(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6972092
(24)【登録日】2021年11月5日
(45)【発行日】2021年11月24日
(54)【発明の名称】鳥獣忌避装置及び鳥獣忌避方法
(51)【国際特許分類】
A01M 29/10 20110101AFI20211111BHJP
【FI】
A01M29/10
【請求項の数】12
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2019-232869(P2019-232869)
(22)【出願日】2019年12月24日
(65)【公開番号】特開2021-100396(P2021-100396A)
(43)【公開日】2021年7月8日
【審査請求日】2020年6月17日
(73)【特許権者】
【識別番号】513049860
【氏名又は名称】有限会社オルサ
(74)【代理人】
【識別番号】100063842
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 三雄
(74)【代理人】
【識別番号】100118119
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 大典
(72)【発明者】
【氏名】西谷 明
【審査官】
田辺 義拓
(56)【参考文献】
【文献】
登録実用新案第3187091(JP,U)
【文献】
特開2012−231736(JP,A)
【文献】
登録実用新案第3211108(JP,U)
【文献】
特開平11−192047(JP,A)
【文献】
特開2015−096041(JP,A)
【文献】
登録実用新案第3212888(JP,U)
【文献】
特開2002−101806(JP,A)
【文献】
登録実用新案第3214890(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01M 29/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定距離離隔して設置された複数個のレーザー光源装置を備え、前記レーザー光源装置から放出されるレーザー光は1本又は複数本の束であり、前記複数個のレーザー光源装置は夫々から放出される前記レーザー光が同一の鳥獣に少なくとも2方向から照射可能に構成され、前記夫々から放出されるレーザー光が互いに交差又は平面視で互いに交差するように構成されていることを特徴とする鳥獣忌避装置。
【請求項2】
前記複数個のレーザー光源装置のうち、少なくとも2個のレーザー光源装置は、それぞれ異なる色のレーザー光源を備えることを特徴とする請求項1に記載の鳥獣忌避装置。
【請求項3】
前記複数個のレーザー光源装置のうち、少なくとも1個のレーザー光源装置は、複数色のレーザー光源を備えることを特徴とする請求項1に記載の鳥獣忌避装置。
【請求項4】
前記複数個のレーザー光源装置のうち、少なくとも1個のレーザー光源装置からは、複数本のレーザー光が放出され、複数本のレーザー光の束は回転可能であることを特徴とする請求項1から3うちいずれか1項に記載の鳥獣忌避装置。
【請求項5】
前記複数個のレーザー光源装置を所定の長さの保持部材で連結したことを特徴とする請求項1から4うちいずれか1項に記載の鳥獣忌避装置。
【請求項6】
鳥獣の光が直接当たっていない目又は光が直接当たっている目の光が直接当たっていない部分にレーザー光を照射することを特徴とする鳥獣忌避方法。
【請求項7】
1本又は複数本の束であるレーザー光を少なくとも2方向から互いに交差又は平面視で互いに交差するように放出して、鳥獣に少なくとも2方向から前記レーザー光を照射することを特徴とする鳥獣忌避方法。
【請求項8】
少なくとも光が直接当たっていない目又は光が直接当たっている目の光が直接当たっていない部分にレーザー光を照射することを特徴とする請求項7に記載の鳥獣忌避方法。
【請求項9】
