(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記入力端子と接地との間に接続される第3スイッチング素子を備え、前記第3スイッチング素子は、前記制御部が動作していないときに導通状態になることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のレクテナ制御器。
【発明を実施するための形態】
【0012】
はじめに、この発明のレクテナ制御器及びそれを備えたレクテナ装置の構成について、図面を参照しながら説明する。なお、図は模式的なものであり、機能又は構造を概念的に説明するものである。また、以下に示す実施の形態により本発明が限定されるものではない。特記する場合を除いて、レクテナ制御器及びそれを備えたレクテナ装置の基本構成は全ての実施の形態において共通である。また、同一の符号を付したものは、同一又はこれに相当するものであり、このことは明細書の全文において共通する。
【0013】
ここで、以下の本発明の各実施の形態では、レクテナによって受電される高周波として、マイクロ波を用いて説明を行うが、必ずしもこれには限定されない。
【0014】
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1であるレクテナ装置の構成を示すブロック図である。
【0015】
図1に示すように、本実施の形態であるレクテナ装置1は、レクテナ10とレクテナ制御器20とを備え、レクテナ制御器20は、例えば、蓄電池、動力機又は電力系統等の負荷30に接続される。レクテナ装置1は、レクテナ10とレクテナ制御器20とを一つのユニットとして、一次元又は二次元にアレイ状に複数配列される。
【0016】
レクテナ10は、例えば、マイクロ波を受電して、直流電力に変換する素子であり、
図1に示すように、受電アンテナ12と、入力フィルタ14と、整流器16と、出力フィルタ18とを備える。
【0017】
受電アンテナ12は、例えば、マイクロ波を受電するものであり、例えば、ダイポールアンテナ又はマイクロストリップアンテナ等で構成される。
【0018】
受電アンテナ12から受電されるマイクロ波の周波数としては、例えば、2.4〜2.5GHz又は5.8GHz帯の周波数が用いられるが、これには限定されず、例えば、800MHz〜2GHz帯又は3GHz〜30GHz帯を用いてもよい。
【0019】
入力フィルタ14は、
図1に示すように、受電アンテナ12に接続され、受電アンテナ12から入力されたマイクロ波を透過し、整流器16がマイクロ波を整流したときに発生するマイクロ波の高調波成分が、受電アンテナ12側に出力されるのを防止するフィルタである。入力フィルタ14は、このマイクロ波の高調波成分を遮断するため、例えば、バンドパスフィルタ又はローパスフィルタ等で構成される。
【0020】
整流器16は、例えば、整流ダイオードであり、受電アンテナ12から入力されたマイクロ波を整流し直流電力に変換するものであり、
図1に示すように、入力フィルタ14と出力フィルタ18との間に接続される。
【0021】
出力フィルタ18は、整流器16により整流され、変換された直流電力を透過するとともに、整流器16がマイクロ波を整流したときに発生するマイクロ波の高調波成分が、レクテナ制御器20側に出力されるのを防止するフィルタであり、
図1に示すように、整流器16の出力側に接続される。出力フィルタ18は、このマイクロ波の高調波成分を遮断するため、例えば、バンドパスフィルタ又はローパスフィルタ等で構成される。ここで、出力フィルタ18は、整流器16で整流されなかったマイクロ波の残留成分も、高調波成分と同時に遮断するフィルタでもよい。
【0022】
レクテナ制御器20は、整流器16によるマイクロ波からの直流電力への電力変換効率(RF−DC変換効率)が最大になるように、レクテナ10と負荷30との間のインピーダンス調整を行うことにより、整流器16の出力電圧の電圧制御を行うものであり、
図1に示すように、出力フィルタ18と負荷30との間に接続される。
【0023】
上述のように構成される本実施の形態であるレクテナ装置1は、受電アンテナ12により、マイクロ波を受電し、整流器16により、受電アンテナ12から入力されたマイクロ波を整流し直流電力に変換する。そして、レクテナ装置1は、レクテナ制御器20により、変換された直流電力の電力変換効率が最大になるように、レクテナ10と負荷30との間のインピーダンス調整を行うことにより、整流器16の出力電圧の電圧制御を行い、例えば、蓄電池、動力機又は電力系統等の負荷30に適した電圧の直流電力を供給する。
【0024】
次に、本実施の形態であるレクテナ制御器20の構成について、詳細に説明を行う。
図2は、本実施の形態であるレクテナ装置1の詳細な構成を示す回路図であり、特に、レクテナ制御器20内の回路構成を詳細に示したものである。
【0025】
図2に示すように、本実施の形態であるレクテナ制御器20は、レクテナ10と接続される入力部40と、負荷30と接続される出力部50と、入力部40と出力部50との間に接続される電圧制御部60と、電圧制御部60を制御する制御部70とを備える。
【0026】
入力部40は、
