特許第6972228号(P6972228)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6972228
(24)【登録日】2021年11月5日
(45)【発行日】2021年11月24日
(54)【発明の名称】抽出装置及び抽出方法
(51)【国際特許分類】
   A47J 31/00 20060101AFI20211111BHJP
【FI】
   A47J31/00 201
【請求項の数】8
【全頁数】32
(21)【出願番号】特願2020-79671(P2020-79671)
(22)【出願日】2020年4月28日
(65)【公開番号】特開2020-182841(P2020-182841A)
(43)【公開日】2020年11月12日
【審査請求日】2020年4月28日
(31)【優先権主張番号】108115394
(32)【優先日】2019年5月3日
(33)【優先権主張国】TW
(31)【優先権主張番号】108211487
(32)【優先日】2019年8月29日
(33)【優先権主張国】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】504429600
【氏名又は名称】緯創資通股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】WISTRON CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】特許業務法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】▲らい▼ 珮玲
(72)【発明者】
【氏名】邱 昭軒
(72)【発明者】
【氏名】許 英倫
(72)【発明者】
【氏名】陳 郁方
(72)【発明者】
【氏名】梁 家銘
(72)【発明者】
【氏名】蘇 ▲ゆ▼凱
【審査官】 土屋 正志
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2017/0295992(US,A1)
【文献】 特開2016−007453(JP,A)
【文献】 特開2015−073794(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47J 31/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体と原材料とを備える混合物のために構成された抽出装置であって、
第1の容器と、
前記混合物を貯蔵するように構成された第2の容器と、
前記第2の容器及び前記第1の容器に接続されたバルブと、
前記第1の容器に接続されて前記第1の容器の内圧を所定の値まで下げるように構成された吸気装置と、
前記第1の容器の前記内圧を検出するように構成された圧力検出器と、
を備えており、
前記圧力検出器が前記第1の容器の前記内圧が前記所定の値に達したことを検出すると、前記バルブが活性化されて前記第1の容器を前記第2の容器に接続する、抽出装置。
【請求項2】
ケースと、持ち上げ機構と、シーリング部品と、をさらに備えており、前記第1の容器が開口を有しており、前記持ち上げ機構が前記ケース上に設けられており、前記シーリング部品が前記持ち上げ機構に接続されており、前記持ち上げ機構が前記シーリング部品を動かして前記第1の容器の前記開口をカバーしてシールするように構成されている、請求項1に記載の抽出装置。
【請求項3】
前記ケースに設けられている第1の容器位置検出器とメインボードとをさらに備えており、
前記第1の容器が前記ケースに固定されているとき、前記第1の容器が前記第1の容器位置検出器を活性化し、前記第1の容器位置検出器は位置信号を前記メインボードに送信して前記吸気装置を活性化し、前記持ち上げ機構が前記シーリング部品を動かして前記第1の容器の前記開口をカバーしてシールする、請求項2に記載の抽出装置。
【請求項4】
メインボードと、前記ケースに設けられている第2の容器位置検出器と、をさらに備えており、
前記第2の容器が前記ケースに設けられて且つ前記バルブに接続されているとき、前記第2の容器が前記第2の容器位置検出器を活性化し、前記第2の容器位置検出器は位置信号を前記メインボードに送信する、請求項2に記載の抽出装置。
【請求項5】
前記ケースに設けられているメインボードと下限点検出器と上限点検出器とをさらに備えており、
前記シーリング部品が、前記持ち上げ機構によって駆動されることによって動かされて前記第1の容器の前記開口をシールするとき、前記持ち上げ機構が前記下限点検出器を活性化し、前記メインボードが前記持ち上げ機構の動作を停止し、
前記シーリング部品が、前記持ち上げ機構によって駆動されることによって前記第1の容器の前記開口から離れるように動かされるとき、前記持ち上げ機構が前記上限点検出器を活性化し、前記メインボードが前記持ち上げ機構の動作を停止する、請求項2に記載の抽出装置。
【請求項6】
流体チャンネルと、吸気チャンネルと、シーリング部品と、をさらに備えており、前記シーリング部品が前記第1の容器の前記開口をカバーしてシールするように構成されており、前記流体チャンネルが前記第2の容器と前記シーリング部品の流体放出孔とに接続されており、前記流体放出孔が前記第1の容器の前記開口に接続されており、前記バルブが前記流体チャンネルに設けられており、前記吸気チャンネルが前記シーリング部品の吸引孔と前記吸気装置とに接続されており、前記吸引孔が前記第1の容器の前記開口に接続されており、前記圧力検出器が前記吸気チャンネルに接続されている、請求項1に記載の抽出装置。
【請求項7】
かき混ぜアセンブリをさらに備えており、前記かき混ぜアセンブリはかき混ぜ片と伝達部品とを備えており、前記伝達部品は前記第2の容器に取り除き可能に取り付けられており、前記かき混ぜ片は、前記伝達部品に接続されていて且つ前記伝達部品によって可動であり且つ前記原材料及び前記液体をかき混ぜるように構成されている、請求項1に記載の抽出装置。
【請求項8】
ケースと、メインボードと、カバーと、カバー位置検出器と、をさらに備えており、前記かき混ぜアセンブリがさらにモータを備えており、前記第2の容器が前記ケースに取り除き可能に設けられており、前記カバーが前記ケースに取り外し可能に設けられており、前記モータと前記カバー位置検出器と前記メインボードとが前記ケースに設けられており、前記モータが前記伝達部品を介して前記かき混ぜ片を駆動するように構成されており、前記かき混ぜ片と前記伝達部品とが前記カバーに設けられていて、
前記カバーが、前記伝達部品を前記モータに接続し且つ前記かき混ぜ片を前記第2の容器内に置くように前記ケースに設けられているとき、前記カバーが前記カバー位置検出器を活性化し、前記カバー位置検出器が位置信号を前記メインボードに送信する、請求項7に記載の抽出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、抽出装置及び抽出方法に関しており、より具体的には、バルブ及び吸気装置を有する抽出装置、ならびにそれを使用する抽出方法に関している。
【背景技術】
【0002】
生活水準の改善とともに、コーヒーは、人々が疲れを軽減して活力レベルを増やすことを手助けする飲料であるだけではなく、人々が探し求めているカジュアルなライフスタイルに、ますますなっている。このことはコーヒーをより一層日常的なものにしていて、様々なタイプのコーヒー飲料が、いずれも大きな市場シェアを有している。
【0003】
水出しコーヒー(cold brew coffee)を例に取ると、水出しコーヒーは特有の香りを有しており、最近の数年間で普及してきている。水出しコーヒーを作る最も普通の方法は、挽いたコーヒーを室温又はより低温の水に浸して何時間も待って、挽いたコーヒーから十分な香りを抽出するというものである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、淹れたコーヒーを作ることは時間が掛かって厄介な作業である。浸すプロセスは通常は少なくとも12〜24時間も掛かり、且つ挽いたコーヒーと水との混合物は、その時間の間は冷蔵庫に保管されなければならない。言い換えると、水出しコーヒーは、少なくとも半日か又は一日前に、前もって準備される必要がある。それゆえに、淹れたコーヒーを作る従来の方法は、水出しコーヒーが冷蔵庫内の大きな空間を占有し電力消費が増すことに言及しなくても、レディ・トゥ・ドリンク市場には適していない。加えて、コーヒーショップは、依然としてしばしば、十分な量の水出しコーヒーを前もって準備していなくて潜在的な売り上げを逃すか、あるいは、淹れたコーヒーを過剰にストックし、コーヒーが残って無駄にする結果となる。その他、挽いたコーヒーを長く浸し過ぎると、望まれない不純物を抽出しやすくなり、これにより香りに影響を及ぼしやすい。
【0005】
本開示は、高い効率で、時間を節約して且つ高品質な方法で、レディ・トゥ・ドリンク飲料を作ることができる抽出装置及び抽出方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一つの実施形態は、液体と原材料とを備える混合物のために構成された抽出装置を提供する。この抽出装置は、第1の容器と、第2の容器と、バルブと、吸気装置と、を含む。第2の容器は、混合物を貯蔵するように構成されている。バルブは、第2の容器及び第1の容器に接続されている。吸気装置は、第1の容器に接続されて、第1の容器の内圧を所定の値まで下げるように構成されている。第1の容器の内圧が所定の値に達すると、バルブが活性化されて、第1の容器を第2の容器に接続する。
【発明の効果】
【0007】
上記で論じられた抽出装置及び抽出方法によれば、バルブは、第1の容器の内圧が吸気装置によって所定の値に達すると、開けられる。それゆえ、バルブが開けられると、第1の容器及び第2の容器は、可溶性物質(例えばコーヒーの香り成分)を原材料(例えば挽いたコーヒー)から抽出して且つ可溶性物質及び液体を第1の容器に短時間で流れ込ませるだけの十分な圧力差を有することができる。実験結果に基づいて、そのような減圧抽出プロセスは、香り成分の抽出のための時間を劇的に短縮することができる。
【0008】
例えば、抽出装置がコーヒーを淹れるために適用されると、減圧抽出プロセスは、可溶性の香りを挽いたコーヒーから短時間で抽出するために十分な圧力差を創り出すことができて、かき混ぜ、濡らし、及び抽出を含む全体プロセスは、約5分間しか取らないことができる。
【0009】
可溶性の香りを抽出するために何時間も掛けることを必要とする従来技術と対照的に、本開示の抽出装置によって必要とされる抽出時間は、わずか数分間に劇的に短縮される。それゆえ、本開示の抽出装置は水出しコーヒーを直ちに提供することができて、それを前もって多量に準備しておく必要がなく、このことは冷蔵庫内の空間の節約及び電力消費の低減に役立つ。加えて、本開示の抽出装置によって淹れたコーヒーを作るために、挽いたコーヒーは比較的短い時間だけ水に浸されればよく、このことは、香りに影響を及ぼす不純物が水中に溶解されることを大きく低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本開示は、以下に与えられる詳細な記述及び添付の図面から、より良く理解されることになるであろう。図面は描写のためのみに与えられており、これより、本開示を制限することは意図されていない。
図1】本開示の一つの実施形態に従った抽出装置の斜視図である。
図2】異なる視点から取られた図1の抽出装置の分解図である。
図3】異なる視点から取られた図1の抽出装置の分解図である。
図4図1の抽出装置の内部を示す斜視図である。
図5図1の抽出装置の断面側面図である。
