(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1の正バッテリ端子及び前記第1の負バッテリ端子に接続された前記第1のバッテリ及び前記第2の正バッテリ端子及び前記第2の負バッテリ端子に接続された前記第2のバッテリを放電させて、前記第1の駆動電圧端子と前記第2の駆動電圧端子との間に電圧を印加させる場合には、
前記駆動制御部は、
前記第1のコンタクタをオンに制御し、前記第2のコンタクタをオフに制御し、前記第3のコンタクタをオフに制御し、前記第4のコンタクタをオフに制御するとともに、前記正電圧端子と前記第1の駆動電圧端子とを導通し且つ前記負電圧端子と前記第2の駆動電圧端子とを導通させて前記正電圧端子と前記負電圧端子との間の電圧を昇圧動作させないように前記アップコンバータを制御して、前記第1のバッテリ及び前記第2のバッテリを放電させて、前記第1の駆動電圧端子と前記第2の駆動電圧端子との間に前記規定値の電圧を印加させる
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の電力制御装置。
前記第1の充電端子及び第2の充電端子に接続された前記充電器により、前記第1の正バッテリ端子及び前記第1の負バッテリ端子に接続された前記第1のバッテリ及び前記第2の正バッテリ端子及び前記第2の負バッテリ端子に接続された前記第2のバッテリを充電する場合には、
前記駆動制御部は、
前記第1のコンタクタをオフに制御し、前記第2のコンタクタをオンに制御し、前記第3のコンタクタをオンに制御し、前記第4のコンタクタをオンに制御して、前記第1のバッテリと第2のバッテリに前記充電器から充電電圧を供給させて充電する
ことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一項に記載の電力制御装置。
前記電力制御装置は電動二輪車に積載され、前記モータは前記電動二輪車の車輪に接続され、前記駆動制御部は、前記モータの駆動を制御することにより、前記車輪の回転を制御する
ことを特徴とする請求項2又は10に記載の電力制御装置。
第1のバッテリの正極が接続可能になっている第1の正バッテリ端子、及び前記第1のバッテリの負極が接続可能になっている第1の負バッテリ端子と、第2のバッテリの正極が接続可能になっている第2の正バッテリ端子、及び前記第2のバッテリの負極が接続可能になっている第2の負バッテリ端子と、充電器の高電位側の出力が接続され、前記充電器の高電位側の電圧が印加される第1の充電端子と、前記充電器の低電位側の出力が接続され、前記充電器の低電位側の電圧が印加される第2の充電端子と、第1の駆動電圧端子及び第2の駆動電圧端子と、前記第1の正バッテリ端子に電気的に接続された正電圧端子と、前記第2の負バッテリ端子及び前記第2の充電端子に電気的に接続された負電圧端子と、一端が前記第1の負バッテリ端子に接続され、他端が前記第2の正バッテリ端子に接続された第1のコンタクタと、一端が前記第1の負バッテリ端子に接続され、他端が前記負電圧端子に接続された第2のコンタクタと、一端が前記第2の正バッテリ端子に接続され、他端が前記第1の充電端子に接続された第3のコンタクタと、一端が前記正電圧端子に接続され、他端が前記第2の正バッテリ端子に接続された第4のコンタクタと、前記正電圧端子と前記負電圧端子との間の電圧を昇圧し、昇圧した昇圧電圧を、前記第1の駆動電圧端子と前記第2の駆動電圧端子との間に印加するアップコンバータと、前記第1の駆動電圧端子と前記第2の駆動電圧端子と間の電圧を降圧して、負荷が接続される負荷端子に出力するダウンレギュレータと、駆動制御部と、を備える電力制御装置の制御方法であって、
前記駆動制御部により、前記アップコンバータ及び前記ダウンレギュレータを制御するとともに、前記第1のコンタクタ、前記第2のコンタクタ、前記第3のコンタクタ、及び前記第4のコンタクタを制御することで、前記第1の正バッテリ端子及び前記第1の負バッテリ端子に接続された前記第1のバッテリと、前記第2の正バッテリ端子及び前記第2の負バッテリ端子に接続された前記第2のバッテリとの電気的な回路接続を制御するとともに、前記第1のバッテリ及び前記第2のバッテリの充放電を制御するものであり、
前記第2の正バッテリ端子及び前記第2の負バッテリ端子に接続された前記第2のバッテリが故障して前記第1の正バッテリ端子及び前記第1の負バッテリ端子に接続された前記第1のバッテリのみを放電させて、前記第1の駆動電圧端子と前記第2の駆動電圧端子との間に電圧を印加させる場合には、
前記駆動制御部により、前記第1のコンタクタをオフに制御し、前記第2のコンタクタをオンに制御し、前記第3のコンタクタをオフに制御し、前記第4のコンタクタをオフに制御するとともに、前記正電圧端子と前記負電圧端子との間の電圧を昇圧し、昇圧した昇圧電圧を、前記第1の駆動電圧端子と前記第2の駆動電圧端子との間に印加するように前記アップコンバータを制御して、前記第1のバッテリのみを放電させて、前記第1の駆動電圧端子と前記第2の駆動電圧端子との間に予め設定された規定値の電圧を印加させる
ことを特徴とする電力制御装置の制御方法。
第1のバッテリの正極が接続可能になっている第1の正バッテリ端子、及び前記第1のバッテリの負極が接続可能になっている第1の負バッテリ端子と、第2のバッテリの正極が接続可能になっている第2の正バッテリ端子、及び前記第2のバッテリの負極が接続可能になっている第2の負バッテリ端子と、充電器の高電位側の出力が接続され、前記充電器の高電位側の電圧が印加される第1の充電端子と、前記充電器の低電位側の出力が接続され、前記充電器の低電位側の電圧が印加される第2の充電端子と、第1の駆動電圧端子及び第2の駆動電圧端子と、前記第1の正バッテリ端子に電気的に接続された正電圧端子と、前記第2の負バッテリ端子及び前記第2の充電端子に電気的に接続された負電圧端子と、一端が前記第1の負バッテリ端子に接続され、他端が前記第2の正バッテリ端子に接続された第1のコンタクタと、一端が前記第1の負バッテリ端子に接続され、他端が前記負電圧端子に接続された第2のコンタクタと、一端が前記第2の正バッテリ端子に接続され、他端が前記第1の充電端子に接続された第3のコンタクタと、一端が前記正電圧端子に接続され、他端が前記第2の正バッテリ端子に接続された第4のコンタクタと、前記正電圧端子と前記負電圧端子との間の電圧を昇圧し、昇圧した昇圧電圧を、前記第1の駆動電圧端子と前記第2の駆動電圧端子との間に印加するアップコンバータと、前記第1の駆動電圧端子と前記第2の駆動電圧端子と間の電圧を降圧して、負荷が接続される負荷端子に出力するダウンレギュレータと、駆動制御部と、を備える電力制御装置の制御方法であって、
