ランス304の第2のサブセット380が、第2のインジェクタ燃料プレナム376に流体連通することができる。
【0084】
燃料噴射ランス304の第1の(または、半径方向内側の)サブセット378が、正圧側側壁および/または負圧側側壁の予混合チャネル132,134の半径方向内側の組に燃料を供給できる一方で、燃料噴射ランス304の第2の(または、半径方向外側の)サブセット380が、正圧側側壁および/または負圧側側壁の予混合チャネル132,134の半径方向外側の組に燃料を供給することができる。この構成は、運転モード(例えば、全負荷、部分負荷、またはターンダウン)または所望の排出性能に応じて、燃料噴射ランス304の第1のサブセットおよび燃料噴射ランス304の第2のサブセットを別個独立または一緒に動作させることができる点で、動作の柔軟性を高めることができる。
【0085】
図19は、内側燃料回路388と外側燃料回路390とを定めるチューブインチューブ構成を形成するように内側管386を同心円状に取り囲む外側管384を含んでいる第1の導管382をさらに示している。内側燃料回路388を、第1の集合管燃料プレナム370に燃料を供給するために使用することができ、外側燃料回路390を、第1のインジェクタ燃料プレナム374に燃料を供給するために使用することができる(あるいは、逆も可能)。チューブインチューブ構成を形成するように内側管396を同心円状に取り囲む外側管394を含んでいる第2の導管392が、内側燃料回路398および外側燃料回路400を定めている。内側燃料回路398を、第2の集合管燃料プレナム372に燃料を供給するために使用することができ、外側燃料回路400を、第2のインジェクタ燃料プレナム376に燃料を供給するために使用することができる。
【0086】
好都合なことに、
図15および
図17〜
図19に示した実施形態においては、燃料ノズル部分302および燃料噴射ランス304の両方への燃料が、共通の燃料導管(例えば、チューブインチューブ導管)によってもたらされるため、複雑さが低減され、部品数が最小限に抑えられる。本明細書においてはチューブインチューブ構成が例示されているが、代わりに、燃料ノズル部分302へと燃料を供給する少なくとも1つの燃料導管と、燃料噴射ランス304へと燃料を供給する少なくとも1つの他の燃料導管とを含む別々の燃料導管を使用してもよいことを、理解すべきである。
【0087】
図20は、少なくとも1つの実施形態による円周方向に隣接する1対の一体型燃焼器ノズル100と半径方向に取り付けられた1対の燃料噴射モジュール300とを含む分割型環状燃焼システム36の一部分の下流側への斜視図を示している。一実施形態においては、
図20に示されるように、2つの燃料噴射モジュール300を半径方向に積み重ねることにより、半径方向内側および半径方向外側の燃料噴射モジュールセット402を形成することができる。燃料噴射モジュールセット402の各々の燃料噴射モジュール300に、すでに述べたように複数の燃料回路を有する導管404,406によって個別に燃料を供給することで、積み重ねられた燃料噴射モジュールセット402は、少なくとも4つの独立した燃料回路を有する。このようにして、それぞれの集合管燃料プレナムおよびインジェクタ燃料プレナムについて、すでに述べたように独立に燃料をもたらし、あるいは独立に動作させることができる。
【0088】
特定の実施形態においては、
図20に示されるように、燃料噴射パネル110のうちの少なくとも1つが、それぞれの燃料噴射パネル110の正圧側側壁(
図19では隠れている)および負圧側側壁118のそれぞれの開口部を通って延びる少なくとも1つのクロスファイヤ管156を定めることができる。クロスファイヤ管156は、円周方向に隣接する一体型燃焼器ノズル100の間の円周方向に隣接する主燃焼ゾーン102のクロスファイヤおよび点火を可能にする。
【0089】
一実施形態においては、
図21に示されるように、クロスファイヤ管156が、間に空気容積が定められる二重壁の円筒形構造によって定められる。第1の主燃焼ゾーン102で点火された燃焼ガス30は、クロスファイヤ管156の内壁を通って隣接する主燃焼ゾーン102へと流入し、隣接する主燃焼ゾーン102において燃料および空気混合物の点火を生じさせることができる。燃焼ガスがクロスファイヤ管156内に停滞することがないように、パージ空気孔158が内壁に設けられる。パージ空気孔158に加えて、クロスファイヤ管156の外壁に、燃料噴射パネル110内の少なくとも1つの空気空洞160,170または圧縮空気の何らかの他の供給源に流体連通することができる空気供給孔157を設けることができる。パージ空気孔158は、空気供給孔157を介して空気を受け取る空気容積に流体連通している。外壁のより小さい空気供給孔157と内壁のより大きいパージ空気孔158との組み合わせは、クロスファイヤ管156を、分割型環状燃焼システム36における潜在的な燃焼力学を軽減するための共振器に変換する。
【0090】
特定の実施形態においては、燃料噴射モジュール300のうちの1つ以上を、気体燃料に加えて液体燃料を燃焼させるように構成することができる。
図22が、本開示の少なくとも1つの実施形態による気体燃料および液体燃料の両方で動作するように構成された典型的な燃料噴射モジュールの下流側への斜視図を示している。
図23が、本開示の一実施形態による端部カバー40に結合した
図22に示した典型的な燃料噴射モジュール300について、切断線23−23に沿って得た断面側面図を示している。
図24が、本開示の一実施形態による
図23に示した燃料噴射モジュール300について、切断線24−24に沿って得た断面図を示している。
【0091】
少なくとも1つの実施形態においては、
図22および
図23に共同で示されるように、燃料噴射モジュール300のうちの1つ以上に、それぞれの燃料供給導管408を介して端部カバー40から燃料をもたらすことができる。
図23に示されるように、燃料供給導管408は、外側導管410、内側導管412、および内側導管412を通って同軸に延びる液体燃料カートリッジ414を含むことができる。特定の実施形態において、燃料供給導管408は、半径方向において内側導管412と外側導管410との間に配置された中間導管416を含むことができる。外側導管410、内側導管412、および中間導管416(存在する場合)は、それらの間に気体燃料または液体燃料を燃料噴射モジュール300の集合管燃料ノズル部分302および/または燃料噴射ランス304へと供給するための種々の燃料回路を定めることができる。
【0092】
種々の実施形態において、
図23に示されるように、燃料噴射モジュール300のハウジング本体314は、内部に空気プレナム418を定めることができる。空気プレナム418は、複数の管322の各々の管322の少なくとも一部を取り囲むことができる。圧縮機吐出ケーシング32からの空気が、ハウジング本体314に沿って定められた開口部420を介し、あるいは前方プレート316から始まって燃料プレナム332を通って空気プレナム418へと延びるチャネル(図示せず)などの何らかの他の開口部または通路によって、空気プレナム418に進入することができる。
