(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6972085
(24)【登録日】2021年11月5日
(45)【発行日】2021年11月24日
(54)【発明の名称】積み重ね型水素生成装置
(51)【国際特許分類】
C25B 9/00 20210101AFI20211111BHJP
C25B 1/04 20210101ALI20211111BHJP
C25B 15/08 20060101ALI20211111BHJP
【FI】
C25B9/00 A
C25B1/04
C25B15/08 302
【請求項の数】19
【外国語出願】
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2019-218064(P2019-218064)
(22)【出願日】2019年12月2日
(65)【公開番号】特開2020-97782(P2020-97782A)
(43)【公開日】2020年6月25日
【審査請求日】2020年4月21日
(31)【優先権主張番号】107143486
(32)【優先日】2018年12月4日
(33)【優先権主張国】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】515080294
【氏名又は名称】リン,シン−ユン
【氏名又は名称原語表記】Lin,Hsin−Yung
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】リン,シン−ユン
【審査官】
萩原 周治
(56)【参考文献】
【文献】
特開2018−031070(JP,A)
【文献】
特許第6225972(JP,B2)
【文献】
特開2018−025383(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2010/0200398(US,A1)
【文献】
中国実用新案第207886496(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C25B 1/00−15/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
積み重ね型水素生成装置であって、
水を収容するよう構成された、水タンクと、
前記水タンク内に配設され、水を電気分解し、水素を含むガスを前記水タンクの中に生成するよう構成された、電気分解モジュールと、
前記水タンクの上に垂直方向に積み重ねられた加湿器であって、収容空間及び第1のフローチャネルを有し、前記第1のフローチャネルは前記収容空間から分離され、前記収容空間は補給水を収容するよう構成され、前記第1のフローチャネルの一方の端部は、前記水タンクから水素を含むガスを受け入れるために前記水タンクに連結された、加湿器と、
前記加湿器の上に垂直方向に積み重ねられた濾過器であって、水素を含むガスを受け入れるために、前記第1のフローチャネルの他方の端部に連結されたガス入口を備え、濾過フローチャネルをさらに備え、前記濾過フローチャネルは、前記ガス入口、ならびに前記濾過フローチャネル及び前記湿度調整の前記収容空間に連結されたガス出口に連結され、前記濾過フローチャネルは、水素を含むガスを搬送して濾過するよう構成され、前記ガス出口は、水素を含むガスを前記加湿器に搬送するよう構成された、濾過器と、
水素を含むガスが前記水タンクから前記加湿器に移送されるのと同じチャネルシステムを介して、補給水を前記加湿器から前記水タンクに流すポンプと、
を備え、
前記第1のフローチャネルは前記加湿器と一体で形成され、前記ガス入口、前記濾過フローチャネル、及び前記ガス出口は、前記濾過器と一体で形成された、積み重ね型水素生成装置。
【請求項2】
前記加湿器の前記収容空間に上方から連結された、水供給チューブをさらに備え、前記水供給チューブは、外部から水を受け入れて、補給水を前記加湿器の前記収容空間に供給するために、外部に連結された、請求項1に記載の積み重ね型水素生成装置。
【請求項3】
第1の切欠き部が前記濾過器に形成され、前記水供給チューブは、前記第1の切欠き部に位置された、請求項2に記載の積み重ね型水素生成装置。
【請求項4】
前記濾過器は、前記濾過フローチャネルに配設された濾過材料を備え、水素を含むガスは、前記濾過フローチャネルの前記ガス出口に向かって流れ、前記ガス入口に受け入れられた後に前記濾過材料によって濾過される、請求項1に記載の積み重ね型水素生成装置。
【請求項5】
前記濾過器は、前記濾過フローチャネルの頂部及び底部のうちの少なくとも一方にそれぞれ配設された、少なくとも1枚の凝縮シートをさらに備え、前記少なくとも1枚の凝縮シートは、前記濾過フローチャネルにおいて水素を含むガスに含まれた湿気を凝縮するよう構成された、請求項4に記載の積み重ね型水素生成装置。
【請求項6】
活性化されたカーボンチューブをさらに備え、前記加湿器は、前記収容空間の外部及び前記加湿器にそれぞれ連結された、活性化されたカーボンチューブ入口、及び活性化されたカーボンチューブ出口を備え、前記活性化されたカーボンチューブは、水素を含むガスを、前記収容空間から前記活性化されたカーボンチューブ入口を介して取り入れるために、前記活性化されたカーボンチューブ入口及び前記活性化されたカーボンチューブ出口に連結されるよう構成され、水素を含むガスは、前記活性化されたカーボンチューブ及び前記活性化されたカーボンチューブ出口を通過して出力される、請求項1に記載の積み重ね型水素生成装置。
【請求項7】
前記濾過器と前記加湿器との間に垂直方向に積み重ねられたフローチャネルモジュールをさらに備え、前記フローチャネルモジュールは、第1のポート及び第2のフローチャネルを備え、前記第1のポートは、水素を含むガスを前記水タンクから前記濾過器へ取り入れるために、前記加湿器の前記第1のフローチャネル及び前記濾過器の前記ガス入口に連結され、前記第2のフローチャネルの一方の側は、水素を含むガスを前記活性化されたカーボンチューブから受け入れるために、前記活性化されたカーボンチューブ出口に連結され、前記第1のポートは、前記フローチャネルモジュールと一体で形成され、前記第2のフローチャネルは、前記フローチャネルモジュールの下面に一体化された、請求項6に記載の積み重ね型水素生成装置。
【請求項8】
水素を含むガスを前記第2のフローチャネルから受け入れるために、前記第2のフローチャネルに連結された噴霧器をさらに備え、前記噴霧器は、微粒化ガスを生成して、前記微粒化ガスを、水素を含むガスと混合し、混合ガスを生成して出力するよう構成された、請求項7に記載の積み重ね型水素生成装置。
【請求項9】
前記濾過器は、第2の切欠き部を形成し、前記噴霧器は、前記第2の切欠き部に位置された、請求項8に記載の積み重ね型水素生成装置。
【請求項10】
