(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0039】
[1]第1の実施の形態
(1)共焦点変位計の基本構成
以下、本発明の第1の実施の形態に係る共焦点変位計について図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る共焦点変位計の構成を示す模式図である。
図1に示すように、共焦点変位計500は、処理装置100、計測ヘッド200、導光部300および制御装置400を備える。導光部300は、複数の光ファイバを含み、処理装置100と計測ヘッド200とを光学的に接続する。
【0040】
処理装置100は、筐体110、投光部120、分光部130、受光部140、演算処理部150および表示部160を含む。筐体110は、投光部120、分光部130、受光部140および演算処理部150を収容する。投光部120は、広い波長帯域(例えば500nm〜700nm)の光すなわち複数の波長を有する光を出射可能に構成される。投光部120の詳細な構成については後述する。投光部120により出射された光は、後述する導光部300の光ファイバ311に入力される。
【0041】
分光部130は、回折格子131および複数(本例では2個)のレンズ132,133を含む。後述するように、投光部120により出射されて計測対象物Sの表面で反射され
た光の一部が、導光部300の光ファイバ312から出力される。光ファイバ312から出力された光は、レンズ132を通過することにより略平行化され、回折格子131に入射される。本実施の形態においては、回折格子131は反射型の回折格子である。回折格子131に入射された光は、波長ごとに異なる角度で反射するように分光され、レンズ133を通過することにより波長ごとに異なる一次元上の位置に合焦される。
【0042】
受光部140は、複数の画素が一次元状に配列された撮像素子(一次元ラインセンサ)を含む。撮像素子は、多分割PD(フォトダイオード)、CCD(電荷結合素子)カメラまたはCMOS(相補性金属酸化膜半導体)イメージセンサであってもよいし、他の素子であってもよい。受光部140は、分光部130のレンズ133により形成された波長ごとに異なる複数の合焦位置で撮像素子の複数の画素がそれぞれ光を受光するように配置される。受光部140の各画素からは、受光量に対応するアナログの電気信号(以下、受光信号と呼ぶ。)が出力される。
【0043】
演算処理部150は、記憶部151および制御部152を含む。記憶部151は、例えばROM(リードオンリメモリ)、RAM(ランダムアクセスメモリ)またはハードディスクを含む。記憶部151には、変位計測プログラムが記憶されるとともに、変位計測に用いられる種々のデータが記憶される。制御部152は、例えばCPU(中央演算処理装置)を含む。制御部152は、受光部140により出力される受光信号を取得し、記憶部151に記憶された変位計測プログラムおよびデータに基づいて計測対象物Sの変位計測処理を実行する。
【0044】
計測ヘッド200は、略軸対称形状(例えば円筒形状)を有する筐体210およびレンズユニット220を含む。筐体210はレンズユニット220を収容する。レンズユニット220は、屈折レンズ221、回折レンズ222および対物レンズ223を含む。導光部300から出力された処理装置100からの光は、屈折レンズ221および回折レンズ222を順に通過する。これにより、光軸方向に沿って光に色収差が発生する。対物レンズ223は、色収差が発生した光が計測対象物Sの表面近傍の位置で合焦可能に配置される。
【0045】
導光部300は、複数(本例では8個)の光ファイバ311〜318および複数(本例では2個)のファイバカプラ320,330を含む。
図1の例では、ファイバカプラ320は処理装置100の筐体110に設けられ、ファイバカプラ330は計測ヘッド200の筐体210に設けられる。本発明はこれに限定されず、ファイバカプラ320は処理装置100の筐体110以外の部分に設けられてもよいし、ファイバカプラ330は計測ヘッド200の筐体210以外の部分に設けられてもよい。
【0046】
ファイバカプラ320は、いわゆる2×2型の構成を有し、4個のポート321〜324および本体部325を含む。ポート321,322とポート323,324とは、本体部325を挟んで対向するように本体部325に接続される。ポート321,322の少なくとも1つのポートに入力された光は、ポート323,324の各々から出力される。ポート323,324の少なくとも1つのポートに入力された光は、ポート321,322の各々から出力される。
【0047】
ファイバカプラ330は、いわゆる2×4型の構成を有し、6個のポート331〜336および本体部337を含む。ポート331,332とポート333〜336とは、本体部337を挟んで対向するように本体部337に接続される。ポート331,332の少なくとも1つのポートに入力された光は、ポート333〜336の各々から出力される。ポート333〜336の少なくとも1つのポートに入力された光は、ポート331,332の各々から出力される。
【0048】
ファイバカプラ320のポート321,322には、光ファイバ311,312がそれぞれ接続される。ファイバカプラ330のポート333〜336には、光ファイバ313〜316がそれぞれ接続される。ファイバカプラ320のポート323とファイバカプラ330のポート331とが光ファイバ317により接続される。ファイバカプラ320のポート324とファイバカプラ330のポート332とが光ファイバ318により接続される。
【0049】
この構成によれば、処理装置100の投光部120により出射された光は、光ファイバ311を通してファイバカプラ320のポート321に入力される。ポート321に入力された光は、ポート323,324から出力され、光ファイバ317,318を通してファイバカプラ330のポート331,332に入力される。ポート331,332に入力された光は、ポート333〜336から出力され、光ファイバ313〜316およびレンズユニット220を通して計測対象物Sに照射される。
【0050】
計測対象物Sの表面で反射された光の一部は、レンズユニット220および光ファイバ313〜316を通してファイバカプラ330のポート333〜336に入力される。ポート333〜336に入力された光は、ポート331,332から出力され、光ファイバ317,318を通してファイバカプラ320のポート323,324に入力される。ポート323,324に入力された光は、ポート321,322から出力される。ポート322から出力された光は、光ファイバ312を通して分光部130に導かれる。これにより、変位計測処理が行われる。
【0051】
表示部160は、7セグメント表示器またはドットマトリクス表示器等の表示器を含む。表示部160は、処理装置100の筐体110に設けられ、演算処理部150に接続される。表示部160には、演算処理部150の変位計測処理により算出された計測距離等の数値が表示される。
【0052】
制御装置400は、例えばパーソナルコンピュータにより構成され、処理装置100の演算処理部150に接続される。制御装置400は、表示装置401、操作部402、CPU(中央演算処理装置)403およびメモリ404を含む。表示装置401は、例えば液晶ディスプレイパネルまたは有機EL(エレクトロルミネッセンス)パネルを含む。表示装置401は、演算処理部150の変位計測処理により算出された計測距離等の数値に加えて、後述する
図4の実線で示すような受光信号の波形(受光波形W0)を表示することが可能である。操作部402は、マウス等のポインティングデバイスおよびキーボードを含む。
【0053】
CPU403は、後述する計測モードおよび確認モードで動作可能に構成される。また、CPU403には、計測対象物Sの計測距離に対する良否判定用の基準範囲が設定されてもよい。この場合、計測距離が基準範囲内であるときには、計測対象物Sが良品であることを示す判定結果(例えば「OK」)が表示装置401に表示される。一方、計測距離が基準範囲外であるときには、計測対象物Sが不良品を示す判定結果(例えば「NG」)が表示装置401に表示される。メモリ404には、変位計測プログラムが記憶されるとともに、変位計測に用いられる種々のデータが記憶される。
【0054】
(2)共焦点変位計の動作原理
図2は、共焦点変位計500の動作原理を説明するための図である。以下、本実施の形態に係る共焦点変位計500の動作原理の理解を容易にするため、1個の光ファイバ(本例では光ファイバ313)から計測ヘッド200に出力される光を用いて一般の共焦点変位計の動作原理を先に説明する。
【0055】
光ファイバ313から出力された光は、屈折レンズ221および回折レンズ222を通過する。これにより、光に色収差が発生する。色収差が発生した光は、対物レンズ223を通過することにより波長ごとに異なる位置で合焦する。例えば、波長が短い光は対物レンズ223に近い位置で合焦し、波長が長い光は対物レンズ223から遠い位置で合焦する。対物レンズ223に最も近い合焦位置P1と対物レンズ223から最も遠い合焦位置P2との間の範囲が計測範囲MRとなる。本例では、屈折レンズ221は凸型を有し、回折レンズ222は凹型を有する。この場合、光に発生する色収差が大きくなる。これにより、計測範囲MRを大きくすることができる。
【0056】
計測範囲MRに計測対象物Sの表面が存在する場合には、対物レンズ223を通過した光は、計測対象物Sの表面に照射された後、当該表面により広範囲に反射される。ここで、後述するように、光ファイバ313は、コア310aおよびクラッド310b(後述する
図3参照)により構成される。本実施の形態においては、光ファイバ313の先端部分は、微小なピンホールを有する空間フィルタとして機能する。したがって、計測対象物Sの表面で反射された光のほとんどは、光ファイバ313に入力されない。
【0057】
一方、計測対象物Sの表面の位置で合焦した特定の波長を有する光は、当該表面で反射されることによりレンズユニット220を通過し、光ファイバ313のコア310aの先端部分に入力される。光ファイバ313に入力された光の波長は、計測距離を示す。ここで、計測距離とは、所定の基準位置RPから計測対象物Sの表面の位置までの距離である。なお、本例では、基準位置RPは計測対象物Sに最も近い筐体210の端部の位置である。
【0058】
光ファイバ313に入力された光は、
図1の処理装置100に導かれ、回折格子131により分光されるとともにレンズ133により波長ごとに異なる位置に合焦される。受光部140の複数の画素は、波長ごとに異なる複数の光の合焦位置にそれぞれ配置される。そのため、受光部140の各画素は、当該画素に対応付けられた波長の光を受光し、受光信号を出力する。
【0059】
この構成によれば、受光信号を出力する受光部140の画素の位置を特定することにより、受光された光の波長を特定することができる。また、受光された光の波長を特定することにより、計測距離を特定することができる。以上が一般の共焦点変位計の動作原理の説明である。しかしながら、計測対象物Sの表面における光の乱反射により、計測対象物Sの表面の位置とは異なる位置で合焦する光が光ファイバ313に入力されることがある。この場合、処理装置100により特定される計測距離には、計測対象物Sの表面の粗さよりも大きい度合いの計測誤差が発生する。