2方向からのレーザー光でそれぞれ鳥獣の別の目を照射することを特徴とする請求項7又は8に記載の鳥獣忌避方法。
【請求項10】
少なくとも2方向からのレーザー光を異なる色とすることを特徴とする請求項7から9うちいずれか1項に記載の鳥獣忌避方法。
【請求項11】
少なくとも1方向からのレーザー光は複数色のレーザー光であることを特徴とする請求項7から10のうちいずれか1項に記載の鳥獣忌避方法。
【請求項12】
少なくとも1方向からのレーザー光は、複数本のレーザー光の束を回転させることを特徴とする請求項7から11のうちいずれか1項に記載の鳥獣忌避方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鳥獣忌避装置及び鳥獣忌避方法に関し、特にレーザー光を用いた鳥獣忌避装置及び鳥獣忌避方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、
図5に示すように、鳥獣9を追い払うために、1個のレーザー光源61から放出される1本のレーザー光62を用いた鳥獣忌避装置60及び鳥獣忌避方法が利用されている。そして、このような鳥獣を追い払うための装置として、1個のレーザー光源から放出される1本のレーザー光を用いた装置が提案されていると共に、鳥獣の防除機能を広い範囲にわたりカバーさせるために、レーザー光を広角に振らせて、同一平面内で拡散させる技術が提案されている(特許文献1)。
【0003】
又、1個の半導体レーザー発振器をレーザー光源とし、レーザー光源から出る1本の点状(直線状)のレーザー光を、ロッドレンズによりシート状の光線にして、照射対象面にはライン状に現れる技術が提案されている(特許文献2)。
【0004】
又、レーザー光を用いるものではないが、ビーム状の光を放射する光源を環状に複数個配置し、それら光源は、その本体中心付近に向けて内向き又は外向きに少し角度をつけた状態で取り付けられ、放射状に光を放射する装置が提案されている(特許文献3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平6−233644号公報
【特許文献2】登録実用新案第3198676号公報
【特許文献3】登録実用新案第3202205号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1の技術のように1個のレーザー光源から出る1本のレーザー光を用いた場合、1方向のみからのレーザー光が照射され、鳩、烏、ムクドリ等の鳥に対しては、曇りの日や夕暮れ時には効果があるが、昼間、太陽が当たっている状況では殆ど効果がなかった。これは、鳥にとって、太陽の明るさのなかではレーザー光の眩しさが埋没してしまうからと考えられる。
【0007】
又、特許文献1の技術のように1個のレーザー光源から出る1本のレーザー光を広角に振らせて、同一平面内で拡散させたり、特許文献2の技術のようにレーザー光源から出る1本の点状(直線状)のレーザー光を、ロッドレンズによりシート状の光線にして、照射対象面にはライン状にした場合であっても、1方向のみからのレーザー光が照射され、やはり、曇りの日や夕暮れ時には効果があるが、昼間、太陽が当たっている状況では殆ど効果がなかった。
【0008】
そして、特許文献3の技術のようにビーム状の光を放射する光源を環状に複数個配置して放射状に光を放射する装置は、光源が複数個配置されているものの、環状の縁の直径が3〜10センチメートルと小さい1個の装置で構成されているので、この装置から出る光は1個の光源から放射状に出る光と同等であり、1方向のみからのレーザー光が照射され、やはり、曇りの日や夕暮れ時には効果があるが、昼間、太陽が当たっている状況では殆ど効果がなかった。
【0009】
そこで、曇りの日や夕暮れ時にはもちろん、昼間に鳥獣に太陽等が当たっている状況又は他の眩しい光が当たっている状況においても、鳥獣を確実、且つ容易に追い払うことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
