特許第6972041号(P6972041)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6972041使用済み燃料プールからの液体漏れの監視システム
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  • 特許6972041-使用済み燃料プールからの液体漏れの監視システム 図000002
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6972041
(24)【登録日】2021年11月5日
(45)【発行日】2021年11月24日
(54)【発明の名称】使用済み燃料プールからの液体漏れの監視システム
(51)【国際特許分類】
   G21C 19/07 20060101AFI20211111BHJP
   G01M 3/02 20060101ALI20211111BHJP
   G21C 17/022 20060101ALI20211111BHJP
【FI】
   G21C19/07 300
   G01M3/02 C
   G21C17/022
【請求項の数】9
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2018-568809(P2018-568809)
(86)(22)【出願日】2016年9月30日
(65)【公表番号】特表2020-501106(P2020-501106A)
(43)【公表日】2020年1月16日
(86)【国際出願番号】RU2016000653
(87)【国際公開番号】WO2018063022
(87)【国際公開日】20180405
【審査請求日】2019年5月29日
(73)【特許権者】
【識別番号】517197118
【氏名又は名称】ジョイント・ストック・カンパニー サイエンティフィック リサーチ アンド デザイン インスティテュート フォー エナジー テクノロジーズ アトムプロエクト
(73)【特許権者】
【識別番号】517423567
【氏名又は名称】ジョイント ストック カンパニー“サイエンス アンド イノヴェーションズ”
(74)【代理人】
【識別番号】110001900
【氏名又は名称】特許業務法人 ナカジマ知的財産綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】イサエフ セルゲイ イワノビッチ
(72)【発明者】
【氏名】ノビコフ デニス セルゲーエヴィチ
【審査官】 関口 英樹
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭60−058595(JP,A)
【文献】 特開昭62−266497(JP,A)
【文献】 特開2000−227378(JP,A)
【文献】 特開2011−237365(JP,A)
【文献】 特開2014−029303(JP,A)
【文献】 特開昭58−223728(JP,A)
【文献】 実開昭53−161683(JP,U)
【文献】 特開昭60−216299(JP,A)
【文献】 特開昭63−266395(JP,A)
【文献】 特開昭61−256235(JP,A)
【文献】 特開昭55−142230(JP,A)
【文献】 特開昭52−034777(JP,A)
【文献】 特開平08−304217(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2016/0099085(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01M3/00−3/40
G21C17/00−17/003
17/013
17/02
17/025
17/032−17/10
17/108
17/12−19/10
19/12−19/313
19/32−19/50
23/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
管路が設置されている使用済み核燃料プールからの液体の漏れを監視するシステムであって、
液体レベル制御センサおよびそれに接続された制御ユニットを備え、プールの溶接部が複数個あり、それぞれの溶接部ごとに、その溶接部が金属フェンスで囲まれ、それぞれの金属フェンスが、その金属フェンスに対応して設けられたバルブを有する第1のパイプラインにより、液体レベル制御センサを備えた漏れ収集タンクに接続され、漏れ収集タンクが第2のパイプラインによりプールに接続され、制御ユニットが全てのバルブに接続されており、バルブを制御するように構成されていることを特徴とするシステム。
