(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
請求項1記載の樹脂フィルム処理装置であって、前記送りローラー表面に形成される前記エラストマー樹脂表面部は、前記送りローラー表面に着脱可能に取り付けられることを特徴とする樹脂フィルム処理装置。
請求項1記載の樹脂フィルム処理装置であって、前記所要の処理に用いられる処理用液剤を前記樹脂フィルムの一方面に噴出する非接触ユニットを有し、前記非接触ユニットの前若しくは後に前記送りローラーが配設されることを特徴とする樹脂フィルム処理装置。
請求項1記載の樹脂フィルム処理装置であって、前記送りローラーの内部若しくは外部には前記開口部を介して前記樹脂フィルムの面に液体を供給する液体供給機構部が形成されることを特徴とする樹脂フィルム処理装置。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の第1の実施形態にかかる樹脂フィルム処理装置の構成を示す模式図である。
【
図2】本発明の第2の実施形態にかかる樹脂フィルム処理装置の構成を示す模式図である。
【
図3】前記第2の実施形態にかかる樹脂フィルム処理装置の送りローラーを示す概略斜視図である。
【
図4】本発明の第2の実施形態にかかるエラストマー樹脂表面部のパターンの一例を示す模式平面図である。
【
図5】本発明の第2の実施形態にかかるエラストマー樹脂表面部のパターンの他の一例を示す模式平面図である。
【
図6】本発明の第2の実施形態にかかるエラストマー樹脂表面部のパターンのさらに他の一例を示す模式平面図である。
【
図7】本発明の第2の実施形態にかかるエラストマー樹脂表面部のパターンのまた他の一例を示す模式平面図である。
【
図8】本発明の第2の実施形態にかかるエラストマー樹脂表面部のパターンのさらにまた他の一例を示す模式平面図である。
【
図9】本発明の第2の実施形態にかかるエラストマー樹脂表面部を送りローラーに取り付けた状態の一例を示す模式断面図である。
【
図10】本発明の第2の実施形態にかかるエラストマー樹脂表面部を送りローラーに取り付けた状態の他の一例を示す模式断面図である。
【
図11】本発明の第3の実施形態にかかる送りローラーを示す模式断面図である。
【
図12】本発明の第4の実施形態にかかる送りローラーを示す模式断面図である。
【
図13】本発明の第5の実施形態にかかる送りローラーを示す模式断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の説明は、本発明の幾つかの具体例であり、本発明はその態様に限定されるものではない。また、本発明は、各図に示す各構成要素の配置や寸法などについても限定されるものではない。
【0010】
第1の実施形態
図1は、本発明の第1の実施形態にかかる樹脂フィルム処理装置の構成を示す模式図である。樹脂フィルム処理装置1は、送出側ロール8と巻取側ロール7の間でウエブ状の樹脂フィルム4が送られてめっき処理を行う装置である。めっき処理は処理液を入れためっき処理槽9に樹脂フィルム4を浸漬することで行われ、例えば導電性の金属シード層や金属薄膜層を形成することができる。めっき処理槽9に樹脂フィルム4を送る構成として、本実施形態では、3つのローラーが使用されており、上流側ローラー5と液中の下流側ローラー6に挟まれた位置に送りローラー2が配設されている。これらローラー2、5、6は、それぞれその回転軸が樹脂フィルム4の送り方向と垂直な方向に延長されており、樹脂フィルム4の表面に当接して送出側ロール8から巻取側ロール7へ樹脂フィルム4を搬送させる。
【0011】
送りローラー2は、所要の径を有した円筒形のステンレスなどの金属ローラーであり、その送りローラー2の周側面には、樹脂フィルム4と接触するエラストマー樹脂表面部3が形成されている。エラストマー樹脂表面部3は、送りローラー2の周側面に等間隔で配設される複数の帯状のエラストマー樹脂からなる樹脂部材であり、その表面の接触摩擦が金属からなる送りローラー2に比べて大きく、その結果、樹脂フィルム4に対するグリップ力が高くなるために樹脂フィルム4と送りローラー2の間の滑りが抑制される。エラストマー樹脂表面部3は、後述するように、送りローラー2の表面に両面テープで貼付したり、接着剤で固定したり、或いは送りローラー2の表面に溝を形成して、その溝にエラストマー樹脂表面部3を嵌合させるようにすることも可能である。