以上のような課題を解決するための手段としての本発明は、所定距離離隔して設置された複数個のレーザー光源装置を備え、前記複数個のレーザー光源装置は夫々から放出されるレーザー光が同一の鳥獣に照射可能に構成されていることを特徴とする鳥獣忌避装置である。
【0011】
又、上記鳥獣忌避装置において、前記複数個のレーザー光源装置のうち、少なくとも2個のレーザー光源装置は、それぞれ異なる色のレーザー光源を備える鳥獣忌避装置である。
【0012】
又、上記鳥獣忌避装置において、前記複数個のレーザー光源装置のうち、少なくとも1個のレーザー光源装置は、複数色のレーザー光源を備える鳥獣忌避装置である。
【0013】
又、上記鳥獣忌避装置において、前記複数個のレーザー光源装置のうち、少なくとも1個のレーザー光源装置からは、複数本のレーザー光が放出され、複数本のレーザー光の束は回転可能である鳥獣忌避装置である。
【0014】
又、上記鳥獣忌避装置において、前記複数個のレーザー光源装置を所定の長さの保持部材で連結した鳥獣忌避装置である。
【0015】
又、鳥獣の光が直接当たっていない目又は光が直接当たっている目の光が直接当たっていない部分にレーザー光を照射することを特徴とする鳥獣忌避方法である。
【0016】
又、鳥獣に少なくとも2方向からレーザー光を照射することを特徴とする鳥獣忌避方法である。
【0017】
又、上記鳥獣忌避方法において、少なくとも光が直接当たっていない目又は光が直接当たっている目の光が直接当たっていない部分にレーザー光を照射する鳥獣忌避方法である。
【0018】
又、上記鳥獣忌避方法において、2方向からのレーザー光でそれぞれ鳥獣の別の目を照射する鳥獣忌避方法である。
【0019】
又、上記鳥獣忌避方法において、少なくとも2方向からのレーザー光を異なる色とする鳥獣忌避方法である。
【0020】
又、上記鳥獣忌避方法において、少なくとも1方向からのレーザー光は複数色のレーザー光である鳥獣忌避方法である。
【0021】
又、上記鳥獣忌避方法において、少なくとも1方向からのレーザー光は、複数本のレーザー光の束を回転させる鳥獣忌避方法である。
【0022】
又、上記鳥獣忌避方法において、少なくとも1本のレーザー光を点滅させる鳥獣忌避方法である。
【発明の効果】
【0023】
以上のような本発明によれば、曇りの日や夕暮れ時にはもちろん、昼間に鳥獣に太陽等が当たっている状況又は他の眩しい光が当たっている状況においても、鳥獣を確実、且つ容易に追い払うことが可能となった。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明は、所定距離離隔して設置された複数個のレーザー光源装置を備えて構成される鳥獣忌避装置である。以下本発明の実施の形態を図を参照して説明する。
図1に示すように、鳥獣忌避装置1は、所定距離離隔して設置された2個のレーザー光源装置2を備え、夫々のレーザー光源装置2はレーザー発振器で構成されるレーザー光源3を1個備えて構成されている。
【0026】
又、2個のレーザー光源装置2は、夫々から放出されるレーザー光7が互いに交差又は平面視で互いに交差するように構成されている。レーザー光7が互いに交差せずに、平面視で互いに交差する場合でも、その交差部分において2本のレーザー光7の離隔距離は、鳥獣の両目又は片目に2本のレーザー光7が別々に照射可能な距離としている。このような構成として、2個のレーザー光源装置2が延長線上で交差又は平面視で交差するように互いの方向に傾けている構成を用いることが出来るが、2個のレーザー光源装置2が夫々備えるレーザー光源3が延長線上で交差又は平面視で交差するように互いの方向に傾けている構成や、夫々のレーザー光源3は平行であるが、何れか又は両方のレーザー光源装置2に、図示しないレンズや回析光学素子(DOE)を設置してレーザー光を屈折させる構成を採用することが出来る。
【0027】