【請求項2】
さらに、圧縮空気供給装置と圧縮空気供給バルブとを付加的に備え、圧縮空気供給装置が圧縮空気供給バルブにより第1のパイプラインに接続され、圧縮空気供給バルブを介して圧縮空気を供給し、第1のパイプラインと圧縮空気供給バルブが漏れ判定の追加手段として溶接部の周りの金属フェンスに統合されていることを特徴する請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
さらに、着色水供給装置と着色水供給バルブを備え、着色水供給装置が着色水供給バルブにより第1のパイプラインに接続され、着色水供給装置が着色水供給バルブを介して着色水を供給し、第1のパイプラインと着色水供給バルブが漏れ判定の追加手段として溶接部の周りの金属フェンスに統合されていることを特徴する請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
漏れ収集タンクの入口に収集バルブが設けられ、出口に戻りバルブが設けられ、戻りバルブを介して漏れ収集タンクの出口から液体が第2のパイプラインを通じてプールに戻されることを特徴する請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記漏れ収集タンクと前記戻りバルブとの間にポンプが設置されていることを特徴とする請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
液体のレベルを監視するためのセンサが圧力センサとして設計されていることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
液体のレベルを監視するためのセンサが導電率センサとして設計されていることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
制御ユニットがシステムのすべてのバルブとポンプに有線または無線通信で接続され、それらを制御するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記圧縮空気供給装置は、圧縮空気の圧力センサをさらに備えていることを特徴とする請求項2に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、測定および試験装置の分野に関し、原子力発電所(NPP)の使用済み燃料の保持プールにおける漏れを監視することを目的とする。
【背景技術】
【0002】
原子力発電所での使用済み核燃料の貯蔵は、金属シートを溶接してできた、水で満たされた保持プール内で行われることが知られている。しかし、原子力発電所の操業経験によると、プールの製造中において鋼被覆の気密性試験を受けているにもかかわらず、操業中に溶接部における腐食と高い応力集中が溶接部を通る放射性水の漏出を引き起こすことが多いことを示している。
【0003】
漏れた水の収集は、プールの下にある第2の底部において、壁にいくつかのフランジを付けて行われる。同時に、放射性流体の漏れ自体は、その環境上の危険性のために望ましくなく、漏れの監視と、漏れが生じる溶接継ぎ目の決定が必要である。
【0004】
この決定の難しさは、保持プールの金属ライニングが保持プールを取り囲むコンクリート壁に接続され、保持プール内の流体圧力ならびに放射線防護を感知する力要素として機能し、その結果、溶接の完全性の視覚的または接触的監視が不可能になることにある。この問題を解決するために、いくつかの異なる技術的解決法が提案された。
【0005】
例えば、提案された漏水監視は、プール内に上下の水位のセンサを配置することによって、または第2の底部からプールへのパイプを通じた漏出物の除去において、液体をプールに戻している間の液面を検知することによって行われた。
【0006】
このような解決法は、漏水の事実を決定し、単位時間当たりの漏水量の変化の動態を概算することを可能にする。
【0007】
しかしながら、この解決法の欠点は、放射能の事前除去なしでどの溶接部が漏れているかを正確に検出することができないこと、放射性水が保持プールの側面コンクリート壁に入る可能性があること、第2の金属底が必要であるが第2の底部の気密性を監視できないことに伴う放射能安全性が欠如していることである。
