(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6972061
(24)【登録日】2021年11月5日
(45)【発行日】2021年11月24日
(54)【発明の名称】照明器
(51)【国際特許分類】
F21S 2/00 20160101AFI20211111BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20211111BHJP
【FI】
F21S2/00 434
F21S2/00 433
F21S2/00 435
F21Y115:10
【請求項の数】3
【外国語出願】
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2019-74673(P2019-74673)
(22)【出願日】2019年4月10日
(62)【分割の表示】特願2017-560237(P2017-560237)の分割
【原出願日】2016年5月19日
(65)【公開番号】特開2019-110141(P2019-110141A)
(43)【公開日】2019年7月4日
【審査請求日】2019年5月17日
(31)【優先権主張番号】62/163,724
(32)【優先日】2015年5月19日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】514108838
【氏名又は名称】マジック リープ, インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Magic Leap,Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】エイドリアン ケーラー
【審査官】
下原 浩嗣
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許出願公開第2015/0016777(US,A1)
【文献】
特表2013−521576(JP,A)
【文献】
国際公開第2010/122330(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 2/00
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
照明器であって、前記照明器は、
対向する第1および第2の平面を有する第1の導波管と、
前記第1の導波管の縁を介して光を前記第1の導波管に指向させるように位置付けられた光源と、
前記第1の導波管を横断して形成された回折光学要素(DOE)であって、前記DOEは、全内部反射を介して前記第1の導波管を横断して前記光源から前記第1の導波管に入射する前記光を拡散し、前記光を前記第1の平面の表面から外へと結合させるためのものであり、前記DOEは、光線が前記第2の平面に対向する空間内に少なくとも2つの仮想光源を生成するような様式で前記第1の平面から出射するように構成されている、DOEと、
前記第1の導波管と平行に位置付けられた第2の導波管と
を備え、前記第1の導波管は、第1の場所において第1の仮想光源を生成するように構成されており、前記第2の導波管は、前記第1の場所とは異なる第2の場所において第2の仮想光源を生成するように構成されている、照明器。
【請求項2】
照明器を備えるヘッドマウントデバイスであって、前記照明器は、
対向する第1および第2の平面を有する第1の導波管と、
前記第1の導波管の縁を介して光を前記第1の導波管に指向させるように位置付けられた光源と、
前記第1の導波管を横断して形成された回折光学要素(DOE)であって、前記DOEは、全内部反射を介して前記第1の導波管を横断して前記光源から前記第1の導波管に入射する前記光を拡散し、前記光を前記第1の平面の表面から外へと結合させるためのものであり、前記DOEは、光線が前記第2の平面に対向する空間内に少なくとも2つの仮想光源を生成するような様式で前記第1の平面から出射するように構成されている、DOEと、
前記第1の導波管と平行に位置付けられた第2の導波管と
を備え、前記第1の導波管は、第1の場所において第1の仮想光源を生成するように構成されており、前記第2の導波管は、前記第1の場所とは異なる第2の場所において第2の仮想光源を生成するように構成されている、ヘッドマウントデバイス。
【請求項3】
照明器を備える瞳追跡システムであって、前記照明器は、
対向する第1および第2の平面を有する第1の導波管と、
