(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第2遮断弁に形成された冷媒が通る流路の断面積は、前記第1遮断弁に形成された冷媒が通る流路の断面積よりも小さい請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載の冷凍サイクル装置。
前記第2遮断弁が閉じられた際の該第2遮断弁の密閉度は、前記第1遮断弁が閉じられた際の該第1遮断弁の密閉度よりも低い請求項1〜請求項7のいずれか一項に記載の冷凍サイクル装置。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下の実施の形態において、本発明に係る冷凍サイクル装置の一例を説明する。なお、以下の実施の形態では、本発明に係る冷凍サイクル装置を空気調和装置として用いた例を説明する。
【0011】
実施の形態.
図1は、本発明の実施の形態に係る冷凍サイクル装置を示す冷媒回路図である。
本実施の形態に係る冷凍サイクル装置1は、冷媒が循環する冷凍サイクル回路10を備えている。冷凍サイクル回路10は、複数の構成機器を有し、これらの複数の構成機器が冷媒配管で接続されて構成されている。本実施の形態においては、冷凍サイクル回路10は、該冷凍サイクル回路10の構成機器として、圧縮機11、四方弁12、室外熱交換器13、膨張弁14、及び、利用側熱交換器の一例である室内熱交換器15を備えている。
【0012】
圧縮機11は、吸入した低圧のガス状冷媒を圧縮し、高圧のガス状冷媒として吐出する。なお、冷凍サイクル回路10内を循環する冷媒によっては、二酸化炭素冷媒等のように、超臨界状態の冷媒として圧縮機11から吐出される冷媒もある。四方弁12は、冷房運転時と暖房運転時とによって冷媒の流れを切り換える弁である。なお、後述のように、本実施の形態では、利用側熱交換器である室内熱交換器15は、暖房運転時においては放熱器として機能し、冷房運転時においては蒸発器として機能する。このため、冷凍サイクル回路10は、四方弁12を備えている。しかしながら、利用側熱交換器が放熱器又は蒸発器の一方としてのみ機能すればよい場合、冷凍サイクル回路10は、四方弁12を備えていなくてもよい。
【0013】
室外熱交換器13は、冷媒と室外空気との熱交換を行う。室外熱交換器13は、暖房運転時においては蒸発器として機能し、冷媒を蒸発させて気化させる。また、室外熱交換器13は、冷房運転時においては放熱器として機能し、冷媒から放熱させて該冷媒を液化させる。なお、本実施の形態では、室外熱交換器13を流れる冷媒と室外空気との熱交換を促進させるため、室外熱交換器13の周辺に、該室外熱交換器13へ室外空気を供給する室外送風機13aを設けている。
【0014】
膨張弁14は、例えば絞り装置等であり、冷媒を減圧して膨張させる。室内熱交換器15は、空調対象空間である室内の空気と冷媒との熱交換を行う。室内熱交換器15は、暖房運転時においては放熱器として機能し、冷媒から放熱させて該冷媒を液化させる。また、室内熱交換器15は、冷房運転時においては蒸発器として機能し、冷媒を蒸発させて気化させる。なお、本実施の形態では、室内熱交換器15を流れる冷媒と室内空気との熱交換を促進させるため、室内熱交換器15の周辺に、該室内熱交換器15へ室内空気を供給する室内送風機15aを設けている。
【0015】
冷凍サイクル回路10の構成機器は、室外ユニット2又は利用側ユニットの一例である室内ユニット3に収容されている。なお、室外ユニット2と室内ユニット3とが中継ユニットを介して接続される場合、冷凍サイクル回路10の構成機器の一部を中継ユニットに収容してもよい。すなわち、冷凍サイクル回路10の構成機器の一部は、室外ユニット2に収容されている。また、冷凍サイクル回路10の構成機器の一部は、室内ユニット3に収容されている。
【0016】
詳しくは、本実施の形態の場合、室外ユニット2は、筐体70を備えている。そして、筐体70には、圧縮機11、四方弁12、室外熱交換器13、及び膨張弁14が収容されている。また、室内ユニット3には、室内熱交換器15が収容されている。なお、室外ユニット2の筐体70及び室内ユニット3に収容される冷凍サイクル回路10の構成機器の種類は、あくまでも一例である。例えば、膨張弁14を室内ユニット3に収容してもよい。
