特許第6972140号(P6972140)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6972140電力制御装置、および、電力制御装置の制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6972140
(24)【登録日】2021年11月5日
(45)【発行日】2021年11月24日
(54)【発明の名称】電力制御装置、および、電力制御装置の制御方法
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/00 20060101AFI20211111BHJP
   B60L 3/00 20190101ALI20211111BHJP
   B60L 9/18 20060101ALI20211111BHJP
   B60L 50/60 20190101ALI20211111BHJP
   B60L 58/21 20190101ALI20211111BHJP
   B60L 58/19 20190101ALI20211111BHJP
   B62J 43/16 20200101ALI20211111BHJP
   B62M 7/12 20060101ALI20211111BHJP
【FI】
   H02J7/00 P
   H02J7/00 K
   H02J7/00 Q
   H02J7/00 302C
   B60L3/00 S
   B60L9/18 J
   B60L50/60
   B60L58/21
   B60L58/19
   B62J43/16
   B62M7/12
【請求項の数】14
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2019-540258(P2019-540258)
(86)(22)【出願日】2017年9月8日
(86)【国際出願番号】JP2017032576
(87)【国際公開番号】WO2019049338
(87)【国際公開日】20190314
【審査請求日】2020年1月30日
(73)【特許権者】
【識別番号】000002037
【氏名又は名称】新電元工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100137523
【弁理士】
【氏名又は名称】出口 智也
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100105153
【弁理士】
【氏名又は名称】朝倉 悟
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 毅
(72)【発明者】
【氏名】目黒 一由希
(72)【発明者】
【氏名】井ノ口 雄大
【審査官】 早川 卓哉
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2018/123391(WO,A1)
【文献】 特開2016−163410(JP,A)
【文献】 特開2004−282800(JP,A)
【文献】 特開2015−230784(JP,A)
【文献】 特開2015−012670(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J7/00−7/12
H02J7/34−7/36
B60L1/00−3/12
B60L7/00−13/00
B60L15/00−58/40
B62J1/00−99/00
B62M1/00−29/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のバッテリの正極が接続可能になっている第1の正バッテリ端子、及び前記第1のバッテリの負極が接続可能になっている第1の負バッテリ端子と、
第2のバッテリの正極が接続可能になっている第2の正バッテリ端子、及び前記第2のバッテリの負極が接続可能になっている第2の負バッテリ端子と、
充電器の高電位側の出力が接続され、前記充電器の高電位側の電圧が印加される第1の充電端子と、
前記充電器の低電位側の出力が接続され、前記充電器の低電位側の電圧が印加される第2の充電端子と、
前記第1の正バッテリ端子に接続された第1の駆動電圧端子と、
前記第2の充電端子に接続された第2の駆動電圧端子と、
第1ノードが前記第1の充電端子に接続され、第2ノードが前記第1の正バッテリ端子に接続され、電流の逆流を防止する第1の整流素子と、
第1ノードが前記第1の充電端子に接続され、第2ノードが前記第2の正バッテリ端子に接続され、電流の逆流を防止する第2の整流素子と、
前記第1の負バッテリ端子と前記第2の正バッテリ端子との間に接続された第1のコンタクタと、
前記第1の負バッテリ端子と前記第2の充電端子との間に接続された第2のコンタクタと、
前記第1のコンタクタ及び前記第2のコンタクタを制御することで、前記第1の正バッテリ端子及び第1の負バッテリ端子に接続された前記第1のバッテリと、前記第2の正バッテリ端子及び第2の負バッテリ端子に接続された前記第2のバッテリとの電気的な回路接続を制御するとともに、前記第1のバッテリ及び前記第2のバッテリの充放電を制御するものであり、前記第1の駆動電圧端子と前記第2の駆動電圧端子との間に接続されたキャパシタを有する駆動制御部と、
基準バッテリの正極が接続され、基準電圧が供給される基準バッテリ端子と、
前記充電器が接続可能になっている基準充電端子と、
一端が前記基準バッテリ端子に接続され、他端が前記基準充電端子、第1のバッテリ用電源端子及び駆動制御部用電源端子に接続されたスイッチ回路と、を備え、
前記駆動制御部は、
前記第1のコンタクタ及び前記第2のコンタクタの故障を判定する故障判定モードにおいて、
前記第1のバッテリと前記第2のバッテリとが並列又は直列に接続されるように前記第1のコンタクタ及び前記第2のコンタクタを制御したときの前記第1の駆動電圧端子と前記第2の駆動電圧端子との間のキャパシタ電圧に基づいて、前記第1のコンタクタ又は前記第2のコンタクタの少なくとも何れかの故障を判定する
ことを特徴とする電力制御装置。
【請求項2】
前記故障判定モードにおいて、
前記駆動制御部は、
前記第1のコンタクタをオフに制御し且つ前記第2のコンタクタをオフに制御した後、前記キャパシタに電荷が残っていない状態で、前記第1のバッテリを起動させて第1のバッテリ電圧を出力させ、
前記第1のバッテリから前記第1のバッテリ電圧を出力させた後、前記第1の駆動電圧端子と前記第2の駆動電圧端子との間のキャパシタ電圧を検出し、検出した第1の検出電圧が予め設定した第1の閾値電圧以上である場合には、前記第2のコンタクタがショート故障していると判定し、一方、検出した前記第1の検出電圧が前記第1の閾値電圧未満である場合には、前記第2のコンタクタがショート故障していないと判定し、
前記第2のコンタクタがショート故障していないと判定した場合、前記第2のコンタクタをオンに制御した後、前記第1の駆動電圧端子と前記第2の駆動電圧端子との間のキャパシタ電圧を検出し、検出した第2の検出電圧が前記第1の閾値電圧未満である場合には、前記第2のコンタクタがオープン故障していると判定し、一方、検出した前記第2の検出電圧が前記第1の閾値電圧以上である場合には、前記第2のコンタクタがオープン故障していないと判定する
ことを特徴とする請求項1に記載の電力制御装置。
【請求項3】
