特許第6972395号(P6972395)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6972395テストデータセットの生成方法、テスト方法、システムの動作方法、機器、制御システム、コンピュータプログラム製品、コンピュータ可読媒体、生成及び使用
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6972395
(24)【登録日】2021年11月5日
(45)【発行日】2021年11月24日
(54)【発明の名称】テストデータセットの生成方法、テスト方法、システムの動作方法、機器、制御システム、コンピュータプログラム製品、コンピュータ可読媒体、生成及び使用
(51)【国際特許分類】
   G06F 11/36 20060101AFI20211111BHJP
   B60W 40/02 20060101ALI20211111BHJP
   B60W 60/00 20200101ALI20211111BHJP
   G06N 20/00 20190101ALI20211111BHJP
   G06T 7/00 20170101ALI20211111BHJP
【FI】
   G06F11/36 184
   B60W40/02
   B60W60/00
   G06N20/00
   G06T7/00 350C
   G06T7/00 650A
【請求項の数】15
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2020-570681(P2020-570681)
(86)(22)【出願日】2019年5月17日
(65)【公表番号】特表2021-527891(P2021-527891A)
(43)【公表日】2021年10月14日
(86)【国際出願番号】EP2019062774
(87)【国際公開番号】WO2019242955
(87)【国際公開日】20191226
【審査請求日】2021年8月25日
(31)【優先権主張番号】18178772.2
(32)【優先日】2018年6月20日
(33)【優先権主張国】EP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】520467176
【氏名又は名称】シーメンス インダストリー ソフトウェア エヌヴェ
【氏名又は名称原語表記】SIEMENS INDUSTRY SOFTWARE NV
(74)【代理人】
【識別番号】110003317
【氏名又は名称】特許業務法人山口・竹本知的財産事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100075166
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 巖
(74)【代理人】
【識別番号】100133167
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100169627
【弁理士】
【氏名又は名称】竹本 美奈
(72)【発明者】
【氏名】ボテロ ハルブラウブ,アンドレス
(72)【発明者】
【氏名】ゲッツ,ヤン
【審査官】 松崎 孝大
(56)【参考文献】
【文献】 特開2018−113015(JP,A)
【文献】 TIAN, Yuchi et al.,DeepTest: Automated Testing of Deep-Neural-Network-driven Autonomous Cars,Proceedings of the 40th International Conference on Software Engineering,ACM,2018年05月,pp.303-314
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06N 20/00
B60W 60/00
B60W 40/02
G06T 7/00
G06F 11/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アルゴリズム(1)のための少なくとも1つのテストデータセット(14)の生成方法にして、当該アルゴリズム(1)は入力として画像データ(17)を取得し、出力として前記画像データに依存するアクション領域(16)を出力し、及び/又は、当該アルゴリズム(1)は入力としてセンサデータを取得し、出力として前記センサデータに依存するアクション領域を出力する方法であって、以下のステップを有する、即ち、
ステップ1.1 訓練された人工知能(8)が提供されるステップ、
ステップ1.2 前記人工知能(8)が刺激されるステップ、及び、
ステップ1.3 刺激された前記人工知能(8)が、画像データ(15)及び前記画像データ(15)に関連するアクション領域(16)及び/又はセンサデータ及び前記センサデータに関連するアクション領域を含む、少なくとも1つのテストデータセット(14)を生成するステップ、
を有し、
ステップ1.1で提供される訓練された前記人工知能を取得するために、以下のステップが実行されること、即ち、
ステップ2.1 少なくとも1つの画像取得装置を用いて記録された実画像データ(3)及び前記実画像データ(3)に関連するアクション領域(5)及び/又は少なくとも1つのセンサ装置を用いて記録された実センサデータ及び前記実センサデータに関連するアクション領域を含む学習データセット(2)が、提供されるステップ、
ステップ2.2 人工知能が提供されるステップ、及び、
ステップ2.3 前記人工知能(8)は、提供された前記学習データセット(2)を用いて調整されるステップ、
が実行される方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法において、
ステップ2.1では、少なくとも1つの画像取得装置を用いて記録された実画像シーケンス(3)及び前記シーケンス(3)の画像(4)に関連するアクション領域(5)を含む、学習データセット(2)が提供され、ステップ1.3では、刺激された前記人工知能(8)は、新しい画像シーケンス(15)及び前記新しい画像シーケンス(15)に関連するアクション領域(16)を含む、少なくとも1つのテストデータセット(14)を生成し、及び/又は、ステップ2.1では、実画像シーケンス(3)を含む学習データセット(2)が提供され、前記学習データセット(2)の前記アクション領域(5)は、前記画像シーケンス(3)のそれぞれの画像(4)のために、少なくとも1つの制御パラメータ又はこれを示す値、及び、それぞれの少なくとも1つの制御パラメータ又はこれを示す値のために関連する目標領域、を含むこと、
