特許第6972111号(P6972111)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6972111
(24)【登録日】2021年11月5日
(45)【発行日】2021年11月24日
(54)【発明の名称】化粧ケースの回転機構
(51)【国際特許分類】
   A45D 40/06 20060101AFI20211111BHJP
   A45D 40/02 20060101ALI20211111BHJP
   A45D 40/12 20060101ALI20211111BHJP
【FI】
   A45D40/06 C
   A45D40/02 A
   A45D40/12
【請求項の数】9
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2019-508300(P2019-508300)
(86)(22)【出願日】2017年4月25日
(65)【公表番号】特表2019-515774(P2019-515774A)
(43)【公表日】2019年6月13日
(86)【国際出願番号】FR2017050980
(87)【国際公開番号】WO2017187083
(87)【国際公開日】20171102
【審査請求日】2019年7月22日
(31)【優先権主張番号】1670200
(32)【優先日】2016年4月28日
(33)【優先権主張国】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】518383781
【氏名又は名称】レブール・ソシエテ・パル・アクシオン・サンプリフィエ
【氏名又は名称原語表記】REBOUL S.A.S.
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】特許業務法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】バシュロン,フレデリック
【審査官】 遠藤 邦喜
(56)【参考文献】
【文献】 特開平09−191931(JP,A)
【文献】 特開平08−187123(JP,A)
【文献】 実開平03−049018(JP,U)
【文献】 実開平07−033208(JP,U)
【文献】 特開2001−231629(JP,A)
【文献】 特開昭62−155811(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A45D 40/06
A45D 40/02
A45D 40/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
化粧ケースのための回転機構(1)であって、
2つのスタッド(5)を備える摺動部(2)を備え、スタッド(5)の各々は摺動部(2)上へ押し付けられる渦巻形ケーシング(3)の螺旋状開口部(6)を横切り、前記スタッド(5)は各々、渦巻形ケーシング(3)上へ押し付けられる外部スリーブ(4)の内部に配置される長手方向ポート(7)の中へ延在し、
摺動部(2)が2つの部品、すなわち、化粧品を受容するように設計される受台(13)を備える上端と、スタッド(5)がその下端に配置され、長手方向に延在する円筒形部分(14)と、からなることを特徴とし、
記円筒形部分(14)の外径が前記渦巻形ケーシング(3)の内径に等しく、受台(13)の外径が外部スリーブ(4)の内に等く、
前記渦巻形ケーシング(3)の外径は、前記外部スリーブ(4)の内径に対応し、かつ、前記受台(13)の外径に等しいことを特徴とする、回転機構(1)。
【請求項2】
渦巻形ケーシング(3)が2つの螺旋状開口部(6)が配置される円筒形本体部(8)からなり、前記円筒形本体部(8)がクラウン(9)によって延ばされることを特徴とする、請求項1に記載の回転機構(1)。
【請求項3】
外部スリーブ(4)が、渦巻形ケーシング(3)の内部に配置される周囲溝(11)の内部に嵌合する内周リブ(10)を備えることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の回転機構(1)。
【請求項4】
周囲溝(11)が、渦巻形ケーシング(3)の円筒形本体部(8)の内部に配置される前記螺旋状開口部(6)の下端の下方に位置することを特徴とする、請求項2または請求項3に記載の回転機構(1)。
【請求項5】
前記スタッド(5)が、少なくとも横方向に移動可能であることを特徴とする、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の回転機構(1)。
【請求項6】
渦巻形ケーシング(3)の円筒形本体部(8)の下端が、外部に向かって延在する少なくとも1つの可撓性のスラット(12)を備えることを特徴とする、請求項2から請求項5のいずれか1項に記載される回転機構(1)。