図2に示すように、入力端子42と、接地される入力接地端子44とを備え、レクテナ10により直流電力に変換された入力電圧Vinが入力部40に入力される。
【0027】
出力部50は、
図2に示すように、出力端子52と、接地される出力接地端子54とを備え、レクテナ10により変換された直流電力の電力変換効率が最大になるように、電圧制御部60によって電圧制御された入力電圧が出力電圧として出力部50から負荷30へ供給される。
【0028】
電圧制御部60は、
図2に示すように、入力部40と出力部50との間に設けられ、例えば、DC−DCコンバータからなり、制御部70の制御により、変換された直流電力の電力変換効率が最大になるように、レクテナ10と負荷30との間のインピーダンス調整を行い、レクテナ10の入力電圧の電圧制御を行う。
【0029】
図2に示すように、電圧制御部60は、キャパシタC1、キャパシタC2、スイッチング素子Q1〜Q4及びインダクタL1とを備える。キャパシタC1は、入力端子42と入力接地端子44との間に接続され、キャパシタC2は、出力端子52と出力接地端子54との間に接続される。スイッチング素子Q1は、一端が入力端子42とキャパシタC1の一端に接続される。スイッチング素子Q2は、一端がスイッチング素子Q1の他端に接続され、他端は接地され、キャパシタC1と並列に接続される。スイッチング素子Q3は、一端が出力端子52とキャパシタC2の一端に接続される。スイッチング素子Q4は、一端がスイッチング素子Q3の他端に接続され、他端は接地され、キャパシタC2と並列に接続される。スイッチング素子Q1〜Q4の制御端子は、それぞれ制御部70に接続される。インダクタL1は、一端がスイッチング素子Q1の他端及びスイッチング素子Q2の一端に接続され、他端がスイッチング素子Q3の他端及びスイッチング素子Q4の一端に接続される。
【0030】
制御部70は、
図2に示すように、PWM(Pulse Width Modulation)制御部72と、入力電圧測定部74と、出力電圧測定部76とを備える。
【0031】
PWM制御部72は、
図2に示すように、スイッチング素子Q1〜Q4の各制御端子に接続され、変換された直流電力の電力変換効率が最大になるように、レクテナ10と負荷30との間のインピーダンス調整を行うことにより、レクテナ10の入力電圧の電圧制御を行うため、スイッチング素子Q1〜Q4の各制御端子に制御信号を入力し、スイッチング素子Q1〜Q4のON/OFF制御を行う。
【0032】
入力電圧測定部74は、
図2に示すように、入力部40の入力端子42の入力電圧Vinを測定し、PWM制御部72に測定した入力電圧値を送る。出力電圧測定部76は、
図2に示すように、出力部50の出力端子52の出力電圧Voutを測定し、PWM制御部72に測定した出力電圧値を送る。
【0033】
PWM制御部72は、入力電圧測定部74により測定された入力電圧Vin及び出力電圧測定部76により測定された出力電圧Voutに基づいて、変換された直流電力の電力変換効率が最大になるとともに、レクテナ10の整流器16が降伏しないように、スイッチング素子Q1〜Q4の制御信号のデューティ比をフィードバック制御し、スイッチング素子Q1〜Q4のON/OFF制御を行う。
【0034】
制御部70内のPWM制御部72、入力電圧測定部74及び出力電圧測定部76は、レクテナ10から入力される入力電圧Vinから不図示の定電圧レギュレータを介して供給される駆動電圧により動作する。
【0035】
ここで、制御部70がレクテナ10からの入力電圧Vinに基づいて動作をする場合、スイッチング素子Q2,Q4は、ノーマリオフ型のスイッチング素子、例えば、P型又はN型のエンハンスメント型MOSFET等を用いることが好ましい。
【0036】
本実施の形態であるレクテナ制御器20のスイッチング素子Q1,Q3は、入力部40の入力端子42と出力部50の出力端子52とを結ぶ電流経路P1に設けられ、制御部70が動作していないとき、スイッチング素子Q1,Q3は導通状態になり、電流経路P1を導通状態にする。具体的には、スイッチング素子Q1,Q3は、例えば、ディプレッション型MOSFET又はGaN−HEMT等のノーマリオントランジスタを用いることができる。また、エンハンスメント型のP型MOSFET等も用いることができ、エンハンスメント型のP型MOSFETにおいては、ゲートと接地電位との間にプルダウン抵抗を設けることで、レクテナ10からの入力電圧がP型MOSFETのゲート−ソース間のしきい値電圧を超えた際に、ソース−ドレイン間が導通状態になり、制御部70が動作していないとき、スイッチング素子Q1,Q3を導通状態にすることができる。また、スイッチング素子Q1,Q3は、制御部70が動作していないとき、つまり、制御部70からスイッチング素子Q1〜Q4に制御信号が出力されていないとき、電流経路P1が導通状態になるように導通状態になるスイッチング素子である。ここで、ノーマリオントランジスタは、例えば、ゲート−ソース間電圧が0Vのときにソース−ドレイン間が導通状態になるトランジスタである。
【0037】
以上より、本実施の形態であるレクテナ制御器20は構成される。
【0038】