このような構成であるので、追い払う対象の1個の鳥獣9に二方向からレーザー光を照射すること、言い換えれば、鳥獣に対して異なる角度からレーザー光を当てることが可能となっている。そして、鳥獣9に二方向からレーザー光を照射することが可能となっているので、追い払う対象の鳥獣の両目91,92を同時にレーザー光7で照射して刺激すること、或いは鳥獣の片目を同時に二方向からのレーザー光で照射して刺激すること、即ち、鳥獣の両目又は片目に同時に異なる角度からレーザー光を当てること、更に、鳥獣の片眼に照射された一方からのレーザー光を鳥獣が避けようと目、頭、体を動かしてもその片目又は他方の目に他方からのレーザー光が照射されることが可能となっている。
【0028】
鳥は太陽等の眩しい光の方向には片目だけを向けていることが多く、鳥獣にとっては太陽等の眩しい光の明るさのなかではレーザー光の眩しさが埋没してしまうと考えられ、太陽5の太陽光50等の眩しい光が直接当たっていない方の目92にレーザー光が照射されると、或いは太陽光等の眩しい光が直接当たっている方の目91であっても、太陽光等の光が直接当たっていない部分911にレーザー光が照射されると、鳥獣はとても嫌がる。
【0029】
従って、追い払う対象の1個の鳥獣9に二方向からレーザー光7を照射すること、そして鳥獣9の両目91,92を同時に或いは鳥獣の片目を同時に二方向からのレーザー光で照射して刺激することにより、標的とする鳥獣を追い払う効果が高くなる。1方向からのレーザー光の照射の場合、たとえ広範囲に拡散させたり、シート状の光にしたりしても、鳥獣の両目を同時に刺激すること、或いは鳥獣の片目を同時に二方向から刺激することは出来ない。
【0030】
2個のレーザー光源装置2は、横方向の同一平面上に位置するように配置されているが、追い払うべき1個の鳥獣9に、2個のレーザー光源装置2からのレーザー光7で二方向からレーザー光7を照射することができれば、その配置は特に限定されない。2個のレーザー光源装置2からの夫々のレーザー光7が、鳥獣9の両目91,92を同時に或いは鳥獣の片目を同時に二方向から刺激することが容易に可能なように、2個のレーザー光源装置2からの夫々のレーザー光7が1本である場合にはレーザー光7が同一平面上に位置するように2個のレーザー光源装置2が設置されることが好ましい。
図2に示すように、2個のレーザー光源装置2からの夫々のレーザー光7が複数本の場合には、それらのレーザー光7の束70が交差するように2個のレーザー光源装置2が設置されることが好ましい。
【0031】
上述のように、夫々のレーザー光源装置2から放出されるレーザー光7が追い払う対象の1個の鳥獣9の両目91,92を夫々同時に或いは鳥獣の片目を同時に二方向から刺激することにより、鳥獣忌避の効果が高くなるので、2個のレーザー光源装置2が離隔する距離Wは、2個のレーザー光源装置2から放出されるレーザー光7が、追い払う対象の1個の鳥獣9に2方向から照射される距離とする。このような範囲であれば2個のレーザー光源装置2間の距離Wは限定されず、追い払う対象の鳥獣9との距離に対応して決定することが出来る。一例として、鳥獣9との距離が5m〜30m程度の場合には、レーザー光源装置2間の距離Wは40cm〜200cm程度、好ましくは50cm〜150cm、鳥獣9との距離が1Km〜2Km程度の場合には、レーザー光源装置2間の距離Wは10m〜20m程度とすることが出来る。又、レーザー光7が平面視で交差する角度は特に限定されない。
【0032】
尚、図示はしないが、レーザー光7の角度を変化させることが可能な機構を設けることとしてもよく、又、レーザー光源装置2の角度を変化させることが可能な機構を設けることとしてもよい。
【0033】
レーザー光源装置2は、レーザー発振器で構成されるレーザー光源3を1個備えて構成されているが、複数個のレーザー光源を備える構成としてもよい。複数個のレーザー光源を備えることにより、
図2に示すように、レーザー光源装置2から複数本のレーザー光7を放出することが出来る。尚、図においてレーザー光7は放射状に広がっているが、互いに平行に放出されてもよい。