前記駆動制御部により、前記アップコンバータ及び前記ダウンレギュレータを制御するとともに、前記第1のコンタクタ、前記第2のコンタクタ、前記第3のコンタクタ、及び前記第4のコンタクタを制御することで、前記第1の正バッテリ端子及び前記第1の負バッテリ端子に接続された前記第1のバッテリと、前記第2の正バッテリ端子及び前記第2の負バッテリ端子に接続された前記第2のバッテリとの電気的な回路接続を制御するとともに、前記第1のバッテリ及び前記第2のバッテリの充放電を制御するものであり、 前記第1の正バッテリ端子及び前記第1の負バッテリ端子に接続された前記第1のバッテリが故障して前記第2の正バッテリ端子及び前記第2の負バッテリ端子に接続された前記第2のバッテリのみを放電させて、前記第1の駆動電圧端子と前記第2の駆動電圧端子との間に電圧を印加させる場合には、
前記駆動制御部は、
前記第1のコンタクタをオフに制御し、前記第2のコンタクタをオフに制御し、前記第3のコンタクタをオフに制御し、前記第4のコンタクタをオンに制御するとともに、前記正電圧端子と前記負電圧端子との間の電圧を昇圧し、昇圧した昇圧電圧を、前記第1の駆動電圧端子と前記第2の駆動電圧端子との間に印加するように前記アップコンバータを制御して、前記第2のバッテリのみを放電させて、前記第1の駆動電圧端子と前記第2の駆動電圧端子との間に予め設定された規定値の電圧を印加させる
ことを特徴とする電力制御装置の制御方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、本発明は、複数のバッテリのうちの1つが故障した場合であっても、必要な電力を供給することが可能な電力制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様に係る実施形態に従った電力制御装置は、
第1のバッテリの正極が接続可能になっている第1の正バッテリ端子、及び前記第1のバッテリの負極が接続可能になっている第1の負バッテリ端子と、
第2のバッテリの正極が接続可能になっている第2の正バッテリ端子、及び前記第2のバッテリの負極が接続可能になっている第2の負バッテリ端子と、
充電器の高電位側の出力が接続され、前記充電器の高電位側の電圧が印加される第1の充電端子と、
前記充電器の低電位側の出力が接続され、前記充電器の低電位側の電圧が印加される第2の充電端子と、
第1の駆動電圧端子及び第2の駆動電圧端子と、
前記第1の正バッテリ端子に電気的に接続された正電圧端子と、
前記第2の負バッテリ端子及び前記第2の充電端子に電気的に接続された負電圧端子と、
一端が前記第1の負バッテリ端子に接続され、他端が前記第2の正バッテリ端子に接続された第1のコンタクタと、
一端が前記第1の負バッテリ端子に接続され、他端が前記負電圧端子に接続された第2のコンタクタと、
一端が前記第2の正バッテリ端子に接続され、他端が前記第1の充電端子に接続された第3のコンタクタと、
一端が前記正電圧端子に接続され、他端が前記第2の正バッテリ端子に接続された第4のコンタクタと、
前記正電圧端子と前記負電圧端子との間の電圧を昇圧し、昇圧した昇圧電圧を、前記第1の駆動電圧端子と前記第2の駆動電圧端子との間に印加するアップコンバータと、
前記第1の駆動電圧端子と前記第2の駆動電圧端子と間の電圧を降圧して、負荷が接続される負荷端子に出力するダウンレギュレータと、
前記アップコンバータ及び前記ダウンレギュレータを制御するとともに、前記第1のコンタク、前記第2のコンタクタ、前記第3のコンタクタ、及び前記第4のコンタクタを制御することで、前記第1の正バッテリ端子及び前記第1の負バッテリ端子に接続された前記第1のバッテリと、前記第2の正バッテリ端子及び前記第2の負バッテリ端子に接続された前記第2のバッテリとの電気的な回路接続を制御するとともに、前記第1のバッテリ及び前記第2のバッテリの充放電を制御する駆動制御部と、を備える
ことを特徴とする。
【0008】
前記電力制御装置において、
前記駆動制御部は、
前記第1の駆動電圧端子と前記第2の駆動電圧端子との間の電圧からモータ駆動電圧を生成して、前記モータ駆動電圧によりモータを駆動する
ことを特徴とする。
【0009】
前記電力制御装置において、
前記第1の正バッテリ端子及び前記第1の負バッテリ端子に接続された前記第1のバッテリ及び前記第2の正バッテリ端子及び前記第2の負バッテリ端子に接続された前記第2のバッテリを放電させて、前記第1の駆動電圧端子と前記第2の駆動電圧端子との間に電圧を印加させる場合には、
前記駆動制御部は、
前記第1のコンタクタをオンに制御し、前記第2のコンタクタをオフに制御し、前記第3のコンタクタをオフに制御し、前記第4のコンタクタをオフに制御するとともに、前記正電圧端子と前記第1の駆動電圧端子とを導通し且つ前記負電圧端子と前記第2の駆動電圧端子とを導通させて前記正電圧端子と前記負電圧端子との間の電圧を昇圧動作させないように前記アップコンバータを制御して、前記第1のバッテリ及び前記第2のバッテリを放電させて、前記第1の駆動電圧端子と前記第2の駆動電圧端子との間に予め設定された規定値の電圧を印加させる
ことを特徴とする。
【0010】
前記電力制御装置において、
前記第2の正バッテリ端子及び前記第2の負バッテリ端子に接続された前記第2のバッテリが故障して前記第1の正バッテリ端子及び前記第1の負バッテリ端子に接続された前記第1のバッテリのみを放電させて、前記第1の駆動電圧端子と前記第2の駆動電圧端子との間に電圧を印加させる場合には、
前記駆動制御部は、
前記第1のコンタクタをオフに制御し、前記第2のコンタクタをオンに制御し、前記第3のコンタクタをオフに制御し、前記第4のコンタクタをオフに制御するとともに、前記正電圧端子と前記負電圧端子との間の電圧を昇圧し、昇圧した昇圧電圧を、前記第1の駆動電圧端子と前記第2の駆動電圧端子との間に印加するように前記アップコンバータを制御して、前記第1のバッテリのみを放電させて、前記第1の駆動電圧端子と前記第2の駆動電圧端子との間に前記規定値の電圧を印加させる
ことを特徴とする。
【0011】
前記電力制御装置において、
前記第1の正バッテリ端子及び前記第1の負バッテリ端子に接続された前記第1のバッテリが故障して前記第2の正バッテリ端子及び前記第2の負バッテリ端子に接続された前記第2のバッテリのみを放電させて、前記第1の駆動電圧端子と前記第2の駆動電圧端子との間に電圧を印加させる場合には、