前記噴霧器は、ガス吸入口、収容ボトル、ガス放出口、及び発振器をさらに備え、前記ガス吸入口は、水素を含むガスを受け入れるために、前記第2のフローチャネルの他方の側に連結され、前記噴霧器は水素を含むガスを前記収容ボトルに取り入れ、前記収容ボトルは液体を収容し、水素を含むガスを微粒化ガスと混合させて前記収容ボトル内に混合ガスを生成するよう構成され、前記ガス放出口は、前記収容ボトル内の混合ガスを出力するために前記収容ボトルに連結され、前記発振器は、前記収容ボトル内の液体を微粒化して微粒化ガスを生成するために、前記収容ボトルの下に配設された、請求項8に記載の積み重ね型水素生成装置。
【請求項11】
前記加湿器に配設され、前記発振器の周辺領域、及び前記発振器の周りの熱を散逸させるために、対応する発振器の箇所に位置されたファンをさらに備えた、請求項10に記載の積み重ね型水素生成装置。
【請求項12】
前記加湿器は、第3の切欠き部を形成するために内側に凹んでおり、前記発振器は前記第3の切欠き部に配設され、前記発振器、及び前記発振器の周りの周辺領域の熱を散逸させるために、前記ファンは前記第3の切欠き部に面する、請求項11に記載の積み重ね型水素生成装置。
【請求項13】
第1のポンプチャネル及び第2のポンプチャネルをさらに備え、前記第1のポンプチャネルの一方の側は前記水タンクに連結され、前記第1のポンプチャネルの他方の側は前記ポンプに連結され、前記第2のポンプチャネルの一方の側は前記ポンプに連結され、前記ポンプは前記水タンク内に負圧を発生させるよう構成され、負圧は、前記積み重ね型水素生成装置の外部の大気圧未満であり、前記ポンプが前記水タンク内に負圧を発生させるときに、前記加湿器内の補給水は、前記加湿器から前記濾過器の中、次に水タンクの中に循環される、請求項1に記載の積み重ね型水素生成装置。
【請求項14】
前記加湿器の前記収容空間に配設された精密構造体をさらに備え、前記精密構造体の一方の側は前記濾過器に連結され、前記精密構造体の他方の側は、前記収容空間に含まれた補給水に沈められ、前記精密構造体は、水素を含むガスが前記収容空間の中に入れるような孔を有し、前記ポンプが補給水を前記加湿器から前記水タンクの中に循環させるときに、補給水が孔を介して前記精密構造体に入り、前記濾過器を順次通過して、前記水タンクの中に入る、請求項1に記載の積み重ね型水素生成装置。
【請求項15】
空気を外部から引き入れ、前記空気に圧力を加え、水素を含むガスと混合して、水素を
含む圧力ガスを生成するために、外部及び積み重ね型水素生成装置の任意の1つのチャネルに連結された加圧ポンプをさらに備え、水素を含む圧力ガスの圧力は、1気圧よりも大きい、請求項1に記載の積み重ね型水素生成装置。
【請求項16】
積み重ね型水素生成装置であって、
本体及びカバーを備え、前記本体は水を収容するよう構成され、前記カバーは前記本体を覆うよう構成された、水タンクと、
前記水タンク内に配設され、水を電気分解し、水素を含むガスを前記水タンクの中に生成するよう構成された、電気分解モジュールと、
前記水タンクの上に垂直方向に積み重ねられた濾過器であって、水素を含むガスを受け入れるためにガス入口を備え、前記ガス入口に連結された濾過フローチャネル、及び前記濾過フローチャネルに連結されたガス出口をさらに備え、前記濾過フローチャネルは、水素を含むガスを搬送して濾過するよう構成され、前記ガス出口は水素を含むガスを出力するよう構成され、前記ガス入口、前記濾過フローチャネル、及び前記ガス出口は、前記濾過器と一体で形成された、濾過器と、
前記水タンクの上に垂直方向に積み重ねられ、補給水を収容するよう構成された収容空間を有し、前記収容空間は、水素を含むガスを受け入れるために前記濾過器に連結された、加湿器と、
水素を含むガスが前記水タンクから前記加湿器に移送されるのと同じチャネルシステムを通って、補給水を前記加湿器から前記水タンクに流すポンプと、を備え、
前記本体、前記濾過器、及び前記加湿器は、互いから垂直方向に分離された、積み重ね型水素生成装置。
【請求項17】
積み重ね型水素生成装置であって、
本体及びカバーを備え、前記本体は水を収容するよう構成され、前記カバーは前記本体を覆うよう構成された、水タンクと、
前記水タンク内に配設され、水を電気分解し、水素を含むガスを前記水タンクの中に生成するよう構成された、電気分解モジュールと、
前記水タンクの上に垂直方向に積み重ねられた濾過器であって、水素を含むガスを受け入れるためにガス入口を備え、前記ガス入口に連結された濾過フローチャネル、及び前記濾過フローチャネルに連結されたガス出口をさらに備え、前記濾過フローチャネルは、水素を含むガスを搬送して濾過するよう構成され、前記ガス出口は水素を含むガスを出力するよう構成され、前記ガス入口、前記濾過フローチャネル、及び前記ガス出口は、前記濾過器と一体で形成された、濾過器と、
前記水タンクの上に垂直方向に積み重ねられ、補給水を収容するよう構成された収容空間を有し、前記収容空間は、水素を含むガスを受け入れるために前記濾過器に連結された、加湿器と、
活性化されたカーボンチューブを備え、前記加湿器は、前記収容空間の外部及び前記加湿器にそれぞれ連結された、活性化されたカーボンチューブ入口、及び活性化されたカーボンチューブ出口を備え、前記活性化されたカーボンチューブは、水素を含むガスを、前記収容空間から前記活性化されたカーボンチューブ入口を介して取り入れるために、前記活性化されたカーボンチューブ入口及び前記活性化されたカーボンチューブ出口に連結されるよう構成され、水素を含むガスは、前記活性化されたカーボンチューブ及び前記活性化されたカーボンチューブ出口を通過して出力され、
前記本体、前記濾過器、及び前記加湿器は、互いから垂直方向に分離された、積み重ね型水素生成装置。
【請求項18】
前記濾過器と前記加湿器とを、互いに垂直方向に離すために、前記濾過器と前記加湿器との間に垂直方向に積み重ねられたフローチャネルモジュールをさらに備え、前記フローチャネルモジュールは、第1のポート及び第2のフローチャネルを備え、前記第1のポートは、水素を含むガスを前記水タンクから前記濾過器へ取り入れるために、前記加湿器の前記第1のフローチャネル及び前記濾過器の前記ガス入口に連結され、前記第2のフローチャネルの一方の側は、水素を含むガスを前記活性化されたカーボンチューブから受け入れるために、前記活性化されたカーボンチューブ出口に連結され、前記第1のポートは、前記フローチャネルモジュールと一体で形成され、前記第2のフローチャネルは前記フローチャネルモジュールの下面に一体化された、請求項17に記載の積み重ね型水素生成装置。
【請求項19】
水素を含むガスを前記第2のフローチャネルから受け入れるために、前記第2のフローチャネルに連結された噴霧器をさらに備え、前記噴霧器は、微粒化ガスを生成して、前記微粒化ガスを、水素を含むガスと混合し、混合ガスを生成して出力するよう構成された、請求項18に記載の積み重ね型水素生成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2018年12月4日に申請された台湾特許出願公開第107143486号公報に基づいており、優先権を主張する。この開示は、その全てが参照として本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、積み重ね型水素生成装置を提供する。より詳細には、大きさを縮減させ、チューブの接続を減少させ、かつ安全性を向上させる一体化構造を有する、積み重ね型水素生成装置を提供する。
