特許第6972285号(P6972285)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6972285印刷層付フィルム積層体、該印刷層付フィルム積層体を含む光学積層体、およびこれらを用いた画像表示装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6972285
(24)【登録日】2021年11月5日
(45)【発行日】2021年11月24日
(54)【発明の名称】印刷層付フィルム積層体、該印刷層付フィルム積層体を含む光学積層体、およびこれらを用いた画像表示装置
(51)【国際特許分類】
   B32B 7/06 20190101AFI20211111BHJP
   B32B 27/00 20060101ALI20211111BHJP
   H01L 51/50 20060101ALI20211111BHJP
   H05B 33/02 20060101ALI20211111BHJP
   G02B 1/14 20150101ALI20211111BHJP
【FI】
   B32B7/06
   B32B27/00 B
   H05B33/14 A
   H05B33/02
   G02B1/14
【請求項の数】10
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2020-200757(P2020-200757)
(22)【出願日】2020年12月3日
(62)【分割の表示】特願2019-184357(P2019-184357)の分割
【原出願日】2019年10月7日
(65)【公開番号】特開2021-59112(P2021-59112A)
(43)【公開日】2021年4月15日
【審査請求日】2020年12月3日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003964
【氏名又は名称】日東電工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100122471
【弁理士】
【氏名又は名称】籾井 孝文
(72)【発明者】
【氏名】淵田 岳仁
(72)【発明者】
【氏名】石原 康隆
【審査官】 増田 亮子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−59860(JP,A)
【文献】 特開2017−121696(JP,A)
【文献】 国際公開第2015/152157(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B32B 1/00−43/00
H01L 51/50
H05B 33/02
G02B 1/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材フィルムと、該基材フィルムの一方の面に形成されたハードコート層と、該基材フィルムの他方の面に形成された印刷層と、該ハードコート層の表面に剥離可能に積層された保護フィルムと、を有する、印刷層付フィルム積層体であって、
該保護フィルムの第1の方向の熱収縮率および該第1の方向に直交する第2の方向の熱収縮率のうち大きいほうの熱収縮率が0.1%以下であり、
該印刷層付フィルム積層体を70℃の環境下に60分置いた後の反り量が19mm以下である、
印刷層付フィルム積層体。
【請求項2】
前記保護フィルムの厚みが、前記基材フィルムおよび前記ハードコート層の合計厚みよりも大きい、請求項1に記載の印刷層付フィルム積層体。
【請求項3】
前記基材フィルムの厚みが40μm〜100μmである、請求項1または2に記載の印刷層付フィルム積層体。
【請求項4】
前記ハードコート層の厚みが3μm〜20μmである、請求項1から3のいずれかに記載の印刷層付フィルム積層体。
【請求項5】
前記保護フィルムがポリエチレンテレフタレートを含む、請求項1から4のいずれかに記載の印刷層付フィルム積層体。
【請求項6】
前記保護フィルムの厚みが30μm〜140μmである、請求項1から5のいずれかに記載の印刷層付フィルム積層体。
【請求項7】
画像表示装置のウィンドウフィルムである、請求項1から6のいずれかに記載の印刷層付フィルム積層体。
【請求項8】
請求項1から7のいずれかに記載の印刷層付フィルム積層体と、該印刷層付フィルム積層体における前記基材フィルムの前記ハードコート層と反対側に配置された光学フィルムと、を有する、光学積層体。
【請求項9】
請求項1から7のいずれかに記載の印刷層付フィルム積層体または請求項8に記載の光学積層体を含む、画像表示装置。
【請求項10】
屈曲可能および/または折り畳み可能な有機エレクトロルミネセンス表示装置である、請求項9に記載の画像表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷層付フィルム積層体、該印刷層付フィルム積層体を含む光学積層体、およびこれらを用いた画像表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
