(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1の移動端末試験装置(2)は、前記データ生成部(21)にて生成した試験信号のデータのうち、前記制御PC(4)にて指示されたデータのみを前記第1の試験信号のデータとして決まった順序と出力タイミングで被試験対象(W)に出力するデータ出力部(25)を有し、
前記第2の移動端末試験装置(3)は、前記第1の移動端末試験装置の前記データ出力部から試験信号のデータが決まった順序と出力タイミングで前記被試験対象に出力された後、前記データ復元部部(32)にて復元した試験信号のデータのうち、前記制御PCにて指示されたデータのみを前記第2の試験信号のデータとして決まった順序と出力タイミングで前記被試験対象に出力するデータ出力部(34)を有することを特徴とする請求項1に記載の移動端末試験システム。
前記第1の移動端末試験装置(2)は、前記データ生成部(21)にて生成して前記データ暗号化部(22)にて暗号化された試験信号のデータのうち、前記制御PC(4)にて指示されたデータのみを前記第1の試験信号のデータとして決まった順序と出力タイミングで被試験対象(W)に出力するデータ出力部(25)を有し、
前記第2の移動端末試験装置(3)は、前記第1の移動端末試験装置の前記データ出力部から試験信号のデータが決まった順序と出力タイミングで前記被試験対象に出力された後、前記データ暗号化部(33)にて暗号化した試験信号のデータのうち、前記制御PCにて指示されたデータのみを前記第2の試験信号のデータとして決まった順序と出力タイミングで前記被試験対象に出力するデータ出力部(34)を有することを特徴とする請求項3に記載の移動端末試験システム。
【背景技術】
【0002】
例えば携帯電話やモバイル端末等の移動端末を開発した場合、この開発した移動端末が正常に通信を行えるか否かを試験する必要がある。このため、例えば下記特許文献1などに開示されるような実際の基地局の機能を疑似する疑似基地局として動作する移動端末試験装置が用いられる。
【0003】
特許文献1に開示される移動端末試験装置では、試験対象の移動端末を接続し、移動端末との間で通信を行い、この通信の内容を確認する試験により移動端末の性能評価を行っている。
【0004】
ところで、携帯電話の通信規格であるLTE(Long Term Evolution )で定義されるスループットは、2015年頃から現在に至るまでに大幅に向上している。具体的には、下記非特許文献1に示されるように2016年度で370Mbpsであるが、2018年度には3倍以上の1288Mbps(URL<https://www.nttdocomo.co.jp/info/news _release/2018/10/17_00.html >)となっている。
【0005】
なお、スループットを定義しているLTE規格は、URL<https://portal.3gpp.org/desktopmodules/Specifications/SpecificationDetails.aspx?specificationId=2434>にて公開されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
このように、近年では、通信規格の更新に伴って取り扱うデータ量も増加しており、上述した従来の1台の移動端末試験装置では、通信規格で要求されているデータ量が高すぎて物理的に帯域が足りず、ハードウェアの性能が追いつかなくなり、データ量が大きい移動端末の試験に対応することができないという問題があった。
【0009】
そこで、本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであって、データ量が大きい移動端末の試験に対応することが可能な移動端末試験システムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、本発明の請求項1に記載された移動端末試験システムは、第1の試験信号と第2の試験信号からなる試験信号のうち前記第1の試験信号を被試験対象Wに出力する第1の移動端末試験装置2と、