図6A】シーリング部品が切り替え位置にあるときの図1の抽出装置の拡大断面側面図である。
図6B】シーリング部品が切り替え位置にあるときの図1の抽出装置の拡大断面側面図である。
図7】本開示の抽出方法の流れ図である。
図8】本開示の他の実施形態に従った抽出装置の斜視図である。
図9】異なる視点から取られた図8の抽出装置の分解図である。
図10】異なる視点から取られた図8の抽出装置の分解図である。
図11図8の抽出装置の内部を示す斜視図である。
図12】本開示のさらに他の実施形態に従った抽出装置の斜視図である。
図13】異なる視点から取られた図12の抽出装置の分解図である。
図14】異なる視点から取られた図12の抽出装置の分解図である。
図15図12の抽出装置の内部を示す斜視図である。
図16】本開示のまた他の実施形態に従った抽出装置の斜視図である。
図17図16の抽出装置の内部を示す斜視図である。
図18】本開示のさらにまた他の実施形態に従った抽出装置の斜視図である。
図19A】異なる視点から取られた図18の抽出装置の拡大図である。
図19B】異なる視点から取られた図18の抽出装置の拡大図である。
図20A図18の抽出装置の内部を示す斜視図である。
図20B図18の抽出装置の内部を示す斜視図である。
図21A図18の抽出装置の拡大且つ部分的な断面図である。
図21B図18の抽出装置の拡大且つ部分的な断面図である。
図22A】シーリング部品が切り替え位置にあるときの図18の抽出装置の部分的な拡大断面側面図である。
図22B】シーリング部品が切り替え位置にあるときの図18の抽出装置の部分的な拡大断面側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下の詳細な記述では、説明の目的で、開示された実施形態の十分な理解を提供するために、多数の特定の詳細が提示される。しかし、一つ又はそれ以上の実施形態がこれらの特定の詳細無しに実行され得ることが、明らかであろう。他の場合には、良く知られた構造及び装置が、図面を簡単化するために模式的に示される。
【0012】
加えて、技術的及び科学的用語のような本開示で使用される用語はそれら自身の意味を有しており、それらの用語が本開示で付加的に定義されない限りは、当業者によって理解されることができる。すなわち、以下の段落で使用されている用語は、それらの用語が本開示で特定の意味を有さない限りは、関連する分野で普通に使用されている意味で読まれるべきであり、過剰に説明されない。さらに、図面を簡単化するために、いくつかの従来の構造及び構成要素は、図面をクリーンに保つために単純化された方法で示されている。
【0013】
さらに、以下の実施形態は図面によって開示されており、いくつかの実用的な詳細が以下の段落に記述されるが、本開示はそれらには限定されない。さらに、描写の目的で、図面における構造及び構成要素のいくつかが簡単化されて、配線、ライン、又はバスが、図面のいくつかで省略されている。また、本開示の図面における構成要素のサイズ、比率、及び角度は、描写目的のために誇張されていることがあるが、本開示はそれには限定されず、本開示の思想から逸脱しない限りは、本開示に従って様々な改変が許容され且つなされることができる。本開示に基づいて製造される製品の実際のサイズ及び設計もまた、任意の実際の要件に従って改変され得ることに留意されたい。
【0014】
さらに、「端」「部」「部分」「範囲(エリア)」などのような用語は、以下の記述において、特定の構成要素及び構造、あるいはそれらの上又はそれらの間の特定の形状を記述するために使用され得るが、これらの構成要素及び構造を限定することは意図されていない。以下では、「実質的に」「およそ」又は「約」のような用語を使い得るが、これらの用語がサイズ、濃度、温度、あるいはその他の物理的又は化学的な特性又は性質に関して使われるときには、それらは、これらの特性又は性質の上限及び/又は下限に存在する偏差、あるいは製造公差又は分析プロセスによって生じる許容可能な公差が、依然として所望の効果を達成することができることを表現するために使用される。
【0015】
さらに、異なるように定義されない限りは、技術的及び科学的な用語を含めて、本開示で使用される全ての用語はそれらの通常の意味を有しており、それらは当業者によって理解されることができる。さらに、上記の用語の定義は、開示に関連した技術分野と一致するように解釈されるべきである。具体的に定義されない限りは、これらの用語は、理想的過ぎるか又はフォーマル過ぎる意味として解釈されるべきではない。本開示の構成要素の用語はときおり、記述の要件に依存して、より簡潔な方法で参照され、読者によって理解されるべきである。
【0016】
最初に図1〜4を参照されたい。図1は、本開示の一つの実施形態に従った抽出装置の斜視図であり、図2〜3は、異なる視点から取られた図1の抽出装置の分解図であり、図4は、図1の抽出装置の内部を示す斜視図である。
【0017】
この実施形態は、固体及び液体の物質を含む混合物を抽出するように構成された抽出装置1aを提供する。この混合物では、固体成分が液体内に均一に又は不均一に分散されている。固体成分は、液体に溶解されることができてアロマ及び香りを提供する可溶性物質を含む。固体成分は、限定されるものではないが、挽いたコーヒー、コーヒー豆、又は、茶葉のようなレディ・トゥ・ドリンク飲料のその他の固体物質であることができる。それゆえ、固体成分は、レディ・トゥ・ドリンク飲料を作るための原材料であり、可溶性物質は、その固体成分の中の香り成分とみなされることができる。そして、固体成分は、粉末の形態又は葉の形態であることには限定され得ない。いくつかの他の実施形態では、固体成分は、可溶性物質を含むその他の適切な液体物質で置き換えられ得る。液体は、可溶性物質が溶解する溶媒として作用する。言い換えると、液体は、香り成分を固体成分から抽出することができる溶媒として作用する。液体は、限定されるものではないが、水又はその他のタイプの液体物質であることができる。この実施形態では、液体及び可溶性物質は食用に適したものであり得るが、本開示はそれには限定されない。加えて、固体成分と液体との割合は、特には限定されない。いくつかの実施形態では、液体は、一つ又はそれ以上のタイプの固体成分と混合され得る。すなわち、本開示は固体成分及び液体のタイプ、量、形態、及び割合には限定されず、固体成分と液体との混合物は、限定されるものではないが、固体・液体混合物であることができる。要するに、この実施形態及びいくつかの他の実施形態では、抽出装置1aは、液体(図示されず)の中に分散された原材料(すなわち固体成分)から可溶性物質(図示されず、すなわち香り成分)を抽出するように構成されている。本開示が、香り成分、固体成分、及び液体の量及び組成のいずれにも限定されないことに留意されたい。
【0018】
本開示をより良く理解するために、この実施形態は水出しコーヒーを例とする。それゆえ、水出しコーヒーを作るために最も普通の材料にしたがって、以下の段落では、液体は「水」であって且つ単純に「水」と呼ばれることができ、固体成分は「挽いたコーヒー」であって且つ単純に「挽いたコーヒー」と呼ばれることができ、水と挽いたコーヒーとの混合物は「水と挽いたものとの混合物」とみなされることができ、挽いたコーヒーから抽出される可溶性物質は単純に「抽出された物質」、「可溶性要素」、「香り成分」、又は「可溶性の香り」と呼ばれることができ、水と抽出された物質との溶液は、最終製品、すなわち「淹れたコーヒー」である。
【0019】
加えて、挽いたコーヒーを水に浸すプロセスは「濡らし」と呼ばれ、それは挽いたコーヒーが水を吸収する物理的なプロセスである。このプロセスの間、挽いたコーヒーにおける可溶性の固体及び気体要素を含む可溶性物質が水に溶解され、挽いたコーヒーは、見た目で明らかに膨らむ。さらに、コーヒーに関して、「抽出」とは、濡らしプロセスを受けてきた挽いたコーヒーから可溶性物質を溶解又は抽出するプロセスである。このプロセスの間、可溶性物質は、異なる化学的又は物理的反応を経験することによって、挽いたコーヒーから抽出されることができて、そのような反応は、特定の順序で起こるわけではなく且つ一度しか起こらないわけではなく、その代わりに、これらのプロセスは、抽出率を改善するために繰り返して起こり得る。抽出率は、直接的に香りに影響する。すなわち、低い抽出率及び高い抽出率は、異なる香りプロファイルを作り出す。例えば、いくつかのタイプのコーヒー豆にとっては、低い抽出率は酸っぱい香りを作り得るが、高い抽出率は苦く且つドライな香りを作り得る。本開示が抽出率には限定されないことに留意されたい。
【0020】
さらに、本開示は、挽いたコーヒーのサイズ、密度、形、及び分布、ならびに水の注ぎ方のいずれにも限定されない。濡らしプロセスの前後に水と挽いたものとの混合物に与えられる任意の運動エネルギーが抽出率及び濡らしプロセスに重要なインパクトを持つが、本開示はそれには限定されない。そして、運動エネルギーを水と挽いたものとの混合物に与える方法は、後の段落で議論される。
【0021】
さらに、可溶性物質のタイプ、サイズ、量、及び形状は挽いたコーヒーのタイプに基づき、本開示はそれには限定されない。また、本開示では、挽いたコーヒー及び水のタイプ又は量、挽いたコーヒーと水との割合、抽出率、及び淹れたコーヒーにおける可溶性物質の濃度は、どれも特には限定されない。そして、単純な描写の目的のために、本開示の図面は、挽いたコーヒー、水、それらの混合物、可溶性物質、及び可溶性物質と水との溶液を示さない。
【0022】
この実施形態においては、抽出装置1aは、第1の容器10a、第2の容器20、バルブ30、流体チャンネル40、吸気装置50、及び吸気チャンネル60を含み得る。第1の容器10aは、例えば水と可溶性物質との混合物、すなわち最終飲料(例えば淹れたコーヒー)を集めて且つ貯蔵するように構成されている。それゆえ、この実施形態における第1の容器10aは「コーヒーポッド」の形態であり得るが、本開示はそれには限定されない。第2の容器20は、例えば液体(例えば水)と固体成分(例えば挽いたコーヒー)との混合物を貯蔵するように構成されていて、挽いたコーヒーのような固体成分は、水出しコーヒーのような最終製品を作るための原材料である。この実施形態は水出しコーヒーを最終製品の例としており、そのために、この実施形態では、第2の容器20が水と挽いたコーヒーとの混合物を貯蔵していて、第1の容器10aが、挽いたコーヒーから抽出された香り成分と水との混合物を貯蔵している。
【0023】
流体チャンネル40は、水と抽出された可溶性物質との混合物を第2の容器20から第1の容器10aに移送するために、第2の容器20及び第1の容器10aの両方に接続されている。流体チャンネル40は一つ又はそれ以上のパイプ(番号は付けられていない)から成り得るが、本開示はそれには限定されない。この実施形態又はいくつかの他の実施形態では、第2の容器20と第1の容器10aとの間で流体を移送することができるパイプ又はチューブの任意のタイプ、量、又はジョイント構成が、本開示の流体チャンネルのオプションと考えられることができる。この実施形態又はいくつかの他の実施形態では、流体チャンネル40の2つの両端に設けられた漏れ防止コネクタ(番号は付けられていない)が存在し得る。
【0024】
バルブ30は流体チャンネル40に設けられている。バルブ30が閉じていると、第2の容器20内の水及び挽いたコーヒーが第1の容器10aに流れていくことを妨げるように、流体は流体チャンネル40を通って流れることができない。バルブ30が開いていると、第2の容器20内の水及び挽いたコーヒーは、流体チャンネル40を通って流れ、それから第1の容器10aに流れ込むことが可能になる。バルブ30のタイプが限定されず且つ任意の適切なタイプのバルブが使用されることができることに、留意されたい。加えて、この実施形態又はいくつかの他の実施形態では、バルブ30は、バルブ30の開閉を制御するビルトイン・モータ又はそこに加えられた付加的なモータ(図示されず)を有し得るが、本開示はこれには限定されない。加えて、流体チャンネル40はオプションであり得る。いくつかの他の実施形態では、抽出装置は流体チャンネル40を有し得ず、そのような場合には、バルブは第2の容器及び第1の容器の両方に直接的に接続されることができるが、本開示はそれには限定されない。