各種製品のデザイン性向上の手段として、加飾フィルム(印刷層付フィルム)が用いられている。例えば、画像表示装置のデザイン性向上(例えば、非表示領域の配線等のベゼルを用いない隠蔽)の手段の1つとして、前面板の非表示領域に対応する部分(代表的には、周縁部)に着色層、意匠層または装飾層等を設けることが提案されている(例えば、特許文献1および2)。しかし、印刷層を形成するためには長時間加熱乾燥する必要があり、その結果、印刷層付フィルムがカールしてしまうという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−194799号公報
【特許文献2】特開2017−126003号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は上記従来の課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、高い鉛筆硬度を有し、かつ、カールが抑制された印刷層付フィルム積層体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の印刷層付フィルム積層体は、基材フィルムと、該基材フィルムの一方の面に形成されたハードコート層と、該基材フィルムの他方の面に形成された印刷層と、該ハードコート層の表面に剥離可能に積層された保護フィルムと、を有する。該保護フィルムの第1の方向の熱収縮率および該第1の方向に直交する第2の方向の熱収縮率のうち大きいほうの熱収縮率は0.1%以下であり、該印刷層付フィルム積層体を70℃の環境下に60分置いた後の反り量は19mm以下である。
1つの実施形態においては、上記保護フィルムの厚みは、上記基材フィルムおよび上記ハードコート層の合計厚みよりも大きい、
1つの実施形態においては、上記基材フィルムの厚みは40μm〜100μmである。
1つの実施形態においては、上記ハードコート層の厚みは3μm〜20μmである。
1つの実施形態においては、上記保護フィルムはポリエチレンテレフタレートを含む。
1つの実施形態においては、上記保護フィルムの厚みは30μm〜140μmである。
1つの実施形態においては、上記印刷層付フィルム積層体は、画像表示装置のウィンドウフィルムである。
本発明の別の局面によれば、光学積層体が提供される。この光学積層体は、上記の印刷層付フィルム積層体と、該印刷層付フィルム積層体における上記基材フィルムの上記ハードコート層と反対側に配置された光学フィルムと、を有する。
本発明のさらに別の局面によれば、画像表示装置が提供される。この画像表示装置は、上記の印刷層付フィルム積層体または上記の光学積層体を含む。
1つの実施形態においては、上記画像表示装置は、屈曲可能および/または折り畳み可能な有機エレクトロルミネセンス表示装置である。
【発明の効果】
【0006】
本発明の実施形態によれば、印刷層付フィルム積層体において、所定方向に所定値以下の熱収縮率を有する保護フィルムを積層することにより、高い鉛筆硬度を有し、かつ、カールが抑制された印刷層付フィルム積層体を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の1つの実施形態による印刷層付フィルム積層体の概略断面図である。
図2】本発明の1つの実施形態による光学積層体の概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の代表的な実施形態について説明するが、本発明はこれらの実施形態には限定されない。
【0009】
A.印刷層付フィルム積層体
A−1.印刷層付フィルム積層体の全体構成
図1は、本発明の1つの実施形態による印刷層付フィルム積層体の概略断面図である。図示例の印刷層付フィルム積層体100は、基材フィルム10と、基材フィルム10の一方の面に形成されたハードコート層20と、基材フィルム10の他方の面に形成された印刷層30と、ハードコート層20の表面に積層された保護フィルム40と、を有する。保護フィルム40は、ベースフィルム(樹脂フィルム)と粘着剤層とを含む。保護フィルム40は、当該粘着剤層を介してハードコート層20の表面に剥離可能に積層されている。必要に応じて、基材フィルム10と印刷層30との間には、色相調整層(図示せず)が設けられていてもよい。実用的には、印刷層30および基材フィルム10表面に、別の保護フィルム(工程保護フィルムと称される場合がある、図示せず)が剥離可能に仮着されていてもよい。
【0010】
保護フィルム40の第1の方向の熱収縮率および第1の方向に直交する第2の方向の熱収縮率のうち大きいほうの熱収縮率は0.1%以下であり、好ましくは0.08%以下であり、より好ましくは0.06%以下であり、さらに好ましくは0.05%以下である。当該熱収縮率は小さいほど好ましい。当該熱収縮率の下限は、例えば0.01%であり得る。当該熱収縮率がこのような範囲であれば、印刷層付フィルム積層体のカールが顕著に抑制され得る。第1の方向は、代表的には、保護フィルムの搬送方向である。すなわち、A−6項で後述するように、基材フィルム/ハードコート層の積層体と保護フィルムとは代表的にはロールトゥロールで積層されるところ、ロールトゥロールにおける搬送方向(長尺フィルムの長尺方向)が、代表的には第1の方向である。したがって、最終的に例えば矩形に裁断された印刷層付フィルム積層体においては、第1の方向は長辺方向であってもよく、短辺方向であってもよい。具体的には、長尺状の基材フィルム/ハードコート層/保護フィルムの積層体の長尺方向が長辺方向となるように矩形に裁断する場合には、第1の方向は長辺方向となる。一方、長尺状の基材フィルム/ハードコート層/保護フィルムの積層体の長尺方向が短辺方向となるように矩形に裁断する場合には、第1の方向は短辺方向となる。なお、A−6項で後述するように、印刷層は、代表的には裁断後に形成される。保護フィルムにおいて熱収縮率が大きい方向の熱収縮率を上記範囲に制御することにより、印刷層形成時の加熱によるカールが顕著に抑制され得る。