を特徴とする方法。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の方法において、
先進運転支援システムのアルゴリズム(1)のための又は自律車両運転用システムのアルゴリズムのための少なくとも1つのテストデータセット(15)が生成され、提供された前記学習データセット(2)は画像シーケンス(3)を含み、当該画像シーケンス(3)は走行状況の画像を含んでいる及び/又はそれぞれの画像(4)に対して関連するアクション領域(5)として走行軌跡(6)を含んでいること、
を特徴とする方法。
【請求項4】
請求項1〜3の何れか1項に記載の方法において、
少なくとも1つのテストデータセット(14)が、入力として画像シーケンス(17)を取得しまた出力として前記画像シーケンス(17)に依存するアクション領域(16)を出力するアルゴリズム(1)のために、生成されること、
を特徴とする方法。
【請求項5】
請求項1〜4の何れか1項に記載の方法において、
ステップ1.3では、画像シーケンス(15)を含む少なくとも1つのテストデータセット(12)が生成され、当該画像シーケンス(15)は走行状況の画像(17)を含んでいる及び/又は当該画像シーケンス(15)はそれぞれの画像(17)に対して関連するアクション領域(16)として走行軌跡(18)を含んでいること、
を特徴とする方法。
【請求項6】
請求項1〜5の何れか1項に記載の方法において、
ステップ1.1では、長・短期記憶ネットワーク(9、10)を含むか又はそのようなものにより与えられている人工知能(8)が、提供されること、
を特徴とする方法。
【請求項7】
請求項1〜6の何れか1項に記載の方法において、
ステップ1.1では、少なくとも1つの生成ネットワーク(9)及び/又は少なくとも1つの識別ネットワーク(10)を含むか又はそのようなものにより与えられている人工知能(8)が、提供されること、
を特徴とする方法。
【請求項8】
アルゴリズム(1)のテスト方法であって、以下のステップを有する、即ち、
ステップ9.1 テストされるべきアルゴリズム(1)が提供されるステップであり、当該アルゴリズム(1)は入力として画像データ(15)を取得しまた出力として前記画像データ(15)に依存するアクション領域(20)を出力する、及び/又は、当該アルゴリズム(1)は入力としてセンサデータを取得しまた出力として前記センサデータに依存するアクション領域を出力する、
ステップ9.2 画像データ(15)及び前記画像データ(15)に関連するアクション領域(16)を含む及び/又はセンサデータ及び前記センサデータに関連するアクション領域を含む、少なくとも1つのテストデータセット(14)を取得するために、請求項1〜の何れか1項に記載の方法を実行するステップ、
ステップ9.3 前記少なくとも1つのテストデータセット(14)が提供されるステップ、
ステップ9.4 前記少なくとも1つのテストデータセット(14)の前記画像データ(15)及び/又は前記センサデータが、テストされるべき前記アルゴリズム(1)に入力として供給されるステップ、
ステップ9.5 前記アルゴリズム(1)が実行され、出力としてアクション領域(20)を出力するステップ、
ステップ9.6 前記アルゴリズムにより出力として出力された前記アクション領域(20)が、前記少なくとも1つのテストデータセット(14)の前記アクション領域(16)と比較されるステップ、
ステップ9.7 比較(21)の結果から、テストされた前記アルゴリズム(1)の品質が推論されるステップ、
を有する方法。
【請求項9】
請求項8に記載の方法において、
ステップ9.1〜9.7の実行に続いて、請求項1〜7の何れか1項に記載の少なくとも1つのテストデータセット(14)の生成方法のステップ1.2及びステップ1.3が、以前に生成された前記テストデータセット(14)とは異なる少なくとも1つのさらなるテストデータセット(14)を生成するために、再び実行され、前記少なくとも1つのさらなるテストデータセット(14)が提供され、前記ステップ9.4から前記ステップ9.7が繰り返されること、
を特徴とする方法。
【請求項10】
装置の自動化された制御のためのシステムの動作方法にして、前記システムは、少なくとも1つの画像取得装置及び/又は少なくとも1つのセンサ装置、並びに評価・制御ユニット及び前記装置の制御手段、を含み、また、前記制御・評価ユニット内にアルゴリズム(1)が格納されているか又は格納されることになり、当該アルゴリズム(1)は入力として画像データ(17)を取得し、出力として前記画像データに依存するアクション領域(16)を出力するか、又は、当該アルゴリズム(1)は入力としてセンサデータを取得し、出力として前記センサデータに依存するアクション領域を出力する方法であって、前記アルゴリズム(1)は請求項8又は9に記載の方法の実行中にテストされ、テストの結果、前記アルゴリズム(1)の機能性が不十分である場合、前記アルゴリズム(1)は所定の方法で適合され、前記アルゴリズム(1)を用いて前記装置の制御が行われる、方法。
【請求項11】
請求項10に記載の方法において、
前記システムは少なくとも1つの画像取得装置を含み、前記システムの前記少なくとも1つの画像取得装置を用いて画像(4)のシーケンス(3)が取得され、前記シーケンス(3)の前記画像(4)にアクション領域(5)が割り当てられ、割り当てられた前記アクション領域(5)を含む前記画像シーケンス(3)は、前記人工知能(8)を訓練するための学習データセット(2)として提供されること、及び/又は、前記システムは少なくとも1つのセンサ装置を含み、前記システムの前記少なくとも1つのセンサ装置を用いてセンサデータが取得され、前記センサデータにアクション領域が割り当てられ、割り当てられた前記アクション領域を含む前記センサデータは、前記人工知能(8)を訓練するための学習データセットとして提供されること、
を特徴とする方法。
【請求項12】
請求項1〜7の何れか1項に記載の方法の実行中に取得された前記少なくとも1つのテストデータセットが格納されているデータキャリアの生成。
【請求項13】
請求項1〜7の何れか1項に記載の方法、又は請求項8又は9に記載の方法、又は請求項10又は11に記載の方法を実行するように形成及び調整されている機器。
【請求項14】
請求項1〜7の何れか1項に記載の方法、又は請求項8又は9に記載の方法、又は請求項10又は11に記載の方法を実行するためのプログラムコード手段を含むコンピュータプログラム製品。
【請求項15】
