【課題を解決するための手段】
【0007】
この課題は、本発明により、請求項1が対象とする温度センサユニットによって解決される。
【0008】
空間の温度分布を検出する本発明によるセンサユニットは、このために以下を有する。すなわち、
第1表面と、少なくとも部分的に第1表面の反対側にある第2表面と、を備えかつ少なくとも部分的にフレキシブルに構成されている少なくとも1つの基板と、
少なくとも1つの測定体にセンサユニットを取り付けるために、第1表面にかつ/または第2表面に少なくとも部分的に配置されている少なくとも1つの接着剤と、
基板の第2表面に配置されている少なくとも1つのセンサフィールドと、
を有する。
【0009】
本発明の関連において、「空間的な温度分布」という用語は、1つまたは複数の測定体に沿った少なくとも2つの位置における少なくとも2つの温度値の検出を示すために使用可能である。温度値の検出は、同時または順次に行うことが可能である。「異なる位置」という用語は、例えば「異なる領域」または「異なる箇所」のような用語と交換可能に使用可能である。
【0010】
少なくとも部分的にフレキシブルに構成されている基板とは、力の作用下で少なくとも特定の領域において実質的に破壊することなくその形状を変更し得る基板のことであると理解することができる。実施形態に応じて、作用する力がなくなると、基板は、元の形状に戻るか、または変化させられた形状に止まる。また、使用される実施形態に応じて、基板のすべての領域または特定の領域だけをフレキシブルに構成し、これによりこの基板を測定体の幾何学形状に適合させることも可能である。
【0011】
一般に、複数の異なる測定体において温度を測定するために、本発明によるセンサユニットを配置可能である。測定体は、使用に応じて、バッテリセル、燃料電池、または例えばモータのような熱を発する別の物体でも、センサにおける加熱素子、または例えば電子たばこまたはエアロゾル蒸発器における加熱装置のような加熱装置であってよい。
【0012】
少なくとも1つの測定体にセンサユニットを容易に取り付けるために、本発明では、基板の第1表面にかつ/または第2表面に少なくとも部分的に接着剤を配置する。
【0013】
接着剤としては、基板と測定体との機械的な結合を生じさせる任意の手段のことであると理解可能である。例えば、接着剤として接着フィルムを使用可能である。択一的または付加的には、最初のうちは液状で基板の第1および/または第2表面に被着され、次に測定体に接合される接着剤を使用することも可能である。
【0014】
温度分布を測定するため、センサユニットは、基板の第2表面に配置されているセンサフィールドを有する。センサフィールドは、センサ素子と、電気線路と、選択的には絶縁層とを含んでいてよい。センサ素子は、互いに依存せずに測定体の異なる位置に配置可能である。択一的または付加的には、センサフィールドは、1つまたは複数の測定体に沿った少なくとも2つの位置において少なくとも2つの温度値を特定するように適合化された、つながった構造を有するセンサ素子を含んでいてもよい。
【0015】
センサユニットは、付加的に、センサ素子と、電気線路と、選択的には絶縁層とを含むことができかつ基板の第1表面に配置されている第2センサフィールドを有していてよい。
【0016】
さらに有利には、本発明によるセンサユニットを使用することにより、個別センサユニットそれ自体を使用するのに比べてコスト的な利点が得られる。というのは、個別センサユニットは、個別に位置決めし、接触接続させなければならないからである。
【0017】
本発明により、はじめて可能になったのは、簡単かつスペースを節約し、複雑な測定体における種々異なる位置において温度値を並行して検出できるようにする統合化可能なセンサユニットを提供することである。
【0018】
一実施例において、センサフィールドは、温度を検出するようにそれぞれ適合化されておりかつ基板の第2表面の異なる位置に配置されている少なくとも2つのセンサ素子を有する。
【0019】
2つのセンサ素子は、少なくとも部分的に互いに接続可能であり、例えば、センサ素子は共通のアースを有していてよい。択一的には、センサ素子は、互いに依存せずに接触接続されていてよい。センサフィールドは、計画されている使用分野には依存して、2つのセンサ素子だけではなく、より多くのセンサ素子を有していてもよい。
【0020】
有利には、センサフィールドに複数のセンサ素子を使用することにより、測定体の異なる位置において温度値を検出可能である。
【0021】
一実施例では、第2表面の少なくとも1つのセンサ素子は、第2表面の少なくとも1つの導体路により、電気的に接触接続されており、かつ/または、第2表面の少なくとも1つのセンサ素子は、第1表面の少なくとも1つの導体路により、電気的に接触接続されており、基板を貫通する少なくとも1つのビア点により、第2表面のセンサ素子と、第1表面の導体路とを電気接続する。
【0022】