【0008】
蒸発体積およびシステム内の流体の凝縮の計算精度を高めることによって、保持プールからの流体の漏出のダイナミクスを推定する精度を向上させる試みがなされている。
【0009】
例えば、エアロゾル活動を監視することによってNPP施設内の漏洩の検出に適用可能な漏れ検出システムが知られている(特許文献1)。
【0010】
このシステムは、制御された部屋の空気を凝縮液と空気とに分離する装置を含む。その装置は、空気のパイプラインを介してエアロゾルの体積活性を測定する装置に接続され、そして、凝縮液排出管を介して、液体中のガンマ線放射性核種の体積活性を測定するための測定モジュールに接続されている。
【0011】
体積エアロゾル活性を測定するためのモジュールは、負圧導管に接続される。そして、ガンマ放射性核種の体積活性を測定するためのモジュールは、凝縮物を特別な廃水処理システムに直接送る凝縮物排出パイプに接続されている。
【0012】
このシステムの特徴は、制御された部屋の空気を凝縮液と空気とに分離する装置として、空気冷却室と、空気冷却室の外側に配置された少なくとも1つの空気加熱室とを含む湿り空気用の除湿器を使用することである。空気冷却室の内面には、空気冷却室内の除熱対象の放射体がある。同時に、空気冷却室と空気加熱室との間にペルチエ素子を設置する。
【0013】
空気加熱室には、乾燥空気の温度を監視するセンサがあり、空冷室の下には凝縮液を収集するためのタンクがあり、その中に凝縮液レベルセンサが設置されている。システムは流量計を提供する。
【0014】
このクーラント漏れ監視システムは、非常に複雑で特大になる。脱塩水回路と圧縮空気回路の計量容器の定期的な洗い流しと乾燥のために追加のライナーが必要なためである。このため、原子力発電所の貯水池に漏れがあるかどうかを判断するためには使用できない。さらに、このようなシステムは、流体漏れが生じる特定の溶接部を決定する問題を解決しない。
【0015】
また、原子力発電所の敷地内の冷却液漏出監視システムも知られている(特許文献2)。このシステムには、空気サンプリングラインと冷却器が順次設置され、凝縮水ラインを備えた水分分離器、ガスフローヒーター、流量計、流量ブースターがある。システムは、冷却器の前のサンプリングラインに設置された2方向の流量調整装置を備えている。
【0016】
この流量調整装置の出口の1つは、冷却器のガス流の入口に接続され、湿度および温度測定装置はヒーターの後のサンプリングラインに含まれ、バイパス出口の一方がこの流量調整装置の第2の出口に接続され、他方の出口がヒーターの下流のサンプリングラインに接続されている。
【0017】
このシステムには、流量計の後ろのサンプリングラインに含まれるエアロゾルの体積活性を測定する装置と、流量計の後ろに接続された凝縮液の品質を測定するための装置が装備されている。システムは、2つの温度センサと1つの圧力センサを含む。
【0018】
しかしながら、類似の特許に以前に記載されたもののようなシステムは、真空ポンプおよび圧縮機冷凍機の組成物中に存在するために、複雑で煩雑である。さらに、このようなシステムは、流体が漏れる特定の溶接部を決定する問題も解決しない。
【0019】
請求された発明に最も類似しているのは、原子力発電所の保有プールの漏出を監視するシステムである(特許文献3)。
【0020】
原子力プラントの保持プールの漏洩のモニタリングシステムは、洗浄システムのパイプラインを通って来る水流センサの形態のセンサセットと、水置換製品(燃料棒)の標準スロットに設置された流体レベルセンサと、2つの温度および湿度センサであり、1つは原子炉室の換気システムの出口にあり、もう1つは入口にあるものを含む。上記センサの全ての出力は、入力装置を介してコントローラに電気的に接続されており、制御装置出力は放射性漏水のための高レベル警報の入力とコンピュータに接続されている。制御装置は、サービス要員および代用水製品の情報量の入力部を有し、そして、システムには、連続的な電源供給のための無停電電源装置が装備されている。
【0021】
この解決法は、自動化設備の使用により冷却プール内の漏れを監視するための検出システムをそれほど大きくしないようにする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0022】
【特許文献1】ロシア連邦実用新案第100817号(IPC F24K 3/14、2010年12月27日公開)
