【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成25年度 国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構「超低消費電力型光エレクトロニクス実装システム技術開発」委託研究、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下に、本発明の各実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
図面は模式的または概念的なものであり、各部分の厚さと幅との関係、部分間の大きさの比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。同じ部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比率が異なって表される場合もある。
本願明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
【0008】
(第1実施形態)
図1(a)〜
図1(c)は、第1実施形態に係る半導体装置を例示する模式図である。
図1(a)は、
図1(c)のA1−A2線断面図である。
図1(b)は、
図1(c)の矢印AAから見た平面図である。
図1(c)は、斜視図である。
【0009】
図1(a)に示すように、第1実施形態に係る半導体装置110は、配線層50、半導体チップ、電子部品などの電気素子10、光半導体チップ(発光素子、光変調器(光変調素子)、受光素子)などの光素子20及び樹脂部40を含む。
【0010】
配線層50から電気素子10に向かう方向は、第1方向に沿う。
【0011】
第1方向をZ軸方向とする。Z軸方向に対して垂直な1つの方向をX軸方向とする。Z軸方向及びX軸方向に対して垂直な方向をY軸方向とする。
【0012】
配線層50は、例えばX−Y平面に沿っている。
【0013】
配線層50から光素子20に向かう方向は、第1方向(Z軸方向)に沿う。電気素子10から光素子20に向かう第2方向は、第1方向と交差する。この例では、第2方向は、X軸方向に沿う。
【0014】
樹脂部40は、第1部分領域r1を含む。第1部分領域r1は、電気素子10と光素子20との間に位置する。
【0015】
図1(b)に示すように、この例では、樹脂部40は、第2〜第7領域r2〜r7をさらに含んでいる。
【0016】
第2方向(X軸方向)において、第2部分領域r2と第1部分領域r1との間に、光素子20が位置する。第2方向において、第1部分領域r1と第3部分領域r3との間に、電気素子10が位置する。
【0017】
第3方向において、第4部分領域r4と第5部分領域r5との間に、光素子20が位置する。第3方向は、第1方向及び第2方向を含む平面(例えばZ−X平面)と交差する。この例では、第3方向は、Y軸方向である。第3方向において、第6部分領域r6と第7部分領域r7との間に、電気素子10が位置する。
【0018】
第1〜第7部分領域r1〜r7は、互いに連続している。この例では、第4部分領域r4から第6部分領域r6に向かう方向は、X軸方向に沿う。第5部分領域r5から第7部分領域r7に向かう方向は、X軸方向に沿う。
【0019】
光素子20は、第1光素子面20a及び第2光素子面20bを含む。第2光素子面20bは、第1方向(Z軸方向)に沿って、配線層50に対向する。第2光素子面20bは、第1光素子面20
aとは反対の面である。1つの例において、第1光素子面20aは、光素子の光出射面(発光面)である。別の1つの例において、第1光素子面20aは、光素子の光入射面(受光面)である。
【0020】
例えば、第1光素子面20aの少なくとも一部は、樹脂部40に覆われていない。
【0021】
この例では、光素子20の上面は、樹脂部40の上面よりも下方に位置している。
【0022】
樹脂部40の第1部分領域r1は、第1樹脂部面40a及び第2樹脂部面40bを含む。第2樹脂部面40bは、第1方向(Z軸方向)に沿って、配線層50に対向する。第2樹脂部面40bは、第1樹脂部面40aとは反対の面である。
【0023】
図1(a)に示すように、配線層50と第1樹脂部面40aとの間の第1方向(Z軸方向)に沿った距離を距離d1とする。配線層50と第1光素子面20aとの間の第1方向に沿った距離を距離d2とする。距離d1は、距離d2よりも長い。このような距離の関係により、第1光素子面20aは、第1樹脂部面40aよりも後退する。例えば、第1光素子面20aにおいて、汚れなどが抑制され、良好な光機能が得られる。
また、例えば、