【0017】
また、本実施の形態に係る冷凍サイクル装置1は、空調対象空間である室内に冷媒が漏洩することを抑制するため、冷媒の漏洩を検出する検出センサ4、第1遮断弁20、第2遮断弁30、及び制御装置50を備えている。
【0018】
検出センサ4は、冷凍サイクル回路10から漏洩した冷媒を検出するセンサである。本実施の形態では、検出センサ4は、室内ユニット3に収容されており、室内ユニット3に取り込まれた室内空気に含まれる冷媒の量を検出する。なお、室内空気に含まれる冷媒の量を検出できれば、検出センサ4の設置箇所は室内ユニット3に限定されない。例えば、室内ユニット3の外部であって室内となる箇所に、検出センサ4を設けてもよい。また、検出センサ4の種類も特には限定されるものではなく、使用する冷媒に応じて、空気中の冷媒検出に用いられる公知の種々のセンサを検出センサ4として採用できる。
【0019】
第1遮断弁20及び第2遮断弁30は、冷凍サイクル回路10内の冷媒の循環を遮断するものである。室外ユニット2の筐体70に収容された冷凍サイクル回路10の構成機器と、室内ユニット3に収容された冷凍サイクル回路10の構成機器とは、第1冷媒配管41及び第2冷媒配管42で接続されている。第1冷媒配管41は、ガス状冷媒又は超臨界状態の冷媒が流れる冷媒配管である。本実施の形態の場合、四方弁12と室内熱交換器15とを接続する接続配管が、第1冷媒配管41となる。第2冷媒配管42は、液状冷媒又は気液二相状態の冷媒が流れる冷媒配管である。本実施の形態の場合、膨張弁14と室内熱交換器15とを接続する配管が、第2冷媒配管42となる。第1遮断弁20は、第1冷媒配管41の途中部に設けられている。また、第2遮断弁30は、第2冷媒配管42の途中部に設けられている。
【0020】
すなわち、第1遮断弁20を閉じることにより、第1冷媒配管41内の冷媒の流通を遮断することができる。また、第2遮断弁30を閉じることにより、第2冷媒配管42内の冷媒の流通を遮断することができる。ここで、第2遮断弁30には、第2冷媒配管42を流れる液状冷媒又は気液二相状態の冷媒が通過する。また、第1遮断弁20には、第1冷媒配管41を流れるガス状冷媒又は超臨界状態の冷媒が通過する。このため、第2遮断弁30を通過する冷媒の質量流量と第1遮断弁20を通過する冷媒の質量流量とを同程度にしようとした場合、第2遮断弁30に形成された冷媒が通る流路の断面積を、第1遮断弁20に形成された冷媒が通る流路の断面積よりも小さくすることができる。このため、本実施の形態においては、第2遮断弁30に形成された冷媒が通る流路の断面積は、第1遮断弁20に形成された冷媒が通る流路の断面積よりも小さくなっている。これにより、第2遮断弁30が第1遮断弁20と比べて安価になる。したがって、冷凍サイクル装置1の製造コストを低減することができる。
【0021】
また、液状冷媒又は気液二相状態の冷媒の流れを遮断する機構に求められる密閉度は、ガス状冷媒又は超臨界状態の冷媒の流れを遮断する機構に求められる密閉度よりも低い。このため、本実施の形態においては、第2遮断弁30が閉じられた際の該第2遮断弁30の密閉度は、第1遮断弁20が閉じられた際の該第1遮断弁20の密閉度よりも低くなっている。これにより、第2遮断弁30が第1遮断弁20と比べて安価になる。したがって、冷凍サイクル装置1の製造コストを低減することができる。
【0022】
なお、以下では、第1冷媒配管41のうち、室外ユニット2の筐体70に収容された冷凍サイクル回路10の構成機器と第1遮断弁20とを接続する部分を、第3冷媒配管43とする。第1冷媒配管41のうち、室内ユニット3に収容された冷凍サイクル回路10の構成機器と第1遮断弁20とを接続する部分を、第4冷媒配管44とする。第2冷媒配管42のうち、室外ユニット2の筐体70に収容された冷凍サイクル回路10の構成機器と第2遮断弁30とを接続する部分を、第5冷媒配管45とする。第2冷媒配管42のうち、室内ユニット3に収容された冷凍サイクル回路10の構成機器と第2遮断弁30とを接続する部分を、第6冷媒配管46とする。
【0023】