少なくとも1つのコンピュータ上で実行されると、前記少なくとも1つのコンピュータに、請求項1〜7の何れか1項に記載の方法のステップ、又は請求項8又は9に記載の方法のステップ、又は請求項10又は11に記載の方法のステップを実行させる命令を含むコンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アルゴリズムのためのテストデータセットの生成方法と、そのようなもののテスト方法に関する。さらに、本発明は、装置の自動化された画像依存制御のためのシステムの動作方法と、その方法を実行するための機器に関する。そして、本発明は、そのような機器を備える装置用制御システム、コンピュータプログラム製品、コンピュータ可読媒体、データキャリアの生成、及び人工知能の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
制御ソフトウェアの開発分野においては、ソフトウェアのテストが開発コストのかなりの部分を占める。このことは、とりわけ、品質テストの設計が複雑であり、また、エラー検出が困難且つ自明ではない、という事情による。特に、テストされるべきアルゴリズムが複雑であればあるほど、これのテストもより複雑になる。とりわけ、「包括的に」テストすること、つまり必要とされるテスト網羅性を達成することも困難である。
【0003】
また、画像処理アルゴリズムは、コンピュータシステムにおける最も複雑なアルゴリズムに数えられる。本出願人には、例えば、先進運転支援(英語ではAdvanced Driver Assistance、ADAS)又は自律車両運転の分野で用いられるアルゴリズムが、記録されたテストデータセットに基づくテストシナリオを用いた、人によるチェックを受けること、又は「実世界テスト(Real-Life-Tests)」が試験場又は現実環境で行われることは、既知である。
【0004】
予め記録され、高度な人的介入により生成された現実のビデオシーケンスにおける予め定義された「最良ケースアクション(Best-Case-Actions)」に対してチェックを行うことができる。新しいテストケースの各々は手動で生成され、テストシナリオにランダム性の余地を残さない。
【0005】
既知の複数のアプローチは、テストデータ及び予想される振る舞いが、人のアクターとの密接な相互作用によって特徴付けられ、自動化されたテストセットアップへの統合には困難さを伴う点で共通している。テストの拡張は複雑で困難である。
【0006】
また本出願人には、いくつかの製造業者においてはテストフェーズがさらに製品供給後の期間にまで延長され、監視された自律走行プロセス中にテストデータが、これらに基づいてアルゴリズムを改善するために、収集されることは、既知である。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】Ian Goodfellow他「GenerativeAdversarial Nets」(GANs)、ArXiv: 1406.2661[statML]661vl、2014年1月10日
【非特許文献2】Alec Redfort他「Unsupervised Representation Learning With Deep Convolutional GenerativeAdversarial Networks」、ArXiv: 1511.064V2[cs.LG]、2016年1月7日
【非特許文献3】SeppHochreiter、Juergen Schmidhuber「Long ShortTerm Memory」(LSTM) Neural Computation 9(8):1735‐1780、1997年
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
これに基づいて、本発明の課題は、複雑な画像処理アルゴリズムをテストするための改善されたオプションを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本課題は、以下のような方法により、解決される、即ち、入力として画像データを取得しまた出力として画像データに依存するアクション領域を出力する及び/又は入力としてセンサデータを取得しまた出力としてセンサデータに依存するアクション領域を出力するアルゴリズムのための少なくとも1つのテストデータセットの生成方法であって、以下のステップを有する、即ち、
ステップ1.1 訓練された人工知能が提供されるステップ、
ステップ1.2 人工知能が刺激されるステップ、及び
ステップ1.3 刺激された人工知能が、画像データ及び画像データに関連するアクション領域及び/又はセンサデータ及びセンサデータに関連するアクション領域を含む、少なくとも1つのテストデータセットを生成するステップ、
を有する方法により、解決される。
【0010】
好ましくは、ステップ1.1において、長・短期記憶ネットワークを含むか又はそのようなものにより与えられている、人工知能が提供される。また、好ましくは、ステップ1.1において、少なくとも1つの生成ネットワーク及び/又は少なくとも1つの識別ネットワークを含むか又はそのようなものにより与えられている、人工知能が提供される。また、特に好ましくは、ステップ1.2において、人工知能の少なくとも1つの生成ネットワークが刺激され、好ましくは、ステップ1.3において、人工知能の少なくとも1つの刺激された生成ネットワークがテストデータセットを出力する。敵対的生成ネットワーク、特に少なくとも1つの生成ネットワーク及び/又は少なくとも1つの識別ネットワークとは、好適には、人工ニューラルネットワークである。
【0011】
なお、ネットワークという用語の代わりに、原則的にシステム又はモデル又はネットワークという用語を同義語として用いることもできる。
【0012】
好ましくは、ステップ1.1において、学習データセットを用いて調整された、訓練された人工知能が提供される。特に好ましくは、少なくとも1つの画像取得装置によって記録された実画像データ及び実画像データに関連するアクション領域及び/又は少なくとも1つのセンサ装置によって記録された実センサデータ及び実センサデータに関連するアクション領域を含む、学習データセットを用いる。
【0013】
特に好ましくは、ステップ1.1において提供される訓練された人工知能を取得するために、以下のステップ、即ち、
ステップ2.1 少なくとも1つの画像取得装置によって記録された実画像データ及び実画像データに関連するアクション領域並びに/又は少なくとも1つのセンサ装置によって記録された実センサデータ及び実センサデータに関連するアクション領域を含む、学習データセットが提供されるステップ、
ステップ2.2 人工知能が提供されるステップ、及び、
ステップ2.3 人工知能は、提供された学習データセットを用いて調整されるステップ、が実行される。
【0014】
さらに好ましくは、ステップ1.1及び/又はステップ2.2において提供される人工知能に関して、この人工知能は、敵対的ネットワーク、特に敵対的生成ネットワークを含むか、又はそのようなものにより与えられている。