【背景技術】
【0003】
長年、人々は生命に多くの注意を払ってきた。病気と闘うため、及び生命を延ばすために、多くの医療技術が発展してきたが、過去の多くの治療は受動的なものである。すなわち、病気は発症したときに、手術、薬物投与、癌に対する化学療法及び放射線療法、または保育、リハビリテーション、ならびに慢性疾患の是正などの治療をされる。しかし近年、多くの医療専門家は、将来の病的状態を能動的に予防するために、健康食品調査、遺伝病スクリーニング、早期予防などの予防医療法に対して、徐々に調査を進めてきた。加えて、人の生命を延ばすために、シミケア製品及び抗酸化食品/薬品を含む、多くの老化防止及び抗酸化技術が開発され、人々に広く利用されている。
【0004】
研究によって、多くの理由(病気、食品、環境またはライフスタイル)から人体で生成される、フリーラジカル(有害なフリーラジカル)としても知られている不安定酸素(O+)を、吸い込んだ水素と混合して水の一部を形成して排出でき、人体内の多くのフリーラジカルを低減して酸性体質から健康的なアルカリ体質に回復でき、酸化及び老化に抵抗して慢性病をなくし、美容効果を実現することを見出した。臨床試験は、高濃度酸素を長期間呼吸することによって生じた肺障害を持つ寝たきり患者が、水素を吸引することによって回復する場合があることを示している。
【0005】
吸引のための水素を提供する水素生成装置の需要が、医療施設から一般の家庭に広がり、家庭用の水素生成装置の需要が、過去と比較して大幅に増加している。上述の医療効果または健康管理効果を実現するよう、家庭用の水素生成装置は、使用者が吸引するために、水を電気分解することによって水素を含むガスを生成するよう構成される。家庭で使用するため、家庭用の水素生成装置の大きさを小型化する必要があり、使用者または消費者の関心を引くために、より便利に使用できなければならない。しかし従来技術において、水素生成装置のユニット間のパイプラインは別個に組み立てる必要があり、それによって煩雑な手順、面倒な配線の組み立て、高いコスト、困難な標準化、困難な小型化を生じさせる。他方で、市販されている現行の水素生成装置の内部ユニットは、水経路またはガス経路を形成するために、パイプによって互いに接続される。しかしながら、上述のパイプに基づく複雑なプロセス及び配線の組み立て、さらには長期の使用によって生じるパイプラインの経年劣化により、パイプラインが外れる場合があり、それによって水漏れ及びガス漏れが生じ、さらには事故を起こし得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、従来技術の課題を解決するための、新しいタイプの水素生成装置を設計することが必要である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述の課題に対して、本発明の目的は、積み重ね型水素生成装置を提供することである。
【0008】
一実施形態において、積み重ね型水素生成装置は、水タンク、電気分解モジュール、加湿器、及び濾過器を備える。電気分解モジュールは水タンク内に配設され、水を電気分解して水タンクの中に水素を含むガスを生成するよう構成される。加湿器は、水タンクの上に垂直方向に積み重ねられ、互いに分離されている収容空間及び第1のフローチャネルを有する。収容空間は、補給水を収容するよう構成され、第1のフローチャネルの一方の端部は、水素を含むガスを水タンクから受け入れるため、水タンクに連結される。濾過器は、加湿器の上に垂直方向に積み重ねられ、水素を含むガスを受け入れるために、第1のフローチャネルの他方の端部に連結されたガス入口を備える。濾過器は、水素を含むガスを濾過するための濾過フローチャネル、及び水素を含むガスを加湿器に搬送するための、加湿器の収容空間と連結されたガス出口を、さらに備える。第1のフローチャネルは加湿器と一体で形成され、ガス入口、濾過フローチャネル、及びガス出口は、濾過器と一体で形成される。
【0009】
積み重ね型水素生成装置は、加湿器の収容空間に上方から連結された水供給チューブをさらに備えることができ、外部から水を受け入れて、加湿器の収容空間に補給水を供給する。
【0010】
第1の切欠き部が濾過器に形成され、水供給チューブは、この第1の切欠き部に位置される。
【0011】
濾過器は、濾過フローチャネルに配設された濾過材料を備えてもよく、水素を含むガスは、濾過フローチャネルのガス出口に向かって流れ、ガス入口に受け入れられた後に濾過材料によって濾過される。
【0012】
濾過器は、濾過フローチャネルの頂部及び底部のうちの少なくとも一方にそれぞれ配設された、少なくとも1枚の凝縮シートをさらに備える。この少なくとも1枚の凝縮シートは、濾過フローチャネルにおいて水素を含むガスに含まれた湿気を凝縮するよう構成される。
【0013】
積み重ね型水素生成装置は、活性化されたカーボンチューブをさらに備える。加湿器は、活性化されたカーボンチューブ入口、及び活性化されたカーボンチューブ出口を備え、それぞれは収容空間の外側及び加湿器に連結される。活性化されたカーボンチューブは、活性化されたカーボンチューブ入口、及び活性化されたカーボンチューブ出口に連結され、活性化されたカーボンチューブ入口を介して収容空間から水素を含むガスを受け入れるよう構成される。水素を含むガスは、活性化されたカーボンチューブ及び活性化されたカーボンチューブ出口を通過して、出力される。
【0014】
積み重ね型水素生成装置は、濾過器と加湿器との間に垂直方向に積み重ねられたフローチャネルモジュールをさらに備え、このフローチャネルモジュールは、第1のポート及び第2のフローチャネルを備える。第1のポートは、加湿器の第1のフローチャネル及び濾過器のガス入口に連結され、水素を含むガスを、水タンクから濾過器の中へ取り入れる。第2のフローチャネルの一方の側は、活性化されたカーボンチューブ出口に連結され、水素を含むガスを活性化されたカーボンチューブから受け入れる。第1のポートは、フローチャネルモジュールと一体で形成され、第2のフローチャネルは、フローチャネルモジュールの下面で一体化される。
【0015】
積み重ね型水素生成装置は、第2のフローチャネルに連結された噴霧器をさらに備え、水素を含むガスを第2のフローチャネルから受け入れる。噴霧器は、微粒化ガスを生成し、この微粒化ガスを、水素を含むガスと混合させ、混合ガスを生成して出力するよう構成される。
【0016】
濾過器は第2の切欠き部を形成し、噴霧器は第2の切欠き部に位置される。
【0017】
