(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を適宜参照しながら本発明の実施の形態について説明する。なお、
図1を含め、以下の図面では各構成部材の大きさの関係が実際のものとは異なる場合がある。また、
図1を含め、以下の図面において、同一の符号を付したものは、同一又はこれに相当するものであり、このことは明細書の全文において共通することとする。さらに、明細書全文に表わされている構成要素の形態は、あくまでも例示であって、これらの記載に限定されるものではない。
【0010】
実施の形態1.
(構成)
図1は、本発明の実施の形態1に係る空気調和装置の構成を示す概略図である。
図1に示すように、空気調和装置1は、筐体90を備える。筐体90には、室内吸込口91、室内吹出口92、室外吸込口93、及び室外吹出口94が形成されている。室内吸込口91は、室内から室内空気Aを筐体90内に取り込むための開口である。室内吹出口92は、室内空気Aを室内に吹き出すための開口である。室外吸込口93は、室外から室外空気Bを筐体90内に取り込むための開口である。室外吹出口94は、室外空気Bを室外に吹き出すための開口である。
【0011】
筐体90は、仕切り板95により内部が2つの空間に仕切られ、室内空気Aが流通する第1風路90aと、室外空気Bが流通する第2風路90bとが形成されている。即ち、筐体90は、仕切り板95によって、室内吸込口91及び室内吹出口92と連通する空間と、室外吸込口93及び室外吹出口94と連通する空間とに仕切られている。
【0012】
空気調和装置1は、冷媒回路10を備える。冷媒回路10は、圧縮機20と、膨張弁30と、蒸発器40と、凝縮器50とを備える。圧縮機20、凝縮器50、膨張弁30、及び蒸発器40は、順次、冷媒配管60により環状に接続され、冷媒が循環する。冷媒配管60は、例えば、アルミニウム製である。
【0013】
蒸発器40は、筐体90内の第1風路90aに配置されている。蒸発器40は、室内空気Aと冷媒とを熱交換する。蒸発器40は、冷媒が流通する複数の伝熱管41と、複数の伝熱管41に接合された複数のフィン42とを備える。なお、
図1においては、蒸発器40を側面から見た状態を示している。なお、伝熱管41は蒸発器側伝熱管に相当し、フィン42は蒸発器側フィンに相当する。
【0014】
複数の伝熱管41は、内部に冷媒流路を有する。複数の伝熱管41は、例えば、冷媒流路の軸に直交する断面が円形形状を有する円管である。なお、複数の伝熱管41は、円管に限定されず、冷媒流路の軸に直交する断面が扁平形状を有する扁平管であっても良い。
【0015】
フィン42は、例えば、プレートフィンである。なお、フィン42は、プレートフィンに限定されず、コルゲートフィンであっても良い。
【0016】
蒸発器40を構成する、複数の伝熱管41及び複数のフィン42は、アルミニウム製である。
【0017】
第1風路90aには、室内送風機70が配置されている。室内送風機70は、室内空気Aを室内吸込口91から吸い込み、室内吹出口92から室内へ吹き出す。室内送風機70は、例えばプロペラファンである。なお、室内送風機70はこれに限定されず、例えばクロスフローファンであっても良い。
【0018】
筐体90内において蒸発器40の下方には、蒸発器40で発生した凝縮水Cを貯水する室内側ドレンパン110が配置されている。
【0019】
凝縮器50は、第2風路90bに配置されている。凝縮器50は、室外空気Bと冷媒とを熱交換する。凝縮器50の構成は後述する。
【0020】
第2風路90bには、室外送風機80が配置されている。室外送風機80は、室外空気Bを室外吸込口93から吸い込み、室外吹出口94から室外へ吹き出す。室外送風機80は、例えばシロッコファンである。なお、室外送風機80はこれに限定されず、例えばプロペラファンであっても良い。
【0021】
筐体90の第1風路90aと第2風路90bは、筐体90の内部において水平方向に隣り合って形成されている。すなわち、蒸発器40と凝縮器50は、筐体90の内部において、水平方向に離れた位置に配置されている。