【0034】
レーザー光源3は、追い払う対象の鳥獣の種類によりその鳥獣の種類が最も嫌う波長の光を放出するレーザー発振器を用いることが望ましい。そして、レーザー光源3は、可視光線レーザーが用いられるが、紫外線レーザーや赤外線レーダーを用いることとしてもよい。又、レーザー発振器に用いられる媒体は、特に限定されず、半導体レーザー等を用いることが出来る。又、発振方式も特に限定されず、断続的にレーザー光を出すパルスレーザーや連続的にレーザー光を出すCWレーザーを用いることが出来る。
【0035】
レーザー光源装置2から放出されるレーザー光7は、連続的に放出される構成でもよいが、レーザー光を点滅させることにより、鳥獣がより嫌がり、追い払う効果が高まるので、パルスレーザーを用いたり、間欠的にオンオフを行うこと等により、点滅可能に構成することが好ましい。
【0036】
レーザー光源装置2は、1色のレーザー光源を備える構成としてもよいが、複数個のレーザー光源を備える場合には、より効果的に鳥獣を追い払うために、複数色のレーザー光源を備えることが好ましい。又、一方のレーザー光源装置2は1色のレーザー光源を備え、他方のレーザー光源装置2は複数色のレーザー光源を備える構成としてもよい。レーザー光の色は特に限定されず、赤、緑、青等を使用することが出来るが、追い払う対象の鳥獣が最も嫌う色を用いることが望ましい。
【0037】
2個のレーザー光源装置2は、同じ色のレーザー光源を備える構成としてもよいが、それぞれ異なる色のレーザー光源を備える構成としてもよい。又、少なくとも一方のレーザー光源装置が複数個のレーザー光源を備える場合、他方のレーザー光源装置と一部のレーザー光源又は全部のレーザー光源を異なる色としてもよい。
【0038】
レーザー光源装置2には、図示はしないが、レーザー光源から発せられるレーザー光を分割、分岐等する回析光学素子(DOE)や、レーザー光を拡散させるレンズを設置することとしてもよい。回析光学素子(DOE)を備えることで、
図2に示すように、レーザー光源装置2から複数本のレーザー光7を放出することが出来る。尚、図においてレーザー光7は放射状に広がっているが、互いに平行に放出されてもよい。又、DOEやレンズは固定してもよいが、電気式モータ等の回転機構と連結して回転可能に設置する構成としてもよい。このような構成とすることで、
図3に示すように、複数本のレーザー光7の束70や拡散したレーザー光を、矢印Dで示すように、レーザー光7の束70の直進方向を軸として回転させることが出来る。尚、
図3では、一方のレーザー光7の束70のみに矢印Dが記載されているが、両方のレーザー光7の束70を回転させる構成としてもよい。
【0039】
2個のレーザー光源装置2はそれぞれ独立して連結されない構成としてもよいが、図示はしないが、所定の長さの保持部材で連結された構成としてもよい。又、運搬の便利のために、保持部材は伸縮可能又は折り畳み可能であることが好ましい。
【0040】
又、図示はしないが、レーザー光源装置2及び保持部材を支持する支持脚を備える構成としてもよい。支持脚は伸縮可能又は折り畳み可能であることが好ましい。保持部材は直線状でもよいが、屈曲していてもよい。支持脚はレーザー光源装置2及び保持部材を独立して支持可能な構成、即ち鳥獣忌避装置1が自立可能な構成としてもよいが、1脚等を用いて補助的に支持する構成としてもよい。
【0041】
又、図示はしないが、鳥獣忌避装置1には、センサーを設けて、センサーにより鳥獣の存在を把握した際に、スイッチがオンされて鳥獣忌避装置1が作動しレーザー光を照射する構成としてもよい。更に、センサーを設けて、センサーにより鳥獣の位置を把握し、レーザー光源装置2を回転等の移動をさせるための移動機構により、レーザー光源装置2を回転等の移動をさせて鳥獣方向へレーザー光を向けて照射する構成としてもよい。これらのセンサーはレーザー光源装置2に設置してもよいが、レーザー光源装置2とは離隔して設置してもよい。
【0042】