噴霧器は、ガス吸入口、収容ボトル、ガス放出口、及び発振器をさらに備える。ガス吸入口は、水素を含むガスを受け入れるために、第2のフローチャネルの一方の側に連結され、水素を含むガスを収容ボトルに取り入れる。収容ボトルは、液体を収容し、水素を含むガスを微粒化ガスと混合させて、収容ボトルの中で混合ガスを生成するよう構成される。ガス放出口は、収容ボトル内の混合ガスを出力するために、収容ボトルに連結される。発振器は、収容ボトルの下に配設され、収容ボトル内の液体を微粒化して微粒化ガスを生成する。
【0018】
積み重ね型水素生成装置は、ファンをさらに備える。このファンは、加湿器に配設され、対応する発振器の箇所に位置されて、発振器の周辺領域、及び発振器の周りの熱を散逸させる。
【0019】
加湿器は、第3の切欠き部を形成するために内側に凹んでおり、発振器はこの第3の切欠き部に配設される。ファンは第3の切欠き部に面して、発振器、及び発振器の周りの周辺領域の熱を散逸させる。
【0020】
積み重ね型水素生成装置は、第1のポンプチャネル、ポンプ、及び第2のポンプチャネルをさらに備える。第1のポンプチャネルの一方の側は、水タンク内に位置され、第1のポンプチャネルの他方の側は、ポンプに連結される。第2のポンプチャネルの一方の側は、外部に連結され、第2のポンプチャネルの他方の側は、ポンプに連結される。ポンプは、第1のポンプチャネルに空気を送り込み、第2のポンプチャネルを介してガスを外部に搬送し、水タンクに負圧を発生させるよう構成される。この負圧は、積み重ね型水素生成装置の外部の大気圧未満である。第1のポンプチャネル及び第2のポンプチャネルは、水タンクの本体において一体化される。
【0021】
ポンプが水タンク内で負圧を発生させるとき、加湿器内の補給水は負圧によって影響を受けて濾過器に入り、濾過器を介してさらに水タンクに入る。
【0022】
積み重ね型水素生成装置は、加湿器の収容空間に配設された精密構造体をさらに備える。この精密構造体の一方の側は、濾過器のガス出口に連結され、精密構造体の他方の側は、収容空間に含まれた補給水に沈められる。精密構造体の側部の表面は、収容空間に含まれた補給水に沈められる。精密構造体の側部の表面は孔を有し、水素を含むガスがこの穴を通過して、収容空間内に含まれた補給水に入るのを可能にする。ポンプが水タンク内に負圧を発生させるとき、加湿器内の補給水は負圧によって影響され、孔を介して精密構造体に入り、精密構造体、ガス出口、濾過器の濾過フローチャネル、ガス入口、第1のフローチャネルを順次通過して、水タンクの補給水を補給するために水タンクに入る。
【0023】
積み重ね型水素生成装置は、外側ケーシングの中に位置され、外部及び積み重ね型水素生成装置の任意の1つのフローチャネルに連結された、加圧ポンプをさらに備える。加圧ポンプは空気を外部から引き入れ、空気を、水素を含むガスと共に圧力をかけて混合させ、水素を含む圧力ガスを形成する。水素を含む圧力ガスの圧力は、1気圧よりも大きい。
【0024】
上述の課題に対して、本発明の他の目的は、積み重ね型水素生成装置を提供することである。
【0025】
積み重ね型水素生成装置は、水タンク、電気分解モジュール、濾過器、及び加湿器を備え、水タンクは本体及びカバーを備える。電気分解モジュールは、水タンク内に配設され、水を電気分解し、水素を含むガスを水タンクの中に生成するよう構成される。濾過器は、水タンクの上に垂直方向に積み重ねられ、水素を含むガスを受け入れるために、水タンクに連結されたガス入口を備える。濾過器は、ガス入口に連結された濾過フローチャネル、及び濾過フローチャネルに連結されたガス出口を備える。濾過フローチャネルは、ガス入口によって受け入れられた水素を含むガスを、搬送及び濾過するよう構成され、ガス出口は、濾過後に水素を含むガスを出力するよう構成される。ガス入口、濾過フローチャネル、及びガス出口は、濾過器と一体で形成される。加湿器は、水タンクの上に垂直方向に積み重ねられる。加湿器は、補給水を収容するために構成された収容空間を有し、水素を含むガスを受け入れるために、ガス出口に連結される。水タンクの本体、濾過器、及び加湿器は、互いから垂直方向に分離される。
【0026】
積み重ね型水素生成装置は、活性化されたカーボンチューブをさらに備える。加湿器は、活性化されたカーボンチューブ入口、及び活性化されたカーボンチューブ出口を備え、それぞれは収容空間の外側及び加湿器に連結される。活性化されたカーボンチューブは、活性化されたカーボンチューブ入口、及び活性化されたカーボンチューブ出口に連結され、活性化されたカーボンチューブ入口を介して収容空間から水素を含むガスを受け入れるよう構成される。水素を含むガスは、活性化されたカーボンチューブ及び活性化されたカーボンチューブ出口を通過して、出力される。
【0027】
積み重ね型水素生成装置は、濾過器と加湿器とを互いから垂直方向に離すために、濾過器と加湿器との間に垂直方向に積み重ねられたフローチャネルモジュールをさらに備え、このフローチャネルモジュールは、第1のポート及び第2のフローチャネルを備える。第1のポートは、加湿器の第1のフローチャネルを濾過器のガス入口に連結し、水素を含むガスを、水タンクから濾過器の中へ取り入れる。第2のフローチャネルの一方の側は、活性化されたカーボンチューブ出口に連結され、水素を含むガスを、活性化されたカーボンチューブから受け入れる。第1のポートは、フローチャネルモジュールと一体で形成され、第2のフローチャネルは、フローチャネルモジュールの下面で一体化される。
【0028】
積み重ね型水素生成装置は、水素を含むガスを第2のフローチャネルから受け入れるために、第2のフローチャネルに連結された噴霧器をさらに備える。噴霧器は、微粒化ガスを生成し、この微粒化ガスを、水素を含むガスと混合させ、混合ガスを生成して出力するよう構成される。
【発明の効果】
【0029】
要約すると、本発明の積み重ね型水素生成装置は、共に垂直方向に積み重ねられた配置を介して、大きさの縮減及び有用な使用効果を実現することができ、一体化された成形デザインを介してパイプラインの要求を軽減し、一般的な家庭で使用するのに好適である。
【0030】
実施形態のうちのいくつかが、図面を参照して詳細に説明される。同様の表示は同様の部材を示す。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図1】本発明の積み重ね型水素生成装置の1つの実施形態による図である。
【
図2】
図1の積み重ね型水素生成装置の内部構造を示す概略図である。
【
図3】
図2の積み重ね型水素生成装置における水タンクの、内部構造を示す概略図である。
【
図4】
図2の積み重ね型水素生成装置における内部構造の、概略分解組立図である。
【
図5】
図2の積み重ね型水素生成装置における濾過器の、概略分解組立図である。
【
図6】
図2の積み重ね型水素生成装置を示す概略側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