【0011】
保護フィルムの熱収縮率については、代表的には、搬送方向の熱収縮率が搬送方向に直交する方向(幅方向)の熱収縮率より大きい。
【0012】
印刷層付フィルム積層体は、70℃の環境下に60分置いた後の反り量が19mm以下であり、好ましくは15mm以下であり、より好ましくは10mm以下であり、さらに好ましくは7mm以下である。反り量は小さいほど好ましい。反り量の下限は、例えば2mmであり得る。本発明の実施形態によれば、印刷層付フィルム積層体において、反り量(カール)をこのように非常に小さくすることができる。その結果、印刷層付フィルム積層体は、確実かつ良好に光学フィルムまたは画像表示セルに積層することができる。
【0013】
印刷層付フィルム積層体の視認側表面(実質的には、ハードコート層表面)は、好ましくは2H以上、より好ましくは3H以上、さらに好ましくは4H以上の鉛筆硬度を有する。鉛筆硬度がこのような範囲であれば、印刷層付フィルム積層体がウィンドウフィルムとして良好に機能し得る。鉛筆硬度は、JIS K 5400−5−4に準じて測定され得る。さらに、当該視認側表面は、1000g荷重で好ましくは300回、より好ましくは500回、さらに好ましくは1000回往復摩擦しても傷を生じない耐擦傷性を有する。なお、耐擦傷性は、スチールウール#0000を用いて所定荷重(例えば、500g/cm、1000g/cm)で表面を所定の回数往復した際の傷の状態にて評価され得る。
【0014】
印刷層付フィルム積層体は、曲率半径3mm以下(例えば、3mm、2mm、1mm)で好ましくは5万回、より好ましくは10万回、さらに好ましくは20万回折り曲げ可能な屈曲性を有する。印刷層付フィルム積層体がこのような屈曲性を有することにより、印刷層付フィルム積層体を画像表示装置に適用した場合に屈曲可能または折り畳み可能な画像表示装置を実現することができる。屈曲性の試験は、ハードコート層を内側にして折り曲げて行われる。具体的には、屈曲性試験は、印刷層付フィルム積層体を100mm×20mmの短冊状に切り出して測定サンプルとし、試験機(ユアサシステム機器(株)製「CL09−typeD01−FMC90」)に、ハードコート層側を屈曲の内側となるように測定サンプルセットし、下記の条件で行う。屈曲性の評価は、試験後のサンプルの屈曲部分における剥離の状態を目視で観察することで判断し得る。
環境条件:25℃、55%RH
試験速度:60rpm
【0015】
印刷層付フィルム積層体(印刷層を除く)の光線透過率は、好ましくは85%以上であり、より好ましくは87%以上であり、さらに好ましくは90%以上である。印刷層付フィルム積層体(印刷層を除く)のヘイズは、好ましくは1.5%以下であり、より好ましくは1.2%以下であり、さらに好ましくは1.0%以下である。光線透過率および/またはヘイズがこのような範囲であれば、印刷層付フィルム積層体が画像表示装置に適用された場合に良好な視認性を実現することができる。
【0016】
印刷層付フィルム積層体は、例えば、画像表示装置のウィンドウフィルム、カーナビゲーションシステムの前面板、ヘッドアップディスプレイシステムのダストカバーとして好適に用いられ得る。
【0017】
A−2.基材フィルム
基材フィルム10は、任意の適切な材料で構成され得る。構成材料の具体例としては、ポリエチレンテレフタレート系樹脂、ポリエチレンナフタレート系樹脂、アセテート系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリアリレート系樹脂、ポリフェニレンサルファイド系樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。好ましくは、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、ポリエチレンナフタレート系樹脂、ポリカーボネート系樹脂である。耐久性および機械的強度に優れるからである。さらに好ましくは、ポリイミド系樹脂である。
【0018】
基材フィルムは、上記構成材料に配合された微粒子を含んでいてもよい。より具体的には、基材フィルムは、上記構成材料のマトリックス中にナノメートルオーダーの微粒子が分散した、いわゆるナノコンポジットフィルムであってもよい。このような構成であれば、非常に優れた硬度および耐擦傷性が付与され得る。微粒子の平均粒子径は、例えば1nm〜100nm程度である。微粒子は、代表的には無機酸化物で構成されている。好ましくは、微粒子は、所定の官能基で表面が修飾されている。微粒子を構成する無機酸化物としては、例えば、酸化ジルコニウム、イットリア添加酸化ジルコニウム、ジルコン酸鉛、チタン酸ストロンチウム、チタン酸スズ、酸化スズ、酸化ビスマス、酸化ニオブ、酸化タンタル、タンタル酸カリウム、酸化タングステン、酸化セリウム、酸化ランタン、酸化ガリウム等、シリカ、アルミナ、酸化チタン、酸化ジルコニウム、チタン酸バリウムが挙げられる。