尚、上記では、2個のレーザー光源装置を備えた鳥獣忌避装置1の実施の形態を説明したが、鳥獣忌避装置は、複数個のレーザー光源装置を備えて構成すればよく、2個に限定されず、3個以上を備えた構成でもよい。このような構成でも、追い払う対象の1個の鳥獣9に少なくとも二方向からレーザー光を照射することが可能となっている。3個以上のレーザー光源装置2は、夫々から放出されるレーザー光7が互いに交差又は平面視で互いに交差するように構成されている。レーザー光源装置を3個以上備えることにより、追い払う対象の1個の鳥獣9に二方向からレーザー光7を照射することが容易となる。レーザー光源装置を3個以上備える場合、夫々のレーザー光源装置の構成、レーザー光源の数、色等は上述の2個のレーザー光源装置を備えた構成を組み合わせて構成することが出来る。
【0043】
このような鳥獣忌避装置1を用いた鳥獣忌避方法について説明する。鳥獣忌避装置1を使用する際には、操作者が鳥獣忌避装置1を両手で夫々レーザー光源装置2を持ち上げて使用してもよいが、地面や台等に設置してもよい。そして、2個のレーザー光源装置2を離隔した状態で、標的とする鳥獣9に2方向からレーザー光7を照射する。この際に、2方向からのレーザー光7が鳥獣9の片目を2方向から刺激することとしてもよいが、2方向からのレーザー光7でそれぞれ鳥獣9の別の目91,92を刺激することが好ましい。又、少なくとも太陽5等の光50が当たっていない方の目92にはレーザー光7を当てることが好ましい。又、太陽5等の光50が当たっている方の目91にレーザー光を当てる場合には、直接太陽5等の光50が当たっていない目の部分911にレーザー光を当てることが好ましい。
【0044】
又、標的とする鳥獣9にレーザー光7を照射する際には、少なくとも1方向からのレーザー光7は複数色のレーザー光7とすることが好ましい。又、異なる方向からのレーザー光7を異なる色とすることが好ましい。又、少なくとも一方のレーザー光源装置2が複数個のレーザー光源3を備える場合、異なる方向からのレーザー光7に異なる色を含ませることとすることが好ましい。又、少なくとも1方向からのレーザー光7は、レーザー光源3から発せられるレーザー光7を分割して、或いは複数のレーザー光源を用いて、複数のレーザー光7を標的とする鳥獣9に照射することが好ましい。更に、複数のレーザー光7の束70を回転させながら鳥獣9に照射することやレーザー光源3から発せられるレーザー光7を点滅させることが好ましい。
【0045】
3個以上のレーザー光源装置を備えた鳥獣忌避装置を使用する場合、標的とする鳥獣9に3方向以上からレーザー光7を照射することとなり、追い払う対象の1個の鳥獣9に二方向からレーザー光7を照射することが容易となり、標的とする鳥獣9の目への刺激がより強くなり、鳥獣9がレーザー光をより避けにくくなるので、鳥獣を追い払う効果が高くなる。
【0046】
レーザー光源装置2が異なる色の複数個のレーザー光源を備える場合、鳥獣9への照射の際に、最初は1色、あまり追い払う効果が高くないようであれば、2色、更に3色というように、段階的に色数を増加させることとしてもよい。
【0047】
本発明の鳥獣忌避方法によれば、鳥獣に繰り返し使用しても、鳥獣が慣れてしまい逃げなくなるということがなく、繰り返し行っても、鳥獣を追い払う効果が持続した。尚、
図2〜3では鳥獣9を鳥として図示したが、
図4に示すように、鳥以外の2つの目93,94を持つ、猪や鹿等の鳥以外の鳥獣99に対しても本発明の使用による効果がある。
【産業上の利用可能性】
【0048】
以上のような発明によれば、容易に鳥獣を追い払うことが出来るので、鳩等の鳥の糞害を防止することが出来、造船業や電車やバス等の運輸業、ビル等の不動産業において極めて有益に利用可能であり、又、猪や鹿等の動物による農作物や植林への被害を防止することが出来、農業や林業において極めて有益に利用可能である。
【符号の説明】
【0049】
1 鳥獣忌避装置
2 レーザー光源装置
3 レーザー光源
5 太陽
50 太陽光
7 レーザー光
9 鳥獣