【0060】
そこで、本実施の形態に係る共焦点変位計500においては、処理装置100から入力された光が4個の光ファイバ313〜316の各々から出力される。4個の光ファイバ313〜316は、ファイバユニットとして一体的に構成される。
図3は、ファイバユニットの光ファイバ313〜316の配置を示す断面図である。
図3に示すように、ファイバユニット301においては、4個の光ファイバ313〜316が保持部材302により一体的に保持される。
【0061】
各光ファイバ313〜316は、コア310aおよびクラッド310bを含む。コア310aはクラッド310bにより被覆される。光ファイバ313〜316のコア310aの一端部に入力された光は、コア310aの他端部から出力される。なお、光ファイバ311,312,317,318も光ファイバ313〜316と同様の構成を有する。
【0062】
ファイバユニット301の中心と
図2のレンズユニット220の中心とが略一致している場合、ファイバユニット301の光ファイバは、レンズユニット220の光軸に対して対称に配置されることが好ましい。
図3の例においては、ファイバユニット301の中心は、光学系220の光軸上に配置され、各光ファイバ313〜316のコア310a(光軸)は、レンズユニット220の光軸に対して対称に配置される。この場合、各光ファイバ313〜316のコア310a(光軸)は、ファイバユニット301の中心、すなわちレンズユニット220の光軸から略同一距離離間する。
【0063】
このように、レンズユニット220の光軸から略等間隔離れた位置に各光ファイバ313〜316のコア310aが配置されることにより、光軸方向に沿った収差を生じさせるためのレンズユニット220の光学設計を容易に行うことができる。ここで、光軸とは、屈折レンズ221、回折レンズ222および対物レンズ223の各々の光軸が略一致している場合における当該光軸を意味するだけでなく、屈折レンズ221、回折レンズ222および対物レンズ223のいずれか1つ以上の光軸を意味してもよい。
【0064】
光ファイバ314〜316から出力される光の挙動は、上述した光ファイバ313から出力される光の挙動と同様である。したがって、計測ヘッド200から計測対象物Sの表面の4つの部分に光が照射される。
図3の例では、光ファイバ313〜316は正方形の4つの角部に位置するように配置される。各コア310aの直径L1は、200μm以下であることが好ましく、50μm以下であることがより好ましい。この場合、4個の光ファイバ313〜316は近接して配置されるので、使用者には計測対象物Sの表面の1つの部分に光が照射されているように認識される。
【0065】
計測対象物Sの表面の4つの部分で反射された光のうち、計測対象物Sの表面の位置で合焦した光が対応する光ファイバ313〜316に入力され、受光部140により受光される。ここで、隣り合うコア310aの中心間の距離L2は、直径L1の3倍以上であることが好ましい。この場合、距離L2が直径L1の3倍以上である場合には、計測対象物Sの表面の一部分で合焦しつつ反射された光が当該一部分に対応する光ファイバ313〜316のピンホールを通過し、外乱光として当該一部分に対応しない他の光ファイバ313〜316のピンホールを通過することがほとんどない。
【0066】
隣り合うコア310aの中心間の距離L2は、直径L1の5倍以上10倍以下であることがより好ましい。この場合、距離L2が直径L1の5倍以上10倍以下以上である場合には、計測対象物Sの表面の一部分で合焦しつつ反射された光が外乱光として当該一部分に対応しない他のピンホールを通過することがさらに抑制される。また、複数の光は大きく離間していないので、レンズユニット220の中心付近を通過することができる。そのため、コマ収差等の測定精度を低下させる収差がほとんど発生しない。本例では、直径L1は例えば50μmであり、距離L2は例えば250μmである。
【0067】
図4は、受光部140により受光された光の波長と受光信号の強度との関係を示す図である。
図4の横軸は受光された光の波長を示し、縦軸は受光信号の強度を示す。後述する
図7〜
図9においても同様である。
図4および後述する
図7〜
図9の横軸は、受光部140の画素の位置に相当する。
【0068】
図4においては、光ファイバ313〜316に入力された光の受光信号の波形(以下、受光波形と呼ぶ。)W1〜W4が、仮想的に分離された状態で点線、一点鎖線、二点鎖線および破線によりそれぞれ示される。受光波形W1〜W4のピークの波長(以下、ピーク波長と呼ぶ。)は、それぞれλ1〜λ4である。複数の受光波形W1〜W4のピーク波長λ1〜λ4は、計測対象物Sの表面の乱反射により互いに異なる。
【0069】
しかしながら、実際には、光ファイバ313〜316に入力された光は、光ファイバ312から出力されるまでの過程で混合される。これにより、光ファイバ312から出力される光には、強度の平均化処理が行われる。平均化処理とは、複数のピンホールを通過した複数の光についての波長ごとの強度の平均に対応する平均信号を生成する処理を意味する。本例では、平均化処理は積算処理である。
【0070】
本例では、各ピンホールを通過した光信号が、ファイバカプラ330、光ファイバ317,318、ファイバカプラ320および光ファイバ312を通過する間に混合される。その後、混合された光信号は、分光部130を経て受光部140により電気信号に変換される。すなわち、本例では、光信号の状態で平均化処理が行われる。
図4においては、受光部140により受光される後の光に対応する受光波形W0が実線により示される。受光波形W0のピーク波長はλ0である。
【0071】
このように、光学的に受光波形W0の平均化処理が行われることにより、乱反射によるランダムな計測誤差を発生させる光の成分が打ち消される。そのため、ピーク波長λ0は、ピーク波長λ1〜λ4よりも真の計測距離に対応するピーク波長に近い。ここで、真の計測距離とは、光の乱反射が生じないときに特定されるべき計測距離である。したがって、受光波形W0のピーク波長λ0を特定することにより、計測距離をより正確に特定することができる。
【0072】
(3)投光部
図5(a),(b)は、それぞれ投光部120の構成を示す平面図および断面図である。
図5に示すように、投光部120は、光源121、蛍光体122、フェルール123、レンズ124、保持具125、フィルタ素子126および素子ホルダ127を含む。素子ホルダ127は、光源固定部127A、フェルール固定部127Bおよびレンズ固定部127Cを含む。光源121、フェルール123およびレンズ124は、素子ホルダ127の光源固定部127A、フェルール固定部127Bおよびレンズ固定部127Cにそれぞれ固定される。
【0073】
光源121は、単一波長の光を出射するレーザ光源である。本実施の形態においては、光源121は波長450nm以下の青色領域または紫外領域の光を出射する。蛍光体122は、青色領域または紫外領域の励起光を吸収し、励起光の波長領域とは異なる波長領域の蛍光を放出する。蛍光体122は、黄色領域の蛍光を放出してもよいし、緑色領域の蛍光を放出してもよいし、赤色領域の蛍光を放出してもよい。また、蛍光体122は、複数の蛍光部材により構成されてもよい。
【0074】
フェルール123は、
図1の導光部300の光ファイバ311の端部を保持する。レンズ124は、光源121とフェルール123との間に配置される。フェルール123(光ファイバ311)の端部には、円環状を有する保持具125の一端面が取り付けられる。保持具125の内周部に蛍光体122が収容される。保持具125内の蛍光体122を覆うように保持具125の他端面にフィルタ素子126が取り付けられる。フィルタ素子126は反射型フィルタであり、黄色領域、緑色領域または赤色領域の光を反射するとともに、青色領域または紫外領域の光を透過させる。
【0075】
この構成によれば、光源121により出射された光は、レンズ124を通過することにより、励起光として蛍光体122上に集光される。蛍光体122は、励起光を吸収して蛍光を放出する。ここで、蛍光体122に吸収されずに透過した励起光と蛍光体122からの蛍光とが混合されることにより、広い波長帯域の光が生成される。本例においては、励起光と蛍光とが所望の割合で混合された光を生成するために、光路方向における蛍光体122の厚みが、例えば10μm〜200μmに形成される。また、保持具125内におけ
る蛍光体122の濃度が、例えば30%〜60%に形成される。
【0076】
投光部120において生成された光は、フェルール123を通過することにより光ファイバ311に入力される。蛍光体122により光ファイバ311とは反対の方向に放出された蛍光は、フィルタ素子126により光ファイバ311の方向に反射される。これにより、蛍光を効率よく光ファイバ311に入力することができる。
【0077】
本例においては、蛍光体122は保持具125内に収容されるが、本発明はこれに限定されない。蛍光体122は、フェルール123の端面に塗布されてもよい。この場合、投光部120は保持具125を含まない。また、投光部120はフィルタ素子126を含むが、本発明はこれに限定されない。十分な蛍光が光ファイバ311に入力される場合には、投光部120はフィルタ素子126を含まなくてもよい。
【0078】
(4)演算処理部
図1の演算処理部150の記憶部151には、受光部140の画素の位置と、出力される受光波形W0のピーク波長λ0と、計測距離との換算式が予め記憶されている。演算処理部150の制御部152は、受光信号を出力する画素の位置を特定するとともに、特定された画素の位置および記憶部151に記憶された換算式に基づいて受光波形W0のピーク波長λ0および計測距離を順次算出する。これにより、計測対象物Sの厚み、距離または変位を計測することができる。また、制御部152は、計測距離をより正確に算出するために、以下に説明する基底波形の除去および受光部140の温度特性の補正を行う。
【0079】
(a)基底波形の除去
計測対象物Sとは異なる部分で反射された光が受光部140により受光されることがある。
図6は、計測対象物Sとは異なる部分で反射される光の一例を示す模式図である。
図6の例においては、レンズユニット220の屈折レンズ221により直接反射された光(矢印で示す光)が光ファイバ313〜316に入力される。このような光は、計測距離を示す成分を含まずに、不要な成分を含む。
【0080】
図7は、不要な成分を含む受光波形W0を示す図である。
図7に示すように、受光波形W0には、3個のピークP0,Px,Pyが含まれる。ピークP0は、計測対象物Sの表面で反射された光により発生する。ピークP0は急峻な形状を有し、ピーク波長はλ0である。ピークPxは、計測対象物Sとは異なる部分で反射された光により発生する。ピークPxは滑らかな形状を有し、ピーク波長はλxである。
【0081】
ピークPyは、計測対象物Sとは異なる部分で反射された発振波長λyの光源121(