【0015】
本発明は、初期データセットから画像データ及び/又はセンサデータ並びに関連するアクション領域を生成するために人工知能を用いるという考えに基づいており、これらを用いて、アルゴリズムを特には、画像依存制御の、特には画像シーケンス依存制御の領域から、或いは、センサ値依存制御の領域から、その性能又はその振る舞いについてチェックすることができる。この場合、本発明においては訓練された人工知能が用いられる。
【0016】
人工知能は、好ましくは、特に現実の状況の観測或いは記録により、また人との相互作用により、取得された学習データセットを用いて、調整される、つまり訓練される、或いは、好ましくは、特に現実の状況の観測又は記録により、また人との相互作用により、取得された学習データセットを用いて、調整/訓練済みであり、この場合テストデータを生成するために利用可能である。
【0017】
訓練された人工知能を用いて生成されたデータセットは、「合成的に」取得されたテストデータであり、当該テストデータ、そのタイプ及び合目的性に関して、特に提供された学習データセットと同様であって、また、現実に近いものであるか又は現実のデータとは区別できない。人工知能の方法は、好ましくは敵対的生成ネットワークによって、特には画像シーケンス及びそれに適合するアクションを生成するために、用いられる。
【0018】
特に、例えば画像シーケンスの形態の高次元データ、及びアクション領域又はアクション通路(英語ではaction corridors)の形態の、特に許容的制御パラメータを示す、低次元データは、特に、画像依存制御アルゴリズム又はセンサ値依存制御アルゴリズムの性能又は挙動を分類するために、テストケース生成器を訓練するために、処理される。調整は、好ましくはアクション領域に関してベクトルの級数として補完されている画像データ及び/又はセンサデータに、基づいている。
【0019】
テストデータセットが決定されており、入力として画像データを取得し、そして、出力として画像データに依存するアクション領域を出力するアルゴリズムは、特に好ましくは、制御アルゴリズムである。特に、例えば車両又はロボットといった装置を制御するためのアルゴリズムであってよい。
【0020】
好適には、アクション領域は、各々少なくとも1つの許容的アクション、好ましくは、各々複数の許容的アクションを含むか、又はそれによって与えられている。これらは特に各々、関連する画像データ又はセンサデータに関して或いはこれらに照らして、許容的である、例えば制御プロセスといったアクションを有する(目標)領域である。
【0021】
好ましい構成では、アクション領域は、許容的制御パラメータを示す。特に好ましくは、それらは、自動化され、画像サポートされた、装置の制御のためのシステム用の許容的制御パラメータを示す或いは含む、或いは、そのようなものによって構成される。
【0022】
アクション領域は、例えば少なくとも1つの制御パラメータ又は制御値を含むか、例えば少なくとも1つの制御パラメータ又は制御値によって構成又は定義される。少なくとも1つの制御パラメータ又は制御値は、それが関連する画像データ又はセンサデータに照らして許容的な(制御)アクションを示すものであってよい。好ましくは、センサ依存/画像依存で制御される装置の1つ又は複数の制御値又は制御パラメータである。
【0023】
一般に、画像データ及び/又はセンサデータによって取得することができるか或いは取得されている所与の初期状況に関して、1つの制御パラメータ又は制御値が可能/許容的であるだけでなく、関連する1つの目標領域が存在し、当該目標領域は複数のアクション又はこれらを示す複数の制御値又は制御パラメータを含んでいる。アクション領域は、適宜、複数の制御パラメータ又は制御値によって定義又は構成されていてもよく、それらは目標領域内にあるか、又はそのような領域にわたっている。
【0024】
特に、アクション領域は、これら各々が関連する画像データ又はセンサデータに依存して許容的である、パラメータ又は値、好ましくは制御パラメータ又は制御値を示す。アクション領域は、複数のパラメータ又は値によって又はそれらの集合によって、特には複数の制御パラメータ又は制御値によって又はそれらの集合によって、定義されていてもよく、これらが実施されると、特には、例えば車両又はロボットといったアルゴリズムを介して制御される装置と共に、(許容的な)アクション領域内を移動する。
【0025】
アクション領域に関して画像データ及び/又はセンサデータを補完することによって、さらなるテストシナリオを生成するために必要なテスト情報を有する注釈付きデータセットが取得される。好ましくは、個々のネットワーク、特に敵対的生成ネットワーク、好ましくは識別ネットワークの調整は、1つの生成ネットワークにより交替で行う生成及び生成されたものの(敵対的)チェックつまり敵対的ネットワーク、特に識別ネットワークによる人工画像データ及び/又はセンサデータ並びに関連するアクション領域の(敵対的)チェックによって、行われる。
【0026】
ここで、好ましくは、本発明の基礎となるテストデータ生成スキームは、非特許文献1の論文において発表されたIan Goodfellow他の業績、非特許文献2の論文によるAlec Redfort他の業績、及び特に非特許文献3の論文によるSepp HochreiterとJuergen Schmidhuberの業績に基づく。
【0027】
訓練された人工知能は刺激される。刺激は、人工知能に入力、例えば少なくとも1つの入力ファイルが供給されることによって行われ得る。特には入力の供給といった刺激に応答して、人工知能は出力を生成する。
【0028】
訓練された人工知能の刺激は、原則的に様々な方法で行われ得て、例えば少なくとも1つのランダム信号を入力として用いて行われ得る。ランダム信号は、例えばノイズのみを示す或いは含む画像或いは画像ファイルによって、与えられていてもよい。
【0029】
また、刺激は、少なくとも1つの刺激画像を用いて、好ましくは2つ以上の刺激画像或いは刺激画像シーケンスを用いて、及び/又は、少なくとも1つの刺激ビデオを用いて、行われ得て、それらは好ましくは、例えば走行状況或いは走行シーンといった、具体的なコンテンツ或いはシーン或いは状況を示している。
【0030】
特に現実のコンテンツを示す刺激画像(或いはそのようなもののシーケンス)及び/又は刺激ビデオの使用は、一般に、ランダム信号の使用に比べてより多くの制御オプションを提供する。
【0031】