【0022】
圧縮機20は、第2風路90bに配置されている。膨張弁30は、第1風路90aに配置されている。なお、圧縮機20は、第2風路90bに配置されてもよい。また、膨張弁30は、第2風路90bに配置されてよい。
【0023】
圧縮機20、膨張弁30、蒸発器40、及び凝縮器50は、1つの筐体90の内部に収納されている。空気調和装置1は、1つの筐体90に、室内空気Aが流通する第1風路90a及び室外空気Bが流通する第2風路90bが形成されている。即ち、空気調和装置1は、一体型空調機を構成する。
【0024】
空気調和装置1は、散水装置100を備える。散水装置100は、水ポンプ101と、水配管102と、水散水部103とを有する。水散水部103は、筐体90内において凝縮器50の上方に配置されている。水ポンプ101は、室内側ドレンパン110に配置されている。水配管102は、水ポンプ101と水散水部103とを連結する。散水装置100は、室内側ドレンパン110に貯水された凝縮水Cを水ポンプ101により吸引し、水配管102を介して、水散水部103から凝縮器50へ散水する。即ち、散水装置100は、蒸発器40で発生した凝縮水Cを凝縮器50へ散水する。
【0025】
図2は、本発明の実施の形態1に係る空気調和装置の凝縮器を示す斜視図である。
なお、
図2において、z方向は上下方向である。x方向は凝縮器50を通過する室外空気Bの流れ方向である。y方向はz方向及びy方向に直交する方向である。x方向及びy方向は水平面に平行である。
図2に示すように、凝縮器50は、複数の伝熱管51と、複数のフィン52と、第1ヘッダ53と、第2ヘッダ54とを備える。
【0026】
複数の伝熱管51は、第1ヘッダ53と第2ヘッダ54との間に、互いに平行に配列されている。複数の伝熱管51は、例えば、長手方向が上下方向に向くように配置されている。複数の伝熱管51は、内部に冷媒流路を有する。複数の伝熱管51は、冷媒流路の軸に直交する断面が扁平形状を有する扁平管である。複数の伝熱管51は、断面の扁平形状の長軸が、室外空気Bの流通方向に沿うように配置されている。
【0027】
第1ヘッダ53及び第2ヘッダ54は、互いに平行に配列されている。第1ヘッダ53及び第2ヘッダ54は、例えば、長手方向が水平方向に向くように配置されている。第1ヘッダ53は、第2ヘッダ54よりも上に配置されている。第1ヘッダ53は、複数の伝熱管51の一方の端部がそれぞれ接続されている。また、第1ヘッダ53の上面に、散水装置100から凝縮水Cが散水される。第2ヘッダ54は、複数の伝熱管51の他方の端部がそれぞれ接続されている。第1ヘッダ53へ流入した冷媒は、複数の伝熱管51のそれぞれの冷媒流路に分岐され、第2ヘッダ54にて再び合流したあと、第2ヘッダ54から流出する。
【0028】
複数のフィン52は、それぞれ、複数の伝熱管51の間に配置されている。複数のフィン52は、例えばコルゲートフィンである。
【0029】
図3は、本発明の実施の形態1に係る空気調和装置の凝縮器の要部を示す正面図である。
図3に示すように、複数の伝熱管51は、第1伝熱管51−1及び第2伝熱管51−2を含む。第1伝熱管51−1及び第2伝熱管51−2は、互いに隣り合って配列されている。第1伝熱管51−1及び第2伝熱管51−2は、互いに平行に配列されている。第1伝熱管51−1と第2伝熱管51−2との間に、フィン52が配置されている。
【0030】
凝縮器50を構成する、第1ヘッダ53、第2ヘッダ54、複数の伝熱管51及び複数のフィン52は、アルミニウム製である。
【0031】
(動作)
次に、空気調和装置1の動作について説明する。
冷房運転が開始されると、圧縮機20、室内送風機70、及び室外送風機80が動作する。圧縮機20は、低温低圧の冷媒を吸入し、高温高圧の冷媒を吐出する。圧縮機20から吐出された高温高圧の冷媒は、凝縮器50へ流入する。凝縮器50に流入した冷媒は、室外送風機80から送風された室外空気Bと熱交換して放熱し、温度が低下して液状態の冷媒となって、凝縮器50から流出する。凝縮器50から流出した冷媒は、膨張弁30によって減圧されて気液二相状態の冷媒となり、蒸発器40に流入する。蒸発器40に流入した冷媒は、室内送風機70から送風された室内空気Aと熱交換して吸熱、蒸発し、ガス状態の冷媒となって蒸発器40から流出する。蒸発器40から流出した冷媒は、圧縮機20へ吸入される。
