(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記制御装置は、前記冷媒検知装置の検知値を一定間隔毎にサンプリングし、前記冷媒検知装置の検知値が前記判定時間ΔTaの間、基準回数連続して閾値C1を超えた場合、冷媒漏洩が発生したと判定する
請求項1〜7のいずれか一項に記載の空気調和装置。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の空気調和装置100の実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、図面の形態は一例であり、本発明を限定するものではない。また、各図において同一の符号を付したものは、同一のまたはこれに相当するものであり、これは明細書の全文において共通している。さらに、以下の図面では各構成部材の大きさの関係が実際のものとは異なる場合がある。
【0013】
実施の形態.
図1は、本発明の実施の形態に係る空気調和装置100の構成の第一の例を示す概略図である。
以下、本実施の形態に係る空気調和装置100の構成について説明する。
空気調和装置100は、後述する冷媒回路101内に冷媒を循環させ、冷凍サイクルを利用した空気調和を行うものである。また、空気調和装置100は、ビル用マルチエアコン等のように、運転する全室内機が冷房を行う全冷房運転、および、運転する全室内機が暖房を行う全暖房運転を選択できるものである。
【0014】
図1に示すように、空気調和装置100は、1台の室外機1と2台の室内機2a、2b(以下、総称を室内機2とする)とを備え、室外機1と室内機2a、2bとは冷媒配管3でそれぞれ接続されている。なお、本実施の形態では、室外機1に室内機2が2台接続されている場合を例に示しているが、それに限定されず、室外機1は複数台でもよいし、室内機2は1台または3台以上でもよい。
【0015】
室内機2a、2bはそれぞれ空調空間4a、4b(以下、総称を空調空間4とする)に設置され、各空調空間4a、4bの空気調和を行う。室外機1と室内機2a、2bとを接続する冷媒配管3の分岐部3a、3bには、冷媒漏洩発生時に冷媒の流れを遮断して冷媒漏洩を抑制するための遮断装置7a、7b(以下、総称を遮断装置7とする)がそれぞれ設けられている。さらに空調空間4a、4bには、冷媒漏洩発生時に利用者に冷媒漏洩を知らせる警報装置6a、6b(以下、総称を警報装置6とする)と、漏洩した冷媒を空調空間4a、4b外へ排気するための換気装置8a、8b(以下、総称を換気装置8とする)とが、それぞれ設けられている。
【0016】
室内機2aまたは空調空間4a、および、室内機2bまたは空調空間4bには、冷媒漏洩を検知するための冷媒検知装置5a、5b(以下、総称を冷媒検知装置5とする)がそれぞれ設けられている。なお、本実施の形態では、室内機2aに冷媒検知装置5aが設けられており、空調空間4bに冷媒検知装置5bが設けられている例を示しているが、それに限定されない。冷媒検知装置5aは、室内機2aまたは空調空間4aの少なくともどちらか一方に設置されていればよく、冷媒検知装置5bは、室内機2bまたは空調空間4bの少なくともどちらか一方に設置されていればよい。
【0017】
冷媒検知装置5、警報装置6、遮断装置7、および、換気装置8は、空気調和装置100から冷媒が漏洩した際の安全対策として設けられている。以下、冷媒検知装置5、警報装置6、遮断装置7、および、換気装置8の総称を、安全対策装置とする。
【0018】
本実施の形態に係る空気調和装置100では、冷媒検知装置5により冷媒漏洩が検知された場合、冷媒漏洩出力信号が、警報装置6、遮断装置7、および、換気装置8へ向けて出力される。そして、その出力された冷媒漏洩出力信号に基づいて、それらの全てもしくは少なくとも1つが動作することで、空調空間4の安全が担保されるようになっている。
【0019】
したがって、冷媒検知装置5、警報装置6、遮断装置7、および、換気装置8は、空気調和装置100から冷媒が漏洩した際の安全対策として設けられているため、通常の冷房運転または暖房運転が行われている際に、何らかの機能を果たすということはない。そのため、空気調和装置100に充填されている冷媒量と空調空間4の容積とから計算した冷媒漏洩時の最大濃度が人体に影響を及ぼす濃度にならない場合は、冷媒検知装置5、警報装置6、遮断装置7、および、換気装置8は、設置されていなくてもよい。
【0020】
図2は、本発明の実施の形態に係る空気調和装置100の構成の第二の例を示す概略図であり、
図3は、本発明の実施の形態に係る空気調和装置100の構成の第三の例を示す概略図であり、
図4は、本発明の実施の形態に係る空気調和装置100の構成の第四の例を示す概略図であり、
図5は、本発明の実施の形態に係る空気調和装置100の構成の第五の例を示す概略図であり、
図6は、本発明の実施の形態に係る空気調和装置100の構成の第六の例を示す概略図であり、