特に、GANのアプローチは、好ましくはランダム信号(英語ではrandomsignal)による刺激への又は視覚概念に関する準線形性特性の使用への人工知能の適用から、データセットを生成するために用いられ、それはAlec Redford他による2016年の非特許文献2の上記刊行物、特にこの刊行物の10頁の図7に記載されているように行われる。ここで、生成ネットワーク或いは生成アルゴリズムは、通常のアプローチとは逆に用いられており、このことは、生成ネットワーク又は生成アルゴリズムにパターンを認識しそれらを分類することを可能にする代わりに、プロセスが逆になり、例えばランダム信号などの「分類入力」によってシステムが刺激され、新しい「パターン」(英語ではPattern)が生成されることを意味する。GoodfellowとRedfordは、2014年と2016年のその著作で、新しい画像の作成がほとんどベクトル空間で略線形演算になることを示している。これは、新しいシーケンスを生成するためにアルゴリズムがより容易にチューニングされ得ることを意味する。
【0032】
特に刺激すべき人工知能に(現実の)コンテンツ或いはシーン或いは状況を示す少なくとも1つの画像及び/又はビデオ(或いは対応するファイル)が刺激用に供給される場合に対しては、人工知能は、合成画像或いは合成画像シーケンスを、視覚概念に関する準線形特性を用いて又はそれによって、生成することができる。
【0033】
ここで、線形性とは、特に重ね合わせの原理と理解されるべきである(画像_A+パラメータ*画像_B=画像_C)。「準」とは、特に、既存の個々の画像から新しい画像又は刺激ビデオが生成されることと理解されるべきである(関数_a(画像_A)+パラメータ*関数_b(画像_B)=画像_C、その際、関数_a及び関数_bは非線形関数である)。
【0034】
純粋に一例として、好天時の道路を示す画像と、雨を示す画像とから、視覚概念の準線形特性を考慮して、雨を含む道路或いは雨天時の道路を示す(合成そして生成された)画像が取得される。人工知能に、例えば好天時の道路を含む画像と雨を含む画像が刺激画像として供給される場合、雨天時の道路を示す(関連するアクション領域を有する)合成画像が、取得され得る。このようにして、既存の画像から、既存の画像においては元々示されていなかった、とりわけ新しいシナリオを取得することができる。なお、道路と雨の組み合わせは純粋に一例として理解されるべきであり、人工知能にはもちろん、他のシーン又は状況を刺激画像として供給され得て、当然のことながら3つ以上の画像も供給され得ることが強調される。
【0035】
この原理について、非特許文献2の上記論文の図7は、一例として顔を含む画像を用いて記載していることも注意すべきである
【0036】
刺激画像及び/又は刺激ビデオは、例えばカメラを用いて記録されたもので、現実のシーン或いは状況、例えば現実の走行シーン或いは走行状況を示す画像又はビデオであってよい。しかし、代替的に又は追加的に、構築されたか又は合成の画像及び/又はビデオが人工知能を刺激するために用いられることを排除するものでもない。
【0037】
新しいデータを生成するために、1つ又は複数の訓練されたネットワーク、システム或いはモデルを用いてよい。特に人工知能の生成ネットワークを刺激することにより、新しい画像データ及び/又はセンサデータ並びに関連するアクション領域を、学習された規則を用いて生成してよい。
【0038】
特に、GANの特性に起因して、生成物は単純な算術演算により影響される場合がある。例えば、並木通り−樹木=単純な道路、又は、直線道路+カーブ=難所なども取得することができる。
【0039】
特に好ましくは、古典的な畳み込みネットワークの代わりに、LSTMネットワーク、特に畳み込みLSTMネットワークが、1つ又は複数の生成ネットワークと1つ又は複数の敵対的ネットワークのために用いられる。LSTMネットワークを用いることの有利な点はとりわけ、(画像データ又はセンサデータ及び関連するアクティビティ領域の)時間依存シーケンスが取得され、LSTMによってノイズ効果(非物理的アーティファクト)が避けられることである。LSTMネットワークとは、特に、過去の状態が考慮されるネットワークと理解されるべきである。LSTMは、このタイプのネットワークの特殊化である。このようにして、特に、画像シーケンス及びアクション領域或いはアクション通路を必要とする時間依存性が共にモデル化され得る。本発明の枠内で使用可能なLSTMネットワークは、例えば、Sepp HochreiterとJuergen Schmidhuberによる非特許文献3に記載されている。
【0040】
このアプローチは拡張され、畳み込みLSTMネットワークが繰り返し起きる過去の状態を即座に捕捉することを可能にするが、これは、特にGANシステムを含むか又はそのようなものにより与えられている人工知能を訓練するために、つまり、画像データ、特に画像シーケンス、及び/又はセンサデータ、及び関連するアクション領域を取得するために、行われる。これにより、テストシーンの動的な振る舞いをモデル化することが可能になる。
【0041】
本発明に係る方法は、様々な有利な点を提供する。一方では、複雑なアルゴリズムをテストする際、人との相互作用或いは人的介入の範囲を大幅に削減することができる。また、非常に多数のテストデータも提供することが問題なく可能であるため、複雑なアルゴリズムのテスト網羅性(英語ではtest coverage)を大幅に高めることができる。
【0042】
特に広範囲に深くテスト可能であるため、特に信頼性高く働くアルゴリズムを取得することができ、このことは、とりわけ先進運転支援又は自律走行の分野で行われるような、画像サポートされる制御の領域にとって、著しい長所である、或いは、必要不可欠なものである。その結果、そのようなシステムの品質及び信頼性を大幅に向上させることができ、それに伴うコスト管理が非常に容易である。さらなる有利な点は、本発明によれば、テストハーネス及びテストベクタの生成が1つの前処理ステップのみで行われることである。
【0043】
好ましい実施形態においては、入力として画像シーケンスを取得し、出力として画像シーケンスに依存するアクション領域を出力するアルゴリズムのために、特に自律的に車両を案内するためのシステム又は好ましくは先進運転支援システムのアルゴリズムのために、少なくとも1つのテストデータセットが生成され、特に、ステップ2.1において学習データセットが提供され、当該学習データセットは少なくとも1つの画像取得装置によって記録された実画像シーケンスと、特に装置の自動化され、画像サポートされた制御のためのシステムの許容的制御パラメータを表す、シーケンスの画像に関連するアクション領域を含み、そして、ステップ1.3において、刺激された人工知能は、特に人工知能の少なくとも1つの生成ネットワークは、新しい画像シーケンス及び新しい画像シーケンスに関連するアクション領域を含むこの少なくとも1つのテストデータセットを生成する。
【0044】
