【文献】
ANONYMOUS,LIPEX(R)102 E75 LIPEX(R)203 E70,[ONLINE],2008年08月
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記溶液が、1.5重量パーセントのエトキシ化シアバターを含み、ここで重量パーセントは前記溶液の総重量に基づく、請求項1〜5のいずれか一項に記載のウェットワイプの製造方法。
【背景技術】
【0002】
ウェットワイプは、多くの形態で入手できる周知の市販の消費者製品である。おそらく
、ウェットワイプの最も一般的な形態は、プラスチック容器内にパッケージ化された湿潤
シートの積層体である。ウェットワイプは、様々な適切な拭取り溶液で湿潤させた様々な
材料から作製されている。一般に、ウェットワイプは、折り畳まれた形態または折り畳ま
れていない形態のどちらかで入手できる。例えば、当業者に周知のように積層状のウェッ
トワイプの各々がc状、z状、または1/4状の折り畳まれた形態などの折り畳まれた形
態で整えられたウェットワイプの積層体を入手することができる。また折り畳まれたウェ
ットワイプはそれぞれ、ウェットワイプの積層体中で直上直下のウェットワイプと折り込
まれている。他の形状では、ウェットワイプは、連続したウェブ材料の形をしており、こ
れは、個々のウェットワイプを切離すための穿孔が入れてあり、ロール状に巻かれ、プラ
スチック容器中にパッケージ化されている。このようなウェットワイプは、ベビー用ワイ
プ、手用ワイプ、家庭用清掃ワイプ、工業用ワイプなどに使用されている。
【0003】
従来のウェットワイプに加えられる溶液は、通常、ワイプの特定の性質を高める、また
はワイプに特定の性質を与えることを意図したいくつかの成分を含んでいる。これらの性
質は、例えば、清浄効果、芳香、薬物治療、刺激軽減、皮膚の衛生、製品の美観などに関
係している。ベビー用ワイプでは、清浄および抗菌効果を維持しつつ、過度の刺激または
泡立ちを伴わない、穏やかで心地よい感触を与える溶液が、製品性能のために強く望まれ
ている。このような性質を与えるために使用される適切な成分としては、水、皮膚軟化剤
、界面活性剤、保存剤、キレート剤、pH緩衝剤、またはこれらの組合せが挙げられる。
この溶液はまた、ローションおよび/または医薬品を含有する。
【0004】
しかし、ウェットワイプ用のこのような溶液における従来の溶液、特に界面活性剤は、
充分満足できるものではない。例えば、皮膚刺激の度合いを下げるために、従来のウェッ
トワイプ溶液は、ほとんどまたは全く皮膚刺激を通常引き起こさない両性界面活性剤を含
んでいる。このような両性界面活性剤には、ココアンホ酢酸ナトリウムおよびココアンホ
二酢酸二ナトリウムが挙げられる。しかし、このような両性界面活性剤は、一般に、陰イ
オン性界面活性剤などの他の界面活性剤に関連する高レベルの清浄効果を示さない。この
ような両性界面活性剤はまた、一般に、消費者、特に女性の消費者が望む皮膚に最適な絹
のような感触を与えてこなかった。
【0005】
一方、陰イオン性界面活性剤は、こうした清浄効果を示すが、乾燥および皮膚落屑など
の過度の皮膚刺激を通常引き起こし、結果として、ウェットワイプ用途での使用に適して
いない。膣および肛門の皮膚は敏感なため、このような界面活性剤によって引き起こされ
る強度の皮膚刺激は、女性の肛門直腸および会陰域の医薬品用途においては特に望ましく
ない。さらに、ほとんどの陰イオン性界面活性剤は、その高度な泡立ちおよび洗浄活性の
ために洗浄剤組成物に適している。しかし、このような泡立ちは、ウェットワイプ用途、
特に、肛門直腸の医薬品ワイプ用途において通常望ましくない。ウェットワイプからの溶
液は、通常、ウェットワイプを使用した後に皮膚から拭き取られることはないため、ウェ
ットワイプを使用する消費者は、この溶液が皮膚の表面に石鹸のようなまたは泡のような
残留物を残さないことを好む。
【0006】
女性の肛門直腸および会陰域の医薬品ワイプに関しては、清浄および抗菌効果を維持し
つつ、過度の刺激または泡立ちを伴わない、穏やかで心地よい感触を与える溶液が、製品
性能のために強く望まれている。この溶液は、効果的なだけでなく、非刺激性であり、爽
