【課題を解決するための手段】
【0009】
本出願の目的を達成するため本出願の一態様は、ガム(Gum)、ペクチン(pectin)またはその組み合わせ;及びプシコースを含むシロップ組成物を提供する。
【0010】
具体的に、本出願のシロップ組成物は、粘度が600cP〜7000cPであり、より具体的に660〜6800cP、880〜3300cP、780〜3360cP、840〜3280cP、または720〜6460cPである。シロップ組成物の粘度が600cP未満または7000cPを超える場合、調理の利便性と官能品質が低下する。すなわち、シロップの粘度が600cP未満の場合、粘性が弱すぎて調理利便性が低下し(すなわち、添加量の調節が困難)、食品の水分と味の保存が難しくて官能品質も低下する。シロップの粘度が7000cPを超える場合には、粘性が強すぎて調理利便性が減少し、ツヤが低下して官能品質も低下することになる。下記の実施例で示すように、本出願のシロップ組成物は、約200cP程度の液状プシコースの粘度をカラメル化反なしで既存の液状糖の粘度範囲まで上昇させて、使用便利性と調理適性を改善し、ツヤは維持して官能品質の低下を防止することを確認した。
【0011】
本明細書における用語「プシコース」は、自然界に微量だけ存在する天然糖類のケトヘキソースの一種であり、フルクトースのC−3エピマーを意味する。
【0012】
本出願のプシコースは固状または液状であり、具体的に液状のプシコースである。
【0013】
また、本出願のプシコースはシロップ組成物の固形分100重量部を基準に、5〜99重量部、10〜99重量部、30〜99重量部、50〜99重量部、70〜99重量部、90〜99重量部、93〜99重量部、5〜97重量部、10〜97重量部、30〜97重量部、50〜97重量部、70〜97重量部、90〜97重量部、93〜97重量部、5〜95重量部、10〜95重量部、30〜95重量部、50〜95重量部、70〜95重量部、90〜95重量部、93〜95重量部、または95重量部である。
【0014】
本明細書における用語「ガム(Gum)」は、水溶性多糖類であり、例えば、アラビアガム、セルロースガム、トラガカントガム、ローカストビーンガム、カラヤガム、ガティガム、タラガム、コンニャクガム、キサンタンガム、カードラン、ジェラン、アルジン、カラギーナンが前記ガムに含まれるが、これらに限定されない。具体的に、本出願のガムはセルロースガム、カラギーナンガム、キサンタンガムである。
【0015】
本明細書における用語「ペクチン」は、D−ガラクツロン酸単位のα−1,4−結合で構成されたコロイド性の多糖類を意味する。本出願のペクチンは、例えばLMペクチン[Low Methoxyl pectin、DE(degree of esterification)<50%]、HMペクチン[High Methoxyl pectin、DE>50%]、アミドペクチンなどが含まれるが、これらに限定されない。
【0016】
本出願のシロップ組成物において、本出願のガム、ペクチンまたはその組み合わせは、プシコース固形分100重量部に対して、0.05〜1重量部で含まれ、具体的に、0.05〜0.5重量部、0.05〜0.3重量部、0.05〜0.2重量部、0.1〜0.5重量部、0.1〜0.3重量部、0.1〜0.2重量部、0.2〜0.5重量部、0.2〜0.3重量部、または0.2重量部で含まれる。ペクチンはプシコース固形分100重量部に対して、0.05〜1重量部、0.05〜0.5重量部、0.05〜0.3重量部、0.05〜0.2重量部、より具体的には、0.1〜0.5重量部で含まれる。
【0017】
本出願のガムまたはペクチンは粉末、結晶、または液状の形態であるが、これらに限定されない。
【0018】
本出願のシロップ組成物は、ガム(Gum)、ペクチン(pectin)またはその組み合わせ;及びプシコースを含むシロップ組成物に塩(salt)をさらに含むことができる。本出願の塩は、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、グルタミン酸ナトリウム、およびコハク酸ナトリウムなどが含まれるが、これらに限定されない。具体的に、使用できる塩は天日塩、再製塩、焼塩、溶融塩、精製塩および加工塩などが含まれるが、これらに限定されない。
【0019】
本出願の塩は、プシコース固形分100重量部に対して、0.05〜5重量部で含まれ、具体的に、0.05〜3重量部、0.05〜2重量部、0.05〜1重量部、0.05〜0.7重量部、0.05〜0.5重量部、0.1〜5重量部、0.1〜3重量部、0.1〜2重量部、0.1重量部〜1重量部、0.1〜0.7重量部、0.3〜5重量部、0.3〜3重量部、0.3〜2重量部、0.3〜1重量部、0.3〜0.7重量部、0.5〜5重量部、0.5〜3重量部、0.5〜2重量部、0.5〜1重量部、0.5〜0.7重量部または0.5重量部で含まれる。
【0020】