【0019】
基材フィルムの厚みは、好ましくは40μm〜100μmであり、より好ましくは50μm〜80μmである。このような厚みであれば、薄型化、ハンドリング性、機械的強度のバランスに優れる。
【0020】
基材フィルムの鉛筆硬度は、好ましくはB以上であり、より好ましくはF以上であり、さらに好ましくはH以上である。
【0021】
A−3.ハードコート層
ハードコート層20は、代表的には、活性エネルギー線硬化型(メタ)アクリレートの硬化層である。活性エネルギー線硬化型(メタ)アクリレートとしては、例えば、紫外線硬化型(メタ)アクリレート、電子線硬化型(メタ)アクリレートが挙げられる。好ましくは、紫外線硬化型(メタ)アクリレートである。簡単な加工操作にて効率よくハードコート層を形成することができるからである。紫外線硬化型(メタ)アクリレートは、紫外線硬化型のモノマー、オリゴマー、ポリマー等を含む。紫外線硬化型(メタ)アクリレートは、紫外線重合官能基を好ましくは2個以上、より好ましくは3〜6個有するモノマー成分およびオリゴマー成分を含む。代表的には、紫外線硬化型(メタ)アクリレートには、光重合開始剤が配合されている。硬化方式は、ラジカル重合方式であってもよく、カチオン重合方式であってもよい。1つの実施形態においては、(メタ)アクリレートにシリカ粒子やポリシルセスキオキサン化合物などを配合した有機無機ハイブリッド材料を用いてもよい。ハードコート層の構成材料および形成方法は、例えば特開2011−237789号公報に記載されている。当該公報の記載は、本明細書に参考として援用される。なお、本明細書において(メタ)アクリレートとは、アクリレートおよび/またはメタクリレートを意味する。
【0022】
ハードコート層は、紫外線硬化型(メタ)アクリレートにスライドリング材料を配合して形成されてもよい。スライドリング材料を配合することにより、良好な可撓性が付与され得る。スライドリング材料の代表例としてはポリロタキサンが挙げられる。ポリロタキサンは、代表的には、直鎖状のポリエチレングリコール(PEG)主鎖をシクロデキストリン(CD)環状分子がスライドする構造を有する。PEG主鎖の両末端はアダマンタンアミンで修飾され、CD環状分子の脱落が防止される。ポリロタキサンにおいては、好ましくは、CD環状分子は化学修飾されて活性エネルギー線重合性基が付与されている。スライドリング材料を用いる場合、紫外線硬化型(メタ)アクリレートとしては、ラジカル重合性基を有するラジカル重合性モノマーが好ましく用いられる。ラジカル重合性基としては、例えば、(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリロイルオキシ基等が挙げられる。ポリロタキサンとの相溶性に優れ、かつ、多様な材料選択が可能となるからである。ポリロタキサン(実質的には、CD環状分子の重合性基)と紫外線硬化型(メタ)アクリレートの紫外線硬化性成分とが反応して硬化すると、硬化後においても架橋点が可動であるハードコート層が得られる。その結果、折り曲げ時の応力を緩和することができ、折り曲げ耐久性が向上する。ポリロタキサンおよび硬化メカニズムは、例えば特開2015−155530号公報に記載されている。当該公報の記載は、本明細書に参考として援用される。
【0023】
ハードコート層は、紫外線硬化型(メタ)アクリレートにナノファイバーおよび/またはナノクリスタルを配合して形成されてもよい。ナノファイバーの代表例としては、セルロースナノファイバー、キチンナノファイバー、キトサンナノファイバーが挙げられる。これらを配合することにより、優れた透明性を維持しつつ、可撓性、鉛筆硬度、耐擦傷性、耐摩耗性に優れたハードコート層が得られ得る。ナノファイバーおよび/またはナノクリスタル(組み合わせて用いる場合にはその合計)は、ハードコート層全体に対して好ましくは0.1重量%〜40重量%の割合で配合され得る。ナノファイバーは、平均繊維径が例えば1nm〜100nmであり、平均繊維長が例えば10nm〜1000nmである。ナノファイバーを含むハードコート層は、例えば特開2012−131201号公報、特開2012−171171号公報に記載されている。当該公報の記載は、本明細書に参考として援用される。
【0024】
ハードコート層の厚みは、好ましくは3μm〜20μmであり、より好ましくは3μm〜15μmである。厚みがこのような範囲であれば、カールを良好に抑制するとともに、優れた表面硬度と屈曲性および/または折りたたみ性とを両立することができる。
【0025】
A−4.印刷層
印刷層は、用途および所望のデザインに応じて印刷により着色されている着色層である。印刷層の色としては、例えば、黒色、褐色、白色、紺色、赤色、金色、銀色が挙げられる。印刷層は、所定のデザインが施された意匠層であってもよく、ベタの着色層であってもよい。印刷層は、好ましくはベタの着色層であり、より好ましくは黒色の着色層である。印刷層を黒色の着色層とすることにより、非表示領域において配線、端子、バックライト、その他の部品を隠蔽することができる。すなわち、印刷層は隠蔽層として機能し得る。印刷層は、目的に応じた任意の適切なパターンで形成され得る。1つの実施形態においては、印刷層は、ベゼルに対応する位置に形成され得る。このような構成であれば、ベゼルを用いずに非表示領域を隠蔽することができるので、ベゼルを用いない画像表示装置を実現することができる。その結果、最表面に段差のない、きわめて優れた外観を有する画像表示装置を提供することができる。
