特許第6972257号(P6972257)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6972257
(24)【登録日】2021年11月5日
(45)【発行日】2021年11月24日
(54)【発明の名称】マッチングシステム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20211111BHJP
【FI】
   G06Q50/10
【請求項の数】4
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2020-143272(P2020-143272)
(22)【出願日】2020年8月27日
【審査請求日】2020年9月8日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】513097562
【氏名又は名称】エムスリーキャリア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100067736
【弁理士】
【氏名又は名称】小池 晃
(74)【代理人】
【識別番号】100192212
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 貴明
(74)【代理人】
【識別番号】100204032
【弁理士】
【氏名又は名称】村上 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100200001
【弁理士】
【氏名又は名称】北原 明彦
(72)【発明者】
【氏名】多賀 光寿
(72)【発明者】
【氏名】奥野 仁洋
(72)【発明者】
【氏名】大表 正人
(72)【発明者】
【氏名】高橋 響
(72)【発明者】
【氏名】森江 竜家
(72)【発明者】
【氏名】志村 忠律
【審査官】 大野 朋也
(56)【参考文献】
【文献】 特開2020−057098(JP,A)
【文献】 特開2002−373268(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00−99/00
G16H 10/00−80/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一時的に求人を希望する医療機関に対して、即時かつ確実に専門医を提示するマッチングシステムであって、
少なくとも、
就労を希望する前記専門医の情報と条件を入力する入力情報受付部と、
前記入力情報受付部から受け付けた前記専門医の情報を記憶する候補者情報記憶部と、
前記候補者情報記憶部に記憶された情報に対して、所定の条件に基づいて分類付けを行う候補者情報処理部と、
前記求人を希望する医療機関の求人条件と前記分類付けを行った前記専門医の情報とを参照して前記求人条件に適した専門医の情報を表示する候補者情報表示部と、
前記表示された専門医に対して連絡を行う通信部と、
マッチングが成立するまで前記連絡の結果を入力し、マッチングの処理に反映させる連絡結果反映部
を備え、
前記候補者情報表示部は、前記専門医の特別な対応技術分野を併せて表示し、
前記通信部は、オンコール状態の専門医に対して架電する機能を有することを特徴とするマッチングシステム。
【請求項2】
前記通信部は、さらに、前記専門医に対してメールを自動配信する機能を有することを特徴とする請求項1に記載のマッチングシステム。
【請求項3】
前記候補者情報処理部では、少なくとも、前記専門医の勤務可能日、対応優先度、過去の就業実績、勤務先希望から選択される1以上の情報に基づいて分類付けを行うことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のマッチングシステム。
【請求項4】
前記入力情報受付部では、さらに、前記専門医の現在位置を取得し、前記候補者情報処理部において前記専門医の現在位置から前記求人を希望する医療機関までの到着所要時間を算出可能であることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載のマッチングシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一時的に求人を希望する機関に対して、即時に候補者を提示するマッチングシステム関する。
【背景技術】
【0002】