やかな感覚および匂いももたらすものでなければならない。ベビー用ワイプはより刺激性
が低く、効果的に洗浄するためのものであるが、本出願に開示する新規なワイプは、刺激
性が低く、効果的に洗浄するだけでなく、苦痛緩和できるようにも設計されている。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明は、肛門/肛門周囲域のための複数回使用パッケージ化製品に適した複数成分保
存システムを有する繊維材料、特にウェットワイプに関する。ウェットワイプは、炎症域
の清浄を促し、苦痛を緩和する刺激性の低い界面活性剤を含み、炎症を起こす可能性があ
る肛門周囲組織に適している。本発明のウェットワイプは、痔などの肛門直腸障害のため
に使用することができる。このようなウェットワイプは、通常、消費者販売のために、適
切な容器内に積層された形で折り畳まれ、配列されている。
【0015】
このようなウェットワイプに適する材料は、当業者に周知である。ウェットワイプは、
一般に、繊維シート材料から作製され、これは織物でも不織布でもよい。例えば、本発明
のウェットワイプとして、メルトブローン、コフォーム(coform)、エアレイド、ボンデ
ッドカーデッドウェブ材料、水流交絡材料、これらの組合せなどを含む不織繊維シート材
料を挙げることができる。このような材料は、合成もしくは天然の繊維、またはこれらの
組合せを含むことができる。一般に、ウェットワイプは、約25〜約120g/m
2、望
ましくは約40〜約90g/m
2の坪量とする。
【0016】
本発明のウェットワイプは、約60〜約80g/m
2、望ましくは約75g/m
2の坪
量を有する、ポリマー系マイクロ繊維およびセルロース系繊維のコフォームベースシート
を含み得る。このようなコフォームベースシートは、通常、1978年7月11日発行の
、参照により本明細書に援用するAndersonらの米国特許第4,100,324号の記載の
ように製造される。一般に、このようなコフォームベースシートは、ガス形成マトリクス
の熱可塑性ポリマーのメルトブローンマイクロ繊維、例えば、ポリプロピレンマイクロ繊
維など、およびセルロース系繊維、例えば、木材パルプ繊維などを含む。
【0017】
最も好ましくは、本発明のウェットワイプは、グリーンベイ、ウィスコンシン州のAh
lstrom Green Bay Inc.から販売される市販のGrade SX−
810(登録商標)の不織材料である。
【0018】
一方、本発明のウェットワイプは、多層の材料を含む複合体を含むことができる。例え
ば、ウェットワイプは、前述のように2層のコフォーム層の間にエラストマーフィルムま
たはメルトブローン層を含む3層の複合体を含むことができる。このような構成では、コ
フォーム層は、約15〜約30g/m
2の坪量を範囲とすることができ、エラストマー層
は、ポリエチレンメタロセンフィルムなどのフィルム材料を含むことができる。
【0019】
個々のウェットワイプは、通常、折り畳まれた形に配列される。このような折畳み形は
、当業者に周知であり、c状、z状、または1/4状の折畳み形などが挙げられる。各ウ
ェットワイプはまた、ウェットワイプの積層体において直接上下にあるウェットワイプ同
士で折り重ねることができる。ウェットワイプでは、通常、展開幅および展開長さが決め
られている。ウェットワイプは、任意の適切な展開幅および長さを有し得る。例えば、ウ
ェットワイプは、約2.0〜約80.0cmの展開長さ、および約2.0〜約80.0c
mの展開幅を有し得る。
【0020】
本発明の様々な態様のウェットワイプはまた、ウェットワイプに吸収されている溶液を
含有する。各ウェットワイプ内に含有される溶液の量は、ウェットワイプを作るために使
用される材料のタイプ、使用される溶液のタイプ、ウェットワイプを収納するために使用
される容器のタイプ、およびウェットワイプの望ましい最終用途に応じて変えることがで
きる。通常、各ウェットワイプは、拭取りを改良するために、ワイプの乾燥質量に対して
約150〜約600重量パーセント、望ましくは約250〜約450重量パーセントの溶
液を含有することができる。