前記駆動制御部は、
前記第1のコンタクタをオフに制御し、前記第2のコンタクタをオフに制御し、前記第3のコンタクタをオフに制御し、前記第4のコンタクタをオンに制御するとともに、前記正電圧端子と前記負電圧端子との間の電圧を昇圧し、昇圧した昇圧電圧を、前記第1の駆動電圧端子と前記第2の駆動電圧端子との間に印加するように前記アップコンバータを制御して、前記第2のバッテリのみを放電させて、前記第1の駆動電圧端子と前記第2の駆動電圧端子との間に前記規定値の電圧を印加させる
ことを特徴とする。
【0012】
前記電力制御装置において、
前記第1の充電端子及び第2の充電端子に接続された前記充電器により、前記第1の正バッテリ端子及び前記第1の負バッテリ端子に接続された前記第1のバッテリ及び前記第2の正バッテリ端子及び前記第2の負バッテリ端子に接続された前記第2のバッテリを充電する場合には、
前記駆動制御部は、
前記第1のコンタクタをオフに制御し、前記第2のコンタクタをオンに制御し、前記第3のコンタクタをオンに制御し、前記第4のコンタクタをオンに制御して、前記第1のバッテリと第2のバッテリに前記充電器から充電電圧を供給させて充電する
ことを特徴とする。
【0013】
前記電力制御装置において、
前記第2のバッテリの構成は、前記第1のバッテリの構成と同じであり、
前記第1のバッテリが出力する第1のバッテリ電圧は、前記第2のバッテリが出力する第2のバッテリ電圧と同じである
ことを特徴とする。
【0014】
前記電力制御装置において、
基準バッテリの正極が接続され、基準電圧が供給される基準バッテリ端子と、
前記充電器が接続可能になっている基準充電端子と、
一端が前記基準バッテリ端子に接続され、他端が前記基準充電端子、第1のバッテリ用電源端子及び駆動制御部用電源端子に接続されたスイッチ回路と、を備える
ことを特徴とする。
【0015】
前記電力制御装置において、
前記第1のバッテリは、
前記第1の正バッテリ端子と前記第1の負バッテリ端子との間の電圧を充電し又は前記第1の正バッテリ端子と前記第1の負バッテリ端子との間に充電電圧を放電する第1のセルと、
前記第1のバッテリ用電源端子に供給される前記基準電圧で起動し、前記第1のセルの状態を監視し、前記第1のセルの状態に関する情報を出力する第1のマネジメント部と、を備え、
前記第2のバッテリは、
前記第2の正バッテリ端子と前記第2の負バッテリ端子との間の電圧を充電し又は前記第2の正バッテリ端子と前記第2の負バッテリ端子との間に充電電圧を放電する第2のセルと、
前記駆動制御部から供給される第1の起動電圧又は前記充電器から供給される第2の起動電圧で起動し、前記第2のセルの状態を監視し、前記第2のセルの状態に関する情報を出力する第2のマネジメント部と、を備える
ことを特徴とする。
【0016】
前記電力制御装置において、
前記駆動制御部は、
前記第1のマネジメント部と通信することにより、前記第1のバッテリが故障しているか否かを判断し、
前記第2のマネジメント部と通信することにより、前記第2のバッテリが故障しているか否かを判断する
ことを特徴とする。
【0017】
前記電力制御装置において、
前記駆動制御部は、
前記第1の駆動電圧端子と前記第2の駆動電圧端子との間に接続されたキャパシタと、
前記第1の駆動電圧端子と前記第2の駆動電圧端子との間の電圧が供給され、前記モータにモータ駆動電圧を出力して前記モータを駆動するブリッジ回路とをさらに備える
ことを特徴とする。
【0018】
前記電力制御装置において、
前記電力制御装置は電動二輪車に積載され、前記モータは前記電動二輪車の車輪に接続され、前記駆動制御部は、前記モータの駆動を制御することにより、前記車輪の回転を制御する
ことを特徴とする。
【0019】
前記電力制御装置において、
前記基準バッテリは、鉛バッテリであり、
前記第1及び第2のバッテリは、リチウムバッテリであることを特徴とする。
【0020】
前記電力制御装置において、
前記基準バッテリは、前記ダウンレギュレータが出力する電圧により充電されることを特徴とする。
【0021】
本発明の一態様に係る実施形態に従った電力制御装置の制御方法は、
第1のバッテリの正極が接続可能になっている第1の正バッテリ端子、及び前記第1のバッテリの負極が接続可能になっている第1の負バッテリ端子と、第2のバッテリの正極が接続可能になっている第2の正バッテリ端子、及び前記第2のバッテリの負極が接続可能になっている第2の負バッテリ端子と、充電器の高電位側の出力が接続され、前記充電器の高電位側の電圧が印加される第1の充電端子と、前記充電器の低電位側の出力が接続され、前記充電器の低電位側の電圧が印加される第2の充電端子と、第1の駆動電圧端子及び第2の駆動電圧端子と、前記第1の正バッテリ端子に電気的に接続された正電圧端子と、前記第2の負バッテリ端子及び前記第2の充電端子に電気的に接続された負電圧端子と、一端が前記第1の負バッテリ端子に接続され、他端が前記第2の正バッテリ端子に接続された第1のコンタクタと、一端が前記第1の負バッテリ端子に接続され、他端が前記負電圧端子に接続された第2のコンタクタと、一端が前記第2の正バッテリ端子に接続され、他端が前記第1の充電端子に接続された第3のコンタクタと、一端が前記正電圧端子に接続され、他端が前記第2の正バッテリ端子に接続された第4のコンタクタと、前記正電圧端子と前記負電圧端子との間の電圧を昇圧し、昇圧した昇圧電圧を、前記第1の駆動電圧端子と前記第2の駆動電圧端子との間に印加するアップコンバータと、前記第1の駆動電圧端子と前記第2の駆動電圧端子と間の電圧を降圧して、負荷が接続される負荷端子に出力するダウンレギュレータと、駆動制御部と、を備える電力制御装置の制御方法であって、
前記制御部により、前記アップコンバータ及び前記ダウンレギュレータを制御するとともに、前記第1のコンタク、前記第2のコンタクタ、前記第3のコンタクタ、及び前記第4のコンタクタを制御することで、前記第1の正バッテリ端子及び前記第1の負バッテリ端子に接続された前記第1のバッテリと、前記第2の正バッテリ端子及び前記第2の負バッテリ端子に接続された前記第2のバッテリとの電気的な回路接続を制御するとともに、前記第1のバッテリ及び前記第2のバッテリの充放電を制御する
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0022】