図7は、本発明の実施の形態に係る空気調和装置100の構成の第七の例を示す概略図である。
【0021】
なお、警報装置6、遮断装置7、および、換気装置8は、これらのうち、いずれか1種類以上が設置されていればよい。これらのうち、1種類または2種類が設置されている場合を
図2〜
図8に示す。
【0022】
図2は、安全対策として、警報装置6a、6bが空調空間4a、4bにそれぞれ設けられている場合の空気調和装置100である。
図3は、安全対策として、遮断装置7a、7bが冷媒配管3の分岐部3a、3bにそれぞれ設けられている場合の空気調和装置100である。
図4は、安全対策として、換気装置8a、8bが空調空間4a、4bにそれぞれ設けられている場合の空気調和装置100である。
図5は、安全対策として、警報装置6a、6bが空調空間4a、4bにそれぞれ設けられており、遮断装置7a、7bが冷媒配管3の分岐部3a、3bにそれぞれ設けられている場合の空気調和装置100である。
【0023】
図6は、安全対策として、警報装置6a、6bおよび換気装置8a、8bが空調空間4a、4bにそれぞれ設けられている場合の空気調和装置100である。
図7は、安全対策として、遮断装置7が室外機1の内部の冷媒配管3に設けられている場合の空気調和装置100である。なお、遮断装置7は、空調空間4a、4bの外部に設けられていればよいため、
図7に示すように、室外機1の内部に設けられていてもよい。
【0024】
図8は、本発明の実施の形態に係る空気調和装置100の構成の第八の例を示す概略図である。
図8に示すように、本実施の形態に係る空気調和装置100では、複数の室内機2a、2bが、同一の空調空間4に設置されていてもよい。この場合、安全対策として、例えば、警報装置6が空調空間4に設けられており、遮断装置7a、7bが冷媒配管3の分岐部3a、3bにそれぞれ設けられている。
【0025】
次に、本実施の形態に係る空気調和装置100の冷媒回路101構成について説明する。
図9は、本発明の実施の形態に係る空気調和装置100の冷媒回路101構成の一例を示す概略図である。
本実施の形態に係る空気調和装置100は、
図9に示すように、圧縮機10、冷媒流路切替装置11、熱源側熱交換器12、絞り装置41a、41b、負荷側熱交換器40a、40b、アキュムレータ13が冷媒配管3で順次接続され、冷媒が循環する冷媒回路101を備えている。以下、絞り装置41a、41bの総称を絞り装置41とし、負荷側熱交換器40a、40bの総称を負荷側熱交換器40とする。
【0026】
[室外機1]
室外機1は、熱源として機能するものであり、圧縮機10と、冷媒流路切替装置11と、熱源側熱交換器12と、アキュムレータ13と、を備えている。また、熱源側熱交換器12の付近には、熱源側熱交換器12に空気を送風する室外送風機14が設けられている。
【0027】
圧縮機10は、低温低圧の冷媒を吸入し、その冷媒を圧縮して高温高圧の状態にするものであり、容量制御可能なインバータ圧縮機等で構成されている。冷媒流路切替装置11は、冷房運転時における冷媒の流れと暖房運転時における冷媒の流れとを切り替えるものであり、四方弁等で構成されている。
【0028】
熱源側熱交換器12は、冷房運転時には凝縮器として機能し、暖房運転時には蒸発器として機能し、ファン等の室外送風機14から供給される空気と冷媒との間で熱交換を行うものである。
【0029】
また、室外機1には、圧力を検知する第一圧力検知装置20および第二圧力検知装置21が設けられている。第一圧力検知装置20は、圧縮機10の吐出側と冷媒流路切替装置11とを繋ぐ冷媒配管3に設けられており、圧縮機10により圧縮され、吐出された高温高圧の冷媒の圧力を検知するものである。また、第二圧力検知装置21は、冷媒流路切替装置11と圧縮機10の吸入側とを繋ぐ冷媒配管3に設けられており、圧縮機10に吸入される低温低圧の冷媒の圧力を検知するものである。
【0030】
また、室外機1には、温度を検知する第一温度検知装置22が設けられている。第一温度検知装置22は、圧縮機10の吐出側と冷媒流路切替装置11とを繋ぐ冷媒配管3に設けられており、圧縮機10により圧縮され、吐出された高温高圧の冷媒の温度を検知するものであり、サーミスタ等で構成されている。
【0031】
[室内機2a、2b]
室内機2a、2bは、空調空間4a、4bを空気調和するものであり、それぞれ負荷側熱交換器40a、40bと、絞り装置41a、41bと、を備えている。また、負荷側熱交換器40a、40bの付近には、負荷側熱交換器40a、40bに空気を送風する室内送風機42a、42b(以下、総称を室内送風機42とする)がそれぞれ設けられている。また、室内機2a、2bは、冷媒配管3を介して室外機1と接続され、冷媒が流入出するようになっている。
【0032】
負荷側熱交換器40は、冷房運転時には蒸発器として機能し、暖房運転時には凝縮器として機能し、ファン等の室内送風機42から供給される空気と冷媒との間で熱交換を行い、空調空間4に供給するための暖房用空気または冷房用空気を生成するものである。絞り装置41は、減圧弁および膨張弁としての機能を有し、冷媒を減圧して膨張させるものであり、開度が可変に制御可能なもの、例えば電子式膨張弁等で構成されている。