【0026】
印刷層は、任意の適切なインキまたは塗料を用いた任意の適切な印刷法により形成することができる。印刷法の具体例としては、グラビア印刷、オフセット印刷、シルクスクリーン印刷、転写シートからの転写印刷が挙げられる。
【0027】
使用されるインキまたは塗料は、代表的には、バインダーと着色剤と溶媒と必要に応じて用いられ得る任意の適切な添加剤とを含む。バインダーとしては、塩素化ポリオレフィン(例えば、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン)、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、セルロース系樹脂が挙げられる。バインダー樹脂は、単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。1つの実施形態においては、バインダー樹脂は熱重合性樹脂である。熱重合性樹脂は、光重合性樹脂に比べて使用量が少なくてすむので、着色剤の使用量(着色層における着色剤含有量)を増大させることができる。その結果、特に黒色の着色層を形成する場合に、全光線透過率が非常に小さく、優れた隠蔽性を有する着色層を形成することができる。1つの実施形態においては、バインダー樹脂は(メタ)アクリル系樹脂であり、好ましくは多官能モノマー(例えば、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート)を共重合成分として含む(メタ)アクリル系樹脂である。多官能モノマーを共重合成分として含む(メタ)アクリル系樹脂を用いることにより、適切な弾性率を有する印刷層が形成され得る。加えて、印刷層の厚みによる段差も形成され、当該段差がブロッキング防止に効果的に機能し得る。
【0028】
着色剤としては、目的および所望の色に応じて任意の適切な着色剤が用いられ得る。着色剤の具体例としては、チタン白、亜鉛華、カーボンブラック、鉄黒、弁柄、クロムバーミリオン、群青、コバルトブルー、黄鉛、チタンイエロー等の無機顔料;フタロシアニンブルー、インダスレンブルー、イソインドリノンイエロー、ベンジジンイエロー、キナクリドンレッド、ポリアゾレッド、ペリレンレッド、アニリンブラック等の有機顔料または染料;アルミニウム、真鍮等の鱗片状箔片からなる金属顔料;二酸化チタン被覆雲母、塩基性炭酸鉛等の鱗片状箔片からなる真珠光沢顔料(パール顔料)が挙げられる。黒色の着色層を形成する場合には、カーボンブラック、鉄黒、アニリンブラックが好適に用いられる。この場合、着色剤は併用することが好ましい。可視光を広範囲かつ均等に吸収し、色付きのない(すなわち、真っ黒な)着色層を形成し得るからである。例えば、上記の着色剤に加えて、アゾ化合物および/またはキノン化合物が用いられ得る。1つの実施形態においては、着色剤は、主成分としてのカーボンブラックとその他の着色剤(例えば、アゾ化合物および/またはキノン化合物)とを含む。このような構成によれば、色つきがなく、かつ、経時安定性に優れた着色層を形成し得る。黒色の着色層を形成する場合には、着色剤は、バインダー樹脂100重量部に対して、好ましくは50重量部〜200重量部の割合で用いられ得る。この場合、着色剤中のカーボンブラックの含有割合は、好ましくは80%〜100%である。このような割合で着色剤(特にカーボンブラック)を用いることにより、全光線透過率が非常に小さく、かつ、経時安定性に優れた着色層を形成することができる。
【0029】
印刷層の厚みは、好ましくは3μm〜15μmである。さらに、印刷層は、厚み3μm〜15μmにおける全光線透過率が好ましくは0.01%以下であり、より好ましくは0.008%以下である。全光線透過率がこのような範囲であれば、ベゼルを用いることなく画像表示装置の非表示領域を良好に隠蔽することができる。
【0030】
A−5.保護フィルム
保護フィルム40は、上記のとおり、第1の方向(代表的には、搬送方向)の熱収縮率および第2の方向(代表的には、幅方向)の熱収縮率のうち大きいほうの熱収縮率(代表的には、搬送方向の熱収縮率)が0.1%以下であり、好ましくは0.08%以下であり、より好ましくは0.06%以下であり、さらに好ましくは0.05%以下である。保護フィルムにおけるこのような熱収縮率に関する特性は、ガラス転移温度を低くすること、または、線膨張係数を高くすることにより実現され得る。
【0031】
保護フィルムは、上記のような熱収縮率を実現し得る任意の適切な材料で構成され得る。構成材料の具体例としては、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、ノルボルネン系樹脂等のシクロオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、これらの共重体樹脂等が挙げられる。好ましくはポリエステル系樹脂であり、より好ましくはポリエチレンテレフタレートである。
【0032】