近年、求人を希望する企業等の機関と、就労を希望する求職者とのマッチングでは、インターネットを用いたシステムが広く利用されている。このようなシステムでは、求人機関と求職者のそれぞれが、自己(自社)の情報や相手に希望する条件などを入力して、両者の要望が互いに受け入れられた場合に採用面接等が行われ、採用に至る。
【0003】
例えば、特許文献1には、雇用側企業の就労環境の特徴に関する情報を複数の特徴項目として記憶しておき、求人応募者からの複数の特徴項目から一又は複数の特徴項目の選択を受け付け、選択を受け付けた特徴項目に基づいて、合致する雇用側企業を抽出し、抽出された雇用側企業を表示する求人マッチングシステムが記載されている。これにより、従来は給与や勤務時間、職種等の一般的な労働条件で雇用側企業と応募者とをマッチングしていたのを、実際に就労している環境に直結した特徴項目でマッチングするので、自分が働くときに妥協できない就労環境を維持することが可能な雇用側企業のみが抽出されるというものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2019−101617号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一方で、職種や状況によっては、求人からマッチングまでのプロセスが非常に短い期間で求められる場合がある。例えば、病院などの医療機関において急な手術を行う必要が生じ、一時的に特定の技術を有する専門医を要する場合などが挙げられる。このような場合には、1時間以内に候補者に連絡を取る必要がある場合もあり、従来の求人マッチングシステムでは対応することができなかった。
【0006】
そこで、本発明は、上記従来技術の問題点に鑑み、急な場合であっても必要とする技術を有する候補者を即時に提示してマッチングすることが可能なマッチングシステム提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様は、一時的に求人を希望する医療機関に対して、即時かつ確実専門医を提示するマッチングシステムであって、少なくとも、就労を希望する専門医の情報と条件を入力する入力情報受付部と、入力情報受付部から受け付けた専門医の情報を記憶する候補者情報記憶部と、候補者情報記憶部に記憶された情報に対して、所定の条件に基づいて分類付けを行う候補者情報処理部と、求人を希望する医療機関の求人条件と分類付けを行った専門医の情報とを参照して求人条件に適した専門医の情報を表示する候補者情報表示部と、表示された専門医に対して連絡を行う通信部と、マッチングが成立するまで連絡の結果を入力し、マッチングの処理に反映させる連絡結果反映部を備え、候補者情報表示部は、専門医の特別な対応技術分野を併せて表示し、通信部は、オンコール状態の専門医に対して架電する機能を有する。
【0008】
本発明の一態様によれば、予め候補者の情報を分類付けして処理しておくことにより、緊急時等であっても即座に候補者のリストを表示し、求人機関は当該リストに基づいて候補者に順次連絡を取ることで、即時のマッチングを行うことができる。
【0010】
本発明は、例えば、オンコール状態で待機中の医師に対して架電することで即時に連絡を取ることが可能となる。
【0011】
また、本発明の一態様では、通信部は、さらに、候補者に対してメールを自動配信する機能を有するとしてもよい。
【0012】
架電による連絡に加えて、メールでの自動配信を行うことでより確実なマッチングが可能となる。
【0013】
また、本発明の一態様では、候補者情報処理部では、少なくとも、候補者の勤務可能日、対応優先度、過去の就業実績、勤務先希望から選択される1以上の情報に基づいて分類付けを行うとしてもよい。
【0014】
候補者情報を分類付けする際にこれらの情報を加味することで、より両者の希望に沿ったマッチングが可能となる。
【0015】
また、本発明の一態様では、入力情報受付部では、さらに、候補者の現在位置を取得し、候補者情報処理部において候補者の現在位置から求人を希望する機関までの到着所要時間を算出可能であるとしてもよい。
【0016】
候補者の現在位置を取得することにより、求人機関までの到着時間が短い候補者を選別することが可能となる。
【0020】
本発明は、医療機関が急な手術等により短時間で医師とのマッチングを行う必要がある場合に好適である。また夜間もしくは土日祝のマッチングを想定しているので人員が限られた中でも簡便にマッチングが必要な場合に好適である。
【発明の効果】
【0021】
このように、本発明によれば、急な場合であっても必要とする技術を有する候補者を即時に提示してマッチングすることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の一実施形態に係るマッチングシステムの構成を示す概略図である。