前記故障判定モードにおいて、
前記駆動制御部は、
前記第2のコンタクタがオープン故障していないと判定した場合、前記第2のコンタクタをオフに制御した後、前記第2のバッテリを起動させて第2のバッテリ電圧を出力させ、
前記第2のバッテリから前記第2のバッテリ電圧を出力させた後、前記第1の駆動電圧端子と前記第2の駆動電圧端子との間のキャパシタ電圧を検出し、検出した第3の検出電圧が予め設定した前記第1の閾値電圧よりも高い第2の閾値電圧以上である場合には、前記第1のコンタクタがショート故障していると判定し、一方、検出した前記第3の検出電圧が前記第2の閾値電圧未満である場合には、前記第1のコンタクタがショート故障していないと判定し、
前記第1のコンタクタがショート故障していないと判定した場合、前記第1のコンタクタをオンに制御した後、前記第1の駆動電圧端子と前記第2の駆動電圧端子との間のキャパシタ電圧を検出し、検出した第4の検出電圧が前記第2の閾値電圧未満である場合には、前記第1のコンタクタがオープン故障していると判定し、一方、検出した前記第4の検出電圧が前記第2の閾値電圧以上である場合には、前記第1のコンタクタがオープン故障していないと判定する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の電力制御装置。
【請求項4】
前記駆動制御部は、
前記第1の駆動電圧端子と前記第2の駆動電圧端子との間の電圧からモータ駆動電圧を生成して、前記モータ駆動電圧によりモータを駆動する
ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一項に記載の電力制御装置。
【請求項5】
前記駆動制御部は、
前記第1の駆動電圧端子と前記第2の駆動電圧端子との間の電圧が供給され、前記モータにモータ駆動電圧を出力して前記モータを駆動するブリッジ回路をさらに備え、
前記駆動制御部は、
前記故障判定モードにおいて前記第1のバッテリを起動させる前に、前記ブリッジ回路により、前記キャパシタの電圧を放電する
ことを特徴とする請求項4に記載の電力制御装置。
【請求項6】
前記第1のバッテリは、
前記第1の正バッテリ端子と前記第1の負バッテリ端子との間の電圧を充電し又は前記第1の正バッテリ端子と前記第1の負バッテリ端子との間に充電電圧を放電する第1のセルと、
前記第1のバッテリ用電源端子に供給される前記基準電圧で起動し、前記第1のセルの状態を監視し、前記第1のセルの状態に関する情報を出力する第1のマネジメント部と、を備え、
前記第2のバッテリは、
前記第2の正バッテリ端子と前記第2の負バッテリ端子との間の電圧を充電し又は前記第2の正バッテリ端子と前記第2の負バッテリ端子との間に充電電圧を放電する第2のセルと、
前記駆動制御部から供給される第1の起動電圧又は前記充電器から供給される第2の起動電圧で起動し、前記第2のセルの状態を監視し、前記第2のセルの状態に関する情報を出力する第2のマネジメント部と、を備える
ことを特徴とする請求項1ないし5のいずれか一項に記載の電力制御装置。
【請求項7】
前記駆動制御部は、
前記第1のマネジメント部から前記第1のバッテリが正常に接続されている旨を通知され且つ第2のマネジメント部から前記第2のバッテリが正常に接続されている旨を通知された後に、前記故障判定モードを実行する
ことを特徴とする請求項に記載の電力制御装置。
【請求項8】
前記駆動制御部は
前記故障判定モードの後の駆動モードにおいて、前記第1のバッテリ及び前記第2のバッテリの電圧を前記モータに供給して、前記モータを駆動する場合には、前記第1のバッテリと前記第2のバッテリとが直列に接続されるように、前記第1のコンタクタ及び前記第2のコンタクタを制御して、前記第1のバッテリと前記第2のバッテリとを直列した電圧により、前記モータを駆動する
ことを特徴とする請求項4又は5に記載の電力制御装置。
【請求項9】
前記駆動制御部は
前記故障判定モードの後の充電モードにおいて、前記第1のバッテリ及び前記第2のバッテリを前記充電器により充電する場合には、前記第1のバッテリと前記第2のバッテリとが並列に接続されるように、前記第1のコンタクタ及び前記第2のコンタクタを制御して、前記充電器により前記第1のバッテリ及び前記第2のバッテリを並列に充電する
ことを特徴とする請求項1ないし8のいずれか一項に記載の電力制御装置。
【請求項10】
前記駆動制御部は、
前記第1のバッテリ及び前記第2のバッテリを放電する場合には、前記第1のコンタクタをオンし且つ前記第2のコンタクタをオフすることで、前記第1のバッテリと前記第2のバッテリとを直列に接続し、
一方、前記第1のバッテリ及び前記第2のバッテリを充電する場合には、第1のコンタクタをオフし且つ第2のコンタクタをオンすることで、前記第1のバッテリと前記第2のバッテリとを並列に接続する
ことを特徴とする請求項1ないし9のいずれか一項に記載の電力制御装置。
【請求項11】
前記第2のバッテリの構成は、前記第1のバッテリの構成と同じであることを特徴とする請求項1ないし10のいずれか一項に記載の電力制御装置。
【請求項12】
前記電力制御装置は電動二輪車に積載され、前記モータは前記電動二輪車の車輪に接続され、前記駆動制御部は、前記モータの駆動を制御することにより、前記車輪の回転を制御する
ことを特徴とする請求項4、5又は8に記載の電力制御装置。
【請求項13】
前記基準バッテリは、鉛バッテリであり、
前記第1及び第2のバッテリは、リチウムバッテリであることを特徴とする請求項1ないし12のいずれか一項に記載の電力制御装置。
【請求項14】
第1のバッテリの正極が接続可能になっている第1の正バッテリ端子、及び前記第1のバッテリの負極が接続可能になっている第1の負バッテリ端子と、第2のバッテリの正極が接続可能になっている第2の正バッテリ端子、及び前記第2のバッテリの負極が接続可能になっている第2の負バッテリ端子と、充電器の高電位側の出力が接続され、前記充電器の高電位側の電圧が印加される第1の充電端子と、前記充電器の低電位側の出力が接続され、前記充電器の低電位側の電圧が印加される第2の充電端子と、前記第1の正バッテリ端子に接続された第1の駆動電圧端子と、前記第2の充電端子に接続された第2の駆動電圧端子と、第1ノードが前記第1の充電端子に接続され、第2ノードが前記第1の正バッテリ端子に接続され、電流の逆流を防止する第1の整流素子と、第1ノードが前記第1の充電端子に接続され、第2ノードが前記第2の正バッテリ端子に接続され、電流の逆流を防止する第2の整流素子と、前記第1の負バッテリ端子と前記第2の正バッテリ端子との間に接続された第1のコンタクタと、前記第1の負バッテリ端子と前記第2の充電端子との間に接続された第2のコンタクタと、前記第1のコンタクタ及び前記第2のコンタクタを制御することで、前記第1の正バッテリ端子及び第1の負バッテリ端子に接続された前記第1のバッテリと、前記第2の正バッテリ端子及び第2の負バッテリ端子に接続された前記第2のバッテリとの電気的な回路接続を制御するとともに、前記第1のバッテリ及び前記第2のバッテリの充放電を制御するものであり、前記第1の駆動電圧端子と前記第2の駆動電圧端子との間に接続されたキャパシタを有する駆動制御部と、基準バッテリの正極が接続され、基準電圧が供給される基準バッテリ端子と、前記充電器が接続可能になっている基準充電端子と、一端が前記基準バッテリ端子に接続され、他端が前記基準充電端子、第1のバッテリ用電源端子及び駆動制御部用電源端子に接続されたスイッチ回路と、を備えた電力制御装置の制御方法であって、