図12に示すように、光素子20の光入出力面(光出力または光入力)に光コネクタフェルール70に保持された光ファイバ80を配置して光結合を行う場合などに、光ファイバを光素子20に近接させても光入出力面に光ファイバが接触しないように構成可能となる。この例では、光ファイバ80は、UV樹脂81、クラッド82、及びコア83を含む。フェルール70と光ファイバ80との間には、接着剤71が設けられている。光素子20は、結晶レンズ26Aを含む。結晶レンズ26Aの屈折率は、例えば、3.2〜3.5である。配線層50と光素子20の間には、発光部/受光部90が設けられている。
また、上記において、光ファイバと光素子20を近接して固定した場合に、使用環境の変化(例えば、温度変化や外力による応力変化)により光ファイバ先端が熱膨張や応力により迫り出すようなことがあっても、予め第1樹脂部面40aと第1光素子面20aのクリアランスによりこれを吸収するように構成することが可能であり、光ファイバおよび光素子20の破損を防止可能となる。
また、光素子20の光入出力面に無反射コートに代わるSWS(Sub-Wavelength Structure)の凹凸部をエッチング形成した場合や、光素子とは別の材料によるSWC(Subwavelength Structure Coating)の凹凸部を形成した場合など、光ファイバなどの接触により光素子20表面の凹凸部に異物が入り込んで無反射コートの効果が喪失することを防止できる。
また、
図12に示すように、光素子20の光入出力面にレンズなどの光学素子を形成して光結合を行う場合に、光素子20と光ファイバの距離をレンズ焦点に合せた間隔に設定することが可能となる。
また、光素子20の表面に回折レンズやフレネルレンズなどを形成した場合においても同様にレンズ焦点に合せた距離調整機構として利用可能であり、回折レンズやフレネルレンズの凹凸部に光ファイバなどの接触により異物が入り込んでレンズ機能が喪失することを防止することもできる。
また、
図8に示すように、光素子20に例えばクラッドを露出した光ファイバ素線を挿入、保持する凹部を設ける場合、上記同様に光ファイバ素線の挿入前に意図しない物体の接触により凹部に異物が入り込むことを防止することができる。この場合、光ファイバは例えばコア径50μm、クラッド径125μmのGI(Graded Index)ファイバ(マルチモードファイバ)とし、光素子20の光素子基板21の凹部底面から配線層側表面に形成される能動部(発光部又は受光部または光変調部)までの距離は、例えば50μm以下として光ファイバとの光結合を確保する。
【0024】
例えば、電気素子10は、側面を有する。この側面は、X−Y平面と交差する。樹脂部40は、電気素子10の側面の周りに設けられる。例えば、光素子20は、側面を有する。この側面は、X−Y平面と交差する。樹脂部40は、光素子20の側面の周りに設けられる。
【0025】
電気素子10は、例えば、半導体チップを含む。電気素子10は、例えば、増幅回路、論理回路、記憶回路、スイッチング回路からなり、演算回路、制御回路、及び信号処理回路の少なくともいずれかを含んでも良い。電気素子10は、例えば、抵抗、キャパシタ及びインダクタの少なくともいずれかを含んでも良い。実施形態において、複数の電気素子10が設けられても良い。以下では、複数の電気素子10の1つについて説明する。以下の説明は、複数の電気素子10の別の1つにも適用できる。
【0026】
電気素子10は、例えば、シリコン、Ge、ダイヤモンド、及び、化合物半導体(SiC、GaN、GaAs、InPなど)の少なくとも1つを含む。
【0027】
光素子20は、例えば、発光素子及び受光素子の少なくともいずれかを含む。発光素子は、例えば発光ダイオード、レーザダイオードを含む。受光素子は、例えばフォトダイオード、アバランシェフォトダイオード、MSM(Metal Semiconductor Metal)フォトダイオードを含む。光素子20は、例えば、シリコン、Ge、ダイヤモンド、及び、化合物半導体(SiC、GaN、GaAs、InPなど)の少なくともいずれかを含む。光素子20は、例えば、光を用いた信号の送受信(通信)の機能を有する。
【0028】
配線層50は、例えば導電層51を含む。導電層51は、例えば、再配線層(Re-Distribution Layer:RDL)である。導電層51は、例えば、光素子20及び電気素子10の少なくともいずれかと電気的に接続される。導電層51は、例えば、光素子20と電気素子10とを電気的に接続しても良い。
【0029】
例えば、光素子20は、電極(第1電極20e及び第2電極20fなど)を含む。導電層51は、例えば、第1電極20e及び第2電極20fの少なくともいずれかと電気的に接続される。
【0030】
配線層50は、樹脂層52をさらに含む。樹脂層52は、例えば、ポリイミドなどの樹脂を含む。
【0031】
樹脂部40の第1〜第7部分領域r1〜r7は、例えば、配線層50と接する。
【0032】