【0093】
種々の実施形態において、液体燃料カートリッジ414は、内側導管412の内部を軸方向に、内側導管412を少なくとも部分的に通って延びる。液体燃料カートリッジ414は、液体燃料424(例えば、油)を複数の管322の少なくとも一部へと供給することができる。これに加え、あるいはこれに代えて、液体燃料カートリッジ414は、液体燃料424を管出口328から流れるあらかじめ混合された気体の燃料−空気混合物(または、燃焼システムが液体燃料のみで動作し、管322への気体燃料の供給が行われない場合には、管出口を通って流れる空気)によって霧化させることができるように、後方プレート318,360,362の向こうの管322の出口328から液体燃料424をおおむね軸方向下流側および半径方向外側に発射することができる。
【0094】
この構成においては、
図23に示されるように、液体燃料を、液体燃料カートリッジ414を介して主燃焼ゾーン102へと直接噴射することができる。特定の実施形態において、液体燃料カートリッジ414および内側導管412は、両者の間に環状パージ空気通路428を少なくとも部分的に定めることができる。動作時に、パージ空気430をパージ空気通路428へともたらすことで、液体燃料カートリッジ414を熱的に絶縁し、コーキングを最小にすることができる。パージ空気430を、液体燃料カートリッジ414の下流端部分と内側導管412の下流端部分との間に定められる環状のすき間432を介して、パージ空気通路428から排出することができる。
【0095】
内側導管412および中間導管416は、両者の間に気体燃料を燃料プレナム332へともたらすための内側燃料通路422を定め、燃料プレナム332が、燃料噴射モジュール300の複数の管322へと燃料を供給する。あらかじめ混合された(気体または気化した液体)燃料および空気の流れを、集合管燃料ノズル部分302の管出口328を介して、主燃焼ゾーン102へと噴射することができる。
【0096】
中間導管416と外側導管410との間に定められる外側燃料通路426が、気体燃料をインジェクタ燃料プレナム336へと導き、インジェクタ燃料プレナム336が、燃料を燃料噴射ランス304へと供給する。
図24は、液体燃料カートリッジ414と、パージ空気通路428と、内側燃料通路422と、外側燃料通路426との同心性を示している。
【0097】
図25が、本開示の少なくとも1つの実施形態による典型的な燃料噴射ランス304を有する典型的な燃料噴射パネル110の一部分の上方からの(見下ろしの)断面図を示している。特定の実施形態においては、
図25に示されるように、液体燃料434を、燃料噴射ランス304のうちの1つ以上へと、それぞれの燃料噴射ランス304を通って軸方向に延びる液体燃料カートリッジ436を介して供給することができる。液体燃料カートリッジ436は、ハウジング本体314を通って延びることができる。液体燃料カートリッジ436は、液体燃料カートリッジ436の周りに環状部439を定める(内側導管412によく似た)保護管437の内側に設置される。環状部439は、空気が流れる通路をもたらすことにより、液体燃料カートリッジ436に断熱シールドを提供し、コーキングを最小にする。外側燃料通路438を、保護管437とそれぞれの燃料噴射ランス304の内面との間に定めることができる。外側燃料通路438は、インジェクタ燃料プレナム336と流体連通することができ、したがって燃料インジェクタランス304に二元燃料の能力をもたらすことができる。
【0098】
動作時に、各々の集合管燃料ノズル部分302は、各々の対応する主(または、第1の)燃焼ゾーン102において、各々の管322の出口328から生じる比較的短い火炎を介して燃焼ガスの高温流出流を生成する。高温流出流は、下流へと流れ、1つの第1の燃料噴射パネル110の正圧側予混合チャネル132および/または円周方向において隣接する(第2の)燃料噴射パネル110の負圧側予混合チャネル134によってもたらされる第2の燃料および空気の流れに流入する。高温流出流および第2のあらかじめ混合された燃料および空気の流れは、対応する二次燃焼ゾーン104において反応する。全燃焼ガス流の約40%〜95%である主燃焼ゾーン102からの高温流出流は、噴射面130、131へと下流に運ばれ、噴射面130、131において第2の燃料および空気混合物が導入され、流れの残部がそれぞれの二次燃焼ゾーンへと加えられる。一実施形態においては、全燃焼ガス流の約50%が、主燃焼ゾーン102から生じ、残りの約50%が、二次燃焼ゾーン104から生じる。各々の燃焼ゾーンにおいて目標の滞留時間を有する軸方向燃料多段化のこの構成は、全体としてのNOxおよびCOの排出を最小にする。
【0099】
円周方向ダイナミクスモードが、従来の環状燃焼器において一般的である。しかしながら、二次の燃料−空気の噴射を伴う一体型燃焼器ノズル100の使用に主に起因して、本明細書に提示の分割型環状燃焼システムは、これらのダイナミックモードの発現の可能性を低減する。さらに、各々のセグメントが、円周方向において隣接するセグメントから隔てられているため、いくつかの缶環状燃焼システムに関連するダイナミクストーンおよび/またはモードが軽減され、あるいは存在しない。
【0100】
分割型環状燃焼システム36の動作時に、各々の一体型燃焼器ノズル100および全体としての分割型環状燃焼システム36の機械的な性能を向上させるために、各々の一体型燃焼器ノズル100の正圧側側壁116、負圧側側壁118、タービンノズル120、内側ライナセグメント106、および/または外側ライナセグメント108のうちの1つ以上を、冷却することが必要である場合がある。冷却の必要性に対処するために、各々の一体型燃焼器ノズル100は、圧縮機吐出ケーシング32内に形成された高圧プレナム34および/または各々の燃料噴射パネル110内に定められた予混合空気プレナム144に流体連通できる種々の空気通路または空洞を含むことができる。
【0101】
一体型燃焼器ノズル100の冷却を、
図6、
図8、および
図26を参照して最もよく理解することができる。
図26は、少なくとも1つの実施形態による典型的な一体型燃焼器ノズル100の底面斜視図を示している。
【0102】
特定の実施形態においては、
図6、
図8、および
図26に共同で示されるように、正圧側側壁116と負圧側側壁118との間に定められる各々の燃料噴射パネル110の内部を、壁166によって種々の空気通路または空洞160へと仕切ることができる。特定の実施形態において、空気空洞160は、外側ライナセグメント108(
図8)に定められた1つ以上の開口部162を介し、さらには/あるいは内側ライナセグメント106(
図26)に定められた1つ以上の開口部164を介して、圧縮機吐出ケーシング32または他の冷却源から空気を受け取ることができる。
【0103】
図6、
図8、および