【0033】
また、室内機2a、2bには、温度を検知する第二温度検知装置50a、50b(以下、総称を第二温度検知装置50とする)、第三温度検知装置51a、51b(以下、総称を第三温度検知装置51とする)、および、第四温度検知装置52a、52b(以下、総称を第四温度検知装置52とする)がそれぞれ設けられている。
【0034】
第二温度検知装置50は、絞り装置41と負荷側熱交換器40とを繋ぐ冷媒配管3に設けられており、冷房運転時に負荷側熱交換器40に流入する冷媒の温度を検知するものである。また、第三温度検知装置51は、負荷側熱交換器40に対して絞り装置41とは反対側の冷媒配管3に設けられており、冷房運転時に負荷側熱交換器40から流出する冷媒の温度を検知するものである。さらに、第四温度検知装置52は、負荷側熱交換器40の空気吸込み部に設けられており、空調空間4の空気温度を検知するものである。
【0035】
第二温度検知装置50、第三温度検知装置51、および、第四温度検知装置52は、サーミスタ等で構成されている。
【0036】
[制御装置30]
また、室外機1は、制御装置30を備えている。制御装置30は、例えば、専用のハードウェア、またはメモリに格納されるプログラムを実行するCPU(Central Processing Unit、中央処理装置、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、プロセッサともいう)で構成されている。
【0037】
図10は、本発明の実施の形態に係る空気調和装置100の機能ブロックである。
制御装置30は、
図10に示すように、メイン制御部31と、タイマ部32と、記憶部33と、駆動部34と、を備えている。
メイン制御部31は、各種検知装置の検知値、および、リモコン(図示せず)からの指示に基づいて、警報装置6のON/OFF、遮断装置7の開閉、換気装置8の回転数(ON/OFF含む)、圧縮機10の周波数、熱源側熱交換器12の室外送風機14の回転数(ON/OFF含む)、冷媒流路切替装置11の切り替え、絞り装置41の開度、および、負荷側熱交換器40の室内送風機42の回転数(ON/OFF含む)の制御を駆動部34に指示するものである。
【0038】
なお、各種検知装置には、冷媒検知装置5、第一圧力検知装置20、第二圧力検知装置21、第一温度検知装置22、第二温度検知装置50、第三温度検知装置51、および、第四温度検知装置52が含まれている。
【0039】
タイマ部32は、時間を計測するものである。記憶部33は、後述する閾値C1等の各種情報を記憶するものである。
駆動部34は、メイン制御部31からの指示に基づいて、警報装置6のON/OFF、遮断装置7の開閉、換気装置8の回転数(ON/OFF含む)、圧縮機10の周波数、熱源側熱交換器12の室外送風機14の回転数(ON/OFF含む)、冷媒流路切替装置11の切り替え、絞り装置41の開度、および、負荷側熱交換器40の室内送風機42の回転数(ON/OFF含む)を制御するものである。
【0040】
なお、本実施の形態では、制御装置30が室外機1に設けられている例を示しているが、それに限定されず、室外機1および室内機2a、2bのユニット毎に別々に設けてもよいし、室外機1または室内機2a、2bのどちらかに設けてもよい。また、制御装置30がタイマ部32および記憶部33を備えている構成としたが、それに限定されず、タイマ部32および記憶部33を制御装置30とは別体として設けられている構成としてもよい。
【0041】
なお、遮断装置7は、室内機2もしくはその近傍から冷媒漏洩が発生した場合に、室外機1から空調空間4への冷媒漏洩を抑制するために、冷媒配管3の流れを遮断するものである。したがって、遮断装置7は、冷媒回路101内の冷媒流れを遮断できればどのようなものでもよく、例えば電磁弁のように開閉のどちらかのみに制御可能なものでもよいし、電子膨張弁のように開度が可変に制御可能なものでもよい。
【0042】
[全冷房運転]
図11は、本発明の実施の形態に係る空気調和装置100の全冷房運転時における冷媒の流れを示す冷媒回路101図である。なお、
図11中において、冷媒の流れ方向は、実線矢印で示されている。また、冷媒流路切替装置11は、圧縮機10の吐出側と熱源側熱交換器12とが接続されるように、切り替えられている。この
図11では、負荷側熱交換器40a、40bで冷熱負荷が発生している場合を例に、空気調和装置100の全冷房運転について説明する。
【0043】
全冷房運転の場合、低温低圧の冷媒が圧縮機10によって圧縮され、高温高圧のガス冷媒となって吐出される。圧縮機10から吐出された高温高圧のガス冷媒は、冷媒流路切替装置11を介して熱源側熱交換器12に流入する。熱源側熱交換器12に流入した高温高圧ガス冷媒は、室外空気に放熱しながら凝縮し高圧の液冷媒となる。そして、熱源側熱交換器12から流出した高圧の液冷媒は室外機1から流出し、冷媒配管3を通り、室内機2a、2bに流入する。このとき、遮断装置7a、7bは、冷媒流れの妨げとならないように開状態となっている。