図2】本発明の一実施形態に係るマッチング方法の処理を示すフローチャートである。
図3】本発明の一実施形態において、候補者を表示する態様の一例を示した概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明に係るマッチングシステム及びマッチング方法について詳細に説明する。なお、本発明は以下の例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、任意に変更可能である。
【0024】
図1は、本発明の一実施形態に係るマッチングシステムの構成を示す概略図である。本発明の一態様は、一時的に求人を希望する機関20に対して、即時に候補者30を提示するマッチングシステム10であって、少なくとも、就労を希望する候補者の情報と条件を入力する入力情報受付部11と、入力情報受付部11から受け付けた候補者の情報を記憶する候補者情報記憶部12と、候補者情報記憶部12に記憶された情報に対して、所定の条件に基づいて分類付けを行う候補者情報処理部13と、求人を希望する機関の求人条件と分類付けを行った候補者の情報とを参照して求人条件に適した候補者の情報を表示する候補者情報表示部14と、表示された候補者に対して連絡を行う通信部15と、連絡の結果を入力し、マッチングの処理に反映させる連絡結果反映部16を備える。
【0025】
本発明において、候補者30は、一時的に就労を希望する者である。本発明では、候補者として、主に、時間に余裕があり、急な手術の要請に対しても対応が可能な、特定の技術を有する専門医(例えば、麻酔科医)などが想定される。また、電話での1対1のやりとりを想定するため、特定の技術を有する職種1名を確実にマッチングする場合に適用可能である。
【0026】
また、本発明において、一時的に求人を希望する機関20の例としては、上述したように、病院などの医療機関であり、急な手術を行う必要が生じ、一時的に特定の技術を有する専門医を要する場合などが挙げられる。この時に、一時的に求人を希望する機関20は、本発明の一実施形態に係るマッチングシステム10を利用することにより、必要とする候補者とのマッチングを行う。その他にも、本発明では、例えば、一般的な企業において急に担当者が就労できなくなった場合や、繁忙期などにおいて一時的に求人を希望する場合にも本発明を適用することができる。
【0027】
図1における求人機関端末20(20A,20B,・・・)は、デスクトップ型PC、ノート型PC、タブレット型PC、携帯型情報端末(PDA)、スマートフォンなど特に限定はされない。各求人機関は、求人機関端末20A,20Bを用い、例えば、ネットワークNWを介して本発明の一実施形態に係るマッチングシステム10にアクセスする。
【0028】
また、候補者端末30(30A,30B)も同様に限定はされないが、少なくとも、求人機関からの連絡を受信できる機能を備えている必要がある。例えば、求人機関が架電により連絡を取る場合には携帯電話やスマートフォンなどの通信機器であり、メールによるは通信の場合には、ノート型PC、タブレット型PC、携帯型情報端末(PDA)、スマートフォンなどである。
【0029】
本発明におけるマッチングシステム10は、通常備えるべき1又は複数のCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random access Memory)、通信ユニット等を備え、必要に応じてGPU(Graphics Processing Unit)、入力部、出力部を備える。例えば、CPUがROMやRAMといった記憶手段に格納されたデータやプログラムを用いて処理を実行することにより、マッチングシステム10の各構成や端末の処理を実現させる。
【0030】
本発明の一実施形態に係るマッチングシステム10は、例えば、ウェブサーバとしての機能を備え、適宜、ホームページによる情報も提供しながらGUI(Graphical User Interface)により求人機関20にマッチングの機会を提供する。一例として、求人機関20は、マッチングシステム10によるサービスを提供する企業等と契約をし、指定されたサイトにユーザIDとパスワードを入力してログインすることにより、マッチングシステム10によるサービスを受けることができる。
【0031】
次に、本発明の一実施形態に係るマッチングシステム10の各構成について説明する。
【0032】