なお、本発明に従うアプローチが特に先進運転支援及び自律走行の領域に適しているのは、例えばビデオといった画像シーケンスに依存して制御コマンドが出力されることがこれらの領域において必要であるためであるが、本発明に係るアプローチはこれら両方の例に限定されるものではない。むしろ、テストデータセットは、他の領域のアルゴリズムのために生成されてもよく、例えば、画像サポートされ自動化されたロボット制御又は自動化された分類プロセスの分野で例えば組み立てラインにて使用されるアルゴリズムのために生成されてもよい。また、画像サポートされておらずセンサデータに基づく制御のためのアルゴリズムも、本発明に従ってテストすることができる。
【0045】
好ましくは、人工知能、特にGANシステムを調整するために、オリジナルの実画像データ、特に画像シーケンス、及び/又は、センサデータ並びに関連するアクション領域が、学習データセットとして用いられる。
【0046】
したがって、好ましくは、まず少なくとも1つの画像データセット、特に画像シーケンス、及び/又は、少なくとも1つのセンサデータセットが取得され、これは、十分に知られている画像取得装置、例えば1つ又は複数のカメラ又はセンサ装置などを用いて行うことができる。例えば、車両又はロボットに設けられており車両が走行している間又はロボットが動作している間に記録を行うカメラを、使用することができる。特に、取得された画像シーケンス又は取得されたビデオは、特にはテストベクタである。実画像データ又は実センサデータに関連するアクション領域が算出され、画像データ又はセンサデータ及びアクション領域が互いに割り当てられ、テストデータセットが取得される。現実のテストデータセットがまずこのようにして生成されることの代替として、適切なテストデータセットが利用可能である限り、既存のテストデータセットにアクセスすることもできる。
【0047】
次のステップにおいて、人工知能は、特に人工知能の生成ネットワークは、好ましくは、現実のテストデータを用いて訓練され、その後、新しい画像データ、特に画像シーケンス、及び/又は、センサデータ並びに関連するアクション領域を生成するために、例えば1つ又は複数のランダム信号を用いて刺激されてよい。
【0048】
その後、これらの新たに取得した合成のテストデータは、必要に応じて学習データセットに追加して、テストされるべきアルゴリズムに供給され得るが、その目的はこのアルゴリズムをチェックすることである。
【0049】
特に少なくとも1つのテストデータセットが先進運転支援システムのアルゴリズムのために又は自律的に車両を案内するためのシステムのアルゴリズムのために生成される場合には、別の好ましい構成において、人工知能の訓練のために提供される学習データセットが、走行状況の画像を含む画像シーケンスを含むこと、及び/又は、画像の各々に関して、関連するアクション領域として走行軌跡と、好ましい構成においては、走行軌跡に関する目標領域を定義する、走行軌跡の各々に関連する目標通路を含むこと、が企図されている。
【0050】
発展形態においては、さらにステップ1.3において、少なくとも1つのテストデータセットが生成され、当該少なくとも1つのテストデータセットは、走行状況の画像を含む画像シーケンス、及び/又は、各々の画像のために関連するアクション領域として走行軌跡、及び特には、各々の走行軌跡に関連する目標通路とを含み、走行軌跡に関する目標領域を定義する、画像シーケンスを含む
【0051】
本発明のさらなる対象は、以下のステップを含む、アルゴリズムのテスト方法である、即ち、
ステップ9.1 テストされるべきアルゴリズムであって、入力として画像データを取得し、出力として画像データに依存するアクション領域を出力する、及び/又は、入力としてセンサデータを取得し、出力としてセンサデータに依存するアクション領域を出力する、アルゴリズム、が提供されるステップ、
ステップ9.2 画像データ及び画像データに関連するアクション領域を含む、及び/又は、センサデータ及びセンサデータに関連するアクション領域を含む、少なくとも1つのテストデータセットを取得するために、請求項1〜8の何れか1項に記載の方法を実行するステップ、
ステップ9.3 少なくとも1つのテストデータセットが提供されるステップ、
ステップ9.4 少なくとも1つのテストデータセットの画像データ及び/又はセンサデータが、テストされるべきアルゴリズムに入力として供給されるステップ、
ステップ9.5 アルゴリズムが実行され、出力としてアクション領域を出力するステップと、
ステップ9.6 アルゴリズムにより出力として出力されたアクション領域が、少なくとも1つのテストデータセットのアクション領域と比較されるステップ、
ステップ9.7 比較の結果から、テストされたアルゴリズムの品質が推論されるステップ、
を含む、アルゴリズムのテスト方法である。
【0052】
好ましい構成では、ステップ9.1において、先進運転支援システムのアルゴリズム又は自律車両運転用システムのためのアルゴリズムが、テストされるべきアルゴリズムとして提供される。
【0053】
本発明に係るアルゴリズムのテスト方法の1つの実施形態は、ステップ9.1から9.7の実行に続き、本発明に係るテストデータセットの生成方法のステップ1.2及び1.3が、以前に生成されたテストデータセットとは異なる少なくとも1つのさらなるテストデータセットを生成するために、再び実行され、少なくとも1つのさらなるテストデータセットが提供され、特にはアルゴリズムのさらなる様相をテストするために、ステップ9.4から9.7が繰り返されること、を特徴とする。
【0054】
この方法は、特に有利であることが証明されている。生成ステップを1回繰り返すことによって又は複数回繰り返すことによっても、特に、テストされるべきアルゴリズムの新しい、さらなる様相を、繰り返しチェックすることが可能である。
【0055】
また、本発明のさらなる対象は、特には車両又はロボットといった装置の自動化された特に画像依存の及び/又はセンサ依存の制御のためのシステムの動作方法であり、システムは、少なくとも1つの画像取得装置、特にカメラ、及び/又は、少なくとも1つのセンサ装置、並びに評価・制御ユニット、及び装置の制御手段を含み、制御・評価ユニット内に以下のようなアルゴリズム、即ち、入力として画像データを取得し、出力として、特に許容的制御パラメータを示す画像データに依存するアクション領域を出力し、及び/又は、入力としてセンサデータを取得し、出力として、特に許容的制御パラメータを示すセンサデータに依存するアクション領域を出力するアルゴリズムが、格納されているか又は格納されることになり、アルゴリズムは本発明に係るアルゴリズムのテスト方法の実行中にテストされ、テストの結果、アルゴリズムの機能性が不十分である場合、アルゴリズムは所定の方法で適合され、アルゴリズムを用いて装置の制御が行われる、方法である。
【0056】