【0025】
吸気チャンネル60は、吸気装置50及び第1の容器10aの両方に接続された空気チャンネルである。吸気チャンネル60は、限定されるものではないが、一つ又はそれ以上の空気パイプ(番号は付けられていない)からなることができるが、本開示はそれには限定されない。この実施形態又はいくつかの他の実施形態では、第1の容器10aと吸気装置50との間で空気を移送することができる任意のタイプ、量、又はジョイント構成のパイプ又はチューブが、本開示の吸気チャンネルのオプションとみなされることができる。この実施形態又はいくつかの他の実施形態では、吸気チャンネル60の2つの両端に設けられた漏れ防止コネクタ(番号は付けられていない)が存在し得る。吸気装置50は、第1の容器10aの内圧が吸気装置50によって減らされることができるように、空気を吸気チャンネル60から吸引することによって、空気を第1の容器10aから引き出すことができる。しかし、本開示は、吸気装置50のタイプ及び吸引能力には限定されない。加えて、吸気チャンネル60はオプションであり得る。いくつかの他の実施形態では、抽出装置は吸気チャンネル60を有していなくてよく、そのような場合には、吸気装置は第1の容器に直接的に接続されるが、本開示はそのような改変には限定されない。
【0026】
この実施形態及びいくつかの他の実施形態では、吸気装置50は、第1の容器10aの内圧を所定の値に減らすように、空気を第1の容器10aから引き出すことができる。空気を第1の容器10aから引き出すことによって第1の容器10aの内圧を減らすプロセスは、単純に「減圧プロセス」と呼ばれることができる。所定の値は、第2の容器20の内圧よりも小さい任意の適切な値であることができる。本開示が減圧プロセスの率及びそれに掛かる時間には限定されず、且つ、本開示が第1の容器10a及び第2の容器20の内圧、所定の値、及び所定の値と第2の容器20の内圧との間の差には限定されないことに、留意されたい。加えて、本開示は、第1の容器10a及び第2の容器20の内圧、所定の値、及び所定の値と第2の容器20の内圧との間の差の検出、測定、又は計算方法のいずれにも限定されない。この実施形態又はいくつかの他の実施形態では、吸気装置50に設けられるか又は接続されて圧力を測定することができる圧力検出器(図示されず)が存在し得る。
【0027】
第1の容器10aの内圧が所定の値に達すると、すなわち第1の容器10aの内圧が所定の値より小さいか又は等しい値まで下がると、第1の容器10a及び第2の容器20の内圧の差は現在の抽出プロセスの要件を満たしているとみなされる。この時点でバルブ30が開けられて、第2の容器20内の水が流体チャンネル40を介して第1の容器10aに流れることが許容され、これにより、挽いたコーヒーの中の可溶性物質を溶解させて水とともに第1の容器10aに流し、第1の容器10aに収集される水と可溶性物質との混合物が最終製品、すなわち淹れたコーヒーになる。可溶性物質は挽いたコーヒーにおける抽出可能な物質であり、これは水によって溶かされてアロマ及び香りを提供することができる。
【0028】
詳しくは、第1の容器10aの内圧が減らされて所定の値よりも小さくなるか又は等しくなると、第1の容器10aと第2の容器20との間のある量の圧力差が存在し、そのような圧力差が、挽いたコーヒーから可溶性物質を短時間で抽出する手助けとなる。抽出された可溶性物質は水に溶解され、流体チャンネル40を介して第1の容器10aに流れることができる。可溶性物質を抽出するための圧力差の使用は、減圧抽出プロセスと呼ばれることができる。減圧抽出プロセスに適した所定の値及び第1の容器10aと第2の容器20との間の圧力差が特には限定されず、実際の要件に従って変更されることができ、減圧抽出プロセスを実行するための時間もまた特には限定されないことに、留意されたい。
【0029】
実験結果によれば、室温が約20℃で且つ所定の値が約−150torrである条件下では、抽出装置1aは、20グラムの挽いたコーヒー及び200ミリリットルの水の混合物に対する減圧抽出プロセスを完了するために、約30秒しか必要としない。
【0030】
可溶性の香りを抽出するために約12〜24時間を必要とする従来技術とは対照的に、本開示の抽出装置1aによって必要とされる抽出時間は、劇的に短縮される。それゆえ、抽出装置1aは水出しコーヒーをすぐに提供することができて、それを多量に前もって準備しておく必要はなく、このことは冷蔵庫内の空間の節約及び電力消費の低減に役立つ。加えて、挽いたコーヒーは比較的短時間だけ水に浸されるので、香りに影響する不純物が水に溶解されることが大いに低減される。さらに、短い抽出時間のために、この実施形態の抽出装置1aによって必要とされる挽いたコーヒー及び水は、約1:10〜1:12の比率を有し得るが、挽いたコーヒーを水に何時間も浸す従来技術は、同じ抽出率を達成するために約1:4〜1:12の比率を必要とする。それゆえ、抽出装置1aが必要とする挽いたコーヒーの量はより少なく、抽出装置1aは、より低カフェインの淹れたコーヒーを作り得る。
【0031】
さらに、第1の容器10aの気密性及び減圧抽出プロセスを促進する設計が、以下の段落に記述される。
【0032】
図1〜4に示されるように、この実施形態では抽出装置1aはさらに、シーリング部品70a、かき混ぜアセンブリ80、及びケース100aを含み得る。ケース100aは、第1のケース部101a、接続ケース部102a、及びトレイ部103aを含み得る。
【0033】
バルブ30、吸気装置50、流体チャンネル40の一部、及び吸気チャンネル60の一部は、主ケース部101aに収納され得る。加えて、この実施形態又はいくつかの他の実施形態では、主ケース部101aに制御センター(図示されず)が存在し得て、この制御センターは、一つ又はそれ以上の回路ボード、プロセッサ、ならびに、バルブ30、吸気装置50、及び/又は抽出装置1a上のその他の電気及び電子装置を制御し又はユーザへ信号を生成するために適した他の電気及び電子部品を含み得る。加えて、電源ボタン(番号は付けられていない)が主ケース部101aに設けられ得て、この電源ボタンを押すことで、抽出装置1aがオンされる。そして、抽出開始ボタン(番号は付けられていない)が同様に主ケース部101aに設けられ得て、この抽出開始ボタンを押すことで、抽出プロセスの実行が始まる。本開示が主ケース部101aの材料、構成、及び形状には限定されず、前述の構成要素を収納して且つそれらを所定の位置に固定することができる任意の設計が本開示のケースのオプションであることができることに、留意されたい。
【0034】
接続ケース部102aは、限定されるものではないが、主ケース部101aの側部に取り外し可能に接続されることができる。流体チャンネル40の他の部分及び吸気チャンネル60の他の部分が主ケース部101aを通って設けられて、接続ケース部102a内に位置される。第2の容器20は接続ケース部102aに取り外し可能に設けられて、第2の容器20に面している接続ケース部102aの側部は孔1021を有し、流体チャンネル40の端は、この孔1021で、第2の容器20の放出コネクタ21に接続される。図3〜4に示されるように、第2の容器20が接続ケース部102aに設けられると、放出コネクタ21は、第2の容器20内の流体が流体チャンネル40に流れ込むことが可能になるように、流体チャンネル40の端に接続されて孔1021に位置される。
【0035】
トレイ部103aは、限定されるものではないが、主ケース部101aに取り外し可能に接続されることができる。トレイ部103a及び接続ケース部102aは主ケース部101aの同じ側に位置されて、トレイ部103aは、接続ケース部102aの下に間隔を空けて位置される。言い換えると、接続ケース部102aは、トレイ部103aの上に間隔を空けて位置される。第1の容器10aは、トレイ部103aに設けられることができて、接続ケース部102aとトレイ部103aとの間に位置されることができる。接続ケース部102aとトレイ部103aとの間の距離は、第1の容器10aの高さに従って改変されることができるが、本開示はそれには限定されない。
【0036】
さらに、接続ケース部102aに面しているトレイ部103aの表面は第1のガイド構造1031を有し、第1の容器10aの底面は第2のガイド構造11aを有する。この実施形態又はいくつかの他の実施形態では、第1のガイド構造1031は突起であり得て、第2のガイド構造11aは溝であり得て、突起及び溝の延長方向は、(図2にて第1の容器10aの隣に破線の補助線として示されているように)第1の容器10aの装着方向に実質的に平行である。しかし、本開示は、第1のガイド構造1031、第2のガイド構造11a、及びそれらの形状又は構成には限定されない。
【0037】
第1の容器10aがトレイ部103aに置かれると、第2のガイド構造11aは、第1の容器10aを準備完了位置にガイドするように、第1のガイド構造1031に取り除き可能で且つスライド可能に設けられる。図1に示されているように、準備完了位置は、第1の容器10aが、抽出プロセスを開始するための準備ができている場所である。
【0038】
この実施形態では、シーリング部品70aはケース100aに可動に設けられている。具体的には、シーリング部品70aは、ケース100aの接続ケース部102aのトレイ部103aに面している側部に、可動に設けられる。シーリング部品70aは、第1の容器10aが準備完了位置にあると、第1の容器10aの開口Oをカバーしてシールすることができる。この実施形態では、シーリング部品70aは、流体チャンネル40及び吸気チャンネル60にそれぞれ接続されている流体放出孔71及び吸引孔72を有する。それゆえ、流体チャンネル40内の流体は、シーリング部品70aの流体放出孔71を通って放出されることができて、空気が吸引孔72を介して吸気チャンネル60内に吸引されることができる。
【0039】
それゆえ、流体チャンネル40に関して、第2の容器20内の流体は、接続ケース部102aの孔1021に位置された放出コネクタ21から流体チャンネル40に流れ込むことができて、バルブ30が開いていると、この流体は流体チャンネル40及びバルブ30を通って流れて、それからシーリング部品70aの流体放出孔71から第1の容器10a内に放出されることができる。吸気チャンネル60に関して、吸気装置50は、シーリング部品70aの吸引孔72に接続されて第1の容器10aの開口Oに位置されている吸気チャンネル60の他端を介して第1の容器10aから吸気するように、吸気チャンネル60の一方の端から吸気することができる。
【0040】