前記第1のコンタクタ及び前記第2のコンタクタの故障を判定する故障判定モードにおいて、
前記駆動制御部により、前記第1のバッテリと前記第2のバッテリとが並列又は直列に接続されるように前記第1のコンタクタ及び前記第2のコンタクタを制御したときの前記第1の駆動電圧端子と前記第2の駆動電圧端子との間のキャパシタ電圧に基づいて、前記第1のコンタクタ又は前記第2のコンタクタの少なくとも何れかの故障を判定する
ことを特徴とする電力制御装置の制御方法の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力制御装置、および、電力制御装置の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、モータを動力源とした電動二輪車が知られている。この従来の電動二輪車では、1個のバッテリを電源として用いていた。
【0003】
ここで、複数(例えば、2個)のモバイルバッテリを、上記電動二輪車に適用する場合、コンタクタを用いて、複数のバッテリを並列又は直列に接続することが想定される。
【0004】
そして、当該コンタクタが故障した場合、モータ出力に必要な電力を各モバイルバッテリから供給できず、若しくは、充電器から各モバイルバッテリに対して充電できないこととなる。また、当該コンタクタが故障した場合、走行時/充電器システム起動におけるコンタクタ操作時にバッテリ短絡モードになり、バッテリ故障につながる。
【0005】
このように、複数のバッテリを並列又は直列に接続するためのコンタクタの故障診断が求められている(特許文献1、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2011-160589号公報
【特許文献2】特開2014-147139号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで、本発明は、複数のバッテリを並列又は直列に接続するためのコンタクタの故障診断を実行することが可能な電力制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様に係る実施形態に従った電力制御装置は、
第1のバッテリの正極が接続可能になっている第1の正バッテリ端子、及び前記第1のバッテリの負極が接続可能になっている第1の負バッテリ端子と、
第2のバッテリの正極が接続可能になっている第2の正バッテリ端子、及び前記第2のバッテリの負極が接続可能になっている第2の負バッテリ端子と、
充電器の高電位側の出力が接続され、前記充電器の高電位側の電圧が印加される第1の充電端子と、
前記充電器の低電位側の出力が接続され、前記充電器の低電位側の電圧が印加される第2の充電端子と、
前記第1の正バッテリ端子に接続された第1の駆動電圧端子と、
前記第2の充電端子に接続された第2の駆動電圧端子と、
第1ノードが前記第1の充電端子に接続され、第2ノードが前記第1の正バッテリ端子に接続され、電流の逆流を防止する第1の整流素子と、
第1ノードが前記第1の充電端子に接続され、第2ノードが前記第2の正バッテリ端子に接続され、電流の逆流を防止する第2の整流素子と、
前記第1の負バッテリ端子と前記第2の正バッテリ端子との間に接続された第1のコンタクタと、
前記第1の負バッテリ端子と前記第2の充電端子との間に接続された第2のコンタクタと、
前記第1のコンタクタ及び前記第2のコンタクタを制御することで、前記第1の正バッテリ端子及び第1の負バッテリ端子に接続された前記第1のバッテリと、前記第2の正バッテリ端子及び第2の負バッテリ端子に接続された前記第2のバッテリとの電気的な回路接続を制御するとともに、前記第1のバッテリ及び前記第2のバッテリの充放電を制御するものであり、前記第1の駆動電圧端子と前記第2の駆動電圧端子との間に接続されたキャパシタを有する駆動制御部と、を備え、
前記駆動制御部は、
前記第1のコンタクタ及び前記第2のコンタクタの故障を判定する故障判定モードにおいて、
前記第1のバッテリと前記第2のバッテリとが並列又は直列に接続されるように前記第1のコンタクタ及び前記第2のコンタクタを制御したときの前記第1の駆動電圧端子と前記第2の駆動電圧端子との間のキャパシタ電圧に基づいて、前記第1のコンタクタ又は前記第2のコンタクタの少なくとも何れかの故障を判定する
ことを特徴とする。
【0009】
前記電力制御装置において、
前記故障判定モードにおいて、
前記駆動制御部は、
前記第1のコンタクタをオフに制御し且つ前記第2のコンタクタをオフに制御した後、前記キャパシタに電荷が残っていない状態で、前記第1のバッテリを起動させて第1のバッテリ電圧を出力させ、
前記第1のバッテリから前記第1のバッテリ電圧を出力させた後、前記第1の駆動電圧端子と前記第2の駆動電圧端子との間のキャパシタ電圧を検出し、検出した第1の検出電圧が予め設定した第1の閾値電圧以上である場合には、前記第2のコンタクタがショート故障していると判定し、一方、検出した前記第1の検出電圧が前記第1の閾値電圧未満である場合には、前記第2のコンタクタがショート故障していないと判定し、
前記第2のコンタクタがショート故障していないと判定した場合、前記第2のコンタクタをオンに制御した後、前記第1の駆動電圧端子と前記第2の駆動電圧端子との間のキャパシタ電圧を検出し、検出した第2の検出電圧が前記第1の閾値電圧未満である場合には、前記第2のコンタクタがオープン故障していると判定し、一方、検出した前記第2の検出電圧が前記第1の閾値電圧以上である場合には、前記第2のコンタクタがオープン故障していないと判定する
ことを特徴とする。
【0010】
前記電力制御装置において、
前記故障判定モードにおいて、
前記駆動制御部は、
前記第2のコンタクタがオープン故障していないと判定した場合、前記第2のコンタクタをオフに制御した後、前記第2のバッテリを起動させて第2のバッテリ電圧を出力させ、
前記第2のバッテリから前記第2のバッテリ電圧を出力させた後、前記第1の駆動電圧端子と前記第2の駆動電圧端子との間のキャパシタ電圧を検出し、検出した第3の検出電圧が予め設定した前記第1の閾値電圧よりも高い第2の閾値電圧以上である場合には、前記第1のコンタクタがショート故障していると判定し、一方、検出した前記第3の検出電圧が前記第2の閾値電圧未満である場合には、前記第1のコンタクタがショート故障していないと判定し、
前記第1のコンタクタがショート故障していないと判定した場合、前記第1のコンタクタをオンに制御した後、前記第1の駆動電圧端子と前記第2の駆動電圧端子との間のキャパシタ電圧を検出し、検出した第4の検出電圧が前記第2の閾値電圧未満である場合には、前記第1のコンタクタがオープン故障していると判定し、一方、検出した前記第4の検出電圧が前記第2の閾値電圧以上である場合には、前記第1のコンタクタがオープン故障していないと判定する
ことを特徴とする。
【0011】
前記電力制御装置において、
前記駆動制御部は、
前記第1の駆動電圧端子と前記第2の駆動電圧端子との間の電圧からモータ駆動電圧を生成して、前記モータ駆動電圧によりモータを駆動する 、
ことを特徴とする。
【0012】
前記電力制御装置において、
前記駆動制御部は、
前記第1の駆動電圧端子と前記第2の駆動電圧端子との間の電圧が供給され、前記モータにモータ駆動電圧を出力して前記モータを駆動するブリッジ回路をさらに備え、