前記第2の試験信号を前記被試験対象に出力する第2の移動端末試験装置3と、
前記第1の移動端末試験装置と前記第2の移動端末試験装置を制御する制御PC4と、を備えた移動端末試験システムであって、
前記第1の移動端末試験装置の第1のポート2aと前記第2の移動端末試験装置の第2のポート3aとの間がケーブル5を介して接続されており、
前記第1の移動端末試験装置は、
前記制御PCの指令により、前記試験信号のデータを生成するデータ生成部21と、
前記データ生成部にて生成した試験信号のデータを圧縮するデータ圧縮部23と、
前記データ圧縮部にて圧縮した圧縮データのヘッダに対し、データを復元するための復元用パラメータを付加するパラメータ付加部24と、を有し、
前記第2の移動端末試験装置は、
前記第1の移動端末試験装置の第1のポートから前記ケーブルを介して前記第2のポートより前記復元用パラメータを付加した圧縮データを取得するデータ取得部31と、
前記データ取得部にて取得した復元用パラメータ付き圧縮データから復元用パラメータを外し、該復元用パラメータに基づいて試験信号のデータを復元するデータ復元部32と、を有することを特徴とする。
【0011】
本発明の請求項2に記載された移動端末試験システムは、請求項1の移動端末試験システムにおいて、
前記第1の移動端末試験装置2は、前記データ生成部21にて生成した試験信号のデータのうち、前記制御PC4にて指示されたデータのみを第1の試験信号のデータとして決まった順序と出力タイミングで被試験対象Wに出力するデータ出力部25を有し、
前記第2の移動端末試験装置3は、前記第1の移動端末試験装置の前記データ出力部から試験信号のデータが決まった順序と出力タイミングで前記被試験対象に出力された後、前記データ復元部部32にて復元した試験信号のデータのうち、前記制御PCにて指示されたデータのみを前記第2の試験信号のデータとして決まった順序と出力タイミングで前記被試験対象に出力するデータ出力部34を有することを特徴とする。
【0012】
本発明の請求項3に記載された移動端末試験システムは、第1の試験信号と第2の試験信号からなる試験信号のうち前記第1の試験信号を被試験対象Wに出力する第1の移動端末試験装置2と、
前記第2の試験信号を前記被試験対象に出力する第2の移動端末試験装置3と、
前記第1の移動端末試験装置と前記第2の移動端末試験装置を制御する制御PC4と、を備えた移動端末試験システムであって、
前記第1の移動端末試験装置の第1のポート2aと前記第2の移動端末試験装置の第2のポート3aとの間がケーブル5を介して接続されており、
前記第1の移動端末試験装置は、
前記制御PCの指令により、前記試験信号のデータを生成するデータ生成部21と、
前記データ生成部にて生成した試験信号のデータを暗号化するデータ暗号化部22と、
前記データ暗号化部にて暗号化した試験信号のデータを圧縮するデータ圧縮部23と、
前記データ圧縮部にて圧縮した圧縮データのヘッダに対し、データを復元するための復元用パラメータを付加するパラメータ付加部24と、を有し、
前記第2の移動端末試験装置は、
前記第1の移動端末試験装置の第1のポートから前記ケーブルを介して前記第2のポートより前記復元用パラメータを付加した圧縮データを取得するデータ取得部31と、
前記データ取得部にて取得した復元用パラメータ付き圧縮データから復元用パラメータを外し、該復元用パラメータに基づいて暗号化前の試験信号のデータを復元するデータ復元部32と、
前記データ復元部にて復元した試験信号のデータを暗号化するデータ暗号化部33と、を有することを特徴とする。
【0013】
本発明の請求項4に記載された移動端末試験システムは、請求項3の移動端末試験システムにおいて、
前記第1の移動端末試験装置2は、前記データ生成部21にて生成して前記データ暗号化部22にて暗号化された試験信号のデータのうち、前記制御PC4にて指示されたデータのみを前記第1の試験信号のデータとして決まった順序と出力タイミングで被試験対象Wに出力するデータ出力部25を有し、