システムとは、例えば、自律車両制御のために、又は車両、例えば乗用車において特に先進運転支援のために使用される、ものであってよい。
【0057】
本発明に係る方法で生成された少なくとも1つのテストデータセットを用いて、特に本発明に係るアルゴリズムのテスト方法の実行中に、チェックされ、必要に応じて適合されたアルゴリズムに基づいて装置が、例えば車両又はロボットが、制御される場合、制御を特に信頼性高く行うことができ、自動化された制御の安全性を大幅に向上させることができる。
【0058】
好ましい実施形態において、装置の自動化された特に画像依存及び/又はセンサ依存制御のためのシステムの動作方法は、システムは少なくとも1つの画像取得装置を含み、システムの少なくとも1つの画像取得装置を用いて画像のシーケンスが取得され、シーケンスの画像にアクション領域が割り当てられ、割り当てられたアクション領域を含む画像シーケンスは、人工知能を訓練するための学習データセットとして、特にステップ2.1において提供されることを特徴とする。代替的又は追加的に、システムは少なくとも1つのセンサ装置を含み、システムの少なくとも1つのセンサ装置を用いてセンサデータが取得され、センサデータにアクション領域が割り当てられ、割り当てられたアクション領域を含むセンサデータは、人工知能を訓練するための学習データセットとして、特にステップ2.1において提供されることが企図され得る。ステップ2.1は、特に本発明に係るテストデータセットの生成方法の第1のステップであり、当該第1のステップはテストデータセットを取得するために本発明に係るアルゴリズムのテスト方法のステップ9.2において実行される。
【0059】
本発明のさらなる対象は訓練された人工知能の使用であり、当該人工知能は、入力として画像データを取得し、出力として、特に許容的制御パラメータを示す画像データに依存するアクション領域を出力するアルゴリズムのため、及び/又は、入力としてセンサデータを取得し、出力として、特に許容的制御パラメータを示すセンサデータに依存するアクション領域を出力するアルゴリズムのため、少なくとも1つのテストデータセットを生成するための、特に敵対的生成ネットワークを含むか又はそのようなものにより与えられている。なお、人工知能及び/又は少なくとも1つのテストデータセットに関して上記した全ての特徴は、各々個別に又は組み合わせて、本発明に係る使用の枠内においても、実現することができることを指摘する。
【0060】
また、本発明のさらなる対象は、本発明に係るアルゴリズムのためのテストデータセットの生成方法を実行するように、又は、本発明に係るアルゴリズムのテスト方法を実行するように、又は、本発明に係る装置の自動化された特に画像依存制御のためのシステムの動作方法を実行するように、構成及び適合されている機器に関する。
【0061】
本発明に係る機器は、好ましくは、少なくとも1つのプロセッサと、特にデータ保存部を備える。本発明に係る機器は、例えばコンピュータ、特にPCを含んでよく、又はそのようなものとして構成されていてもよい。
【0062】
また、本発明に係る機器は、例えば、装置用の、特に車両用又はロボット用の制御システムの一部を構成してもよい。
【0063】
また、本発明の対象は、本発明に係るアルゴリズムのためのテストデータセットの生成方法を実行するための、或いは、本発明に係るアルゴリズムのテスト方法を実行するための、或いは、本発明に係る装置の自動化された画像依存制御のためのシステムの動作方法を実行するためのプログラムコード手段を含むコンピュータプログラム製品である。
【0064】
また、本発明の対象はデータキャリアの生成でもあり、当該データキャリには少なくとも1つのテストデータセットが保存されており、当該少なくとも1つのデータセットは本発明に係る少なくとも1つのテストデータセットの生成方法の実行下において保存されている。
【0065】
最後に、本発明の対象はコンピュータ可読媒体であり、当該コンピュータ可読媒体は、以下のような命令を含んでいる、即ち、少なくとも1つのコンピュータ上で実行される場合、少なくとも1つのコンピュータに、本発明に係るアルゴリズムのためのテストデータセットの生成方法のステップ、或いは、本発明に係るアルゴリズムのテスト方法のステップ、或いは、本発明に係る装置の自動化された画像依存制御のためのシステムの動作方法のステップ、を実行させる命令を含んでいる。
【0066】
例えば、コンピュータ可読媒体は、例えばCD‐ROM、DVD、又はフラッシュメモリ、又はUSBメモリといったデータキャリアの形態で存在することができる。なお、コンピュータ可読媒体としては、単に物理メディアのみが理解されるべきはなく、そのようなものは、例えばデータストリーム及び/又はデータストリームを示す信号の形態でも存在することができる。
【0067】
以下の例示的な記載により、本発明に係る方法のさらなる特徴及び有利な点が添付の図面を参照しながら明らかになるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0068】
図1】本発明に係るアルゴリズムのテスト方法の1つの実施例の経過に対する単なる概略図である。
図2】人工知能の調整を単に概略的に説明するためのブロック図である。
図3】画像シーケンスと、関連する走行軌跡及び通路の形態をした関連するアクション領域を有する、学習データセットの単に概略的な図である。
図4】テストデータセットの生成及びアルゴリズムのテストを単に概略的に説明するためのブロック図である。
図5】それぞれが、画像シーケンスと、関連する走行軌跡及び通路の形態をした関連するアクション領域を有する、3つのテストデータセットの単に概略的な図である。
【発明を実施するための形態】
【0069】
図1は、本発明に係るアルゴリズム1のテスト方法の1つの実施例の経過に対する単に概略的な図を示す。ここで、図面において、実施例の枠内において実行されるステップが、ブロック図或いはフローチャートで表されている。
【0070】
図示されている実施例の枠内では、第1のステップS1では、自律車両運転のための制御アルゴリズム1であるテストされるべきアルゴリズム1が、提供される。図4のみにおいてブロック要素によって単に概略的に示されている自律的な車両運転のためのアルゴリズム1は、以下のように構成されている、即ち、既知の方法で、入力として画像シーケンス、具体的には車両周囲のビデオを取得し、出力として、シーケンスのそれぞれの画像に依存して車両の許容的制御パラメータを示す画像シーケンスに依存するアクション領域を出力するように、構成されている。
【0071】
ステップS1におけるアルゴリズム1の提供に続いて、本発明に係るテストデータセットの生成方法の実施例が実行される。
【0072】