実施形態において、光素子20の少なくとも一部は、第1方向(Z軸方向)において、樹脂部40と重ならない。これにより、光素子20が発光素子を含む場合、発光素子から放出される光は、樹脂部40を通過せずに、外部に出射できる。一方、光素子20が受光素子である場合、光は、樹脂部40を通過せずに、光素子20に入射できる。これにより、光素子20における光の出射及び入射の少なくともいずれかにおいて、良好な特性が得られる。
【0033】
半導体装置110においては、電気素子10と光素子20とが組み合わされ、配線層50が設けられる。このような電気素子10及び光素子20は、樹脂部40により保持される。部品の数が少ない。半導体装置のサイズを小さくでき、小さいピッチ(間隔)の接続が可能である。そして、光素子20の少なくとも一部が樹脂部40に覆われないことにより、光素子における良好な機能が得られる。良好な機能を得つつ、小型化が可能な半導体装置が提供できる。
【0034】
図1(a)に示すように、この例では、第1方向(Z軸方向)において、樹脂部40の一部40pと配線層50との間に、電気素子10が位置している。例えば、電気素子10は、樹脂部40に覆われる。良好な信頼性が得られる。後述するように、電気素子10の少なくとも一部は、樹脂部40により覆われていなくても良い。
【0035】
この例では、光素子20は、光素子基板21(透明層、光素子半導体層)及び反射防止層25(光学層)を含む。反射防止層25と配線層50との間に、光素子基板21が位置する。光素子基板21に設けられた光素子20は、例えば、発光、及び、受光の少なくともいずれかの機能を有する。反射防止層25の屈折率は、光素子基板21の屈折率よりも低い。反射防止層25の屈折率は、例えば、1より大きい。これにより、外部と光素子基板21との間において、良好な入出射特性が得られる。反射防止層25は、反射抑制機能を有し、単層または多層膜からなっても良い。反射防止層25が単層膜の場合、例えば、反射防止層25の屈折率を光素子基板21の屈折率と反射防止層の外側媒体の屈折率(例えば空隙で屈折率1、または透明樹脂で屈折率1.5など)の積の平方根付近とし、その厚みを光素子の動作波長(発光波長または受光波長)の1/4の光学長(波長/屈折率)に相当する厚さとする。
【0036】
上記の屈折率は、光素子20の動作(発光または受光)波長における屈折率である。
【0037】
例えば、光素子20は、光を放出可能である。この光のピーク波長における反射防止層25の屈折率は、そのピーク波長における光素子基板21の屈折率よりも低い。このときの反射防止層25の屈折率は、例えば、1より大きい。
【0038】
例えば、光素子20が受光素子である場合、光素子20に入射する光のピーク波長における反射防止層25の屈折率は、そのピーク波長における光素子基板21の屈折率よりも低い。このときの反射防止層25の屈折率は、例えば、1より大きい。
【0039】
後述するように、反射防止層25は省略されても良い。
【0040】
実施形態において、樹脂部40は、複数の粒子41と、樹脂材料部42と、を含む。樹脂材料部42は、複数の粒子41の少なくとも一部の周りに設けられる。複数の粒子41は、例えば、酸化シリコン、酸化アルミニウム、窒化シリコン、及び窒化アルミニウムの少なくともいずれかを含む。例えば、高い放熱性が得られる。例えば、高い機械強度が得られる。樹脂材料部42は、例えば、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂の少なくともいずれかを含む。
【0041】
(第2実施形態)
以下、第2実施形態として、上記の半導体装置110の製造方法の例について説明する。
図2(a)〜
図2(g)は、第2実施形態に係る半導体装置の製造方法を例示する模式的断面図である。
【0042】
図2(a)に示すように、第1構造体SB1を準備する。例えば、光素子20となるウェーハ20Wに、第1層27を固定する。この例では、接着層28により、ウェーハ20Wに第1層27が固定される。ウェーハ20Wは、例えば、光素子20となる基板(例えばシリコン基板)である。ウェーハ20Wから、複数の光素子20が得られる。第1層27は、例えば、薄いシリコン層(基板)である。このような積層体を複数の領域に分割することで、複数の第1構造体SB1が得られる。以下では、複数の第1構造体SB1の1つについて説明する。
【0043】
図2(b)に示すように、支持体60に、上記の第1構造体SB1、及び、電気素子10を固定する。支持体60は、例えば、シリコン、ガラス、樹脂基板である。第1構造体SB1は、光素子20と、光素子20に設けられた第1層27と、を含む。
【0044】
光素子20において、第2光素子面20bは、支持体60に対向する。第1光素子面20aは、第1層27(この例では、接着層28)に対向する。
【0045】
図2(c)に示すように、第1構造体SB1及び電気素子10を樹脂材料層40Fで覆う。樹脂材料層40Fは、樹脂部40となる。