かき混ぜアセンブリ80は第2の容器20に取り外し可能に設けられ、第2の容器20はまた、かき混ぜアセンブリ80のかき混ぜアセンブリケース800を介して、ケース100aに組み込まれている。図面に示されているように、かき混ぜアセンブリ80は、ケース100aの主ケース部101aの上面に組み込まれ得る。図5を参照されたい。図5は、抽出装置1aの断面側面図である。この実施形態又はいくつかの他の実施形態では、かき混ぜアセンブリ80は、かき混ぜ片810、伝達部品820、及びモータ830を含み得る。モータ830は、主ケース部101aに設けられ得て、制御センターに電気的に接続されて、制御センターを介して制御される。かき混ぜ片810は、かき混ぜアセンブリ80に取り外し可能に設けられている。かき混ぜアセンブリ80が第2の容器20に所定の位置で装着されると、かき混ぜ片810は第2の容器20に可動に位置される。かき混ぜ片810は、第2の容器20の開口から第2の容器20の底部に向かって延在するプレート形状であり得る。伝達部品810がモータ830によって生成された力をかき混ぜ片810に伝達して、第2の容器20内部でかき混ぜ片810を固定又は可変の速さで動かすことができるように、伝達部品820の一端はかき混ぜ片810に接続され、伝達部品820の他端はモータ830に接続されている。具体的には、かき混ぜ片810は、第2の容器20の中心線(図示されず)の周囲で動かされることができる。かき混ぜ片810の動きは、第2の容器20内で固体・液体混合物をかき混ぜ又は撹拌することである。しかし、本開示は、かき混ぜ片810の形状、量、及び速さには限定されない。
【0041】
加えて、図面に示されているように、第2の容器20にはフィルタ22が存在し得る。フィルタ22は、固体成分の非可溶部分(例えば挽いたコーヒーの非可溶部分)が流体チャンネル40及び第1の容器10aに入ることを防ぐように構成されている。フィルタ22は、断面図ではT形を有し得る。詳細には、フィルタ22は、平坦部と、平坦部の中心から突出している手持ち構造とを有し得て、ユーザは、手持ち構造を保持することによってフィルタ22を運ぶことができる。第2の容器20と接触するフィルタ22の平坦部の周縁は、シリコン又はゴムのような柔らかい材料で構成され得て、その可圧縮性及び可変形性の特性が、フィルタ22と第2の容器20の内側表面との間のタイトな接触を確実にして、固体成分の非可溶部分が流体チャンネル40に入ることを防ぐ。図面に示されているように、かき混ぜ片810は、フィルタ22の手持ち構造の周囲を回転するとみなされることができる。しかし、本開示はフィルタ22のこの構成には限定されず、フィルタ22の手持ち構造はフィルタ22の中心になくてもよい。
【0042】
さらに、本開示は、かき混ぜアセンブリ80の設計にも限定されない。例えば、いくつかの他の実施形態では、かき混ぜアセンブリは手で動かされ得て、モータを有さなくてもよい。そのような場合には、伝達部品が、ユーザがかき混ぜアセンブリを操作するための手持ち部を有し得る。
【0043】
加えて、この実施形態又はいくつかの他の実施形態では、抽出装置1aは、位置検出器D及び位置検出器D’をさらに含み得る。位置検出器D及びD’は、限定されるものではないがプッシュスイッチであることができる。位置検出器Dは、ケース100aの主ケース部101aの側壁に設けられ且つそこから突出し得て、接続ケース部102aとトレイ部103aとの間に位置され得る。第1の容器10aが準備完了位置にあると、第1の容器10aは位置検出器Dを押し、位置検出器Dは信号を制御センターに送信して、第1の容器10aが所望の位置で準備できていると制御センターに判断させる。位置検出器D’もまたケース100aの主ケース部101aに設けられる。具体的には、位置検出器D及びD’は主ケース部101aの同じ側に設けられ、位置検出器D’は接続ケース部102aの上方に位置される。第2の容器20が接続ケース部102aに組み込まれると、第2の容器20が位置検出器D’を押し、位置検出器D’は信号を制御センターに送信して、第2の容器20がすでに所望の位置にあると制御センターに判断させる。いくつかの実施形態では、制御センターが位置検出器D及び/又は位置検出器D’からまだ信号を受け取っていないと、ケース100a上の警告灯を点灯させてユーザに知らせることができる。
【0044】
しかし、本開示は位置検出器D及びD’の設計及び位置には限定されない。いくつかの他の実施形態では、位置検出器は、検出のためにレーザ又は赤外(IR)光を使用する検出器のような非タッチタイプの検出器であり得る。そのような場合には、第1の容器10a及び第2の容器20が所定の位置にあると、それらはそれぞれの位置検出器を間接的な接触方法で活性化することができる。
【0045】
それから、図5及びさらに図6A〜6Bを参照されたい。図6A〜6Bは、シーリング部品70aが切り替え位置にあるときの抽出装置1aの拡大断面側面図である。この実施形態では、ケース100aはさらに、接続ケース部102aに設けられて且つ接続ケース部102aの表面から露出されているプッシュボタン104を含み得る。抽出装置1aはさらに、付勢部材91及び付勢部材92を含み得る。付勢部材91は接続ケース部102aに設けられる。具体的には、付勢部材91は例えば、プッシュボタン104と接続ケース部102aとの間に位置され、それにより押される圧縮ばねであり、付勢部材91は、プッシュボタン104を接続ケース部102aから離れるように動かすことができる。付勢部材92は接続ケース部102aに設けられる。具体的には、付勢部材92は例えば、シーリング部品70aと接続ケース部102aとの間に位置され、それにより押される圧縮ばねであり、付勢部材92は、シーリング部品70aをトレイ部103aに向かって動かすように、シーリング部品70aを接続ケース部102aから離れるように動かすことができる。
【0046】
詳細には、プッシュボタン104は第1の傾斜表面1041を有し、シーリング部品70aが、第1の傾斜表面1041に接触しているように構成された第2の傾斜表面701を有する。プッシュボタン104が押されて接続ケース部102aの内部に向かって動かされると、プッシュボタン104は付勢部材91を押すことができて、その第1の傾斜表面1041がシーリング部品70aの第2の傾斜表面701を押すことができる。プッシュボタン104の動きの間、第1の傾斜表面1041及び第2の傾斜表面701はお互いに傾斜した表面で接触しているので、プッシュボタン104に与えられた押す力はシーリング部品70aを持ち上げることができる上向き成分を有し、シーリング部品70aは、付勢部材92を押して第1の容器10aの開口Oを露出するように下方の位置から上方の位置に動かされる。プッシュボタン104に与えられた押す力が無くなると、付勢部材91の蓄えられた弾性ポテンシャルエネルギーが開放されて、プッシュボタン104を元の位置まで動かし、且つ付勢部材92の蓄えられた弾性ポテンシャルエネルギーが開放されて、シーリング部品70aが第1の容器10aの開口Oをカバーするようにシーリング部品70aを下方の位置まで動かす。この時点で、シーリング部品70aの流体放出孔71及び吸引孔72は第1の容器10aの内部空間に接続されるが、抽出装置1aの外側には接続されない。加えて、シーリング部品70aはシリコーン又はゴムのような柔らかい材料で構成され得て、その可圧縮性及び可変形性の特性がシーリング部品70aの第1の容器10aへの気密性を確実にすることができる。
【0047】
上述のように、抽出プロセスの前に、抽出装置1aは以下の準備を有し得る。プッシュボタン104を押して、第1の容器10aが第1のガイド構造1031及び第2のガイド構造11aの助けで準備完了位置に装着されることができるように、シーリング部品70aを持ち上げる。ここで、第1のガイド構造1031及び第2のガイド構造11aは、第1の容器10aの装着の間にヒューマンエラーを低減する。そうすることによって、第1の容器10aは位置検出器Dを活性化して、第1の容器10aが実際に所望の位置にあることをユーザに知らせる。それから、プッシュボタン104を開放して、シーリング部品70aを自動的に下方の位置まで下げさせて、第1の容器10aをシールする。それから、第2の容器20をケース100aに組み込む。そしてそれから、かき混ぜアセンブリ80をケース100aに組み込む。そのようにして、抽出装置1aの流体チャンネル及び空気チャンネルが外部から隔離されて気密される。ここで流体チャンネルは、第2の容器20の内部空間、流体チャンネル40、及び第1の容器10aの内部空間を含み得て、空気チャンネルは、第2の容器20の内部空間、吸気装置50、吸気チャンネル60、及び第1の容器10aの内部空間を含み得る。それゆえ、抽出プロセスの前の準備は単純な数ステップに過ぎず、ユーザにとって簡単且つ便利で、最小の労力しか必要としない。
【0048】
それゆえ、抽出プロセスの前の操作プロセスは、電源ボタンを押して抽出装置1aをオンするオプションのステップと、第1の容器10aがシーリング部品70aによってシールされ且つカバーされることができるように、第1の容器10aを第1のガイド構造1031及び第2のガイド構造11aの協働によって所定の位置に配置するステップと、第2の容器20を所定の位置に配置するステップと、を含み得ることが理解される。ここで、位置検出器D及びD’は、第1の容器10a及び第2の容器20が所望の位置にあるかどうかを自動的に判定すること、すなわち、例えば第1の容器10aが気密されているかどうかを検出することができる。それから、フィルタ22(図5に示されている)が第2の容器20に配置され、そしてそれから、適切な量の固体成分(例えば挽いたコーヒー)及び液体(例えば水)が第2の容器20に加えられる。それから、かき混ぜ片810(図5に示される)が第2の容器20内にあって液体と固体成分との混合物に部分的に浸されることができるように、かき混ぜアセンブリ80が第2の容器20に装着される。そのときまでに、減圧プロセスを実行する前の準備が完了する。
【0049】
それから、ユーザは抽出開始ボタンを押して抽出装置1aを活性化して、抽出プロセスを始めることができる。先の図面を参照するとともに、さらに図7を参照されたい。図7は、本開示の抽出方法の流れ図である。最初に、ステップS01は、第2の容器20に貯蔵された混合物を検出する。詳細には、ステップS01において、一つ又はそれ以上の検出器(図示されず)が第2の容器20の中又はその上にあって、第2の容器20が液体及び固体成分を収容しているかどうかを検出し、又はさらに液体及び固体成分の混合物の量が十分であるかを検出し、その結果が、減圧プロセスを実行する前の準備が完了しているかどうかを判断するファクターになることができる。もし第2の容器20が混合物を収容していないか又は混合物の量が不十分であるならば、検出器は制御センターに信号を送って、制御センターに警告灯を点灯させてユーザに知らせ得て、それでユーザは、混合物がまだ追加されていないか又は混合物の量が現在の抽出プロセスに対して不十分であるかどうかを気づくことができる。本開示が検出器、検出器の動作方法、及び「十分な」という語によって意味される実際の量には限定されないことに留意されたい。
【0050】
第2の容器20が十分な量の混合物を有しているとステップS01が判断すると、ステップS02が実行されて、かき混ぜプロセスを実行する。かき混ぜプロセスの間、かき混ぜ片810が、第2の容器20内の混合物をかき混ぜ又は撹拌するように、第2の容器20内で動く。詳細には、ステップS02にて、制御センターはモータ830を活性化し、モータ830が、かき混ぜ片810が所定の時間だけ第2の容器20内の水及び可溶性物質をかき混ぜ又は撹拌するように、伝達部品820を介してかき混ぜ片810を動かす。第2の容器20に対するかき混ぜ片810の経路及び速さは実際の要件に従って調整されることができて、本開示がそれには限定されないことに留意されたい。
【0051】
それから、ステップS03が、シーリング部品70aを動かして第1の容器10aの開口Oをカバーし且つシールする。詳細には、第1の容器10aに対して減圧プロセスを実行する前に、第1の容器10aはシールされなければならず、これよりシーリング部品70aは、第1の容器10aの開口Oをシールするようにトリガされて動かされることができる。
【0052】