次に、本実施の形態であるレクテナ制御器20の動作について説明を行う。
【0039】
上述した通り、通常動作の場合、レクテナ装置1は、受電アンテナ12により、マイクロ波を受電し、整流器16により、受電アンテナ12から入力されたマイクロ波を整流し直流電力に変換する。そして、レクテナ装置1は、レクテナ制御器20により、変換された直流電力の電力変換効率が最大になるように、レクテナ10と負荷30との間のインピーダンス調整を行うことにより、整流器16の出力電圧の電圧制御を行い、例えば、蓄電池、動力機又は電力系統等の負荷30に適した電圧の直流電力を供給する。
【0040】
このとき、レクテナ制御器20は、変換された直流電力の電力変換効率が最大になるように、スイッチング素子Q1〜Q4のON/OFF制御を行っている。このスイッチング素子Q1〜Q4のON/OFF制御は、PWM制御部72により行われ、入力電圧測定部74により測定された、レクテナ10から入力された直流電力に対応する入力電圧Vinと、出力電圧測定部76により測定された、電圧制御部60から出力される出力電圧Voutに基づいて、直流電力の電力変換効率が最大になるように、スイッチング素子Q1〜Q4の制御信号のデューティ比をフィードバック制御し、スイッチング素子Q1〜Q4のON/OFF制御を行う。
【0041】
具体的に説明すると、本実施の形態であるレクテナ制御器20は、スイッチング素子Q1とスイッチング素子Q2、及び、スイッチング素子Q3とスイッチング素子Q4が同期整流型の構成を有し、スイッチング素子Q1がオンのとき、スイッチング素子Q2はオフし、スイッチング素子Q3がオンのとき、スイッチング素子Q4はオフし、それぞれ逆の導通状態なるようにPWM制御部72により同期してデューティ比が制御される。
【0042】
例えば、レクテナ10から見た出力側のインピーダンスを、負荷30に対して大きくする場合、まず、スイッチング素子Q3のデューティ比を1、スイッチング素子Q4のデューティ比を0に固定する。次に、スイッチング素子Q1のデューティ比を小さくする制御をすることで、入力側からの電流値を減少させ、入力側から見たインピーダンスを大きくすることができ、レクテナ制御器20からの出力電圧は、レクテナ10からの入力電圧よりも小さく制御でき、レクテナ制御器20の出力電流は、レクテナ10からの入力電流よりも大きく制御することができる(降圧動作)。
【0043】
これに対して、レクテナ10から見た出力側のインピーダンスを、負荷30に対して小さくする場合、まず、スイッチング素子Q1のデューティ比を1とし、スイッチング素子Q2のデューティ比を0に固定する。次に、スイッチング素子Q3のデューティ比を0から増加させる制御をすることで、スイッチング素子Q3を通ってレクテナ10に帰還する電流成分が増加し、レクテナ10から見た出力側のインピーダンスを小さくすることができ、レクテナ制御器20からの出力電圧は、レクテナ10からの入力電圧よりも大きく制御でき、レクテナ制御器20からの出力電流は、レクテナ10からの入力電流よりも小さく制御することができる(昇圧動作)。
【0044】
これら降圧動作及び昇圧動作の制御は、入力電圧測定部74及び出力電圧測定部76により測定された入力電圧Vin及び出力電圧Voutに基づき、PWM制御部72により、レクテナの直流電力の電力変換効率が最大になるように行われる。
【0045】
次に、制御部70が動作をしていない場合のレクテナ制御器20の動作及びその効果について説明を行う。ここで、制御部70が動作していない場合とは、レクテナ10にマイクロ波が受電されておらず、直流電力への変換動作が行われていないため、制御部70に駆動電圧が供給されていない場合、又は、レクテナ10が故障していて、制御部70に駆動電圧が供給されていない場合等、制御部70に駆動電圧が供給されていないため、制御部70が動作しておらず、制御部70からスイッチング素子Q1〜Q4に制御信号が出力されていない場合をいう。本実施の形態では、レクテナ10にマイクロ波が受電されておらず、直流電力への変換動作が行われていないため、制御部70に駆動電圧が供給されていない場合を例に説明を行う。
【0046】
レクテナ10にマイクロ波が受電されておらず、直流電力への変換動作が行われていないため、制御部70に駆動電圧が供給されていない場合において、レクテナ10の受電アンテナ12にマイクロ波が受電されると、レクテナ10は受電したマイクロ波を直流電力に変換し、レクテナ10からの入力電圧Vinは急激に上昇する。
【0047】
このとき、レクテナ制御器20の制御部70は、通常、入力電圧Vinに基づき定電圧レギュレータを介して駆動電圧が供給され、動作を行っているが、マイクロ波の受電開始後すぐは、制御部70には駆動電圧が供給されておらず、制御部70は動作していない。
【0048】
従来のレクテナ装置では、制御器が動作していないため、レクテナ制御器はOFF状態で、レクテナと負荷との間は開放状態になるため、レクテナに印加される電圧が急激に上昇し、レクテナの降伏電圧を超え、レクテナが故障してしまう問題点があった。
【0049】
しかしながら、本実施の形態であるレクテナ制御器20は、上述した通り、入力端子42と出力端子52とを結ぶ電流経路P1に設けられるスイッチング素子Q1,Q3に、制御部70が動作していないとき、導通状態になるスイッチング素子を用いている。
