【課題を解決するための手段】
【0008】
次に、上記の課題を解決するための手段を、実施の形態に対応する図面を参照して説明する。
本発明の請求項1記載の開閉体装置11は、開口部23の上縁部を挟む左右縁部に固定される一対の平行なガイドレール17に幅方向両側の縁部43が案内されて、前記開口部23を開閉する開閉体19と、
前記上縁部に沿って回転自在に配置され前記開閉体19を巻き取り繰り出す巻取軸15と、
前記上縁部の上方である上壁31に前記巻取軸15に沿って設けられる接触部25と、
前記開口部23を閉鎖した前記開閉体19の繰り出し方向基端側で前記巻取軸15に沿って前記開閉体19に設けられ、該開閉体19から延出して前記接触部25に接触する可撓性を有した隙間閉塞部材27と、
前記接触部25に前記隙間閉塞部材27に沿って設けられ、少なくとも前記隙間閉塞部材27を0℃以上に加熱する電熱線材29と、
前記各ガイドレール17に、その延在方向に沿い、前記開口部23を閉鎖する前記開閉体19に対し、前記接触部25が設けられる前記上壁31と同方向となる面に設けられる電熱線材29と、
を具備し、
前記接触部25は、前記隙間閉塞部材27の接触する面側の外側面側と、該外側面と反対側に閉鎖された電熱線材収容空間49を有し、
前記接触部25に設けられる電熱線材29は、前記隙間閉塞部材27の接触する面側と反対側の面に固定され、前記電熱線材収容空間49に配置されることを特徴とする。
【0009】
この開閉体装置11では、開閉体19が開口部23を閉鎖した状態において、開閉体19の繰り出し方向基端側に設けられた隙間閉塞部材27が、巻取軸15に沿って接触部25に接触する。電熱線材29は、−30℃程度の低温下においても、隙間閉塞部材27が少なくとも0℃以上となるように接触部25及び隙間閉塞部材27を加熱する。これにより、隙間閉塞部材27は、低温によって硬化するのを避けることができる。つまり、隙間閉塞部材27は、例えば冷凍冷蔵倉庫の庫内が−30℃程度の低温下においても可撓性を有していることが期待でき、開閉体19の全幅方向に渡って接触部25に密着する。その結果、開閉体19と開口部23の上縁部との隙間が塞がれる。また、接触部25も、電熱線材29の加熱によって0℃以上となる。このため、隙間閉塞部材27は、接触部25に凍結によって固着してしまうのを防止でき、また、巻き取り時に破損することも防止される。また、開口部23の左右縁部に設けられるガイドレール17の電熱線材29によって、結露、凍結を防止し、開閉体19の移動に支障の生じることを防止している。
【0010】
また、本発明の請求項2記載の開閉体装置11は、開口部23の上縁部を挟む左右縁部に固定される一対の平行なガイドレール17に幅方向両側の縁部43が案内されて、前記開口部23を開閉する開閉体19と、
前記上縁部に沿って回転自在に配置され前記開閉体19を巻き取り繰り出す巻取軸15と、
前記上縁部の上方である上壁31に前記巻取軸15に沿って設けられる接触部25と、
前記開口部23を閉鎖した前記開閉体19の繰り出し方向基端側で前記巻取軸15に沿って前記開閉体19に設けられ、該開閉体19から延出して前記接触部25に接触する可撓性を有した隙間閉塞部材27と、
前記接触部25に前記隙間閉塞部材27に沿って設けられ、少なくとも前記隙間閉塞部材27を0℃以上に加熱する電熱線材29と、
前記開口部23の上縁部に沿うカーテン出入口部33の縁部分であるまぐさに設けられる電熱線材29と、
を具備し、
前記接触部25は、前記隙間閉塞部材27の接触する面側の外側面側と、該外側面と反対側に閉鎖された電熱線材収容空間49を有し、
前記接触部25に設けられる電熱線材29は、前記隙間閉塞部材27の接触する面側と反対側の面に固定され、前記電熱線材収容空間49に配置され、
前記まぐさに設けられる電熱線材29は、前記まぐさの延在方向に沿い、前記開口部23を閉鎖する前記開閉体19に対し、前記接触部25が設けられる前記上壁31と同方向となる面に設けられることを特徴とする。
【0011】