保護フィルムの厚みは、好ましくは30μm〜140μmであり、好ましくは35μm〜135μmである。このような厚みであれば、上記熱収縮率に関する特性との相乗的な効果により、印刷層付フィルム積層体のカールを顕著に抑制することができる。なお、保護フィルムは上記のとおりベースフィルム(樹脂フィルム)と粘着剤層とを含み、保護フィルムの厚みはベースフィルムと粘着剤層の合計厚みである。
【0033】
保護フィルムの弾性率は、好ましくは2.2kN/mm〜4.8kN/mmである。保護フィルムの弾性率がこのような範囲であれば、印刷層付フィルム積層体のカール抑制に貢献することができる。なお、弾性率は、JIS K 6781に準拠して測定される。
【0034】
保護フィルムの引張伸度は、好ましくは90%〜170%である。保護フィルムの引張伸度がこのような範囲であれば、搬送中に破断しにくいという利点を有する。なお、引張伸度は、JIS K 6781に準拠して測定される。
【0035】
A−6.印刷層付フィルム積層体の製造方法
印刷層付フィルム積層体の製造方法は、代表的には、基材フィルムの一方の面にハードコート層を形成すること;該基材フィルムの他方の面に印刷層を形成すること;該ハードコート層の表面に保護フィルムを積層すること;該保護フィルムを積層した状態で該印刷層を加熱乾燥すること;を含む。当該製造方法の代表的な実施形態について、以下に説明する。
【0036】
ハードコート層は、代表的には、ハードコート層形成用塗布液を塗布して塗布層を形成し、塗布層に活性エネルギー線(例えば、紫外線)を照射して硬化させることにより形成される。ハードコート層形成用塗布液は、ベース樹脂として上記A−3項に記載の活性エネルギー線硬化型(メタ)アクリレートを含む。当該塗布液は、目的に応じて任意の適切な添加剤をさらに含んでいてもよい。添加剤としては、例えば、光重合開始剤、レベリング剤、ブロッキング防止剤、分散安定剤、揺変剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、消泡剤、増粘剤、分散剤、界面活性剤、触媒、フィラー、滑剤、帯電防止剤等が挙げられる。含有される添加剤の種類、組み合わせ、含有量等は、目的や所望の特性に応じて適切に設定され得る。活性エネルギー線(例えば、紫外線)の照射量(積算光量)は、例えば150mJ/cm〜400mJ/cmである。必要に応じて、活性エネルギー線照射前に塗布層を加熱してもよい。加熱温度は、例えば70℃〜100℃である。加熱時間は、例えば1分〜4分である。
【0037】
保護フィルムは、代表的には、基材フィルム/ハードコート層の積層体のハードコート層の表面にロールトゥロールにより積層され得る。保護フィルムは、上記のとおり、第1の方向(代表的には、搬送方向)の熱収縮率および第2の方向(代表的には、幅方向)の熱収縮率のうち大きいほうの熱収縮率(代表的には、搬送方向の熱収縮率)が0.1%以下であり、好ましくは0.08%以下であり、より好ましくは0.06%以下であり、さらに好ましくは0.05%以下である。
【0038】
印刷層は、代表的には、保護フィルム積層後に形成され得る。より詳細には、印刷層は、基材フィルム/ハードコート層/保護フィルムの積層体を所定サイズおよび所定形状に裁断した後に形成され得る。印刷層は、上記のとおり、グラビア印刷、オフセット印刷、シルクスクリーン印刷、転写シートからの転写印刷等により形成される。このようにして、印刷層付フィルム積層体が作製され得る。
【0039】
次いで、印刷層付フィルム積層体の印刷層を加熱乾燥することにより、最終的な印刷層付フィルム積層体が得られ得る。すなわち、印刷層の加熱乾燥は、保護フィルムを積層した状態で行われる。保護フィルムを積層した状態で印刷層を加熱乾燥することにより、カールを顕著に抑制することができる。加熱乾燥は、代表的には、40℃以上で20分以上行われる。加熱温度は、好ましくは50℃以上であり、より好ましくは60℃以上であり、さらに好ましくは70℃以上である。加熱温度の上限は、例えば95℃であり得る。加熱時間は、好ましくは30分以上であり、より好ましくは40分以上であり、さらに好ましくは50分以上であり、特に好ましくは60分以上である。加熱時間の上限は、例えば90分であり得る。加熱温度が高すぎるおよび/または加熱時間が長すぎると、印刷層付フィルム積層体のカールが大きくなる、および/または、印刷層付フィルム積層体が熱で軟化または溶融して破断してしまう場合がある。加熱温度が低すぎるおよび/または加熱時間が短すぎると、印刷層が十分に形成されない場合がある。
【0040】
実用的には、得られた印刷層付フィルム積層体の印刷層および基材フィルム表面には、工程保護フィルムが剥離可能に仮着される。工程保護フィルムが仮着された印刷層付フィルム積層体は、アラインメントカット、出荷前検査等に供される。印刷層付フィルム積層体の実用時には、保護フィルムおよび工程保護フィルムは剥離除去される。代表的には、保護フィルムが工程保護フィルムよりも後に(実質的には、最後に)剥離除去される。
【0041】
B.光学積層体
印刷層付フィルム積層体は、光学フィルムが積層されて光学積層体を構成し得る。したがって、本発明の実施形態は、光学積層体も包含する。図2は、本発明の1つの実施形態による光学積層体の概略断面図である。図示例の光学積層体200は、印刷層付フィルム積層体100と光学フィルム120とを有する。光学フィルム120は、印刷層付フィルム積層体100における基材フィルム10のハードコート層20と反対側に配置されている。光学フィルム120は、代表的には、接着層140を介して印刷層付フィルム積層体100に積層されている。接着層は、目的に応じた任意の適切な粘着剤または接着剤で構成されている。