【0012】
エラストマー樹脂表面部3は、一例を挙げれば、多孔質のポリアミド系エラストマー樹脂を用いることができ、比較的に耐薬品性が高く、多孔質化することができる材料であれば、他のエラストマー材料をエラストマー樹脂表面部3にすることもできる。このような多孔質のポリアミド系エラストマー樹脂の一例としては、気孔率60%、気孔径10〜50ミクロン、引張破断応力3.1MPa、引張破断伸度800%GL、滴下吸水速度60秒などのスペックを有するポリアミドエラストマーを使用することができる。
【0013】
本実施形態の樹脂フィルム処理装置によれば、送りローラー2の表面に形成された帯状のエラストマー樹脂表面部3が確実に樹脂フィルム4に対するグリップ力を増大させ、樹脂フィルム4と送りローラー2の摩擦によるめっき膜の不良発生は未然に防止されることになる。
【0014】
第2の実施形態
図2は、本発明の第2の実施形態にかかる樹脂フィルム処理装置の構成を示す模式図である。樹脂フィルム処理装置10は、送出側ロール14と巻取側ロール16の間でウエブ状の樹脂フィルム12が図中矢印方向に送られてめっき処理を行う装置である。この樹脂フィルム12が送られる途中には、樹脂フィルム12とは非接触に保持される非接触ユニット30が設けられている。また、この非接触ユニット30の樹脂フィルムの搬送方向の上流側には、樹脂フィルム12を送るための送りローラー18と、さらにその上流側にはダンサーロール28が設けられている。
【0015】
ダンサーローラー28は、そのローラー軸が一対のアーム26に保持されており、該アーム26のダンサーローラー28の近傍にはカウンターウエイト24が配されている。このダンサーローラー28はウエブ状の樹脂フィルム12に対するテンションレギュレーターとして機能し、樹脂フィルム12の搬送時の張力を所定の範囲内に保つように機能する。
【0016】
前記非接触ユニット30は、本実施形態においては、めっき用の処理液36を当該ユニットの先端部38の下周面に形成された複数の噴出口32から樹脂フィルム12の一方の面に向けて噴出する。めっき用の処理液36は、非接触ユニット30の上端部若しくは側部に接続される図示しないポンプ等により供給され、複数の噴出口32から樹脂フィルム12に向けて噴出されることで、非接触ユニット30の下周面と樹脂フィルム12の上面を非接触に維持し、この部分で樹脂フィルム12の搬送路は下向きに撓むルートを取る。非接触ユニット30の先端部38の周囲は、処理槽34が処理液36を湛えており、樹脂フィルム12は非接触ユニット30に向かう直前に処理槽34内の処理液36に浸漬される。非接触ユニット30の先端部38を通過した樹脂フィルム12は、処理槽34内の処理液36の液面から空中に取り出されるルートを取り、次段の処理若しくは巻き取り工程に向かう。
【0017】
送りローラー18の表面18sには、樹脂フィルム12と接触するエラストマー樹脂表面部20が形成されている。エラストマー樹脂表面部20は、
図3に示すように、送りローラー18の表面18sである周側面に等間隔で配設される複数の帯状のエラストマー樹脂からなる樹脂部材であり、その表面の接触摩擦がステンレスなどの金属からなる送りローラー18に比べて大きく、その結果、樹脂フィルム12に対するグリップ力が高くなるために樹脂フィルム12と送りローラー18の間の滑りが抑制される。本実施形態においては、送りローラー18の表面18sに当該送りローラー18の軸方向に延長される互いに平行な樹脂部材であり、後述するように、送りローラー18の表面18sに両面テープで貼付したり、接着剤で固定したり、或いは送りローラー18の表面18sに溝を形成して、その溝にエラストマー樹脂表面部20を嵌合させるようにすることも可能である。また、エラストマー樹脂表面部20は送りローラー18の表面18sに着脱できる構造とすることもでき、エラストマー樹脂表面部20が摩耗したり、或いは経時劣化した場合では、新しいエラストマー樹脂表面部20に交換するようにすることもできる。