【0032】
室内空気Aが蒸発器40を通過する際、室内空気Aに含まれる水蒸気が凝縮し、凝縮水Cとなる。蒸発器40で発生した凝縮水Cは、蒸発器40の下方に配置された室内側ドレンパン110に貯水される。散水装置100は、室内側ドレンパン110に貯水された凝縮水Cを水ポンプ101により吸引し、水配管102を介して、水散水部103から凝縮器50へ散水する。具体的には、散水装置100は、第1ヘッダ53の上面に凝縮水Cを散水する。
【0033】
なお、散水装置100は、例えば、室内側ドレンパン110に貯水された凝縮水Cの水位を検知する水位センサを設け、凝縮水Cの水位が所定のレベルを超えた場合に、水ポンプ101を動作させても良い。
【0034】
第1ヘッダ53の上面に散水された凝縮水Cは、第1ヘッダ53の縁部から、複数の伝熱管51及び複数のフィン52の表面を伝って下方に流れる。即ち、凝縮水Cは、
図2及び
図3における、−z方向に流れる。第1ヘッダ53から、複数のフィン52に伝わった凝縮水Cは、複数のフィン52の表面に沿って下方へ流れる。
【0035】
複数のフィン52がコルゲートフィンである場合、第1ヘッダ53からフィン52に伝わった凝縮水Cは、コルゲートフィンであるフィン52の湾曲形状に沿って、湾曲しながら下方へ流れる。即ち、凝縮水Cがフィン52を伝って流れる経路は、第1ヘッダ53と第2ヘッダ54との間の距離と比較して、長くなる。
【0036】
凝縮水Cは、複数の伝熱管51及び複数のフィン52を伝って下方に流れる際、複数の伝熱管51内の冷媒によって加熱され、蒸発し、水蒸気となる。水蒸気は、室外空気Bと共に、第2風路90bを流通し、室外吹出口94から室外へと流出する。
【0037】
(効果)
以上のように本実施の形態1においては、空気調和装置1は、室内空気Aと冷媒とを熱交換する蒸発器40と、室外空気Bと冷媒とを熱交換する凝縮器50と、蒸発器40で発生した凝縮水Cを凝縮器50へ散水する散水装置100とを備える。凝縮器50は、互いに平行に配列された第1ヘッダ53及び第2ヘッダ54と、第1ヘッダ53と第2ヘッダ54との間に、互いに平行に配列された複数の伝熱管51と、複数の伝熱管51の間に配置されたフィン52とを備える。
このため、散水装置100から凝縮器50へ散水された凝縮水Cが、複数の伝熱管51の間に配置されたフィン52の表面に滞留し易くなり、凝縮器50において蒸発される凝縮水Cの量を向上することができる。また、空気調和装置1は、散水装置100を備えるので、蒸発器40と凝縮器50とを水平方向に離れて配置した場合であっても、蒸発器40で発生した凝縮水Cを凝縮器50へ散水することができる。よって、筐体90内における、蒸発器40と凝縮器50との配置位置の自由度を向上することができる。
【0038】
また本実施の形態1においては、第1ヘッダ53及び第2ヘッダ54は、水平方向に延び、第1ヘッダ53は、第2ヘッダ54よりも上に配置される。また、散水装置100は、第1ヘッダ53の上面に、凝縮水Cを散水するように構成される。
このため、凝縮水Cは、第1ヘッダ53の上面から、複数の伝熱管51及び複数のフィン52の表面を伝って第2ヘッダ54まで流れる。よって、凝縮水Cが凝縮器50の表面の全体を伝って流れることとなり、凝縮器50において蒸発される凝縮水Cの量を向上することができる。
【0039】
また本実施の形態1においては、フィン52は、コルゲートフィンである。
このため、第1ヘッダ53からフィン52に伝わった凝縮水Cは、コルゲートフィンであるフィン52の湾曲形状に沿って、湾曲しながら下方へ流れる。即ち、凝縮水Cがフィン52を伝って流れる経路は、第1ヘッダ53と第2ヘッダ54との間の距離と比較して、長くなる。よって、フィン52がプレートフィンである場合と比較して、凝縮水Cがフィン52からの熱を受ける時間が長くなり、凝縮水Cが蒸発し易くなる。したがって、凝縮器50において蒸発される凝縮水Cの量を向上することができる。