本発明の一態様に係る電力制御装置は、第1のバッテリの正極が接続可能になっている第1の正バッテリ端子、及び第1のバッテリの負極が接続可能になっている第1の負バッテリ端子と、第2のバッテリの正極が接続可能になっている第2の正バッテリ端子、及び第2のバッテリの負極が接続可能になっている第2の負バッテリ端子と、充電器の高電位側の出力が接続され、充電器の高電位側の電圧が印加される第1の充電端子と、充電器の低電位側の出力が接続され、充電器の低電位側の電圧が印加される第2の充電端子と、第1の駆動電圧端子及び第2の駆動電圧端子と、第1の正バッテリ端子に電気的に接続された正電圧端子と、第2の負バッテリ端子及び第2の充電端子に電気的に接続された負電圧端子と、一端が第1の負バッテリ端子に接続され、他端が第2の正バッテリ端子に接続された第1のコンタクタと、一端が第1の負バッテリ端子に接続され、他端が負電圧端子に接続された第2のコンタクタと、一端が第2の正バッテリ端子に接続され、他端が第1の充電端子に接続された第3のコンタクタと、一端が正電圧端子に接続され、他端が第2の正バッテリ端子に接続された第4のコンタクタと、正電圧端子と負電圧端子との間の電圧を昇圧し、昇圧した昇圧電圧を、第1の駆動電圧端子と第2の駆動電圧端子との間に印加するアップコンバータと、第1の駆動電圧端子と第2の駆動電圧端子と間の電圧を降圧して、負荷が接続される負荷端子に出力するダウンレギュレータと、アップコンバータ及びダウンレギュレータを制御するとともに、第1のコンタク、第2のコンタクタ、第3のコンタクタ、及び第4のコンタクタを制御することで、第1の正バッテリ端子及び第1の負バッテリ端子に接続された第1のバッテリと、第2の正バッテリ端子及び第2の負バッテリ端子に接続された第2のバッテリとの電気的な回路接続を制御するとともに、第1のバッテリ及び第2のバッテリの充放電を制御する駆動制御部と、を備える。
【0023】
そして、例えば、第2の正バッテリ端子及び第2の負バッテリ端子に接続された第2のバッテリが故障して第1の正バッテリ端子及び第1の負バッテリ端子に接続された第1のバッテリのみを放電させて、第1の駆動電圧端子と第2の駆動電圧端子との間に電圧を印加させる場合には、駆動制御部は、第1のコンタクタをオフに制御し、第2のコンタクタをオンに制御し、第3のコンタクタをオフに制御し、第4のコンタクタをオフに制御するとともに、正電圧端子と負電圧端子との間の電圧を昇圧し、昇圧した昇圧電圧を、第1の駆動電圧端子と第2の駆動電圧端子との間に印加するようにアップコンバータを制御して、第1のバッテリのみを放電させて、第1の駆動電圧端子と第2の駆動電圧端子との間に規定値の電圧を印加させる。
【0024】
これにより、本発明の電力制御装置によれば、複数のバッテリのうちの1つが故障した場合であっても、必要な電力を供給することができる。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明に係る実施形態について図面に基づいて説明する。
【0027】
図1は、実施形態に係る電力制御装置100の構成の一例を示す図である。なお、
図1においては、モバイルバッテリが最小単位の2個(第1、第2のバッテリB1、B2)の場合を記載しているが、3個以上のモバイルバッテリが接続されるようにした場合も、同様に説明される。
【0028】
本実施形態に係る電力制御装置100は、例えば、
図1に示すように、基準バッテリ端子TKと、基準充電端子TCSと、第1の正バッテリ端子T1Pと、第1の負バッテリ端子T1Nと、第2の正バッテリ端子T2Pと、第2の負バッテリ端子T2Nと、第1のバッテリ用電源端子T1Bと、第2のバッテリ用電源端子T2Bと、第1の駆動電圧端子TDPと、第2の駆動電圧端子TDNと、通信線CANと、駆動制御部用電源端子TGと、第1の起動電圧端子TPS2と、第2の起動電圧端子TCOUTと、第1の充電端子TCPと、第2の充電端子TCNと、スイッチ回路SWと、メインスイッチ制御部Xと、駆動制御部PDUと、ダウンレギュレータDRと、正電圧端子TAPと、負電圧端子TANと、第1のコンタクタCAと、第2のコンタクタCBと、第3のコンタクタCCと、第4のコンタクタCDと、アップコンバータAPと、を備える。
【0029】
この電力制御装置100は、例えば、電動二輪車(車両)に積載されるようになっている。そして、モータMは、当該電動二輪車の車輪に接続されている。
【0030】
この電力制御装置100は、基準バッテリ(鉛バッテリ)Kの電圧により起動するようになっている。そして、電力制御装置100は、第1及び第2のバッテリ(Liバッテリ)B1、B2の電圧からモータ駆動電圧を生成して、このモータ駆動電圧によりモータMを駆動するようになっている。そして、電力制御装置100は、モータMの駆動を制御することにより、当該車輪の回転を制御するようになっている。
【0031】
ここで、基準バッテリ端子TKは、基準バッテリKの正極が接続され、基準電圧が供給される。なお、基準バッテリKは、例えば、鉛バッテリである。
【0032】
また、第1の充電端子TCPは、
図1の例では、充電器CHの高電位側の出力が接続され、充電器CHの高電位側の電圧が印加されるようになっている。
【0033】
また、第2の充電端子TCNは、
図1の例では、充電器CHの低電位側の出力が接続され、充電器CHの低電位側の電圧が印加されるようになっている。
【0034】
また、基準充電端子TCSは、充電器CHが接続可能になっており、第1のバッテリ用電源端子T1B及び駆動制御部用電源端子TPS1に電気的に接続されている。
【0035】
なお、充電器CHは、少なくとも第1及び第2のバッテリB1、B2の充電時に接続されていればよく、既述の電動二輪車の走行時等には、当該電動二輪車に積載された電力制御装置100(各端子TCN、TCP、TCOUT、TCS)から外されていてもよい。
【0036】
また、第1の駆動電圧端子TDPは、駆動制御部PDUのキャパシタZの一端に電気的に接続されている。
【0037】
また、第2の駆動電圧端子TDNは、駆動制御部PDUのキャパシタZの他端に電気的に接続されている。
【0038】
また、駆動制御部用電源端子TGは、基準充電端子TCSに電気的に接続されている。
【0039】
また、第1の起動電圧端子TPS2は、駆動制御部PDUに接続されており、第2のバッテリ用電源端子T2Bに電気的に接続されている。
【0040】
また、第2の起動電圧端子TCOUTは、充電器CHが接続可能になっており、第2のバッテリ用電源端子T2Bに電気的に接続されている。