また、以下では、第1遮断弁20と第3冷媒配管43との接続部を、第1接続部23とする。なお、本実施の形態では、第1遮断弁20は接続用配管21を有し、該接続用配管21の端部に第3冷媒配管43が接続されている。このため、本実施の形態では、接続用配管21の端部が第1接続部23となっている。また、第1遮断弁20と第4冷媒配管44との接続部を、第2接続部24とする。なお、本実施の形態では、第1遮断弁20は接続用配管22を有し、該接続用配管22の端部に第4冷媒配管44が接続されている。このため、本実施の形態では、接続用配管22の端部が第2接続部24となっている。また、第2遮断弁30と第5冷媒配管45との接続部を、第3接続部33とする。なお、本実施の形態では、第2遮断弁30は接続用配管31を有し、該接続用配管31の端部に第5冷媒配管45が接続されている。このため、本実施の形態では、接続用配管31の端部が第3接続部33となっている。また、第2遮断弁30と第6冷媒配管46との接続部を第4接続部34とする。なお、本実施の形態では、第2遮断弁30は接続用配管32を有し、該接続用配管32の端部に第6冷媒配管46が接続されている。このため、本実施の形態では、接続用配管32の端部が第4接続部34となっている。
【0024】
制御装置50は、圧縮機11の駆動時の回転数、四方弁12の流路、膨張弁14の開度、室外送風機13aの回転数、室内送風機15aの回転数、第1遮断弁20の開閉、及び第2遮断弁30の開閉等の制御を行う。この制御装置50は、専用のハードウェア、又はメモリに格納されるプログラムを実行するCPU(Central Processing Unit)で構成されている。なお、CPUは、中央処理装置、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、又はプロセッサともいう。
【0025】
制御装置50が専用のハードウェアである場合、制御装置50は、例えば、単一回路、複合回路、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field−Programmable Gate Array)、又はこれらを組み合わせたものが該当する。制御装置50が実現する各機能部のそれぞれを、個別のハードウェアで実現してもよいし、各機能部を一つのハードウェアで実現してもよい。
【0026】
制御装置50がCPUの場合、制御装置50が実行する各機能は、ソフトウェア、ファームウェア、又はソフトウェアとファームウェアとの組み合わせにより実現される。ソフトウェア及びファームウェアはプログラムとして記述され、メモリに格納される。CPUは、メモリに格納されたプログラムを読み出して実行することにより、制御装置50の各機能を実現する。ここで、メモリは、例えば、RAM、ROM、フラッシュメモリ、EPROM、又はEEPROM等の、不揮発性又は揮発性の半導体メモリである。
【0027】
制御装置50の機能の一部を専用のハードウェアで実現し、一部をソフトウェア又はファームウェアで実現するようにしてもよい。また、本実施の形態では制御装置50を1つの制御装置として構成して室外ユニット2に収容しているが、制御装置50を複数の制御装置に分けて構成してもよい。そして、室内ユニット3に収容されている構成機器を制御する制御装置を、室内ユニット3に収容してもよい。
【0028】
本実施の形態に係る制御装置50は、第1遮断弁20及び第2遮断弁30を制御する機能部として、受信部51、比較部52、及び制御部53を備えている。受信部51は、検出センサ4の検出結果を受信する機能部である。換言すると、受信部51は、冷凍サイクル回路10から空調対象空間である室内の空気にどの程度の冷媒が漏洩したかを受信する。なお、本実施の形態では、制御装置50と検出センサ4とは配線61で接続されている。そして、受信部51は、配線61を介して、検出センサ4の検出結果を受信する。すなわち、配線61は、通信線を備えている。なお、配線61は、検出センサ4へ電力を供給する電力供給線を備えていてもよい。
【0029】
比較部52は、検出センサ4で検出された冷媒の検出量と閾値である規定量とを比較する機能部である。換言すると、比較部52は、検出センサ4の検出値と閾値である規定量とを比較する機能部である。制御部53は、検出センサ4で検出された冷媒の検出量が規定量以上となった際に、第1遮断弁20及び第2遮断弁30を閉じる機能部である。第1遮断弁20を閉じることにより、第1冷媒配管41内の冷媒の流通を遮断することができる。また、第2遮断弁30を閉じることにより、第2冷媒配管42内の冷媒の流通を遮断することができる。すなわち、第1遮断弁20及び第2遮断弁30を閉じることにより、冷凍サイクル回路10内の冷媒の循環を遮断することができる。