【0018】
エラストマー樹脂表面部20は、一例を挙げれば、多孔質のポリアミド系エラストマー樹脂を用いることができ、比較的に耐薬品性が高く、多孔質化することができる材料であれば、他のエラストマー材料をエラストマー樹脂表面部20にすることもできる。このような多孔質のポリアミド系エラストマー樹脂の一例としては、気孔率60%、気孔径10〜50ミクロン、引張破断応力3.1MPa、引張破断伸度800%GL、滴下吸水速度60秒などのスペックを有するポリアミドエラストマーを使用することができる。また、エラストマー樹脂表面部20を、表面だけ多孔質のポリアミド系エラストマー樹脂とし、表層部以外を他の湿式処理に耐える樹脂材とした複合構造とすることも可能である。エラストマー樹脂表面部20を送りローラー18の表面18sに貼り付けた場合には、エラストマー樹脂表面部20の貼り付け面の反対面であるエラストマー樹脂表面部20の表面が、送りローラー18の表面18sの表面から突出することになるが、その突出量を0.1mm乃至4.0mm、より好ましくは0.2mm乃至2.0mm程度とすることで樹脂フィルム12の確実な搬送が実現される。
【0019】
ここで、樹脂フィルム12は、上述のように、例えば25ミクロン以下、好ましくは12.5ミクロン以下程度の薄い膜厚を有するポリイミド樹脂フィルムであり、通常、芳香族化合物が直接イミド結合で連結された芳香族ポリイミドで、そのイミド結合を介して芳香族同士の共役構造を有し、この強分子間力を持つイミド結合により、ポリマー中で最も高い熱的、機械的、化学的特性を有する。本実施形態では、例えば、東レ・デュポン社製のカプトン(商品名)や宇部興産株式会社製のユーピレックス(商品名)を使用することができる。
【0020】
このようなめっき処理を行う本実施形態の樹脂フィルム処理装置は、好ましくは、連続的な製造ラインの1つの工程のための処理装置として使用されるものであり、例えば、樹脂フィルム12上に導電層としての銅層を形成するフレキシブル銅張積層基材を製造するライン工程の金属シード層の形成工程に使用することができる。このようなフレキシブル銅張積層板を製造する方法については、本件出願人は、先に予めNi又はその合金などの導電性金属のシード層形成を含めて、そのシード層上に銅導電層を厚付けめっき処理する全工程を、ウエット・プロセスで、その全銅付け工程が1工程であることを特徴とする2層フレキシブル銅張積層基材(2層FCCL)の製造方法について提案しており、例えば、特開2010−159478号公報に当該技術の開示がある。
【0021】
簡単にフレキシブル銅張積層基材を製造する方法について説明すると、先ず、フレキシブルで、耐熱性で、耐薬品性に優れるポリイミド樹脂フィルム面を表面改質させて親水性化させる前処理工程を施す。その表面改質法は、アルカリ湿式改質法でその表面にポリアミック酸改質層を形成させる。次いで、パラジウム(Pd)系触媒で、その表面にPdイオンを吸着させた後、還元処理させて、吸着Pdイオンを還元金属化させてなる親水性の表面改質層とする。このアルカリ湿式改質法による一連の変異挙動は、通常、ポリイミド樹脂はアルカリ性水溶液で処理すると、その表面の一部が加水分解を受けてイミド環の一部が開裂し、アミド基とカルボキシル基を生成する。この生成されたカルボキシル基はカチオンイオン交換をしやすいので金属イオンを吸着させることができることによる。
【0022】
このように親水化表面改質された樹脂フィルム面に、無電解めっき法で、予めNi又はその合金などの導電性金属のめっきを施して、導電性金属のシード層を形成させる。この際に、本実施形態にかかる樹脂フィルム処理装置10を使用することで非接触ユニット30を利用した非接触搬送で樹脂フィルム12を送ることができ、送りローラー18のグリップ力がエラストマー樹脂表面部20により向上しているため、送りローラー18の表面での滑りがなく、確実で導電性金属のめっきのむらなどの発生しない処理が実現される。この湿式無電解ニッケルめっき処理では、10〜300nm程度の導電性のニッケルシード層を両面に形成させればよく、Niの合金としては、Ni−P、Ni−B、Ni−Cuなどの合金が挙げられる。