【0021】
本発明の一態様では、ウェットワイプは、プラスチック容器内に積層された状態でパッ
ケージ化される。このような容器では、溶液とワイプの乾燥重量との好ましい比は、前記
ウェットワイプの乾燥重量に基づき溶液とワイプが、約3.5:1〜約4.5:1、より
好ましくは約3.8:1〜約4.3:1、最も好ましくは約4:1である。溶液の量が上
記の特定の範囲未満である場合、ウェットワイプは、乾燥し過ぎて、適切に機能しないこ
とがある。溶液の量が上記の特定の範囲より多い場合、ウェットワイプは、過飽和状態で
ぐしょぬれの場合があり、溶液が容器の底に溜まることがある。
【0022】
特定の一態様では、ウェットワイプがホイルポーチで個々にパッケージ化されている場
合、溶液とワイプの乾燥重量との好ましい比は、前記ウェットワイプの乾燥重量に基づき
溶液とワイプが、約3.5:1〜約6:1、より好ましくは約3.5:1〜約5.2:1
、最も好ましくは約4.7:1である。
【0023】
本発明のウェットワイプにおける溶液は、ウイッチヘーゼルを含み、これは、効果的な
洗浄剤であり、本発明の溶液に心地よさ、冷却、および特有の芳香を与える。溶液中に存
在するウイッチヘーゼルの量は、溶液の総重量に基づき約10〜約50パーセントの範囲
、より好ましくは約10〜約20パーセントの範囲で変化し、最も好ましくは約20パー
セントである。特定の一実施形態では、本発明は、適切な清浄剤として、America
n Distilling Inc.から市販され、14%のアルコール含有量を有する
ウイッチヘーゼルまたはハマメリス水を含む。
【0024】
過度の泡立ちまたは皮膚刺激を伴うことなく、触質性および清浄効果の向上を実現する
ために、本発明のウェットワイプにおける溶液は、両性界面活性剤または双性イオン性界
面活性剤を含む。双性イオンのベタインファミリーは、陽性−陰性頭部基構造のトリメチ
ルグリシン(ベタイン)、テンサイ由来のアミノ酸を有する。疎水性尾部基は、直鎖アル
キル基(ココベタインにおけるような)であり得るか、またはコカミドプロピルベタイン
などのアミド基を含有し得る。他のベタインとしては、ラウラミドプロピルベタイン、オ
レアミドプロピルベタイン、リシノレアミドプロピルベタイン、セチルベタイン、および
二量体ジリノレアミドプロピルベタインが挙げられる。別の変異体は、スルホベタイン、
ヒドロキシスルホベタイン、およびスルタインである。ベタインは、塩の付加により、そ
れらの陰イオン性類よりも厚化しにくくなる。この理由から、満足な厚みの製品を実現す
るために、粘度を増大させるポリマー系添加剤の添加が必要な可能性があり、これにより
、費用が増加し、製法が複雑になる可能性がある(http://www.natura
llycurly.com/curlreading/ingredients/zwi
tterionic−surfactants−a−milder−alternati
veを参照)。
【0025】
過度の泡立ちまたは皮膚刺激を伴うことなく、本発明のウェットワイプに対する触質性
および洗浄性の向上を実現するために、本発明の溶液は、少なくとも1種の界面活性剤、
好ましくはベタイン界面活性剤を含む。溶液は、所望の性質をもたらす任意の量のベタイ
ン界面活性剤を含むことができる。選択した特定のベタインは、最終製品の粘度、起泡性
、および洗浄力に顕著な影響を及ぼすことができる。特定の一実施形態では、溶液は、溶
液の総重量に基づき約0.01〜約10重量パーセント、望ましくは約0.01〜約5重
量パーセントのベタイン界面活性剤を含む。最も好ましくは、本発明は、TEGO(登録
商標) Betain810の商品名でEvonik Degussaから市販されてい
るカプリル/カプラミドプロピルベタインを溶液の総重量に基づき約0.1w/w%の範
囲で含む。好ましい界面活性剤重量パーセント比より低い溶液は、使用後のネバネバ感お
よび絹のような感触の喪失、洗浄活性の低下、ならびに皮膚刺激の増大などの望ましくな
い触質性のために望ましくない可能性がある。
【0026】
本発明のウェットワイプ内に含有されている溶液は、約5〜約7、望ましくは約5〜約