前記駆動制御部は、
前記故障判定モードにおいて前記第1のバッテリを起動させる前に、前記ブリッジ回路により、前記キャパシタの電圧を放電する
ことを特徴とする。
【0013】
前記電力制御装置において、
基準バッテリの正極が接続され、基準電圧が供給される基準バッテリ端子と、
前記充電器が接続可能になっている基準充電端子と、
一端が前記基準バッテリ端子に接続され、他端が前記基準充電端子、第1のバッテリ用電源端子及び駆動制御部用電源端子に接続されたスイッチ回路と、を備える
ことを特徴とする。
【0014】
前記電力制御装置において、
前記第1のバッテリは、
前記第1の正バッテリ端子と前記第1の負バッテリ端子との間の電圧を充電し又は前記第1の正バッテリ端子と前記第1の負バッテリ端子との間に充電電圧を放電する第1のセルと、
前記第1のバッテリ用電源端子に供給される前記基準電圧で起動し、前記第1のセルの状態を監視し、前記第1のセルの状態に関する情報を出力する第1のマネジメント部と、を備え、
前記第2のバッテリは、
前記第2の正バッテリ端子と前記第2の負バッテリ端子との間の電圧を充電し又は前記第2の正バッテリ端子と前記第2の負バッテリ端子との間に充電電圧を放電する第2のセルと、
前記駆動制御部から供給される第1の起動電圧又は前記充電器から供給される第2の起動電圧で起動し、前記第2のセルの状態を監視し、前記第2のセルの状態に関する情報を出力する第2のマネジメント部と、を備える
ことを特徴とする。
【0015】
前記電力制御装置において、
前記駆動制御部は、
前記第1のマネジメント部から前記第1のバッテリが正常に接続されている旨を通知され且つ第2のマネジメント部から前記第2のバッテリが正常に接続されている旨を通知された後に、前記故障判定モードを実行する
ことを特徴とする。
【0016】
前記電力制御装置において、
前記駆動制御部は
前記故障判定モードの後の駆動モードにおいて、前記第1のバッテリ及び前記第2のバッテリの電圧をモータに供給して、前記モータを駆動する場合には、前記第1のバッテリと前記第2のバッテリとが直列に接続されるように、前記第1のコンタクタ及び前記第2のコンタクタを制御して、前記第1のバッテリと前記第2のバッテリとを直列した電圧により、前記モータを駆動する
ことを特徴とする。
【0017】
前記電力制御装置において、
前記駆動制御部は
前記故障判定モードの後の充電モードにおいて、前記第1のバッテリ及び前記第2のバッテリを前記充電器により充電する場合には、前記第1のバッテリと前記第2のバッテリとが並列に接続されるように、前記第1のコンタクタ及び前記第2のコンタクタを制御して、前記充電器により前記第1のバッテリ及び前記第2のバッテリを並列に充電する
ことを特徴とする。
【0018】
前記電力制御装置において、
前記駆動制御部は、
前記第1のバッテリ及び前記第2のバッテリを放電する場合には、前記第1のコンタクタをオンし且つ前記第2のコンタクタをオフすることで、前記第1のバッテリと前記第2のバッテリとを直列に接続し、
一方、前記第1のバッテリ及び前記第2のバッテリを充電する場合には、第1のコンタクタをオフし且つ第2のコンタクタをオンすることで、前記第1のバッテリと前記第2のバッテリとを並列に接続する
ことを特徴とする。
【0019】
前記電力制御装置において、
前記第2のバッテリの構成は、前記第1のバッテリの構成と同じであることを特徴とする。
【0020】
前記電力制御装置において、
前記電力制御装置は電動二輪車に積載され、前記モータは前記電動二輪車の車輪に接続され、前記駆動制御部は、前記モータの駆動を制御することにより、前記車輪の回転を制御する
ことを特徴とする。
【0021】
前記電力制御装置において、
前記基準バッテリは、鉛バッテリであり、
前記第1及び第2のバッテリは、リチウムバッテリであることを特徴とする。
【0022】
本発明の一態様に係る実施形態に従った電力制御装置の制御方法は、
第1のバッテリの正極が接続可能になっている第1の正バッテリ端子、及び前記第1のバッテリの負極が接続可能になっている第1の負バッテリ端子と、第2のバッテリの正極が接続可能になっている第2の正バッテリ端子、及び前記第2のバッテリの負極が接続可能になっている第2の負バッテリ端子と、充電器の高電位側の出力が接続され、前記充電器の高電位側の電圧が印加される第1の充電端子と、前記充電器の低電位側の出力が接続され、前記充電器の低電位側の電圧が印加される第2の充電端子と、前記第1の正バッテリ端子に接続された第1の駆動電圧端子と、前記第2の充電端子に接続された第2の駆動電圧端子と、第1ノードが前記第1の充電端子に接続され、第2ノードが前記第1の正バッテリ端子に接続され、電流の逆流を防止する第1の整流素子と、第1ノードが前記第1の充電端子に接続され、第2ノードが前記第2の正バッテリ端子に接続され、電流の逆流を防止する第2の整流素子と、前記第1の負バッテリ端子と前記第2の正バッテリ端子との間に接続された第1のコンタクタと、前記第1の負バッテリ端子と前記第2の充電端子との間に接続された第2のコンタクタと、前記第1のコンタクタ及び前記第2のコンタクタを制御することで、前記第1の正バッテリ端子及び第1の負バッテリ端子に接続された前記第1のバッテリと、前記第2の正バッテリ端子及び第2の負バッテリ端子に接続された前記第2のバッテリとの電気的な回路接続を制御するとともに、前記第1のバッテリ及び前記第2のバッテリの充放電を制御するものであり、前記第1の駆動電圧端子と前記第2の駆動電圧端子との間に接続されたキャパシタを有する駆動制御部とを備えた電力制御装置の制御方法であって、
前記第1のコンタクタ及び前記第2のコンタクタの故障を判定する故障判定モードにおいて、
前記駆動制御部により、前記第1のバッテリと前記第2のバッテリとが並列又は直列に接続されるように前記第1のコンタクタ及び前記第2のコンタクタを制御したときの前記第1の駆動電圧端子と前記第2の駆動電圧端子との間のキャパシタ電圧に基づいて、前記第1のコンタクタ又は前記第2のコンタクタの少なくとも何れかの故障を判定する
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0023】
本発明の一態様に係る電力制御装置は、第1のバッテリの正極が接続可能になっている第1の正バッテリ端子、及び第1のバッテリの負極が接続可能になっている第1の負バッテリ端子と、第2のバッテリの正極が接続可能になっている第2の正バッテリ端子、及び第2のバッテリの負極が接続可能になっている第2の負バッテリ端子と、充電器の高電位側の出力が接続され、充電器の高電位側の電圧が印加される第1の充電端子と、充電器の低電位側の出力が接続され、充電器の低電位側の電圧が印加される第2の充電端子と、第1の正バッテリ端子に接続された第1の駆動電圧端子と、第2の充電端子に接続された第2の駆動電圧端子と、第1ノードが第1の充電端子に接続され、第2ノードが第1の正バッテリ端子に接続され、電流の逆流を防止する第1の整流素子と、第1ノードが第1の充電端子に接続され、第2ノードが第2の正バッテリ端子に接続され、電流の逆流を防止する第2の整流素子と、第1の負バッテリ端子と第2の正バッテリ端子との間に接続された第1のコンタクタと、第1の負バッテリ端子と第2の充電端子との間に接続された第2のコンタクタと、第1のコンタクタ及び第2のコンタクタを制御することで、第1の正バッテリ端子及び第1の負バッテリ端子に接続された第1のバッテリと、第2の正バッテリ端子及び第2の負バッテリ端子に接続された第2のバッテリとの電気的な回路接続を制御するとともに、第1のバッテリ及び第2のバッテリの充放電を制御するものであり、第1の駆動電圧端子と第2の駆動電圧端子との間に接続されたキャパシタを有する駆動制御部と、を備える。