それから、ステップS04が第1の容器10aに対して減圧プロセスを実行する。詳細には、減圧プロセスにおいて、制御センターが吸気装置50を活性化して、吸気装置50が、第1の容器10aの内圧を減少させるように、吸気チャンネル60を介して第1の容器10aの内部空気を吸引し始める。減圧プロセスが固定の又は可変の率で実行されることができ、本開示はそれには限定されないことに留意されたい。
【0053】
そうしている間に、ステップS05は、第1の容器10aの内圧が所定の値より小さくなるか又は等しくなっているかどうかを判定する。そうなっていなければ、すなわち第1の容器10aの内圧が所定の値より大きい(言い換えれば、第1の容器10aの内圧がまだ所定の値に達していない、あるいは第1の容器10aと第2の容器20との間の圧力差が現在の抽出プロセスの要件をまだ満たしていない)と判定されたときには、ステップS04が実行され続けて、減圧プロセスを実行するステップが継続される。第1の容器10aの内圧が所定の値より小さくなるか又は等しくなっていると判定される前は、バルブ30は、第2の容器20の液体物質が流体チャンネル40を介して第1の容器10aに流れ込むことを防ぐために、閉じた状態にある。
【0054】
ステップS05の結果がイエスであるなら、すなわち第1の容器10aの内圧が所定の値より小さいか又は等しい(言い換えれば、第1の容器10aの内圧が既に所定の値に到達しているか又はそれより小さくなっている、あるいは第1の容器10aと第2の容器20との間の圧力差が現在の抽出プロセスの要件を満たしている)と判定されると、その時には、ステップS06が実行されてバルブ30を開ける。ステップS06にて、バルブ30が活性化され、すなわちバルブ30が開けられると、バルブ30は第1の容器10aを第2の容器20に流体的に接続することができて、第2の容器20の固体成分からの可溶性物質が、第1の容器10aと第2の容器20との間の圧力差によって、短時間内に抽出されることができて、可溶性物質は液体に溶解して、流体チャンネル40を介して第1の容器10aに流れ込む。結果として、液体と可溶性物質とを含む溶液が第1の容器10aに収集されて、最終製品、すなわち淹れたコーヒーになる。
【0055】
前述の抽出方法及びその順序は例示的なものであり、実際の要件に従って改変、調整、又は部分的に省略されることができる。例えば、電源ボタンを押して抽出装置を活性化するステップは、第1及び第2の容器を配置するステップならびに液体及び固体成分を第2の容器20に満たすステップの後に置かれることができる。液体及び固体成分をかき混ぜる必要がない他の例では、前述のステップS02は省略されることができる。そして、いくつかの実施形態では、第2の容器20の混合物を検出する必要が無く、ステップS01が省略され得る。しかし、本開示は上記の改変には限定されるものではない。
【0056】
加えて、吸気装置50が空気を吸引する前に、第2の容器20内の液体及び固体成分にかき混ぜプロセスを実行することが、抽出率に重要なインパクトを有することが理解される。例えば、以下に示される表1は、ケニヤコーヒー豆の5つのグループを使用した実験結果を示しており、水と挽いたコーヒーとの比率、及び水温は、これらのグループの間で同じである。表1において、TDS(%)(溶解した固体の合計)=抽出された成分(g)/コーヒー溶液(ml)は、水に対する溶解した可溶性物質の比率、すなわちコーヒー溶液に対する香り成分の比率である。また、BRIX(%)=抽出された成分(g)/挽いたコーヒー(g)、すなわち抽出率である。表1に示されるように、濡らし時間が同じであるグループ1〜3の間では、かき混ぜ時間が長いほど抽出率が高い。また、かき混ぜ時間が同じであるグループ2及び4〜5の間では、濡らし時間が長いほど抽出率が高い。
【0057】
【表1】
【0058】
第2の容器20内の液体及び固体成分が十分に混合されているか、又は十分に混合される必要が無いときには、かき混ぜプロセスは省略されることができるが、本開示はそれには限定されるものではないことが理解される。
【0059】
加えて、本開示は先述の抽出装置1aには限定されない。図8〜11を参照されたい。図8は、本開示の他の実施形態に従った抽出装置の斜視図であり、図9〜11は、異なる視点から取られた図8の抽出装置の分解図であり、図11は、図8の抽出装置の内部を示す斜視図である。この実施形態は、先の実施形態における抽出装置1aと同様の抽出装置1bを提供する。これら2つの実施形態の間の主な相違は第1の容器の装着及びシール方法であり、先の実施形態からの相違点のみが以下の段落で説明され、抽出プロセスのような同様の部分は先の記述を参照することができ、繰り返されない。
【0060】
この実施形態では、抽出装置1bはケース100b及びシーリング部品70bを含み、シーリング部品70bは、第1の容器10aに取り外し可能に設けられて且つ第1の容器10aの開口Oをカバーしてシールするように構成されている。ケース100bは接続ケース部102bを含む。少なくとも一つの第1の位置決め構造1021bが、接続ケース部102bのトレイ部103bに面した側部に設けられていて、少なくとも一つの第2の位置決め構造702が、シーリング部品70bの第1の容器10aから離れて面した側部に設けられている。この実施形態又はいくつかの他の実施形態では、2つの第1の位置決め構造1021bが存在し得て、各々の第1の位置決め構造1021bが、例えば溝を有する構造である。そして、2つの第2の位置決め構造702が存在し得て、各々の第2の位置決め構造702は、例えば溝に合致する突起である。しかし、本開示は、第1の位置決め構造1021b及び第2の位置決め構造702の位置及び構成には限定されない。第1の容器10aがトレイ部103bに置かれると、第2の位置決め構造702は第1の位置決め構造1021bに取り除き可能及びスライド可能に置かれて、第1の容器10aが準備完了位置まで動かされることができることを確実にする(図8に示されるように)。第1の容器10aが所定の位置にあると、シーリング部品70bの流体放出孔71及び吸引孔72がそれぞれ流体チャンネル40及び吸気チャンネル60のポートと位置合わせされて接続され、第1の容器10aの気密性を達成する。
【0061】
あるいは図12〜15を参照されたい。図12は本開示のさらに異なる実施形態に従った抽出装置の斜視図であり、図13〜14は異なる視点から取られた図12の抽出装置の分解図であり、図15図12の抽出装置の内部を示す斜視図である。この実施形態は、先の実施形態における抽出装置1a及び1bと同様の抽出装置1cを提供する。抽出装置1a及び1bからの主な相違は第1の容器の装着及びシール方法であり、その相違点のみが以下の段落で説明され、抽出プロセスのような同様の部分は先の記述を参照することができ、繰り返されない。
【0062】
この実施形態では、抽出装置1cはケース100c及びシーリング部品70cを含む。ケース100cは、主ケース部101b及び接続ケース部102bを含む。シーリング部品70cは、第1の容器10aに取り外し可能に設けられていて且つ第1の容器10aの開口Oをカバーしてシールするように構成されている。シーリング部品70cの流体放出孔71及び吸引孔72は、シーリング部品70cの主ケース部101bに面した側部に設けられている。流体チャンネル40及び吸気チャンネル60のポートは、主ケース部101bの側部に位置され且つそこから露出されているが、接続ケース部102cには位置されていない。それゆえ、第1の容器10aがトレイ部103bに置かれると、シーリング部品70cの流体放出孔71及び吸引孔72がそれぞれ流体チャンネル40及び吸気チャンネル60に接続されることができて、第1の容器10aの気密性を達成する。
【0063】
さらに、本開示は第1の容器の位置には限定されない。例えば、図16〜17を参照されたい。図16は、本開示のまた他の実施形態に従った抽出装置の斜視図であり、図17は、図16の抽出装置の内部を示す斜視図である。この実施形態は、先の実施形態における抽出装置1a〜1cと同様の抽出装置1dを提供する。先の実施形態からの主な相違は第1の容器の位置であり、その相違点のみが以下の段落で説明され、抽出プロセスのような同様の部分は先の記述を参照することができ、繰り返されない。
【0064】
この実施形態では、抽出装置1dは、ケース100d、液体吸引チャンネル41、及び第1の容器10bを含む。ケース100dは、主ケース部101d、接続ケース部102d、及びトレイ部103bを含む。第1の容器10bは主ケース部101d内に置かれており、流体チャンネル40はケース100dに収納されていて、接続ケース部102dを貫通していない。液体吸引チャンネル41の一端は取り外し可能に第1の容器10bに接続され、液体吸引チャンネル41の他端は接続ケース部102dに置かれて、接続ケース部102dのトレイ部103bに面した側部から露出されている。それゆえ、ケース100d内の第1の容器10bは、液体吸引チャンネル41を介して外部に接続されることができる。この実施形態では、主ケース部101bに置かれて液体吸引チャンネル41を介して第1の容器10b内の溶液を放出するように液体吸引チャンネル41に接続されたポンプ(図示されず)が存在し得る。図17に示されているように、容液は、トレイ部103b上のマグカップ93に放出されることができる。
【0065】
そのために、第1の容器10bは、抽出装置1dがレディ・トゥ・ドリンク飲料のあるストックを有することができるように、最終製品(例えば水出しコーヒー)を一時的に貯蔵する空間とみなされることができる。この又はいくつかの他の実施形態では、抽出装置1dは、抽出装置1dがより大きなストックを有することができるように、より大きなサイズであって、より大きな第1の容器10bを収納することができる。それゆえ、抽出装置1dは、先の実施形態におけるものよりも多量で且つ十分な量の水出しコーヒーを有し得て、これより、抽出装置1dは、多量の淹れたコーヒーを短時間で提供する必要がある用途に、より適している。加えて、主ケース部101cの側部は取り外し可能なプレートを有し、第1の容器10bを装着又は取り除くためのアクセスをユーザに与えるが、本開示は、主ケース部101cの設計及び主ケース部101cの開け方には限定されない。
【0066】
それから図18〜20Bを参照すると、本開示は抽出装置1eを提供する。図18は本開示のさらにまた他の実施形態に従った抽出装置1eの斜視図であり、図19A〜19Bは異なる視点から取られた図18の抽出装置1eの分解図であり、図20A〜20Bは図18の抽出装置1eの内部を示す斜視図である。以下の段落が、先の実施形態では言及されていないいくつかの付加的な特徴、ならびに先の実施形態で言及された特徴のいくつかの実際の例のような、この実施形態と先の実施形態との間の相違を主に紹介することに、留意されたい。
【0067】
この実施形態では抽出装置1eは少なくとも、第1の容器10e、第2の容器20e、バルブ30e、流体チャンネル40e、吸気装置50e、及び吸気チャンネル60eを含む。第1の容器10e、第2の容器20e、バルブ30e、及び流体チャンネル40eの目的が先の実施形態のものと同様であることに留意されたい。
【0068】
この又はいくつかの他の実施形態では、バルブ30eはモータ31eを備えており、モータ31eはバルブ30eを開閉するように構成されている。しかし、本開示は、図面に示されているモータ31eには限定されず、バルブ30eを制御することができる任意の他の適切な装置が、モータ31eの代替になることができる。
【0069】