6のpHを範囲とする。約5より低いpHレベルは、皮膚を刺激する可能性があるため通
常望ましくない。一方、約7より高いpHレベルも、保存活性を損なう可能性があるため
望ましくなく、皮膚刺激をまねく可能性がある。クエン酸およびクエン酸ナトリウムのよ
うな適切な緩衝剤を相対量に対して使用して、所望のpHにすることができる。本発明の
溶液は、前記溶液の約0.05〜約0.25重量パーセントの緩衝系を含む。
【0027】
溶液はまた、所望の拭取り性および清浄性の実現を助け得る他の様々な成分を含むこと
ができる。例えば、その成分として、水、皮膚軟化剤、少なくとも1種の界面活性剤、少
なくとも1種の保存剤、少なくとも1種のキレート剤、少なくとも1種のpH緩衝剤、少
なくとも1種の芳香剤、またはこれらの組合せを挙げることができる。溶液はまた、少な
くとも1種のローションおよび/または医薬品を含有していてもよい。皮膚刺激の低下を
実現するために、溶液は、望ましくは、溶液の総重量に基づき少なくとも約30重量パー
セント〜約80重量パーセントの添加精製水、より好ましくは、溶液の総重量に基づき約
63重量パーセントの添加精製水を含む。
【0028】
例えば、溶液は、微生物の成長を抑制するために有効量の少なくとも1種の保存剤を含
むことができる。適切な保存剤は、当業者に周知であり、例えば、パラベン、ナトリウム
ヒドロキシメチルグリシナート、安息香酸やリンゴ酸などの有機酸、DMDMヒダントイ
ン、およびその他同種のもの、ならびにこれらの組合せを挙げることができる。特定の一
実施形態では、抗菌性保存剤は、メチルパラベン、プロピルパラベン、およびジアゾリジ
ニル尿素を含み、GERMALL IIの販売名でISP Technologies,
Inc.から市販されている。溶液は、所望の抗菌作用をもたらす任意の量の保存剤を含
むことができる。例えば、溶液は、溶液の総重量に基づき約0.1〜約0.5重量パーセ
ントの抗菌性保存剤を含むことができ、好ましくは、溶液の総重量に基づき0.40重量
パーセントである。
【0029】
本出願人らは、ベタイン界面活性剤を含む、本発明の様々な態様によるウェットワイプ
が、他のタイプの界面活性剤を含む従来のウェットワイプと比較すると、過度の皮膚刺激
を伴うことなく、触質性および清浄効果の向上を示したことを発見した。溶液はさらに、
乳化剤として作用するまたはさらなる洗浄性をもたらすことができる別の界面活性剤を含
むことができる。適切な共界面活性剤として、例えば、グルタミン酸アシルやイセチオン
酸アシル、アルカノールアミドなどの陰イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン
性界面活性剤、およびその他同種のもの、またはこれらの組合せが挙げられる。例えば、
適切なグルタミン酸アシル陰イオン性界面活性剤は、ココイルグルタミン酸カリウムであ
り、適切なイセチオン酸アシル陰イオン性界面活性剤は、ココイルイセチオン酸アンモニ
ウムであり、適切な両性界面活性剤には、カプリロアンホ二プロピオン酸二ナトリウムお
よびココアンホ二酢酸二ナトリウムが挙げられる。適切な非イオン性界面活性剤としては
、平均12〜16個の炭素原子を有するジエタノールアミド、アルキルフェノールエトキ
シレート、アルコールエトキシレート、ソルビタンエステル、グリセロールエステル、お
よびその他同種のものを挙げることができる。溶液は、清浄性または触質性の向上をもた
らす任意の量の共界面活性剤を含むことができる。例えば、溶液は、溶液の総重量に基づ
き約0.01〜約5重量パーセントの共界面活性剤を含むことができる。本発明は、その
最も好ましい実施形態において、刺激が生じる可能性を制限するために共界面活性剤を存
在させない。
【0030】
さらに、本発明のウェットワイプは、望ましくは、性能向上のために泡立ちの程度が低
い。ウェットワイプはまた、消費者の受けをよくするために、使用者になめらかで絹のよ
うな感触を示す。
【0031】
本発明は、植物性バター、ビタミンE酢酸エステル、およびアロエベラなどの、少なく
とも1種の適切な皮膚軟化剤、または適切な皮膚軟化剤の組合せを含む。本発明は、少な
くとも1種の皮膚軟化剤を、約0.01パーセント〜約2パーセントの範囲で個々に、よ