図26に共同で示されるように、壁または仕切り166は、複数の空気空洞160を少なくとも部分的に形成し、あるいは隔てるように、燃料噴射パネル110の内部を延びることができる。特定の実施形態においては、壁166の一部または全部が、燃料噴射パネル110の正圧側側壁116および/または負圧側側壁118に構造的な支持をもたらすことができる。特定の実施形態においては、
図8に示されるように、壁166のうちの1つ以上が、隣り合う空気空洞160間の流体の流れを可能にする1つ以上の開口168を含むことができる。
【0104】
種々の実施形態において、
図6、
図8、および
図26に共同で示されるように、複数の空気空洞160は、正圧側予混合チャネル132および負圧側予混合チャネル134を取り囲む(あるいは、予混合チャネル132または134のいずれかの組が存在する)予混合チャネル空気空洞170を含む。特定の実施形態においては、複数の空気空洞160のうちの少なくとも1つの空気空洞160が、各々の燃料噴射パネル110のタービンノズル部分120を通って延びる。
【0105】
動作時、圧縮機吐出ケーシング32によって形成される高圧プレナム34からの空気が、外側ライナセグメント108および/または内側ライナセグメント106のそれぞれの開口部162,164を介して複数の空気空洞160に進入することができる。燃料噴射パネル110の内部が壁166によって仕切られている特定の実施形態においては、空気は、開口168を通って隣接する空気空洞160へと流れることができる。特定の実施形態において、空気は、1つ以上の開口168を通って、予混合チャネル空気空洞170に向かって流れ、かつ/または予混合チャネル空気空洞170に流入でき、さらには/あるいは燃料噴射パネル110の予混合空気プレナム144に流入することができる。次いで、空気は、カラー146の周囲を流れ、正圧側予混合チャネル132および/または負圧側予混合チャネル134に流入することができる。
【0106】
図27は、本開示の少なくとも1つの実施形態による典型的な一体型燃焼器ノズル100の分解斜視図を示している。
図28は、少なくとも1つの実施形態による3つの組み立てられた典型的な一体型燃焼器ノズル100(
図27に分解して示されている)の上面図を示している。
図29は、少なくとも1つの実施形態による典型的な一体型燃焼器ノズル100(
図27に分解して示されている)の底面図を示している。
【0107】
特定の実施形態においては、
図27および
図28に共同で示されるように、各々の一体型燃焼器ノズル100が、外側ライナセグメント108の外面180に沿って延びる外側衝突パネル178を含むことができる。外側衝突パネル178は、外側ライナセグメント108の形状または形状の一部分に対応する形状を有することができる。外側衝突パネル178は、外側衝突パネル178に沿った種々の位置に定められる複数の衝突孔182を定めることができる。特定の実施形態においては、
図27に示されるように、外側衝突パネル178が、外側ライナセグメント108の外面180に沿って定められた予混合空気プレナム144への入口184を横切って延びることができる。特定の実施形態においては、
図27および
図28に共同で示されるように、外側衝突パネル178が、外側ライナセグメント108に沿って定められた開口部162のうちの1つ以上に整列または対応し、かつ一体型燃焼器ノズル100の内部に定められた種々の空気空洞160に対応する複数の開口部186を定めることができる。
【0108】
特定の実施形態においては、
図27および
図29に共同で示されるように、各々の一体型燃焼器ノズル100が、内側ライナセグメント106の外面190に沿って延びる内側衝突パネル188を含むことができる。内側衝突パネル188は、内側ライナセグメント106の形状または形状の一部分に対応する形状を有することができる。内側衝突パネル188は、内側衝突パネル188に沿った種々の位置に定められる複数の衝突孔192を含むことができる。特定の実施形態においては、
図29に隠れ線で示されるように、内側衝突パネル188が、内側ライナセグメント106の外面190に沿って定められた予混合空気プレナム144への入口194を横切って延びることができる。特定の実施形態においては、
図27および
図29に示されるように、内側衝突パネル188が、内側ライナセグメント106に沿って定められた開口部164(
図25)のうちの1つ以上に整列または対応し、かつ一体型燃焼器ノズル100の内部に定められた特定の空気空洞160に対応する複数の開口部196を定めることができる。
【0109】
特定の実施形態においては、
図27および
図28に共同で示されるように、一体型燃焼器ノズル100のうちの1つ以上が、対応する一体型燃焼器ノズル100のタービンノズル部分120の内部に配置された第1の衝突空気インサート198を含む。第1の衝突空気インサート198は、タービンノズル部分120の空気空洞160に相補的な形状にて、一方または両方の端部に開口部を有する中空構造として形成される。衝突空気インサート198は、複数の衝突孔200を定める。動作時に、圧縮機吐出ケーシング32からの空気が、対応する外側ライナセグメント108に定められた開口部162および/または外側衝突パネル178に定められた開口部186を通り、第1の衝突インサート198へと流入でき、第1の衝突インサート198において、空気は、個別のジェットとして衝突孔200を通って流れ、タービンノズル120の内面に衝突することができる。
【0110】
特定の実施形態においては、
図27、
図28、および
図29に共同で示されるように、一体型燃焼器ノズル100のうちの1つ以上が、第2の衝突空気インサート202を含むことができる。第2の衝突空気インサート202を、正圧側噴射出口126および/または負圧側噴射出口128の下流かつタービンノズル120の上流に定められた対応する燃料噴射パネル110の空洞204(
図28)に配置し、あるいは取り付けることができる。
図28および
図29に共同で示されるように、第2の衝突空気インサート202は、圧縮機吐出ケーシング32からの空気が燃料噴射パネル110を通って自由に流れることができるように、半径方向内側の端部206(
図29)および半径方向外側の端部208(
図28)の両方において開いていてよい。衝突空気インサート202を通過する空気の一部が、対応する燃料噴射パネル110の内面に衝突するように使用される。燃料噴射パネル110の内面に衝突した後に、空気は、燃料噴射パネル110の前端112に向かって燃料噴射パネル110を通って流れ、燃料噴射パネル110の前端112において、予混合チャネル132,134の入口へと導かれる。
【0111】
第2の衝突空気インサート202を自由に通過する空気を、圧縮機吐出ケーシング32内の圧縮空気と、この圧縮空気が各々の燃料噴射モジュール300の集合管燃料ノズル部分302に向かって流れるときに混合することができ、各々の燃料噴射モジュール300の集合管燃料ノズル部分302において燃料と混合することができる。種々の実施形態において、圧縮機吐出ケーシング32からの空気は、予混合チャネル空気空洞170へと流入して、正圧側および/または負圧側予混合チャネル132、134を冷却することができる。