図5)の光により発生する。ピークPyは急峻な形状を有し、ピーク波長はλyである。なお、本例においては、レーザ光源である光源121により出射される励起光の強度は大きいため、励起光に相当する波長成分の光は、測定光として用いられない。
【0082】
ピーク波長λxはピーク波長λ0に比較的近く、ピークPxの幅は広い。そのため、ピークP0はピークPxに埋もれることとなる。この場合、ピーク波長λ0を正確に特定することは困難である。そこで、受光波形W0からピークPxに起因する部分(以下、基底波形BLと呼ぶ。)を除去するための補正が行われる。
【0083】
図8は、受光波形W0の基底波形BLを示す図である。本実施の形態では、制御部152は、ピークPxとピークP0とを識別する低域通過フィルタ処理を受光波形W0に適用することにより、
図8の基底波形BLを取得する。基底波形BLを取得する方式は上記の方式に限定されず、
図1の記憶部151に基底波形BLを示すデータが予め記憶されていてもよい。この場合、制御部152は、取得した
図8の基底波形BLに基づいて、
図7の
受光波形W0から基底波形BLを除去するように受光波形W0の補正を行う。
【0084】
図9は、基底波形BLが除去された受光波形W0を示す図である。
図9の例では、ピーク波長λ0が
図7のピーク波長λ0よりも短波長側にわずかにシフトしている。このように、受光波形W0から基底波形BLを除去することにより、ピーク波長λ0をより正確に特定することができる。その結果、計測距離をより正確に算出することが可能になる。なお、受光波形W0のピークPyに起因する部分は、ピーク波長λ0の正確な特定に影響を与えないので、受光波形W0から除去されない。本発明はこれに限定されず、受光波形W0からピークPyに起因する部分を除去するための処理が行われてもよい。
【0085】
(b)受光部の温度特性の補正
上記のように、特定の波長を有する光は、当該波長に対応付けられた受光部140の画素により受光される。しかしながら、周囲の温度変化に伴う受光部140の受光面の位置の変化または受光面の傾きの変化により、特定の波長を有する光が対応付けられた画素とは異なる画素により受光されることがある。この場合、計測距離を正確に算出することができない。そこで、以下に説明する受光部140の温度特性の補正が行われる。
【0086】
図10は、受光部140に導かれる光の経路を示す図である。
図10に示すように、受光部140には、回折格子131により分光された1次光に加えて、回折格子131により正反射された0次光が導かれる。
図10においては、1次光が実線で示され、0次光が一点鎖線で示される。0次光は、計測距離の算出には用いられない。
【0087】
図11は、
図10の受光部140に導かれる光の受光波形W0を示す図である。
図11の横軸は受光部140の画素の位置を示し、縦軸は受光信号の強度を示す。
図11に示すように、受光波形W0は、1次光に対応する部分と0次光に対応する部分とを含む。
図7の受光波形W0と同様に、1次光に対応する受光波形W0の部分には、3個のピークP0,Px,Pyが含まれる。0次光に対応する受光波形W0の部分には、1個のピークPzが含まれる。
【0088】
図1の記憶部151には、ピークPx,Py,Pzの少なくとも1つのピークの中心が現れるべき画素の位置が基準位置として予め記憶されている。制御部152は、記憶部151に記憶された基準位置に対応するピークPx〜Pzの位置を特定する。制御部152は、特定したピークPx〜Pzの位置と基準位置とを比較することにより画素の位置のずれを算出し、算出した画素の位置のずれに基づいて受光波形W0の位置を補正する。
図11には、位置が補正された後の受光波形W0が点線で示されている。
【0089】
また、記憶部151には、ピークPx,Py,Pzの少なくとも2つのピークの中心が現れるべき画素の間隔が基準間隔として予め記憶されている。制御部152は、記憶部151に記憶された基準間隔に対応するピークPx〜Pzの間隔を特定する。制御部152は、特定したピークPx〜Pzの間隔と基準間隔とを比較することにより画素の間隔のずれを算出し、算出した画素の間隔のずれに基づいて受光波形W0の形状を補正する。
【0090】
受光部140の温度特性の補正として、画素の位置のずれに基づく受光波形W0の位置の補正および画素の間隔のずれに基づく受光波形W0の形状の補正の一方のみが行われてもよいし、両方が行われてもよい。受光部140の温度特性の補正は、上記の基底波形BLの除去よりも先に行われる。補正が行われた後の受光波形W0のピークP0を特定することにより、計測距離をより正確に算出することができる。
【0091】
(5)共焦点変位計の基本的な使用例
共焦点変位計500について基本的な使用例を説明する。以下の使用例においては、初
期状態で共焦点変位計500の電源がオンされているものとする。また、
図1の制御装置400のCPU403は、計測モードにあるものとする。
【0092】
使用者は、まず計測対象物Sを変位計測用の載置台上に固定する。その後、使用者は、計測ヘッド200から出射される光が計測対象物Sに当たるように、計測ヘッド200を計測対象物Sに対して大まかに位置決めする。計測ヘッド200は、クランプ部材等により使用者の所望の位置に所望の姿勢で固定される。
【0093】
図12は、初期状態における制御装置400の表示装置401の表示例を示す図である。
図12に示すように、表示装置401には、例えば第1の表示領域410および第2の表示領域450が設定される。初期状態では、第1の表示領域410には何も表示されない。一方、第2の表示領域450には、受光確認ボタン451、確認設定ボタン452、確認終了ボタン453および計測開始ボタン454が表示される。
【0094】
計測対象物Sに対する計測ヘッド200の相対的な位置および姿勢が適切でないと、計測対象物Sの変位を正確に計測することは難しい。そこで、使用者は、計測ヘッド200の位置および姿勢をより適切に調整するために、
図1の操作部402を用いて受光確認ボタン451を操作する。この場合、CPU403が計測モードから確認モードに切り替えられる。確認モードにおいては、CPU403により一定の周期で変化情報が生成され、生成された変化情報が第1の表示領域410に表示される。変化情報の具体的な内容および表示例は後述する。
【0095】
この状態で、使用者は、変化情報を確認しつつ計測ヘッド200の位置および姿勢を微調整することにより、計測ヘッド200をより適切に位置決めすることができる。計測ヘッド200の位置決めが完了すると、使用者は、
図1の操作部402を用いて確認終了ボタン453を操作する。それにより、CPU403の動作モードが確認モードから計測モードに切り替えられる。その後、使用者は、計測開始ボタン454を操作することにより、計測対象物Sの変位を計測することができる。
【0096】
CPU403が計測モードにある状態で計測対象物Sの変位が計測される際には、
図12の第1の表示領域410に計測結果を示す数値または現時点で取得される受光波形が表示される。
図13は、
図12の第1の表示領域410に表示される計測結果の例を示す図である。
図14は、
図12の第1の表示領域410に表示される受光波形の例を示す図である。
【0097】
図13の例では、第1の表示領域410内に、変位の計測結果を示す数値が表示されるとともに切替ボタン491が表示される。また、
図14の例では、第1の表示領域410内に、現時点で取得される受光波形が表示されるとともに切替ボタン491が表示される。使用者は、
図1の操作部402を用いて
図13の切替ボタン491を操作することにより、第1の表示領域410の表示状態を
図14の受光波形の表示状態に切り替えることができる。また、使用者は、
図1の操作部402を用いて
図14の切替ボタン491を操作することにより、第1の表示領域410の表示状態を
図13の数値による計測結果の表示状態に切り替えることができる。
【0098】
CPU403は、確認モードにある状態で受光確認処理中に、受光信号のピーク値があるしきい値よりも高いか否かに基づいて、計測ヘッド200の位置および姿勢の適否を判定し(以下、適否判定と呼ぶ。)、判定結果を変化情報とともに表示装置401に表示させることができる。また、CPU403は、ある波長範囲内にあるピークのみを上記の適否判定に用いることができる。さらに、CPU403は、種々の態様で変化情報を表示装置401に表示することができる。
【0099】
受光確認処理で用いられる適否判定のしきい値、適否判定の波長範囲および表示態様を含む種々の情報は、設定情報として
図1のメモリ404に記憶される。使用者は、
図1の操作部402を用いて
図12の確認設定ボタン452を操作するとともにそれらの情報を入力することにより、所望の設定情報をメモリ404に記憶させることができる。
【0100】
図15は、
図12の第1の表示領域410に表示される設定情報の入力画面の一例を示す図である。
図15の例では、第1の表示領域410内に、2つの入力欄461,462および2つの表示態様ボタン463,464が表示される。一方の入力欄461は、適否判定のしきい値を使用者が指定するために用いられる。他方の入力欄462は、適否判定の波長範囲を使用者が指定するために用いられる。表示態様ボタン463,464は、変化情報として現時点よりも前の時点から現時点までの受光量のピーク値の変化を例えばドットプロットグラフで表示するのか波形グラフで表示するのかを使用者が選択するために用いられる。
【0101】
なお、適否判定のしきい値は、複数の波長範囲についてそれぞれ異なる値に設定されてもよい。この場合、設定画面では、例えば複数の波長範囲にそれぞれ対応する複数のしきい値を入力するための複数の入力欄が表示されてもよい。また、適否判定のしきい値は、共焦点変位計500の製造者により予めメモリ404に記憶されてもよい。
【0102】
図16〜
図21は、受光確認処理により
図12の第1の表示領域410に表示される変化情報の例を示す図である。
図16の例では、変化情報として、現時点で取得された受光信号のピーク値(以下、現在ピーク値と呼ぶ。)、受光確認処理が開始されてから現時点までに取得された受光信号のピーク値の最大値(以下、過去最大ピーク値と呼ぶ。)、および受光確認処理が開始されてから現時点までの受光信号のピーク値の変化を示すドットプロットグラフが表示される。また、計測ヘッド200の位置および姿勢の適否判定結果が表示される。
【0103】
図16のドットプロットグラフにおいては、横軸は時間を示し、縦軸は受光信号の強度を示す。そのドットプロットグラフでは、受光確認処理が開始されてから一定の周期で制御部152により取得された受光信号のピーク値がドット表示されるとともに、予め設定された適否判定のしきい値が点線で示される。なお、ピーク値の表示周期および横軸のスケールは、使用者により設定可能であってもよい。
【0104】
さらに、
図16の例では、ハッチングで示すように、過去最大ピーク値およびそのピーク値に対応するドットが強調表示される。これにより、使用者は、表示装置401を視認することにより受光信号のピーク値の経時的な変化を容易に認識することができるので、より高いピークが得られるように計測ヘッド200の位置および姿勢を調整することができる。