【0024】
そして、駆動制御部は、第1のコンタクタ及び第2のコンタクタの故障を判定する故障判定モードにおいて、第1のバッテリと第2のバッテリとが並列又は直列に接続されるように第1のコンタクタ及び第2のコンタクタを制御したときの第1の駆動電圧端子と第2の駆動電圧端子との間のキャパシタ電圧に基づいて、第1のコンタクタ又は第2のコンタクタの少なくとも何れかの故障を判定する。
【0025】
このように、本発明によれば、複数のバッテリを並列又は直列に接続するためのコンタクタの故障診断を適切に実行することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1図1は、実施形態に係る電力制御装置100の構成の一例を示す図である。
図2図2は、図1に示す電力制御装置100の第2のコンタクタCBの故障を判定する動作の一例を説明するための図である。
図3図3は、図1に示す電力制御装置100の第1のコンタクタCAの故障を判定する動作の一例を説明するための図である。
図4図4は、図1に示す電力制御装置100の故障判定モードにおける第1及び第2のコンタクタCA、CB、第1及び第2のバッテリB1、B2の動作の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明に係る実施形態について図面に基づいて説明する。
【第1の実施形態】
【0028】
図1は、実施形態に係る電力制御装置100の構成の一例を示す図である。なお、図1においては、モバイルバッテリが最小単位の2個(第1、第2のバッテリB1、B2)の場合を記載しているが、3個以上のモバイルバッテリが接続されるようにした場合も、同様に説明される。
【0029】
本実施形態に係る電力制御装置100は、例えば、図1に示すように、基準バッテリ端子TKと、基準充電端子TCSと、第1の正バッテリ端子T1Pと、第1の負バッテリ端子T1Nと、第2の正バッテリ端子T2Pと、第2の負バッテリ端子T2Nと、第1のバッテリ用電源端子T1Bと、第2のバッテリ用電源端子T2Bと、第1の駆動電圧端子TDPと、第2の駆動電圧端子TDNと、通信線CANと、駆動制御部用電源端子TGと、第1の起動電圧端子TPS2と、第2の起動電圧端子TCOUTと、第1の充電端子TCPと、第2の充電端子TCNと、スイッチ回路SWと、メインスイッチ制御部Xと、駆動制御部PDUと、ダウンレギュレータDRと、第1の整流素子DAと、第2の整流素子DBと、第1のコンタクタCAと、第2のコンタクタCBと、を備える。
【0030】
この電力制御装置100は、例えば、電動二輪車(車両)に積載されるようになっている。そして、モータMは、当該電動二輪車の車輪に接続されている。
【0031】
この電力制御装置100は、基準バッテリ(鉛バッテリ)Kの電圧により起動するようになっている。そして、電力制御装置100は、第1及び第2のバッテリ(Liバッテリ)B1、B2の電圧からモータ駆動電圧を生成して、このモータ駆動電圧によりモータMを駆動するようになっている。そして、電力制御装置100は、モータMの駆動を制御することにより、当該車輪の回転を制御するようになっている。
【0032】
ここで、基準バッテリ端子TKは、基準バッテリKの正極が接続され、基準電圧が供給される。なお、基準バッテリKは、例えば、鉛バッテリである。
【0033】
また、第1の充電端子TCPは、図1の例では、充電器CHの高電位側の出力が接続され、充電器CHの高電位側の電圧が印加されるようになっている。
【0034】
また、第2の充電端子TCNは、図1の例では、充電器CHの低電位側の出力が接続され、充電器CHの低電位側の電圧が印加されるようになっている。
【0035】
また、基準充電端子TCSは、充電器CHが接続可能になっており、第1のバッテリ用電源端子T1B及び駆動制御部用電源端子TPS1に電気的に接続されている。
【0036】
なお、充電器CHは、少なくとも第1及び第2のバッテリB1、B2の充電時に接続されていればよく、既述の電動二輪車の走行時等には、当該電動二輪車に積載された電力制御装置100(各端子TCN、TCP、TCOUT、TCS)から外されていてもよい。
【0037】
また、第1の駆動電圧端子TDPは、第1の正バッテリ端子T1Pに電気的に接続されている。
【0038】
また、第2の駆動電圧端子TDNは、第2の充電端子TCNに電気的に接続されている。
【0039】
また、駆動制御部用電源端子TGは、基準充電端子TCSに電気的に接続されている。
【0040】
また、第1の起動電圧端子TPS2は、駆動制御部PDUに接続されており、第2のバッテリ用電源端子T2Bに電気的に接続されている。
【0041】
また、第2の起動電圧端子TCOUTは、充電器CHが接続可能になっており、第2のバッテリ用電源端子T2Bに電気的に接続されている。
【0042】
また、第1のバッテリ用電源端子T1Bは、第1のバッテリB1が接続可能になっており、スイッチ回路SWの他端及び基準充電端子TCSに接続されている。
【0043】
また、第2のバッテリ用電源端子T2Bは、第2のバッテリB2が接続可能になっており、第1及び第2の起動電圧端子TPS2、TCOUTに接続されている。
【0044】
また、モバイルバッテリである第1及び第2のバッテリB1、B2は、例えば、リチウムバッテリである。すなわち、第1及び第2のバッテリB1、B2が出力するバッテリ電圧(48V)は、基準バッテリKが出力する基準電圧であるバッテリ電圧(12V)よりも高くなるように設定されている。
【0045】
また、第1の正バッテリ端子T1Pは、既述の第1のバッテリB1の正極が接続可能になっている。そして、第1の負バッテリ端子T1Nは、この第1のバッテリB1の負極が接続可能になっている。
【0046】
ここで、第1のバッテリB1は、例えば、図1に示すように、第1のセル(直列に接続された複数のリチウムイオン電池)S1と、第1のマネジメント部BMU1と、を備える。
【0047】
そして、第1のセルS1は、第1の正バッテリ端子T1Pと第1の負バッテリ端子T1Nとの間の電圧を充電し、又は、第1の正バッテリ端子T1Pと第1の負バッテリ端子T1Nとの間に充電電圧を放電するようになっている。
【0048】
そして、第1のマネジメント部BMU1は、第1のバッテリ用電源端子T1Bに供給される基準電圧で起動し、第1のセルS1(すなわち、第1のバッテリB1)の状態(第1のセルS1のセル電圧、第1のセルS1のSOC、第1のセルS1の温度、第1のセルS1の電流等)を監視し、この第1のセルS1(すなわち、第1のバッテリB1)の状態に関する情報や、既述の識別情報等を含むデータを、通信線CANを介して、断続的に出力するようになっている。
【0049】
なお、この第1のバッテリB1の接続前の初期状態において、第1のバッテリB1の識別情報は、初期識別情報に設定されている。
【0050】
また、第1のバッテリB1は、電力制御装置100(例えば、各端子T1P、T1N、及びT1B)から外されると、その識別情報が該初期識別情報にリセットされるようになっている。