前記第1の導波管の縁を介して光を前記第1の導波管に指向させるように位置付けられた光源と、
前記第1の導波管を横断して形成された回折光学要素(DOE)であって、前記DOEは、全内部反射を介して前記第1の導波管を横断して前記光源から前記第1の導波管に入射する前記光を拡散し、前記光を前記第1の平面の表面から外へと結合させるためのものであり、前記DOEは、光線が前記第2の平面に対向する空間内に少なくとも2つの仮想光源を生成するような様式で前記第1の平面から出射するように構成されており、前記少なくとも2つの仮想光源は、眼からの少なくとも2つの反射を発生させるように配列されている、DOEと、
前記第1の導波管と平行に位置付けられた第2の導波管と
を備え、前記第1の導波管は、第1の場所において第1の仮想光源を生成するように構成されており、前記第2の導波管は、前記第1の場所とは異なる第2の場所において第2の仮想光源を生成するように構成されている、瞳追跡システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願への相互参照)
本出願は、2015年5月19日に出願された「ILLUMINATOR」という題名の米国仮特許出願第62/163,724号に対して優先権を主張する。上記文献は、その全体として参照することによって本明細書において援用される。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、実際の光源とは異なる場所から発するように見える照明を発生させるための光学デバイスに関する。そのような光学デバイスは、必要に応じて実際の物理的光源を配置することが実現困難または不可能である、種々の写真もしくはビデオ捕捉状況に対して有用である。
【背景技術】
【0003】
(発明の背景)
殆どの写真またはビデオ捕捉状況は、ある形態の照明を要求する。所望の照明は、例えば、カメラに接続されるフラッシュによって供給され得る。しかしながら、多くの状況では、必要とされる照明を提供することは、困難であり得る。
【0004】
1つのそのような状況は、ユーザのための拡張現実の生成に関して、本明細書の譲受人によって開発されたディスプレイシステムに関連する。そのようなシステムでは、ユーザは、外界を視認するためのウィンドウを含む、ヘッドマウントデバイスを提供されるであろう。ウィンドウは、画像情報を発生させ、その画像情報をユーザの眼に投影する能力を有するであろう。そのようなシステムでは、シミュレートされた物体の画像が、発生され、現実世界の風景に追加され得る。本タイプのウィンドウのより詳細な説明が、以下に提供される。
【0005】
ある機能性をそのようなヘッドマウントディスプレイに追加することが、着目されている。例えば、ユーザの注視方向を監視するためのカメラを含むことが、着目されている。ユーザが任意の瞬間にどこを見ているかを把握することは、多くの利益を有する。例えば、人物の注視の知識は、ディスプレイシステムを制御するために使用されることができる。注視方向の知識は、マウスポインタまたはその類似物を制御するための選択ツールとして使用されることができる。注視方向の知識は、視野内の物体を選択するために使用されることができる。カメラを用いて注視情報を捕捉することは、眼を照射するための源を提供することによって改良されることができる。
【0006】
ヘッドマウントディスプレイにおける別の着目特徴は、虹彩認識等のバイオメトリック測定を通してユーザを識別する可能性である。虹彩認識システムは、虹彩の画像を捕捉するためのカメラを含むであろう。虹彩情報を捕捉するプロセスは、照明源が提供される場合、改良されることができる。
【0007】
本発明の照明デバイスは、拡張現実を生成するために本発明の譲受人によって使用されるウィンドウの構造とのいくつかの類似性を有する。本発明の実施形態は、本文脈において議論されるであろうが、本発明は、拡張現実システムに限定されず、実際には、照明を要求する、特に、仮想照明源を生成することが所望される任意の状況において使用され得ることを理解されたい。
【0008】
本デバイスは、拡張現実における使用のために提案されるものと類似する構造を有する、平面導波管を含む。拡張現実を生成するためのデバイスの説明が、2015年1月15日に公開された米国特許公開第2015/001677号(その開示が、参照することによって本明細書に組み込まれる)に見出されることができる。
【0009】
本明細書の後の公開に説明され、