入力情報受付部11は、就労を希望する候補者の情報と条件を入力する。これらの情報は、例えば、所定のホームページに情報の入力欄を設けて求職希望者(候補者)に記入又は選択してもらい、記載情報を送信してもらうことで実現することができる。また、求人機関が本発明に係るマッチングシステム10を利用する際には、求人機関の情報や希望する候補者の条件などを入力することもできる。
【0033】
また候補者情報の登録は、マッチングシステム10によるサービスを提供する企業等が予め候補者を選抜してその情報を入力するような形式でも良い。このように、候補者の登録を選抜会員制のようにすることで、より質の高いマッチングを実現することができる。
【0034】
候補者情報記憶部12は、入力情報受付部11から受け付けた候補者の情報を記憶する。候補者情報記憶部12は、例えば、1又は複数のHDD(Hard Disk Drive)から構成される。
【0035】
候補者情報処理部13は、候補者情報記憶部12に記憶された情報に対して、所定の条件に基づいて分類付けを行う。予め分類付けを行っておくことにより、緊急時において即時に適切な候補者を提示することができる。
【0036】
分類付けの基となる指標としては、一例として、候補者の勤務可能日、対応優先度、過去の就業実績、勤務先希望などが挙げられる。例えば、勤務可能日で分類した後、いくつかの項目に対する候補者の対応優先度、過去の候補者の就業実績に関する評価や就業回数、候補者の勤務希望先や希望しない勤務先などの情報を項目ごとに数値化するなどして集計しておく。
【0037】
また、入力情報受付部11では、さらに、候補者の現在位置を取得し、候補者情報処理部12において候補者の現在位置から求人を希望する機関までの到着所要時間を算出可能であるとしてもよい。例えば、候補者の所持する端末のGPS機能等による情報を受信することで、候補者の現在位置から求人機関までの距離と、使用可能な交通手段により到着所要時間を算出することもできる。
【0038】
候補者情報表示部14は、求人を希望する機関の求人条件と分類付けを行った候補者の情報とを参照して求人条件に適した候補者の情報を表示する。表示する項目としては、候補者の氏名、連絡先(電話番号)、現在地から到着するまでの所要時間、顔写真、プロフィールなどである。候補者情報表示部14は、これらの情報を例えば、優先度の高い順にHTML形式などで表示する。
【0039】
通信部15は、候補者情報表示部14に表示された候補者に対して連絡を行う機能を備える。通信部15は、例えば、架電するための携帯電話や固定電話等の機器、メール送受信機能を備えた端末、テレビ電話機能を備えた端末などである。求人機関は、通信部15により候補者情報表示部14に表示された候補者に対して順次連絡を取り、交渉を行う。本発明では、オンコール状態(夜間もしくは土日祝の勤務時間外に、緊急の対応等のために、職場外(主に自宅)から呼びだしに対応できる状態)の候補者への即時に連絡するために架電の機器を用いることが望ましい。
【0040】
なお、図1では、通信部15は、マッチングシステム10内に他の構成と一体的に示しているが、例えば、求人機関端末20(20A,20B)側に備えられていてもよい。
【0041】
連絡結果反映部16では、連絡の結果を入力し、マッチングの処理に反映させる。例えば、上述のような緊急時の求人など、必ずマッチングを成立させなければならないような状況も生じうるため、マッチングシステム10においてマッチングの状況を把握する必要があるためである。連絡結果反映部16は、一例として、候補者情報表示部14で候補者情報を表示する際に、併せて連絡結果を入力するボタン等を表示し、求人機関の操作によってその結果を選択してもらうことによって実現することができる。
【0042】
続いて、本発明の一実施形態に係るマッチング方法について説明する。本発明に係るマッチング方法は、例えば、上述したマッチングシステムにより実行される。図2は、本発明の一実施形態に係るマッチング方法の処理を示すフローチャートである。
【0043】
本発明の一実施形態にかかるマッチング方法では、まず、就労を希望する候補者の情報と条件を入力する(工程S1)。これらの情報は、所定のホームページに情報の入力欄を設けて求職希望者(候補者)に記入又は選択してもらう方法や、履歴書等の書類データを送付してもらってデータ入力するなどの方法で行うことができる。
【0044】
