【実施例】
【0013】
次に、本発明の実施例について図面を参照して説明する。図面のスケールは、発明の理解を容易にするために誇張されて記載されており、必ずしも実際の製品のスケールを表すものではないことに留意すべきである。
【0014】
図3(A)は、本発明の実施例に係る3次元構造のNAND型フラッシュメモリの概略上面図、
図3(B)は、チャンネル積層体とゲート積層体との位置関係を表す上面図、
図4は、
図3(A)のA−A線断面図、
図5は、
図3(A)のB−B線断面図、
図6は、
図3(A)のC−C線断面図である。
【0015】
本実施例のNAND型フラッシュメモリ100は、基板1と、基板1上に形成された絶縁層2と、絶縁層2上に形成された下部導電層3と、下部導電層3上に垂直方向に積層されたメモリセル構造体MCと、メモリセル構造体MC上に形成されたビット線8とを含んで構成される。
【0016】
基板1は、特に限定されないが、例えばシリコン基板から構成される。シリコン基板は、真正、n型、p型のいずれであってもよい。また、シリコン基板の表面に周辺回路(例えば、行選択駆動回路やページバッファ/センス回路等の集積回路)を形成する場合には、シリコン基板は、n型またはp型から構成されるようにしてもよい。以下の説明では、基板1としてシリコン基板を用いる場合を例示する。
【0017】
シリコン基板1上に形成される絶縁層2は、例えば、シリコン酸化膜やシリコン窒化膜等から構成される。下部導電層3は、例えばn型の多結晶シリコン、または金属材料とn型多結晶シリコンの積層から構成される。下部導電層3は、NANDストリングの共通ソースSLとして機能する。
【0018】
メモリセル構造体MCは、下部導電層3上に垂直方向または縦方向に形成された複数のNANDストリングを含む。1つのNANDストリングは、公知のように、直列に接続された複数のメモリセルと、当該複数のメモリセルの一方の端部に接続されたビット線側選択トランジスタと、他方の端部に接続されたソース線側選択トランジスタとを含む。なお、NANDストリングは、ビット線側選択トランジスタとメモリセルとの間あるいはソース線側選択トランジスタとメモリセルとの間にダミーのメモリセルを含むものであってもよい。
【0019】
下部導電層3上には、導電体4と絶縁体5とを交互に積層したゲート積層体110が形成される。ゲート積層体110は、
図3に示すように、平面矢視がストリップ状(矩形状)になるように加工され、それらが列方向にストライプ状に延在する。ゲート積層体110の最上層は、絶縁体7を介してビット線8に接された絶縁体6であり、最下層は下部導電層3に接する絶縁体4である。絶縁体4、6は、例えば、シリコン酸化膜またはシリコン窒化膜等から構成される。絶縁体6の直下の導電体5Aは、ビット線側選択トランジスタのゲートを構成し、最下層の絶縁体4の直上の導電体5Bは、ソース線側選択トランジスタのゲートを構成する。導電体5Aと5Bの間の複数の導電体5は、それぞれメモリセルのゲートを構成する。導電体5、5A、5Bは、例えば、n型の多結晶シリコンから構成される。ビット線側選択トランジスタのゲートを構成する導電体5Aは、図示しない行選択駆動回路等によって生成された1つまたは複数の選択ゲート線SGDに接続され、ソース線側選択トランジスタのゲートを構成する導電体5Bは、同様の行選択駆動回路等によって生成された1つまたは複数の選択ゲート線SGSに接続され、複数の導電体5は、対応するワード線WLに接続される。
【0020】
メモリセル構造体MCはさらに、チャンネル積層体9を含む。チャンネル積層体9は、
図3(B)、
図4、
図6に示すように、ゲート積層体110の一方の側面に沿うように列方向に離間して形成される。1つのチャンネル積層体9は、下部導電層3からビット線8まで垂直方向に延在し、チャンネル積層体9の上端部9Aが交差するビット線8に接続され、下端部9Bが下部導電層3に接続される。本例では、チャンネル積層体9の上端部9Aをゲート積層体110の絶縁体6の一部を覆うように形成している。これは、チャンネル積層体9とビット線8との間の接触面積を大きくするためである。但し、このような構成は例示であり、これに限定されるものではない。
【0021】
1つのNANDストリングは、垂直方向に延在する1つのチャンネル積層体9を含む。チャンネル積層体9は、チャンネルを構成するチャンネル薄膜と、チャンネル薄膜とゲート5との間に形成されたゲート絶縁体とを含む。チャンネル薄膜は、例えば多結晶シリコンから構成される。ゲート絶縁体は、電荷を蓄積する電荷蓄積層と当該電荷蓄積層を挟む複数の絶縁層とを含む。ゲート絶縁体は、例えば、シリコン酸化膜(O)/シリコン窒化膜(N)/シリコン酸化膜(O)のONO構造であることができる。シリコン酸化膜に代えて他の誘電率の高い半導体材料を用いることも可能である。なお、チャンネル積層体9の詳細については後述する。
【0022】
ゲート積層体110の一方の側面には、上記したように、複数のチャンネル積層体9が離間して形成され、これらのチャンネル積層体9の間には絶縁体7が形成される。さらにゲート積層体110の他方の側面にも絶縁体7が形成される。言い換えれば、隣接する2つのゲート積層体の間の空間には、絶縁体7が充填される。