【特許文献2】ロシア連邦実用新案第111709号(IPC G21C 17/02、2011年12月20日公開)
【特許文献3】ロシア連邦特許第2589726号(IPC G21C17 / 022、G01M3 / 00、2016年7月10日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0023】
上記の解決法の欠点は、以前の類似物と同様に、事前の放射能除去なしではどの溶接部に漏れがあるかを正確に検出できないこと、保持プールの側面のコンクリート壁に放射性水が貫通する可能性があること、第2の金属底が必要であるが第2の底部の気密性を監視できないことであり、放射能の安全性がまだ不十分であった。
【0024】
同時に、先行技術から知られている全ての解決策において、保持プールの漏れの場所に関する情報の欠如は、これらの場所の追加的な決定を必要とするので、水を抜いて空にした後の保持プールの修理時間を増加させる。
【0025】
本発明の目的は、使用済み燃料プールからの液体の漏れを監視するシステムにおいて、放射能を完全に除去することなく特定の溶接部の漏れを判定し、放射性水がプールの側壁に浸透する可能性を排除することで、プール内の使用済み核燃料の貯蔵の安全性を向上することができ、漏れた溶接部を事前に判定することでプールのメンテナンス時間を短縮することができるシステムを開発することである。
【課題を解決するための手段】
【0026】
上記目的を達成するため、本発明は、パイプラインが設置された使用済み核燃料の燃料プールからの液体の漏れを監視するシステムにおいて実施される。
【0027】
すなわち、このシステムは、液体のレベルを監視するセンサとそれに接続された制御ユニットを備え、プールの溶接部がバルブ付きの管によってパイプラインに接続された金属フェンスで囲まれ、パイプラインは両側で、液体レベル制御センサを備えた漏れ収集タンクに接続され、制御ユニットが全てのバルブに接続されており、バルブを制御するように構成されている。
【0028】
また、使用済核燃料プールからの液体の漏れを監視するシステムであって、圧縮空気供給装置と圧縮空気供給バルブとを備え、圧縮空気供給装置が圧縮空気供給バルブによりパイプラインに接続され、圧縮空気供給バルブを介して圧縮空気を供給し、パイプラインと圧縮空気供給バルブが漏れ判定の追加手段として溶接部の周りの金属フェンスに統合されているとしても良い。
【0029】
さらに、使用済核燃料プールからの液体の漏れ判定を確実にするために、液体の漏れを監視するシステムに、着色水供給装置と着色水供給バルブを備え、着色水供給装置が着色水供給バルブによりパイプラインに接続され、着色水供給装置が着色水供給バルブを介して着色水を供給し、パイプラインと着色水供給バルブが漏れ判定の追加手段として溶接部の周りの金属フェンスに統合されているとしても良い。
【0030】
漏れ収集タンクの入口に収集バルブを、出口に戻りバルブを設置するとしても良い。
【0031】
漏れ収集タンクと戻りバルブとの間にポンプを設置することが好ましい。
【0032】
液体の液面を監視するセンサとして圧力センサを使用するとしても良い。
【0033】
液体の液面を監視するセンサとして導電率センサを使用することが好ましい。
【0034】
制御ユニットをシステムのすべてのバルブおよびポンプに有線または無線接続を使用して接続することが好ましい。
【0035】
圧縮空気供給装置に圧縮空気圧力センサを追加的に設けることが望ましい。
【発明の効果】
【0036】
本発明の技術的な結果は、放射性液体を除去することなく、かつプールの側壁に放射性水が入る可能性を排除することで、特定の溶接の漏出を判定する能力を提供することができ、また運転中に漏れた溶接部を事前に検出する可能性があるため、メンテナンス時間を短縮できる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
図1】漏洩制御システムの実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
提案された発明の本質は、漏洩制御システムの実施形態が示されている図に示されている。溶接部1を有する保持プール6が内張りを含み、コンクリート壁(ハッチングで示す)に囲まれ、各溶接部1が外部溶接部11によって保持プール6に取り付けられている金属フェンス2で囲まれ、金属フェンス2が、液体のレベルを監視するためのレベルセンサ5を備えた漏れ収集タンク7へ収集バルブ4を介して、潜在的な漏れを排出する可能性を考慮して設計されたパイプラインにバルブ付きのチューブ3で接続されている。