【0030】
本実施の形態では、制御装置50と第1遮断弁20とは配線62で接続されている。そして、制御部53は、配線62を介して、第1遮断弁20へ開閉の指令を行う。すなわち、配線62は、通信線を備えている。なお、配線62は、第1遮断弁20へ電力を供給する電力供給線を備えていてもよい。また、本実施の形態では、制御装置50と第2遮断弁30とは配線63で接続されている。そして、制御部53は、配線63を介して、第2遮断弁30へ開閉の指令を行う。すなわち、配線63は、通信線を備えている。なお、配線63は、第2遮断弁30へ電力を供給する電力供給線を備えていてもよい。
【0031】
ここで、冷凍サイクル回路内の冷媒の循環を遮断する遮断弁を備えた従来の冷凍サイクル装置は、上述のように、遮断弁を中継ユニットに設けていた。このため、冷凍サイクル回路内の冷媒の循環を遮断する遮断弁を備えた従来の冷凍サイクル装置は、遮断弁を制御する制御基板等の制御装置も、中継ユニットに設ける必要があった。したがって、冷凍サイクル回路内の冷媒の循環を遮断する遮断弁を備えた従来の冷凍サイクル装置は、遮断弁を制御する制御基板等の制御装置を新たに設ける必要があり、冷凍サイクル装置の製造コストが増加するという課題があった。
【0032】
一方、後述のように、本実施の形態に係る冷凍サイクル装置1においては、第1遮断弁20及び第2遮断弁30は、室外ユニット2の近傍に設けられる。このため、本実施の形態に係る冷凍サイクル装置1においては、第1遮断弁20及び第2遮断弁30は、室外ユニット2に設けられた制御装置50によって制御される。通常、室外ユニットには、制御装置が設けられている。このため、本実施の形態に係る冷凍サイクル装置1においては、第1遮断弁20及び第2遮断弁30を制御するための制御装置を新たに設ける必要がない。したがって、本実施の形態に係る冷凍サイクル装置1は、冷凍サイクル回路内の冷媒の循環を遮断する遮断弁を備えた従来の冷凍サイクル装置と比べ、製造コストを低減することができる。
【0033】
図2は、本発明の実施の形態に係る冷凍サイクル装置を示す斜視図である。また、
図3は、本発明の実施の形態に係る冷凍サイクル装置の収容箱の内部を示す斜視図である。換言すると、
図3は、収容箱80の外周面の一部を透過した図となっている。なお、
図2に示す白抜き矢印は、筐体70の外部へ吹き出される空気の流れ方向を示している。以下、
図2及び
図3を用いて、第1遮断弁20及び第2遮断弁30の設置構成の詳細を説明する。
【0034】
室外ユニット2の筐体70の前面部71には、図示せぬ吹出口が形成されている。室外送風機13aによって図示せぬ吸込口から筐体70内に吸い込まれた室外空気は、室外熱交換器13を流れる冷媒と熱交換する。室外熱交換器13を流れる冷媒と熱交換した室外空気は、
図2に白抜き矢印で示すように、前面部71に形成されている吹出口から筐体70の外部に吹き出される。また、筐体70の背面部73には、収容箱80が設けられている。詳しくは、収容箱80は、筐体70の外部に配置されて、該筐体70の背面部73に取り付けられている。換言すると、筐体70は、背面部73に、収容箱80が取り付けられる取付部74を備えている。なお、筐体70への収容箱80の固定方法は、特に限定されない。例えば、ネジ止めによって筐体70へ収容箱80を固定してもよいし、溶接によって筐体70へ収容箱80を固定してもよい。
【0035】
図3に示すように、収容箱80には、第1遮断弁20及び第2遮断弁30が収容されている。上述のように、第1遮断弁20は第3冷媒配管43及び第4冷媒配管44と接続され、第2遮断弁30は第5冷媒配管45及び第6冷媒配管46と接続される。ここで、本実施の形態では、第1遮断弁20と第3冷媒配管43との接続部である第1接続部23、第1遮断弁20と第4冷媒配管44との接続部である第2接続部24、第2遮断弁30と第5冷媒配管45との接続部である第3接続部33、及び第2遮断弁30と第6冷媒配管46との接続部である第4接続部34が、収容箱80の外部に設けられている。第1接続部23及び第2接続部24を収容箱80の外部に配置することにより、冷凍サイクル装置1の据付時に第1遮断弁20へ第3冷媒配管43及び第4冷媒配管44を接続する際、当該接続作業が容易となる。また、第3接続部33及び第4接続部34を収容箱80の外部に配置することにより、冷凍サイクル装置1の据付時に第2遮断弁30へ第5冷媒配管45及び第6冷媒配管46を接続する際、当該接続作業が容易となる。