同様に、吸気チャンネル60eはまた、吸気装置50及び第1の容器10eの両方に接続された空気チャンネルである。吸気チャンネル60eは一つ又はそれ以上の空気チューブからなっていることができるが、限定されるものではなく、本開示はそれには限定されない。詳細には、図20A及び20Bに示されるように、吸気チャンネル60eは、第1の空気チューブ610e、第2の空気チューブ620e、第3の空気チューブ630e、及び三叉ジョイントTを含み、三叉ジョイントTは、お互いに接続された少なくとも3つのコネクタ、例えば第1のコネクタT1、第2のコネクタT2、及び第3のコネクタT3を有する。第1の空気チューブ610eは吸気装置50eと三叉ジョイントTの第1のコネクタT1とに接続され、第2の空気チューブ620eは第1の容器10eと三叉ジョイントTの第2のコネクタT2とに接続され、第3の空気チューブ630eは三叉ジョイントTの第3のコネクタT3と圧力検出器P1とに接続されている。圧力検出器P1が吸気チャンネル60eに接続されて、圧力検出器P1が、吸気チャンネル60eの内圧を検出することによって第1の容器10eの内圧を検出又は測定することができることに留意されたい。
【0070】
上記は、圧力検出器P1がどのようにして第1の容器10eの内圧にアクセスするかの一例であるが、本開示はそれには限定されない。いくつかの他の実施形態では、実際の要件に依存して、圧力検出器P1は吸気装置50eに設けられ得るか、又は吸気装置50eに接続された任意のチューブに設けられ得る。加えて、本開示は、圧力検出器P1のタイプ又は設計のいずれにも限定されず、空気圧を検出できる任意の他の適切な装置が、圧力検出器P1の代替とされることができる。
【0071】
この及びいくつかの他の実施形態では、第1の容器10eの内圧が所定の値より小さくなるか又は等しくなるまで下げられていることを圧力検出器P1が検出すると、第1の容器10e及び第2の容器20eの内圧の差は、現在の抽出プロセスの要件を満たしているとみなされる。この時点でバルブ30eが開けられて、第2の容器20e内の水が流体チャンネル40eを介して第1の容器10eに流れることが許容され、これにより挽いたコーヒーの中の可溶性物質が溶解させられ且つ水とともに第1の容器10eに流れて、淹れたコーヒーになる。
【0072】
この実施形態では、抽出装置1eはさらにケース100eを含み、ケース100eは、第1の外側ケースボディ101e、第2の外側ケースボディ102e、内側ケースボディ103e、及びキャリアベース104eを含む。
【0073】
図18において、キャリアベース104eは抽出装置1eの一部であって、他の部品をサポートして、通常の使用中には平面の上に置かれている。内側ケースボディ103eはキャリアベース104eの上に設けられて、抽出装置1eのいくつかの部品をサポートするためのフレームとなる。詳細には、この実施形態では、内側ケースボディ103eはスタンド部1031eとフレーム部1032eとを含み、スタンド部1031eはキャリアベース104eの上に立って、フレーム部1032eは、限定されるものではないが、単一片から構成されることができて、キャリアベース104eの上方に位置されるようにスタンド部1031eの上に置かれることができる。より詳細には、フレーム部1032eは、実質的に数字の「8」の形態であって、第1のフレーム部10321eと第2のフレーム部10322eとを含むことができる。キャリアベース104eの形状は、実質的にフレーム部1032eの形状に合致し、キャリアベース104eは第1のキャリアベース部1041eと第2のキャリアベース部1042eとを含むことができる。第1のキャリアベース部1041e及び第2のキャリアベース部1042eの位置は、それぞれ第1のフレーム部10321e及び第2のフレーム部10322eの位置に対応するが、これらの構成要素の位置は実際の全体設計に従って変更されることができ、本開示はそれには限定されない。
【0074】
第1の外側ケースボディ101eは、限定されるものではないが、単一片から構成されるか又は複数の小片からなるアセンブリであることができて、本開示はそれには限定されない。第1の外側ケースボディ101eは、内側ケースボディ10eのフレーム部1032eの第1のフレーム部10321e上に組み込まれて且つそれをカバーするように構成される。この実施形態では、第1のフレーム部10321e及び第2のフレーム部10322eは、それらの間に第1の区画片105eを有することができて、第1の外側ケースボディ101e、第1のフレーム部10321e、及び第1の区画片105eは、一緒に内側空間S1を形成する。流体チャンネル40eの一部及び吸気チャンネル60eの一部が、この内側空間S1に収納されることができる。
【0075】
加えて、この又はいくつかの他の実施形態では、メインボードMB1もまた内側空間S1に収納される。メインボードMB1は、限定されるものではないが、バルブ30e、吸気装置50e、あるいは抽出装置1e上のその他の電気又は電子部品を制御するために使用されることができるキャパシタ、メモリ、プロセッサ、又は電気回路のような様々な電気部品を有することができて、受領した信号に基づいてフィードバック信号を生成することができる。それゆえ、メインボードMB1は抽出装置1eの制御センターとみなされることができるが、本開示は、メインボードMB1上の電気部品のタイプ、機能、又は量には限定されない。加えて、前述の圧力検出器P1は、メインボードMB1と通信することができる。この実施形態では、圧力検出器P1は、限定されるものではないが、メインボードMB1上に置かれて、圧力検出器P1がメインボードMB1によって制御されることができるか、又は圧力検出器P1がメインボードMB1に信号を送信することができる。
【0076】
加えて、ユーザインターフェース1021eが第1の外側ケースボディ101eに置かれて、ユーザインターフェース1021eは、限定されるものではないが、メインボードMB1及び/あるいはメインボードMB1によって活性化される音又は光信号発生装置に指令を入力するための様々なボタンを含むことができる。前記ボタン(番号は付けられていない)は、電源ボタン、及び抽出プロセス又は設定及びメニュー選択を活性化するための他のボタンを含み得る。
【0077】
第2の外側ケースボディ102eは、限定されるものではないが、単一片から構成されるか又は複数の小片からなるアセンブリであることができ、本開示はそれには限定されない。第2の外側ケースボディ102eは、キャリアベース104eの第2のキャリアベース部1042e上に置かれて、内側ケースボディ103eのフレーム部1032eの第2のフレーム部10322e上に組み込まれて且つそれをカバーするように構成される。この実施形態では、第1のキャリアベース部1041e及び第2のキャリアベース部1042eは、それらの間に第2の区画片106eを有することができる。第2の外側ケースボディ102e、第2のキャリアベース部1042e、及び第2の区画片106eは、一緒に内側空間S2を形成することができる。バルブ30e及び吸気装置50eが、この内側空間S2に収納されることができる。
【0078】
加えて、この又はいくつかの他の実施形態では、メインボードMB2もまた内側空間S2に収納される。メインボードMB2は、限定されるものではないが、前述のバルブ30e、吸気装置50e、あるいは抽出装置1e上のその他の電気又は電子部品を制御するために使用されることができるキャパシタ、メモリ、プロセッサ、又は電気回路のような様々な電気部品を有することができて、受領した信号に基づいてフィードバック信号を生成することができる。しかし、本開示は、メインボードMB2上の電気部品のタイプ、機能、又は量には限定されない。加えて、メインボードMB2が前述のメインボードMB1と協働して、抽出装置1eによって提供される機能を共有又は提供し得ることに留意されたい。
【0079】
前述の第1の容器10eは、キャリアベース104eの第1のキャリアベース部1041eに配置され、フレーム部1032eの第1のフレーム部10321e、キャリアベース104eの第1のキャリアベース部1041e、及び第2の区画片106eの間に位置されるように構成される。キャリアベース104eの第1のキャリアベース部1041eとフレーム部1032eの第1のフレーム部10321eとの間の距離が実際の要件に従って変更されることができて、本開示はそれには限定されないことに留意されたい。
【0080】
より詳細には、キャリアベース104eの第1のキャリアベース部1041eの第1の容器10eに面した表面に形成された第1のガイド構造104e1があり、また第1の容器10eの底面に形成された第2のガイド構造11eがある。先の実施形態と同様に、第1のガイド構造104e1及び第2のガイド構造11eは、第1の容器10eを準備完了位置に位置させることに役立つ。この実施形態では、第1のガイド構造104e1は円形の凹部であり、第2のガイド構造11eは、第1のガイド構造104e1に係合する形状の突起である。第1のガイド構造104e1の円形の凹部により、第1の容器10eは、任意の角度からキャリアベース104eに配置されることが許容され、且つキャリアベース104eに対して回転されることが許容される。
【0081】
第1の容器10eの準備完了位置を確実にするために、この又はいくつかの他の実施形態では、抽出装置1eはさらに第1の容器位置検出器D1を含む。第1の容器位置検出器D1は、トリガされているかどうかによって容器が位置されているかどうかを判定することができる検出器である。第1の容器位置検出器D1は、限定されるものではないが、圧力、光、又はタッチを検出することによって具現化されることができる。第1の容器位置検出器D1はキャリアベース104eに置かれて、そのトリガ又はスイッチ(番号は付けられていない)が、キャリアベース104eの第1の容器10eに面している表面から露出されている。より具体的には、第1の容器位置検出器D1のトリガ又はスイッチは、第1のガイド構造104e1の表面から露出して突出している。そのため、第1の容器10eがキャリアベース104eに位置されて正しく準備完了位置に達すると、第1の容器10eの第2のガイド構造11eが第1の容器位置検出器D1をトリガする。この時点で、第1の容器位置検出器D1は位置信号をメインボードMB1に有線又は無線方式を介して送信し、メインボードMB1は、第1の容器10eが正しく位置されていると判断する。メインボードMB1が第1の容器位置検出器D1から信号を受信しなかったら、メインボードMB1は、ユーザインターフェース1021e上の音又は光発生装置を活性化してユーザに警告し得るが、本開示がこれには限定されないことに留意されたい。
【0082】
第2の容器20eは、フレーム部1032eの第2のフレーム部10322eに配置されて第1の区画片105eの隣に位置されるように構成される。この実施形態では、フレーム部1032eの第2のフレーム部10322eに配置されたサポートケースボディ107eがあり、第2の容器20eはサポートケースボディ107eに位置されるように構成される。詳細には、サポートケースボディ107eは、内部空間S2に収納されたバルブ30eの開口(番号は付けられていない)に対応している貫通孔1071eを有する。そのため、第2の容器20eがサポートケースボディ107eに置かれると、第2の容器20eの放出コネクタ21eが貫通孔1071eを通して置かれてバルブ30eの開口に接続され、それによって第2の容器20eをバルブ30eに接続する。
【0083】