【0040】
また本実施の形態1においては、凝縮器50を構成する、第1ヘッダ53、第2ヘッダ54、複数の伝熱管51、及びフィン52は、アルミニウム製である。
このため、凝縮器50が銅製又は鉄製である場合と比較して、凝縮器50を軽量化することができる。
【0041】
また本実施の形態1においては、蒸発器40を構成する、複数の伝熱管41及び複数のフィン42は、アルミニウム製である。
このため、蒸発器40が銅製又は鉄製である場合と比較して、蒸発器40を軽量化することができる。また、蒸発器40が銅製又は鉄製である場合と比較して、蒸発器40で発生した凝縮水Cに、銅イオンなどの、アルミニウムよりも貴となる金属イオンが溶け込むことを抑制することができる。よって、蒸発器40で発生した凝縮水Cが、アルミニウム製である凝縮器50へ散水された場合における、凝縮器50の異種金属接触腐食を防止することができる。
【0042】
また本実施の形態1においては、冷媒配管60は、アルミニウム製である。
このため、冷媒配管60が銅製又は鉄製である場合と比較して、蒸発器40を軽量化することができる。また、冷媒配管60が銅製又は鉄製である場合と比較して、蒸発器40で発生した凝縮水Cに、銅イオンなどの、アルミニウムよりも貴となる金属イオンが溶け込むことを抑制することができる。よって、蒸発器40で発生した凝縮水Cが、アルミニウム製である凝縮器50へ散水された場合における、凝縮器50の異種金属接触腐食を防止することができる。
【0043】
また、蒸発器40と、凝縮器50と、冷媒配管60とがアルミニウム製である場合、冷媒回路10を製造する際に異種金属接合する必要がなく、冷媒回路10の製造性を向上することができる。
【0044】
なお、本実施の形態1においては、凝縮器50は、第1ヘッダ53と第2ヘッダ54との間に、互いに平行に配列された複数の伝熱管51を備える構成を説明したが、本発明はこれに限定されない。複数の伝熱管51に代えて、例えば、冷媒流路の軸に直交する断面が円形形状を有する円管を備えても良い。また、フィン52は、コルゲートフィンに限らず、プレートフィンであっても良い。
このような構成においても、凝縮器50において蒸発される凝縮水Cの量を向上することができる。
【0045】
(変形例)
上記の説明では、散水装置100は、水ポンプ101と、水配管102と、水散水部103とを有する構成について説明した。散水装置100の構成は、これに限定されない。散水装置100は、蒸発器40で発生した凝縮水Cを凝縮器50へ散水する構成であれば良い。
【0046】
図4は、本発明の実施の形態1に係る空気調和装置の構成の変形例を示す概略図である。
図4に示すように、筐体90内において凝縮器50の下方には、室外側ドレンパン120が配置されている。室外側ドレンパン120と室内側ドレンパン110とは、水配管121によって連結されている。室内側ドレンパン110に貯水された凝縮水Cは、水配管121を介して、室外側ドレンパン120へ移動する。室外側ドレンパン120は、蒸発器40で発生した凝縮水Cを貯水する。室外側ドレンパン120には散水装置130が配置されている。
【0047】
散水装置130は、円盤形状を有し、外周に凝縮水Cを保持する羽根が設けられている。散水装置130は、モーター等の駆動手段によって回転駆動され、室外側ドレンパン120に貯水された凝縮水Cを、外周の羽根によって跳ね上げ、凝縮器50の側面へ散水する。
このような構成においても、散水装置130から凝縮器50へ散水された凝縮水Cが、フィン52に滞留し、凝縮器50において蒸発される凝縮水Cの量を向上することができる。
【0048】
なお、散水装置130を、第2風路90bにおいて凝縮器50の風上側に配置しても良い。これにより、散水装置130によって散水された凝縮水Cが室外空気Bの流れに乗り、凝縮器50に確実に付着させることができる。
【0049】
実施の形態2.