【0050】
そのため、レクテナ10の受電アンテナ12にマイクロ波が受電され、レクテナ10から急激に上昇した直流電力がレクテナ制御器20に供給された場合、制御部70が動作していなくても、スイッチング素子Q1,Q3は導通状態であり、急激に上昇した直流電力は、スイッチング素子Q1、インダクタL1、スイッチング素子Q3を通って、負荷30に供給され、接地電圧に帰還する。これにより、レクテナ10に印加される入力電圧は低下し、入力された直流電力が急激に上昇するのを防ぐことができるため、レクテナ10への急激な印加電圧の上昇に伴う整流器16の降伏を防ぎ、レクテナ10が故障するのを防ぐことができる。
【0051】
その後、入力電圧Vinに基づき定電圧レギュレータを介して駆動電圧が供給されるため、制御部70は動作を開始し、レクテナ制御器20は、上述した通常動作を行う。
【0052】
以上より、本実施の形態であるレクテナ制御器及びそれを備えたレクテナ装置は、制御部が動作していないとき、スイッチング素子は導通状態になり、電流経路を導通状態にすることにより、レクテナに印加される電圧の急激な上昇を防ぎ、レクテナが故障するのを防ぐことができる。
【0053】
また、従来では、レクテナ制御器がOFF状態におけるレクテナへの急激な印加電圧の上昇を考慮して、高い降伏電圧を有するレクテナを用いる必要があったが、本実施の形態であるレクテナ制御器は、制御部が動作していないとき、導通状態になるスイッチング素子を設けることで、レクテナに印加される電圧が急激に上昇するのを防止することができるため、従来よりも降伏電圧の小さい安価なレクテナを用いることができるので、本実施の形態であるレクテナ装置のコストを低減させることができる。
【0054】
ここで、制御部70が動作していないとき、電流経路P1が導通状態になるように、スイッチング素子Q1,Q3が安定して導通状態になるため、例えば、
図3に示すように、スイッチング素子Q1,Q3のゲート−ソース間に数kΩ程度のプルアップ抵抗R1,R2を設けることができる。
【0055】
その場合、レクテナ制御器20の制御部70が動作しておらず、PWM制御部72がスイッチング素子Q1〜Q4を制御していないとき、数kΩ程度のプルアップ抵抗R1,R2により、スイッチング素子Q1,Q3のゲート−ソース間電圧は0V近傍に保たれ、スイッチング素子Q1,Q3を安定して導通状態にすることができる。
【0056】
ここで、本実施の形態であるレクテナ装置1について、レクテナ10を電圧源に内部抵抗が直列につながったモデルに単純化したとき、レクテナ10にかかる印加電圧は、抵抗分圧の関係より、レクテナ10の印加電圧=レクテナ10の起電力×負荷30の抵抗/(レクテナ10の内部抵抗+負荷30の抵抗)となり、レクテナ10の印加電圧がレクテナ10の整流器16の降伏電圧を超えないように設計することが望ましい。例えば、レクテナ10の起電力が20Vで、レクテナ10の内部抵抗が100Ω、整流器16の降伏電圧が15Vである場合、負荷30の抵抗が300Ω未満であれば、制御部70が起動しない場合において、スイッチング素子Q1,Q3が導通状態になり、定常的にレクテナ10に直流電力が供給されても、整流器16の印加電圧は降伏電圧を超えない。そのため、レクテナ10の内部抵抗及び負荷30の抵抗を適宜設計し、レクテナ10の印加電圧がレクテナ10の整流器16の降伏電圧を超えないように設計することが望ましい。
【0057】
また、レクテナ制御器20からの出力先負荷が、蓄電池又は電力系統等の定電圧とみなせる出力先に出力する場合は、スイッチング素子Q1,Q3及びインダクタL1での電圧降下が十分小さいとすると、レクテナ制御器20からの出力電圧は、蓄電池又は電力系統等の出力電圧と等しい電圧に定電圧出力される。そのため、蓄電池又は電力系統等の出力電圧は、レクテナ10の整流器16の降伏電圧よりも低い場合において、本実施の形態であるレクテナ制御器20を適用することができる。
【0058】
また、本実施の形態では、レクテナ10にマイクロ波が受電されておらず、直流電力への変換動作が行われていないため、制御部70に駆動電圧が供給されていない場合を例に説明したが、これに限定されるわけではなく、制御部70が動作していないときに、入力端子42に急激な印加電圧の上昇が起こった場合に本実施の形態であるレクテナ制御器20を適用することができる。具体的には、例えば、制御部70が故障して動作できない状態においても、レクテナ10に印加される電圧が急激に上昇することを防ぎ、レクテナ10が故障するのを防ぐことができる。
【0059】
また、本実施の形態では、電流経路P1に電圧制御器60の一部であるスイッチング素子Q1,Q3に、制御部70が動作していないとき、導通状態になるスイッチング素子を用いる例を説明したが、必ずしもこれに限定されるわけではなく、スイッチング素子Q1,Q3に加え、さらに別のスイッチング素子を電流経路P1に設け、スイッチング素子Q1,Q3と同様、制御部70が動作していないときに、導通状態になるスイッチング素子も用いても構わない。
【0060】
実施の形態2.