【0036】
なお、筐体70の背面部73には、開口部75が形成されている。具体的には、筐体70の背面部73には、ノックアウト穴が形成されている。ノックアウト穴とは、現場において簡単に開口部が開けられるように、該開口部が蓋で塞がれた構造である。ノックアウト穴の蓋を押すことにより、開口部を開けられるようになっている。本実施の形態では、筐体70の背面部73のノックアウト穴の蓋を押すことにより、開口部75が形成される。そして、室外ユニット2の筐体70に収容された冷凍サイクル回路10の構成機器と第1遮断弁20とは、第3冷媒配管43を開口部75に通して接続されている。また、室外ユニット2の筐体70に収容された冷凍サイクル回路10の構成機器と第2遮断弁30とは、第5冷媒配管45を開口部75に通して接続されている。また、室外ユニット2の筐体70に収容された制御装置50と検出センサ4とは、配線61を開口部75に通して接続されている。また、室外ユニット2の筐体70に収容された制御装置50と第1遮断弁20とは、配線62を開口部75に通して接続されている。また、室外ユニット2の筐体70に収容された制御装置50と第2遮断弁30とは、配線63を開口部75に通して接続されている。
【0037】
ここで、以下の
図4に示すような仮固定構造を冷凍サイクル装置1に採用することにより、筐体70への収容箱80の固定が容易となる。
【0038】
図4は、本発明の実施の形態に係る冷凍サイクル装置の別の一例を示す斜視図である。
図4に示す冷凍サイクル装置1においては、収容箱80は、室外ユニット2の筐体70と対向する面に、引掛け部81を備えている。引掛け部81は、例えば、フックである。また、室外ユニット2の筐体70は、取付部74に、引掛け部81が引っ掛けられる引っ掛かり部77を備えている。本実施の形態では、取付部74に板状部材を取り付けている。この際、板状部材は、筐体70との間に引掛け部81の先端部が挿入される空間が形成されるように、取り付けられている。このように板状部材を取り付けることにより、板状部材の上縁部が引っ掛かり部77となる。
【0039】
収容箱80の引掛け部81を筐体70の引っ掛かり部77に引っ掛けることにより、収容箱80は、筐体70の取り付け位置に仮固定されることとなる。このように、収容箱80を筐体70の取り付け位置に仮固定した状態で、筐体70へ収容箱80を固定することにより、筐体70への収容箱80の固定が容易となり、筐体70への収容箱80の固定作業の時間を短縮することができる。例えば、ネジ止めによって筐体70へ収容箱80を固定する場合、作業者は、片手にドライバーを持った状態でネジ止め作業を行うことになる。この際、作業者は、収容箱80を取り付け位置に保持する必要がないので、ネジ止め作業が容易となり、ネジ止め作業の時間を短縮することができる。
【0040】
また、上述した筐体70への収容箱80の固定位置は、一例である。収容箱80は、筐体70の外部において、筐体70に固定されていればよい。例えば、以下の
図5に示す位置に、収容箱80が固定されていてもよい。
【0041】
図5は、本発明の実施の形態に係る冷凍サイクル装置の別の一例を示す斜視図である。
図5に示す冷凍サイクル装置1においては、収容箱80は、筐体70の外部に配置されて、該筐体70の側面部72に取り付けられている。換言すると、筐体70は、側面部72に、収容箱80が取り付けられる取付部74を備えている。また、
図5に示す冷凍サイクル装置1においては、筐体70の側面部72に、第3冷媒配管43、第5冷媒配管45、配線61、配線62及び配線63が通る開口部76が形成されている。具体的には、筐体70の側面部72には、開口部76となるノックアウト穴が形成されている。筐体70の側面部72のノックアウト穴の蓋を押すことにより、開口部76が形成される。
【0042】
室外ユニット2の設置場所によっては、筐体70の背面側に、収容箱80の設置スペースの確保が難しい場合もある。この様な設置環境においては、