以下、実施の形態2における空気調和装置1の構成について、上記実施の形態1との相違点を中心に説明する。なお、上記実施の形態1と同一部分には同一の符号を付し、説明を省略する。
【0050】
図5は、本発明の実施の形態2に係る空気調和装置の凝縮器を示す斜視図である。
図6は、本発明の実施の形態2に係る空気調和装置の凝縮器を示す上面図である。
図5及び
図6に示すように、凝縮器50は、複数の伝熱管51の間にそれぞれ配置された複数のフィン52aを備える。複数のフィン52aは、例えばコルゲートフィンである。散水装置100は、第1ヘッダ53の上面に凝縮水Cを散水する。
【0051】
複数のフィン52aは、凝縮器50を、第1ヘッダ53の上面から見た場合、複数のフィン52aの端部が、第1ヘッダ53の端部よりも突出している。即ち、
図6に示すように、複数のフィン52aのx方向の長さは、第1ヘッダ53のx方向の長さよりも長い。
【0052】
なお、
図6に示す例では、複数のフィン52aの両方の端部が、第1ヘッダ53の端部よりも突出しているが、これに限定されない。複数のフィン52aの一方の端部が、第1ヘッダ53の端部よりも突出しても良い。
【0053】
以上のように本実施の形態2においては、上面視において、複数のフィン52の端部が第1ヘッダ53の端部よりも突出している。
このため、第1ヘッダ53の上面に散水された凝縮水Cが、第1ヘッダ53の縁部から複数のフィン52aを伝って下方に流れる際、複数のフィン52aの表面に凝縮水Cが付着し易くなる。よって、散水装置100から凝縮器50へ散水された凝縮水Cが、複数のフィン52aの表面に滞留し易くなり、凝縮器50において蒸発される凝縮水Cの量を向上することができる。
【0054】
実施の形態3.