【0105】
また、
図16の例では、位置姿勢適否判定結果が表示されている。位置姿勢適否判定結果は、受光信号のピーク値がしきい値を超えるときに「OK」と表示され、受光信号のピーク値がしきい値を超えないときに「NG」と表示される。位置姿勢適否判定結果が「OK」と表示されることにより、使用者は調整の終了を促される。この位置姿勢適否判定結果の「OK」または「NG」を表示するためのしきい値は、
図15の画面により設定された適否判定のしきい値と同じであってもよいし、別のしきい値であってもよい。
【0106】
例えば、位置姿勢適否判定結果は、現時点での位置姿勢の適否が,過去よりもよくなっていれば「OK」と判定してもよい。また、位置姿勢適否判定結果は、現時点での位置姿勢適否が、過去の位置姿勢よりもよく、かつ、共焦点変位計500が計測対象物Sを計測
しうる最低限の範囲よりも高いときに「OK」と表示してもよい。
【0107】
位置姿勢適否判定結果は、これ以上調整しても、計測の精度に大きな影響を与えないような範囲に入ったときに、使用者に調整終了を報知し、変位計測のステップへ促すものである。
【0108】
図17の例は、以下の点を除き
図16の例と同じである。
図17の例では、受光確認処理が開始されてから現時点までの受光信号のピーク値の変化が
図16のドットプロットグラフに代えて波形グラフで表示される。
【0109】
図18の例では、変化情報として、現在ピーク値および過去最大ピーク値が表示される。また、変化情報として、現時点の受光波形および過去最大ピーク値が得られたときの受光波形を含む波形グラフが表示される。さらに、計測ヘッド200の位置および姿勢の適否判定結果が表示される。
【0110】
図18の波形グラフにおいては、横軸は受光部140により受光された光の波長を示し、縦軸は受光信号の強度を示す。その波形グラフでは、過去最大ピーク値が得られたときの受光波形が一点鎖線で示され、現時点の受光波形が実線で示される。これにより、使用者は、表示装置401を視認しつつ、現時点の受光波形のピークが一点鎖線で示される過去の受光波形のピークを超えるように、計測ヘッド200の位置および姿勢を調整することができる。
【0111】
また、
図18の波形グラフの横軸で示される波長は、計測ヘッド200の光軸方向における計測対象物Sと計測ヘッド200との間の距離に対応する。したがって、使用者は、現時点の受光波形を視認することにより、計測ヘッド200の光軸方向における計測対象物Sと計測ヘッド200との位置関係を認識することができる。それにより、使用者は、受光信号のピーク波長が
図2の計測範囲MRに対応する波長の範囲に入るように、計測ヘッド200の位置を容易に調整することができる。
【0112】
図19の例は、以下の点を除き
図18の例と同じである。
図19の例では、
図18の波形グラフに変えて、現時点の受光波形と受光確認処理が開始されてから一定の周期で制御部152により取得された複数の受光波形とを含む波形グラフが表示される。
【0113】
図19の波形グラフにおいては、横軸は受光部140により受光された光の波長を示し、縦軸は受光信号の強度を示す。その波形グラフでは、過去に取得された複数の受光波形が点線で示され、現時点の受光波形が実線で示される。これにより、使用者は、表示装置401を視認しつつ、現時点の受光信号のピークが点線で示される過去の複数の受光波形のピークを超えるように、計測ヘッド200の位置および姿勢を調整することができる。
【0114】
図20の例は、以下の点を除き
図18の例と同じである。
図20の例では、
図18の波形グラフに代えて、現時点の受光波形と受光確認処理が開始されてから制御部152により取得された複数の受光波形のピークを結ぶ包絡線とを含む波形グラフが表示される。
【0115】
図20の波形グラフにおいては、横軸は受光部140により受光された光の波長を示し、縦軸は受光信号の強度を示す。その波形グラフでは、過去に取得された複数の受光波形のピークを結ぶ包絡線が点線で示され、現時点の受光波形が実線で示される。これにより、使用者は、表示装置401を視認しつつ、現時点の受光信号のピークの高さが点線で示される包絡線の最高点に近づくかその最高点を超えるように、計測ヘッド200の位置および姿勢を調整することができる。
【0116】
図21の例は、以下の点を除き
図16の例と同じである。
図21の例では、
図16のドットプロットグラフとともに、
図18の波形グラフが表示される。この場合、使用者は、受光信号のピークの経時的な変化および受光波形の経時的な変化を容易に認識することができる。なお、
図21の例においては、第1の表示領域410の左側に表示されるドットプロットグラフに代えて
図17の波形グラフが表示されてもよく、第1の表示領域410の右側に表示される波形グラフとして
図19または
図20の波形グラフが表示されてもよい。
【0117】
(6)変位計測処理
図22は、変位計測処理を示すフローチャートである。
図1のCPU403は、共焦点変位計500の電源がオンされることにより、一定の周期で以下の変位計測処理を実行する。初期状態において、CPU403は計測モードにある。また、表示装置401には、
図12の画面が表示されているものとする。
【0118】
まず、CPU403は、例えば
図12の受光確認ボタン451が操作されることにより確認モードへの切り替えが指令されたか否かを判定する(ステップS1)。確認モードへの切り替えが指令された場合、CPU403は、後述するステップS20の受光確認処理を行った後、変位計測処理を終了する。
【0119】
一方、確認モードへの切り替えが指令されていない場合、CPU403は、例えば
図12の確認設定ボタン452が操作されることにより確認モードの設定が指令されたか否かを判定する(ステップS2)。確認モードの設定が指令された場合、制御部152は、使用者による操作部402の操作に応答して設定情報を受け付け(ステップS11)、受け付けられた設定情報をメモリ404に記憶し(ステップS12)、変位計測処理を終了する。
【0120】
ステップS2において確認モードの設定が指令されていない場合、CPU403は、例えば
図12の計測開始ボタン454が操作されることにより、計測の開始が指令されたか否かを判定する(ステップS3)。計測の開始が指令されていない場合、CPU403は、ステップS1の処理を実行する。
【0121】
一方、計測の開始が指令された場合、CPU403は、制御部152から与えられる受光信号を取得する(ステップS4)。ここで、制御部152から与えられる受光信号には、制御部152により基底波形の除去および受光部140の温度特性の補正が行われている。
【0122】
メモリ404には、記憶部151と同様に、受光部140の画素の位置と、出力される受光波形のピーク波長と、計測距離との換算式が予め記憶されている。CPU403は、補正後の受光信号とメモリ404に記憶された換算式とに基づいて計測対象物Sの変位を算出する(ステップS5)。さらに、CPU403は、算出された変位を表示装置401に表示する(ステップS6)。その後、CPU403は、例えば使用者が
図1の操作部402を操作することにより計測の終了が指令されたか否かを判定する(ステップS7)。CPU403は、計測の終了が指令された場合に変位計測処理を終了し、計測の終了が指令されない場合にステップS4の処理を実行する。
【0123】
図23および
図24は、
図22の受光確認処理を示すフローチャートである。上記のように、
図23および
図24の受光確認処理は
図22のステップS1において確認モードへの切り替えが指令された場合に実行される。
【0124】
まず、CPU403は、制御装置400に内蔵される図示しないタイマをリセットする
とともにカウントをスタートさせる(ステップS21)。また、CPU403は受光信号の取得回数を示す変数iの値を1とする(ステップS22)。
【0125】
続いて、CPU403は、制御部152から与えられる受光信号を取得する(ステップS23)。ここで、制御部152から与えられる受光信号には、制御部152により基底波形の除去および受光部140の温度特性の補正が行われている。その後、CPU403は、取得された受光信号の受光波形を1番目の受光波形としてメモリ404に記憶し、取得された受光信号のピークを抽出するとともにそのピーク値を1番目のピーク値としてメモリ404に記憶する(ステップS24)。また、CPU403は、メモリ404に記憶された1番目のピーク値を現在ピーク値として表示装置401に表示する(ステップS25)。
【0126】
次に、CPU403は、タイマのカウントに基づいてステップS21の処理から予め定められた一定期間が経過したか否かを判定する(ステップS26)。一定期間が経過していない場合、CPU403は後述するステップS33の処理を実行する。一方、一定期間が経過している場合、CPU403は、タイマをリセットするとともにカウントをスタートさせる(ステップS27)。また、CPU403は変数iの値に1を加算する(ステップS28)。
【0127】
続いて、CPU403は、受光部140から出力される受光信号を取得する(ステップS29)。ここで、制御部152から与えられる受光信号には、基底波形の除去および受光部140の温度特性の補正が行われている。その後、CPU403は、取得された受光信号の受光波形をi番目の受光波形としてメモリ404に記憶し、取得された受光信号のピークを抽出するとともにそのピーク値をi番目のピーク値としてメモリ404に記憶する(ステップS30)。また、CPU403は、メモリ404に記憶されたi番目のピーク値および受光波形と1番目〜(i−1)番目までのピーク値および受光波形とに基づいて、変化情報を生成し、生成された変化情報を表示装置401に表示する(ステップS31)。なお、変化情報は、1番目〜(i−1)番目までのピーク値のうちの少なくとも1つとi番目のピーク値(現在ピーク値)とを含む。
【0128】
その後、CPU403は、予め設定情報としてメモリ404に記憶されているしきい値に基づいて計測ヘッド200の位置および姿勢の適否を判定し、判定結果を表示装置401に表示する(ステップS32)。なお、しきい値がメモリ404に記憶されていない場合、ステップS32の処理は省略されてもよい。
【0129】
次に、CPU403は、例えば
図12の確認終了ボタン453が操作されることにより、受光確認処理の終了が指令されたか否かを判定する(ステップS33)。受光確認処理の終了が指令されていない場合、CPU403は、ステップS26の処理を実行する。一方、受光確認処理の終了が指令された場合、CPU403は、受光確認処理を終了する。ここで、CPU403は、変化情報が受光信号のピーク値の経時的な変化を示すグラフ(
図16および
図17参照)を含む場合、受光確認処理の終了時点のグラフを記憶部151に記憶してもよい。
【0130】
(7)効果