【0023】
次いで、酸性銅めっき浴組成物中で、湿式電気めっきさせて、樹脂フィルムのシード層上に、一段工程で自在に層厚をコントロールさせながら銅導電層を厚付けめっきさせて、銅付け被覆厚0.05〜50μm範囲にあるフレキシブル銅張積層基材を製造する。表面に金属被膜が形成された樹脂フィルムを、酸性銅めっき浴組成物で銅めっきを行う条件は、通常の硫酸銅めっきの条件でよい。すなわち、液温23〜27℃程度、平均陰極電流密度1〜3A/dm
2程度で0.1〜250分間程度めっきを行えばよい。また、一般的にはエアレーション等による液攪拌下に銅めっきを行うことが好ましい。
【0024】
以上の2層フレキシブル銅張積層基材の製造方法では、安価でインライン化が可能な無電解Niめっきによるシード層形成を含め、全工程が湿式法(オールウエットプロセス)で、しかも、得られる2層フレキシブル銅張積層基材が微細パターン化に適宜対応できる。また、予め導電性金属被膜のシード層を形成させた樹脂フィルム面に、1次銅めっきを介さずに、厚付け銅めっきさせて製造される2層フレキシブル銅張積層基材は、平滑な光沢外観を呈して、しかも、得られた銅めっき層の耐剥離性は格段に向上したものとなる。
【0025】
このようなフレキシブル銅張積層基材の製造方法は、本実施形態のめっき装置の適用例の一例を示すものに過ぎず、本発明の樹脂フィルムの湿式処理装置は、めっきに限らず、その他の湿式処理全般に適用することができる。すなわち、本発明の樹脂フィルムの湿式処理装置は、例えばウエットエッチング装置、薬液処理装置、洗浄装置、塗布装置、現像装置、コーティング装置などであっても良く、また、独立した装置でなく、大型製造ラインの一部として組み入れられるものでも良く、他の処理装置の一部に搭載されるものであっても良い。また、本発明の樹脂フィルムの湿式処理装置は、前処理工程と銅層を形成する後処理工程の間に配され、連続的にウエブ状の樹脂フィルムが供給されてくるものを前提としているが、膜剥離などの問題が生じなければ、前処理工程後に一旦巻き取った樹脂フィルムを供給するように構成することもでき、後処理工程前に一旦樹脂フィルムを巻き取ることも可能である。
【0026】
処理槽34に導入される処理液として、本実施形態では、例えば公知の無電解ニッケルめっき浴を利用することができる。その条件も無電解ニッケルめっき浴で推薦される濃度、温度、時間等とすれば良い。なお、無電解ニッケルめっき浴としては、無電解Ni−Pめっき、無電解Ni−Bめっき、無電解純Niめっきなどが使用でき特に限定されるものではないが、Ni−P系無電解ニッケルめっき浴を利用することが好ましい。使用薬剤の一例としては、ES−500(株式会社JCU製)を用い、処理温度を例えば40℃とすることが可能である。
【0027】
送りローラー18の表面18sに形成するエラストマー樹脂表面部20は、
図3に示すように、送りローラー18の表面18sである周側面に等間隔で配設される複数の帯状のエラストマー樹脂からなる樹脂部材とすることも可能であるが、他のパターンで送りローラー18の表面18sに形成することも可能である。
図4乃至
図8は、それぞれ他のパターンのエラストマー樹脂表面部20a〜20eを示す。
図4に示すように、エラストマー樹脂表面部20aは、図面の上下方向を樹脂フィルム12の搬送方向とすると、その樹脂フィルム12の搬送方向に延長される複数の帯状の樹脂部材とすることができる。また、
図5はエラストマー樹脂表面部20bを送りローラー18の表面18sに螺旋状に配した例であり、ピッチや軸方向との傾きを調整することでエラストマー樹脂表面部20bは単数でも複数でも良い。
図6は格子状のエラストマー樹脂表面部20cを配設した例であり、エラストマー樹脂表面部20cの直線部分は、送りローラー18の軸方向に沿ったものとすることもでき、図示を省略するが、格子状のエラストマー樹脂表面部のパターンを軸方向から傾けることもできる。
図7、