以下、実施の形態3における空気調和装置1の構成について、上記実施の形態1及び2との相違点を中心に説明する。なお、上記実施の形態1及び2と同一部分には同一の符号を付し、説明を省略する。
【0055】
図7は、本発明の実施の形態3に係る空気調和装置の凝縮器を示す斜視図である。
図7に示すように、凝縮器50の第1ヘッダ53aは、上面が水平面に対して上方に突出した曲面である。具体的には、第1ヘッダ53aの上面は、室外空気Bの流れ方向において、中央が上方に突出し端部が下方に向かって傾斜する凸状の曲面形状を有している。このような構成により、第1ヘッダ53aの上面に散水された凝縮水Cが、曲面に沿って下方へ流れる。
【0056】
なお、
図7に示す例では、第1ヘッダ53aの両方の端部が下方へ向かって傾斜する曲面であるが、これに限定されない。第1ヘッダ53aの一方の端部下方に向かって傾斜する曲面でも良い。
【0057】
以上のように本実施の形態3においては、第1ヘッダ53aの上面は、水平面に対して上方に突出した曲面である。
このため、凝縮水Cが凝縮器50の上方から散水された場合でも、第1ヘッダ53aの上面に凝縮水Cが滞留し難くなる。よって、散水装置100から凝縮器50へ散水された凝縮水Cが、複数のフィン52へ到達し易くなり、凝縮器50において蒸発される凝縮水Cの量を向上することができる。
【0058】
(変形例)
図8は、本発明の実施の形態3に係る空気調和装置の凝縮器の変形例を示す斜視図である。
図8に示すように、凝縮器50の第1ヘッダ53bは、上面が水平面に対して傾斜する傾斜面である。具体的には、第1ヘッダ53bの上面は、室外空気Bの流れ方向において、中央部を頂点とし両端部へ向かって傾斜する傾斜面によって構成されている。このような構成により、第1ヘッダ53bの上面に散水された凝縮水Cが、傾斜面に沿って下方へ流れる。
【0059】
なお、
図8に示す例では、第1ヘッダ53bの両方の端部が下方へ向かって傾斜する傾斜面であるが、これに限定されない。第1ヘッダ53bの一方の端部から他方の端部に向かって傾斜する傾斜面でも良い。
【0060】
このような構成においても、第1ヘッダ53bの上面に凝縮水Cが滞留し難くなる。よって、散水装置100から凝縮器50へ散水された凝縮水Cが、複数のフィン52へ到達し易くなり、凝縮器50において蒸発される凝縮水Cの量を向上することができる。
【0061】
実施の形態4.
以下、実施の形態4における空気調和装置1の構成について、上記実施の形態1〜3との相違点を中心に説明する。なお、上記実施の形態1〜3と同一部分には同一の符号を付し、説明を省略する。
【0062】
図9は、本発明の実施の形態4に係る空気調和装置の凝縮器を示す斜視図である。
図10は、本発明の実施の形態4に係る空気調和装置の凝縮器を示す縦断面図である。なお、
図10は、凝縮器50をxy平面で切断した断面を示している。
図9及び
図10に示すように、凝縮器50の第2ヘッダ54aは、上面が下方に凹んで形成された貯水部56を有する。具体的には、第2ヘッダ54aの上面において、縁部55が上方に突出し、縁部55によって囲まれた内側に貯水部56が形成されている。
【0063】
散水装置100は、第1ヘッダ53の上面に凝縮水Cを散水する。第1ヘッダ53の上面に散水された凝縮水Cは、第1ヘッダ53の縁部から、複数の伝熱管51及び複数のフィン52の表面を伝って下方に流れる。凝縮水Cは、複数の伝熱管51及び複数のフィン52を伝って下方に流れる際、複数の伝熱管51内の冷媒によって加熱され、蒸発し、水蒸気となる。一部の凝縮水Cが蒸発しきれずに第2ヘッダ54aに到達した場合、凝縮水Cは、第2ヘッダ54aの上面に形成された貯水部56に貯水される。貯水部56に貯水された凝縮水Cは、第2ヘッダ54a内の冷媒によって加熱され、蒸発し、水蒸気となる。水蒸気は、室外空気Bと共に、第2風路90bを流通し、室外吹出口94から室外へと流出する。
【0064】
以上のように本実施の形態4においては、第2ヘッダ54aは、上面が下方に凹んで形成された貯水部56を有する。
このため、一部の凝縮水Cが蒸発しきれずに第2ヘッダ54aに到達した場合であっても、凝縮水Cが凝縮器50の下方へ流れ出ること防止できる。また、貯水部56に貯水された凝縮水Cは、第2ヘッダ54a内の冷媒によって加熱され、蒸発が促進されるため、凝縮器50において蒸発される凝縮水Cの量を向上することができる。
【0065】
また、凝縮器50の下方に流れ出る凝縮水Cを貯水するために、凝縮器50とは別体のドレンパンを配置する必要が無い。よって、部品点数を削減することができる。
【0066】
実施の形態5.