本実施の形態に係る共焦点変位計500においては、複数の波長を有する光が投光部120により出射される。投光部120により出射された光には、レンズユニット220により色収差が発生する。また、色収差を有する光がレンズユニット220により収束されて計測対象物Sに照射される。レンズユニット220を通して計測対象物Sに照射された光のうち、計測対象物Sの表面で合焦しつつ反射された波長の光が複数の光ファイバ313〜316を通過する。
【0131】
複数の光ファイバ313〜316を通過した複数の光は、ファイバカプラ330、光ファイバ317,318、ファイバカプラ320および光ファイバ312を通して分光部130に導かれる。そのため、複数の光ファイバ313〜316を通過した複数の光が、分光部130に導かれる過程で一の光に合成される。これにより、複数の光の平均化処理を容易に行うことができる。平均化処理後の光の強度に基づいて、制御部152により計測対象物Sの変位が算出される。
【0132】
計測対象物Sの表面での乱反射により、計測対象物Sの表面の位置とは異なる位置で合焦した光がいずれかの光ファイバ313〜316を通過することがある。そのような場合でも、上記の構成によれば、平均化処理において複数の光ファイバ313〜316を通過した複数の光についての波長ごとの強度が平均される。それにより、乱反射によるランダムな計測誤差を発生させる光の成分が打ち消される。その結果、計測される計測対象物Sの変位の誤差を低減することができる。また、この構成においては、平均化処理を行うための演算を行う必要がない。これにより、計測対象物Sの変位を高速で効率よく算出することができる。
【0133】
また、本実施の形態においては、光ファイバ313〜316の先端部分がピンホールとして機能する。この場合、複数のピンホールを別個に配置する必要がない。これにより、共焦点変位計500の構成をコンパクトにすることができる。
【0134】
このように、各光ファイバ313〜316のクラッド310bを遮光部(ピンホール部材)とし、コア310aをピンホールとすることが好ましい。これにより、簡易な構成で共焦点光学系を実現することができる。一方で、光の損失を許容できる場合には、遮光性を有する板に複数のピンホールを設けた遮光部材を計測ヘッド200側における光ファイバ313〜316の端部に配置してもよい。
【0135】
さらに、本実施の形態においては、処理装置100と計測ヘッド200とが別体的に設けられ、導光部300により光学的に接続される。そのため、計測対象物Sの形状または配置等に応じて適切な色収差を発生させるレンズユニット220または適切な焦点距離を有するレンズユニット220を含む計測ヘッド200を用いて計測を用いることが容易になる。これにより、計測対象物Sの変位をより容易に計測することができる。
【0136】
また、導光部300が光ファイバを含むことにより、処理装置100と計測ヘッド200とを離間して配置することができる。計測ヘッド200には機械駆動する部品は設けられず、発熱源が存在しない。そのため、計測ヘッド200を多様な環境に配置することができる。また、後述するように、計測ヘッド200の露出する部分をガラスにより形成することにより、計測ヘッド200をより多様な環境に配置することができる。
【0137】
光源121としてレーザ光源を用いる場合には、導光部300が光ファイバを含むことが好ましい。例えば、
図5に示すように、光源121により出射されるレーザ光により蛍光体122を励起し、複数の波長を有する光を生成する場合には、光ファイバを用いることにより生成された光を効率よく抽出することができる。また、光ファイバを用いることにより、抽出された光を計測ヘッド200に効率よく供給できる。
【0138】
図1においては、ファイバカプラ330は、計測ヘッド200の筐体210内に設けられているが、ファイバカプラは、計測ヘッド200と光ファイバ313〜316とのコネクタ部内に設けられていてもよい。金属等の強固な筐体(コネクタ部)の中にファイバカプラ330が配置されることにより、ファイバカプラ330を固定および保護しつつ計測ヘッド200が大型化することを防止することができる。ファイバカプラ330は、コネクタ部の近傍に設けられてもよい。
【0139】
図1に示すように、ファイバカプラ320が処理装置100側に配置され、ファイバカプラ330が計測ヘッド200側に配置される。また、ファイバカプラ320,330間が2つのコア310aを有する光ファイバ317,318により接続される。この構成によれば、計測対象物Sから反射される光信号の損失を抑制しつつ、ファイバカプラ320,330の配置のための設計自由度を向上させることができる。
【0140】
(8)変形例
(a)導光部の変形例
本実施の形態において、導光部300は2個のファイバカプラ320,330を含むが、本発明はこれに限定されない。導光部300はファイバカプラ320,330の一方または両方を含まなくてもよい。
図25は、導光部300の第1の変形例を示す図である。
図25の例では、導光部300は
図1の光ファイバ317,318およびファイバカプラ320を含まない。ファイバカプラ330のポート331〜336には、それぞれ光ファイバ311〜316が接続される。
【0141】
図25の例では、ファイバカプラ330が処理装置100の筐体110の外に設けられているが、処理装置100の筐体110の内に設けられていてもよい。また、
図25の例では、ファイバカプラ330は導光部300のうち処理装置100に近い側に設けられているが、計測ヘッド計測ヘッド200の近傍またはコネクタ部内に設けられていてもよい。
【0142】
図25の例では、設けられるファイバカプラは1つのみであり、計測ヘッド200内にファイバカプラが配置されないので、計測ヘッド200の組み立てが容易である。ファイバカプラ330を計測ヘッド200に比べて大きい収容スペースを有する処理装置100側に配置することにより、組み立ての容易性と光の損失の低減とを両立することができる。
【0143】
図26は、導光部300第2の変形例を示す図である。
図26の例では、導光部300は
図1のファイバカプラ330に代えて、2個のファイバカプラ340を含む。各ファイバカプラ340は、いわゆる1×2型の構成を有し、3個のポート341〜343および本体部344を含む。ポート341,342とポート343とは、本体部344を挟んで対向するように本体部344に接続される。ポート341,342の少なくとも1つのポートに入力された光は、ポート343から出力される。ポート343に入力された光は、ポート341,342の各々から出力される。
【0144】
一方のファイバカプラ340のポート341,342には、それぞれ光ファイバ313,314が接続される。他方のファイバカプラ340のポート341,342には、それぞれ光ファイバ315,316が接続される。ファイバカプラ320のポート323と一方のファイバカプラ340のポート343とが光ファイバ317により接続される。ファイバカプラ320のポート324と他方のファイバカプラ340のポート343とが光ファイバ318により接続される。
【0145】
図26の例では、ファイバカプラ320が処理装置100の筐体110の外に設けられているが、処理装置100の筐体110の内に設けられていてもよい。またファイバカプラ340は、計測ヘッド200の外に設けられているが、計測ヘッド200のコネクタ部内に収容されていてもよい。
【0146】
図26の例では、計測ヘッド200側に2つのファイバカプラ340が設けられている
。この場合、ファイバカプラ340を計測ヘッド200内に設けるための設計のレイアウトを容易に行うことができる。また、計測対象物Sから反射された光の損失を抑えることができる。
【0147】
図27は、導光部300の第3の変形例を示す図である。
図27の例では、導光部300は
図1のファイバカプラ320,330に代えて、2個のファイバカプラ340,350を含む。
図27の導光部300は、
図1の光ファイバ318を含まない。
図27のファイバカプラ340は、
図26のファイバカプラ340と同様の構成を有する。
【0148】
ファイバカプラ350は、いわゆる1×4型の構成を有し、5個のポート351〜355および本体部356を含む。ポート351〜354とポート355とは、本体部356を挟んで対向するように本体部356に接続される。ポート351〜354の少なくとも1つのポートに入力された光は、ポート355から出力される。ポート355に入力された光は、ポート351〜354の各々から出力される。
【0149】
ファイバカプラ340のポート341,342には、光ファイバ311,312がそれぞれ接続される。ファイバカプラ350のポート351〜354には、光ファイバ313〜316がそれぞれ接続される。ファイバカプラ340のポート343とファイバカプラ350のポート355とが光ファイバ317により接続される。
【0150】
また、本実施の形態において、ファイバカプラ320,330,340,350を用いて光の結合および分岐が行われるが、本発明はこれに限定されない。ファイバカプラ320,330,340,350が用いられず、複数のコア310aが1つに融着された複数の光ファイバ311〜318を用いて光の結合および分岐が行われてもよい。
【0151】
図27の例では、ファイバカプラ340が処理装置100の筐体110の外に設けられているが、処理装置100の筐体110の内に設けられていてもよい。またファイバカプラ350が計測ヘッド200の外に設けられているが、計測ヘッド200のコネクタ部内に収容されていてもよい。また、ファイバカプラ340に代えて、光サーキュレータを用いてもよい。これにより、ファイバカプラ340を用いる場合に比べてよりも光の損失を低減することができる。
【0152】
(b)レンズユニットの変形例
本実施の形態において、レンズユニット220は屈折レンズ221および回折レンズ222を含むが、本発明はこれに限定されない。レンズユニット220は屈折レンズ221および回折レンズ222の一方または両方を含まなくてもよい。
図28(a)〜(d)は、レンズユニット220の第1〜第4の変形例を示す図である。
【0153】
図28(a)に示すように、第1の変形例におけるレンズユニット220は、
図1の屈折レンズ221を含まずに回折レンズ222および対物レンズ223を含む。
図28(b)に示すように、第2の変形例におけるレンズユニット220は、第1の変形例と同様に、
図1の屈折レンズ221を含まずに回折レンズ222および対物レンズ223を含む。第2の変形例においては、回折レンズ222および対物レンズ223は、第1の変形例における回折レンズ222および対物レンズ223の位置とは逆に配置される。
【0154】
図28(c)に示すように、第3の変形例におけるレンズユニット220は、第1の変形例の回折レンズ222に代えて、ダブレットレンズ224を含む。
図28(d)に示すように、第4の変形例におけるレンズユニット220は、第2の変形例の回折レンズ222に代えて、ダブレットレンズ224を含む。
【0155】
このように、レンズユニット220は、例えば回折レンズ、ダブレットレンズ、GRIN(グレーデッドインデックス)レンズもしくはプリズムまたはこれらの組み合わせにより構成されてもよい。これらのレンズユニット220の構成によれば、投光部120により出射された光に光軸方向に沿った色収差を発生させるとともに、色収差を有する光を収束させて計測対象物Sに照射することができる。