【請求項7】
クラウン(9)の上部が、外部スリーブ(4)の押付けの方向を制限する周囲ストップリング(15)を備えることを特徴とする、請求項2から請求項6のいずれか1項に記載の回転機構(1)。
【請求項8】
3つの本体部品、すなわち、前記摺動部(2)と、前記渦巻形ケーシング(3)と、前記外部スリーブ(4)と、からなることを特徴とする、請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の回転機構(1)。
【請求項9】
前記渦巻形ケーシング(3)が、外部スリーブ(4)の内部に配置される上側リブ(18)に組み立てられる上側溝(17)を備えることを特徴とする、請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の回転機構(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、化粧ケース、より特定的には口紅棒のための回転機構に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、文献FR2955469およびUS5597252によって開示されるように、回転機構は、2つの長手方向ポートを備える内部シースの内部に包まれるスタッドを備える摺動部からなり、2つの螺旋状の溝を備える外側の覆いの内部にそれ自体が包まれる。摺動部のスタッドは、内部シースのポートを横切り、外部ケーシングの螺旋状の溝の中へ延在する。回転機構は、外側ケーシングによって下側の包装部品に接続される。口紅またはリップクリームのスティックなどの化粧品からなるビュレットを備える摺動部は、渦巻形ケーシングと上側の包装とによって形成されるアセンブリの回転によって、軸方向の移動運動を受ける。閉鎖キャップは、このように作製される化粧ケースを螺旋状に封止するように、下側の包装部品に対応する回転機構の上端へ押し付けられる。
【0003】
口紅またはリップクリームのビュレットは、一般に、化粧ケースの底部によって成型され、または前もって成形されて摺動部の中へ設置される。
【0004】
下側の包装と機構とは、一般に、口紅のビュレットの最終的な包装装置によって行われ得ない、特別な組立てを必要とするような方法で嵌められる。この目的のために、回転機構は、機構の分配器によって下側の包装部品に予め組み立てられる。
【0005】
下側の包装部品は、文献US5597252によって開示されるように、口紅ビュレットが成型された後に適切なカバーによって覆われる、充填穴を備える。しかしながら、口紅ビュレットの配置または成型における誤差は、機構および下側の包装部品の両方を使用不可にし、その後それらは廃棄されなければならない。
【0006】
使用者の唇と接触し、化粧品のビュレットが出てくる、文献FR2955469における回転機構の上端は、斜めになっており、機構の中央部に配置される部分に設置される。この部分は、内部に摺動部が案内される内部シースである。内部シースの円筒形の形状は、一定ではなく、すなわち、2つの異なる直径を有する2つの円筒形部からなる。金属材料の内部シースの場合、これらの回転機構の上端は、したがって、使用者の唇を刺激し得る鋭縁部を備える。これらの鋭縁部は、プレス加工によって丸くされることはできない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、本発明は、前述の欠点を是正する、化粧ケースの回転機構の改良を提案する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
このように、本発明に係る化粧ケースの回転機構は、2つのスタッドを備える摺動部からなり、その各々は、摺動部の中へ挿入される渦巻形ケーシングの螺旋状開口部を横切り、スタッドは各々、渦巻形ケーシング上へ押し付けられる外部スリーブの内部に配置される長手方向ポートの中へ延在する。
【0009】
我々は、ここで、渦巻形ケーシングが、2つの螺旋状開口部が配置される円筒形本体部からなり、円筒形本体部はクラウンによって延ばされることを追加すべきである。
【0010】
我々は、ここで、外部スリーブが、渦巻形ケーシングの内部に配置される周囲溝の内部に嵌合する内周リブを備えることを述べる。
【0011】
我々は、ここで、周囲溝が、渦巻形ケーシングの円筒形本体部の内部に配置される螺旋状開口部の下端の下方に配置されることを特定する。
【0012】
1つの実施形態の態様によれば、スタッドは、少なくとも横方向に移動可能である。
1つの特徴によれば、渦巻形ケーシングの円筒形本体部の下端は、外側に延在する少なくとも1つの可撓性のスラットを備える。
【0013】
1つの実施形態の態様によれば、摺動部は、2つの部品、すなわち、化粧品を受容するように設計される受台を備える上端と、スタッドがその下端に配置される細長い円筒形部分と、からなる。