【0046】
図2(d)に示すように、支持体60を除去する。
【0047】
図2(e)に示すように、支持体60の除去により露出した、第1構造体SB1及び電気素子10に、配線層50を形成する。
【0048】
図2(f)に示すように、樹脂材料層40Fの一部を除去して、第1層27を露出させる。この除去は、例えば、CMP(chemical mechanical polishing)などの実施を含む。
【0049】
図2(g)に示すように、第1層27を除去する。このとき、接着層28も除去する。第1層27の除去において、例えば、樹脂材料層40F(の少なくとも一部)は、残る。これにより、半導体装置110が得られる。
【0050】
このように、この例では、樹脂材料層40Fで覆うことは、第1構造体SB1及び電気素子10を支持体60に固定した状態で行われる。そして、樹脂材料層40Fで覆うことの後に、支持体60を除去する。支持体60の除去により露出した第1構造体SB1及び電気素子10に配線層50を形成する。配線層50の形成の後に、第1層27の露出が実施される。
【0051】
以下、半導体装置の製造方法の別の例について説明する。
図3(a)〜
図3(d)は、第2実施形態に係る半導体装置の別の製造方法を例示する模式的断面図である。
【0052】
図3(a)に示すように、第1構造体SB1及び電気素子10に配線層50が設けられる。第1構造体SB1及び電気素子10は、配線層50と固定される。
【0053】
図3(b)に示すように、第1構造体SB1及び電気素子10を樹脂材料層40Fで覆う。
【0054】
図3(c)に示すように、樹脂材料層40Fの一部を除去して、第1層27を露出させる。
【0055】
図3(d)に示すように、第1層27を除去する。
【0056】
以下、第1実施形態に係る半導体装置の別の例について説明する。
図4〜
図8は、第1実施形態に係る別の半導体装置を例示する模式的断面図である。
図4に示すように、半導体装置111においては、電気素子10の少なくとも一部は、第1方向(Z軸方向)において、樹脂部40と重ならない。半導体装置111におけるこれ以外の構成は、半導体装置110と同様である。
【0057】
図5に示すように、半導体装置112においては、光素子20において、反射防止層25が設けられていない。半導体装置112におけるこれ以外の構成は、半導体装置110と同様である。
【0058】
図6に示すように、半導体装置113においては、光素子20において、反射防止層25が省略されている。半導体装置113においては、第1光素子面20aは、複数の凹凸20dpを含む。複数の凹凸20dpは、光素子20の発光ピーク波長または受光ピーク波長より短い周期で配列されても良い。複数の凹凸20dpは、光素子20の発光ピーク波長または受光ピーク波長に対する回折レンズまたはフレネルレンズであっても良い。半導体装置113におけるこれ以外の構成は、半導体装置110と同様である。
【0059】
図7に示すように、半導体装置114においては、電気素子10に加えて、別の電気素子10Aが設けられている。半導体装置114は、レンズ26をさらに含む。第1方向(Z軸方向)において、レンズ26と配線層50との間に、光素子20が位置する。レンズにより、光L1の入出効率が向上する。
【0060】
この例では、半導体装置114は、第1接続部55をさらに含む。第1接続部55は、例えば、他の機器との電気的な接続に用いられる。例えば、配線層50は、第1接続部55と電気的に接続された導電層51を含む。例えば、配線層50は、第1方向(Z軸方向)において第1接続部55と光素子20との間、及び、第1方向において第1接続部55と電気素子10との間の少なくともいずれかに位置する。
【0061】
図8に示すように、半導体装置115においては、光素子20は、第1光素子面20aに設けられた凹部20h(例えば孔)を有する。例えば、凹部20hには、光ファイバの端部などが挿入される。低い損失の光接続が得られる。
【0062】
凹部20hの底面は、光素子20の第2光素子面20bから第1方向(Z軸方向)に50μm以内にある。安定した光接続が得られる。
【0063】
半導体装置115の製造方法においては、光素子20に凹部20hを形成することをさらに実施する。
【0064】
半導体層110〜115においても、小型化が可能な半導体装置が提供できる。
【0065】
以下、半導体装置の製造方法の別の例について説明する。
図9(a)〜(f)、
図10(a)〜(e)、及び、
図11(a)〜(e)は、第2実施形態に係る半導体装置の別の製造方法を例示する模式的断面図である。
【0066】
図9(a)に示すように、光素子20となるウェーハ20Wを準備する。ウェーハ20Wは、例えば、第1光素子面20a、第2光素子面20b、及び凹部20hを含む。
【0067】