本発明の趣旨及び利点を、実施形態及び図面を用いて、以下で説明ならびに検討する。
【0033】
開示する装備及び方法の、以降に説明する実施形態の詳細な記述は、本明細書では例示として提示され、参照する図に限定されない。特定の実施形態が示され、詳細が説明されるが、添付の特許請求の範囲から逸脱することなく、様々な変形及び変更が成され得ることを理解されたい。本発明の範囲は、形成する構成要素の数、それらの材料、それらの形状、それらの相対的な配置などに限定されず、本発明の実施形態の例としてのみ開示される。
【0034】
図1及び
図2を共に参照されたい。
図1は、本発明の積み重ね型水素生成装置1の1つの実施形態による図を示し、
図2は、
図1の積み重ね型水素生成装置1の内部構造を示す概略図である。
図1に示されるように、積み重ね型水素生成装置1は、外側ケーシング10、及び水供給ポート100を備え、穴102が外側ケーシング10に配設される。
【0035】
図2に示されるように、積み重ね型水素生成装置1は、水タンク12、濾過器14、加湿器16、噴霧器18、ファン19、活性化されたカーボンチューブ20、フローチャネルモジュール21、及び水供給チューブ23を備える。水タンク12は、外側ケーシング10の最下部分に位置され、加湿器16は水タンク12の上に垂直方向に積み重ねられ、濾過器はさらに加湿器の上に垂直方向に積み重ねられ、フローチャネルモジュール21は、加湿器16と濾過器14との間に位置される。したがって、ガスを出力するための積み重ね型水素生成装置1の構造は、実質的に垂直方向に積み重ねられた構造である。
【0036】
図3を共に参照されたい。
図3は、
図2の積み重ね型水素生成装置における水タンクの、内部構造を示す概略図である。
図3に示されるように、水タンク12は、カバー120及び本体122を含む。本体122は、水を収容するよう構成され、カバー120は、本体122を覆うよう構成される。さらに、積み重ね型水素生成装置1は、水タンク12内に配設された電気分解モジュール11をさらに備える。電極を電気分解モジュール11に配設することができ、電気分解モジュール11は、水タンク12からの水を受け入れて電気分解するために、水タンク12の内部に連結され、水素を含むガスを生成する。この実施形態において、電気分解モジュール11で生成された、水素を含むガスは、水タンク12に直接入ることができる。水タンクのガス出口1200、及び位置決めコラム1202は、カバーに配設される。水タンクのガス出口1200は、水素を含むガスを出力することができる。
【0037】
積み重ね型水素生成装置1の最下部分に位置された電気分解モジュール11によって生成された、水素を含むガスは、水タンクのガス出口1200を介して、積み重ね型水素生成装置1の最上部分に位置された濾過器14に、濾過のために直接出力され得る。
図4を参照されたい。
図4は、
図2の積み重ね型水素生成装置1における内部構造の、概略分解組立図である。
図4において、仕切り部を明白にするために、本体122及び電気分解モジュール11は省力されるが、本発明の技術分野における当業者は、省略されたユニットと、
図4から他の図及び本明細書の説明に例示されたユニットとの間の、対応関係を理解し得ることに留意されたい。
【0038】
図4に示されるように、加湿器16は、収容空間160及び第1のフローチャネル162を有し、第1のフローチャネル162は、収容空間160から分離されている。水タンクのガス出口1200は、直接スナップ嵌めされてもよく、第1のフローチャネル162の一方の側に連結することができ、それによって、水タンクのガス出口1200から出力された水素を含むガスは、第1のフローチャネル162に入力され得る。加えて、位置決めコラム1202を、加湿器16の上部に同時にスナップ嵌めして、それらの係合を安定させることができる。フローチャネルモジュール21を、加湿器16の上に垂直方向に積み重ねてもよく、フローチャネルモジュール21は、加湿器16を囲むための、加湿器16の上部カバーの役割を担うことができる。第1のフローチャネル162の他方の側を、フローチャネルモジュール21の第1のポート210に連結することができ、第1のポートを、さらに濾過器14のガス入口に連結することができる。換言すると、第1のフローチャネル162の他方の側は、第1のポート210を介して濾過器14のガス入口に連結することができ、それによって水素を含むガスを、積み重ね型水素生成装置1の最下部分に位置された水タンク12から、第1のフローチャネル162を介して、第1のポート210によって、積み重ね型水素生成装置1の最上部分に位置された濾過器14の中に、濾過のために導入することができる。
【0039】
この実施形態において、第1のフローチャネル162は加湿器16と一体で形成され、それによって水タンク12と電気分解モジュール11と濾過器14との間で、水素を含むガスを濾過器14へ出力するための追加の配管は不要である。組立プロセスを省くことに加えて、積み重ね型水素生成装置1は、内部空間を節約し、かつパイプラインの経年劣化による水の漏洩及びガスの漏洩を防止する。
【0040】
水素を含むガスが濾過器14に入るとき、濾過器14は、水素を含むガスからの電解液、電解質触媒などの不純物を濾過することができる。
図5を参照されたい。
図5は、
図2の積み重ね型水素生成装置における濾過器の、概略分解組立図である。
図5に示されるように、濾過器14は、濾過器本体140及び濾過器カバー142を有する。ガス入口1400、濾過フローチャネル1402、及びガス出口1404は、濾過器本体140に形成され、濾過フローチャネル1402の2つの側は、ガス入口1400及びガス出口1404に連結される。さらに、ガス入口1400、濾過フローチャネル1402、及びガス出口1404は、濾過器本体140と一体で形成される。ガス入口1400を、第1のフローチャネル162から水素を含むガスを受け入れるために、フローチャネルモジュール21の第1のポート210を介して第1のフローチャネル162に接続することができる。次に、水素を含むガスは、濾過フローチャネル1402のガス出口1404に向かって流れる。濾過器14は、濾過フローチャネル1402内に配設された濾過材料144、及び濾過フローチャネル1402上に配設された凝縮シート146を、さらに有する。水素を含むガスが、濾過フローチャネル1402のガス出口1404に向かって流れるとき、水素を含むガスの中の不純物は、濾過材料144によって濾過され得る。同時に、凝縮シート146は、水素を含むガスの中の湿気も凝縮できる。したがって、濾過材料144から濾過された不純物は、凝縮された湿気と共に、濾過器14に拘束され得る。加えて、実際には凝縮シート146は、濾過フローチャネル1402内の水素を含むガスの中の湿気を凝結するために、濾過フローチャネル1402の下にも配設され得る。例えば、濾過器本体140の底部において、または濾過フローチャネル1402の頂部もしくは底部において、凝縮シート146を配設できれば、凝縮効果をさらに向上させる。