或いは上述したように、本発明に係るマッチング方法によるサービスを提供する企業等が予め候補者を選抜してその情報を入力するような形式でも良い。例えば、候補者が医師などの特別な資格を有する者で、求職者数がある程度限定されてしまうような場合にはサービス提供企業側から候補者に提案することで参加してもらう手法を取ることができる。このように、候補者の登録を選抜会員制のようにすることで、候補者の情報を詳細に知ることができ、より質の高いマッチングを実現することができる。
【0045】
次に、入力された候補者の情報に対して、所定の条件に基づいて分類付けを行う(工程S2)。例えば上述したように、候補者の勤務可能日で分類した後、いくつかの項目に対する候補者の対応優先度、過去の候補者の就業実績に関する評価や就業回数、候補者の勤務希望先や希望しない勤務先などの情報を項目ごとに数値化するなどして集計しておく。
【0046】
そして、一時的に求人を希望する機関(求人機関)は、求人が必要となった際に、本発明に係るマッチング方法を利用する(工程S3)。求人機関は本発明に係るマッチング方法を提供するシステム等にアクセスして、自己の情報や希望する日時や条件等を入力する。あるいは、求人機関は本発明にかかるマッチング方法を提供する企業等とあらかじめ契約をし、ユーザID及びパスワードを入力してログインする形式とすることで、自己の情報のほとんどがあらかじめ設定されているようにしてもよい。
【0047】
求人機関が必要情報を入力したのち、求人を希望する機関の求人条件と分類付けを行った候補者の情報とを参照して求人条件に適した候補者の情報が表示される(工程S4)。候補者の情報は、工程S2で分類した情報と、工程S3における求人機関の条件を参照して例えば、優先度の高い順(よりマッチングが成立しやすい順)に表示される。一例として、今までの呼び出し対応日数、勤怠状況(エラーがないか)、アクセスのよい場所に住んでいるかといった情報を考慮する。また、医師の対応優先度を事前にリストアップすることで医師の希望度を反映させる、過去の就業実績を加味して反映させる、医師と医療機関の所要時間(車・公共交通機関)をデータベース化する、ある医師が特定の医療機関のみ勤務NGの場合は事前に一覧の表示から除外する、といった処理を行うこともできる。
【0048】
図3は、本発明の一実施形態において、候補者を表示する態様の一例を示した概略図である。一例として、図3は、医師の求人に関する場合の候補者の表示例であるが、候補者の氏名と顔写真51、特別な技術分野に対応可能な場合の表示52(「心臓外科対応可能」など)、候補者のプロフィールへのリンク53、連絡先電話番号54、求人機関に到着するまでの所要時間55などを表示する。例えば、求人機関が候補者に対してすぐに到着することを求める場合には、現在地からの所要時間が短い順に優先的に表示することができるが、これらの表示順は求人機関の優先する項目に応じて並べ替えできることが望ましい。
【0049】
求人機関は、表示された情報から選択した候補者に対して連絡を行う(工程S5)。通常は最も優先順位の高い候補者が上位に表示されるため、上から順に連絡を行えばよい。候補者情報表示欄には、候補者の連絡先(電話番号等)が表示されるため、該当する連絡先に通信機器等を用いて連絡を行う。例えば、医療機関が緊急時に医師の求人を行いたい場合には、オンコール状態の候補者に対して架電することにより早急に連絡を取ることができる。その他にも連絡手段は、例えば、メールによる配信やテレビ電話を用いた対話といった方法によってもよい。
【0050】
求人機関が候補者に連絡し、候補者の承諾が得られてマッチングが成立した場合(工程S6で「YES」の場合)には、以降は求人機関と候補者の間で詳細を詰めればよい。求人機関は、例えば、連絡結果ボタンからマッチングが成立した旨のボタンを選択して通知する(工程S7)。図3の例であれば、「病院からの電話で対応医に決定」ボタン56A、「医師からの電話で対応医に決定」ボタン56Bなどを状況に応じて選択する。マッチングが成立したという結果は、例えば、実績として記録(候補者情報記憶部12や連絡結果反映部16など)することにより、次回のマッチングの際に優先的に表示するなど、次回以降のマッチングに反映させることができる。また、マッチングの成立理由により人材会社として求職者の勤務意欲度を測ることも可能であり、例えば、自分から応募した医師の割合が多い場合、求職者が多く需給バランスでいうと求職者が多い傾向にあると把握することができる。
【0051】