センサ素子の電気的な接触接続は、センサ素子も配置されている、基板の同じ側に、センサ素子を接触接続させるためのそれぞれの導体路も配置されているように行うことが可能である。これとは択一的にまたは付加的に、基板の反対側の第1表面にも導体路を配置することができ、ビア点を用いて、この導体路を第2表面のセンサ素子の端子に電気的に接触接続させることができる。この関連において「ビア点」という用語は、そこ以外では導電性でない基板の材料を貫通して、基板の第1表面から、基板の第2表面まで延在しかつ第1表面の導体路と、第2表面の導体路との間で電気接続を形成する導電性の領域のことであると理解可能である。
【0023】
有利には、基板の第1表面に少なくとも部分的に導体路を配置することにより、スペース節約して基板にセンサ素子を配置することができる。このような配置構成により、作製されるセンサユニットをコンパクトに構成することが可能である。
【0024】
別の一実施例において、センサ素子は、少なくとも部分的に、第1表面にかつ/または第2表面に配置されている共通の中央の導体路から構成可能である。
【0025】
例えば、アース端子を共通の導体路として構成可能であり、これにより、コンパクトでありかつ材料を節約する構造を得ることができる。
【0026】
別の一実施例において、センサ素子は、抵抗素子を有し、特に白金である導電性材料から成る特にメアンダ状の抵抗線を有する。
【0027】
有利には、基板にメアンダ状の抵抗線を配置することにより、コンパクトでありかつ材料を節約する構造に有効な極めて薄いセンサ素子を形成可能である。
【0028】
一実施例において、抵抗素子は、第2表面に印刷されておりかつ/または蒸着されている。
【0029】
特に有利には、基板に抵抗素子を直接、印刷することにより、対応して製造される個数の少ないセンサユニットも、生産手段のコストのかかる変更を行うことなく、コスト的に有利に製造可能である。抵抗素子を印刷しようとする場合、センサユニットの全体設計プロセスをデジタルで行うことも可能であり、これにより、企画からプロトタイプまでの時間を格段に短くすることが可能である。
【0030】
別の一実施例においてセンサ素子は、フリップチップを有する。フリップチップとして構成されている温度センサは、例えば、独国特許出願公開第102011103828号明細書に記載されている。フリップチップは、コンタクトフィールドに固定される、導体路間のブリッジを形成し、センサフィールドに、例えば温度センサを簡単に取り付けることができる。
【0031】
センサフィールドの導体路は、導電性材料、例えば、金属、導電性金属酸化物、導電性粒子が充填されたポリマまたは本質的に導電性であるポリマを含んでいてよい。
【0032】
一実施例において、少なくとも2つの導体路は、少なくとも部分的に交差し、2つの導体路が交差している領域において、少なくとも1つの絶縁層が、2つの導体路の間に配置されている。
【0033】
絶縁層は、短絡を回避するために、例えば、絶縁性材料、例えば絶縁性の金属酸化物またはポリマ、特にポリイミドを含んでいてよい。
【0034】
さらに別の一実施例において、導体路は、センサ素子に接触接続するために銀材料および/または銅材料を含む、それぞれ少なくとも1つの接続手段、特に少なくとも1つの接続パッドを有する。
【0035】
有利には、センサユニットと、評価手段、例えばコントローラとを接続するために、接続パッドに接続手段、例えば銅心線をはんだ付けすることが可能である。
【0036】
別の一実施例において、基板は、フレキシブルシート、特にポリイミドシートを有する。
【0037】
有利には、フレキシブルシートにより、電子構造の振動を減衰させ、金属製のリード線における裂けおよび接触接続箇所における接続部の破壊を阻止する。さらに有利には、センサユニットは、フレキシブルシートによって変形可能であり、センサユニットの表面に適合させることができる。
【0038】
一実施例において、接着剤は、少なくとも1つの接着フィルムを有する。
【0039】
有利には、接着フィルムにより、簡単かつコスト的に有利に、測定体の表面にセンサユニットを固定可能である。接着フィルムは、第1および/または第2表面全体にわたって延在するか、または第1および/または第2表面の部分領域だけにわたって延在してよい。
【0040】
別の一実施例では、フリップチップとして構成されている温度センサが、基板の第2表面に固定されている。フリップチップの、基板とは反対側を向いた面は、接着フィルムを介して測定体に直接、接続されている。
【0041】
接着フィルムは、粘着性材料を有していてよく、例えば、ポリアクリレート、ポリアミド、ポリウレタン、シリコーンまたエポキシなどのポリマを有していてよい。センサユニットを測定体に固定するために、ポリイミドテープをベースとする両面接着フィルム、特に高耐熱性接着フィルムを使用することも可能である。
【0042】
別の一実施例においてセンサユニットは、基板の第2表面に少なくとも部分的に配置される、少なくとも1つの一体型または複数構成型に構成された段差解消シートを有し、特に、ポリマ、導体プレート材料、特にフェルール紙またはグラス繊維強化エポキシを含む段差解消シートを有する。
【0043】