本発明の実施の形態2であるレクテナ装置は、実施の形態1と異なり、複数のレクテナ制御器が直列に接続される。その他の同一符号を付した部分については、実施の形態1のレクテナ制御器と同様に構成されるため、説明は省略する。また、本実施の形態であるレクテナの構成については、実施の形態1のレクテナと同様に構成されるため、説明は省略する。
【0061】
図4は、本実施の形態であるレクテナ装置の詳細な構成を示す回路図である。
【0062】
図4に示すように、本実施の形態であるレクテナ装置は、複数のレクテナ制御器20a,20bが直列に接続される。具体的に2つのレクテナ制御器20a,20bが直列に接続された例で説明すると、2つのレクテナ制御器20a,20bは、入力部40で異なるレクテナ10にそれぞれ接続され、レクテナ制御器20aの出力端子52は負荷30へ接続され、レクテナ制御器20aの出力接地端子54はレクテナ制御器20bの出力端子52に接続され、レクテナ制御器20bの出力接地端子54は接地される。レクテナ制御器20a,20bの回路構成は、実施の形態1のレクテナ制御器20と同様であるため、説明は省略する。
【0063】
ここで、本実施の形態であるレクテナ装置として、2つのレクテナ制御器を例に説明を行ったが、3つ以上のレクテナ制御器を直列に接続しても構わない。
【0064】
次に、本実施の形態であるレクテナ制御器20a,20bの動作について説明を行う。
【0065】
各レクテナ制御器20a,20bの動作については、実施の形態1と同様であるため、詳細な説明は省略するが、各レクテナ制御器20a,20bに接続されるレクテナ10により、マイクロ波を受電し、変換された直流電力は、各レクテナ制御器20a,20bにより、変換された直流電力の電力変換効率が最大になるように、レクテナ10と負荷30との間のインピーダンス調整が行われることにより、整流器16の出力電圧の電圧制御を行い、例えば、蓄電池、動力機又は電力系統等の負荷30に適した電圧の直流電力が供給される。
【0066】
次に、制御部70が動作をしていない場合のレクテナ制御器20a,20bの動作についても、実施の形態1と同様であるため、詳細な説明は省略するが、例えば、レクテナ制御器20aの制御部70が動作をしていない場合、レクテナ制御器20aの入力電圧Vinは、レクテナ制御器20bからの出力電圧がレクテナ制御器20aのレクテナ10を介して入力されたり、レクテナ制御器20aのレクテナ10のマイクロ波の受電により変換された直流電力による印加電圧が入力されたりして、急激に上昇する。
【0067】
このとき、本実施の形態であるレクテナ制御器20aは、実施の形態1と同様、入力端子42と出力端子52とを結ぶ電流経路P1に設けられるスイッチング素子Q1,Q3に、制御部70が動作していないとき、導通状態になるスイッチング素子を用いているため、制御部70が動作していなくても、スイッチング素子Q1,Q3は導通状態であり、急激に上昇した直流電力は、レクテナ制御器20aのスイッチング素子Q1、インダクタL1、スイッチング素子Q3を通って、負荷30に供給され、接地電圧に帰還する。これにより、レクテナ制御器20a,20bのレクテナ10に印加される入力電圧は低下し、入力された直流電力が急激に上昇するのを防ぐことができるため、レクテナ10への急激な印加電圧の上昇に伴う整流器16の降伏を防ぎ、レクテナ10が故障するのを防ぐことができる。
【0068】
また、例えば、レクテナ制御器20bの制御部70が動作をしていない場合は、レクテナ制御器20bの入力電圧Vinは、レクテナ制御器20bのレクテナ10のマイクロ波の受電開始により変換された直流電力による印加電圧が入力され、急激に上昇する。
【0069】
このとき、本実施の形態であるレクテナ制御器20bは、実施の形態1と同様、入力端子42と出力端子52とを結ぶ電流経路P1に設けられるスイッチング素子Q1,Q3に、制御部70が動作していないとき、導通状態になるスイッチング素子を用いているため、制御部70が動作していなくても、レクテナ制御器20bのスイッチング素子Q1,Q3は導通状態であり、急激に上昇した直流電力は、レクテナ制御器20bのスイッチング素子Q1、インダクタL1、スイッチング素子Q3を通って、レクテナ制御器20aの出力接地端子54に供給され、通常動作を行っているレクテナ制御器20aにより、通常のインピーダンス制御が行われ、レクテナ制御器20bの出力電圧が負荷30へ供給される。これにより、レクテナ制御器20bのレクテナ10に印加される入力電圧は低下し、入力された直流電力が急激に上昇するのを防ぐことができるため、レクテナ10への急激な印加電圧の上昇に伴う整流器16の降伏を防ぎ、レクテナ10が故障するのを防ぐことができる。
【0070】
以上より、本実施の形態であるレクテナ制御器及びそれを備えたレクテナ装置は、実施の形態1と同様、制御部が動作していないとき、スイッチング素子が導通状態になり、電流経路を導通状態にすることにより、レクテナに印加される電圧の急激な上昇を防ぎ、レクテナが故障するのを防ぐことができる。
【0071】
また、従来では、レクテナ制御器がOFF状態におけるレクテナへの急激な印加電圧の上昇を考慮して、高い降伏電圧を有するレクテナを用いる必要があったが、本実施の形態であるレクテナ制御器は、レクテナに印加される電圧が急激に上昇するのを防止することができるため、従来よりも降伏電圧の小さい安価なレクテナを用いることができるので、実施の形態1と同様、本実施の形態であるレクテナ装置のコストを低減させることができる。
【0072】
実施の形態3.