【0042】
印刷層付フィルム積層体100は、上記A項に記載のとおりである。
【0043】
光学フィルム120としては、任意の適切な光学フィルムが挙げられる。光学フィルムは、単一層で構成されるフィルムであってもよく、積層体であってもよい。単一層で構成される光学フィルムの具体例としては、偏光子、位相差フィルムが挙げられる。積層体として構成される光学フィルムの具体例としては、偏光板(代表的には、偏光子と保護フィルムとの積層体)、タッチパネル用導電性フィルム、表面処理フィルム、ならびに、これらの単一層で構成される光学フィルムおよび/または積層体として構成される光学フィルムを目的に応じて適切に積層した積層体(例えば、反射防止用円偏光板、タッチパネル用導電層付偏光板)が挙げられる。
【0044】
光学積層体200は、印刷層付フィルム積層体100における基材フィルム10のハードコート層20と反対側に光学フィルム120を積層することにより作製され得る。光学フィルム120を積層した後、保護フィルム40は剥離される。
【0045】
C.画像表示装置
上記A項に記載の印刷層付フィルム積層体および上記B項に記載の光学積層体は、画像表示装置に適用され得る。したがって、本発明の実施形態は、そのような印刷層付フィルム積層体または光学積層体を用いた画像表示装置を包含する。画像表示装置の代表例としては、液晶表示装置、エレクトロルミネセンス(EL)表示装置(例えば、有機EL表示装置、無機EL表示装置)が挙げられる。画像表示装置は、代表的には、画像表示セルの視認側に印刷層付フィルム積層体または光学積層体を備える。画像表示装置は、好ましくは有機EL表示装置である。1つの実施形態においては、画像表示装置は、湾曲した形状(実質的には、湾曲した表示画面)を有し、および/または、屈曲もしくは折り曲げ可能である。より好ましくは、画像表示装置は折り畳み可能である。
【0046】
画像表示装置は、画像表示セル(図示せず)の視認側に光学フィルム120および印刷層付フィルム積層体100を積層することにより作製され得る。光学フィルム120および印刷層付フィルム積層体100を積層した後、保護フィルム40は剥離される。あるいは、画像表示装置は、画像表示セル(図示せず)の視認側に光学積層体200を積層することにより作製され得る。光学積層体200を積層した後、保護フィルム40は剥離される。
【実施例】
【0047】
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例によって限定されるものではない。各特性の測定方法は以下の通りである。
(1)厚み
ミツトヨ製マイクロゲージ式厚み計にて測定した。基材フィルム/ハードコート層の積層体の厚みを測定し、基材フィルムの厚みを差し引くことでハードコート層の厚みを算出した。
(2)保護フィルムの熱収縮率
実施例および比較例で用いた保護フィルムを長尺方向100mmおよび幅方向100mmのサイズに切り出して試験サンプルとした。この試験サンプルの初期の寸法を、ミツトヨ社製画像測定機「QVA606−PRO_AE10」を用いて測定した。次いで、試験サンプルを70℃で60分間加熱した後、再度寸法を測定した。以下の式から熱収縮率を算出した。なお、寸法測定は、長尺方向に対応する方向の寸法について行った。
熱収縮率(%)={(初期寸法−加熱後寸法)/(初期寸法)}×100
(3)反り量
実施例および比較例で得られた印刷層付フィルム積層体(実質的には、印刷層)を70℃で60分間乾燥した。乾燥後、印刷層付フィルム積層体を平面上に静置し、4つの隅部の平面からの高さを測定し、高さが一番大きい隅部の高さを反り量とした。
(4)鉛筆硬度
実施例および比較例において形成されたハードコート層表面について、JIS K 5600−5−4の鉛筆硬度試験に準じて(但し、荷重750g)、鉛筆硬度を測定した。
【0048】
<実施例1>
1.ハードコート層形成用塗布液の調製
ベース樹脂としての紫外線硬化型多官能アクリレート(アイカ工業社製、製品名「Z−850−16」)100質量部、レベリング剤(DIC社製、商品名:GRANDIC PC−4100)5質量部、および光重合開始剤(チバ・ジャパン社製、商品名:イルガキュア907)3質量部を混合し、固形分濃度が50質量%となるようにメチルイソブチルケトンで希釈して、ハードコート層形成用塗布液を調製した。
【0049】
2.保護フィルムの作製
攪拌羽根、温度計、窒素ガス導入管、冷却器を備えた四つ口フラスコに、ブチルアクリレート(BA)90重量部、アクリル酸(AA)10重量部、重合開始剤として2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.2重量部、酢酸エチル234重量部を仕込み、緩やかに攪拌しながら窒素ガスを導入し、フラスコ内の液温を63℃付近に保って約7時間重合反応を行い、アクリル系ポリマー(A)溶液(30重量%)を調製した。アクリル系ポリマー(A)の重量平均分子量は60万であり、Tgは−50℃であった。アクリル系ポリマー(A)溶液(30重量%)を酢酸エチルで20重量%に希釈し、この溶液のアクリル系ポリマー100重量部(固形分)に対して、架橋剤としてエポキシ系架橋剤(三菱ガス化学(株)製、TETRAD−C)11重量部を加えて、25℃付近に保って約1分間混合撹拌を行い、アクリル系粘着剤組成物を調製した。