【0112】
他の実施形態においては、内側ライナセグメント106を通って取り付けられる第1の衝突空気インサートおよび外側ライナセグメント108を通って取り付けられる第2の衝突空気インサートなど、2つの衝突空気インサートを、所与の空気空洞160に挿入することができる。このような組み合わせは、空洞160の半径方向寸法を貫通する単一の衝突空気インサートの挿入を妨げる形状(例えば、砂時計形状)を空洞160が有する場合に、有用であり得る。あるいは、2つ以上の衝突空気インサートを、所与の空洞160内で軸方向に続けて配置することができる。
【0113】
図30は、
図29に示した典型的な一体型燃焼器ノズル100のうちの1つの外側ライナセグメント108の一部分の拡大図を示している。
図31は、
図29に示した典型的な一体型燃焼器ノズル100のうちの1つの内側ライナセグメント106の一部分の拡大図を示している。
【0114】
特定の実施形態においては、
図30に示されるように、外側衝突パネル178を、外側ライナセグメント108の外面180から半径方向に離間させ、両者の間に冷却流すき間210を形成することができる。冷却流すき間210は、対応する燃料噴射パネル100の下流端部分114と上流端部分112との間に延在することができる。動作時に、
図30に示されるように、圧縮機吐出ケーシング32(
図2)からの空気26が、外側衝突パネル178に対して流れ、衝突孔182を通過する。衝突孔182は、空気26の複数のジェットを、個別の位置において外側ライナセグメント108の外面180に衝突し、かつ/または外側ライナセグメント108の外面180を横切るように導き、外側ライナセグメント108の外面180のジェット冷却または衝突冷却をもたらす。次いで、空気26は、外側ライナセグメント108の上流端部分112の入口184を通り、燃料噴射パネル110の内部に定められた予混合空気プレナム144へと流入でき、予混合空気プレナム144において、個々の正圧側予混合チャネル132および/または負圧側予混合チャネル134へと分配されてよい。外側ライナセグメント108は、その長手方向の縁の各々に沿って、C字形のスロット109を定めることができ、スロット109の長さに沿ってシール(図示せず)を設置することで、隣接する外側ライナセグメント108間の接合部122をシールすることができる。
【0115】
図31に示されるように、内側衝突パネル188を、内側ライナセグメント106の外面190から半径方向に離間させ、両者の間に冷却流すき間212を形成することができる。冷却流すき間212は、対応する燃料噴射パネル100の下流端部分114と上流端部分112との間に延在することができる。動作時に、
図31に示されるように、圧縮機吐出ケーシング32からの空気26が、内側衝突パネル188に対して流れ、衝突孔192を通過する。衝突孔192は、空気の複数のジェットを、個別の位置において内側ライナセグメント106の外面190に衝突し、かつ/または内側ライナセグメント106の外面190を横切るように導き、内側ライナセグメント106の外面190のジェット冷却または衝突冷却をもたらす。次いで、空気26は、内側ライナセグメント106の上流端部分112の入口194を通り、燃料噴射パネル110の内部に定められた予混合空気プレナム144へと流入でき、予混合空気プレナム144において、個々の正圧側予混合チャネル132および/または負圧側予混合チャネル134へと分配されてよい。内側ライナセグメント106は、その長手方向の縁の各々に沿って、C字形のスロット107を定めることができ、スロット107の長さに沿ってシール(図示せず)を設置することで、隣接する内側ライナセグメント106間の接合部122をシールすることができる。
【0116】
図30および
図31は、それぞれ外側ライナセグメント108および/または内側ライナセグメント106を通って延びる少なくとも1つのマイクロチャネル冷却通路216をさらに示している。マイクロチャネル冷却通路216は、(
図30に示されるように)冷却流すき間210に連通し、あるいは(
図31に示されるように)予混合空気プレナムに連通する入口孔214を有する。マイクロチャネル冷却通路216は、それぞれのライナセグメント106または108の長手方向の縁に沿って位置することができる空気出口孔218を終端とする。
【0117】
図32および
図33は、本開示の特定の実施形態による内側ライナセグメント106または外側ライナセグメント108の一部分の例示となるように意図されている。特定の実施形態においては、
図32および
図33に示されるように、内側ライナセグメント106の外面190および/または外側ライナセグメント108の外面180が、圧縮機吐出ケーシング32(
図2)からの空気を受け入れる複数の空気入口孔214を定め、あるいは含むことができる。各々の入口孔214(
図33において斜線で示されている)を、対応する空気出口孔218(
図33において実線の円で示されている)を終端とする比較的短いマイクロチャネル冷却通路216と一体にすることができる。図示の実施形態において、入口孔214および対応する出口孔218は、それぞれのライナセグメント108,106の同じ面(すなわち、外面180,190)に配置される。しかしながら、他の実施形態においては、出口孔218が内面に配置されてもよい。
【0118】
マイクロチャネル冷却通路216の長さは、さまざまであってよい。特定の実施形態においては、マイクロチャネル冷却通路216の一部またはすべての長さが、約10インチ未満であってよい。特定の実施形態においては、マイクロチャネル冷却通路216の一部またはすべての長さが、約6インチ未満であってよい。特定の実施形態においては、マイクロチャネル冷却通路216の一部またはすべての長さが、約2インチ未満であってよい。特定の実施形態においては、マイクロチャネル冷却通路216の一部またはすべての長さが、約1インチ未満であってよい。一般に、マイクロチャネル冷却通路216は、0.5インチ〜6インチの間の長さを有することができる。種々のマイクロチャネル冷却通路216の長さを、マイクロチャネル冷却通路216の直径、マイクロチャネル冷却通路216を通って流れる空気の熱回収能力、およびライナセグメント106、108の冷却対象領域の局所温度によって決定することができる。
【0119】
特定の実施形態において、空気出口孔218のうちの1つ以上は、それぞれの内側ライナセグメント106または外側ライナセグメント108の外面190,180に沿って位置することができ、それぞれの入口孔214からの空気を収集トラフ220(
図32)へともたらすことができる。
図32に示されるように、収集トラフ220は、内側ライナセグメント106のそれぞれの外面190または外側ライナセグメント108の外面180に沿って延びるダクト222によって定めることが可能である。収集トラフ220は、空気の少なくとも一部を燃料噴射パネル110の予混合空気プレナム144(