以下、実施の形態5における空気調和装置1の構成について、上記実施の形態1〜4との相違点を中心に説明する。なお、上記実施の形態1〜4と同一部分には同一の符号を付し、説明を省略する。
【0067】
図11は、本発明の実施の形態5に係る空気調和装置の構成を示す概略図である。
図11に示すように、空気調和装置1は、イオン交換樹脂140を備える。イオン交換樹脂140は、蒸発器40で発生した凝縮水Cに含まれた、アルミニウムよりも貴となる金属を除去する機能を有する。イオン交換樹脂140は、イオン交換による平衡反応によって、予め吸着されたイオンと目的物質とを交換することで、目的物質を吸着するものである。イオン交換樹脂140は、例えば、凝縮水Cに含まれた銅イオンを目的物質として吸着し、凝縮水Cから除去するものである。
【0068】
イオン交換樹脂140は、水配管102の内部に配置されている。イオン交換樹脂140は、水配管102を通過する凝縮水Cから、アルミニウムよりも貴となる金属を除去する。なお、イオン交換樹脂140の配置位置はこれに限定されず、室内側ドレンパン110、水ポンプ101又は水散水部103に配置されていても良い。
【0069】
以上のように本実施の形態5においては、空気調和装置1は、蒸発器40で発生した凝縮水Cに含まれた、アルミニウムよりも貴となる金属を除去するイオン交換樹脂140を備える。
このため、凝縮水Cが凝縮器50に散水される前にイオン交換樹脂140でアルミニウムよりも貴となる金属イオンを除去することができる。そのため、凝縮水Cに含まれる、アルミニウムよりも貴となる金属イオンの量を低減できる。よって、凝縮器50の複数の伝熱管41及び複数のフィン42が、アルミニウム製である場合であっても、凝縮器50の異種金属接触腐食を防止することができる。
【0070】
(変形例)
散水装置100の構成は、
図11に示した構成に限定されない。散水装置100は、蒸発器40で発生した凝縮水Cを凝縮器50へ散水する構成であれば良い。また、イオン交換樹脂140は、凝縮水Cが凝縮器50に散水される前に、凝縮水Cに含まれたアルミニウムよりも貴となる金属を除去する構成であれば良い。
【0071】
図12は、本発明の実施の形態5に係る空気調和装置の構成の変形例を示す概略図である。
本変形例における空気調和装置1は、上記実施の形態1において説明した空気調和装置1の構成の変形例(
図4)の構成に加え、イオン交換樹脂140を備えている。
図12に示すように、イオン交換樹脂140は、室外側ドレンパン120に配置されている。イオン交換樹脂140は、室外側ドレンパン120に貯水された凝縮水Cから、アルミニウムよりも貴となる金属を除去する。なお、イオン交換樹脂140の配置位置はこれに限定されず、室内側ドレンパン110、水配管121、又は散水装置130に配置されていても良い。
【0072】
このような構成においても、凝縮水Cに含まれる、アルミニウムよりも貴となる金属イオンの量を低減できる。よって、凝縮器50の複数の伝熱管41及び複数のフィン42が、アルミニウム製である場合であっても、凝縮器50の異種金属接触腐食を防止することができる。
【0073】
なお、上記実施の形態1〜5においては、凝縮器50は、第1ヘッダ53及び第2ヘッダ54を備える構成について説明したが、本発明はこれに限定されない。凝縮器50は、例えば、伝熱管を蛇行状に折り曲げて構成された、いわゆるサーペンタイン型の熱交換器であっても良い。
【0074】
なお、上記実施の形態1〜5においては、室内空気Aを冷却する冷房運転を行う空気調和装置1について説明したが、本発明はこれに限定されない。空気調和装置1は、蒸発器40によって室内空気Aを冷却することで、室内空気Aに含まれる水分を除去する除湿運転を行ってもよい。