【0041】
また、第1のバッテリ用電源端子T1Bは、第1のバッテリB1が接続可能になっており、スイッチ回路SWの他端及び基準充電端子TCSに接続されている。
【0042】
また、第2のバッテリ用電源端子T2Bは、第2のバッテリB2が接続可能になっており、第1及び第2の起動電圧端子TPS2、TCOUTに接続されている。
【0043】
また、モバイルバッテリである第1及び第2のバッテリB1、B2は、例えば、リチウムバッテリである。すなわち、第1及び第2のバッテリB1、B2が出力するバッテリ電圧(48V)は、基準バッテリKが出力する基準電圧であるバッテリ電圧(12V)よりも高くなるように設定されている。
【0044】
また、第1の正バッテリ端子T1Pは、既述の第1のバッテリB1の正極が接続可能になっている。そして、第1の負バッテリ端子T1Nは、この第1のバッテリB1の負極が接続可能になっている。
【0045】
また、正電圧端子TAPは、第1の正バッテリ端子T1Pに電気的に接続されている。
【0046】
また、負電圧端子TANは、第2の負バッテリ端子T2N及び第2の充電端子TCNに電気的に接続されている。
【0047】
ここで、第1のバッテリB1は、例えば、
図1に示すように、第1のセル(直列に接続された複数のリチウムイオン電池)S1と、第1のマネジメント部BMU1と、を備える。
【0048】
そして、第1のセルS1は、第1の正バッテリ端子T1Pと第1の負バッテリ端子T1Nとの間の電圧を充電し、又は、第1の正バッテリ端子T1Pと第1の負バッテリ端子T1Nとの間に充電電圧を放電するようになっている。
【0049】
そして、第1のマネジメント部BMU1は、第1のバッテリ用電源端子T1Bに供給される基準電圧で起動し、第1のセルS1(すなわち、第1のバッテリB1)の状態(第1のセルS1のセル電圧、第1のセルS1のSOC、第1のセルS1の温度、第1のセルS1の電流等)を監視し、この第1のセルS1(すなわち、第1のバッテリB1)の状態に関する情報や、既述の識別情報等を含むデータを、通信線CANを介して、断続的に出力するようになっている。
【0050】
なお、この第1のバッテリB1の接続前の初期状態において、第1のバッテリB1の識別情報は、初期識別情報に設定されている。
【0051】
また、第1のバッテリB1は、電力制御装置100(例えば、各端子T1P、T1N、及びT1B)から外されると、その識別情報が該初期識別情報にリセットされるようになっている。
【0052】
そして、この第1のマネジメント部BMU1は、第1のセルS1の状態(故障等)に応じて、強制的に第1のセルS1の充放電を停止するための第1の管理用コンタクタT1を備える。
【0053】
また、第2の正バッテリ端子T2Pは、既述の第2のバッテリB2の正極が接続可能になっている。そして、第2の負バッテリ端子T2Nは、この第2のバッテリB2の負極が接続可能になっている。
【0054】
ここで、第2のバッテリB2は、第2のセル(直列に接続された複数のリチウムイオン電池)S2と、第2のマネジメント部BMU2と、を備える。
【0055】
そして、第2のセルS2は、第2の正バッテリ端子T2Pと第2の負バッテリ端子T2Nとの間の電圧を充電し、又は、第2の正バッテリ端子T2Pと第2の負バッテリ端子T2Nとの間に充電電圧を放電するようになっている。
【0056】
そして、第2のマネジメント部BMU2は、駆動制御部PDUから供給される第1の起動電圧又は充電器CHから供給される第2の起動電圧(すなわち、第2のバッテリ用電源端子T2Bに供給される第1又は第2の起動電圧)で起動し、第2のセルS2(すなわち、第2のバッテリB2)の状態(第2のセルS2のセル電圧、第2のセルS2のSOC、第2のセルS2の温度、第2のセルS2の電流等)を監視し、第2のセルS2(すなわち、第2のバッテリB2)の状態に関する情報を出力するようになっている。
【0057】
なお、この第2のバッテリB2の接続前の初期状態において、第2のバッテリB2の識別情報は、第1のバッテリB1の識別情報と同じ該初期識別情報に設定されている。
【0058】
そして、この第2のマネジメント部MBU2は、第2のセルS2の状態(故障等)に応じて、強制的に第2のセルS2の充放電を停止するための第2の管理用コンタクタT2を備える。
【0059】
また、第2のバッテリB2は、電力制御装置100(例えば、各端子T2P、T2N、及びT2B)から外されると、その識別情報が該初期識別情報にリセットされるようになっている。
【0060】
なお、この第2のバッテリB2の構成は、既述の第1のバッテリB1の構成と同じである。 そして、第1のバッテリB1が出力する第1のバッテリ電圧(48V)は、この第2のバッテリB2が出力する第2のバッテリ電圧(48V)と同じである。
【0061】
また、スイッチ回路SWは、一端が基準バッテリ端子TKに接続され、他端が基準充電端子TCS、第1のバッテリ用電源端子T1B及び駆動制御部用電源端子TPS1に電気的に接続されている。
【0062】
このスイッチ回路SWは、例えば、オンすることにより基準バッテリKの基準電圧を駆動制御部PDU及び第1のバッテリB1に供給ずるようになっている。
【0063】
一方、このスイッチ回路SWは、オフすることにより基準バッテリKの基準電圧の駆動制御部PDU及び第1のバッテリB1への供給を遮断するようになっている。
【0064】
また、メインスイッチ制御部Xは、基準バッテリKの正極から電力が供給され、ユーザの操作(行為)等に応じてスイッチ回路SWを制御するようになっている。
【0065】
また、通信線CANは、第1の正バッテリ端子T1P及び第1の負バッテリ端子T1Nに接続された第1のバッテリB1と駆動制御部PDU(又は充電器CH)とが通信するとともに、第2の正バッテリ端子T2P及び第2の負バッテリ端子T2Nに接続された第2のバッテリB2と、駆動制御部PDU(又は充電器CH)とが通信するためのものである。
【0066】
この通信線CANは、第1及び第2のバッテリB1、B2がデータを駆動制御部PDUに送信するための第1の通信線CAN1と、駆動制御部PDU又は充電器CHの指令を第1及び第2のバッテリB1、B2に送信するための第2の通信線CAN2とを備える。
【0067】
また、ダウンレギュレータDRは、第1の駆動電圧端子TAPと第2の駆動電圧端子TDNと間の電圧(アップコンバータAPが出力した電圧)を降圧して出力するようになっている。