【0044】
室内機2a、2bに流入した高圧の液冷媒は、絞り装置41a、41bによって低温低圧の二相冷媒に減圧された後、蒸発器として作用する負荷側熱交換器40a、40bに流入し、室内空気から吸熱することで室内空気を冷却し、低温低圧のガス冷媒となる。負荷側熱交換器40a、40bから流出した低温低圧のガス冷媒は、冷媒配管3を通り室外機1へ流入する。室外機1に流入した冷媒は、冷媒流路切替装置11およびアキュムレータ13を通り、圧縮機10へ吸入される。
【0045】
制御装置30は、第二温度検知装置50a、50bで検知された温度と、第三温度検知装置51a、51bで検知された温度との差として得られるスーパーヒート(過熱度)が一定となるように、絞り装置41a、41bの開度を制御する。そうすることで、空調空間4a、4bの熱負荷に応じた能力を発揮することができ、効率のよい運転が可能となる。
【0046】
[全暖房運転]
図12は、本発明の実施の形態に係る空気調和装置100の全暖房運転時における冷媒の流れを示す冷媒回路101図である。なお、
図12中において、冷媒の流れ方向は、実線矢印で示されている。また、冷媒流路切替装置11は、圧縮機10の吐出側と遮断装置7a、7bとが接続されるように、切り替えられている。この
図12では、負荷側熱交換器40a、40bで温熱負荷が発生している場合を例に、空気調和装置100の全暖房運転について説明する。
【0047】
全暖房運転の場合、低温低圧の冷媒が圧縮機10によって圧縮され、高温高圧のガス冷媒となって吐出される。圧縮機10から吐出された高温高圧のガス冷媒は、冷媒流路切替装置11を介して冷媒配管3を通り室内機2a、2bに流入する。このとき、遮断装置7a、7bは、冷媒流れの妨げとならないように開状態となっている。
【0048】
室内機2a、2bに流入した高温高圧ガス冷媒は、負荷側熱交換器40a、40bで室内空気に放熱し、高圧の液冷媒となり、絞り装置41a、41bへ流入する。そして、絞り装置41a、41bによって低温低圧の二相冷媒に減圧された後、室内機2a、2bを流出し、冷媒配管3を通り、室外機1へ流入する。
【0049】
室外機1へ流入した低温低圧の二相冷媒は、熱源側熱交換器12に流入し、室外空気から吸熱することで低温低圧のガス冷媒となる。熱源側熱交換器12を出た低温低圧のガス冷媒は、冷媒流路切替装置11およびアキュムレータ13を通り、圧縮機10へ吸入される。
【0050】
制御装置30は、第一圧力検知装置20で検知された圧力から算出された冷媒の飽和液温度と、第二温度検知装置50で検知された温度との差として得られるサブクール(過冷却度)が一定となるように、絞り装置41a、41bの開度を制御する。そうすることで、空調空間4a、4bの熱負荷に応じた能力を発揮することができ、効率のよい運転が可能となる。
【0051】
次に、本実施の形態に係る空気調和装置100の冷媒漏洩の誤検知回避動作について説明する。
図13は、従来の空気調和装置の冷媒漏洩の誤検知動作の一例を説明する図であり、
図14は、本発明の実施の形態に係る空気調和装置100の冷媒漏洩の誤検知回避動作を説明する図である。
従来、空気調和装置の制御装置は冷媒濃度の閾値を有し、冷媒漏洩装置により検知した検知値(冷媒濃度)が閾値を超えた場合に、冷媒漏洩が発生したと判定する方法が一般的であった。しかしながら、この手法では、
図13に示すように雑ガス、ノイズ等によって一次的に冷媒濃度が閾値を超えてしまった場合でも冷媒漏洩と判定してしまい、冷媒漏洩の誤検知が発生してしまっていた。
【0052】
そこで、本実施の形態に係る空気調和装置100の制御装置30は、前述のような冷媒漏洩の誤検知を回避するための冷媒漏洩判定機能を備えたことを特徴としている。
以下、冷媒漏洩判定機能についての詳しい説明を行う。
【0053】
[冷媒漏洩判定機能]
空気調和装置100の制御装置30の冷媒漏洩判定機能とは、冷媒漏洩判定時間および冷媒濃度の閾値の二つを用いて冷媒漏洩が発生しているかどうかを判定する機能である。
【0054】
以下に、冷媒漏洩判定機能に関するより具体的な説明を行う。冷媒漏洩が発生した場合、冷媒漏洩が発生してから空調空間4の冷媒濃度がC(kg/m
3)となるまでの時間ΔT(s)は次式で表される。
【0055】
[数1]
ΔT=C×A×H/G (1)
【0056】
式1中のAは空調空間4の床面積(m
2)、Hは空調空間4の天井高さ(m)、Gは冷媒の漏洩速度(kg/s)である。
【0057】
また、冷媒濃度の閾値をC1(kg/m
3)とすると、冷媒漏洩が発生してから閾値C1に到達するまでの時間ΔT1(s)は次式で表される。
【0058】
[数2]
ΔT1=C1×A×H/G (2)
【0059】
また、燃焼下限界LFL(kg/m