図9(b)に示すように、ウェーハ20Wに接着層28を形成する。
【0068】
図9(c)に示すように、接着層28により、ウェーハ20Wに第1層27を固定する。
【0069】
図9(d)に示すように、第1層27の一部を除去しても良い。第1層27の一部の除去は、例えば、研削により行われる。
【0070】
図9(e)に示すように、ウェーハ20Wに第2接続部56を形成する。ウェーハ20W、接着層28、第1層27、及び第2接続部56を含む積層体が形成される。第2接続部56の少なくとも一部は、光素子20に含まれる導電層と電気的に接続される。
【0071】
図9(f)に示すように、上記の積層体を複数の領域に分割することで、複数の第1構造体SB1が得られる。この例では、第1構造体SB1は、光素子20、接着層28、第1層27、及び第2接続部56を含む。
【0072】
図10(a)に示すように、支持体60を準備する。
【0073】
図10(b)に示すように、支持体60に配線層50を形成する。
【0074】
図10(c)に示すように、配線層50が形成された支持体60に、上記の第1構造体SB1、電気素子10、及び別の電気素子10Aを固定する。例えば、第2接続部56が、配線層50に含まれる導電層の少なくとも一部と電気的に接続されても良い。例えば、第3接続部57により、電気素子10に含まれる電極(図示しない)の少なくとも1つが、配線層50に含まれる導電層の少なくとも一部と電気的に、接続されても良い。
【0075】
図10(d)に示すように、第1構造体SB1、電気素子10、及び別の電気素子10Aを樹脂材料層40Fで覆う。樹脂材料層40Fは、樹脂部40となる。
【0076】
図10(e)に示すように、支持体60を除去する。配線層50が露出する。
【0077】
図11(a)に示すように、樹脂材料層40Fの一部を除去して、第1層27を露出させる。1つの例において、
図11(a)に示すように、第1層27が露出したときに、樹脂材料層40Fの一部の除去を終了しても良い。別の1つの例において、
図11(b)に示すように、樹脂材料層40Fの一部の除去をさらに進めて、第1層27も除去し、接着層28を露出させても良い。
【0078】
図11(a)に示すように、第1層27が露出したときに樹脂材料層40Fの一部の除去を終了した場合は、
図11(c)に示すように、第1層27を除去する。
【0079】
図11(d)に示すように、接着層28を除去する。
【0080】
図11(e)に示すように、配線層50に第1接続部55を形成する。これにより、半導体装置が得られる。
【0081】
このように、この例では、樹脂材料層40Fで覆うことは、第1構造体SB1、電気素子10、及び別の電気素子10Aを、配線層50が形成された支持体60に固定した状態で行われる。そして、樹脂材料層40Fで覆うことの後に、支持体60を除去して配線層50を露出させる。支持体60の除去の後に、第1層27の露出が実施される。
【0082】
実施形態に係る半導体装置の製造方法のさらに別の例では、樹脂材料層40Fで覆うことは、第1構造体SB1及び電気素子10を配線層50が形成された支持体60に固定した状態で、行われる。そして、樹脂材料層40Fで覆うことの後に、第1層27の露出が実施される。そして、第1層27の露出の後に、支持体60を除去して配線層50の露出が実施される。
【0083】
実施形態によれば、小型化が可能な半導体装置及びその製造方法が提供できる。
【0084】
本願明細書において、「垂直」及び「平行」は、厳密な垂直及び厳密な平行だけではなく、例えば製造工程におけるばらつきなどを含むものであり、実質的に垂直及び実質的に平行であれば良い。
【0085】
以上、具体例を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明は、これらの具体例に限定されるものではない。例えば、半導体装置に含まれる配線層、電気素子、光素子及び樹脂部などの各要素の具体的な構成に関しては、当業者が公知の範囲から適宜選択することにより本発明を同様に実施し、同様の効果を得ることができる限り、本発明の範囲に包含される。
【0086】
また、各具体例のいずれか2つ以上の要素を技術的に可能な範囲で組み合わせたものも、本発明の要旨を包含する限り本発明の範囲に含まれる。
【0087】
その他、本発明の実施の形態として上述した半導体装置及びその製造方法を基にして、当業者が適宜設計変更して実施し得る全ての半導体装置及びその製造方法も、本発明の要旨を包含する限り、本発明の範囲に属する。
【0088】
その他、本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本発明の範囲に属するものと了解される。
【0089】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。