【0051】
そして、この第1のマネジメント部BMU1は、第1のセルS1の状態(故障等)に応じて、強制的に第1のセルS1の充放電を停止するための第1の管理用コンタクタT1を備える。
【0052】
また、第2の正バッテリ端子T2Pは、既述の第2のバッテリB2の正極が接続可能になっている。そして、第2の負バッテリ端子T2Nは、この第2のバッテリB2の負極が接続可能になっている。
【0053】
ここで、第2のバッテリB2は、第2のセル(直列に接続された複数のリチウムイオン電池)S2と、第2のマネジメント部BMU2と、を備える。
【0054】
そして、第2のセルS2は、第2の正バッテリ端子T2Pと第2の負バッテリ端子T2Nとの間の電圧を充電し、又は、第2の正バッテリ端子T2Pと第2の負バッテリ端子T2Nとの間に充電電圧を放電するようになっている。
【0055】
そして、第2のマネジメント部BMU2は、駆動制御部PDUから供給される第1の起動電圧又は充電器CHから供給される第2の起動電圧(すなわち、第2のバッテリ用電源端子T2Bに供給される第1又は第2の起動電圧)で起動し、第2のセルS2(すなわち、第2のバッテリB2)の状態(第2のセルS2のセル電圧、第2のセルS2のSOC、第2のセルS2の温度、第2のセルS2の電流等)を監視し、第2のセルS2(すなわち、第2のバッテリB2)の状態に関する情報を出力するようになっている。
【0056】
なお、この第2のバッテリB2の接続前の初期状態において、第2のバッテリB2の識別情報は、第1のバッテリB1の識別情報と同じ該初期識別情報に設定されている。
【0057】
そして、この第2のマネジメント部BMU2は、第2のセルS2の状態(故障等)に応じて、強制的に第2のセルS2の充放電を停止するための第2の管理用コンタクタT2を備える。
【0058】
また、第2のバッテリB2は、電力制御装置100(例えば、各端子T2P、T2N、及びT2B)から外されると、その識別情報が該初期識別情報にリセットされるようになっている。
【0059】
なお、この第2のバッテリB2の構成は、既述の第1のバッテリB1の構成と同じである。
【0060】
また、スイッチ回路SWは、一端が基準バッテリ端子TKに接続され、他端が基準充電端子TCS、第1のバッテリ用電源端子T1B及び駆動制御部用電源端子TPS1に電気的に接続されている。
【0061】
このスイッチ回路SWは、例えば、オンすることにより基準バッテリKの基準電圧を駆動制御部PDU及び第1のバッテリB1に供給するようになっている。
【0062】
一方、このスイッチ回路SWは、オフすることにより基準バッテリKの基準電圧の駆動制御部PDU及び第1のバッテリB1への供給を遮断するようになっている。
【0063】
また、メインスイッチ制御部Xは、基準バッテリKの正極から電力が供給され、ユーザの操作(行為)等に応じてスイッチ回路SWを制御するようになっている。
【0064】
また、通信線CANは、第1の正バッテリ端子T1P及び第1の負バッテリ端子T1Nに接続された第1のバッテリB1と駆動制御部PDU(又は充電器CH)とが通信するとともに、第2の正バッテリ端子T2P及び第2の負バッテリ端子T2Nに接続された第2のバッテリB2と、駆動制御部PDU(又は充電器CH)とが通信するためのものである。
【0065】
この通信線CANは、第1及び第2のバッテリB1、B2がデータを駆動制御部PDUに送信するための第1の通信線CAN1と、駆動制御部PDU又は充電器CHの指令を第1及び第2のバッテリB1、B2に送信するための第2の通信線CAN2とを備える。
【0066】
また、ダウンレギュレータDRは、第1の駆動電圧端子TDPと第2の駆動電圧端子TDNと間の電圧を降圧して出力するようになっている。
【0067】
このダウンレギュレータDRは、例えば、第1の駆動電圧端子TDPと第2の駆動電圧端子TDNと間の電圧を降圧して、負荷Loadが接続される負荷端子TRに出力するDC−DCコンバータである。なお、基準バッテリKは、このダウンレギュレータDRが出力する電圧により充電されるようになっている。
【0068】
なお、当該負荷Loadは、例えば、既述の電動二輪車のライト、ウインカー、又はインジケータ、その他の電動二輪車の走行等に必要な電子部品の何れかを含む。
【0069】
また、第1の整流素子DAは、第1ノード(アノード)が第1の充電端子TCPに接続され、第2ノード(カソード)が第1の正バッテリ端子T1Pに接続され、電流の逆流を防止する第1のダイオードである。
【0070】
また、第2の整流素子DBは、第1ノード(アノード)が第1の充電端子TCPに接続され、第2ノード(カソード)が第2の正バッテリ端子T2Pに接続され、電流の逆流を防止する第2のダイオードである。
【0071】
また、第1のコンタクタCAは、第1の負バッテリ端子T1Nと第2の正バッテリ端子T2Pとの間に接続されている。この第1のコンタクタCAは、駆動制御部PDUにより、オン/オフが制御されるようになっている。
【0072】
また、第2のコンタクタCBは、第1の負バッテリ端子T1Nと第2の充電端子TCNとの間に接続されている。この第2のコンタクタCBは、駆動制御部PDUによりオン/オフが制御されるようになっている。
【0073】
また、駆動制御部PDUは、例えば、図1に示すように、第1のバッテリB1及び第2のバッテリB1、B2の電圧からモータ駆動電圧を生成して、このモータ駆動電圧によりモータを駆動するようになっている。そして、駆動制御部PDUは、モータMの駆動を制御することにより、当該車輪の回転を制御するようになっている。
【0074】
この駆動制御部PDUは、例えば、図1に示すように、第1の駆動電圧端子TDPと第2の駆動電圧端子TDNとの間に接続されたキャパシタZと、第1の駆動電圧端子TDPと第2の駆動電圧端子TDNとの間の電圧(キャパシタZの電圧)が供給され、モータMにモータ駆動電圧を出力してモータMを駆動するブリッジ回路Yと、を備える。
【0075】
例えば、駆動制御部PDUは、第1の駆動電圧端子TDPと第2の駆動電圧端子TDNとの間の電圧からブリッジ回路Yによりモータ駆動電圧を生成して、当該モータ駆動電圧によりモータを駆動するようになっている。
【0076】
この駆動制御部PDUは、通信線CANを介して、第1の正バッテリ端子T1P及び第1の負バッテリ端子T1Nに接続された第1のバッテリB1の識別情報を含むデータと、第2の正バッテリ端子T1P及び第2の負バッテリ端子T2Nに接続された第2のバッテリB2の識別情報を含むデータと、を受信するようになっている。
【0077】
これにより、駆動制御部PDUは、第1及び第2のバッテリB1、B2の識別情報を認識して、第1のバッテリB1と第2のバッテリB2の電気的な回路接続(第1及び第2のコンタクタCA、CB)を制御するとともに、第1のバッテリB1及び第2のバッテリB2の充放電を制御するようになっている。
【0078】
例えば、駆動制御部PDUは、第1のバッテリB1及び第2のバッテリB2を放電する場合(車両の走行時)には、第1のコンタクタCAをオンし且つ第2のコンタクタCBをオフすることで、第1のバッテリB1と第2のバッテリB2とを直列に接続するようになっている。
【0079】
一方、駆動制御部PDUは、第1のバッテリB1及び第2のバッテリB2を充電する場合(充電器CHによる充電時)には、第1のコンタクタCAをオフし且つ第2のコンタクタCBをオンすることで、第1のバッテリB1と第2のバッテリB2とを並列に接続するようになっている。