り好ましくは約0.01パーセント〜約1.8パーセントの範囲で個々に含み、最も好ま
しくは約1.5パーセントの皮膚軟化剤を個々に含み、ここで重量パーセントは本発明の
前記溶液の総重量に基づく。好ましくは、皮膚軟化剤は、ビタミン誘導体であり、最も好
ましくはビタミンE酢酸エステルである。
【0032】
本出願人らは、エトキシ化シアバター皮膚軟化剤、好ましくはPEG−75エトキシ化
シアバターグリセリドを使用すると、複数の機能、すなわち、軟化、乳化を生じる機能、
および、当技術分野で非水溶性であることが周知の少なくとも1種の追加の皮膚軟化剤、
好ましくはビタミンE酢酸エステルを共可溶化する機能がもたらされることを発見した。
好ましくは、本発明の乳化剤は、植物性バター、より好ましくはエトキシ化植物性バター
、最も好ましくはエトキシ化シアバターである。本発明の好ましい一実施形態では、溶液
は、最も好ましい乳化剤として、Lipex102E−75(登録商標)の商品名でAa
rhuskarlshamnから市販されているPEG−75エトキシ化シアバターを含
む。本発明は、少なくとも1種の乳化剤を、本発明の前記溶液の総重量に基づき約0.0
1パーセント〜約2パーセントの範囲で個々に、より好ましくは約0.01パーセント〜
約1.8パーセントの範囲で個々に含み、最も好ましくは約1.5パーセントの乳化剤を
個々に含む。
【0033】
本発明の溶液の製造中、エトキシ化シアバターグリセリドは、別の副相(side−p
hase)混合容器において50℃で溶融させる。ビタミンE酢酸エステルをこの副相容
器に添加し、混合しながらエトキシ化シアバターグリセリドに溶解させる。次いで、この
副相を、周囲室温(約25℃)で激しく混合させている主バッチに添加する。エトキシ化
シアバターグリセリド/ビタミンE酢酸エステル相を、最後から2番目の添加成分として
添加する。エトキシ化シアバターグリセリドおよびビタミンE酢酸エステルを別々の独立
した添加分として(副相を製造する代わりに)主バッチに添加した場合、ビタミンE酢酸
エステルは主バッチに可溶化せず、混合を終えると、ビタミンE酢酸エステルは、油とし
て溶液の上部へ上昇するであろう。エトキシ化シアバター/ビタミンE酢酸エステル相を
添加したら、次いで、プロピレングリコール保存剤相(プロピレングリコール、パラベン
、および芳香剤を含有)を添加し、周囲温度で約15分間混合する。
【0034】
別の乳化剤、好ましくは刺激性が低い乳化剤、例えば、ポリソルベート20および他の
エトキシ化植物性バターなどを、約0.1〜約2重量パーセントの範囲で本発明の溶液に
おいて使用することができ、ここで重量パーセントは前記溶液の総重量に基づく。
【0035】
本発明は、滑らかさを向上させ、潤滑性をもたらすグリセリンを湿潤剤として含む。芳
香のために精油および植物抽出物を添加することができる。本発明は、ヒトの嗅覚に快適
な爽やかさおよび匂いの感覚を伝えるのに役立つ少なくとも1種の芳香剤の使用を含む。
キュウリおよびカモミールなどの植物抽出物由来の芳香剤を、様々な芳香剤、例えば、B
ell Fragrances Corporationから市販されているBell
Fragrances(登録商標)などとともに、本発明において使用することができ
る。少なくとも1種の芳香剤の量は、各々約0.05重量パーセント〜約0.3重量パー
セントの範囲とすることができ、ここで重量パーセントは前記溶液の総重量に基づく。
【0036】
本発明はさらに、溶液が製造中に接触する可能性がある不要かつ望ましくない鉄から構
造の完全性および植物抽出物の芳香を保護するように設計された少なくとも1種のキレー
ト剤を含む。キレート剤の存在は、約0.01〜約0.1重量パーセントの範囲とするこ
とができ、ここで重量パーセントは前記溶液の総重量に基づく。本発明の好ましいキレー
ト剤は、Dow Chemical Companyから市販されているエデト酸二ナト
リウムである。
【0037】
本発明の様々な態様のウェットワイプは、当業者に周知の様々ないくつかのプロセスを
使用して製造することができる。本明細書に記載の特定の方法および一連のステップは、