【0156】
上記のレンズは、ガラスレンズであってもよいし、樹脂レンズであってもよいし、ガラスが樹脂加工されたレンズであってもよい。ガラスレンズは、高い耐熱性を有する。樹脂レンズは、安価に製造することができる。ガラスが樹脂加工されたレンズは、比較的安価に製造することができ、かつ比較的高い耐熱性を有する。
【0157】
また、レンズユニット220のうち、計測対象物Sに最も近いレンズは、ガラスにより形成されることが好ましい。計測ヘッド200は、工場等の製造ラインにおいては、水分または油分等が存在する環境に配置される。レンズ等の計測ヘッド200の外部に露出している部分の光学系をガラスにより形成することにより、計測ヘッド200の耐油性、耐水性および耐汚染性を向上させることができる。
【0158】
同様に、レンズユニット220の光学系のうち、外気に露出する部分をガラスにより形成することが好ましい。あるいは、屈折レンズ221、回折レンズ222、対物レンズ223またはダブレットレンズ224がガラスではなく、樹脂により形成され、レンズユニット220の外気に露出する部分がガラスにより構成されてもよい。例えば、
図28(b)の例においては、回折レンズ222の下側(計測対象物S側)にカバーガラスが設けられてもよい。
【0159】
(c)投光部の変形例
本実施の形態において、光源121から出射される光の光軸とフェルール123の中心軸とが一直線上に配置されるが、本発明はこれに限定されない。
図29は、投光部120の変形例を示す図である。
図29に示すように、変形例における投光部120は、光源121、蛍光体122、フェルール123、レンズ124,128および反射部材129を含む。レンズ124は、光源121と反射部材129との間に配置される。レンズ128は、反射部材129とフェルール123との間に配置される。蛍光体122は、反射部材129の反射面に塗布される。
【0160】
光源121により出射された光は、レンズ124を通過することにより、励起光として反射部材129に塗布された蛍光体122上に集光される。蛍光体122は、励起光を吸収して蛍光を放出する。ここで、蛍光体122に吸収されずに透過した励起光と蛍光体122からの蛍光とが混合されることにより、広い波長帯域の光が生成される。生成された光は、反射部材129の反射面で反射されることにより、レンズ128を通してフェルール123に導かれる。これにより、光ファイバ311に光が入力される。この構成においては、光学素子の配置の自由度が大きくなる。そのため、投光部120を小型化することが容易になる。
【0161】
投光部120により生成される光の強度を増加させるために、光源121により出射される光の光量を大きくすることが好ましい。一方で、光源121からの光の光量を大きくすると、蛍光体122の発熱が大きくなることにより、反射部材129の反射効率が低下するとともに、蛍光体122からの蛍光の放出が飽和しやすくなる。そこで、反射部材129が回転または移動可能に構成されてもよい。これにより、蛍光体122が冷却され、発熱を抑制することができる。その結果、投光部120により生成される光の強度をより増加させることができる。
【0162】
(d)分光部の変形例
本実施の形態において、分光部130の回折格子131は反射型を有するが、本発明はこれに限定されない。
図30は、分光部130の変形例を示す図である。
図30に示すように、分光部130の変形例においては、回折格子131は透過型を有する。回折格子131に入射された光は、波長ごとに異なる角度で透過するように分光される。回折格子131により分光された光は、レンズ133を通過することにより波長ごとに異なる受光部140の画素の位置に合焦される。
【0163】
[2]第2の実施の形態
(1)共焦点変位計の基本構成
本発明の第2の実施の形態に係る共焦点変位計について、第1の実施の形態に係る共焦点変位計500と異なる点を説明する。
図31は、本発明の第2の実施の形態に係る共焦点変位計の構成を示す模式図である。
図31に示すように、共焦点変位計500の導光部300は、複数(本例では4個)のファイバカプラ340および複数(本例では12個)の光ファイバ311A〜311D,312A〜312D,313〜316を含む。
図31のファイバカプラ340は、
図26のファイバカプラ340と同様の構成を有する。
【0164】
4個のファイバカプラ340のポート341には、光ファイバ311A〜311Dがそれぞれ接続される。4個のファイバカプラ340のポート342には、光ファイバ312A〜312Dがそれぞれ接続される。4個のファイバカプラ340のポート343には、光ファイバ313〜316がそれぞれ接続される。投光部120により出射された光は、光ファイバ311A〜311Dに入力される。光ファイバ312A〜312Dから出力された光は、分光部130に導かれる。
【0165】
この構成によれば、投光部120により出射された光は、光ファイバ311A〜311Dを通して各ファイバカプラ340のポート341に入力される。各ポート341に入力された光は、対応するポート343から出力され、対応する光ファイバ313〜316および計測ヘッド200を通して計測対象物Sに照射される。計測対象物Sの表面で反射された光の一部は、計測ヘッド200および光ファイバ313〜316を通して各ポート343に入力される。各ポート343に入力された光は、対応するポート341,342から出力される。各ポート342から出力された光は、光ファイバ312A〜312Dを通して分光部130に導かれる。
【0166】
図32は、
図31の分光部130の構成を示す図である。
図32に示すように、光ファイバ312A〜312Dから出力された光は、レンズ132を通過することにより略平行化され、回折格子131に入射される。回折格子131に入射された光は、波長ごとに異なる角度で反射するように分光される。
【0167】
図33は、
図32の受光部140および受光波形を示す図である。
図33(a)に示すように、受光部140は、複数の画素が二次元状に配列された撮像素子(二次元ラインセンサ)を含む。撮像素子は、多分割PD、CCDカメラまたはCMOSイメージセンサであってもよいし、他の素子であってもよい。受光部140は、矩形状の4個の受光領域141〜144を有する。受光領域141〜144は、幅方向(長手方向に直交する方向)に並ぶように配列される。各受光領域141〜144は、一次元ラインセンサとして機能する。
【0168】
図32の光ファイバ312A〜312Dから出力されて回折格子131により分光された光は、レンズ133を通過することにより、それぞれ受光領域141〜144上において波長ごとに異なる一次元上の位置に合焦される。各受光領域141〜144の各画素からは、受光量に対応する受光信号が演算処理部150に出力される。
図33(a)におい
ては、各受光領域141〜144で最も強度が大きい受光信号を出力した画素が白丸で示されている。
【0169】
図33(b)の横軸は受光された光の波長を示し、縦軸は受光信号の強度を示す。
図32の演算処理部150は、
図33(b)に示すように各受光領域141〜144に対応する受光波形W1〜W4を取得する。演算処理部150は、取得した受光波形W1〜W4に平均化処理を行うことにより、
図4の受光波形W0と同様の受光波形W0を生成する。
【0170】
ここで、平均化処理は、平均値の算出であってもよいし、積算値の算出であってもよいし、加重平均値または他の演算値の算出であってもよい。平均化処理において、複数の光ファイバ313〜316を通過した複数の光の強度を考慮した所望の平均または積算を行うことができる。このように、電気的に受光波形W0の平均化処理が行われることにより、乱反射によるランダムな計測誤差を発生させる光の成分が打ち消される。受光波形W0のピーク波長λ0を特定することにより、計測距離をより正確に特定することができる。
【0171】
図31の構成によれば、光ファイバ312A〜312Dの光信号の中に異常値がある場合に、その異常値を容易に排除して変位を算出することができる。例えば、
図33(a)の受光領域143に対応する受光信号の強度のみが他の受光領域141,142,144に対応する受光信号の強度と比較して大きいか、または小さいことを考える。この場合、計測ヘッド200に汚れがあるか、または迷光等の影響により異常値が検出されていることが考えられる。したがって、受光領域143に対応する受光信号を除外し、他の受光領域141,142,144に対応する受光信号を用いて変位を算出することができる。
【0172】
また、4つの光信号がそれぞれ独立に受光されるので、変位を算出する際の平均化処理として、重み付け積算等の任意の演算を行うことができる。さらに、受光部140の各受光領域141〜144はつながっているので、受光部140の配置スペースを低減することができる。また、各ファイバカプラ340に代えて、光サーキュレータを用いてもよい。これにより、ファイバカプラ340を用いる場合に比べてよりも光の損失を低減することができる。
【0173】
(2)変形例
(a)第2の実施の形態における第1の変形例
本実施の形態において、受光部140が二次元ラインセンサにより実現されるが、本発明はこれに限定されない。
図34は、第2の実施の形態における第1の変形例に係る共焦点変位計500の構成を示す模式図である。
図34に示すように、第1の変形例に係る共焦点変位計500は、
図31の分光部130および受光部140に代えて、複数(本例では4個)の分光部130A〜130Dおよび複数(本例では4個)の受光部140A〜140Dを含む。
【0174】
各分光部130A〜130Dは、第1の実施の形態における
図1の分光部130と同様の構成を有する。また、各受光部140A〜140Dは、第1の実施の形態における
図1の受光部140と同様の構成を有する。そのため、各受光部140A〜140Dは一次元ラインセンサにより実現される。受光部140A〜140Dは、分光部130A〜130Dにより分光された光をそれぞれ受光するように配置される。
【0175】
光ファイバ312A〜312Dから出力された光は、それぞれ分光部130A〜130Dに導かれる。光ファイバ312A〜312Dから出力された光は、対応する分光部130A〜130Dにおいて、
図32のレンズ132を通過することにより略平行化され、回折格子131に入射される。回折格子131に入射された光は、波長ごとに異なる角度で反射するように分光される。回折格子131により分光された光は、レンズ133を通過
することにより波長ごとに異なる受光部140A〜140Dの画素の位置に合焦される。
【0176】
各受光部140A〜140Dの各画素からは、受光量に対応する受光信号が演算処理部150に出力される。演算処理部150は、各受光部140A〜140Dから取得した受光波形に電気的に平均化処理を行うことにより、
図4の受光波形W0と同様の受光波形W0を生成する。これにより、計測距離が算出される。
【0177】
第2の実施の形態における第1の変形例において、複数の分光部130A〜130Dにおける回折格子131およびレンズ132,133が、それぞれ共通の回折格子131およびレンズ132,133により実現されてもよい。すなわち、