【0080】
また、駆動制御部PDUは、スイッチ回路SWがオンすると、スイッチ回路SWを介して基準バッテリKの基準電圧が供給されて起動するようになっている。
【0081】
そして、この駆動制御部PDUは、起動後、第1のバッテリB1を起動させて通信線CANを介して通信して第1のバッテリB1の識別情報を設定し、その後、第2のバッテリB2を起動させて通信線CANを介して通信して第2のバッテリB2の識別情報を、第1のバッテリB1の識別情報と異なるように設定するようになっている。
【0082】
また、駆動制御部PDUは、通信線CANを介して、マネジメント部BMU1、BMU2から複数の情報を取得するようになっている。特に、駆動制御部PDUは、マネジメント部BMU1、BMU2が出力した第1のバッテリB1、第2のバッテリB2の状態に関するバッテリ情報に基づいて、第1のバッテリB1の状態が正常であるか又は異常であるか(故障しているか)を判断するようになっている。
【0083】
ここで、この駆動制御部PDUは、モータMの駆動機能を停止する場合には、例えば、ブリッジ回路Yのトランジスタを全てオープンにし、若しくは、ハイサイド又はローサイドのトランジスタをショートにするようになっている。
【0084】
なお、この駆動制御部PDUは、通信線CANを介して既述の充電器CHと通信できるようになっている。そして、駆動制御部PDUは、充電器CHが基準充電端子TCSに接続されると、充電器CHが出力する第1の起動電圧が基準充電端子TCS及び駆動制御部用電源端子TGを介して供給されて起動するようになっている。
【0085】
そして、充電器CHも、通信線CANを介して、第1の正バッテリ端子T1P及び第1の負バッテリ端子T1Nに接続された第1のバッテリB1の識別情報を含むデータと、第2の正バッテリ端子T1P及び第2の負バッテリ端子T2Nに接続された第2のバッテリB2の識別情報を含むデータと、を受信するようになっている。
【0086】
そして、充電器CHは、充電時に、第1のバッテリB1を起動させて通信線CANを介して通信して第1のバッテリB1の識別情報を設定し、その後、第2のバッテリB2を起動させて通信線CANを介して通信して第2のバッテリB2の識別情報を、第1のバッテリB1の識別情報と異なるように設定することが可能になっている。
【0087】
なお、駆動制御部PDUは、上述の第1及び第2のバッテリB1、B2の識別情報の設定後に、第1のバッテリB1及び第2のバッテリB2の電圧をモータに供給して、モータMを駆動する場合には、第1のバッテリB1と第2のバッテリB2とが直列に接続されるように、回路接続(第1及び第2のコンタクタCA、CB)を制御して、第1のバッテリB1と第2のバッテリB2とを直列した電圧により、モータMを駆動する。このモータMの駆動により、車輪が回転して、電動二輪車が走行することなる。
【0088】
また、駆動制御部PDUは、上述の第1及び第2のバッテリB2の識別情報の設定後に、第1及び第2のバッテリB1、B2の識別情報の設定後に、第1のバッテリB1及び第2のバッテリB2を充電器CHにより充電する場合には、第1のバッテリB1と第2のバッテリB2とが並列に接続されるように、回路接続(第1及び第2のコンタクタCA、CB)を制御する。
【0089】
そして、充電器CHは、第1のバッテリB1と第2のバッテリB2とが並列に接続された状態で、第1のバッテリB1及び第2のバッテリB2を並列に充電する。
【0090】
次に、以上のような構成を有する電力制御装置100の制御方法(第1のコンタクタCA及び第2のコンタクタCBの故障を判定する故障判定モード)の動作の例について説明する。
【0091】
図2は、図1に示す電力制御装置100の第2のコンタクタCBの故障を判定する動作の一例を説明するための図である。また、図3は、図1に示す電力制御装置100の第1のコンタクタCAの故障を判定する動作の一例を説明するための図である。また、図4は、図1に示す電力制御装置100の故障判定モードにおける第1及び第2のコンタクタCA、CB、第1及び第2のバッテリB1、B2の動作の一例を示す図である。
【0092】
既述のように、駆動制御部PDUは、第1のコンタクタCA及び第2のコンタクタCBを制御することで、第1の正バッテリ端子T1P及び第1の負バッテリ端子T1Nに接続された第1のバッテリB1と、第2の正バッテリ端子T2P及び第2の負バッテリ端子T2Nに接続された第2のバッテリB2との電気的な回路接続を制御するとともに、第1のバッテリB1及び第2のバッテリB2の充放電を制御するようになっている。
【0093】
そして、駆動制御部PDUは、第1のコンタクタCA及び第2のコンタクタCBの故障を判定する故障判定モードにおいて、第1のバッテリB1と第2のバッテリとが並列又は直列に接続されるように第1のコンタクタCA及び第2のコンタクタCBを制御したときの第1の駆動電圧端子TDPと第2の駆動電圧端子TDNとの間のキャパシタ電圧に基づいて、第1のコンタクタCA又は第2のコンタクタCBの少なくとも何れかの故障を判定するようになっている。
【0094】
ここで、駆動制御部PDUが、当該故障判定モードにおいて、第2のコンタクタCBの故障を判定する動作の一例について説明する。
【0095】
先ず、駆動制御部PDUは、通信線CANを介して、第1のマネジメント部BMU1から第1のバッテリB1が正常に接続されている旨を通知され且つ第2のマネジメント部BMU2から第2のバッテリB2が正常に接続されている旨を通知された後に、故障判定モードを実行する。また、この故障判定モードは、駆動制御部PDUが第1の整流素子D1及び第2の整流素子D2が正常に動作していることが確認した後、実行されるようにしてもよい。
【0096】
例えば、図2に示すように、駆動制御部PDUは、故障判定モードにおいて、第1のコンタクタCAをオフ(遮断状態)に制御し且つ第2のコンタクタCBをオフ(遮断状態)に制御した後、キャパシタZに電荷が残っていない状態で、第1のバッテリB1を起動(オン)させて第1のバッテリ電圧を出力させる(図4の時刻N1)。
【0097】
なお、この時刻N1において、第2のバッテリB2は、起動していない(オフしている)。また、駆動制御部PDUは、故障判定モードにおいて第1のバッテリB1を起動させる前に、例えば、ブリッジ回路Yにより、キャパシタZの電圧を放電する。
【0098】
そして、駆動制御部PDUは、第1のバッテリB1から第1のバッテリ電圧を出力させた後、第1の駆動電圧端子TDPと第2の駆動電圧端子TDNとの間のキャパシタ電圧を検出する。
【0099】
そして、駆動制御部PDUは、検出した第1の検出電圧(キャパシタ電圧)が予め設定した第1の閾値電圧以上(第1のバッテリ電圧(48V近傍))である場合には、第2のコンタクタCBがショート故障している(第2のコンタクタCBをオフに制御したにも拘わらず導通状態にある)と判定する。
【0100】
一方、駆動制御部PDUは、検出した当該第1の検出電圧が該第1の閾値電圧未満(0V近傍)である場合には、第2のコンタクタCBがショート故障していない(第2のコンタクタCBをオフに制御して正常に遮断状態にある)と判定する。
【0101】
次に、駆動制御部PDUは、第2のコンタクタCBがショート故障していないと判定した場合、第2のコンタクタCBをオン(導通状態)に制御する(図4の時刻N2)。
【0102】