【0068】
このダウンレギュレータDRは、例えば、第1の駆動電圧端子TDPと第2の駆動電圧端子TDNと間の電圧を降圧して、負荷Loadが接続される負荷端子TRに出力するDC−DCコンバータである。なお、基準バッテリKは、このダウンレギュレータDRが出力する電圧により充電されるようになっている。
【0069】
なお、当該負荷Loadは、例えば、既述の電動二輪車のライト、ウインカー、又はインジケータ、その他の電動二輪車の走行等に必要な電子部品の何れかを含む。
【0070】
そして、基準バッテリKは、このダウンレギュレータDRが出力する降圧電圧(12V)により、充電されるようになっている。
【0071】
また、第1のコンタクタCAは、一端が第1の負バッテリ端子T1Nに接続され、他端が第2の正バッテリ端子T2Pに接続されている。この第1のコンタクタCAは、駆動制御部PDUにより、オン/オフが制御されるようになっている。
【0072】
また、第2のコンタクタCBは、一端が第1の負バッテリ端子T1Nに接続され、他端が負電圧端子TANに接続されている。この第2のコンタクタCBは、駆動制御部PDUによりオン/オフが制御されるようになっている。
【0073】
また、第3のコンタクタCCは、一端が第2の正バッテリ端子T2Pに接続され、他端が第1の充電端子TCPに接続されている。この第3のコンタクタCCは、駆動制御部PDUによりオン/オフが制御されるようになっている。
【0074】
また、第4のコンタクタCDは、一端が正電圧端子TAPに接続され、他端が第2の正バッテリ端子T2Pに接続されている。この第4のコンタクタCDは、駆動制御部PDUによりオン/オフが制御されるようになっている。
【0075】
また、アップコンバータAPは、正電圧端子TAPと負電圧端子TANとの間の電圧を昇圧し、昇圧した昇圧電圧を、第1の駆動電圧端子TDPと第2の駆動電圧端子TDNとの間に印加するようになっている。このアップコンバータAPは、駆動制御部PDUによりその昇圧動作が制御されるようになっている。
【0076】
なお、このアップコンバータAPは、昇圧動作しない場合には、正電圧端子TAPと第1の駆動電圧端子TDPとを導通し且つ負電圧端子TANと第2の駆動電圧端子TDNとを導通させるようになっている。
【0077】
また、駆動制御部PDUは、例えば、
図1に示すように、第1のバッテリB1及び第2のバッテリB2の電圧からモータ駆動電圧を生成して、このモータ駆動電圧によりモータを駆動するようになっている。そして、駆動制御部PDUは、モータMの駆動を制御することにより、当該車輪の回転を制御するようになっている。
【0078】
この駆動制御部PDUは、例えば、
図1に示すように、第1の駆動電圧端子TDPと第2の駆動電圧端子TDNとの間に接続されたキャパシタZと、第1の駆動電圧端子TDPと第2の駆動電圧端子TDNとの間の電圧(キャパシタZの電圧)が供給され、モータMにモータ駆動電圧を出力してモータMを駆動するブリッジ回路Yと、を備える。
【0079】
例えば、駆動制御部PDUは、第1の駆動電圧端子TDPと第2の駆動電圧端子TDNとの間の電圧からブリッジ回路Yによりモータ駆動電圧を生成して、当該モータ駆動電圧によりモータMを駆動するようになっている。
【0080】
この駆動制御部PDUは、通信線CANを介して、第1の正バッテリ端子T1P及び第1の負バッテリ端子T1Nに接続された第1のバッテリB1の識別情報を含むデータと、第2の正バッテリ端子T1P及び第2の負バッテリ端子T2Nに接続された第2のバッテリB2の識別情報を含むデータと、を受信するようになっている。
【0081】
これにより、駆動制御部PDUは、第1及び第2のバッテリB1、B2の情報を認識して、アップコンバータAP及びダウンレギュレータDRを制御するとともに、第1のコンタクタCA、第2のコンタクタCB、第3のコンタクタCC、及び第4のコンタクタCDを制御することで、第1の正バッテリ端子T1P及び第1の負バッテリ端子T1Nに接続された第1のバッテリB1と、第2の正バッテリ端子T2P及び第2の負バッテリ端子T1Nに接続された第2のバッテリB2との電気的な回路接続を制御するとともに、第1のバッテリB1及び第2のバッテリB2の充放電を制御するようになっている。
【0082】
例えば、駆動制御部PDUは、第1のバッテリB1及び第2のバッテリB2を放電する場合(駆動モード)には、第1のコンタクタCAをオンに制御し、第2のコンタクタCBをオフに制御し、第3のコンタクタCCをオフに制御し、第4のコンタクタCDをオフに制御する。
【0083】
さらに、駆動制御部PDUは、正電圧端子TAPと第1の駆動電圧端子TDPとを導通し且つ負電圧端子TANと第2の駆動電圧端子TDNとを導通させて正電圧端子TAPと負電圧端子TANとの間の電圧を昇圧動作させないようにアップコンバータAPを制御する。
【0084】
これにより、駆動制御部PDUは、第1のバッテリB1及び第2のバッテリB2を放電させて、第1の駆動電圧端子TDPと第2の駆動電圧端子TDNとの間に予め設定された規定値の電圧(96V)を印加させる。
【0085】
一方、駆動制御部PDUは、第1のバッテリB1及び第2のバッテリB2を充電する場合(充電モード)には、第1のコンタクタCAをオフに制御し、第2のコンタクタCBをオンに制御し、第3のコンタクタCCをオンに制御し、第4のコンタクタCDをオンに制御して、第1のバッテリB1と第2のバッテリB2とを充電器CHにより並行して充電するようになっている。
【0086】
これにより、充電器CHから第3のコンタクタCCを介して第2のバッテリB2に充電電流が供給され、一方、充電器CHから第3、第4のコンタクタCC、CD、正電圧端子TAPを介して第1のバッテリB1に充電電流が供給される。
【0087】
また、駆動制御部PDUは、スイッチ回路SWがオンすると、スイッチ回路SWを介して基準バッテリKの基準電圧が供給されて起動するようになっている。
【0088】
そして、この駆動制御部PDUは、起動後、第1のバッテリB1を起動させて通信線CANを介して通信して第1のバッテリB1の識別情報を設定し、その後、第2のバッテリB2を起動させて通信線CANを介して通信して第2のバッテリB2の識別情報を、第1のバッテリB1の識別情報と異なるように設定するようになっている。
【0089】