【0014】
先行する実施形態の態様によれば、延ばされた円筒形部分の外径は、渦巻形ケーシングの内径にほぼ等しく、受台の外径は、外部スリーブの内径にほぼ等しい。
【0015】
1つの追加の特徴によれば、クラウンの上部は、外部スリーブの押付けの方向を制限する周囲ストップリングを備える。
【0016】
1つの好ましい実施形態の態様によれば、回転機構は、3つの本体部、すなわち、摺動部と、渦巻形ケーシングと、外部スリーブと、からなる。
【0017】
1つの実施の態様によれば、渦巻形ケーシングは、外部スリーブの内部に配置される上側リブと組み立てられる上側溝を備える。
【0018】
本発明の他の特徴および利点は、制限的でない例としてのみ与えられる、以下の説明から、および添付の図面から明らかにされる。
【0019】
図1図11は、本発明の1つの実施形態の態様に係る化粧ケースの機構の図である。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】外部スリーブ、渦巻形ケーシング、および摺動部を備える機構の、前面図かつ部分断面図である。
図2図1の断面図の拡大図である。
図3】摺動部が下側の位置にある、線A−Aに沿った図1の断面図である。
図4】摺動部が上側の位置にある、線A−Aに沿った図1の断面図である。
図5】化粧品のビュレットの成型に適する摺動部の前面図である。
図5a図5の線C−Cに沿った断面図である。
図6】線A−Aに沿った図5の断面図である。
図7】外部スリーブの前面図である。
図8】線A−Aに沿った図7の断面図である。
図9】渦巻形ケーシングの前面図である。
図10】渦巻形ケーシングの線A−Aに沿った断面図である。
図11図10の拡大図である。
図12】化粧品のビュレットを固定することが意図される摺動部の前面図である。
図12a図12の線C−Cに沿った断面図である。
図13図12の線B−Bに沿った断面図である。
図14】本発明の1つの実施の態様に係る、渦巻形ケーシングの前面図である。
図15】本発明の1つの実施の態様に係る、外部スリーブの前面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
このように、本発明に係る回転機構(1)は、口紅棒に適しており、互いに内部に組み立てられる3つの本体部を備える。回転機構(1)は、摺動部(2)と、渦巻形ケーシング(3)と、外部スリーブ(4)と、からなる。
【0022】
用語「外部スリーブ(4)」は、本記載のその他の部分でより詳細に述べられるように、取外し可能な閉鎖キャップなどの少なくとも1つの上側の包装部品と接触する本体部を意味すると理解されるべきである。
【0023】
摺動部(2)および渦巻形ケーシング(3)は優先的には合成材料で作製される一方、外部スリーブ(4)は優先的には金属材料で作製される。
【0024】
本記載のその他の部分では、回転機構(1)は、使用者の位置、すなわち図1図13に示されるように上方向に向けられた回転機構(1)の上端にあることが理解されるべきである。
【0025】
同様に、軸方向位置は、頂部から底部に向けられた長手方向位置に対応することが理解され、用語「横方向位置」は、回転機構(1)の上端および下端を通る軸に対して垂直である位置を意味すると解されるべきである。
【0026】
情報目的のため、我々は、口紅棒を、口紅またはリップクリームの標準的な管よりも概して直径がより小さく、より長い、化粧ケースと呼ぶことにする。したがって、摺動部は、標準的な化粧ケースのそれよりも長い長さを有する。
【0027】
この回転機構(1)は、下側の包装部品および上側の包装部品と関連する、すなわち、その下端の基部は、回転機構(1)の自由上端へ押し付けられ、かつ化粧ケースを完全にかつ螺旋状に閉鎖するように外部スリーブ(4)の周りに位置決めされる閉鎖位置に配置される、取外し可能な閉鎖キャップに対応するが、これは他の態様で行われてもよく、閉鎖キャップは、この下方の周囲に配置される環状リブを介して、外部スリーブ(4)の周りに間接的に適用される。
【0028】
これらの3つの本体部は、摺動部(2)が渦巻形ケーシング(3)の内部に包まれる一方、外部スリーブ(4)がこの上へ押し付けられるように適合される、概ね円筒形の形状を有する。
【0029】
一般に、摺動部(2)は、本記載のその他の部分でより詳細に説明されたように、互いに対向して配置され、各々が渦巻形ケーシング(3)の螺旋状開口部(6)の中へ嵌合し、それらの各々は、外部スリーブ(4)の内部に配置される長手方向ポート(7)の中へ延在する2つのスタッド(5)を備える。
【0030】
摺動部(2)は、その上端において、化粧品を収容するように設計される、カップとも呼ばれる受台(13)として現れ、ほぼその下端にスタッド(5)が配置されるより小さな直径の細長い円筒形部分(14)によって延ばされる。