本発明の実施の形態3であるレクテナ制御器は、実施の形態2と異なり、レクテナ制御器の入力部にダイオードが接続されている。その他の同一符号を付した部分については、実施の形態1のレクテナ制御器と同様に構成されるため、説明は省略する。また、レクテナ装置の構成については、実施の形態1のレクテナ装置と同様に構成されるため、説明は省略する。
【0073】
図5は、本実施の形態であるレクテナ装置の詳細な構成を示す回路図である。
【0074】
図5に示すように、本実施の形態であるレクテナ制御器22a,22bは、レクテナ制御器22a,22bの入力部40である入力端子42と入力接地端子44との間、及び、レクテナ10と電圧制御部60との間に、キャパシタC1と並列にダイオードD1が接続されている。ダイオードD1は、アノードが入力接地端子44に接続され、カソードが入力端子42に接続され、例えば、ツェナーダイオードからなり、入力端子42と接地との間に順方向に設けられる。
【0075】
次に、本実施の形態であるレクテナ制御器22a,22bの動作について説明を行う。本実施の形態であるレクテナ制御器22a,22bの通常動作については、実施の形態1及び実施の形態2と同様であるため、説明を省略する。また、制御部70が動作をしていない場合のレクテナ制御器22a,22bの動作については、実施の形態2と同様である動作については説明を省略し、実施の形態2と異なる動作について説明を行う。
【0076】
例えば、レクテナ制御器22aに接続されたレクテナ10が故障し、レクテナの出力部が開放状態であった場合、実施の形態2のレクテナ制御器20a,20bの構成では、レクテナ制御器20aの入力端子42に印加された直流電力は、スイッチング素子Q1、インダクタL1、スイッチング素子Q3を通って、負荷30に供給され、接地電圧に帰還するものの、レクテナ制御器20bから供給された直流電力は、レクテナ制御器20aに接続されるレクテナ10が故障しているため、レクテナ制御器20aのレクテナ10が開放状態になり、レクテナ制御器20aのスイッチング素子Q1、インダクタL1、スイッチング素子Q3を通って、負荷30に供給させ、接地電圧に帰還させることができず、レクテナ制御器20bのレクテナ10に急激な印加電圧の上昇が発生し、レクテナ制御器20bのレクテナ10が故障してしまう。
【0077】
しかしながら、本実施の形態であるレクテナ制御器22a,22bは、レクテナ制御器22a,22bの入力部40である入力端子42と入力接地端子44との間、及び、レクテナ10と電圧制御部60との間に、キャパシタC1と並列にダイオードD1が接続されているため、レクテナ制御器22bから供給された出力電圧は、レクテナ制御器22aのダイオードD1のアノードに印加され、ダイオードD1に順方向の電流が流れ、レクテナ制御器22bに接続されるレクテナ10に印加される電圧の急激な上昇を防ぎ、レクテナ制御器22bに接続されるレクテナ10が故障するのを防ぐことができる。
【0078】
また、レクテナ制御器22bに接続されるレクテナ10で生成された直流電力を、レクテナ制御器22aのダイオードD1を介して、負荷30に供給することができるため、故障していないレクテナ10で発電された直流電力を有効に活用することができる。
【0079】
以上より、本実施の形態であるレクテナ制御器及びそれを備えたレクテナ装置は、実施の形態1及び実施の形態2と同様、レクテナに印加される電圧の急激な上昇を防ぎ、レクテナが故障するのを防ぐことができる。また、実施の形態1及び実施の形態2と同様、従来よりも降伏電圧の小さい安価なレクテナを用いることができるので、本実施の形態であるレクテナ装置のコストを低減させることができる。
【0080】
また、本実施の形態であるレクテナ制御器及びそれを備えたレクテナ装置は、ダイオードを設けることにより、直列接続された他のレクテナ制御器に接続されるレクテナが故障したとしても、故障していないレクテナ制御器に接続されるレクテナに印加される電圧の急激な上昇を防ぎ、故障していないレクテナ制御器に接続されるレクテナが故障するのを防ぐことができる。また、故障していないレクテナで発電された直流電力を負荷に供給することができ、直流電力を有効に活用することができる。
【0081】
また、本実施の形態であるレクテナ制御器に設けられたダイオードD1にツェナーダイオードを用いることで、レクテナ10に印加される電圧を一定に保つことができる。また、ツェナーダイオードの降伏電圧をレクテナ10の降伏電圧よりも小さくすることで、レクテナ10が降伏する前にツェナーダイオードが降伏するため、レクテナ10の故障をさらに防ぐことができる。
【0082】
ここで、本実施の形態であるレクテナ制御器では、レクテナ制御器22a,22bの入力部40である入力端子42と入力接地端子44との間、及び、レクテナ10と電圧制御部60との間に、キャパシタC1と並列にダイオードD1が接続されている例を説明したが、例えば、