図31)へと導くことができ、予混合空気プレナム144において、空気を種々の正圧側予混合チャネル132および/または負圧側予混合チャネル134へと分配することができる。マイクロチャネル冷却に関するさらなる詳細は、本出願と譲受人が共通である2015年11月18日に出願された米国特許出願第14/944,341号に記載されている。
【0120】
特定の実施形態においては、
図32に示されるように、マイクロチャネル冷却通路216のうちの1つ以上を、1つ以上の空気空洞160の開口部162,164で終わるように配置することができる。したがって、マイクロチャネル冷却通路216のうちの1つ以上からの空気を、衝突空気インサートを内部に有していても、有していなくてもよい燃料噴射パネル110の内部を冷却するために使用される空気と、混合することができる。特定の実施形態においては、
図30および
図31に示されるように、空気がマイクロチャネル冷却通路216を通って流れ、次いで2つの円周方向に隣接する内側ライナセグメント106または外側ライナセグメント108の間を分割線122(
図28)に沿って流れることで、両者の間の流体シールを生み出すように、1つ以上のマイクロチャネル冷却通路216の出口孔218を、内側ライナセグメント106の側壁または外側ライナセグメント108の側壁に沿って配置することができる。一実施形態においては、空気がマイクロチャネル冷却通路216を通って流れ、次いで主燃焼ゾーン102または二次燃焼ゾーン104のいずれかにフィルム空気として進入するように、1つ以上のマイクロチャネル冷却通路216の出口孔218を、内側ライナセグメント106の内面または外側ライナセグメント108の内面に沿って配置することができる。
【0121】
さらに、衝突冷却またはマイクロチャネル冷却によるライナセグメント106,108の冷却に代えて(あるいは、これに加えて)、ライナセグメント106,108を対流によって冷却することも考えられる。この構成(図示せず)においては、ライナセグメント106,108に相応に形作られた冷却スリーブが設けられることで、ライナセグメントとスリーブとの間に環状部が定められる。スリーブの後端に、空気26を環状部に進入させて予混合空気プレナム144へと上流に運ぶことを可能にする複数の冷却入口孔が設けられる。ライナセグメント106,108の外面および/またはスリーブの内面に、乱流発生部、くぼみ、ピン、山形紋、などの熱伝達用の造作を設けて、ライナセグメント106,108からの熱の移動を増大させることができる。空気26が環状部を通過し、熱伝達用の造作を過ぎ、あるいは熱伝達用の造作の周囲を過ぎるとき、空気は、それぞれのライナセグメント106,108を対流によって冷却する。次いで、空気26は、予混合空気プレナム144に進入し、集合管燃料ノズル302または予混合チャネル132,134の一方または両方において燃料と混合される。空気が予混合チャネル132,134へと導かれる場合、空気は、チャネル132、134を通って流れるときにチャネル132、134をさらに冷却する。
【0122】
図34は、本開示の少なくとも1つの実施形態による分割型環状燃焼システム36の負圧側の一部分の斜視図を示している。
図35は、本開示の1つの実施形態による1つの典型的な一体型燃焼器ノズル100の一部分の下方からの斜視図を示している。
図36は、本開示の一実施形態による分割型環状燃焼システム36内に取り付けられた典型的な一体型燃焼器ノズル100の断面側面図を示している。
【0123】
図34に示されるとおりの一実施形態において、各々の一体型燃焼器ノズル100は、対応する外側ライナセグメント108に取り付けられた取り付けストラット224を含む。一体型燃焼器ノズル100を燃焼部16内に支持するために、各々の取り付けストラット224は、外側取り付けリング226に取り付けられている。外側取り付けリング226が、ライナセグメント108の後端に図示されているが、取り付けストラット224を、取り付けリング226の(
図36のような)ライナセグメント108の前端への配置あるいは前端と後端との間の中間の何らかの位置への配置を可能にするように構成できることを、理解すべきである。
【0124】
特定の実施形態においては、
図34、
図35、および
図36に共同で示されるように、各々の一体型燃焼器ノズル100が、内側フックまたはフックプレート228と、外側フックまたはフックプレート252とを含むことができる。内側フック228は、内側ライナセグメント106に沿って配置されても、内側ライナセグメント106に取り付けられても、あるいは内側ライナセグメント106のうちのタービンノズル120に近接する部分を形成してもよい。外側フック252は、外側ライナセグメント108に沿って配置されても、外側ライナセグメント108に取り付けられても、あるいは外側ライナセグメント108のうちのタービンノズル120に近接する部分を形成してもよい。
図36に示されるように、各々の内側フック228を、内側取り付けリング230に結合させることができる。内側フック228および外側フック252は、対向するように配置されてもよいし、反対の軸方向に延びてもよい。
【0125】
特定の実施形態においては、
図36に示されるように、外側二重蛇腹シール232が、タービンノズル120の付近において外側取り付けリング226と外側ライナセグメント108との間に延在する。外側二重蛇腹シール232の一端部234を、外側取り付けリング226に結合させることができ、あるいは外側取り付けリング226に対してシールすることができる。外側二重蛇腹シール232の第2の端部236を、外側ライナセグメント108または外側ライナセグメント108に取り付けられた中間構造体に結合させることができ、あるいは外側ライナセグメント108または外側ライナセグメント108に取り付けられた中間構造体に対してシールすることができる。他の実施形態においては、外側二重蛇腹シール232を1つ以上のリーフシールで置き換えることができる。
【0126】
特定の実施形態においては、内側二重蛇腹シール238が、タービンノズル120の付近において内側取り付けリング230と内側ライナセグメント106との間に延在する。内側二重蛇腹シール238の一端部240を、内側取り付けリング230に結合させることができ、あるいは内側取り付けリング230に対してシールすることができる。内側二重蛇腹シール238の第2の端部242を、内側ライナセグメント106または内側ライナセグメント106に取り付けられた中間構造体に結合させることができ、あるいは内側ライナセグメント106または内側ライナセグメント106に取り付けられた中間構造体に対してシールすることができる。他の実施形態においては、内側二重蛇腹シール238を1つ以上のリーフシールで置き換えることができる。
【0127】