【0031】
受台(13)は、たとえば、受台(13)の垂直方向壁に対して径方向に配置されるフィンを備える。これらのフィンは、化粧品のビュレットを所定の位置に維持するのを助ける。
【0032】
図3および図4に図示されるように、受台(13)の外径は外部スリーブ(4)の内径にほぼ対応する一方、細長い円筒形部分(14)の外径は渦巻形ケーシング(3)の内径にほぼ対応する。
【0033】
我々は、渦巻形ケーシング(3)の外径は外部スリーブ(4)の内径に対応し、したがって受台(13)の外径にほぼ等しいと理解している。
【0034】
我々は、ここで、摺動部(2)上のスタッド(5)が可撓性のブラケット上に設置されることを述べる。したがって、スタッド(5)は、少なくとも横方向に可撓性であり、すなわちそれらは渦巻形ケーシング(3)の螺旋状開口部(6)の内部に係合する一方、それらは外部スリーブ(4)の長手方向ポート(7)内で動く。
【0035】
我々は、ここで、これらのスタッド(5)は、図5図6図12および図13に示されるように、細長い円筒形部(14)の本体に対して、横方向の突出として現れることを指摘すべきである。可撓性のブラケットは、それらの上側の先端によって摺動部(2)の壁上に保持され、側部切欠きおよび下側切欠きが、少なくとも横方向の可撓性、すなわち少なくとも径方向の可撓性をスタッド(5)に提供する、可撓性のブラケットを画定する。
【0036】
我々は、ここで、渦巻形ケーシング(3)が、その本体部品(8)の円筒形の壁に、その上端に向かって開いている2つの螺旋状開口部(6)を備えることを追加する。
【0037】
このように、渦巻形ケーシング(3)の螺旋状開口部(6)は、これに対して特定の長手方向の可撓性を提供し、摺動部(2)のストロークの端部において、化粧品がその寿命の終わりであるとき、渦巻形ケーシング(3)の可撓性による摺動部(2)のばね効果を生じさせる。
【0038】
この欠点を是正するために、本発明の1つの実施の態様によれば、渦巻形ケーシング(3)は、有利には周囲の、より正確にはその上端において部分的に周囲の、より正確には図14に示されるように螺旋状開口部(6)の上端の、上側溝(17)を備える。
【0039】
用語「部分的に周囲の上側溝」(17)は、螺旋状開口部(6)上へ出る上側開口部が配置される周囲の溝を意味すると解されるべきである。
【0040】
この上側溝(17)に対応して、優先的に周囲にある上側リブ(18)が、外部スリーブ(4)の部分の内部の中へ突出するような態様で、外部スリーブ(4)の内部に配置される。
【0041】
図15に示される実施形態の態様によれば、上側リブ(18)は、周囲にあり、すなわち外部スリーブ(4)の輪郭の内周の全体にわたって突出する。
【0042】
図15に示されるように、上側リブ(18)は長手方向ポート(7)の上方に位置することが理解されるべきである。
【0043】
我々は、ここで、上側リブ(18)と上側溝(17)との組立てが、化粧品がその寿命の終わりに用いられるときに、ストロークの終わりで摺動部(2)のばね効果をなくして、渦巻形ケーシング(3)が外部スリーブ(4)との長手方向の移動において協働することを可能にすることを指摘するべきである。
【0044】
我々は、ここで、図2に示されるように、および本記載のその他の部分でより詳細に説明されたように、螺旋状開口部(6)の下端の下方の、渦巻形ケーシング(3)の円筒形本体部(8)の下部が、外部スリーブ(4)の内壁の下部の内部に配置される内周リブ(10)と係合する、周囲溝(11)を備えることを述べる。
【0045】
外部スリーブ(4)の内周リブ(10)とのこの周囲溝(11)の嵌め合いは、これらの2つの本体部品を所定の位置に保持することだけでなく、これらの2つの部品の互いに対する回転に関与することを可能にする。
【0046】
1つの特徴によれば、螺旋状開口部(6)の下端の下方における、同様に有利には周囲溝(11)の下方における、渦巻形ケーシング(3)の円筒形本体部(8)の下部は、渦巻形ケーシング(3)の外周に沿って規則的に分配される、少なくとも1つの可撓性のスラット(12)、有利には複数の可撓性のスラット(12)、好ましくは4つの可撓性のスラット(12)を備える。
【0047】
示される実施形態の態様によれば、周囲溝(11)は、より正確には連続的に周囲にあり、すなわち周囲の同心の溝の部分を備え、その中に可撓性のスラット(12)が位置する。
【0048】
可撓性のスラット(12)は、渦巻形ケーシング(3)の全体の輪郭を越えて概ね外部に向かって延在し、示される実施形態の態様によれば少なくとも1つの横方向の突出として現れ、その下端によって円筒形本体部(8)に取り付けられる一方、側部切欠きおよび上側切欠きによって円筒形本体部(8)から部分的に離れる。
【0049】