【0041】
図4を再び参照されたい。積み重ね型水素生成装置1は、精密構造体22をさらに備え、フローチャネルモジュール21は、第2のポート212をさらに備える。第2のポートの一方の側はガス出口1404に連結され、他方の側は精密構造体22に連結され、それによって精密構造体22は、水素を含むガスを、第2のポート212を介して濾過器14のガス出口1404から受け入れることができる。加えて、精密構造体22は、加湿器16の収容空間160内に組み立てられ、収容空間160に含まれた補給水に部分的に沈められ得る。収容空間に含まれた補給水に沈められた、精密構造体22の側部の表面は孔を有し、水素を含むガスがこれらの孔を通過して、収容空間160内に含まれた補給水の中に入るのを可能にする。精密構造体22の構造は、
図4に示されるように、直立チューブ、及びこの直立チューブに連結された平行チューブである。孔は、平行チューブの表面に配設され得る。したがって、水素を含むガスは、平行チューブを介して、収容空間160内の異なる位置に広がり、次に収容空間160に収容された補給水に入ることができる。孔のサイズは、精密構造体22に比べて非常に小さいので、
図4では孔は省略されていることに留意されたい。孔を通過した後、水素を含むガスは、収容空間160に含まれた補給水の中で微細気泡を形成し、加湿器16の頂部に向かって動き、この移動中に水素を含むガスは十分加湿され得る。
【0042】
次に、
図2及び
図4を共に参照されたい。
図4に示されるように、加湿器16は、それぞれが収容空間160の外部及び加湿器16に連結された、活性化されたカーボンチューブ入口164及び活性化されたカーボンチューブ出口166をさらに備える。活性化されたカーボンチューブ20を、加湿器16の外部を介して、活性化されたカーボンチューブ入口164及び活性化されたカーボンチューブ出口166に連結することができる。この実施形態において、活性化されたカーボンチューブ20は、活性化されたカーボンチューブ入口164及び活性化されたカーボンチューブ出口166に対応する、ガス入口及びガス出口を有することができる。したがって、収容空間160の頂部における、加湿された水素を含むガスは、活性化されたカーボンチューブ入口164を介して活性化されたカーボンチューブ20に入ることができ、活性化されたカーボンチューブ20でさらに濾過されて、活性化されたカーボンチューブ出口166から出力され得る。この実施形態において、活性化されたカーボンチューブ入口164及び活性化されたカーボンチューブ出口166も、第1のフローチャネル162のように加湿器16と一体で形成される。
【0043】
図4に示されるように、フローチャネルモジュール21は、第2のフローチャネル214を有し、第2のフローチャネル214の一方の側を、活性化されたカーボンチューブ166に連結することができる。したがって、活性化されたカーボンチューブ20によって出力された水素を含むガスは、第2のフローチャネル214に入ることができる。この実施形態において、第2のフローチャネル214は、フローチャネルモジュール21の下面、すなわち加湿器16の一方の側の近くに位置され得ることに留意されたい。フローチャネルモジュール21の他方の側におけるフローチャネルを、放熱のために外部の空気がフローチャネルモジュール21に入るのを可能にするよう、外部に連結することができる。実際、フローチャネルモジュール21を組み立てた後に、第2のフローチャネル214は、フローチャネルモジュール21に一体化され得る。例えば、第2のフローチャネル214は、熱融着によってフローチャネルモジュール21の下面に一体化され得る。加えて、濾過器14は、第2の切欠き部149を形成してもよく、フローチャネルモジュール21は、対応する収容切欠き部216を同時に形成できる。加湿器16は、収容空間160から分離された、振動する液体の収容空間168を形成する。噴霧器18は、ガス吸入口180、収容ボトル182、ガス放出口184、及び発振器186をさらに備える。ガス吸入口180及びガス放出口184は、収容ボトル182に連結され、収容ボトル182は、第2の切欠き部149及び収容切欠き部216に配設され、振動する液体の収容空間168の開口部を塞ぐ。ガス吸入口180を、第2のフローチャネル214の他方の側に同時に連結することができ、それによって水素を含むガスは、第2のフローチャネル214によって受け入れられて、収容ボトル182に進み得る。収容ボトル182は、芳香油、シロップまたは水などの液体を収容してよく、それらを微粒化して微粒化ガスを形成し、水素を含むガスと混合して、混合ガスを生成し得る。ガス放出口184は、収容ボトル182を積み重ね型水素生成装置1の外部に連結させ、混合ガスを収容ボトル182から出力することができる。実際、微粒化ガスは、微粒化芳香油または微粒化シロップである場合があり、そのため、混合ガスは治癒効果をさらに提供し、または微粒化ガスは水蒸気である場合があり、そのため、水素を含むガスまたは混合ガスの湿度は上昇し、吸引に好適である。
【0044】
図1を再び参照されたい。外側ケーシング10は、穴102をさらに有し、噴霧器18のガス放出口は穴102に位置され、外部に露出され得る。それによって噴霧器18は、吸引する使用者のために、混合ガスを外部に出力することができる。
【0045】
この実施形態において、微粒化ガスは、収容ボトル182内の液体を振動させる発振器186によって生成される。
図4に示されるように、加湿器16は、外側から内側に凹まされた加湿器16の表面によって形成された第3の切欠き部169をさらに備え、第3の切欠き部169の位置は、振動する液体の収容空間168の他方の側における開口部に対応される。発振器186は、第3の切欠き部169に配設され、振動する液体の収容空間168の他方の側における開口部を塞ぎ得る。したがって、積み重ね型水素生成装置1が組み立てられたとき、噴霧器18の収容ボトル182及び発振器186は、振動する液体の収容空間168の2つの反対側の開口部の中にそれぞれ挿入され、振動する液体の収容空間168を閉鎖して、内部の独立した空間を形成する。加えて、発振器186は、水タンク12のカバー120にも連結され得る。カバー120は、第3の切欠き部169に対応する連結ポートを有することができ、この連結ポートは発振器186に連結され、発振器186を固定し得る。例えば、
図4の発振器186は、連結ポートのねじ山を介してカバー120上にねじ留めされ得る。振動する液体の収容空間168は、発振器186によって生成された振動を収容ボトル182に伝えるために、振動する液体で満たされてよく、それによって収容ボトル182内の液体は微粒化され、微粒化ガスを、水素を含むガスと混合して、混合ガスを形成する。加えて、積み重ね型水素生成装置1は、発振器186が振動するか否かを制御することによって、混合ガスまたは水素を含むガスの出力をさらに制御することができる。
【0046】
図2及び
図4を再び参照されたい。