本出願のシロップ組成物は、甘味料、合成保存料、天然保存料、酸味調節剤またはその組み合わせをさらに含むことができる。具体的に前記甘味料は、例えば、グルコース、フルクトース、ラクトース、マルトース、砂糖、飴、糖シロップ、糖アルコール、オリゴ糖、タガトース、キシロース、蜂蜜、高甘味料(例えば、ステビオール配糖体、スクラロース、アスパルテーム、アセスルファムカリウム、サッカリンナトリウム、羅漢果(ラカンカ)抽出物、ソーマチン、シトラス抽出物、シクラメート、ネオテーム、グリチルリチン(甘草)、アリテーム及びフィロズルチンなど)、食物繊維及びデキストリンなどが含まれる、これらに限定されない。前記合成保存料は、ソルビン酸カリウム、ソルビン酸カルシウム、ソルビン酸、安息香酸ナトリウム、安息香酸、安息香酸カリウム、安息香酸カルシウム、パラオキシ安息香酸メチルおよびパラオキシ安息香酸エチルが含まれることがあるが、これらに限定されない。前記天然保存料は、例えば、グレープフルーツ種子抽出物、柑橘抽出物、複合黄岑(おうごん)抽出物、乳酸菌複合粉末及びポリリシンが含まれるが、これらに限定されない。前記pH調節剤は、例えば、クエン酸、リンゴ酸、クエン酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、第3リン酸ナトリウム、炭酸カリウム、および第3リン酸カリウムが含まれるが、これらに限定されない。
【0021】
本出願の他の態様は、ガム(Gum)、ペクチン(pectin)またはその組み合わせをプシコースに適用するステップを備える、シロップ組成物の製造方法を提供する。
【0022】
本出願における用語「適用」は、混合、添加、コーティング、噴霧などの実施が含まれるが、これらに限定されない。具体的に本出願の適用は、混合または添加である。
【0023】
本出願の製造方法は、プシコースに塩を適用するステップをさらに備えることができる。本出願の塩の適用は、本出願のガム、ペクチンまたはその組み合わせをプシコースに適用するステップの前、後、または同時に、適用することができる。
【0024】
本出願の製造方法で、本出願のシロップ組成物とプシコース、ガム、ペクチン、塩、粘度などが共通事項であるので、共通事項の記載の繰り返しを避けるために省略する。
【0025】
本出願のさらに他の様態は、本出願のガム(Gum)、ペクチン(pectin)またはその組み合わせをプシコースに適用するステップを含む、シロップ組成物の粘度、味質、保存安定性からなる群より選択される一つ以上の特性の改善方法を提供する。
【0026】
具体的に本出願における粘度の改善方法は、粘度を600〜7000cPの範囲に調節する方法である。また、本出願の味質改善方法は、異味および/または異臭のマスキング方法であり得る。更に、本出願における保存安定性の改善方法は、結晶析出の抑制方法であり得る。
【0027】
本出願の改善方法は、プシコースに塩を適用するステップをさらに備えることができる。本出願の塩の適用は、本出願のガム、ペクチンまたはその組み合わせをプシコースに適用するステップの前、後、または同時に、適用する。
【0028】
本出願の改善方法で、本出願のシロップ組成物およびその製造方法とプシコース、ガム、ペクチン、塩、粘度、ガム、ペクチンまたはその組み合わせを適用するステップ、塩を適用するステップなどが共通であるので、共通事項の記載は繰り返しを避けるために省略する。
【0029】
本出願のさらに他の様態は、本出願のシロップ組成物を含む食品を提供する。本出願の食品は、一般食品、健康食品及び医療用(または、患者用)の食品を含むが、これらに限定されない。
【0030】
本出願のシロップ組成物を食品に使用する場合、前記シロップ組成物をそのまま添加することや他の食品または食品成分と一緒に使用することができ、通常の方法で適切に使用する。有効成分の混合量は使用目的(予防、健康または治療的処置)に従って適切に決定する。
【0031】
本出願の食品の例として、肉類、ソーセージ、パン、ケーキ、チョコレート、キャンディー、スナック、お菓子(例えば、クッキー、クラッカーなど)、ピザ、麺(例えば、ラーメン等)、チューインガム、アイスクリームなどの乳製品、様々なスープ、ケチャップ、ソース、グレービー(gravies)、ドレッシング、飲料水、お茶、ドリンク剤、アルコール飲料及びビタミン複合剤などがある。
【0032】
本出願の食品は様々な香味剤または天然炭水化物などを追加成分で含有することができる。前述した天然炭水化物は、グルコース及びフルクトースなどの単糖類、マルトースおよびスクロースなどの二糖類、デキストリンおよびシクロデキストリンなどの多糖類、キシリトール、ソルビトール、およびエリスリトールなどの糖アルコールである。甘味料として、ソーマチン及びステビア抽出物などの天然甘味料、サッカリンおよびアスパルテームのような合成甘味料などを使用する。前記天然炭水化物の割合は、本出願の食品100ml当たり、一般的に約0.01〜0.20g、具体的に約0.04〜0.10gである。
【0033】
その他、本出願の食品は、様々な栄養剤、ビタミン、電解質、風味剤、着色剤、ペクチン酸及びその塩、アルギン酸及びその塩、有機酸、保護性コロイド増粘剤、pH調節剤、安定化剤、防腐剤、グリセリン、アルコール、炭酸飲料に使用される炭酸化剤などを含有することができる。また、本出願の食品組成物は、天然果実ジュース、果実ジュース飲料、野菜飲料の製造のための果肉を含有することができる。これらの成分は、単独または組み合せて使用する。これらの添加剤の割合は、本出願の食品100重量部当たり、0.01〜0.20重量部の範囲から選択する。