前述の特徴によれば、外部スリーブ(4)が渦巻形ケーシング(3)上に嵌合されるとき、少なくとも1つの可撓性のスラット(12)は、外部スリーブ(4)の内壁と接触し、わずかに内側に縮む。
【0050】
我々は、ここで、これらの可撓性のスラット(12)が、外部スリーブ(4)と渦巻形ケーシング(3)との間の径方向の遊びを吸収し、これらの2部材を制御し、ひいては渦巻形ケーシング(3)と外部スリーブ(4)とからなるアセンブリの回転を遅くし、使用の快適さを与えることを指摘するべきである。
【0051】
示される実施形態の態様によれば、渦巻形ケーシング(3)の円筒形本体部(8)は、クラウン(9)によってその下端に向かって延ばされる。
【0052】
我々は、ここで、本願に示される実施形態の態様によれば、渦巻形ケーシング(3)およびクラウン(9)は同一の本体部の一体部分であることを追加するべきである。
【0053】
我々は、ここで、クラウン(9)の上部が、周囲溝(11)の下方に位置する、周囲ストップリング(15)を備えることを述べるべきである。この周囲ストップリング(15)は、外部スリーブ(4)が渦巻形ケーシング(3)上に嵌合されているとき、および内周リブ(10)との周囲溝(11)の組立てプロセスの間、たわみを下側に制限するという主要な役割を有する。
【0054】
我々は、ここで、周囲ストップリング(15)は、組立て位置にあるとき、外部スリーブ(4)の下端に接触しないことを指摘すべきである。
【0055】
1つの追加的な特徴によれば、クラウン(9)の外面は、等距離にあり、規則的に離間される溝(16)を備える。クラウン(9)は下側の包装部品、すなわち基部の内部に嵌合されるため、既に説明されたように、溝(16)は基部の内部の圧力下でクラウン(9)を保持することに貢献する。
【0056】
既に特定されたように、外部スリーブ(4)は、その円筒形壁に、内部に摺動部(2)からのスタッド(5)が嵌合される、互いに対向して配置される2つの長手方向ポート(7)を備える。
【0057】
使用者が外部スリーブ(4)を保持している間、渦巻形ケーシング(3)は、クラウン(9)と渦巻形ケーシング(3)とからなるアセンブリの軸方向の回転の間に、摺動部(2)を軸方向の移動において駆動させることを可能にする。
【0058】
長手方向ポート(7)は、渦巻形ケーシング(3)の円筒形本体部(8)の高さに対応する長さである。一方、摺動部(2)の細長い円筒形部分(14)の本体は、渦巻形ケーシング(3)の円筒形本体部(8)のそれとほぼ等しい長さを有する。
【0059】
我々は、ここで、長手方向ポート(7)の端部が螺旋状開口部(6)のそれらとほぼ一致することを指摘するべきである。
【0060】
このように、本発明に係る回転機構(1)の特徴的な構造によって、渦巻形ケーシング(3)の円筒形本体部(8)の高さは、外部スリーブ(4)のそれの半分とほぼ等しい、またはさらに大きい。
【0061】
図6に示される実施形態の態様によれば、摺動部(2)の特徴的な構造は、適切な穴を備える摺動部(2)の下部を通した口紅のスティックの成型によって、これが充填されることを可能にする。
【0062】
この特徴は、下側の包装部品、すなわち基部の組立て前に口紅のスティックを成型することを可能にする。この特徴は、充填ミスが起こったときに、回転機構(1)とともに下側の包装部品を廃棄する必要がないという利点を有する。
【0063】
1つの補足的な特徴によれば、下側の包装部品、すなわち基部は、有利には適切なカバーによって覆われる充填穴を有さず、化粧ケースの美観を向上させる。
【0064】
図12および図13に示される実施形態の態様によれば、摺動部(2)の特徴的な構造は、摺動部の上端による口紅のビュレットの固定、すなわち位置決めによって、口紅のスティックを挿入することを可能にし、排気のための穴を備える底部仕切板からなる筐体の内部に格納される。
【0065】
先行する実施形態の態様によれば、化粧品のビュレットを収容するように設計される筐体の底部仕切板は、摺動部(2)の細長い円筒形部分(14)の上部に位置する。
【0066】
我々は、ここで、示された実施形態の態様によれば、摺動部(2)および外部スリーブ(4)の上端は、斜めにされるが、これは他の態様であってもよく、摺動部(2)の上端が斜めにされてもよく、または、摺動部(2)および外部スリーブ(4)の上端は真っ直ぐであってもよいことを述べる。
【0067】
さらに、外部スリーブ(4)のほぼ規則的な、すなわちほぼ一定の直径を有する円筒形状は、プレス加工を通してこの上端を丸くすること、および特に斜めにされた端部の場合に尖った縁部領域のすべての存在を回避して、このように感触が滑らかである外部スリーブ(4)の上端を得ることを可能にする。
図1-2】
図3
図4
図5
図5a
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図12a
図13
図14
図15