また、駆動制御部PDUは、通信線CANを介して、マネジメント部BMU1、BMU2から複数の情報を取得するようになっている。特に、駆動制御部PDUは、マネジメント部BMU1、BMU2が出力した第1のバッテリB1、第2のバッテリB2の状態に関するバッテリ情報に基づいて、第1のバッテリB1の状態が正常であるか又は異常であるか(故障しているか)を判断するようになっている。
【0090】
例えば、駆動制御部PDUは、通信線CANを介して、第1のマネジメント部BMU1と通信することにより、第1のバッテリB1が故障しているか否かを判断するようになっている。また、駆動制御部PDUは、通信線CANを介して、第2のマネジメント部BMU2と通信することにより、第2のバッテリB2が故障しているか否かを判断するようになっている。
【0091】
ここで、この駆動制御部PDUは、モータMの駆動機能を停止する場合には、例えば、ブリッジ回路Yのトランジスタを全てオープンにし、若しくは、ハイサイド又はローサイドのトランジスタをショートにするようになっている。
【0092】
なお、この駆動制御部PDUは、通信線CANを介して既述の充電器CHと通信できるようになっている。そして、駆動制御部PDUは、充電器CHが基準充電端子TCSに接続されると、充電器CHが出力する第1の起動電圧が基準充電端子TCS及び駆動制御部用電源端子TGを介して供給されて起動するようになっている。
【0093】
そして、充電器CHも、通信線CANを介して、第1の正バッテリ端子T1P及び第1の負バッテリ端子T1Nに接続された第1のバッテリB1の識別情報を含むデータと、第2の正バッテリ端子T1P及び第2の負バッテリ端子T2Nに接続された第2のバッテリB2の識別情報を含むデータと、を受信するようになっている。
【0094】
そして、充電器CHは、充電時に、第1のバッテリB1を起動させて通信線CANを介して通信して第1のバッテリB1の識別情報を設定し、その後、第2のバッテリB2を起動させて通信線CANを介して通信して第2のバッテリB2の識別情報を、第1のバッテリB1の識別情報と異なるように設定することが可能になっている。
【0095】
なお、駆動制御部PDUは、上述の第1及び第2のバッテリB2の識別情報の設定後に、第1のバッテリB1及び第2のバッテリB2の電圧をモータに供給して、モータMを駆動する場合には、第1のバッテリB1と第2のバッテリB2とを直列した電圧(98V)により、モータMを駆動する。このモータMの駆動により、車輪が回転して、電動二輪車が走行することなる。
【0096】
また、駆動制御部PDUは、上述の第1及び第2のバッテリB1、B2の識別情報の設定後に、第1及び第2のバッテリB2の識別情報の設定後に、第1のバッテリB1及び第2のバッテリB2を充電器CHにより充電する場合には、第1のバッテリB1と第2のバッテリB2とが並列に接続されるように、回路接続を制御するようになっている。
【0097】
次に、以上のような構成を有する電力制御装置100の制御方法(特にバッテリの充放電の制御動作)の例について説明する。
【0098】
まず、第1の充電端子TCP及び第2の充電端子TCNに接続された充電器CNにより、第1の正バッテリ端子T1P及び第1の負バッテリ端子T1Nに接続された第1のバッテリB1及び第2の正バッテリ端子T2P及び第2の負バッテリ端子T2Nに接続された第2のバッテリB2を充電する場合(充電モード)について説明する。
【0099】
図2は、
図1に示す電力制御装置100の第1及び第2のバッテリB1、B2の充電時の動作の一例を説明するための図である。
【0100】
図2に示すように、第1の充電端子TCP及び第2の充電端子TCNに接続された充電器CNにより、第1の正バッテリ端子T1P及び第1の負バッテリ端子T1Nに接続された第1のバッテリB1及び第2の正バッテリ端子T2P及び第2の負バッテリ端子T2Nに接続された第2のバッテリB2を充電する場合、駆動制御部PDUは、第1のコンタクタCAをオフに制御し、第2のコンタクタCBをオンに制御し、第3のコンタクタCCをオンに制御し、第4のコンタクタCDをオンに制御する。
【0101】
これにより、駆動制御部PDUは、第1のバッテリB1と第2のバッテリB2に充電器CHから充電電圧を供給させて充電する。
【0102】
次に、第1の正バッテリ端子T1P及び第1の負バッテリ端子T1Nに接続された第1のバッテリB1及び第2の正バッテリ端子T2P及び第2の負バッテリ端子T2Nに接続された第2のバッテリB2を放電させて、第1の駆動電圧端子TDPと第2の駆動電圧端子TDNとの間に電圧を印加させる場合(通常駆動モード)について説明する。
【0103】
図3は、
図1に示す電力制御装置100の第1及び第2のバッテリB1、B2の放電時(モータ駆動時)の動作の一例を説明するための図である。
【0104】
図3に示すように、第1の正バッテリ端子T1P及び第1の負バッテリ端子T1Nに接続された第1のバッテリB1及び第2の正バッテリ端子T2P及び第2の負バッテリ端子T2Nに接続された第2のバッテリB2を放電させて、第1の駆動電圧端子TDPと第2の駆動電圧端子TDNとの間に電圧を印加させる場合、駆動制御部PDUは、第1のコンタクタCAをオンに制御し、第2のコンタクタCBをオフに制御し、第3のコンタクタCCをオフに制御し、第4のコンタクタCDをオフに制御する。
【0105】
さらに、駆動制御部PDUは、正電圧端子TAPと第1の駆動電圧端子TDPとを導通し且つ負電圧端子TANと第2の駆動電圧端子TDNとを導通させて正電圧端子TAPと負電圧端子TANとの間の電圧を昇圧動作させないようにアップコンバータAPを制御する。
【0106】
これにより、駆動制御部PDUは、第1のバッテリB1及び第2のバッテリB2を放電させて、第1の駆動電圧端子TDPと第2の駆動電圧端子TDNとの間に規定値の電圧(96V)を印加させる。
【0107】
なお、この第1及び第2のバッテリB1、B2が故障していない場合の回路接続では、アップコンバータAPが昇圧動作していない。このため、モータMの回転による回生電力で、当該回路接続により、第1及び第2のバッテリB1、B2を充電することができる。
【0108】
次に、第2の正バッテリ端子T2P及び第2の負バッテリ端子T2Nに接続された第2のバッテリB2が故障して第1の正バッテリ端子T1P及び第1の負バッテリ端子T1Nに接続された第1のバッテリB1のみを放電させて、第1の駆動電圧端子TDPと第2の駆動電圧端子TDNとの間に電圧を印加させる場合(故障駆動モード)について説明する。
【0109】
図4は、
図1に示す電力制御装置100の、第2のバッテリB2が故障した場合に第1のバッテリB1のみの放電時(モータ駆動時)の動作の一例を説明するための図である。