3)を用いて、空調空間4の冷媒濃度がLFL/2(kg/m
3)になる前に冷媒漏洩を検知すれば、空調空間4には問題となるような可燃域ができないことが、冷凍空調学会発行のRisk Assessment of Mildly Flammable Refrigerants Final Report 2016(2017年3月)の221ページ(http://www.jsrae.or.jp/committee/binensei/final_report_2016r1_en.pdf)で報告されている。
【0060】
したがって、空調空間4の冷媒濃度がLFL/2(kg/m
3)になる前に冷媒漏洩を検知して、安全対策装置を動作させれば、空調空間4内での着火を抑制することができる。ここで、冷媒漏洩が発生してから空調空間4の冷媒濃度がLFL/2になるまでの時間ΔT2(s)は次式で表される。
【0061】
[数3]
ΔT2=(LFL/2)×A×H/G (3)
【0062】
以上より、安全対策装置がすぐに動作する場合、制御装置30は、冷媒漏洩が発生した時の時間を基準として、冷媒検知装置5によりΔT1秒後に閾値C1の冷媒濃度を検知し、空調空間4の冷媒濃度がLFL/2になるΔT2秒後よりも前に冷媒漏洩が発生したと判定すれば、安全性は確保されていることになる。
【0063】
冷媒漏洩が発生してから制御装置30が冷媒漏洩と判定するまでに許容される最大時間である判定時間ΔTa(s)は次式で表される。
【0064】
[数4]
ΔTa=ΔT2−ΔT1=((LFL/2)−C1)×A×H/G (4)
【0065】
冷媒漏洩は、冷媒配管3の亀裂および室内機2内の熱交換器の腐食等によって発生する。すなわち、一旦冷媒漏洩が発生すると、冷媒が漏れている穴が塞がることはないため、空気調和装置100内の冷媒が少なくなるまで、冷媒漏洩が継続する。一方、冷媒漏洩の誤検知の要因となる除菌用のスプレー等は、短い時間に散布される。
【0066】
したがって、冷媒漏洩の誤検知を抑制するためには、冷媒検知装置5により閾値C1を超えた冷媒濃度を検知してから、一定時間連続して閾値C1を超えた冷媒濃度を検知した場合に冷媒漏洩と判定する、という方法が考えられる。ただし、冷媒検知装置5からの検知信号の伝送エラーが発生する可能性はあるが、信号の伝送エラーは発生したとしても小さな割合であるため、閾値C1を超えている時間が所定の割合以上であることを判定基準とすると、信号の伝送エラーを抑制できる。
【0067】
すなわち、制御装置30が、冷媒漏洩が発生してから判定時間ΔTa(s)が経過するまでに、冷媒検知装置5により検知した冷媒濃度が、閾値C1を常時超えている、または、閾値C1を超えている時間が所定の割合以上である、という判定基準に基づいて、冷媒の漏洩判定を行うことで、冷媒漏洩の誤検知を抑制することができる。
【0069】
空気調和装置100の制御装置30の制御間隔は、短い場合でも10秒以上であり、冷媒漏洩の誤検知を抑制するためには、この制御間隔で複数回冷媒漏洩を検知する必要がある。また、除菌スプレー等を散布する時間は、高々数秒程度と思われる。よって、冷媒検知装置5により20秒以上連続して閾値C1を超えた冷媒濃度を検知することが、最短の冷媒漏洩の判定時間であり、判定時間ΔTaは20(s)以上の値とする必要がある。
【0070】
また、冷媒回路101に充填されている冷媒が全部漏洩してしまう前に、冷媒の漏洩判定を行う必要があるため、冷媒回路101に充填されている冷媒量M(kg)は次式を満たす必要がある。
【0072】
また、冷凍空調学会発行のRisk Assessment of Mildly Flammable Refrigerants Final Report 2016(2017年3月)の221ページ(http://www.jsrae.or.jp/committee/binensei/final_report_2016r1_en.pdf)の198ページによると、空調調和装置の室内機での冷媒の漏洩速度は10(kg/h)=10/3600(kg/s)となっている。また、標準的な室内の天井高さは2.2(m)であることも考慮すると式(1)から式(5)は、それぞれ次のように表される。
【0073】
[数1A]
ΔT=C×A×H/G
=C×A×2.2/(10/3600)
=792×C×A (6)
【0074】
[数2A]
ΔT1=C1×A×H/G
=C1×A×2.2/(10/3600)
=792×C1×A (7)
【0075】
[数3A]
ΔT2=(LFL/2)×A×H/G
=(LFL/2)×A×2.2/(10/3600)
=396×LFL×A (8)
【0076】
[数4A]
ΔTa=((LFL/2)−C1)×A×H/G
=((LFL/2)−C1)×A×2.2/(10/3600)
=792×(LFL/2−C1)×A (9)
[数5A]
M≧ΔT2×G
=(LFL/2)×A×(H/G)×G
=396×LFL×A×G
=(LFL/2)×A×H
=(LFL/2)×A×2.2
=1.1×LFL×A (10)
【0077】