図37は、円周方向に隣接する1対の二重蛇腹シールの斜視図を示しており、少なくとも1つの実施形態による内側または外側二重蛇腹シール238,232のいずれかの例示となるように意図されている。内側および/または外側二重蛇腹シール238,232を、2つの蛇腹セグメント244および246を溶接または他の方法によって接合することによって製造することができる。内側および/または外側二重蛇腹シール238,232(または、リーフシール)は、軸方向および半径方向の両方において、内側取り付けリング230と一体型燃焼器ノズル100との間の動き、および/または外側取り付けリング226と一体型燃焼器ノズル100との間の動きに適応することができる。内側二重蛇腹シール238または外側二重蛇腹シール232(または、代わりのリーフシール)の各々またはいくつかは、円周方向において2つ以上の一体型燃焼器ノズル100にまたがることができる。特定の実施形態においては、中間二重蛇腹シール248(または、リーフシール)を、円周方向に隣接する二重蛇腹(または、リーフ)シールの間に形成され得るすき間250を覆って配置することができる。
【0128】
図38は、本開示の1つの実施形態による典型的な一体型燃焼器ノズル100の正圧側の斜視図を示している。
図39は、
図38に示したとおりの一体型燃焼器ノズル100の一部の断面斜視図を示している。一実施形態においては、
図35および
図38に示されるように、一体型燃焼器ノズル100が、内側フックまたはフックプレート228を含む。内側フック228は、内側ライナセグメント106に沿って配置されても、内側ライナセグメント106に取り付けられても、あるいは内側ライナセグメント106のうちのタービンノズル120に近接する部分を形成してもよい。さらに、一体型燃焼器ノズル100は、タービンノズル120に近接した外側ライナセグメント108の外面180に沿って定められた1つ以上の外側フック252を含むことができる。
【0129】
図38および
図39に示されるように、一体型燃焼器ノズル100は、一体型燃焼器ノズル100の上流端112に近い内側ライナセグメント106の外面190に沿って配置された取り付けほぞまたは根元254をさらに含む。特定の実施形態においては、
図38に示されるように、内側ライナセグメント106に取り付けられた取り付けほぞ254に代え、あるいは内側ライナセグメント106に取り付けられた取り付けほぞ254に加えて、別の取り付けほぞ254を、一体型燃焼器ノズル100の上流端112に近い外側ライナセグメント108の外面180に沿って配置でき、さらには/あるいは一体型燃焼器ノズル100の上流端112に近い外側ライナセグメント108の外面180に取り付けることができる。特定の実施形態において、取り付けほぞ254(内側ライナセグメント106または外側ライナセグメント108あるいは両方のいずれに位置するかにかかわらず)は、蟻ほぞの形状またはモミの木の形状を有することができる。
【0130】
図40は、本開示の1つの実施形態による分割型環状燃焼システム36の一部分の斜視図を示している。
図41は、一実施形態による
図40に示した分割型環状燃焼システム36の一部分の断面側面図を示している。
図40および
図41に共同で示されるように、分割型環状燃焼システム36を、外側取り付けリング226および内側取り付けリング230に取り付けることができる。
【0131】
図40および
図41に共同で示されるように、内側スロット256および外側スロット258が、内側フック228および外側フック252をそれぞれ受け入れるために、内側取り付けリング230および外側取り付けリング226のそれぞれの垂直面部分260,262に設けられ、さらには/あるいは定められる。上述のように、内側フック228および外側フック252は、対向するように配置されてもよいし、反対の軸方向に延びてもよい。内側スロットカバー264が、内側スロット256内の内側フック228を覆い、あるいは固定することができる。内側スロットカバー264を、内側フック228を所定の位置に固定するために、内側取り付けリング230にボルトで取り付け、あるいは他の方法で結合させることができる。内側スロットカバー266が、外側スロット258内の外側フック252を覆い、あるいは固定することができる。外側スロットカバー266を、外側フック252を所定の位置に固定するために、外側取り付けリング226にボルトで取り付け、あるいは他の方法で結合させることができる。
【0132】
(
図41に示される)種々の実施形態において、内側ライナセグメント106上の取り付けほぞ254を、取り付けほぞ254を受け入れるように形作られたスロット270を含むほぞ取り付け部269内に据えることができる。次に、ほぞ取り付け部269を、機械的な締結具272(ボルトまたはピンなど)によって、内側前方取り付けリング268に結合させることができる。
図42が、本開示の少なくとも1つの実施形態による取り付けフランジのスロット270内に取り付けられた典型的なほぞ254の断面の下流側への斜視図を示している。
【0133】
特定の実施形態においては、
図42に示されるように、ダンパ274(ばね、ばねシール、または減衰メッシュ材料、など)を、各々のスロット270においてスロットの壁とほぞ254との間に配置することができる。ダンパ274は、この接合部または境界面における振動を低減することにより、長期にわたってほぞ254の摩耗を減らし、機械的な寿命および/または性能を改善する。
【0134】
本明細書において説明および図示した分割型環状燃焼システム36、とりわけ燃料噴射モジュール300と組み合わせられた一体型燃焼器ノズル100の種々の実施形態は、従来からの環状燃焼システムと比べて、動作およびターンダウン性能のさまざまな向上または改良を提供する。例えば、分割型環状燃焼システム36の始動時に、イグナイタ364が、複数の管322のうちの管322の出口328から流れる燃料および空気混合物に点火する。出力の需要が増すとき、燃料噴射パネル110へと供給を行う燃料噴射ランス304の一部またはすべてへの燃料を、各々の燃料噴射パネル110が完全に動作するまで、同時または順次にオンにすることができる。
【0135】
出力を減少させるために、燃料噴射ランス304の一部またはすべてへと流れる燃料を、必要に応じて、同または順次に絞ることができる。燃料噴射パネル110のうちのいくつかをオフにすることが望まれ、あるいは必要になるとき、1つおきの燃料噴射パネル110の燃料噴射ランス304を遮断することにより、タービンの動作の乱れを最少にすることができる。
【0136】
燃料噴射モジュール300の特定の構成に応じて、負圧側予混合チャネル134へと供給を行う燃料噴射ランス304をオフにすることができる一方で、正圧側予混合チャネル132へと供給を行う燃料噴射ランス304への燃料を続けることができる。燃料噴射モジュール300の特定の構成に応じて、正圧側予混合チャネル132へと供給を行う燃料噴射ランス304をオフにすることができる一方で、負圧側予混合チャネル134へと供給を行う燃料噴射ランス304への燃料を続けることができる。燃料噴射モジュール300の特定の構成に応じて、1つおきの燃料噴射パネル110へと供給を行う燃料噴射ランス304をオフにすることができる一方で、交互の燃料噴射パネル110へと供給を行う燃料噴射ランス304への燃料を続けることができる。
【0137】