図33(a)の受光部140の受光領域141〜144が、それぞれ別個の一次元ラインセンサにより実現されてもよい。
【0178】
図34の構成によれば、複数の受光部140A〜140Dが独立して配置されるので、各受光部140A〜140Dにより受光された光に独立した信号処理を施すことができる。これにより、ノイズが排除された変位を算出することができる。
【0179】
(b)第2の実施の形態における第2の変形例
図35は、第2の実施の形態における第2の変形例に係る共焦点変位計500の構成を示す模式図である。
図35に示すように、第2の変形例に係る共焦点変位計500は、
図31の分光部130、受光部140およびファイバカプラ340に代えて、複数(本例では2個)の分光部130A,130B、複数(本例では2個)の受光部140A,140Bおよび複数(本例では2個)のファイバカプラ320を含む。また、第2の変形例に係る共焦点変位計500は、
図31の光ファイバ311C,311D,312C,312Dを含まない。
【0180】
各ファイバカプラ320は
図1のファイバカプラ320と同様の構成を有する。2個のファイバカプラ320のポート321には、光ファイバ311A,311Bがそれぞれ接続される。2個のファイバカプラ320のポート322には、光ファイバ312A,312Bがそれぞれ接続される。一方のファイバカプラ320のポート323,324には光ファイバ313,314がそれぞれ接続され、他方のファイバカプラ320のポート323,324には光ファイバ315,316がそれぞれ接続される。
【0181】
各分光部130A,130Bは、
図34の分光部130A〜130Dと同様の構成を有する。各受光部140A,140Bは、
図34の受光部140A〜140Dと同様の構成を有する。そのため、各受光部140A,140Bは一次元ラインセンサにより実現される。投光部120により出射された光は、光ファイバ311A,311Bに入力される。光ファイバ312A,312Bから出力された光は、分光部130A,130Bにそれぞれ導かれる。分光部130A,130Bにより分光された光は、受光部140A,140Bによりそれぞれ受光される。
【0182】
この構成によれば、投光部120により出射された光は、光ファイバ311A,311Bを通して各ファイバカプラ320のポート321に入力される。各ポート321に入力された光は、対応するポート323,324から出力され、対応する光ファイバ313〜316および計測ヘッド200を通して計測対象物Sに照射される。計測対象物Sの表面で反射された光の一部は、計測ヘッド200および光ファイバ313〜316を通して各ポート323,324に入力される。各ポート323,324に入力された光は、対応するポート321,322から出力される。各ポート322から出力された光は、対応する光ファイバ312A,312Bを通して対応する分光部130A,130Bに導かれる。
【0183】
ここで、光ファイバ313,314に入力された光は光ファイバ312Aから出力されるまでの過程で混合される。また、光ファイバ315,316に入力された光は光ファイバ312Bから出力されるまでの過程で混合される。これにより、光ファイバ312Aから出力される光および光ファイバ312Bから出力される光には、強度の平均化処理(本例では積算処理)が行われる。
【0184】
光ファイバ312A,312Bから出力された光は、対応する分光部130A,130Bにおいて、
図1に示すようにレンズ132を通過することにより略平行化され、回折格子131に入射される。回折格子131に入射された光は、波長ごとに異なる角度で反射するように分光される。回折格子131により分光された光は、レンズ133を通過することにより波長ごとに異なる受光部140A,140Bの画素の位置に合焦される。
【0185】
各受光部140A,140Bの各画素からは、受光量に対応する受光信号が演算処理部150に出力される。演算処理部150は、各受光部140A,140Bから取得した受光波形にさらなる平均化処理を行うことにより、
図4の受光波形W0と同様の受光波形W0を生成する。このように、本例においては、光学的および電気的に受光波形W0の平均化処理が行われる。これにより、計測距離が算出される。
【0186】
図35の構成によれば、強度の積算を行う2つの光の組を任意に選択することができる。ここで、
図3のファイバユニット301の中心を挟んで対向する2個の光ファイバからそれぞれ出力される2つの光の強度を積算することにより、乱反射によるランダムな計測誤差を発生させる光の成分をより効率よく除去することができる。
【0187】
したがって、ファイバユニット301の中心を挟んで対向する光ファイバ313,316が一方のファイバカプラ320のポート323,324にそれぞれ接続されることが好ましい。同様に、ファイバユニット301の中心を挟んで対向する光ファイバ314,315が他方のファイバカプラ320のポート323,324にそれぞれ接続されることが好ましい。
【0188】
[3]第3の実施の形態
本発明の第3の実施の形態に係る共焦点変位計について、第1の実施の形態に係る共焦点変位計500と異なる点を説明する。
図36は、本発明の第3の実施の形態に係る共焦点変位計の構成を示す模式図である。
図36に示すように、共焦点変位計500の導光部300は、
図1の2個のファイバカプラ320,330に代えて1個の光スイッチ360を含む。また、導光部300は、
図1の光ファイバ317,318を含まない。
【0189】
光スイッチ360は、いわゆる2×4型の構成を有し、6個のポート361〜366および本体部367を含む。ポート361,362とポート363〜366とは、本体部367を挟んで対向するように本体部367に接続される。光スイッチ360のポート361〜366には、光ファイバ311〜316がそれぞれ接続される。
【0190】
ポート361,362のいずれかのポートに入力された光は、ポート363〜366のいずれかのポートから出力可能である。ポート363〜366のいずれかのポートに入力された光は、ポート361,362のいずれかのポートから出力可能である。演算処理部150の制御部152は、互いに等しい長さを有する4つの期間t1〜t4ごとにポート361,362とポート363〜366との間の接続状態を切り替える。
【0191】
期間t1には、ポート361に入力された光がポート363から出力されるとともに、ポート363に入力された光がポート362から出力される。期間t1の後の期間t2には、ポート361に入力された光がポート364から出力されるとともに、ポート364
に入力された光がポート362から出力される。期間t2の後の期間t3には、ポート361に入力された光がポート365から出力されるとともに、ポート365に入力された光がポート362から出力される。期間t3の後の期間t4には、ポート361に入力された光がポート366から出力されるとともに、ポート366に入力された光がポート362から出力される。
【0192】
この構成によれば、期間t1には、処理装置100の投光部120により出射された光は、光ファイバ311を通して光スイッチ360のポート361に入力される。ポート361に入力された光は、ポート363から出力され、光ファイバ313およびレンズユニット220を通して計測対象物Sに照射される。計測対象物Sの表面で反射された光の一部は、レンズユニット220および光ファイバ313を通してポート363に入力される。ポート363に入力された光は、ポート362から出力され、光ファイバ312を通して分光部130に導かれる。
【0193】
同様に、期間t2には、処理装置100の投光部120により出射された光は、光ファイバ311を通して光スイッチ360のポート361に入力される。ポート361に入力された光は、ポート364から出力され、光ファイバ314およびレンズユニット220を通して計測対象物Sに照射される。計測対象物Sの表面で反射された光の一部は、レンズユニット220および光ファイバ314を通してポート364に入力される。ポート364に入力された光は、ポート362から出力され、光ファイバ312を通して分光部130に導かれる。
【0194】
期間t3には、処理装置100の投光部120により出射された光は、光ファイバ311を通して光スイッチ360のポート361に入力される。ポート361に入力された光は、ポート365から出力され、光ファイバ315およびレンズユニット220を通して計測対象物Sに照射される。計測対象物Sの表面で反射された光の一部は、レンズユニット220および光ファイバ315を通してポート365に入力される。ポート365に入力された光は、ポート362から出力され、光ファイバ312を通して分光部130に導かれる。
【0195】
期間t4には、処理装置100の投光部120により出射された光は、光ファイバ311を通して光スイッチ360のポート361に入力される。ポート361に入力された光は、ポート366から出力され、光ファイバ316およびレンズユニット220を通して計測対象物Sに照射される。計測対象物Sの表面で反射された光の一部は、レンズユニット220および光ファイバ316を通してポート366に入力される。ポート366に入力された光は、ポート362から出力され、光ファイバ312を通して分光部130に導かれる。
【0196】
受光部140の各画素からは、受光信号が演算処理部150に出力される。
図37は、演算処理部150により取得される受光波形を示す図である。
図37の各期間の横軸は受光された光の波長を示し、縦軸は受光信号の強度を示す。
図37に示すように、演算処理部150は、期間t1〜t4に受光波形W1〜W4をそれぞれ取得する。
【0197】
演算処理部150は、取得した受光波形W1〜W4に平均化処理を行うことにより、
図4の受光波形W0と同様の受光波形W0を生成する。ここで、第2の実施の形態と同様に、平均化処理は、平均値の算出であってもよいし、積算値の算出であってもよいし、加重平均値または他の演算値の算出であってもよい。平均化処理において、複数の光ファイバ313〜316を通過した複数の光の強度を考慮した所望の平均または積算を行うことができる。このように、電気的に受光波形W0の平均化処理が行われることにより、乱反射によるランダムな計測誤差を発生させる光の成分が打ち消される。受光波形W0のピーク
波長λ0を特定することにより、計測距離をより正確に特定することができる。
【0198】
あるいは、受光部140は期間t1〜t4の間露光を行い、受光部140の各画素から露光期間に積算された受光信号が演算処理部150に出力されてもよい。この場合、演算処理部150は、強度の平均化処理(本例では積算処理)が行われた光に対応する受光波形W0を取得する。この場合、平均化処理を行うための演算を行う必要がない。これにより、計測対象物Sの変位を高速で効率よく算出することができる。
【0199】