例として、冷媒回路101に充填されている冷媒をR32冷媒とし、空調空間4の床面積Aを9(m
2)とし、冷媒検知装置5の閾値C1を0.0307(kg/m
3)とすると、R32冷媒のLFLは0.307(kg/m
3)であるため、ΔT1は約219秒(≒3.7分)、ΔT2は約1094秒(≒18.2分)、ΔTaは約875秒(≒14.5分)、Mは約3.0(kg)となる。
【0078】
前述のR32冷媒の例においては、閾値C1を超えた冷媒濃度を検知してから冷媒漏洩と判定するまでに許容される最大時間である、判定時間ΔTa(s)を約875秒に設定しても空調空間4の安全性は担保できる。当然であるが、判定時間ΔTa(s)は許容される最大時間であるため、実際の運用の際には、より小さい値に設定してもよい。
【0079】
なお、冷媒回路101に充填される冷媒量はあらかじめ決まっているため、漏洩する冷媒のLFLはあらかじめ分かっている。また、使用される冷媒検知装置5によって、閾値C1もあらかじめ決まっている。そこで、式(9)のLFLおよびC1は定数として設定することが可能であり、R32冷媒を使用し、閾値C1を0.0307(kg/m
3)とすると、式(9)は次式になり、ΔTaは床面積Aのみの値で算出できる。
【0080】
[数4B]
ΔTa=((LFL/2)−C1)×A×H/G
=792×(0.307/2−0.037)×A
=92.268×A (11)
【0081】
また、一般的な空調空間4の空調負荷Lは0.1(kW/m
2)等の値を取る。室内機2の空調能力Q(kW)は制御装置30の記憶部33に記憶されているため、この室内機2の空調能力Qおよび空調負荷Lを用いれば、床面積Aを求めることができ、次式でもΔTaが計算できる。すなわち、ΔTaは室内機2の空調能力Qのみの値で算出できる。なお、1つの空調空間4に複数の室内機2が設置されている場合は、その複数の室内機2の合計の空調能力をQとすればよい。
【0082】
[数4C]
ΔTa=((LFL/2)−C1)×(Q/L)×H/G
=792×(0.307/2−0.037)×(Q/0.1)
=922.68×Q (12)
【0083】
また、式(9)を書き換えると次式になり、式(13)で計算される値でΔTaを規定してよい。
【0084】
[数4D]
ΔTa=((LFL/2)−C1)×(Q/L)×H/G
=792×((LFL/2)−C1)×(Q/0.1)
=7920×((LFL/2)−C1)×Q (13)
【0085】
同様に、式(10)を書き換えると次式になり、式(14)で計算される値でMを規定してよい。
【0086】
[数5B]
M≧ΔT2×G
=(LFL/2)×(Q/L)×(H/G)×G
=(LFL/2)×(Q/L)×H
=(LFL/2)×(Q/0.1)×2.2
=11×LFL×Q (14)
【0087】
したがって、制御装置30は、
図14に示すように、電気的なノイズおよび空気中の有機化合物系を初めとする雑ガスによって、冷媒検知装置5により閾値C1を超えた冷媒濃度を検知してもすぐには冷媒漏洩と判定しない。そして、制御装置30は、判定時間ΔTa(s)の間における冷媒検知装置5の検知値Cdから、本当に冷媒漏洩が発生しているかどうかを判定することが可能となり、冷媒漏洩の誤検知を抑制することが可能となる。
【0088】
次に、冷媒漏洩の誤検知抑制方法に関する具体的例を説明する。判定時間ΔTa(s)を用いた冷媒漏洩の誤検知抑制方法として、以下のような対応が可能である。
冷媒漏洩が発生していると判定する条件を、冷媒検知装置5による検知値Cdが、閾値C1(kg/m
3)を超えてから判定時間ΔTa(s)が経過するまでの間、常時閾値C1を超えているという条件にすると、空気中の雑ガスによる冷媒漏洩の誤検知を抑制することができる。
【0089】
その他にも、冷媒漏洩が発生していると判定する条件を、冷媒検知装置5による検知値Cdが、閾値C1(kg/m
3)を超えてから判定時間ΔTa(s)が経過するまでの間、閾値C1を超えている割合が所定割合以上であるという条件にしても、空気中の雑ガスによる冷媒漏洩の誤検知を抑制することができる。
【0090】
さらに別の判定条件として、冷媒検知装置5による検知値Cdを一定間隔毎にサンプリングし、冷媒検知装置5による検知値Cdが、判定時間ΔTa(s)が経過するまでの間、基準回数連続して閾値C1を超えている場合に冷媒漏洩が発生していると判定してもよい。
【0091】
なお、本実施の形態では、前述の冷媒漏洩判定機能の説明に際して、冷媒回路101に充填されている冷媒を可燃性冷媒であるR32冷媒とし、冷媒の燃焼下限界LFLを用いた説明を行った。しかしながら、冷媒回路101に充填されている冷媒を可燃性冷媒に限定するものではなく、不燃性冷媒または毒性冷媒とし、不燃性冷媒および毒性冷媒の冷媒濃度限界RCL(Refrigerant Concentration Limit)を用いても、同様の効果を得ることができる。
【0092】