前記第2の移動端末試験装置3は、前記第1の移動端末試験装置の前記データ出力部から試験信号のデータが決まった順序と出力タイミングで前記被試験対象に出力された後、前記データ暗号化部33にて暗号化した試験信号のデータのうち、前記制御PCにて指示されたデータのみを前記第2の試験信号のデータとして決まった順序と出力タイミングで前記被試験対象に出力するデータ出力部34を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、物理的に通信容量が制限されているケーブルのデータ伝送量を削減できるため、問題なく複数の移動端末試験装置を接続することができ、大容量のスループット試験を実現することができる。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明を実施するための形態について、添付した図面を参照しながら詳細に説明する。
【0017】
本発明に係る移動端末試験システムは、例えば携帯電話やモバイル端末等の移動端末を被試験対象として、基地局を模擬して移動端末の性能評価のための試験を行うものであり、例えば移動端末の性能評価の一つとして、シナリオに従って予め決められた固定パターン(例えばAll「0」、All「1」)による試験信号を移動端末に入力し、その応答の有無によって大容量のスループット試験を行っている。
【0018】
図1に示すように、本実施の形態の移動端末試験システム1は、被試験対象(移動端末)Wの性能評価のための試験を行うため、第1の移動端末試験装置2、第2の移動端末試験装置3、制御PC4を備えて概略構成される。
【0019】
[第1の移動端末試験装置の構成について]
第1の移動端末試験装置2は、第1の試験信号と第2の試験信号からなる試験信号のデータのうち、第1の試験信号のデータを被試験対象Wに出力するもので、
図1に示すように、データ生成部21、データ暗号化部22、データ圧縮部23、パラメータ付加部24、データ出力部25を備える。また、第1の移動端末試験装置2は、
図1に示すように、ケーブル5(例えばイーサーネット(登録商標)のカテゴリー6のケーブル(データ伝送量:1Gbps))を介して第2の移動端末試験装置3の後述する第2のポート3aに接続される第1のポート2aと、被試験対象Wの入力ポートW1にケーブル6を介して接続される出力ポート2bとを有する。
【0020】
データ生成部21は、制御PC4からの指令により、例えば被試験対象Wのスループット試験を行うため、被試験対象Wに出力される試験信号のデータとして第1の移動端末試験装置2と第2の移動端末試験装置3とで共有される試験信号のデータ(例えばAll「0」、All「1」の固定パターンからなる元データ)を生成する。例えば被試験対象Wに出力される試験信号がデータA,B,C,D,Eからなる1.5Gbpsのデータの場合、データA,B,C,D,Eからなる1.5Gbpsのデータを試験信号のデータとして生成する。
【0021】
データ暗号化部22は、データの暗号化が通信規格で定められている場合、データ生成部21にて生成された試験信号のデータを暗号化する。例えばデータ生成部21にてデータA,B,C,D,Eからなる1.5Gbpsの試験信号のデータが生成されると、データA,B,C,D,Eからなる1.5Gbpsの試験信号のデータを暗号化する。
【0022】
データ圧縮部23は、データ暗号化部22にて暗号化された試験信号のデータを予めデータ量に応じて設定された圧縮率で圧縮してデータを短くする。例えばデータ暗号化部22にて暗号化されたデータA,B,C,D,Eからなる1.5Gbpsの試験信号のデータを例えば0.1Gbps(圧縮不可能な領域の容量に相当)の試験信号のデータに圧縮する。
【0023】
パラメータ付加部24は、データ圧縮部23にて圧縮された圧縮データのヘッダに対し、データを復元するための復元用パラメータ(例えばデータ長、圧縮の有無、圧縮率など)を付加する。例えばデータ圧縮部23にてデータA,B,C,D,Eからなる1.5Gbpsの試験信号のデータが0.1Gbpsの試験信号のデータに圧縮された場合、この0.1Gbpsの試験信号の圧縮データを除いた残りの1.4Gbpsの試験信号のデータ(暗号化前のデータ)を復元するための復元用パラメータをヘッダに付加して0.1Gbpsの圧縮データを出力する。