特定の実施形態においては、1つ以上の燃料噴射パネル110について、燃料噴射ランス304の半径方向内側の(または、第1の)サブセット340への燃料を遮断し、あるいは燃料噴射ランス304の半径方向外側の(または、第2の)サブセット344への燃料を遮断することができる。特定の実施形態においては、1つ以上の燃料噴射パネル110の燃料噴射ランス304の第1のサブセット340への燃料または燃料噴射ランス304の第2のサブセット344への燃料を、すべての燃料噴射ランス304がオフにされ、集合管燃料ノズル部分302にのみ燃料がもたらされるようになるまで、交互のパターン(半径方向内側/半径方向外側/半径方向内側/など)にてオフにすることができる。他の実施形態においては、燃料ランス304および集合管燃料ノズル部分302の燃料供給の有無のさまざまな組み合わせを、所望のレベルのターンダウンを達成するために使用することができる。
【0138】
本開示および添付の図面の全体を通して、個別の燃料ランス304を有する燃料噴射モジュール300に言及してきたが、燃料ランス304を、予混合チャネル132,134とやり取りをする燃料噴射モジュール300内の燃料マニホールド、または予混合チャネル132、134へと燃料をもたらす燃料噴射パネル110内に位置する燃料マニホールドによって、置き換えてもよいと考えられる。さらに、燃料マニホールドを、燃料(または、燃料−空気混合物)が出口126,128による導入に先立って燃料噴射パネル110の後端を冷却するように、燃料噴射パネル110の後端に向かって配置してもよいと考えられる。
【0139】
燃料を、燃焼器のさまざまな動作モードにおいて、分割型環状燃焼システム36の燃料噴射パネル110のうちの1つ以上および/または燃料噴射モジュール300のうちの1つ以上へと供給できることを、理解すべきである。円周方向に隣接する燃料噴射パネル110または円周方向に隣接する燃料噴射モジュール300の各々について、同時に燃料を供給する必要はなく、あるいは同時に燃焼させる必要はない。したがって、分割型環状燃焼システム36の特定の動作モードにおいて、各々の個別の燃料噴射パネル110および/または各々の燃料噴射モジュール300、あるいは燃料噴射パネル110のランダムなサブセットおよび/または燃料噴射モジュール300のランダムなサブセットを、別個独立にオンライン(燃料がもたらされる)にし、あるいは遮断し、さらには同様または異なる燃料流量とすることで、始動、ターンダウン、ベース負荷、全負荷、および他の動作条件などの動作モードに向けた動作の柔軟性をもたらすことができる。
【0140】
本明細書は、本発明を最良の態様を含めて開示するとともに、あらゆる装置またはシステムの製作および使用ならびにあらゆる関連の方法の実行を含む本発明の実施を当業者にとって可能にするために、実施例を用いている。本発明の特許可能な範囲は、特許請求の範囲によって定められ、当業者であれば想到できる他の実施例を含むことができる。そのような他の実施例は、それらが特許請求の範囲の文言から相違しない構造要素を有しており、あるいは特許請求の範囲の文言から実質的には相違しない同等の構造要素を含むならば、特許請求の範囲の技術的範囲に包含される。
[実施態様1]
内側ライナセグメント(106)と、外側ライナセグメント(108)と、第1の側壁(116)と、第2の側壁(118)と、これらの間に定められた複数の予混合チャネル(132、134)と、前記複数の予混合チャネル(132、134)に流体連通した複数の噴射出口(126、128)と、第1のタービンノズル(120)を定める下流端部分(114)とを含む第1の一体型燃焼器ノズル(100)と、
前記第1の一体型燃焼器ノズル(100)に隣接した第2の一体型燃焼器ノズル(100)であって、内側ライナセグメント(106)と、外側ライナセグメント(108)と、第1の側壁(116)と、第2の側壁(118)と、これらの間に定められた複数の予混合チャネル(132、134)と、前記複数の予混合チャネル(132、134)に流体連通した複数の噴射出口(126、128)と、第2のタービンノズル(120)を定める下流端部分(114)とを含む第2の一体型燃焼器ノズル(100)と、
前記第1の一体型燃焼器ノズル(100)の前記第2の側壁(118)と前記第2の一体型燃焼器ノズル(100)の前記第1の側壁(116)との間に配置された燃料ノズル部分(302)と、燃料供給部ならびに前記第1の一体型燃焼器ノズル(100)の前記複数の予混合チャネル(132、134)および前記第2の一体型燃焼器ノズル(100)の前記複数の予混合チャネル(132、134)のうちの少なくとも1つに流体連通した少なくとも1つの燃料噴射ランス(304)とを含んでいる第1の燃料噴射モジュール(300)と
を備える、環状燃焼システム(36)のセグメント。
[実施態様2]
前記少なくとも1つの燃料噴射ランス(304)は、複数の燃料噴射ランス(304)を含む、実施態様1に記載の環状燃焼システム(36)のセグメント。
[実施態様3]
前記燃料供給部および前記第1の燃料噴射モジュール(300)に結合した導管(346)をさらに備え、前記導管(346)は、前記集合管燃料ノズル部分(302)および前記複数の燃料噴射ランス(304)の少なくとも一方に燃料をもたらす、実施態様2に記載の環状燃焼システム(36)のセグメント。
[実施態様4]
前記第1の一体型燃焼器ノズル(100)の前記第1の側壁(116)および前記第2の一体型燃焼器ノズル(100)の前記第1の側壁(116)は、正圧側側壁(116)であり、前記第1の一体型燃焼器ノズル(100)の前記第2の側壁(118)および前記第2の一体型燃焼器ノズル(100)の前記第2の側壁(118)は、負圧側側壁(118)である、実施態様1に記載の環状燃焼システム(36)のセグメント。
[実施態様5]
前記第1の一体型燃焼器ノズル(100)は、前記負圧側側壁(118)に沿って半径方向に間隔を空けつつ配置された複数の負圧側噴射出口(128)を含み、前記第1の一体型燃焼器ノズル(100)の前記負圧側噴射出口(128)は、前記第1の一体型燃焼器ノズル(100)と前記第2の一体型燃焼器ノズル(100)との間に定められる主燃焼ゾーン(102)の下流の半径方向の噴射面(131)を定めている、実施態様4に記載の環状燃焼システム(36)のセグメント。
[実施態様6]
前記第2の一体型燃焼器ノズル(100)は、前記正圧側側壁(116)に沿って半径方向に間隔を空けつつ配置された複数の正圧側噴射出口(126)を含み、前記第2の一体型燃焼器ノズル(100)の前記正圧側噴射出口(126)は、前記第1の一体型燃焼器ノズル(100)と前記第2の一体型燃焼器ノズル(100)との間に定められる主燃焼ゾーン(102)の下流の半径方向の噴射面(130)を定めている、実施態様4に記載の環状燃焼システム(36)のセグメント。
[実施態様7]