図15は、本発明の実施の形態に係る空気調和装置100の冷媒漏洩の検知動作の制御フローの第一の例を示す図である。
次に、本実施の形態に係る空気調和装置100の冷媒漏洩の検知動作の制御フローの第一の例について、
図15を用いて説明する。
【0093】
まず、メイン制御部31は、冷媒検知装置5による検知値Cdが、記憶部33に記憶されている閾値C1を超えているかどうかを判定する(ステップS1A)。
【0094】
メイン制御部31は、検知値Cdが、閾値C1を超えていると判定した場合(ステップS1AのYES)、タイマ部32により時間tの計測を開始する(ステップS2A)。
【0095】
ステップS2Aの後、メイン制御部31は、時間tが、記憶部33に記憶されている判定時間ΔTaを超えているかどうかを判定する(ステップS3A)。
【0096】
メイン制御部31は、時間tが、判定時間ΔTaを超えていないと判定した場合(ステップS3AのNO)、検知値Cdが、閾値C1を超えているかどうかを判定する(ステップS4A)。
【0097】
ステップS4Aにおいて、メイン制御部31は、検知値Cdが、閾値C1を超えていないと判定した場合(ステップS4AのNO)、処理を終了する。
【0098】
一方、メイン制御部31は、検知値Cdが、閾値C1を超えていると判定した場合(ステップS4AのYES)、ステップS3Aに戻る。
【0099】
ステップS3Aにおいて、メイン制御部31は、時間tが、判定時間ΔTaを超えていると判定した場合(ステップS3AのYES)、駆動部34により安全対策装置を動作させる。つまり、メイン制御部31は、警報装置6ならONにし、遮断装置7なら開にし、換気装置8ならONにする(ステップS5A)。
【0100】
以上より、メイン制御部31は、検知値Cdが、閾値C1を超えている間、ステップS3AおよびS4Aの処理を繰り返し、判定時間ΔTaの間、検知値Cdが閾値C1を常時超えた場合、安全対策装置を動作させている。
【0101】
図16は、本発明の実施の形態に係る空気調和装置100の冷媒漏洩の検知動作の制御フローの第二の例を示す図である。
次に、本実施の形態に係る空気調和装置100の冷媒漏洩の検知動作の制御フローの第二の例について、
図16を用いて説明する。
【0102】
まず、メイン制御部31は、タイマ部32により時間tの計測を開始し、オン時間Δtonおよびオフ時間Δtoffをリセットして0にする(ステップS1B)。ここで、オン時間Δtonとは、検知値Cdが、閾値C1を超えた時間の合計であり、オフ時間Δtoffとは、検知値Cdが、閾値C1を超えていない時間の合計である。次に、メイン制御部31は、冷媒検知装置5による検知値Cdが、記憶部33に記憶されている閾値C1を超えているかどうかを判定する(ステップS2B)。
【0103】
メイン制御部31は、検知値Cdが、閾値C1を超えていると判定した場合(ステップS2BのYES)、オン時間Δtonに時間を加算し(ステップS3B)、ステップS5Bに進む。
【0104】
一方、メイン制御部31は、検知値Cdが、閾値C1を超えていないと判定した場合(ステップS2BのNO)、オフ時間Δtoffに時間を加算し(ステップS4B)、ステップS5Bに進む。なお、ステップS4Bの処理は、省略可能である。
【0105】
ここで、ステップS3BおよびS4Bにおいて、オン時間Δtonまたはオフ時間Δtoffに加算する時間とは、前回のステップS2Bでの判定処理を行ってから今回のステップS2Bを行うまでの時間である。例えば、メイン制御部31が、1秒毎にステップS2Bでの判定処理行っている場合は、上記の加算する時間は1秒となる。
【0106】
ステップS5Bにおいて、メイン制御部31は、時間tが、記憶部33に記憶されている判定時間ΔTaを超えているかどうかを判定する。
【0107】
メイン制御部31は、時間tが、判定時間ΔTaを超えていると判定した場合(ステップS5BのYES)、ステップS6Bに進む。
【0108】
一方、メイン制御部31は、時間tが、判定時間ΔTaを超えていないと判定した場合(ステップS5BのNO)、ステップS2Bに戻る。つまり、メイン制御部31は、時間tが、判定時間ΔTaを超えるまで、ステップS2B〜S5Bの処理を繰り返す。そして、判定時間ΔTaの間に、検知値Cdが、閾値C1を超えている時間の合計であるΔオン時間ton、および、判定時間ΔTaの間に、検知値Cdが、閾値C1を超えていない時間の合計であるオフ時間Δtoffを求める。
【0109】
ステップS6Bにおいて、メイン制御部31は、オン時間Δtonが、記憶部33に記憶されている基準時間xΔTaを超えているかどうかを判定する。ここで、基準時間xΔTaについて、例えば、判定時間ΔTaが30秒で、あらかじめ設定された割合xを8割とした場合、基準時間xΔTaは、30×(8/10)=24秒となる。
【0110】
メイン制御部31は、オン時間Δtonが、基準時間xΔTaを超えていると判定した場合(ステップS6BのYES)、駆動部34により安全対策装置を動作させる。つまり、メイン制御部31は、警報装置6ならONにし、遮断装置7なら開にし、換気装置8ならONにする(ステップS7B)。