図2で示されるように、積み重ね型水素生成装置1は、加湿器16に配設され、かつ第3の切欠き部169に対応したファン19を、さらに備えることができる。発振器186が動作中に熱を発生するので、周りの液体(例えば振動する液体または収容空間160における補給水)の温度は上昇して、積み重ね型水素生成装置1に悪影響を及ぼし得る。ファン19は、発振器186及び発振器186の周辺を冷却することができる。
【0047】
この実施形態において、積み重ね型水素生成装置1は、外側ケーシング10の水供給ポート100を介して、水を加湿器16に供給できる、水供給チューブ23をさらに備え、加湿器16内の補給水の水レベルを維持する。加湿器16が、積み重ね型水素生成装置1の中央に位置することから、フローチャネルモジュール21及び濾過器14は、加湿器16の上に垂直方向に積み重ねられる。濾過器14が水供給チューブ23に干渉するのを防ぐために、第1の切欠き部148が、水供給チューブ23及び水供給ポート100に対応する濾過器14の位置に形成され、水供給チューブ23は、濾過器14に干渉するのを避けるために第1の切欠き部148に位置され得る。加えて、水入口218を水供給チューブ23の一方の側を接続するために、水入口218をフローチャネルモジュール21内に形成することもでき、水供給チューブ23及び加湿器16の収容空間160に連結することができる。したがって、水を供給するために、外部からの水は、水供給チューブ23及び水入口218を介して加湿器16の収容空間160に入ることができる。この特定の実施形態において、第1のポート210、第2のポート212、及び水入口218は、フローチャネルモジュール21と一体で形成される。
【0048】
要約すると、積み重ね型水素生成装置1が電気分解を実施して水素を含むガスを生成するとき、水素を含むガスは、連続したガス経路を介して出力され、ガス経路において濾過され、加湿され、及び混合されて、ガスを形成し得る。これは、健康管理効果を実現するために、使用者による吸引に好適である。詳細には、積み重ね型水素生成装置1の最下部分の水タンク12に位置された、電気分解モジュール11が、水を電気分解し、水素を含むガスを生成して水タンク12に入れ;水素を含むガスは、水タンク12から第1のフローチャネル162に入り、積み重ね型水素生成装置1の最上部分の濾過器14に直接到達し;次に、水素を含むガスは、濾過器14によって濾過されて精密構造体22を通過し、積み重ね型水素生成装置1の中央に位置された加湿器16に含まれた補給水の中に入って加湿され;加湿された水素を含むガスは、活性化されたカーボンチューブ20によって濾過されるよう、活性化されたカーボンチューブ20に入り、濾過器14と加湿器16との間に位置されたフローチャネルモジュール21の第2のフローチャネル214に出力され;最終的に、水素を含むガスは、第2のフローチャネル214から噴霧器18に入って微粒化ガスと混合されて混合ガスを形成し、この混合ガスは、使用者の吸引のために、噴霧器18によって積み重ね型水素生成装置1の外部に出力される。
【0049】
上記のユニット間のガス経路は、パイプラインを、一体で形成されたチャネル構造に置き換える。例えば、第1のフローチャネル162、活性化されたカーボンチューブ入口164、及び活性化されたカーボンチューブ出口166は、加湿器16と一体で形成され、水タンクのガス出口1200は、第1のフローチャネル162に直接スナップ嵌めされ、活性化されたカーボンチューブ20は、活性化されたカーボンチューブ入口164及び活性化されたカーボンチューブ出口166に直接スナップ嵌めされ、それによって追加の配管の必要性を排除し得る。他方で、濾過器14と加湿器16との間のフローチャネルモジュール21は、一体で形成された第1のポート、第2のポート、及び水入口218を提供する。第1のフローチャネル162及び濾過器14、濾過器14及び精密構造体22、活性化されたカーボンチューブ20及び加湿器16は、スナップ嵌めの方法で接続され得る。積み重ね型水素生成装置1は、複雑なプロセス、複雑な配線アセンブリ、及びパイプラインの経年劣化によって生じる水の漏洩を、上述の一体で形成されたガス経路によって防ぐことができ、外側ケーシング10の内部空間を効果的に利用でき、かつ小型化を促すことができ、一般の家族に好適である。
【0050】
前述のガス経路の順序は、積み重ね型水素生成装置1が水素を含むガスを生成するときの、水素を含むガスの経路の順序である。しかし、電気分解モジュール11が電気分解するとき、電気分解モジュール11及び水タンク12の水は消費される。したがって、水タンク12及び電気分解モジュール11に補給水を補充するための水経路が必要とされる。この特定の実施形態において、積み重ね型水素生成装置1の水経路及びガス経路は、同じチャネルを共有し、それによって、不必要な空間を生じさせないよう、水フローチャネルを設計するために追加の空間を必要としない。
【0051】
図6を参照されたい。
図6は、
図2の積み重ね型水素生成装置を示す概略側面図である。
図6に示されるように、水タンク12は、第1のポンプチャネル124、第2のポンプ126、及びポンプ128をさらに備える。第1のポンプチャネル124の一方の側の開口部は、水タンク12の内部空間に位置され、第1のポンプチャネル124の他方の側の開口部は、ポンプ128に連結される。第2のポンプチャネル126の一方の側の開口部は、ポンプ128に連結され、第2のポンプチャネル126の他方の側の開口部は、外部に連結される。電気分解モジュール11が電気分解を停止し、かつ水を補充する必要がある場合、水タンク12内のガスは、第1のポンプチャネル124から引き出されて、第1のポンプチャネル124、ポンプ128、及び第2のポンプチャネル126に沿って、ポンプ128を駆動することによって搬送し、外部に出力して、水タンク12の内部空間に負圧を発生させ得る。この負圧は、積み重ね型水素生成装置1の外部の大気圧未満であることに留意されたい。加えて、第1のポンプチャネル124及び第2のポンプチャネル126は、
図3に示されるように、水タンク12の本体122に一体化され得る。実際、第1のポンプチャネル124及び第2のポンプチャネル126は、水タンク12の本体122と、さらに一体化され得る。
【0052】
第1のポンプチャネル124、第2のポンプチャネル126、及びポンプ128は、水タンク12のガスを引き出して、水を補充するための負圧を発生させるよう構成されるので、水タンク12内の第1のポンプチャネル124の位置は、水が外部に引き出されるのを防ぐために、水タンク12の内の水のレベルよりも高くする必要がある。別の実施形態において、本体122に面する、水タンク12のカバー120の表面は、空間を形成するために追加的に内側に凹ませてもよく、第1のポンプチャネル124は、その空間に延びることができ、第1のポンプチャネル124の開口部が水タンク12内の水レベルを下回らないよう保証し、同時に水タンク12の内部のガスを引き出すことができる。