図1に図示されるように、光学システム100は、平面導波管1を含む主要導波管装置102を含むことができる。平面導波管は、平面導波管内の光の全内部反射を制御するための1つ以上の回折光学要素(DOE)2を提供される。光学システムはさらに、光学カプラシステム104と、制御システム106とを含む。
【0010】
図2に最良に図示されるように、主要平面導波管1は、第1の端部108aと、第2の端部108bとを有し、第2の端部108bは、主要平面導波管1の長さ110に沿って第1の端部108aに対向する。主要平面導波管1は、第1の面112aと、第2の面112bとを有し、少なくとも第1および第2の面112a、112b(集合的に112)は、主要平面導波管1の長さ110の少なくとも一部に沿って(矢印114aおよび破線矢印114b、集合的に114によって図示される)部分的内部反射光路を形成する。主要平面導波管1は、定義された臨界角未満で面112に衝突する光に対して略全内部反射(TIR)を提供する種々の形態をとり得る。平面導波管1は、例えば、ガラス、溶融シリカ、アクリル、またはポリカーボネートの平板もしくは平面の形態をとり得る。
【0011】
DOE2(点鎖二重線によって
図1および2に図示される)は、TIR光路114を中断させ、平面導波管1の長さ110の少なくとも一部に沿って延在する平面導波管1の内部118と外部120との間に(矢印116aおよび破線矢印116b、集合的に116によって図示される)複数の光路を提供する、多種多様な形態をとり得る。DOE2は、有利なこととして、線形回折格子の位相関数を円形または半径方向対称ゾーンプレートのものと組み合わせ、見掛けの物体および見掛けの物体に対する焦点面の位置付けを可能にし得る。DOEは、導波管の表面上またはその内部に形成され得る。
【0012】
図1を参照すると、光学カプラサブシステム104は、光を導波管装置102に光学的に結合させる。代替として、カプラが使用されない場合、光は、導波管の縁108bに直接結合され得る。
図1に図示されるように、光学カプラサブシステムは、光を主要平面導波管1の縁122に光学的に結合させるために、光学要素5、例えば、反射面、ミラー、ダイクロイックミラー、またはプリズムを含み得る。光はまた、前面または後面112のいずれかを通して導波管装置に結合されることができる。光学カプラサブシステム104は、加えて、または代替として、光を平行化させる平行化要素6を含み得る。
【0013】
制御サブシステム106は、1つ以上の光源と、空間的および/または時間的に変動する光の形態においてエンコードされ得る画像データを発生させる駆動電子機器とを含む。上記に留意されるように、平行化要素6は、光を平行化させ得、平行化された光は、1つ以上の主要平面導波管1(1つの主要導波管のみが、
図1および2に図示される)に光学的に結合される。
【0014】
図2に図示されるように、光は、TIR伝搬からもたらされる少なくともある程度の反射または「跳ね返り」とともに主要平面導波管に沿って伝搬する。いくつかの実装は、反射を促進し得る、1つ以上のリフレクタ、例えば、薄フィルム、誘電コーティング、金属化コーティング等を内部光路において採用し得ることに留意されたい。導波管1の長さ110に沿って伝搬する光は、長さ110に沿った種々の位置でDOE2と交差する。DOE2は、主要平面導波管1内に組み込まれる、または主要平面導波管1の面112のうちの1つ以上と当接もしくは隣接し得る。DOE2は、少なくとも2つの機能を遂行する。DOE2は、光の角度を偏移させ、光の一部をTIRから逃散させ、主要平面導波管1の1つ以上の面112を介して内部118から外部120に出現させる。DOE2はまた、出力結合された光線を指向させ、所望の見掛け視距離に物体の仮想場所を制御するように構成されることができる。したがって、主要平面導波管1の面112aを通して見る人は、具体的視距離からのように仮想光源を見ることができる。
【0015】
以下に議論されるであろうように、本照明器は、上記に議論されるDOEおよび導波管技術を使用して構成されることができる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0016】
(発明の簡単な要約)
実際の光源とは異なる場所から発するように見える照明を発生させるための光学デバイスが、開示される。デバイスは、対向する第1および第2の平面を有する導波管を含む。光源が、光を導波管に指向させるように位置付けられる。回折光学要素(DOE)が、導波管を横断して形成される。DOEは、全内部反射を介して導波管に入射する光を分配し、光を該第1の面の表面から外へと結合させる。