この開閉体装置11では、開閉体19が開口部23を閉鎖した状態において、開閉体19の繰り出し方向基端側に設けられた隙間閉塞部材27が、巻取軸15に沿って接触部25に接触する。電熱線材29は、−30℃程度の低温下においても、隙間閉塞部材27が少なくとも0℃以上となるように接触部25及び隙間閉塞部材27を加熱する。これにより、隙間閉塞部材27は、低温によって硬化するのを避けることができる。つまり、隙間閉塞部材27は、例えば冷凍冷蔵倉庫の庫内が−30℃程度の低温下においても可撓性を有していることが期待でき、開閉体19の全幅方向に渡って接触部25に密着する。その結果、開閉体19と開口部23の上縁部との隙間が塞がれる。また、接触部25も、電熱線材29の加熱によって0℃以上となる。このため、隙間閉塞部材27は、接触部25に凍結によって固着してしまうのを防止でき、また、巻き取り時に破損することも防止される。また、この開閉体装置11では、まぐさに設けられる電熱線材29は、カーテン出入口部33を暖める。これにより、まぐさの電熱線材29は、カーテン出入口部分における結露、結露後の凍結を防ぎ、開閉体19の開閉に支障の生じることを防止している。
【0012】
また、本発明の請求項3記載の開閉体装置11は、請求項1記載の開閉体装置であって、
前記開口部23の上縁部に沿うカーテン出入口部33の縁部分であるまぐさに電熱線材29が設けられることを特徴としている。
この開閉体装置11によれば、開閉体19が開口部23を閉鎖した状態において、開閉体19の繰り出し方向基端側に設けられた隙間閉塞部材27が、巻取軸15に沿って接触部25に接触する。電熱線材29は、−30℃程度の低温下においても、隙間閉塞部材27が少なくとも0℃以上となるように接触部25及び隙間閉塞部材27を加熱する。これにより、隙間閉塞部材27は、低温によって硬化するのを避けることができる。つまり、隙間閉塞部材27は、例えば冷凍冷蔵倉庫の庫内が−30℃程度の低温下においても可撓性を有していることが期待でき、開閉体19の全幅方向に渡って接触部25に密着する。その結果、開閉体19と開口部23の上縁部との隙間が塞がれる。また、接触部25も、電熱線材29の加熱によって0℃以上となる。このため、隙間閉塞部材27は、接触部25に凍結によって固着してしまうのを防止でき、また、巻き取り時に破損することも防止される。また、開口部23の左右縁部に設けられるガイドレール17の電熱線材29によって、結露、凍結を防止し、開閉体19の移動に支障の生じることを防止している。さらに、左右のガイドレール17に加え、まぐさにおいても電熱線材29によって暖めることができ、このまぐさに設けられる電熱線材29は、カーテン出入口部33を暖める。これにより、まぐさの電熱線材29は、カーテン出入口部分における結露、結露後の凍結を防ぎ、開閉体19の開閉に支障の生じることを防止している。
【0013】
さらに、本発明の請求項4記載の開閉体装置11は、請求項1〜3のいずれか1つに記載の開閉体装置であって、
前記ガイドレール17は、縦枠53を介して固定されているとともに、該ガイドレール17は、アウターレール37と、該アウターレール37の内側に取り付けられるインナーレール39とからなり、該インナーレール39に前記開閉体19が案内され、
前記アウターレール37には、その延在方向に沿い、電熱線材29が設けられ、
該電熱線材29は、前記アウターレール37と前記縦枠53、および前記アウターレール37が固定される開口部23の縁部とにより前後左右が囲まれた空間内に設けられていることを特徴とする。
また、本発明の請求項5記載の開閉体装置11は、請求項4記載の開閉体装置であって、前記縦枠53には、その延在方向に沿い、電熱線材29が設けられ、
該電熱線材29は、前記縦枠53と前記アウターレール37とにより前後左右が囲まれた空間内に設けられていることを特徴とする。
【0014】
本発明の請求項6記載の開閉体装置11は、請求項5に記載の開閉体装置であって、
前記縦枠53は、断熱壁35を貫通する固定ボルト59により固定され、
前記縦枠53に設けられる前記電熱線材29は、前記固定ボルト59の頭部に近接して配置されることを特徴とする。
本発明の請求項7記載の開閉体装置11は、請求項1〜6のいずれか1つに記載の開閉体装置であって、
前記接触部25に設けられる電熱線材29が配置される前記電熱線材収容空間49は、閉鎖されており、該電熱線材29は、前記接触部25の面に接触する部分以外は、前記電熱線材収容空間49の空気に接することを特徴とする。
【0015】