図6に示すように、ダイオードD1に代えて、スイッチング素子Q5を設けても構わない。
【0083】
その場合、スイッチング素子Q5は、スイッチング素子Q1,Q3と同様、制御端子が制御部70に接続され、制御部70が動作していないとき、導通状態になるスイッチング素子が用いられる。スイッチング素子Q5の具体例は、実施の形態1のスイッチング素子Q1,Q3の具体例と同様である。
【0084】
制御部70が動作していないとき、導通状態になるスイッチング素子Q5を用いることにより、ダイオードD1と同様、レクテナ10が故障し開放状態になったとしても、導通状態のスイッチング素子Q5の電流経路を用いて、故障していないレクテナ制御部20に接続されるレクテナ10に印加される電圧の急激な上昇を防ぎ、故障していないレクテナ制御部20に接続されるレクテナ10が故障するのを防ぐことができる。また、故障していないレクテナ10で発電された直流電力を負荷に供給することができ、直流電力を有効に活用することができる。
【0085】
ここで、ダイオードD1又はスイッチング素子Q5をレクテナ制御器20内に設ける例を説明したが、必ずしもレクテナ制御器20内に設ける必要はなく、レクテナ10内又はレクテナ10とレクテナ制御器20との間に別に設けても構わない。
【0086】
実施の形態4.
本発明の実施の形態4であるレクテナ制御器は、実施の形態3と異なり、ダイオードに電流が流れたとき、制御部は、ダイオードに並列に接続されるスイッチング素子を導通状態にする。その他の同一符号を付した部分については、他の実施の形態のレクテナ制御器と同様に構成されるため、説明は省略する。また、レクテナ装置の構成については、実施の形態1のレクテナ装置と同様に構成されるため、説明は省略する。
【0087】
本実施の形態であるレクテナ制御器の回路構成、通常時の動作、及び、制御部70が動作をしていない場合の動作については、実施の形態3と同様であるため、説明は省略し、実施の形態3と異なる点についてのみ説明を行う。
【0088】
本実施の形態であるレクテナ制御器は、
図5に示すように、ダイオードD1に電流が流れたとき、制御部70は、ダイオードD1に並列に接続されるスイッチング素子Q2及びスイッチング素子Q4の少なくとも一方を導通状態に制御する。
【0089】
具体的に説明すると、例えば、実施の形態3と同様、レクテナ制御器22aに接続されたレクテナ10が故障していた場合、レクテナ制御器22bから供給された出力電圧は、レクテナ制御器22aのダイオードD1のアノードに印加され、ダイオードD1に順方向の電流が流れる。
【0090】
このとき、レクテナ制御器22aの制御部70は動作していないため、レクテナ制御器22aのスイッチング素子Q1,Q3は導通状態になっているので、レクテナ制御器22bから供給された出力電圧は、レクテナ制御器22aのダイオードD1、スイッチング素子Q1、インダクタL1、スイッチング素子Q3を通って、負荷30に供給させ、接地電圧に帰還する。ここまでは、実施の形態3と同様である。
【0091】
その後、レクテナ制御器22aの制御部70が、例えば、レクテナ制御器22bから供給された出力電圧に基づいて動作を開始した後、レクテナ制御器22aの制御部70はスイッチング素子Q2及びスイッチング素子Q4の少なくとも一方を導通状態に制御する。
【0092】
これにより、実施の形態3と同様、ダイオードD1に順方向の電流が流れることにより、レクテナ制御器22bに接続されるレクテナ10に印加される電圧の急激な上昇を防ぐとともに、ダイオードD1よりも電圧降下の小さいスイッチング素子Q2及びスイッチング素子Q4の少なくとも一方を導通状態に制御することにより、負荷30に供給される直流電力の電力損失を低減させることができ、故障していないレクテナ10で発電された直流電力を高効率に負荷30に供給することができる。
【0093】
また、スイッチング素子Q2及びスイッチング素子Q4の少なくとも一方を導通状態に制御することにより、ダイオードD1に流れる順方向の電流を減らすことができるため、ダイオードD1に発生する発熱を抑えることができ、ダイオードD1の劣化を抑えることができるとともに、ダイオードD1の温度上昇に伴う電解コンデンサ等の周辺部品の温度上昇を抑え、周辺部品の性能低下及び劣化を抑えることができる。
【0094】