【0111】
一方、メイン制御部31は、オン時間Δtonが、基準時間xΔTaを超えていないと判定した場合(ステップS6BのNO)、処理を終了する。
【0112】
以上より、メイン制御部31は、判定時間ΔTaの間に、検知値Cdが、閾値C1を超えた時間の合計を計測し、計測した時間の合計が基準時間xΔTa以上である場合、安全対策装置を動作させている。
【0113】
図17は、本発明の実施の形態に係る空気調和装置100の冷媒漏洩の検知動作の制御フローの第三の例を示す図である。
次に、本実施の形態に係る空気調和装置100の冷媒漏洩の検知動作の制御フローの第三の例について、
図17を用いて説明する。
【0114】
まず、メイン制御部31は、タイマ部32により時間tの計測を開始し、カウンタKをリセットして0にする(ステップS1C)。次に、メイン制御部31は、冷媒検知装置5による検知値Cdが、記憶部33に記憶されている閾値C1を超えているかどうかを判定する(ステップS2C)。
【0115】
メイン制御部31は、検知値Cdが、閾値C1を超えていると判定した場合(ステップS2CのYES)、カウンタKに1を加算し(ステップS3C)、ステップS5Cに進む。
【0116】
一方、メイン制御部31は、検知値Cdが、閾値C1を超えていないと判定した場合(ステップS2CのNO)、カウンタKをリセットし(ステップS4C)、ステップS5Cに進む。
【0117】
ステップS5Cにおいて、メイン制御部31は、カウンタKの値が、記憶部33に記憶されている基準回数Kaに達しているかどうかを判定する。
【0118】
メイン制御部31は、カウンタKの値が、基準回数Kaに達していると判定した場合(ステップS5CのYES)、駆動部34により安全対策装置を動作させる。つまり、メイン制御部31は、警報装置6ならONにし、遮断装置7なら開にし、換気装置8ならONにする(ステップS7C)。
【0119】
一方、メイン制御部31は、カウンタKの値が、基準回数Kaに達していないと判定した場合(ステップS5CのNO)、ステップS6Cに進む。
【0120】
ステップS6Cにおいて、メイン制御部31は、時間tが、記憶部33に記憶されている判定時間ΔTaを超えているかどうかを判定する。
【0121】
メイン制御部31は、時間tが、判定時間ΔTaを超えていると判定した場合(ステップS6CのYES)、処理を終了する。
【0122】
一方、メイン制御部31は、時間tが、判定時間ΔTaを超えていないと判定した場合(ステップS6CのNO)、ステップS2Cに戻る。つまり、メイン制御部31は、時間tが、判定時間ΔTaを超えるまで、ステップS2C〜S5Cの処理を繰り返し、判定時間ΔTaの間に、検知値Cdが、基準回数Ka連続して閾値C1を超えたかどうかを判定している。
【0123】
以上より、メイン制御部31は、判定時間ΔTaの間に、検知値Cdが、連続して閾値C1を超えた回数を計測し、計測した回数が基準回数Ka以上である場合、安全対策装置を動作させている。
【0124】
以上、本実施の形態に係る空気調和装置100は、冷媒回路101からの冷媒漏洩を検知する冷媒検知装置5と、冷媒検知装置5の検知値Cdが判定時間ΔTの間、閾値C1を常時超えた場合、または、冷媒検知装置5の検知値Cdが判定時間ΔTの間、閾値C1を基準時間xΔTa以上超えた場合、冷媒漏洩が発生したと判定する制御装置30と、を備えたものである。
【0125】
本実施の形態に係る空気調和装置100によれば、制御装置30は、冷媒検知装置5の検知値Cdが判定時間ΔTの間、閾値C1を常時超えた場合、または、冷媒検知装置5の検知値Cdが判定時間ΔTの間、閾値C1を基準時間xΔTa以上超えた場合、冷媒漏洩が発生したと判定するため、冷媒漏洩の誤検知を抑制することができる。
【0126】
また、本実施の形態に係る空気調和装置100は、警報装置6、換気装置8、遮断装置7のうち少なくとも一つを備え、制御装置30は、冷媒漏洩が発生したと判定したら、警報装置6、換気装置8、遮断装置7のうち少なくとも一つを動作させるものである。
【0127】
本実施の形態に係る空気調和装置100によれば、冷媒漏洩が発生したと判定したら安全対策装置を動作させることで、空調空間4内での着火を抑制することができ、空調空間4の安全を担保することができる。
【0128】
また、本実施の形態に係る空気調和装置100は、制御装置30は、冷媒検知装置5の検知値を一定間隔毎にサンプリングし、冷媒検知装置5の検知値が判定時間ΔTaの間、基準回数Ka連続して閾値C1を超えた場合、冷媒漏洩が発生したと判定するものである。
【0129】
本実施の形態に係る空気調和装置100によれば、制御装置30は、冷媒検知装置5の検知値を一定間隔毎にサンプリングし、冷媒検知装置5の検知値が判定時間ΔTaの間、基準回数Ka連続して閾値C1を超えた場合、冷媒漏洩が発生したと判定するため、冷媒漏洩の誤検知を抑制することができる。