第2の容器20eの位置を確実にするために、この又はいくつかの他の実施形態では、抽出装置1eは第2の容器位置検出器D2を含む。前述の第1の容器位置検出器D1と同様に、第2の容器位置検出器D2はまた、トリガされているかどうかによって容器が位置されているかどうかを判定することができる検出器である。第2の容器位置検出器D2は、限定されるものではないが、第1の容器位置検出器と同じ又は同様の装置である。第2の容器位置検出器D2は、限定されるものではないが、圧力、光、又はタッチを検出することによって具現化されることができるが、本開示はそれには限定されない。第2の容器位置検出器D2は、例えば内側ケースボディ103eのフレーム部1032eの第2のフレーム部10322eに置かれて、そのトリガ又はスイッチ(番号は付けられていない)が、サポートケースボディ107eの第2の容器20eに面している表面から露出されて突出している。そのため、第2の容器20eがサポートケースボディ107eに正しく位置されると、第2の容器20eが第2の容器位置検出器D2をトリガする。この時点で、第2の容器位置検出器D2は位置信号をメインボードMB1に有線又は無線方式を介して送信し、メインボードMB1は、第2の容器20eが後のプロセスのための準備が完了していると判断する。メインボードMB1が第2の容器位置検出器D2から信号を受信しなかったら、メインボードMB1は、ユーザインターフェース1021e上の音又は光発生装置を活性化してユーザに警告し得るが、本開示がこれには限定されないことに留意されたい。
【0084】
本開示が第1の容器位置検出器D1及び第2の容器位置検出器D2のタイプ及び設計には限定されないことに留意されたい。いくつかの他の実施形態では、これらの位置検出器が、レーザ又は赤外線を使用する光学検出器のような非接触様式で活性化される検出器であることができる。
【0085】
加えて、先の実施形態と同様にこの実施形態では、抽出装置1eはまたシーリング部品70eを含む。シーリング部品70eはケース100eに移動可能に固定されている。より具体的には、シーリング部品70eは、ケース100eの内側ケースボディ103eの第1のフレーム部10321eに移動可能に固定されている。シーリング部品70eは、第1の容器10eの開口Oをシールし且つカバーするように構成されている。
【0086】
先の実施形態と同様に、この実施形態では、シーリング部品70eは、前述の流体チャンネル40e及び吸気チャンネル60eにそれぞれ接続されている流体放出孔71e及び吸引孔72eを含み、吸気チャンネル60eの第2の空気チューブ620eは、吸引孔72eと三叉ジョイントTの第2のコネクタT2とに接続されている。それゆえ、流体チャンネル40e内の流体は流体放出孔71eを通って放出されることができて、空気が吸引孔72eを介して吸気チャンネル60e内に吸引されることができる。
【0087】
先の実施形態と同様に、この実施形態では、第2の容器20eはフィルタ22を含み、固体成分の非可溶部分(例えば挽いたコーヒーの非可溶部分)が放出コネクタ21eから流体チャンネル40eに入ることを防ぐ。フィルタ22eは、例えばプレート形状を有して、流体が通過して流れることを可能にする複数の孔(番号は付けられず)を含む。より詳細には、棒状の手持ち構造23eがフィルタに取り外し可能に固定されている。手持ち構造23eの一端はフィルタ22eを通って設けられて、手持ち構造23e、フィルタ22e、及び底板25eが一緒にT字形の構造を形成するように、底板25eにねじ留めされている。手持ち構造23eは、フィルタ22eから第2の容器20eの開口に向かって延在し、ユーザが第2の容器20eからT字形の構造を取り出すことを許容するように、手によって保持されることを可能にする。そのため、フィルタ22e上のコーヒー殻もまた、同様に第2の容器20eから取り出されることができる。
【0088】
加えて、フィルタ22eと底板25eとの間には一つ又はそれ以上のフィルタ紙F1が位置されてクランプされており、フィルタ紙F1はコーヒー殻をろ過するように構成されている。加えて、底板25eの下にはフィルタ紙F2が設けられており、コーヒー殻をろ過する。しかし、本開示は、フィルタ22e、手持ち構造23e、及び底板25eの設計には限定されない。いくつかの他の実施形態では、手持ち構造23e、フィルタ紙F1、フィルタ紙F2、及び底板25eは、全て省略されることができる。
【0089】
先の実施形態と同様に、この実施形態では、抽出装置1eは、ケース100eに装着されたかき混ぜアセンブリ80eを含む。詳細には、かき混ぜアセンブリ80は、かき混ぜ片810e、伝達部品820e、モータ830e、伝達ホイール841e、及び伝達ホイール842eを含む。モータ830eは第1の外側ケースボディ101eに装着されて、内側空間S1に位置されている。この実施形態では、モータ830eは例えば、内側ケースボディ103eに固定されたスタンド1022eに固定される。メインボードMB1がまた、スタンド1022eに固定されることができる。モータ830eは、メインボードMB1によって制御されるように、メインボードMB1に電気的に接続されている。
【0090】
かき混ぜ片810e、伝達部品820e、伝達ホイール841e、及び伝達ホイール842eは、全てカバー24eに設けられることができる。カバー24eは抽出装置1eの外見の一部であり、カバー24eはケース100eの一部とみなされることができる。その一方で、カバー24eはかき混ぜアセンブリ80eのいくつかの構成要素を収容するために使用されるので、カバー24eがまた、かき混ぜアセンブリ80eの一部とみなされることもできる。より具体的には、伝達ホイール841e及び伝達ホイール842eは、カバー24eに収納されて、カバー24eの2つの異なる場所に回転可能に位置される。加えて、カバー24eの底側は、伝達ホイール841e及び伝達ホイール842eの装着のために2つの開口(番号は付けられていない)を有する。伝達部品820eは、限定されるものではないが、内歯を有する伝達ベルトであることができて、伝達部品820eはカバー24eに位置されて、伝達ホイール841eと伝達ホイール842eとの間でパワーを送達するように、伝達ホイール841e及び伝達ホイール842e上で取り外し可能にスリーブされている。カバー24eは、第1の外側ケースボディ101e及び第2の容器20eに、取り外し可能に設けられている。カバー24eが第1の外側ケースボディ101e及び第2の容器20e上に設けられると、伝達ホイール841eは、モータ830eの駆動シャフト8301eで接続されるように、第1の外側ケースボディ101eの内側空間S1内のモータ830eに対応する。そうすることによって、伝達ホイール841eは、モータ830eによって駆動されることによって回転されることができる。一方、伝達ホイール842eは、第2の容器20e内に位置された構成要素に対応している。
【0091】
この実施形態では、回転速さ検出器RDが設けられ、モータ830eの回転速さを検出し、回転速さ検出器RDは、回転速さに基づいて回転速さ信号をメインボードMB1に送信することができる。回転速さ検出器RDは、限定されるものではないが、レーザ又は赤外線を使用する光学検出器であることができて、駆動シャフト8301e又は駆動シャフト8301e上の形状を測定することによって、モータ830eの回転速さを測定することができる。
【0092】
かき混ぜ片810eは例えば板状であり、伝達ホイール842eに取り外し可能に取り付けられている。かき混ぜ片810eは、伝達ホイール842eの軸AXの周囲で回転可能である。そのため、モータ830eが伝達ホイール841e及び伝達部品820eを介して伝達ホイール842eを駆動して回転させると、伝達ホイール842eはかき混ぜ片810eを駆動して、軸AXの周囲で回転させる。
【0093】
加えて、カバー24eが正しく位置されることを確実にするために、この実施形態では抽出装置1eはさらに、内側空間S1に位置されたカバー位置検出器D3を含み、カバー位置検出器D3のトリガ又はスイッチ(番号は付けられていない)がカバー24eに向かって延在している。カバー24eが所望の位置に置かれてカバー位置検出器D3をトリガすると、カバー24eは正しく位置されていると判断される。このことはまた、伝達ホイール841eが正しくモータ830eに接続されて、且つかき混ぜ片810eが正しく第2の容器20eに位置されていることを意味する。この時点で、カバー位置検出器D3は位置信号をメインボードMB1に有線又は無線方式を介して送信し、メインボードMB1は、伝達ホイール841eが正しくモータ830eに接続され且つかき混ぜ片810eが正しく第2の容器20eに位置されていると判断する。カバー位置検出器D3もまた、ターゲット物体が位置されているかどうかを判定できる検出器であり、カバー位置検出器D3は、限定されるものではないが圧力、光、又はタッチを検出することによって具現化されることができるが、本開示はそれには限定されないことに留意されたい。
【0094】
さらに、第1の容器10eの開口Oを自動的にシールするために、この実施形態では、抽出装置1eはさらに、シーリング部品70eの位置を自動的に切り替えるように構成された持ち上げ機構90eを含む。詳細には、図21A〜21B及び図22A〜22Bを参照すると、この実施形態では、持ち上げ機構90eは第1の外側ケースボディ101eに装着され且つ内側空間S1に位置されて、持ち上げ機構90eは、駆動部材910e、駆動部材920e、及びモータ930eを含む。モータ930eは、例えば、内側ケースボディ103eに固定されて第1の外側ケースボディ101eに位置されたスタンド1023eに固定され、モータ830eは、メインボードMB1によって制御されるように、前述のメインボードMB1に電気的に接続されている。駆動部材910eは、例えば、モータ930eによって回転されるようにモータ930eの駆動シャフト(番号は付けられていない)に固定されたギアである。駆動部材920eは、例えばギアラックであり、シール部品70eの内側ケースボディ103eに面した側部から突出している。駆動部材920eは、駆動部材910eを有するメッシュである。それゆえ、モータ930eが駆動部材910eを回転するように駆動すると、駆動部材910eは駆動部材920eを駆動して上方又は下方に動かし、それによってシーリング部品70eを上方又は下方に動かす。そのため、シーリング部品70eは、シーリング部品70eとキャリアベース104eの第1のキャリアベース部1041eとの間の距離を変えるように、キャリアベース104eに向かって又はそこから離れるように動かされることができる。すなわち、シーリング部品70eは、第1の容器10eの開口Oをシール又は露出させるように、第1の容器10eの開口Oに向かって又はそこから離れるように動かされることができる。
【0095】
図22Bを参照すると、シーリング部品70eは、持ち上げ機構90eによって駆動されることによって、第1の容器10eの開口Oをカバーし且つシールするように、下方位置まで下向きに動かされることができる。シーリング部品70eの目的は、先の実施形態と同じである。加えて、気密性を増すために、シーリング部品70eの第1の容器10eに面した側方にシリコーン又はゴムの層Wが設けられていてもよい。一方、図22Aを参照すると、シーリング部品70eは、持ち上げ機構90eによって駆動されることによって、第1の容器10eの開口Oから離れるように動かされるように、上方位置まで上向きに動かされることができる。シーリング部品70eが下方位置から上方位置まで動かされると、シーリング部品70eは第1の容器10eの開口Oを露出させる。
【0096】
上方位置と下方位置との間のシーリング部品70eの移動距離が、第1の容器10eのサイズ又は気密性の要求されるレベルのような実際の要件によって変更されることができて、本開示はそれらには限定されないことに留意されたい。
【0097】
加えて、シーリング部品70eの内側空間S1に面した側部から突出している少なくとも一つのガイドピラー73eがある。ガイドピラー73eは、フレーム部1032eに固定された少なくとも一つのガイドリング1024eを通して移動可能に設けられている。ガイドリング1024eは、シーリング部品70eの上向き及び下向きの動きをガイドすることができるが、本開示は、ガイドピラー73e、ガイドリング1024e、及びそれらの量には限定されない。