図5のように冷凍サイクル装置1を構成することにより、収容箱80の設置が容易となり、第1遮断弁20及び第2遮断弁30の設置が容易となる。
【0043】
なお、筐体70の側面部72及び背面部73の双方に、収容箱80が取り付けられる取付部74を備えていてもよい。このように構成することにより、室外ユニット2の設置場所に応じて、側面部72及び背面部73のうちのどちら側に収容箱80を固定するかを選択することができ、第1遮断弁20及び第2遮断弁30の設置がさらに容易となる。
【0044】
以上、本実施の形態に係る冷凍サイクル装置1は、複数の構成機器が冷媒配管で接続されて構成される冷凍サイクル回路10と、冷凍サイクル回路10を構成する複数の構成機器のうちの一部が収容された筐体70を有する室外ユニット2と、冷凍サイクル回路10を構成する複数の構成機器のうちの一部が収容された室内ユニット3と、を備えている。また、本実施の形態に係る冷凍サイクル装置1は、冷凍サイクル回路10から漏洩した冷媒を検出する検出センサ4と、第1冷媒配管41の途中部に設けられた第1遮断弁20と、第2冷媒配管42の途中部に設けられた第2遮断弁30と、制御装置50と、を備えている。制御装置50は、検出センサ4で検出された冷媒の検出量が規定量以上となった際に、第1遮断弁20を閉じて第1冷媒配管41内の冷媒の流通を遮断し、第2遮断弁30を閉じて第2冷媒配管42内の冷媒の流通を遮断する。そして、本実施の形態に係る冷凍サイクル装置1は、第1遮断弁20及び第2遮断弁30を収容し、室外ユニット2の筐体70の外部に配置されて該筐体70に取り付けられる収容箱80を備えている。
【0045】
冷凍サイクル回路内の冷媒の循環を遮断する遮断弁を備えた従来の冷凍サイクル装置は、中継ユニットに遮断弁を備えていた。中継ユニットは、例えば天井裏等、建物内における居住空間周辺の空間に設置される。このため、建物内に中継ユニットの設置スペースを確保できない場合がある。また、建物内に中継ユニットの設置スペースを確保できる場合でも、中継ユニットの設置スペースを大きく確保することが難しく、遮断弁を中継ユニットに設けられない場合がある。このように、従来の冷凍サイクル装置は、冷凍サイクル回路内の冷媒の循環を遮断する遮断弁を設置することが難しいという課題があった。一方、本実施の形態に係る冷凍サイクル装置1は、室外ユニット2の筐体70に収容箱80を固定し、該収容箱80に第1遮断弁20及び第2遮断弁30を収容している。室外ユニット2の設置スペースは、中継ユニットの設置スペースと比べて、大きく確保しやすい。このため、本実施の形態に係る冷凍サイクル装置1は、冷凍サイクル回路内の冷媒の循環を遮断する遮断弁である第1遮断弁20及び第2遮断弁30の設置が従来よりも容易となる。
【0046】
また、本実施の形態に係る冷凍サイクル装置1は、室外ユニット2の筐体70の外部に収容箱80を設け、該収容箱80に第1遮断弁20及び第2遮断弁30を収容している。このため、従来の冷凍サイクル装置に第1遮断弁20及び第2遮断弁30を設ける際、室外ユニットの筐体の内部に第1遮断弁20及び第2遮断弁30の設置スペースを確保する必要がない。このため、収容箱80、第1遮断弁20及び第2遮断弁30を設けることにより、従来の冷凍サイクル装置を容易に本実施の形態に係る冷凍サイクル装置1とすることができる。
【0047】
なお、本実施の形態では、冷凍サイクル装置1は、室内ユニット3を1つのみ備えた構成となっていた。これに限らず、冷凍サイクル装置1は、複数の室内ユニット3を備える構成となっていてもよい。また例えば、冷凍サイクル装置1は、中継ユニットを介して、室外ユニット2と室内ユニット3とが接続される構成となっていてもよい。
【0048】
また、本実施の形態では、冷凍サイクル装置1が空気調和装置として用いられる例について説明した。換言すると、本実施の形態では、冷凍サイクル装置1の利用側ユニットが室内ユニット3として用いられる例について説明した。これに限らず、冷凍サイクル装置1は、冷凍サイクル回路を備えた種々の冷凍サイクル装置とすることができる。例えば、冷凍サイクル装置1の利用側ユニットを冷凍庫に設置し、利用側ユニットで冷凍庫内の空気を冷却する冷凍装置として、冷凍サイクル装置1を用いてもよい。また例えば、利用側ユニットの利用側熱交換器で水を加熱し、給湯装置として冷凍サイクル装置1を用いてもよい。