本発明の開閉体装置11は、前記接触部25は、前記隙間閉塞部材27の接触する面側と反対側に閉鎖された電熱線材収容空間49を有し、該電熱線材収容空間49内に前記電熱線材29が固定されて前記上縁部に固定されていることで、この開閉体装置11では、接触部25が、隙間閉塞部材27の接触する面側と反対側に、電熱線材収容空間49を有しており、電熱線材29は、この電熱線材収容空間49内に設けられることで、例えば冷凍冷蔵倉庫21の庫内雰囲気に直接曝されて配置される場合よりも、発熱効率が高まり、接触部25の加熱効率を高めることができる。
【0016】
なお、本発明の開閉体装置11は、前記接触部25は、金属材からなり、前記上縁部に沿って少なくとも前記開閉体19の幅方向の全長を有し、前記隙間閉塞部材27の接触する板部を介して前記電熱線材29が固定されることとしてもよく、この開閉体装置11では、接触部25が金属材からなることで、良好な熱伝導性によって、電熱線材29からの熱が接触部25の長手方向全体に均一に伝わることとなり、接触部25は、開閉体19の幅方向の全長を有するので、隙間閉塞部材27の幅方向の全てを暖めることができ、安定的に隙間閉塞部材の凍結を防止することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明に係る開閉体装置によれば、開閉体が開口部を閉鎖した状態において、隙間閉塞部材が少なくとも0℃以上となるように電熱線材で接触部及び隙間閉塞部材を加熱するので、隙間閉塞部材は、低温によって硬化するのを避けることができ、つまり、隙間閉塞部材は、例えば冷凍冷蔵倉庫の庫内が−30℃程度の低温下においても可撓性を有していることが期待でき、開閉体の全幅方向に渡って接触部に密着することとなって、その結果、開閉体と開口部の上縁部との隙間を閉塞させることが可能となる。また、接触部も、電熱線材の加熱によって0℃以上となり、このため、隙間閉塞部材は、接触部に凍結によって固着してしまうのを防止でき、また、巻き取り時に破損することも防止され、隙間閉塞部材の隙間閉塞機能の低下を防ぎ、開閉体の気密性能を向上させることができる。また、開口部の左右縁部に設けられるガイドレールの電熱線材によって、結露、凍結を防止し、開閉体の移動に支障の生じることを防止することができる。
【0018】
また、本発明に係る開閉体装置によれば、開閉体が開口部を閉鎖した状態において、隙間閉塞部材が少なくとも0℃以上となるように電熱線材で接触部及び隙間閉塞部材を加熱するので、隙間閉塞部材は、低温によって硬化するのを避けることができ、つまり、隙間閉塞部材は、例えば冷凍冷蔵倉庫の庫内が−30℃程度の低温下においても可撓性を有していることが期待でき、開閉体の全幅方向に渡って接触部に密着することとなって、その結果、開閉体と開口部の上縁部との隙間を閉塞させることが可能となる。また、接触部も、電熱線材の加熱によって0℃以上となり、このため、隙間閉塞部材は、接触部に凍結によって固着してしまうのを防止でき、また、巻き取り時に破損することも防止され、隙間閉塞部材の隙間閉塞機能の低下を防ぎ、開閉体の気密性能を向上させることができる。また、この開閉体装置では、まぐさに設けられる電熱線材がカーテン出入口部を暖めることとなり、これにより、まぐさの電熱線材は、カーテン出入口部分における結露、結露後の凍結を防ぎ、開閉体の開閉に支障の生じることを防止することができる。
【0019】
さらに、本発明に係る開閉体装置によれば、開口部の左右縁部に設けられるガイドレールの電熱線材によって、結露、凍結を防止し、開閉体の移動に支障の生じることを防止することができ、また、これら左右のガイドレールに加え、まぐさにおいても電熱線材によって暖めることができ、このまぐさに設けられる電熱線材は、カーテン出入口部を暖めることとなり、これにより、まぐさの電熱線材は、カーテン出入口部分における結露、結露後の凍結を防ぎ、開閉体の開閉に支障の生じることを防止することができる。
【0020】
また、本発明に係る開閉体装置によれば、接触部が、隙間閉塞部材の接触する面側と反対側に、電熱線材収容空間を有しており、電熱線材は、この電熱線材収容空間内に設けられることで、例えば冷凍冷蔵倉庫の庫内雰囲気に直接曝されて配置される場合よりも、発熱効率が高まり、接触部の加熱効率を高めることができる。