【0039】
漏れ収集タンク7からは、戻りバルブ9を介してポンプ8により水が保持プール6に戻される。このシステムにはまた、圧縮空気または着色水をシステムに供給するように構成され、圧縮空気圧力センサ12を備えた圧縮空気供給弁10が装備されている。すべてのバルブおよびポンプは、有線および無線通信によって制御ユニット(図示せず)に接続され、制御ユニットはすべてのバルブおよびポンプを制御するように構成される。
【0040】
使用済み核燃料プールからの流体の漏れを検出するためのシステムは、以下のように作動している。使用済み核燃料が保持プール6に貯蔵されている間、制御ユニットを使用するオペレータは、バルブ3を1つずつ定期的に開き、他のバルブ3を閉じ、戻りバルブ9が閉じられ、ポンプ8がオフの状態で液体のレベルを監視するセンサ5の読み取りを監視する。
【0041】
作業者は、レベルセンサ5の読み取り値が変化しない場合には、オープンバルブ3に対応する溶接部1が漏れないと判断する。流体レベルセンサ5が漏れ収集タンク7内の液体レベルの上昇を示す場合、オペレータは、開放バルブ3に対応する溶接部1が漏れていると判断する。
【0042】
その後、同様の方法でオペレータが残りの溶接部をチェックする。検査が完了するか、または漏れ収集タンク7が一杯になると、オペレータは戻りバルブ9を開き、ポンプ8を用いて、漏れ収集タンク7からプールに液体を戻す。次いで、オペレータは、検査中に漏れが検出された溶接部1に対応するバルブ3を閉鎖し、放射性水が保持プールの側壁に進入するのを排除する。
【0043】
同時に、密閉性を失った溶接部1を通って保持プール6の外側に到達した放射性水は、金属フェンス2によって保持プール6の側壁に落下することが防止される。予定されたメンテナンスまで保持プール6の運転を継続することができ、溶接部1の漏れが既に分かっているために、メンテナンスの時間が大幅に短縮される。
【0044】
好ましい実施形態では、使用済み核燃料冷却プールからの液体の漏れを検出するためのシステムは、圧縮空気を、例えば圧縮空気の缶から圧縮空気を供給するように構成された圧縮空気供給弁10を追加で備えている。
【0045】
この変形例では、作業者は収集バルブ4および戻りバルブ9を閉鎖した状態で、圧縮空気供給弁10および弁3の全部または一部を開放することによって、圧縮空気をシステムに供給する。
【0046】
同時に、圧縮空気は、パイプラインおよび開いた弁3を通過し、漏れている溶接部1を通って冷却プール6に到達し、わずかな気泡になって現れることを識別することができる。この気泡が各溶接部の気密度と、漏れている溶接部1の場所を明確に示すものになる。
【0047】
テレメトリ機能を使用すると、保持プール6を空にすることなく漏れを検出することができる。実施形態の1つにおいて圧縮空気の代わりに、同じ結果を達成することができる着色液体を使用することが可能である。
【0048】
さらに、圧縮空気供給装置10内に圧縮空気用の追加の圧力センサ12を使用することにより、金属フェンス2を保持プール6に固定する外部溶接部11の気密性をチェックすることができる。
【0049】
これを行うために、オペレータは、例えば、1つのバルブ3を開き、他のバルブ3、収集バルブ4および戻りバルブ9を閉じた状態で、パイプラインへの圧縮空気供給をオンにすることができる。
【0050】
対応する溶接部1の内部に気泡が現れない場合、オペレータは圧縮空気圧力センサ12の表示をチェックすることができる。
【0051】
圧力が低下した場合、オペレータは、開いたバルブに対応する金属フェンス2を固定している外部溶接部11に漏れがあると結論づける。
【産業上の利用可能性】
【0052】
使用済み核燃料貯蔵プールからの液体の漏れを検出する本発明に係るシステムは、放射線安全性および使用済み核燃料の冷却プールにおける確実な保管を改善するとともに、貯蔵プールの修理時間を短縮し、原子力産業において広く使用することができる。
【符号の説明】
【0053】
1・・・溶接部
2・・・金属フェンス
3・・・バルブ
4・・・収集バルブ
5・・・レベルセンサ
6・・・保持プール
7・・・漏れ収集タンク
8・・・ポンプ
9・・・戻りバルブ
11・・外部溶接部
12・・圧力センサ
図1