図8はそれぞれ複数のドット状のエラストマー樹脂表面部20d、20eを形成した例であり、矩形状のエラストマー樹脂表面部20dを所定の間隔で配列させることもでき、円形状のエラストマー樹脂表面部20dを所定の間隔で配列させることもできる。また、図示を省略しているが、エラストマー樹脂表面部として他の六角形の如き多角形を敷くようにすることもでき、円形ではなく楕円や角丸な形状のエラストマー樹脂表面部を所定の間隔で配列させることもできる。また、六角形や四角形のエラストマー樹脂表面部を離間させずにタイル貼りのように敷き詰めることも可能である。さらに、大きな平面状のエラストマー樹脂表面部を送りローラー18の表面18sの全面に形成することも可能である。
【0028】
次に、
図9、
図10を参照しながら、エラストマー樹脂表面部の送りローラーの表面への取り付け構造の例について説明する。
図9の模式的な断面で示す例では、送りローラー42の表面にはストライプ状の溝44が形成されており、その溝44に例えば帯状のエラストマー樹脂表面部40が嵌合する構造とされている。例えば、溝44の幅とエラストマー樹脂表面部40の幅は同程度であり、エラストマー樹脂表面部40の底部には、両面テープ若しくは接着剤からなる接着層41が形成される。めっき処理を行う際、接着層41はエラストマー樹脂表面部40が溝44から脱落しないようにエラストマー樹脂表面部40を送りローラー42に対して保持する。また、エラストマー樹脂表面部40が摩耗したり或いは経時劣化が生じた場合には、接着層41の接着力に抗してエラストマー樹脂表面部40をはがすこともでき、容易に新しいものと交換することができる。
【0029】
図10の例では、送りローラー46の表面に形成される溝48は、断面が鳩尾状であり、表面側が狭い開口で底部が広い形状とされている。この溝48に、エラストマー樹脂表面部50を弾性変形させながら押し込み、狭い開口部が抜け止めとなることから、溝48にエラストマー樹脂表面部50に着脱自在に固定される。このような構造とすれば、めっき処理を行う際、溝48にエラストマー樹脂表面部50がしっかりと保持されており、エラストマー樹脂表面部50をはがす際には、再度エラストマー樹脂表面部50を弾性変形させて狭い開口部を抜けるようにすれば容易にエラストマー樹脂表面部50を送りローラー46から取り外すことができる。
【0030】
第3の実施形態
本実施形態は、その送りローラーが開口部を有する樹脂フィルム処理装置の例である。
図11に示す送りローラー54は、送りローラー54自体が複数の開口部として機能するスリット58を有しており、スリット58の間の送りローラー54の表面にエラストマー樹脂表面部56が形成されている。エラストマー樹脂表面部56及び送りローラー54の周面部分は、当該送りローラー54の軸方向に平行に延長される構造を有している。このような構造の送りローラー54を先に説明した送りローラー18の代わりに用いた場合には、スリット58によって処理液等が溜まることがなく、さらに樹脂フィルムを搬送している間に、樹脂フィルムの送りローラー当接面に対して洗浄液やその他の処理液を噴きかけて洗浄或いは処理を進めことができるという利点を有する。
【0031】
第4の実施形態
本実施形態は、中空状の送りローラーの表面にエラストマー樹脂表面部が形成され、送りローラーの外部に樹脂フィルムの面に液体を供給する液体供給機構部され、エラストマー樹脂表面部の間の開口部から洗浄液が樹脂フィルムに対して供給される例である。
【0032】
図12に示すように、本実施形態の樹脂フィルム処理装置は、中空状の送りローラー64を有しており、該送りローラー64は軸60を中心に図中時計回り方向に回転して、樹脂フィルム62を搬送するように構成されている。送りローラー64自体は、例えば金属部材で構成され、その表面部にはエラストマー樹脂表面部66が形成されている。エラストマー樹脂表面部66は、表面の接触摩擦がステンレスなどの金属ローラーに比べて大きく、その結果、樹脂フィルム62に対するグリップ力が高くなるために樹脂フィルム62と送りローラー64の間の滑りが抑制される。エラストマー樹脂表面部66は、例えば、帯状の多孔質のポリアミド系エラストマー樹脂を用いることができ、先に説明したエラストマー樹脂表面部20と同様の材料を使用することができる。エラストマー樹脂表面部66は、帯状で軸60の長手方向に送りローラー64の周側面上に延在され、その固定方法としては接着剤や両面テープ等による貼合わせなどの方法によって固定されている。なお、樹脂フィルム62が送りローラー64と離れる部分には、洗浄液シャワー部74も形成され、樹脂フィルム62の下面側の洗浄を行っている。