【0017】
一実施形態では、DOEは、出力光を平行化させ、導波管から無限距離に位置付けられた源の光照射野をエミュレートするように構成される。別の実施形態では、DOEは、出力光を分散し、導波管から事前判定された距離にある源の光照射野をエミュレートするように構成される。好ましい実施形態では、光源は、スペクトルの赤外領域における狭帯域の放射を発生させる。
【0018】
例えば、DOEは、光線がそれに垂直な該第1の面から出射するように、または光線が第2の面に対向する空間内に仮想源を生成するような様式で該第1の面から出射するように、または光線が第2の面に対向する空間内に少なくとも2つの仮想源を生成するような様式で該第1の面から出射するように構成され得る。
【0019】
加えて、光源は、赤外線放射を発生させ得る。第2の面は、赤外線放射を反射するコーティングを提供され得る。
【0020】
光源からの光は、導波管にその第1の面を介して、および/またはその第2の面を介して指向され得る。別の実施形態では、光源からの光は、導波管に導波管の縁を介して指向され得る。そのような実施形態では、照明器は、第1の導波管の縁に沿って延在する第2の導波管を含み得る。第2の導波管は、光源からの放射を受光し、縁に平行な第1の導波管の軸に沿って光を分配し得る。
本発明は、例えば、以下の項目を提供する。
(項目1)
照明器であって、
対向する第1および第2の平面を有する第1の導波管と、
光を前記導波管に指向させるように位置付けられた光源と、
前記導波管を横断して形成された回折光学要素(DOE)であって、前記DOEは、全内部反射を介して前記導波管を横断して前記源から前記導波管に入射する光を拡散し、前記光を前記第1の面の表面から外へと結合させるためのものである、DOEと
を備える、照明器。
(項目2)
前記DOEは、光線がそれに垂直な前記第1の面から出射するように構成されている、項目1に記載の照明器。
(項目3)
前記DOEは、光線が前記第2の面に対向する空間内に仮想源を生成するような様式で前記第1の面から出射するように構成されている、項目1に記載の照明器。
(項目4)
前記DOEは、光線が前記第2の面に対向する空間内に少なくとも2つの仮想源を生成するような様式で前記第1の面から出射するように構成されている、項目1に記載の照明器。
(項目5)
前記光源は、赤外線放射を発生させる、項目1に記載の照明器。
(項目6)
前記第2の面は、赤外線放射を反射するコーティングを提供されている、項目5に記載の照明器。
(項目7)
前記光源からの光は、前記導波管にその第1の面を介して指向される、項目1に記載の照明器。
(項目8)
前記光源からの光は、前記導波管にその第2の面を介して指向される、項目1に記載の照明器。
(項目9)
前記光源からの光は、前記導波管に前記導波管の縁を介して指向される、項目1に記載の照明器。
(項目10)
前記第1の導波管の縁に沿って延在する第2の導波管を含み、前記第2の導波管は、前記光源からの放射を受光し、前記縁に平行な前記第1の導波管の軸に沿って前記光を分配するためのものである、項目9に記載の照明器。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】
図1は、一図示される実施形態による、導波管装置と、導波管装置に、またはそれからの光を結合するためのサブシステムと、制御サブシステムとを含む光学システムを示す、概略図である。
【
図2】
図2は、一図示される実施形態による、平面導波管と、平面導波管内に位置付けられる少なくとも1つの回折光学要素とを含む導波管装置を示し、全内部反射光路と、平面導波管の外部と内部との間の光路とを含むいくつかの光路を図示する、立面図である。
【
図3】
図3は、仮想光源が無限遠における本発明の第1の実施形態に従って形成される照明器を示す、概略図である。
【
図4】
図4は、仮想光源が導波管からある有限距離の空間内の点である、本発明の第2の実施形態に従って形成される照明器を示す、概略図である。
【
図5】
図5は、分配導波管を含む、本発明の第3の実施形態に従って形成される照明器を示す、概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
(発明の詳細な説明)