前記第1の一体型燃焼器ノズル(100)は、前記負圧側側壁(118)に沿って半径方向に間隔を空けつつ配置された複数の負圧側噴射出口(128)を含み、各々の負圧側噴射出口(128)は、前記第1の一体型燃焼器ノズル(100)の前記複数の予混合チャネル(132、134)のうちのそれぞれの予混合チャネル(134)に流体連通しており、前記第2の一体型燃焼器ノズル(100)は、前記正圧側側壁(116)に沿って半径方向に間隔を空けつつ配置された複数の正圧側噴射出口(126)を含み、各々の正圧側噴射出口(126)は、前記第2の一体型燃焼器ノズル(100)の前記複数の予混合チャネル(132、134)のうちのそれぞれの予混合チャネル(132)に流体連通している、実施態様4に記載の環状燃焼システム(36)のセグメント。
[実施態様8]
燃料噴射モジュール(300)の外壁(320)の周囲に延在するシール(324)をさらに備える、実施態様1に記載の環状燃焼システム(36)のセグメント。
[実施態様9]
複数の一体型燃焼器ノズル(100)と、
複数の燃料噴射モジュール(300)と
を備える環状燃焼システム(36)であって、
前記複数の一体型燃焼器ノズル(100)は、前記燃焼システム(36)の軸方向の中心線の周囲に環状に並べて配置され、各々の一体型燃焼器ノズル(100)が、翼形の形状を有するタービンノズル(120)を定める下流端部分(114)を有する燃料噴射パネル(110)を含んでおり、
前記複数の燃料噴射モジュール(300)の各々の燃料噴射モジュール(300)は、その少なくとも一部分が、前記複数の一体型燃焼器ノズル(100)のうちの隣り合う一体型燃焼器ノズル(100)のそれぞれのペアの間、かつ前記隣り合う一体型燃焼器ノズル(100)の間に定められるそれぞれの主燃焼ゾーン(102)の下流に配置されている、環状燃焼システム(36)。
[実施態様10]
各々の燃料噴射モジュール(300)は、集合管燃料ノズル部分(302)および複数の燃料噴射ランス(304)を備え、前記複数の燃料噴射ランス(304)は、前記複数の一体型燃焼器ノズル(100)のうちのそれぞれの一体型燃焼器ノズル(100)の燃料噴射パネル(110)に流体連通している、実施態様9に記載の環状燃焼システム(36)。
[実施態様11]
各々の燃料噴射パネル(110)は、正圧側側壁(116)と、負圧側側壁(118)と、前記正圧側側壁(116)と前記負圧側側壁(118)との間に定められた複数の予混合チャネル(132、134)と、前記複数の予混合チャネル(132、134)に流体連通した複数の噴射出口(126、128)とを含み、前記複数の噴射出口(126、128)は、前記正圧側側壁(116)に沿って定められた少なくとも1つの正圧側噴射出口(126)と、前記負圧側側壁(118)に沿って定められた少なくとも1つの負圧側噴射出口(126)とを含む、実施態様9に記載の環状燃焼システム(36)。
[実施態様12]
前記複数の一体型燃焼器ノズル(100)の各々の一体型燃焼器ノズル(100)は、内側ライナセグメント(106)および外側ライナセグメント(108)を含み、前記内側ライナセグメント(106)および前記外側ライナセグメント(108)は、前記燃料噴射パネル(110)と一体に形成されている、実施態様9に記載の環状燃焼システム(36)。
[実施態様13]
前記環状燃焼システム(36)は、ガスタービン(10)の燃焼部(16)内に配置される、実施態様9に記載の環状燃焼システム(36)。
[実施態様14]
内側ライナ(106)および前記内側ライナ(106)の半径方向外側に配置された外側ライナ(108)と、
複数の燃料ノズルと、
複数の燃料噴射パネル(110)と
を備える環状燃焼システム(36)であって、
前記内側ライナ(106)および前記外側ライナ(108)は、前記燃焼システム(36)の中心線を囲む環状部を前記内側ライナ(106)と前記外側ライナ(108)との間に定めており、前記環状部は、前記環状部の上流端に位置する複数の主燃焼ゾーン(102)と、前記主燃焼ゾーン(102)の下流の複数の二次燃焼ゾーン(104)とを含み、
前記複数の燃料ノズルのうちの少なくとも1つの燃料ノズルは、前記複数の主燃焼ゾーン(102)の各々の主燃焼ゾーン(102)に可燃性混合物を吐出し、
前記複数の燃料噴射パネル(110)の各々の燃料噴射パネル(110)は、隣り合う燃料ノズルの間に少なくとも部分的に配置され、少なくとも1つの二次燃焼ゾーン(104)に可燃性混合物を吐出し、各々の燃料噴射パネル(110)は、隣り合う主燃焼ゾーン(102)を隔て、隣り合う二次燃焼ゾーン(104)も隔てるように、軸方向に下流の方向へと延びており、
各々の燃料噴射パネル(110)は、タービンノズル(120)を定める後端(114)を有している、環状燃焼システム(36)。
[実施態様15]
前記内側ライナ(106)および前記外側ライナ(108)は、分割されている、実施態様14に記載の環状燃焼システム(36)。
[実施態様16]
前記複数の燃料ノズルの各々の燃料ノズルは、円周方向において前記複数のパネル燃料インジェクタ(110)のうちの隣り合うパネル壁インジェクタ(110)の間を延びている集合管燃料ノズル(302)であり、各々の集合管燃料ノズル(320)は、前方プレート(316)と、後方プレート(318)と、前記前方プレート(316)と前記後方プレート(318)との間を軸方向に延びている外シュラウド(320)と、前記外シュラウド(320)の内側に定められた燃料プレナム(332)と、前記前方プレート(316)、前記燃料プレナム(332)、および前記後方プレート(318)を通って延びている複数の予混合管(322)とを備えている、実施態様14に記載の環状燃焼システム(36)。
[実施態様17]
各々の燃料ノズルは、半径方向において前記内側ライナ(106)と前記外側ライナ(108)との間を延びている、実施態様16に記載の環状燃焼システム(36)。
[実施態様18]
各々の燃料噴射パネル(110)は、半径方向において前記内側ライナ(106)と前記外側ライナ(108)との間を延びている、実施態様14に記載の環状燃焼システム(36)。
[実施態様19]
前記複数の燃料噴射パネル(110)の各々の燃料噴射パネル(110)は、第1の側壁(116)と、前記第1の側壁(116)の反対側の第2の側壁(118)と、前記第1の側壁(116)と前記第2の側壁(118)とを接続する後端(114)とを備え、前記第1の側壁(116)、前記第2の側壁(118)、および前記後端(114)は、これらの間に予混合空気プレナムおよび燃料プレナムを定め、複数の予混合チャネル(132、134)が、前記第1の側壁(116)と前記第2の側壁(118)との間に配置され、前記複数の予混合チャネル(132、134)の各々の予混合チャネル(132、134)は、前記予混合空気プレナムおよび前記燃料プレナムに連通し、前記第1の側壁(116)および前記第2の側壁(118)の一方に形成された噴射孔(126、128)を有している、実施態様14に記載の環状燃焼システム(36)。
[実施態様20]
前記複数の燃料噴射パネル(110)の各々の燃料噴射パネル(110)における前記複数の予混合チャネル(132、134)は、第1の側の予混合チャネル(132)を含み、前記第1の側の予混合チャネル(132)の前記噴射孔(126)は、それぞれの燃料噴射パネル(110)の前記第1の側壁(116)を貫いて定められている、実施態様19に記載の環状燃焼システム(36)。