【0023】
メモリセル構造体MCの上方には、
図3(A)に示すように、平面矢視がストリップ状(矩形状)になるように加工された複数のビット線8が行方向にストライプ状に延在される。複数のビット線8の各々は、ゲート積層体110と交差する位置で対応するチャンネル積層体9の上端部9Aに電気的に接続される。ビット線8は、例えば、多結晶ポリシリコンまたはAl等の金属材料から構成される。
【0024】
次に、
図7ないし
図18を参照して、本実施例のNAND型フラッシュメモリの製造方法について説明する。先ず、
図7に示すように、基板1の上に絶縁層2を形成し、絶縁層2のうえに下部導電層3を形成する。次に、下部導電層3上に、絶縁体4、6と導電体5との積層を含むスタック110Aを形成する。スタック110Aは、ゲート積層体110の前駆体である。スタック110Aに積層される導電体5の数は、NANDストリングのメモリセルの数(例えば、32または64)に応じて決定される。
【0025】
次に、フォトリソ工程を利用して絶縁体6上にパターニングされたエッチングマスク(図示省略)を形成し、当該エッチングマスクを利用してスタック110Aの絶縁体4、6および導電体5を同時に異方性エッチングする。このエッチングは、下部導電層3に到達するまで行われる。このエッチングは、例えば、異方性エッチングあるいは異方性エッチングと等方性エッチングの組合せにより実施される。下部導電層3の表面には、エッチングにより除去された微小な段差または凹部が形成され得るが、下部導電層3は、このような段差または凹部に対して十分に大きい膜厚であることが望ましい。こうして、下部導電層3上には、
図8に示すように、列方向に延びるストリップ状のゲート積層体110が形成される。ゲート積層体110間のピッチPは、例えば、180nmである。
図9は、A−A線断面図(A−A線は、
図3のA−A線と同じ位置)である。
【0026】
次に、
図10に示すように、ゲート積層体110を覆うように基板全面にチャンネル積層体9が形成される。チャンネル積層体9の構成について
図10Aないし
図10Dを参照して説明する。
図10Bないし
図10Dの拡大断面図は、
図10Aに示す領域Q1、Q2にそれぞれ対応する。
【0027】
図10Bに示すように、ゲート積層体110を覆うように基板全面に、絶縁層10、電荷蓄積層11、絶縁層12および多結晶シリコン層13が順次積層される。これらの膜の形成方法は特に限定されないが、例えばCVDやスパッタリングが用いられる。絶縁層12は、二酸化珪素(SiO2)、または二酸化珪素(SiO2)および窒化珪素(SiN)のスタックによって構成される。電荷蓄積層11は、いくつかの絶縁体によって構成され、例えば、電荷を蓄積可能な窒化ケイ素(SiN)や二酸化珪素(SiO2)のスタックによって構成される。絶縁層10は、誘電率が高いHiK材料などのいくつかの絶縁体によって構成される。多結晶シリコン層13は、ノンドープであり、それゆえ真性シリコンから構成される。
【0028】
次に、ここには図示しないエッチングマスクを利用して、
図10Cに示すように、絶縁層10、電荷蓄積層11、絶縁層12、多結晶シリコン層13の底部がエッチングされる。このエッチングは、例えば、異方性エッチングあるいは異方性エッチングと等方性エッチングの組合せにより実施され、下部導電層3の表面が露出するまで行われる。下部導電層3の表面には、エッチングにより除去された微小な段差または凹部が形成され得るが、下部導電層3は、このような段差または凹部に対して十分に大きい膜厚であることが望ましい。次に、
図10Dに示すように、基板全面に多結晶シリコン層14が堆積される。多結晶シリコン層14もノンドープであり、それゆえ真性シリコンである。2つの多結晶シリコン層13、14は互いに電気的に接続され、多結晶シリコン層14の下端部が下部導電層3に電気的に接続される。こうして、ゲート積層体110の両側面を覆うようにチャンネル積層体9が形成される。
図11は、
図3のC−C線と同じ位置の断面図である。
【0029】
次に、
図12に示すようにチャンネル積層体9がエッチングにより複数のストライプ状に加工され、互いに絶縁された複数のチャンネル積層体9が形成される。1つのチャンネル積層体9は、
図13に示すように、ゲート絶縁体110が延在する方向と直交する方向に延在し、複数のチャンネル積層体9は、ゲート絶縁体110の延在する方向に一定のピッチで離間して配置される。
【0030】
次に、チャンネル積層体9がゲート絶縁体110の一方の側面に沿うようにさらに加工される。この処理フローを
図14ないし
図16に示す。なお、
図14ないし
図16は、
図13のA−A線に沿った断面図である。
図14に示すように、フォトリソ工程を用いてパターニングされたエッチングマスク15がチャンネル積層体9の側面および上面の一部を覆うように形成される。
【0031】
次に、