一方で、求人機関が候補者の一人に連絡した際に、連絡がつかない場合や、対応不可などの理由により、マッチングが成立しなかった場合(工程S6で「NO」の場合)には、その旨の連絡結果ボタンを選択する。図3の例であれば、「連絡がつきましたが、医師都合により対応できませんでした」ボタン57A、「連絡がつきましたが、到着時間が間に合わないためお断りしました」ボタン57B、「連絡がつきませんでした」ボタン57Cなどを状況に応じて選択する。また、この時、マッチング不成立の理由に応じて特別な対応をとるようにしてもよい。一例として、到着時間が間に合わない拒否理由であれば、タクシーの手配を行うなど、サービス提供者側から勤務フォローをし、マッチングを促すようにしてもよい。
【0052】
マッチング不成立の時、残りの候補者がまだ存在する状態であれば(N≠0)(工程S8で「NO」の場合)、先ほどのマッチングが不成立の候補者を表示から除外するとともに、次の候補者を上位に表示する。求人機関は次に表示された候補者に対して再度連絡を取ることができる(工程S9)。
【0053】
また、表示された候補者全てに対してマッチングが不成立であった場合(N=0)(工程S8で「YES」の場合)、さらにマッチング対象を拡大できるようにしてもよい(工程S10)。例えば、工程S4で表示した候補者が事前に登録された会員のみであるような場合に、登録会員以外の候補者に対してもメール等を配信することにより、更なる候補者を求めることもできる。求人機関は例えばメール配信ボタン58を選択することにより、更なる候補者を募集してもよいし、依頼の取下げボタン59を選択することによりマッチングの依頼を取り下げてもよい。
【0054】
また、本発明では、候補者への架電による連絡と合わせてメール配信を用いることもできる。一例として、求人機関が本発明に係るマッチングシステム又はマッチング方法の利用を開始した時点で案件が発生した旨のメールを候補者に自動配信するようにし、候補者側からの連絡を受け付けるようにしてもよい。また、マッチング(決定・未決定)の進捗情報が随時、候補者にメール配信されるようにすることもできる。このようにすれば、各候補者も現在の求人状況を知ることができるため、求人機関への連絡の要否について判断しやすくなる。メールの配信機能は、最初から使用できるようにしていてもよいし、一定の条件(5名以上マッチングの未決定が続く等)で、画面にボタンが出現するように設定しておいてもよい。
【0055】
以上、説明してきた通り、本発明の一実施形態に係るマッチングシステム及びマッチング方法によれば、急な場合であっても必要とする技術を有する候補者を即時に提示してマッチングすることが可能である。また、医療分野においては、緊急手術のための緊急性案件でもマッチング可能であり、医師のマッチングのためオーダーを受領して100%に近い成約率を実現することができる。
【0056】
なお、上記のように本発明の一実施形態及び各実施例について詳細に説明したが、本発明の新規事項及び効果から実体的に逸脱しない多くの変形が可能であることは、当業者には、容易に理解できるであろう。従って、このような変形例は、全て本発明の範囲に含まれるものとする。
【0057】
例えば、明細書又は図面において、少なくとも一度、より広義又は同義な異なる用語と共に記載された用語は、明細書又は図面のいかなる箇所においても、その異なる用語に置き換えることができる。また、マッチングシステム及びマッチング方法の構成も本発明の一実施形態及び各実施例で説明したものに限定されず、種々の変形実施が可能である。
【符号の説明】
【0058】
10 マッチングシステム、11 入力情報受付部、12 候補者情報記憶部、13 候補者情報処理部、14 候補者情報表示部、15 通信部、16 連絡結果反映部、20(20A,20B) 求人機関(求人機関端末)、30(30A,30B) 候補者(候補者端末)
【要約】
【課題】急な場合であっても必要とする技術を有する候補者を即時に提示してマッチングすることが可能なマッチングシステム及びマッチング方法を提供する。
【解決手段】一時的に求人を希望する機関20に対して、即時に候補者30を提示するマッチングシステム10であって、少なくとも、就労を希望する候補者の情報と条件を入力する入力情報受付部11と、入力情報受付部11から受け付けた候補者の情報を記憶する候補者情報記憶部12と、候補者情報記憶部12に記憶された情報に対して、所定の条件に基づいて分類付けを行う候補者情報処理部13と、求人を希望する機関の求人条件と分類付けを行った候補者の情報とを参照して求人条件に適した候補者の情報を表示する候補者情報表示部14と、表示された候補者に対して連絡を行う通信部15と、連絡の結果を入力し、マッチングの処理に反映させる連絡結果反映部16を備える。
【選択図】図1
図1
図2
図3