段差解消シートの厚さは、少なくとも、基板に固定されかつ選択的には接着層を備えたセンサ素子の高さに対応してよい。段差解消シートの厚さは、好ましくは、0.1mm〜1mmである。さらに、段差解消シートは、センサ素子を少なくとも部分的に包囲するために、切欠き部を有していてよい。段差解消シートは、一体型または複数構成型に構成されていてよい。
【0044】
例えば、切欠き部がセンサ素子を少なくとも部分的に包囲するように、基板において段差解消シートを位置決めすることができる。段差解消シートは、接着またはホットプレスにより、基板と接合可能である。段差解消シートを複数構成型で構成することの利点は、センサユニットのフレキシビリティが保たれることである。
【0045】
センサユニットに段差解消シートを被着することにより、有利に達成可能であるのは、センサユニットを容易に取り扱えるようにすることである。例えば、センサユニットと、測定体とを接続する際に、特に、測定体の幅の狭いスリットにセンサユニットを挿入する間に、センサ素子は、機械的な損傷から保護される。この実施形態の別の利点は、差し込みの際にセンサユニットと、測定体とが引っかかってしまうことが阻止されることである。
【0046】
さらに、上で挙げた実施例においてセンサユニットは、
基板の第2表面において、段差解消シートの切欠き領域に少なくとも部分的に配置されており、特にセンサフィールドに配置されている少なくとも1つのカバーシート、および/または
基板の第2表面において、段差解消シートの切欠き領域に少なくとも部分的に配置されており、特にセンサフィールドに配置されている、少なくとも1つの注型材料、特にケイ素化合物を有する。
【0047】
カバーシートも一体型または複数構成型に構成可能であり、少なくとも部分的に段差解消シートおよびセンサ素子をカバーしてよい。これにより、有利には、接触接続領域への水分の侵入を阻止することができる。カバーシートも、接着シートとして構成可能である。択一的または付加的には、水分の侵入を阻止するために、段差解消シートの少なくとも1つの切欠き部において、注型材料により、特にケイ素化合物により、少なくとも1つのセンサ素子をカバーすることが可能である。この際に特に有利であるのは、ケイ素化合物が、良好な熱伝導率を有する場合である。
【0048】
本発明では、測定体において、特にバッテリまたは燃料電池の異なるセルにおいて、空間の温度分布を検出するための、本発明によるセンサユニットの使用も提案される。
【0049】
本発明により、ガルバニ電池に配置された、本発明による少なくとも1つのセンサユニットを有するガルバニ電池、特にバッテリセルまたは燃料電池も提案される。
【0050】
さらに、本発明により、空間の温度分布を検出するセンサユニットの製造方法が提案され、この方法は、以下のステップ、すなわち、
第1表面と、少なくとも部分的にこの第1表面の反対側にある第2表面と、を備えかつ少なくとも部分的にフレキシブルに構成されている少なくとも1つの基板を準備するステップと、
少なくとも1つの測定体にセンサユニットを取り付けるために、基板の第1表面にかつ/または第2表面に少なくとも部分的に少なくとも1つの接着剤を配置するステップと、
基板の第2表面に少なくとも1つのセンサフィールドを配置するステップと、
を有する。
【0051】
一実施例において、少なくとも1つのセンサフィールドを配置するステップは、
スクリーン印刷、彫刻印刷、パッド印刷を用いて、かつ/または、金、銀、白金から成る金属粒子および/または銀・パラジウム合金を含むインクをベースとしたインクジェット印刷を用いて、センサフィールドを配置すること、および/または
第2表面への金属層の蒸着および/または金属層のレーザアブレーションを用いてセンサフィールドを配置すること、および/または
金属、特に貴金属を含むエアロゾルのデポジットによるエアロゾルデポジット法を用いてセンサフィールドを配置すること、を有する。
【0052】
例えば、インクジェットを用いたセンサフィールドの印刷用には、金属粒子、特にナノ金属粒子をベースとするインクジェットインクを使用可能である。金ナノ粒子の製造は、例えば、独国特許出願公開第102013016280号明細書から公知であり、導電性の耐酸化構造を形成するのに特に適している。
【0053】
センサフィールド内において、このセンサフィールドを含むセンサ素子は、異なる材料から成る電気線路および絶縁層を有していてよい。例えば、センサ素子は、貴金属を有していてよく、電気線路は、銅または銀を有していてよく、絶縁層はポリイミドを有していてよい。
【0054】
別の一実施例において、少なくとも1つのセンサフィールドを配置するステップは、
センサフィールドに含まれている少なくとも2つのセンサ素子のうちの少なくとも1つの電気的な接触接続のために、少なくとも1つの導体路、特に複数の導体路を配置すること、および/または
導体路に少なくとも1つの接続手段、特に少なくとも1つの接続パッドを配置することを有する。
【0055】
本発明の別の特徴および利点は、本発明の好ましい実施形態が概略図面に基づいて説明されている以下の説明から明らかになる。