このように、第1〜第3の実施においては、導光部300が光ファイバを含むことにより、共焦点変位計500を容易に構成することができる。この構成によれば、種々の光学部品を用いて光の分岐および合波を行うことが容易になる。また、複数の光ファイバを接続することにより、光を混合することが容易になる。さらに、処理装置100と計測ヘッド200との光信号の伝搬が容易になる。また、投光部120においては、光源121により出射されるレーザ光により蛍光体122が励起され、複数の波長を有する光が生成されるので、生成された光を光ファイバを用いて効率よく出射することができる。
【0200】
[4]他の実施の形態
(1)上記実施の形態において、導光部300は光ファイバを含み、光ファイバを用いて処理装置100と計測ヘッド200との間で光が伝送されるが、本発明はこれに限定されない。導光部300は光ファイバを含まず、ミラーおよびハーフミラー等の光学素子を用いて処理装置100と計測ヘッド200との間で光が伝送されてもよい。
【0201】
図38は、他の実施の形態に係る共焦点変位計の構成を示す模式図である。
図38においては、理解を容易にするために計測対象物Sの1つの部分にのみ照射される光の経路が図示されている。
図38においては、計測対象物Sの他の3つの部分に照射される光の経路の図示が省略されているが、
図38の共焦点変位計500は、4個の光源121と、これらにそれぞれ対応する4個の空間フィルタ372および4個の空間フィルタ373が設けられる。
【0202】
図38に示すように、導光部300は、
図1の光ファイバ311〜318およびファイバカプラ320,330に代えて、ハーフミラー371および上記の空間フィルタ372,373を含む。空間フィルタ372,373には、ピンホール372a,373aがそれぞれ形成される。
【0203】
投光部120から出射された光は、空間フィルタ372のピンホール372aを通過した後、ハーフミラー371を通過する。ハーフミラー371を通過した光は、レンズユニット220を通して計測対象物Sに照射される。計測対象物Sの表面で反射された光の一部は、レンズユニット220を通過し、ハーフミラー371により反射される。ハーフミラー371により反射された光は、空間フィルタ373のピンホール373aを通過して分光部130に導かれる。受光部140は、分光部130により分光された光を受光し、受光信号を出力する。
【0204】
演算処理部150は、受光部140により出力される受光信号に基づいて、上記の実施の形態で説明された光学的または電気的に平均化処理が行われた受光波形W0を取得する。このように、電気的または光学的に受光波形W0の平均化処理が行われることにより、乱反射によるランダムな計測誤差を発生させる光の成分が打ち消される。受光波形W0のピーク波長λ0を特定することにより、計測距離をより正確に特定することができる。
【0205】
(2)上記実施の形態において、
図5または
図29の投光部120は光源121からの励起光と蛍光体122からの蛍光とを混合することにより広い波長帯域の光を出射するが
、本発明はこれに限定されない。投光部120は、光源121および蛍光体122に代えて、広い波長帯域の光を出射する光源を含んでもよい。例えば、投光部120は、光源として白色光を出射するLED(発光ダイオード)またはハロゲンランプを含んでもよい。
【0206】
(3)上記実施の形態において、投光部120は連続的な波長を有する波長500nm〜700nmの光を出射するが、本発明はこれに限定されない。投光部120は連続的な波長を有する他の波長帯域の光を出射してもよい。例えば、投光部120は連続的な波長を有する赤外領域の光を出射してもよいし、連続的な波長を有する紫外領域の光を出射してもよい。
【0207】
(4)上記実施の形態において、処理装置100と計測ヘッド200とが別体として構成されるが、本発明はこれに限定されない。処理装置100と計測ヘッド200とが一体的に構成されてもよい。
【0208】
(5)上記実施の形態において、共焦点変位計500は計測対象物Sの表面の4つの部分に光が照射されるように構成されるが、本発明はこれに限定されない。共焦点変位計500は、計測対象物Sの表面の2つの部分、3つの部分または5つ以上の部分に光が照射されるように構成されてもよい。
【0209】
したがって、ファイバユニット301に含まれる光ファイバの数は、2個以上であることが好ましく、4個以上であることがより好ましい。ファイバユニット301の光ファイバの数を増加させた場合、平均化処理により測定精度をより向上させることができる一方で、ファイバユニット301の外径が大型化する。そのため、要求される測定精度とファイバユニット301の外径とに応じて光ファイバの数が決定されてもよい。
【0210】
(6)上記実施の形態において、ファイバユニット301は、その中心がレンズユニット220の光軸と略一致するように配置されるが、本発明はこれに限定されない。ファイバユニット301は、その中心がレンズユニット220の光軸から離間して配置されてもよい。
【0211】
(7)上記実施の形態において、ファイバユニット301の中心に重ならないように複数の光ファイバ313〜316が配置されるが、本発明はこれに限定されない。例えば、ファイバユニット301の中心に重なるように1個の光ファイバが配置され、当該光ファイバの周囲に他の複数のファイバが配置されてもよい。
【0212】
また、光ファイバ313,315が、
図3における光ファイバ313,315の位置よりも光ファイバ313,315の配列方向に距離L2の半分だけ変位して配置されてもよい。この場合、光ファイバ313が光ファイバ314,316に接触するとともに、光ファイバ316が光ファイバ313,315に接触するように光ファイバ313〜316が配置されてもよい。
【0213】
(8)上記実施の形態においては、CPU403は、受光確認処理において、受光信号のピーク値があるしきい値よりも高いか否かに基づいて、計測ヘッド200の位置および姿勢の適否を判定するが、本発明はこれに限定されない。CPU403は、現在ピーク値が過去最大ピーク値の予め定められた割合(以下、しきい割合と呼ぶ。)の値よりも高いか否かに基づいて、計測ヘッド200の位置および姿勢の適否を判定してもよい。この場合、しきい割合は使用者により設定可能であってもよい。
【0214】
図39は、
図12の第1の表示領域410に表示される設定情報の入力画面の他の例を示す図である。
図39の例においては、最上段の入力欄461は、しきい割合を使用者が
指定するために用いられる。入力欄461に使用者が所望の割合を入力することにより、入力された割合がしきい割合として設定される。
【0215】
図40は、使用者によりしきい割合が設定された状態で受光確認処理により
図12の第1の表示領域410に表示される変化情報の例を示す図である。
図40の例では、
図16の例と同様に、現在ピーク値、過去最大ピーク値、受光確認処理が開始されてから現時点までの受光信号のピーク値の変化を示すドットプロットグラフが表示される。また、計測ヘッド200の位置および姿勢の適否判定結果が表示される。
【0216】
さらに、本例では、使用者により設定されたしきい割合が百分率で表示されるとともに、現時点の過去最大ピーク値に対するしきい割合の値が受光信号の強度の値として表示される。また、
図40のドットプロットグラフでは、過去最大ピーク値が更新されるごとに変化する適否判定のしきい値が点線で示される。
【0217】
(9)上記実施の形態においては、
図16〜
図21および
図40に示すように、受光確認処理において表示装置401に受光信号の強度に対するしきい値またはしきい割合が表示されるが、しきい値は表示されなくてもよい。また、しきい値の表示または非表示が操作部402からの入力により切り替えることができることとしてもよい。
【0218】
(10)
図16、
図17、
図21および
図40の例において、調整にともなう時間の経過により、画面内に収まるプロットまたは波形が、過去最大ピーク値よりも低く、画面外に過去最大ピーク値がある時には、過去最大ピーク値に相当する受光信号の強度に、過去最大ピークがあったことを示す指標を示してもよい。縦軸の受光信号の強度は、現在ピーク値または現時点までの過去最大ピーク値に基づき規格化してもよい。例えば、過去最大ピーク値が80のときは、受光強度の縦軸の上限近くに80が位置するよう縦軸が構成され、調整と時間の経過とともに、過去最大ピーク値が350となれば、受光強度の縦軸の上限近くに350が位置するようトレンドグラフの縦軸が正規化されてもよい。
【0219】
[5]請求項の各構成要素と実施の形態の各部との対応関係
以下、請求項の各構成要素と実施の形態の各部との対応の例について説明するが、本発明は下記の例に限定されない。
【0220】
上記実施の形態では、計測対象物Sが計測対象物の例であり、共焦点変位計500が共焦点変位計の例であり、投光部120が投光部の例であり、レンズユニット220が光学部材の例である。光ファイバ313〜316の先端部分またはピンホール373aがピンホールの例であり、光ファイバ313〜316または空間フィルタ373がピンホール部材の例であり、処理装置100および導光部300が変位計測部の例である。
【0221】
分光部130,130A〜130Dが分光部の例であり、受光部140,140A〜140Dが受光部の例であり、演算処理部150が算出部の例であり、光ファイバ313〜316が第1の光ファイバの例である。光スイッチ360が切替部の例であり、コア310aがコアの例であり、処理装置100が処理装置の例であり、計測ヘッド200がヘッド部の例であり、筐体110,210がそれぞれ第1および第2の筐体の例であり、光源121が光源の例であり、蛍光体122が蛍光体の例である。
【0222】
図1の構成においては、ファイバカプラ320,330および光ファイバ312〜318が合成部の例であり、ファイバカプラ320,330がそれぞれ第1および第2のファイバカプラの例であり、光ファイバ311,312がそれぞれ第2および第3の光ファイバの例であり、光ファイバ317,318が第4の光ファイバの例である。
図25の構成においては、ファイバカプラ330および光ファイバ312〜316が合成部の例であり
、ファイバカプラ330がファイバカプラの例であり、光ファイバ311,312がそれぞれ第2および第3の光ファイバの例である。
【0223】
図26の構成においては、ファイバカプラ320,340および光ファイバ312〜318が合成部の例であり、ファイバカプラ320,340がそれぞれ第1および第2のファイバカプラの例であり、光ファイバ311,312がそれぞれ第2および第3の光ファイバの例であり、光ファイバ317,318が第4の光ファイバの例である。
図27の構成においては、ファイバカプラ340,350および光ファイバ312〜317が合成部の例であり、ファイバカプラ340,350がそれぞれ第1および第2のファイバカプラの例であり、光ファイバ311,312,317がそれぞれ第2〜第4の光ファイバの例である。
図35の構成においては、ファイバカプラ320および光ファイバ311A,311B,312A,312B,313〜316が合成部の例である。
【0224】
請求項の各構成要素として、請求項に記載されている構成または機能を有する他の種々の要素を用いることもできる。