【0024】
データ出力部25は、制御PC4の制御により、第2の移動端末試験装置3の後述するデータ出力部34との間でお互いを監視して同一の試験信号のデータ(例えば1.5GbpsのデータA,B,C,D,E)を共有している。データ出力部25は、データ暗号化部22にて暗号化された試験信号のデータのうち、制御PC4にて選択されたデータのみを第1の試験信号のデータとして、制御PC4にて指定された順序と出力タイミングで出力ポート2aから出力する。例えば暗号化されたデータA,B,C,D,Eからなる試験信号のデータのうち、制御PC4にて選択された第1の試験信号のデータ(例えばデータA,B)のみを、制御PC4にて指定された順序と出力タイミングで出力ポート2aから出力する。
【0025】
[第2の移動端末試験装置の構成について]
第2の移動端末試験装置3は、第1の試験信号と第2の試験信号からなる試験信号のデータのうち、第2の試験信号のデータを被試験対象Wに出力するもので、
図1に示すように、データ取得部31、データ復元部32、データ暗号化部33、データ出力部34を備える。また、第2の移動端末試験装置3は、
図1に示すように、ケーブル5(例えばイーサーネット(登録商標)のカテゴリー6のケーブル(データ伝送量:1Gbps))を介して第1の移動端末試験装置2の第1のポート2aに接続される第2のポート3aと、被試験対象Wの入力ポートW2にケーブル7を介して接続される出力ポート3bとを有する。
【0026】
データ取得部31は、第1の移動端末試験装置2の第1のポート2aからケーブル5を介して第2のポート3aから復元用パラメータを付加した圧縮データを取得し、取得した圧縮データから復元用パラメータを外す処理を行う。例えば第1の移動端末試験装置2のパラメータ付加部24から0.1Gbpsの圧縮データのヘッダに復元用パラメータが付加されている場合には、第1の移動端末試験装置2の第1のポート2aからケーブル5を介して第2のポート3aから復元用パラメータがヘッダに付加された0.1Gbpsの圧縮データを取得し、取得した圧縮データから復元用パラメータを外す。
【0027】
データ復元部32は、データ取得部31にて取得した圧縮データから外された復元用パラメータに基づいて暗号化前の試験信号のデータを復元する。例えば暗号化前の1.4Gbpsの試験信号のデータを復元するための復元用パラメータが付加された0.1Gbpsの圧縮データをデータ取得部31が取得した場合には、0.1Gbpsの圧縮データはそのままとし、圧縮データのヘッダから外された復元用パラメータから暗号化前の1.4Gbpsの試験信号のデータを復元する。
【0028】
データ暗号化部33は、データの暗号化が通信規格で定められている場合、データ復元部32にて復元された試験信号のデータ(暗号化された圧縮データと暗号化前の復元されたデータ)を暗号化する。例えば暗号化された0.1Gbpsの圧縮データと暗号化前の1.4Gbpsの試験信号のデータとを暗号化する。これにより、第1の移動端末試験装置2のデータ暗号化部22にて暗号化されたデータA,B,C,D,Eからなる1.5Gbpsの試験信号のデータと同じデータA,B,C,D,Eからなる1.5Gbpsの試験信号のデータが得られる。
【0029】
データ出力部34は、制御PC4の制御により、第1の移動端末試験装置2のデータ出力部25との間でお互いを監視して同一の試験信号のデータ(例えば1.5GbpsのデータA,B,C,D,E)を共有している。データ出力部34は、データ暗号化部33にて暗号化された試験信号のデータのうち、制御PC4にて選択されたデータのみを第2の試験信号のデータとして、制御PC4にて指定された順序と出力タイミングで出力ポート3bから出力する。例えば暗号化されたデータA,B,C,D,Eからなる試験信号のデータのうち、制御PC4にて選択された第2の試験信号のデータ(例えばデータC,D,E)のみを、第1の移動端末試験装置1の出力ポート2bから第1の試験信号のデータ(例えばデータA,B)を出力ポート2bから出力した後、制御PC4にて指定された順序と出力タイミングで出力ポート3bから出力する。
【0030】
[制御PCの構成について]