【0110】
図4に示すように、駆動制御部PDUは、第2の正バッテリ端子T2P及び第2の負バッテリ端子T2Nに接続された第2のバッテリB2が故障して第1の正バッテリ端子T1P及び第1の負バッテリ端子T1Nに接続された第1のバッテリB1のみを放電させて、第1の駆動電圧端子TDPと第2の駆動電圧端子TDNとの間に電圧を印加させる場合、第1のコンタクタCAをオフに制御し、第2のコンタクタCBをオンに制御し、第3のコンタクタCCをオフに制御し、第4のコンタクタCDをオンに制御する。なお、この場合、駆動制御部PDUは、第4のコンタクタCDをオフに制御して、故障している第2のバッテリB2を電力制御装置100から遮断するようにしてもよい。
【0111】
さらに、駆動制御部PDUは、正電圧端子TAPと負電圧端子TANとの間の電圧(48V)を昇圧し、昇圧した昇圧電圧(96V)を、第1の駆動電圧端子TDPと第2の駆動電圧端子TDNとの間に印加するようにアップコンバータAPを制御する。
【0112】
これにより、駆動制御部PDUは、第1のバッテリB1のみを放電させて、第1の駆動電圧端子TDPと第2の駆動電圧端子TDNとの間に該規定値の電圧(96V)を印加させる。
【0113】
ここで、第1の正バッテリ端子T1P及び第1の負バッテリ端子T1Nに接続された第1のバッテリが故障して第2の正バッテリ端子T2P及び第2の負バッテリ端子T2Nに接続された第2のバッテリB2のみを放電させて、第1の駆動電圧端子TDPと第2の駆動電圧端子TDNとの間に電圧を印加させる場合(故障駆動モード)について説明する。
【0114】
例えば、駆動制御部PDUは、第1の正バッテリ端子T1P及び第1の負バッテリ端子T1Nに接続された第1のバッテリが故障して第2の正バッテリ端子T2P及び第2の負バッテリ端子T2Nに接続された第2のバッテリB2のみを放電させて、第1の駆動電圧端子TDPと第2の駆動電圧端子TDNとの間に電圧を印加させる場合、第1のコンタクタCAをオフに制御し、第2のコンタクタCBをオンに制御し、第3のコンタクタCCをオフに制御し、第4のコンタクタCDをオンに制御する。なお、この場合、駆動制御部PDUは、第2のコンタクタCBをオフに制御して、故障している第1のバッテリB1を電力制御装置100から遮断するようにしてもよい。
【0115】
さらに、駆動制御部PDUは、正電圧端子TAPと負電圧端子TANとの間の電圧を昇圧し、昇圧した昇圧電圧を、第1の駆動電圧端子TDPと第2の駆動電圧端子TDNとの間に印加するようにアップコンバータAPを制御して、第2のバッテリB2のみを放電させる。
【0116】
これにより、駆動制御部PDUは、第1の駆動電圧端子TDPと第2の駆動電圧端子TDNとの間に規定値の電圧(96V)を印加させる。
【0117】
なお、既述のように、駆動制御部PDUは、通信線CANを介して、第1のマネジメント部BMU1と通信することにより、第1のバッテリB1が故障しているか否かを判断するとともに、第2のマネジメント部BMU2と通信することにより、第2のバッテリB2が故障しているか否かを判断する。
【0118】
また、駆動制御部PDUは、既述の駆動モード及び故障駆動モードにおいて、第1の駆動電圧端子TDPと第2の駆動電圧端子TDNとの間の規定値の電圧(96V)からブリッジ回路Yによりモータ駆動電圧を生成して、当該モータ駆動電圧によりモータMを駆動することとなる。
【0119】
以上のように、本発明の一態様に係る電力制御装置は、第1のバッテリの正極が接続可能になっている第1の正バッテリ端子、及び第1のバッテリの負極が接続可能になっている第1の負バッテリ端子と、第2のバッテリの正極が接続可能になっている第2の正バッテリ端子、及び第2のバッテリの負極が接続可能になっている第2の負バッテリ端子と、充電器の高電位側の出力が接続され、充電器の高電位側の電圧が印加される第1の充電端子と、充電器の低電位側の出力が接続され、充電器の低電位側の電圧が印加される第2の充電端子と、第1の駆動電圧端子及び第2の駆動電圧端子と、第1の正バッテリ端子に電気的に接続された正電圧端子と、第2の負バッテリ端子及び第2の充電端子に電気的に接続された負電圧端子と、一端が第1の負バッテリ端子に接続され、他端が第2の正バッテリ端子に接続された第1のコンタクタと、一端が第1の負バッテリ端子に接続され、他端が負電圧端子に接続された第2のコンタクタと、一端が第2の正バッテリ端子に接続され、他端が第1の充電端子に接続された第3のコンタクタと、一端が正電圧端子に接続され、他端が第2の正バッテリ端子に接続された第4のコンタクタと、正電圧端子と負電圧端子との間の電圧を昇圧し、昇圧した昇圧電圧を、第1の駆動電圧端子と第2の駆動電圧端子との間に印加するアップコンバータと、第1の駆動電圧端子と第2の駆動電圧端子と間の電圧を降圧して、負荷が接続される負荷端子に出力するダウンレギュレータと、アップコンバータ及びダウンレギュレータを制御するとともに、第1のコンタク、第2のコンタクタ、第3のコンタクタ、及び第4のコンタクタを制御することで、第1の正バッテリ端子及び第1の負バッテリ端子に接続された第1のバッテリと、第2の正バッテリ端子及び第2の負バッテリ端子に接続された第2のバッテリとの電気的な回路接続を制御するとともに、第1のバッテリ及び第2のバッテリの充放電を制御する駆動制御部と、を備える。
【0120】
そして、例えば、第2の正バッテリ端子及び第2の負バッテリ端子に接続された第2のバッテリが故障して第1の正バッテリ端子及び第1の負バッテリ端子に接続された第1のバッテリのみを放電させて、第1の駆動電圧端子と第2の駆動電圧端子との間に電圧を印加させる場合には、駆動制御部は、第1のコンタクタをオフに制御し、第2のコンタクタをオンに制御し、第3のコンタクタをオフに制御し、第4のコンタクタをオフに制御するとともに、正電圧端子と負電圧端子との間の電圧を昇圧し、昇圧した昇圧電圧を、第1の駆動電圧端子と第2の駆動電圧端子との間に印加するようにアップコンバータを制御して、第1のバッテリのみを放電させて、第1の駆動電圧端子と第2の駆動電圧端子との間に規定値の電圧を印加させる。
【0121】
以上のように、実施形態に係る電力制御装置によれば、複数のバッテリのうちの1つが故障した場合であっても、必要な電力を供給することができる。
【0122】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。