【0033】
送りローラー64の周面には、エラストマー樹脂表面部66が形成される部分を除いて開口部となる矩形状に開口したスリット68が複数形成されており、このスリット68を介して送りローラー64の内部と外部が連通する。樹脂フィルム62は、このような送りローラー64の上側を通過し、樹脂フィルム62には、送りローラー64のエラストマー樹脂表面部66が当接する。反対側の送りローラー64の下側には、送りローラー64の軸60とはオフセットした方向での垂直方向に洗浄液を例えば霧状に噴出する液体供給機構部70が配設されている。液体供給機構部70は、図示しないポンプ及び圧縮空気等に接続されるノズル72を有しており、該ノズル72から送りローラー64の内部に向けてスリット68を介して洗浄液が噴出するように制御される。スリット68を介して送りローラー64の内部に至った洗浄液は、さらに上側で開口するスリット68を通って樹脂フィルム62の下面に至る。このため樹脂フィルム62には、送りローラー64で送られながら、樹脂フィルム62の下面が洗浄されるという利点もあり、その結果、樹脂フィルム下面に発生していた曇り模様がなくなるという効果も得られている。
【0034】
第5の実施形態
本実施形態は、中空状の送りローラーの表面にエラストマー樹脂表面部が形成され、送りローラーの内部に樹脂フィルムの面に液体を供給する液体供給機構部され、エラストマー樹脂表面部の間の開口部から樹脂フィルムに対して洗浄液が供給される例である。
【0035】
図13に示すように、本実施形態の樹脂フィルム処理装置は、中空状の送りローラー84を有しており、該送りローラー84は軸80を中心に図中時計回り方向に回転して、樹脂フィルム82を搬送するように構成されている。送りローラー84自体は、例えば金属部材で構成され、その表面部にはエラストマー樹脂表面部86が形成されている。エラストマー樹脂表面部86は、先の実施形態のエラストマー樹脂表面部66と同様の材料、機能を有しており、樹脂フィルム82に対するグリップ力を高めることができる。中空状の送りローラー84には、複数のエラストマー樹脂表面部86の間の領域に矩形状に開口した開口部であるスリット88がそれぞれ形成され、送りローラー84のスリット88を介して送りローラー84の内部と外部が連通する。また、樹脂フィルム82は、その搬送路の途中に配設されためっき液シャワー部94と洗浄液シャワー部96により、当該樹脂フィルム82の表面及び裏面がめっき液と洗浄液の両方を受けるように構成されている。
【0036】
このような送りローラー84の内部で軸80の近傍には、軸80を内在させた中空の固定部92が形成され、軸80及び送りローラー64は樹脂フィルム82を送る際に回転し、送りローラー84の表面での滑りがないような搬送が実現される。固定部92の内側と軸80間の空隙には、本実施形態では、図示しないポンプから洗浄液が供給される。固定部92の径方向外側には、3つの液体供給機構部90a、90b、90cが形成されており、これら液体供給機構部90a、90b、90cの先端側に設けられたノズルから、径方向外側に向けて例えば噴霧状の洗浄液が送りローラー84のスリット88に向けて噴出される。スリット88を通過した噴霧状の洗浄液は、送りローラー84のエラストマー樹脂表面部86により高い摩擦力を以て搬送されている樹脂フィルム82の裏面に至り、樹脂フィルム82の下面が洗浄され、その結果、樹脂フィルム下面に発生していた曇り模様がなくなるという効果も得られることになる。
【0037】
本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。