制御PC4は、第1の移動端末試験装置2および第2の移動端末試験装置3の各部を統括制御するもので、第1の移動端末試験装置2および第2の移動端末試験装置3の各部の動作パラメータ、データ速度、暗号化に必要なパラメータなどを設定する。
【0031】
また、制御PC4は、第1の移動端末試験装置2および第2の移動端末試験装置3から出力する試験信号のデータの選択と順序および出力タイミングを制御する。
【0032】
例えば試験信号のデータをA→B→D→C→Eの順序で被試験対象Wに出力する場合、第1の移動端末試験装置2のデータ暗号化部22にて暗号化された試験信号のデータA,B,C,D,EからデータA,Bを第1の試験信号のデータとして選択してA→Bの順序により所定の出力タイミングで出力した後、第2の移動端末試験装置3のデータ暗号化部33にて暗号化された試験信号のデータA,B,C,D,EからデータC,D,Eを第2の試験信号のデータとして選択してD→C→Eの順序により所定の出力タイミングで出力するように、第1の移動端末試験装置2のデータ出力部25および第2の移動端末試験装置3のデータ出力部34のデータの選択と順序および出力タイミングを制御する。
【0033】
[移動端末試験システムの動作について]
次に、上記のように構成される移動端末試験システム1を用いて被試験対象Wの試験を行う場合の動作について
図2および
図3を参照しながら説明する。ここでは、A,B,C,D,Eからなる1.5Gbpsの試験信号のデータを生成し、A→B→D→C→Eの順序で被試験対象Wに出力する場合を例にとって説明する。
【0034】
なお、被試験対象Wに試験信号のデータを出力するにあたっては、第1の移動端末試験装置2の第1のポート2aと第2の移動端末試験装置3の第2のポート3aとの間をケーブル5を介して接続する。
【0035】
また、第1の移動端末試験装置2の出力ポート2bと被試験対象Wの入力ポートW1との間をケーブル6を介して接続し、第2の移動端末試験装置3の出力ポート3bと被試験対象Wの入力ポートW2との間をケーブル7を介して接続する。
【0036】
[第1の移動端末試験装置の動作について]
第1の移動端末試験装置2のデータ生成部21は、制御PC4から試験信号を送信する旨の指令があると、被試験対象Wの試験を行うための第1の移動端末試験装置2と第2の移動端末試験装置3とで共有される試験信号のデータ(元データ)として、A,B,C,D,Eからなる1.5Gbpsの試験信号のデータを生成する(ST1)。
【0037】
続いて、第1の移動端末試験装置2のデータ暗号化部22は、データ生成部21にて生成したA,B,C,D,Eからなる1.5Gbpsの試験信号のデータを暗号化する(ST2)。
【0038】
次に、第1の移動端末試験装置2のデータ圧縮部23は、データ暗号化部22にて暗号化したA,B,C,D,Eからなる1.5Gbpsの試験信号のデータを0.1Gbpsの試験信号のデータに圧縮する(ST3)。
【0039】
そして、第1の移動端末試験装置2のパラメータ付加部24は、データ圧縮部23にて圧縮した0.1Gbpsの圧縮データのヘッダに対し、1.4Gbpsの元のデータを復元するための復元用パラメータを付加する(ST4)。
【0040】
パラメータ付加部24にて復元用パラメータが付加された圧縮データは、第1のポート2aからケーブル5を介して第2の移動端末試験装置3の第2のポート3aに入力される。
【0041】
そして、第1の移動端末試験装置2のデータ出力部25は、データ生成部21にて生成してデータ暗号化部22にて暗号化されたA,B,C,D,Eからなる試験信号のデータのうち、制御PC4にて指示されたデータA,Bのみを第1の試験信号のデータとして決まった順序(A→B)と出力タイミングで出力ポート2bから被試験対象Wの入力ポートW1に出力する(ST5)。
【0042】
[第2の移動端末試験装置の動作について]
一方、第2の移動端末試験装置3のデータ取得部31は、第1の移動端末試験装置2の第1のポート2aからケーブル5を介して第2のポート3aに入力されるパラメータ付加部24からの復元用パラメータが付加された0.1Gbpsの圧縮データを取得し、復元用パラメータが付加された0.1Gbpsの圧縮データから復元用パラメータを外す(ST11)。