【0098】
さらに、シーリング部品70eが最高又は最低位置に達しているかどうかを判定するために、抽出装置1eはさらに、フレーム部1032eに位置された下限点検出器BD及び上限点検出器UDを含む。詳細には、この実施形態では、下限点検出器BD及び上限点検出器UDはまた、トリガされているかどうかによってターゲット物体が位置されているかどうかを判定することができる検出器であり、限定されるものではないが、圧力、光、又はタッチを検出することによって具現化されることができる。下限点検出器BD及び上限点検出器UDは、限定されるものではないが、同じ又は異なるタイプの検出器であることができ、本開示はそれには限定されない。駆動部材920eの上端から延在しているアーム921eがある。下限点検出器BDはアーム921eの直ぐ下に置かれて、そのトリガ又はスイッチ(番号は付けられていない)はアーム921eに向かって延在している。上限点検出器UDは、前述のスタンド1023eのシーリング部品70eに面した側部に設けられており、そのトリガ又はスイッチ(番号は付けられていない)は駆動部材920eに向かって延在している。
【0099】
シーリング部品70eが下方位置に向かって動かされている間に、駆動部材920eのアーム921eは下限点検出器BDに向かって動き、最終的には下限点検出器BDにタッチしてそれを活性化する。この時点で、下限点検出器BDは信号をメインボードMB1に有線又は無線方式を介して送信し、メインボードMB1は、シーリング部品70eが下方位置に到達していると判断し、それからメインボードMB1は、シーリング部品70eの下向きの動きを止めるように、信号を送信して持ち上げ機構90eを停止させる。
【0100】
一方、シーリング部品70eが上方位置に向かって動かされていると、駆動部材920eは上限点検出器UDに向かって動き、最終的には上限点検出器UDにタッチしてそれを活性化する。この時点で、信号をメインボードMB1に有線又は無線方式を介して送信し、メインボードMB1は、シーリング部品70eが上方位置に到達していると判断し、それからメインボードMB1は、シーリング部品70eの上向きの動きを止めるように、信号を送信して持ち上げ機構90eを停止させる。
【0101】
同様に、本開示が下限点検出器BD及び上限点検出器UDのタイプ及び設計には限定されないことに留意されたい。いくつかの他の実施形態では、これらの位置検出器は、レーザ又は赤外線を使用する光学検出器のような非接触様式で活性化される検出器であることができる。
【0102】
上述の実施形態のように、抽出装置1eは、抽出プロセスの前の準備プロセスを促進するいくつかの特徴を提供する。キャリアベース104eの第1のガイド構造104e1と第1の容器10eの第2のガイド構造11eとの協働は、第1の容器10eをガイドして準備完了位置に位置させる手助けとなる。メインボードMB1は、第1の容器位置検出器D1が第1の容器10eによって活性化されると、第1の容器10eが正しく位置されることを確実にすることができる。ユーザがユーザインターフェース1021e上のそれぞれのボタンを活性化したとき、又はメインボードMB1が第1の容器位置検出器D1からの信号を受信した後に、持ち上げ機構90eは自動的にシーリング部品70eを動かして第1の容器10eの開口Oをシールすることができ(すなわち図7のステップS03)、ステップS03では、持ち上げ機構90eはシーリング部品70eを動かして第1の容器10eの開口Oをシールする。そして、メインボードMB1は、シーリング部品70eが下限点検出器BDに達してそれを活性化すると、持ち上げ機構90eの動作を自動的に停止して、シーリング部品70eの下向きの動きを止める。加えて、第2の容器20eが正しくバルブ30eに接続されると、第2の容器20eは、メインボードMB1に第2の容器20eが正しく位置されてバルブ30eに接続されることを確実にさせるように、第2の容器位置検出器D2を正しく活性化することができる。メインボードMB1は、第1の容器位置検出器D1及び第2の容器位置検出器D2の両方から信号を受信した後に持ち上げ機構90eを活性化することができるが、本開示はそれには限定されないことに留意されたい。
【0103】
第2の容器20eが装着された後に、カバー24eが第1の外側ケースボディ101e及び第2の容器20eに装着されることができ、伝達ホイール841eをモータ830eに接続させて且つかき混ぜ片810eを第2の容器20eの開口に位置させ、それによってかき混ぜアセンブリ80eの装着を完了する。カバー24eが正しく装着されると、カバー24eはカバー位置検出器D3を活性化して、メインボードMB1に、伝達ホイール841e及びかき混ぜ片810eを正しく装着されることを保証させることができる。メインボードMB1は、第1の容器位置検出器D1、第2の容器位置検出器D2、下限点検出器BD、及び上限点検出器UDの全てから信号を受信した後に持ち上げ機構90eを活性化することができるが、本開示はそれには限定されないことに留意されたい。加えて、カバー24eが正しく装着されると、手持ち構造23eの一端は、かき混ぜ片810eが伝達ホイール841eに接続されているジョイントに対して僅かに接触するか又は無視できるギャップを有することができる。
【0104】
そのため、第1の容器10e及び第2の容器20eが正しく装着されているかどうか、又は第1の容器10eが適切にシールされているかどうかは、すべて抽出装置1eによって自動的に判定されることができる。これは便利であり、且つ低い誤り率を有する。
【0105】
準備プロセスが完了した後に、ユーザはそれから、ユーザインターフェース1021eを操作して抽出装置1の抽出プロセスを活性化することができる。あるいは、所定の時間だけかき混ぜ片810eを活性化した後にメインボードMB1が自動的に吸気装置50eを活性化して、抽出プロセスを始めることができる。上記で論じたように、吸気装置50eの動作の間、圧力検出器P1は第1の容器10eの内圧を連続的に検出して、対応する信号をメインボードMB1に送信することができる。ここで、図7のステップS07を参照すると、ステップS07は、圧力検出器P1を使用して、第1の容器10eの内圧を連続的に検出する。そのため、メインボードMB1は、吸気装置50eをオフすべきか、又は、吸気装置50eのパワーを調整して、これによって第1の容器10eの内圧の下降率を調整すべきかを、判定することができる。そのため、第1の容器10eの内圧は、自動的に正確に所定の値に調整されることができる。第1の容器10eの内圧が現在の抽出の所定の値に達しているとメインボードMB1が判断すると、メインボードMB1は自動的にバルブ30eを開けて、第2の容器20e内の流体を第1の容器10eに流すことができる。したがって、抽出装置1eは自動化された抽出プロセスを達成する。
【0106】
さらに、図19Aを再び参照すると、抽出装置1eはさらにアンテナATを含み、このアンテナATは、例えばキャリアベース104eに設けられて、メインボードMB1と有線又は無線方式を介して通信することができる。アンテナATは、外部情報を受信し且つそれをメインボードMB1に送信することができる。例えば、アンテナATは、スマートフォン又はその他のタイプのスマート電子装置から指示を受けることができて、その指示は、かき混ぜ時間、コーヒーのタイプ、抽出時間、又はユーザによって抽出プロセスの間に決定されることができる任意のその他の情報を含み得る。さらにその指示はまた、抽出装置1eに記憶されたメニューからのコーヒーの香りの選択を含み得る。そのため、ユーザは、アンテナATに指示を送ることによって、抽出装置1eを操作することができる。一方、抽出装置1eはまた、現在の操作の設定又は抽出結果をユーザのスマートフォンや後の使用のためにクラウドに送るというように、アンテナATを通してユーザと相互作用することもできるが、本開示はこれには限定されるものではない。
【0107】
上記で論じられた抽出装置及び抽出方法によれば、バルブは第1の容器の内圧が吸気装置によって所定の値まで低下したときに開けられる。それゆえ、バルブが開けられると、第1の容器及び第2の容器は十分な圧力差を有して、原材料(例えば挽いたコーヒー)から可溶性物質(例えばコーヒーの香り成分)を抽出して、可溶性物質及び液体を短時間で第1の容器に流れさせることができる。実験結果に基づいて、そのような減圧抽出プロセスは、香り成分の抽出のための時間を劇的に短縮することができる。
【0108】
例えば、この抽出装置が淹れたコーヒーに適用されると、減圧抽出プロセスは挽いたコーヒーから可溶性物質を短時間で抽出するために十分な圧力差を生成することができて、かき混ぜ、濡らし、及び抽出を含む全体プロセスにわずか5分間しか掛からないことが可能になる。
【0109】
可溶性の香りを抽出するために何時間も必要とする従来技術と対照的に、本開示の抽出装置によって必要とされる抽出時間は、わずか数分間まで劇的に低減される。それゆえ、本開示の抽出装置は水出しコーヒーを直ちに提供することができて、それを多量に前もって準備しておく必要はなく、このことは、冷蔵庫内の空間の節約及び電力消費の低減に役立つ。加えて、淹れたコーヒーを本開示の抽出装置によって作るために、挽いたコーヒーは比較的短時間だけ水に浸されればよく、香りに影響する不純物が水に分解されることを大きく減らすことができる。
【0110】
異なるコーヒーの香り及びコーヒー豆についての様々な要件に関して、本開示の抽出装置は、特定のコーヒー豆から特定の香りを抽出するように、かき混ぜ、濡らし、及び抽出プロセスを実行するための異なるグループの操作情報の一つ又はそれ以上の抽出テンプレートを記録することができる。操作設定を再び生成するよりもテンプレートを開く方が、より効率的であることが理解される。加えて、特定の香りプロファイルを有する濃縮飲料又はレディ・トゥ・ドリンク飲料を作るために、かき混ぜ、濡らし、及び抽出プロセスに関して、本開示の抽出装置の全ての設定が調整可能である。
【0111】
加えて、いくつかの実施形態における抽出装置は、第1の容器をシールして減圧抽出プロセスを改善することができるシーリング部品を有する。そして、本開示の抽出装置のいくつかは、少なくとも、ユーザが第1の容器を所望の位置に効率的に且つ正確に装着するための位置決め及び/又はガイド機構を有している。
【0112】
さらに、実施形態のいくつかでは、抽出装置はまた、水出しコーヒー、あるいはお湯出しコーヒー又は暖かい淹れたお茶さえも作るために使用され得る。より高温の水が可溶性物質をより容易に分解させることが理解される。それゆえ、お湯出しコーヒーは異なる抽出率、例えば1.15〜1.3の間のTDSを必要とし得るが、比率、ならびに、かき混ぜ、濡らし、及び抽出プロセスに関する操作設定は、それに従って調整される。
【0113】
様々な改変及び変更が本開示に対してなされ得ることが、当業者には明らかであろう。明細書及び例は例示的な実施形態とみなされ、本開示の範囲は以下の特許請求項及びその等価物によって示されることが、意図されている。
図1
図2
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図5
図6A
図6B
図7
図8
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図10
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図16
図17
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図19A
図19B
図20A
図20B
図21A
図21B
図22A
図22B