図3は、本発明に従って作成される照明デバイス10の第1の実施形態を図示する。本デバイスは、照明を要求する多種多様な用途において使用され得る。本デバイスは、特に、注視追跡または虹彩識別等の特徴を実装するためのヘッドマウントディスプレイにおいて有用であり得る。
【0023】
デバイス10は、平面導波管20を含む。1つ以上の回折光学要素(DOE)22が、導波管内に形成される。DOEは、導波管の表面上に形成される、または導波管内に埋設されることができる。
【0024】
光源24が、照明のための光学放射を発生させるために提供される。多種多様な光源が、使用され得る。好ましい実施形態では、光源は、単一波長または狭帯域の波長を発生させる。一実施例では、光源24は、発光ダイオード(LED)である。LEDの光出力は、導波管に指向される。光は、導波管の両側に、またはその縁に沿って指向されることができる。光は、次いで、全内部反射によって、導波管全体を通して伝搬する。
【0025】
DOEは、導波管の表面に沿った種々の点で光を出力結合するように配列される。
図3の実施形態では、出力結合された光線は、導波管の表面に略垂直である。本アプローチは、光源が導波管から無限距離に位置し、光が実質的に平行化されるであろう状況をエミュレートする。
【0026】
図4は、本発明の第2の実施形態による、デバイス10bを図示する。
図4の実施形態では、導波管20aのDOE22aは、分散光線を生成し、導波管の対向する側から特定の距離に位置する点源30の効果をエミュレートするように配列される。仮想光源の特定の場所は、DOEを構成することによって制御される。
【0027】
DOEは、仮想光源を導波管の非常に近接する場所から非常に遠く離れた場所へと任意の場所に配置するように配列されることができる。選定は、特定の用途のために最良の照明を提供することに依存するであろう。例えば、眼の照明が虹彩の画像を捕捉するために使用される場合、仮想源を導波管からさらに離れて移動させ、より均一な照明を生成することが、より良好であり得る。
【0028】
拡張現実用途に関して、放射がユーザに可視ではないように、光源が赤外線スペクトルにおける照明を放出することが、好ましい。このように、照明器は、ユーザに到達する現実世界またはコンピュータ発生画像に干渉しないであろう。赤外線照明を使用することは、虹彩のはるかに高いレベルの詳細が本波長範囲内で利用可能であるため、虹彩認識に対して特に有用である。
【0029】
赤外線源を使用するシステムでは、(伝送側に対向する)導波管の側32(32a)上に赤外線放射を反射するコーティングを提供することが、好ましくあり得る。赤外線コーティングは、その側上の光漏出に起因する任意の損失を最小限にするであろう。赤外線コーティングは、現実世界から導波管を通したユーザの眼への可視光の伝送に干渉しないであろう。
【0030】
図4の実施形態は、単一点源に由来する光をエミュレートするためにどのようにDOEが構成され得るかを示す。2つ以上の仮想光源から発する光をエミュレートする分散光線を生成するようにDOEを構成することは、本発明の範囲内である。これは、DOEのピクセルのある割合を1つの仮想源に分配し、別の割合のDOEピクセルを別の仮想源に分配することによって達成され得る。当然ながら、2つの導波管30aを使用することによって、類似する結果を達成し得る。2つの導波管は、相互に平行に整合されるであろう。各導波管30aは、異なる場所における点光源をエミュレートするように構成されるであろう。
【0031】
種々の瞳追跡システムが、複数の光源を要求し、眼からの複数の反射を発生させるように構成される。複数の仮想点源を発生させ得る本発明の実施形態が、これらのタイプの瞳追跡システムを実装するために使用され得ることが想定される。
【0032】
図5は、DOE52を有する平面導波管50を含むシステム10cの図である。システム10cはさらに、導波管50の縁と整合される第2の導波管56を含む。第2の導波管56は、DOE58を含む。光源54は、光を第2の導波管に指向させる。光は、全内部反射を介して第2の導波管56を横断して拡散する。光は、第2の導波管56から出射し、導波管50に入射する。本実施形態では、導波管56は、光をその軸(
図5の垂直軸)に沿って分配するように作用する。導波管50は、次いで、光を
図5の水平軸に沿って分配する。第2の導波管の使用は、結合効率を改良し得る。
【0033】
本発明は、いくつかの好ましい実施形態を参照して説明されたが、種々の変更および修正が、添付される請求項によって定義されるような本発明の範囲ならびに精神から変動することなく、当業者によってそれに成され得る。