【0043】
次に、第2の移動端末試験装置3のデータ復元部32は、データ取得部31にて取得した復元用パラメータに基づいて暗号化前の1.4Gbpsの試験信号のデータを復元する(ST12)。
【0044】
続いて、第2の移動端末試験装置3のデータ暗号化部33は、0.1Gbpsの圧縮データとデータ復元部32にて復元した1.4Gbpsの試験信号のデータを暗号化し、第1の移動端末試験装置2のデータ暗号化部22にて暗号化されたA,B,C,D,Eからなる1.5Gbpsの試験信号のデータと同じA,B,C,D,Eからなる1.5Gbpsの試験信号のデータを得る(ST13)。
【0045】
そして、第2の移動端末試験装置3のデータ出力部34は、第1の移動端末試験装置2のデータ出力部25の出力ポート2bから第1の試験信号のデータがA→Bの順序と出力タイミングで被試験対象Wの入力ポートW1に出力された後、データ暗号化部33にて暗号化したA,B,C,D,Eからなる試験信号のデータのうち、制御PC4にて指示されたデータC,D,Eのみを第2の試験信号のデータとして決まった順序(D→C→E)と出力タイミングで出力ポート3bから被試験対象Wの入力ポートW2に出力する(ST14)。
【0046】
なお、移動端末試験システム1は、上述した試験信号(第1の試験信号と第2の試験信号)のデータが被試験対象Wに出力されると、この試験信号のデータの出力に伴って被試験対象Wから受信したデータを正しく復元できるか否かを判別している。
【0047】
[各移動端末試験装置と被試験対象との間の構成について]
ところで、上述した実施の形態では、被試験対象Wが2つの入力ポートW1,W2を有し、入力ポートW1と第1の移動端末試験装置2の出力ポート2bとの間をケーブル6を介して接続し、入力ポートW2と第2の移動端末試験装置3の出力ポート3bとの間をケーブル7を介して接続し、第1の移動端末試験装置2の試験信号のデータと第2の移動端末試験装置3の試験信号のデータを有線にて被試験対象Wに送信する場合を例にとって説明したが、この構成に限定されるものではない。すなわち、第1の移動端末試験装置2の第1の試験信号のデータと第2の移動端末試験装置3の第2の試験信号のデータは、データ出力部25,34から有線または無線により被試験対象Wに送信することができる。
【0048】
試験信号のデータを有線で送信する例としては、例えば被試験対象Wが1つの入力ポートW1のみを有する場合、第1の移動端末試験装置2のデータ出力部25と出力ポート2bとの間に不図示の結合器を設け、この結合器と被試験対象Wの入力ポートW1との間をケーブル6を介して接続する。そして、第1の移動端末試験装置2の出力ポート2bから出力される第1の試験信号のデータと第2の移動端末試験装置3の出力ポート3bから出力される第2の試験信号のデータとを結合器にて結合した後、ケーブル6を介して有線により被試験対象Wに送信する。
【0049】
また、試験信号のデータを無線で送信する例としては、被試験対象Wが送受信機能を備えている場合、第1の移動端末試験装置2の出力ポート2bから出力される第1の試験信号のデータと第2の移動端末試験装置3の出力ポート3bから出力される第2の試験信号のデータとを不図示の結合器にて結合した後、不図示のアンテナから無線により被試験対象Wに送信する。
【0050】
さらに、データの暗号化が規格で規定されていない場合には、
図1の第1の移動端末試験装置2のデータ暗号化部22および第2の移動端末試験装置3のデータ暗号化部33を省く構成としてもよい。
【0051】
このように、本実施の形態によれば、物理的に通信容量が制限されているケーブルのデータ伝送量を削減できるため、問題なく複数の移動端末試験装置を接続することができ、大容量のスループット試験を実現することができる。
【0052】
以上、本発明に係る移動端末試験システムの最良の形態について説明したが、この形態による記述および図面により本発明が限定されることはない。すなわち、この形態に基づいて当業者等によりなされる他の形態、実施例および運用技術などはすべて本発明の範疇に含まれることは勿論である。