本発明を限定するものではなく、1枚のウェットワイプおよび積層されたウェットワイプ
を製造する方法のほんの一例として開示するものである。初めに、ウェットワイプに加工
される材料の供給ロールが解かれて、ウェブ材料が連続的な流れで供給される。ウェブ材
料は、スプレー、ディッピング、および当業者に周知の方法など、任意の適切な方法によ
って、本発明の溶液で飽和されるか、または含浸される。
【0038】
ウェブ材料は、機械方向に複数のリボンに細長く切られ、このリボンの各々は、個々の
ウェットワイプに望まれる折畳みタイプに折り畳まれる。ウェブ材料は、当業者に周知の
カッターを使用して、細長く切られる。例えば、ウェブ材料は、既定の数の個別のリボン
に細長く切ることができる。次いで、リボン材料は、z状形などの折畳み形に折り畳まれ
る。例えば、各リボン材料は、頂部フラップ部、中央部、底部フラップ部を定めることが
できる。頂部および底部フラップ部は中央部で折り畳まれて合され、各々がz状形になる
。
【0039】
次いで、各々の折り畳まれたリボンは、1つのリボンが他のリボンの頂部上に置かれる
状態で、同じウェブ材料からの他の既定数の折り畳まれたリボンと組み合わされて、連続
したタオルを形成する。次いで、このタオルは、ウェットワイプの「クリップ」に切断さ
れ、ウェットワイプのクリップは、積重ねられた形で配列される。積層体内のクリップの
数は、最終パッケージにおける所望の積層数およびウェットワイプの数、例えば個々のウ
ェットワイプが48枚または60枚などの数により決まる。添加した溶液が適正であるこ
とを保証するために、湿った積層体を定期的に重量確認する。適正でない場合は、添加す
る溶液を調整する。ウェットワイプの積層体を適正に構成させた後、好ましくはプラスチ
ックラップでそれを上包装し、次いで、プラスチックタブなどの容器内に配置して、ウェ
ットワイプのパッケージを得ることができる。容器は、ウェットワイプを実質的に密閉さ
れた状態にして、そこから溶液が漏れるのを最小限にする。
【0040】
ホイルポーチに包まれた個々のワイプのための製造プロセスに関しては、事前に切断(
好ましくは5インチ×6インチ)した乾燥ワイプをポーチ内に配置し、次いで、本発明の
溶液をそのポーチに添加する。いくらかの溶液をポーチ内に溜めておくために、ポーチに
おける乾燥ワイプに対する溶液の比はより大きい。
【0041】
したがって、本発明の様々な態様は、従来のウェットワイプと比較すると、皮膚刺激お
よび泡立ちの程度を低く維持しつつ、触質性および清浄性を向上させたウェットワイプを
有利に提供することができる。このようなウェットワイプは、従来のウェットワイプと比
較すると、清浄効果が向上され、過度の皮膚刺激または泡立ちがなく、爽やかな感覚およ
び匂いをもたらし、女性の肛門直腸および会陰域への施用に有利に使用することができる
。別の用途として、ベビー用ワイプ、手用ワイプ、顔用ワイプ、化粧用ワイプ、家庭用ワ
イプ、工業用ワイプなどを含むことができる。
【実施例】
【0042】
以下の実施例は、本発明をより詳細に理解するために示される。特定の材料およびパラ
メータは例示であり、本発明の範囲を限定するものではない。
【0043】
(実施例1)
本発明のウェットワイプに特に適する溶液を、以下の配合に従って調製した。
【0044】
この配合物は、透明溶液と説明され、有効成分として20w/w%のウイッチヘーゼル
を含有する。最終製品は、この溶液で飽和させた白色の湿ったワイプである。
【0045】
【表1-1】
【0046】
【表1-2】
【0047】
(実施例2)
本発明のウェットワイプに適する溶液を、以下の配合に従って調製した。
【0048】
ウイッチヘーゼルの量は50w/w%に増加させ、水の量は約33w/w%に減少させ
た。
【0049】
本発明をその特定の態様に関して詳細に説明してきたが、前述の説明を理解し得た際に
は、これらの態様に対する変更、変形、および均等物を容易に考案できることは当業者な
ら認識されるであろう。したがって、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲およびその
あらゆる均等物の範囲にあると評価すべきである。