【0053】
ポンプ128が水タンク12の内側で負圧を発生させるとき、加湿器16内の補給水は負圧によって影響を受け、水を補充するためにガス経路の逆方向で水タンク12に入る。すなわち、水タンク12に補給水の補充をする水経路の順序は、ガス経路の順序と反対である。詳細は、
図4及び
図5を再び参照されたい。水が補充されると、加湿器16の収容空間160内に含まれる補給水は、補給水に沈められた精密構造体22の一方の側の孔を介して、まずは精密構造体22に入る。次に、補給水は、濾過器14のガス出口1404を介して濾過フローチャネル1402に入り、濾過フローチャネル1402及びガス入口1400を介して第1のフローチャネル162に入る。最終的に、補給水は、第1のフローチャネル162から水タンク12の内部空間に入る。したがって、積み重ね型水素生成装置1は、水素生成時においてガス経路として、及び水の補充時において水経路として、同じチャネルシステムを使用することができ、内部空間の使用を効果的に減少させることができる。
【0054】
上述の水タンク12の水補充プロセスにおいて、加湿器16からの補給水は、濾過器14の濾過フローチャネル1402に入り、第1のフローチャネル162に向かって流れ、水タンク12に入る。したがって、水素生成プロセスの間、濾過材料144及び水によって濾過され、凝縮シート146によって凝縮された不純物(電解液、触媒など)は、次の電気分解において再利用するために、水タンク12に逆流され得る。
【0055】
さらに、本発明の別の実施形態によると、前述の特定の実施形態の積み重ね型水素生成装置1は、外側ケーシング10に配設された加圧ポンプをさらに備え得る。この加圧ポンプは、外側ケーシング10の外部に接続することができる。加圧ポンプは、電気分解モジュール11と、濾過器14と、加湿器16と、噴霧器18との間の任意のパイプに、同時に連結され得る。例えば、加圧ポンプは、水タンク12と濾過器14との間の第1のフローチャネル162、またはフローチャネルモジュール21の第2のフローチャネル214に連結され得る。加圧ポンプは外部から空気を引き入れ、引き入れた空気に圧力を加えて、電気分解モジュール11と、濾過器14と、加湿器16と、噴霧器18との間の任意のパイプに入力し、水素を含むガスと混合して、水素を含む圧力ガスを形成することができる。実際、水素を含む圧力ガスの圧力は1気圧を超過する。
【0056】
この特定の実施形態において、積み重ね型水素生成装置1から出力される、水素を含むガスまたは混合ガスの圧力は、加圧ポンプのためにより高いので、使用者は、水素を含むガスまたは混合ガスを容易に吸引できる。本発明の積み重ね型水素生成装置1は、呼吸器疾患の使用者または患者にとって、より便利に使用され得る。
【0057】
前述の特定の実施形態において、積み重ね型水素生成装置1は、水タンク12、加湿器16、及び濾過器14が順次上方に積み重ねられた構造であるが、実際には、本発明の積み重ね型水素生成装置1の内部構造体の積み重ね順序は、上記の特定の実施形態に限定されない。
【0058】
本発明の別の実施形態によると、積み重ね型水素生成装置1は、水タンク12、電気分解モジュール11、濾過器14、及び加湿器16を備え得る。水タンク12は、カバー120及び本体122を備える。本体122は、水を収容するよう構成され、カバー120は、本体122を覆うよう構成され得る。電気分解モジュール11は、水タンク12内に配設され、水を電気分解し、水素を含むガスを水タンク12の中へ生成するよう構成され得る。濾過器14及び加湿器16は、水タンク12の上に垂直方向に積み重ねられ、濾過器14と加湿器16との間の垂直方向の配置順序は、交換できる。この特定の実施形態において、まず濾過器14が水タンク12上に垂直方向に配設され、加湿器16が濾過器14の上に垂直方向に配設され得る。代替として、別の特定の実施形態において、加湿器16及び濾過器14の両方は、水タンク12上に垂直方向に配置され、互いに対して水平に位置される。
【0059】
水タンク12、濾過器14、及び加湿器16が上方に垂直方向に配置される、特定の実施形態において、水タンクのガス出口1200は、水タンク12のカバー120上に形成され、濾過器14のガス出口1404は、水素を含むガスを受け入れるために、水タンクのガス出口に直接連結され得る。濾過器14は、水タンク12のカバー120を介して、水タンク12の本体122から垂直方向に分離されることに、留意されたい。次に、水素を含むガスは、ガス入口1400、ならびに濾過器14に一体で形成された濾過フローチャネル1402及びガス出口1404を流れ抜け、出力される。加湿器16は、補給水を収容するよう構成された収容空間160を有し、収容空間160は、水素を含むガスを受け入れるためにガス出口1404に連結された、ガスを受け入れるための開口部を有することができる。したがって、本発明の積み重ね型水素生成装置1によって生成された、水素を含むガスは、積み重ね型水素生成装置1の最下部分に位置された水タンク12から、積み重ね型水素生成装置1の中間に位置された濾過器14に、濾過のために直接入ることができる。次に、水素を含むガスは、積み重ね型水素生成装置1の最上部分に位置された加湿器16に、加湿のために入る。ユニット間のガスフローチャネルは、やはりそれぞれユニットに一体化され、それによって、パイプラインの使用を効果的に減少させ、かつ装置の大きさを縮減させることができることに、留意されたい。
【0060】
この特定の実施形態において、積み重ね型水素生成装置1は、活性化されたカーボンチューブ20、フローチャネルモジュール21、及び噴霧器18をさらに備える。上記のユニットの機能は、前述の特定の実施形態の機能と実質的に同じであるので、ここでは再び説明しない。フローチャネルモジュール21は、水素を含むガスを加湿器16の収容空間160の中に導入するためのフローチャネルを提供するため、濾過器14と加湿器16との間に配設され、フローチャネルモジュール21のフローチャネルも、パイプラインの使用を減少させるために、一体で形成され得ることに留意されたい。さらに、濾過器14は、フローチャネルモジュール21を介して、加湿器16から垂直方向に分離される。
【0061】
要約すると、本発明の積み重ね型水素生成装置1におけるユニットは、積み重ねられた構造であり、元々の配管設計を、一体で形成したチャネル構造に置き換える。従来技術と比較すると、本発明の積み重ね型水素生成装置1は、簡易な組立プロセス、配線の省略、コスト削減、標準化、大きさの容易な縮減、ならびにガス及び水の漏洩の防止という利点を有し、一般的な家庭に好適である。
【0062】
上述の例及び説明、本発明の特徴及び趣旨を、判りやすく説明した。より重要なことに、本発明は本明細書で説明した実施形態に限定されない。当業者は、装置の多くの変更及び代替が、本発明の教示を保持しつつ成され得ることを、容易に認識するであろう。したがって、上記の開示は、添付の特許請求の範囲によってのみ限定されるものと解釈されたい。