図15に示すように、エッチングマスク15を介してチャンネル積層体9を部分的に除去するようなエッチングが行われる。このエッチングは、例えば、異方性エッチングあるいは異方性エッチングと等方性エッチングの組合せにより実施され、下部導電層3の表面が露出するまで行われる。下部導電層3の表面には、エッチングにより除去された微小な段差または凹部が形成され得るが、下部導電層3は、このような段差または凹部に対して十分に大きい膜厚であることが望ましい。このエッチングにより、チャンネル積層体9は、ゲート絶縁体110の一方の側面に残され、かつゲート積層体110の絶縁体6の一部を覆う。絶縁体6を覆うようにチャンネル積層体9を形成する理由は、ビット線8との接触面積を増加させるか、あるいはビット線との接続をするためのコンタクトホールを形成するための面積を増加させるためである。また、チャンネル積層体9の底部は、隣接するゲート積層体110のチャンネル積層体9の底部から分離され、そこに下部導電層3が露出される。
【0032】
次に、
図16に示すように、エッチングマスク15が除去される。エッチングマスク15を除去した後、チャンネル積層体9およびゲート積層体110を覆うように基板全面に中間絶縁体7が堆積される。これにより、隣接するゲート積層体110の間の空間が中間絶縁体7によって充填される。
【0033】
次に、
図17に示すように、中間絶縁体7がCMP等の平坦化される。この平坦化処理により、チャンネル積層体9の頂部が露出される。
【0034】
次に、
図18に示すように、基板全面にビット線の材料が堆積され、その後、ビット線8がストリップ状にパターニングされる。ビット線8は、その直下において交差するチャンネル積層体9の多結晶シリコン層13、14と電気的に接続される。ここには、ビット線8がチャンネル積層体9の上端部9Aに直接接触する例を示しているが、平坦化処理の後に層間絶縁膜を形成し、層間絶縁膜にコンタクトホールを形成してチャンネル積層体9の上端部9Aを露出させ、コンタクトホールを介してビット線8とチャンネル積層値9とを電気的に接続するようにしてもよい。
【0035】
こうして、ビット線8と下部導電層(ソース)3との間に接続されたNANDストリングが形成され、3次元構造のメモリセルアレイが得られる。
【0036】
次に、本実施例の3次元構造のNAND型フラッシュメモリのセルサイズと従来品とのセルサイズとを比較する。
図19(B)は、本実施例のフラッシュメモリの上面図を模式的に示し、
図19(A)は、ビット線8と、ビット線8とチャンネル薄膜19との間のBLコンタクト16がない上面図を模式的に示す。これらの図において、18は、ゲート絶縁膜(
図10Bに示す絶縁体10、11、12)であり、19は、チャンネル薄膜(
図10Dに示す多結晶シリコン13、14)である。また、破線で示す矩形領域Rは、1つのメモリセルの平面サイズを示している。ゲート5のピッチが180nm、チャンネル薄膜19のピッチが50nmであるとき、平面サイズRは、50×180nm
2である。
【0037】
一方、
図20(B)は、非特許文献1に示す従来のメモリセル構造の上面図を模式的に示し、
図20(A)は、ビット線8と、ビット線BLとチャンネル薄膜19との間のコンタクト用のプラグ17とがない上面図を模式的に示す。矩形領域R1は、1つのメモリセルの平面サイズを示し、これは、
図20(A)と同一の縮尺で示されている。
【0038】
従来のメモリセル構造では、ゲート5の両側に2つのメモリセルが形成され、ビット線8は、対向する2つのメモリセルに共通に接続される。例えば、2つのメモリセルMC1とメモリセルMC2は、プラグ17を介してビット線8に接続される。2つのメモリセルをそれぞれ個別に動作させるために、2つのメモリセルに接続されたビット線8は互いに分離されなければならない。これに対し、本実施例のメモリセル構造では、メモリセルは、ゲート5の一方の側にのみ配置される。それ故、2つのメモリセルに接続されたビット線8は共通であることができる。このような差異に依れば、本実施例のビット線8のピッチは、従来のビット線8のピッチの約半分であり、本実施例のメモリセルの平面サイズRを、従来のメモリセルの平面サイズR1よりも小さくすることができる。具体的には、従来のメモリセルの平面サイズR1は、約160×100nm
2であり、本実施例のメモリセルの平面サイズRが従来よりも小さいことが分かる。
【0039】
上記実施例では、基板1上に絶縁層2を介してn型多結晶シリコンからなる下部導電層(ソース)3を形成する例を示したが、これに限らず、下部導電層(ソース)は、例えば、P型のシリコン基板内に形成された高ドープされたn型のウエル領域であってもよい。
【0040】
NAND型フラッシュメモリは、複数のブロックを含み、各ブロックは、上記したような3次元構造のNANDストリングを含む。メモリセルは、1ビット(2値データ)を記憶するSLCタイプでもよいし、多ビットを記憶するタイプであってもよい。NAND型フラッシュメモリでは、ページ単位で読出しやプログラムを行い、ブロック単位で消去を行う。これらの動作は公知であるため、ここでの説明は省略する。
【0041】
本発明の好ましい実施の形態について詳述したが、本発明は、特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。