ここで、レクテナ制御器22aに接続されたレクテナ10が故障している場合、レクテナ制御器22aはレクテナ10から直流電力を得られず、制御部70は動作できない。また、レクテナ制御器22bから供給された出力電圧により、ダイオードD1に順方向の電流が流れるが、レクテナ制御器22aに接続されるレクテナ10から供給される入力電圧とは逆電圧のため、実施の形態1で説明した通常の定電圧レギュレータでは制御部70は動作できない。そこで、本実施の形態では、故障したレクテナ10に接続されるレクテナ制御器22aの制御部70が動作を開始して、スイッチング素子Q2及びスイッチング素子Q4の少なくとも一方を導通状態に制御できるように、例えば、ダイオードD1を介して、レクテナ制御器22bから供給された逆電圧である出力電圧を、順方向の電圧に反転して昇圧するスイッチングレギュレータを設け、レクテナ制御器22aの制御部70に電力を供給しても構わない。また、別に二次蓄電池又はキャパシタ等の予備の直流電圧源を設け、ダイオードD1に順方向の電流が流れたのを検知して、予備の直流電圧源から制御部70に電力を供給する構成にしても構わない。
【0095】
また、本実施の形態であるレクテナ制御器は、レクテナ10にマイクロ波が受電され、高い電圧が印加され、ダイオードD1が降伏した場合にも適用可能である。具体的に説明すると、レクテナ装置が動作していないときに、レクテナ制御器22aに接続されるレクテナ10にマイクロ波が受電され、急激に上昇した直流電力がレクテナ10に印加された場合、ダイオードD1の降伏電圧がレクテナ10の降伏電圧よりも小さいとすると、ダイオードD1は降伏し、逆方向の電流がダイオードD1を流れ、レクテナ10が故障するのを防ぐ。ここまでは、実施の形態3と同じである。
【0096】
その後、レクテナ制御器22aに接続されるレクテナ10からの直流電力により制御部70は動作を開始し、スイッチング素子Q2及びスイッチング素子Q4の少なくとも一方を導通状態に制御する。
【0097】
これにより、実施の形態3と同様、ダイオードD1の降伏により、レクテナ10が故障するのを防ぐとともに、導通状態に制御されたスイッチング素子Q2及びスイッチング素子Q4の少なくとも一方に、ダイオードD1に流れる逆方向電流の一部が流れ、ダイオードD1に流れる逆方向電流を減らすことができるので、ダイオードD1に発生する発熱を抑えることができ、ダイオードD1の劣化を抑えることができるとともに、ダイオードD1の温度上昇に伴う電解コンデンサ等の周辺部品の温度上昇を抑え、周辺部品の性能低下を抑えることができる。
【0098】
以上より、本実施の形態であるレクテナ制御器及びそれを備えたレクテナ装置は、他の実施の形態と同様、レクテナに印加される電圧の急激な上昇を防ぎ、レクテナが故障するのを防ぐことができる。また、実施の形態1及び実施の形態2と同様、従来よりも降伏電圧の小さい安価なレクテナを用いることができるので、本実施の形態であるレクテナ装置のコストを低減させることができる。
【0099】
また、実施の形態3と同様、ダイオードを設けることにより、直列接続された他のレクテナ制御器に接続されるレクテナが故障したとしても、故障していないレクテナ制御器のレクテナに印加される電圧の急激な上昇を防ぎ、レクテナが故障するのを防ぐことができる。また、故障していないレクテナで発電された直流電力を負荷に供給することができ、直流電力を有効に活用することができる。
【0100】
また、実施の形態3と同様、ダイオードにツェナーダイオードを用いることで、レクテナに印加される電圧を一定に保つことができ、ツェナーダイオードの降伏電圧をレクテナの降伏電圧よりも小さくすることで、レクテナが降伏する前にツェナーダイオードが降伏するため、レクテナの故障をさらに防ぐことができる。
【0101】
また、本実施の形態であるレクテナ制御器及びそれを備えたレクテナ装置は、ダイオードに電流が流れたとき、制御部は、ダイオードに並列に接続されるスイッチング素子を導通状態にすることにより、負荷に供給される直流電力の電力損失を低減させることができ、故障していないレクテナで発電された直流電力を高効率に負荷に供給することができ、ダイオードに発生する発熱を抑えることができ、ダイオードの劣化を抑えることができるとともに、ダイオードの温度上昇に伴う電解コンデンサ等の周辺部品の温度上昇を抑え、周辺部品の性能低下及び劣化を抑えることができる。
【0102】
ここで、本実施の形態では、ダイオードD1を例に説明したが、実施の形態3で説明した
図6の構成のように、ダイオードD1に代えて、スイッチング素子Q5を用いた場合にも適用することができる。その場合のスイッチング素子Q2及びスイッチング素子Q4の構成及び動作については、上述で説明したものと同様である。
【0103】
なお、本発明は、その発明の範囲内において、各実施の形態を自由に組み合わせたり、各実施の形態を適宜、変形、省略したりすることが可能である。さらに、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、上記実施の形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出されうる。