上記アクリル系粘着剤組成物を、ポリエチレンテレフタレート(PET)基材(厚み110μm)の片面に塗布し、140℃で60秒間加熱して、厚さ20μmの粘着剤層を形成することで保護フィルム(厚み130μm)を作製した。得られた保護フィルムの熱収縮率は0.04%であった。
【0050】
3.印刷層付フィルム積層体の作製
基材フィルムとして透明ポリイミドフィルム(KOLON社製、製品名「CPITMC_80」、厚み80μm)を用いた。この基材フィルムをロール搬送しながら、その片面に上記ハードコート層形成用塗布液を塗布して塗布層を形成し、塗布層を透明ポリイミドフィルムとともに90℃で2分間加熱した。次いで、塗布層に高圧水銀ランプを用いて紫外線を積算光量300mJ/cmで照射することによりハードコート層を形成した。形成されたハードコート層の厚みは10μmであった。次いで、基材フィルム/ハードコート層の積層体のハードコート層表面に、上記2.で得られた保護フィルムをロールトゥロールにより積層してフィルム積層体を作製した。得られたフィルム積層体を長尺方向100mmおよび幅方向100mmのサイズに切り出し、その周縁部に黒色インクをグラビア印刷により印刷し、平坦な印刷層(黒色の着色層)を形成した。印刷層の幅は12mm、厚みは10μmであった。このようにして、印刷層付フィルム積層体を作製した。なお、黒色インクの処方は以下のとおりであった:バインダー樹脂(アクリル系樹脂:共栄社化学社製、商品名:ライトアクリレートPE−3A)100部、カーボンブラック100部、粘度調整のための溶媒(メチルエチルケトン:MEK)200部。これらの混合物を、超音波による高分散化処理に供し、拡散性向上を図った。
【0051】
得られた印刷層付フィルム積層体を上記(3)および(4)の評価に供した。結果を表1に示す。
【0052】
<実施例2>
基材フィルムを別の透明ポリイミドフィルム(KOLON社製、製品名「CPITMC_50」、厚み50μm)に変更したこと以外は実施例1と同様にして印刷層付フィルム積層体を得た。得られた印刷層付フィルム積層体を実施例1と同様の評価に供した。結果を表1に示す。
【0053】
<実施例3>
ハードコート層の厚みを3μmとしたこと以外は実施例1と同様にして印刷層付フィルム積層体を得た。得られた印刷層付フィルム積層体を実施例1と同様の評価に供した。結果を表1に示す。
【0054】
<実施例4>
ハードコート層の厚みを8μmとしたこと以外は実施例1と同様にして印刷層付フィルム積層体を得た。得られた印刷層付フィルム積層体を実施例1と同様の評価に供した。結果を表1に示す。
【0055】
<実施例5>
ハードコート層の厚みを13μmとしたこと以外は実施例1と同様にして印刷層付フィルム積層体を得た。得られた印刷層付フィルム積層体を実施例1と同様の評価に供した。結果を表1に示す。
【0056】
<実施例6>
ハードコート層の厚みを20μmとしたこと以外は実施例1と同様にして印刷層付フィルム積層体を得た。得られた印刷層付フィルム積層体を実施例1と同様の評価に供した。結果を表1に示す。
【0057】
<実施例7>
保護フィルムを別のポリエチレンテレフタレートフィルム(日東電工社製、製品名「IP300F」、厚み38μm、熱収縮率0.07%)に変更したこと以外は実施例1と同様にして印刷層付フィルム積層体を得た。得られた印刷層付フィルム積層体を実施例1と同様の評価に供した。結果を表1に示す。
【0058】
<比較例1>
保護フィルムをポリエチレンフィルム(東レフィルム加工社製、製品名「トレテック7832C」、厚み30μm、熱収縮率0.87%)に変更したこと以外は実施例1と同様にして印刷層付フィルム積層体を得た。得られた印刷層付フィルム積層体を実施例1と同様の評価に供した。結果を表1に示す。
【0059】
<比較例2>
保護フィルムをポリエチレンフィルム(東レフィルム加工社製、製品名「トレテック7832C」、厚み30μm、熱収縮率0.87%)に変更したこと以外は実施例2と同様にして印刷層付フィルム積層体を得た。得られた印刷層付フィルム積層体を実施例1と同様の評価に供した。結果を表1に示す。
【0060】
<比較例3>
保護フィルムを積層しなかったこと以外は実施例1と同様にして印刷層付フィルム積層体を得た。得られた印刷層付フィルム積層体を実施例1と同様の評価に供した。結果を表1に示す。
【0061】
【表1】
【0062】
<評価>
表1から明らかなように、本発明の実施例の印刷層付フィルム積層体は、高い鉛筆硬度を維持しつつ、反り量(カール)が顕著に抑制されている。
【産業上の利用可能性】
【0063】
本発明の印刷層付フィルム積層体は、画像表示装置のウィンドウフィルムとして好適に用いられ得る。本発明の光学積層体は、画像表示装置の視認側部材として好適に用いられ得る。
【符号の説明】
【0064】
10 基材フィルム
20 ハードコート層
30 印刷層
40 保護フィルム
100 印刷層付フィルム積層体
120 光学フィルム
200 光学積層体
図1
図2