そして、駆動制御部PDUは、第2のコンタクタCBをオンに制御した後、第1の駆動電圧端子TDPと第2の駆動電圧端子TDNとの間のキャパシタ電圧を検出する。
【0103】
そして、駆動制御部PDUは、検出した第2の検出電圧(キャパシタ電圧)が該第1の閾値電圧未満(0V近傍)である場合には、第2のコンタクタCBがオープン故障している(第2のコンタクタCBをオンに制御したにも拘わらず遮断状態にある)と判定する。
【0104】
一方、駆動制御部PDUは、検出した当該第2の検出電圧が該第1の閾値電圧以上(第1のバッテリ電圧近傍)である場合には、第2のコンタクタCBがオープン故障していない(第2のコンタクタCBをオンに制御して正常に導通状態にある)と判定する。
【0105】
上述の駆動制御部PDUの制御動作により、第2のコンタクタCBの故障を判定することができる。
【0106】
次に、駆動制御部PDUが、故障判定モードにおいて、第1のコンタクタCAの故障を判定する動作の一例について説明する。
【0107】
既述の図4の時刻N2の後、駆動制御部PDUは、故障判定モードにおいて、第2のコンタクタCBがオープン故障していないと判定した場合、第2のコンタクタCBをオフ(遮断状態)に制御する(図4の時刻N3)。そして、駆動制御部PDUは、第2のコンタクタCBをオフに制御した後、例えば、図3に示すように、第2のバッテリB2を起動(オン)させて第2のバッテリ電圧を出力させる(図4の時刻N4)。
【0108】
そして、駆動制御部PDUは、第2のバッテリB2から第2のバッテリ電圧を出力させた後、第1の駆動電圧端子TDPと第2の駆動電圧端子TDNとの間のキャパシタ電圧を検出する。
【0109】
そして、駆動制御部PDUは、検出した第3の検出電圧(キャパシタ電圧)が予め設定した既述の第1の閾値電圧よりも高い(第1のバッテリ電圧よりも高い)第2の閾値電圧以上(第1のバッテリ電圧に第2のバッテリ電圧を加算した電圧(96V)近傍)である場合には、第1のコンタクタCAがショート故障している(第1のコンタクタCAをオフに制御したにも拘わらず導通状態にある)と判定する。
【0110】
一方、駆動制御部PDUは、検出した当該第3の検出電圧が該第2の閾値電圧未満である場合には、第1のコンタクタCAがショート故障していない(第1のコンタクタCAをオフに制御して正常に遮断状態にある)と判定する。
【0111】
そして、駆動制御部PDUは、第1のコンタクタCAがショート故障していないと判定した場合、第1のコンタクタCAをオン(導通状態)に制御する(図4の時刻N5)。
【0112】
そして、駆動制御部PDUは、第1のコンタクタCAをオン(導通状態)に制御した後、第1の駆動電圧端子TDPと第2の駆動電圧端子TDNとの間のキャパシタ電圧を検出する。
【0113】
そして、駆動制御部PDUは、検出した第4の検出電圧(キャパシタ電圧)が該第2の閾値電圧未満(48V近傍)である場合には、第1のコンタクタCAがオープン故障している(第1のコンタクタCAをオンに制御したにも拘わらず遮断状態にある)と判定する。
【0114】
一方、駆動制御部PDUは、検出した当該第4の検出電圧が該第2の閾値電圧以上(96V近傍)である場合には、第1のコンタクタCBがオープン故障していない(第1のコンタクタCAをオンに制御して正常に導通状態にある)と判定する。
【0115】
上述の駆動制御部PDUの制御動作により、第1のコンタクタCAの故障を判定することができる。
【0116】
なお、駆動制御部PDUは、上述の故障判定モードの後の駆動モードにおいて、第1のバッテリB1及び第2のバッテリB2の電圧をモータに供給して、モータMを駆動する場合には、第1のバッテリB1と第2のバッテリB2とが直列に接続されるように、第1のコンタクタCA及び第2のコンタクタCBを制御して、第1のバッテリB1と第2のバッテリB2とを直列した電圧により、モータMを駆動する。
【0117】
また、駆動制御部PDUは、上述の故障判定モードの後の充電モードにおいて、第1のバッテリB1及び第2のバッテリB2を充電器CHにより充電する場合には、第1のバッテリB1と第2のバッテリB2とが並列に接続されるように、第1のコンタクタCA及び第2のコンタクタCBを制御して、充電器CHにより第1のバッテリB1及び第2のバッテリB2を並列に充電する。
【0118】
以上のように、本発明の一態様に係る電力制御装置は、第1のバッテリの正極が接続可能になっている第1の正バッテリ端子、及び第1のバッテリの負極が接続可能になっている第1の負バッテリ端子と、第2のバッテリの正極が接続可能になっている第2の正バッテリ端子、及び第2のバッテリの負極が接続可能になっている第2の負バッテリ端子と、充電器の高電位側の出力が接続され、充電器の高電位側の電圧が印加される第1の充電端子と、充電器の低電位側の出力が接続され、充電器の低電位側の電圧が印加される第2の充電端子と、第1の正バッテリ端子に接続された第1の駆動電圧端子と、第2の充電端子に接続された第2の駆動電圧端子と、第1ノードが第1の充電端子に接続され、第2ノードが第1の正バッテリ端子に接続され、電流の逆流を防止する第1の整流素子と、第1ノードが第1の充電端子に接続され、第2ノードが第2の正バッテリ端子に接続され、電流の逆流を防止する第2の整流素子と、第1の負バッテリ端子と第2の正バッテリ端子との間に接続された第1のコンタクタと、第1の負バッテリ端子と第2の充電端子との間に接続された第2のコンタクタと、第1のコンタクタ及び第2のコンタクタを制御することで、第1の正バッテリ端子及び第1の負バッテリ端子に接続された第1のバッテリと、第2の正バッテリ端子及び第2の負バッテリ端子に接続された第2のバッテリとの電気的な回路接続を制御するとともに、第1のバッテリ及び第2のバッテリの充放電を制御するものであり、第1の駆動電圧端子と第2の駆動電圧端子との間に接続されたキャパシタを有する駆動制御部と、を備える。
【0119】
そして、駆動制御部は、第1のコンタクタ及び第2のコンタクタの故障を判定する故障判定モードにおいて、第1のバッテリと第2のバッテリとが並列又は直列に接続されるように第1のコンタクタ及び第2のコンタクタを制御したときの第1の駆動電圧端子と第2の駆動電圧端子との間のキャパシタ電圧に基づいて、第1のコンタクタ又は第2のコンタクタの少なくとも何れかの故障を判定する。
【0120】
以上のように、実施形態に係る電力制御装置によれば、複数のバッテリを並列又は直列に接続するためのコンタクタの故障診断を実行することができる。
【0121】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0122】
100 電力制御装置
TK 基準バッテリ端子
TCS 基準充電端子
T1P 第1の正バッテリ端子
T1N 第1の負バッテリ端子
T2P 第2の正バッテリ端子
T2N 第2の負バッテリ端子
T1B 第1のバッテリ用電源端子
T2B 第2のバッテリ用電源端子
TDP 第1の駆動電圧端子
TDN 第2の駆動電圧端子
CAN 通信線
TPS2 第1の起動電圧端子
TCOUT 第2の起動電圧端子
TCP 第1の充電端子
TCN 第2の充電端子
TG 駆動制御部用電源端子
SW スイッチ回路
X メインスイッチ制御部
PDU 駆動制御部
DR ダウンレギュレータ
DA 第1の整流素子
DB 第2の整流素子
CA 第1のコンタクタ
CB 第2のコンタクタ
図1
図2
図3
図4