ここで、具体的には、ステップS2において、以下のような学習データセット2が提供される、即ち、時間的関連性を有しこの場合は走行状況の複数の記録を示している複数の画像4を有する実画像シーケンス3の形態の実画像データを含む学習データセット2が、提供される。実画像シーケンス3は、図2には不図示の画像取得装置を用いて、具体的には同様に不図示の車両に設けられたカメラを用いて、車両走行中に記録されたものである。
【0073】
学習データセット2は、画像シーケンス3に加えて、これに関連するアクション領域5を含み、アクション領域5は、本実施例においては、画像シークエンス3のそれぞれの画像4に対応する走行軌跡6並びに走行軌跡6のための関連する目標通路7により与えられている。
【0074】
図2には、画像4及びアクション領域5のためのブロック要素を有する学習データセット2が単に概略的に表されており、また、図3は学習データセット2の同様の概略図を含んでおり、図3内では一例として、9つの画像4並びに関連するアクション領域5を形成する3つのそれぞれ関連する走行軌跡6及び目標通路7が示されている。なお、目標通路7は、走行軌跡6の目標領域を定義することが指摘される。9つの画像4は、9つの互いに連続する時点を示しており、このことは、図3においてそれぞれの画像4の上の表示T=1、・・・、9により示唆されている。
【0075】
ステップS3では、人工知能8が提供され、当該人工知能8は図示の実施例では長・短期記憶敵対的生成ネットワーク(LSTM‐GAN)によって与えられている。LSTM‐GAN8は、図示の実施例では、長・短期記憶生成ネットワーク9並びに長・短期記憶識別ネットワーク10の形態で存在しており、その一方、このことは図2においては単に概略的にブロック要素によって描かれている。両方のネットワーク9、10のアーキテクチャは、例えばIanGoodfellow他による非特許文献1の論文に記載されている。これとは異なり、ネットワーク9、10は、ここでは、この論文にあるような古典的な「畳み込み」ネットワークとして設計されていないが、「畳み込み」LSTMネットワーク9、10として、つまりSepp HochreiterとJuergen Schmidhuberによる非特許文献3の論文に記載されているような、長・短期記憶「畳み込み」ネットワーク9、10として設計されている。
【0076】
ステップS4では、人工知能8は、提供された学習データセット2を用いて調整される。この際、ここで説明する例においては、図2において単に概略的に矢印によって示唆されているように、画像シーケンス3とアクション領域5が組み合わされ、これは、参照番号11を有するブロック要素によって象徴的に描かれており、LSTM識別ネットワーク10に伝送される。LSTM生成ネットワーク9は、刺激入力12を介して刺激され、その出力、つまり生成物は同様に、その都度正確/不正確の判定を行うLSTM識別システム10へ伝送され、これは、参照番号13を有するブロック画像要素によって示唆されている。刺激入力12は、ランダム信号によって与えられていてもよい。また、LSTM生成ネットワーク9がゼロから開始することも可能である。
【0077】
正確/不正確の判定13とは、特に、生成ネットワーク9により出力された生成物が識別ネットワーク10に伝送された学習データセットのデータと一致するか否かの判定、或いは、それと区別されるか否かの判定である。ネットワーク9、10の方法は、特に、生成ネットワーク9により生成された生成物が、可能な限り学習データセット2によるデータからもはや区別できなくなるまで改善される。GANの訓練に関連して、非特許文献1の論文の序文も参照されたい。
【0078】
調整に続いて、ステップS5では、調整された人工知能8の生成ネットワーク9は、図示の実施例においてはランダム信号(英語ではrandom signal)12によって再び刺激される。このことは、図4に概略的に示唆されている。ランダム信号12は、ノイズが多い或いはノイズのみを示す少なくとも1つの画像或いは少なくとも1つの画像ファイルによって、与えられていてもよいが、これは単に一例として理解されるべきである。
【0079】
ランダム信号12により、インスタンスの応答として、新しいシナリオが生成される。これには、訓練された構成に応じて様々な次元が可能である。これは、テレビのノイズのように観測され得る。
【0080】
また、ランダム信号12の代わりに、又はそれに加えて、特に(例えば、走行状況を示す)現実のコンテンツを有する、少なくとも1つの刺激画像も、好ましくは2つ以上の刺激画像、或いはそのようなものを含むシーケンス、或いは少なくとも1つの刺激ビデオが、刺激入力12として利用され得る。
【0081】
刺激されたLSTM生成ネットワーク9は、新しい画像シーケンス15並びに新しい画像シーケンス15に関連するアクション領域16を含む少なくとも1つのテストデータセット14を生成する(ステップS6)。調整されたLSTM生成ネットワーク9を用いて取得された少なくとも1つのテストデータセット14は、記載された実施例では、学習データセット2と同様に、画像シーケンス15を含むが、それは複数の合成的に生成された画像17を有している、また、シーケンス15のそれぞれの画像17に関して存在するアクション領域16は、同じく学習データセット2と同様に、それぞれ関連する走行軌跡18並びに関連する目標通路19を含んでいる。このことは、図5において再度単に概略的且つ例示的に、合計3つの生成されたテストデータセット14に関して具体的に示されている。
【0082】
とりわけ、人工知能に、現実のコンテンツ(例えば走行状況)を有する1つ或いは複数の刺激画像及び/又は1つ或いは複数の刺激ビデオが、刺激用の入力信号として供給される場合、合成画像は、視覚概念に関する準線形特性によって、或いはそれを考慮して、或いはそれを用いて、生成或いは取得され得る。視覚概念に関する準線形特性に関連して、Alec Redford他による2016年の非特許文献2の論文、特に10頁の図7を参照されたい。
【0083】
ステップS7では、上記方法で得られた少なくとも1つのテストデータセット14が提供され、ステップS8では、画像シーケンス15が、テストされるべきアルゴリズム1に入力として供給され、このことは図4において、単に概略的に、これに対応して画像シーケンス15から概略的にブロック要素として示されるアルゴリズム1に至る矢印によって示唆されている。
【0084】
ステップS9では、アルゴリズム1は実行され、出力としてアクション領域20を出力する。
【0085】
ステップS10では、アルゴリズム1によって出力として出力されたアクション領域20は、生成ネットワーク9を用いて生成されたテストデータセット14のアクション領域16と比較される。この比較は、図中で、参照番号21を有するブロック要素によって概略的に示されている。
【0086】
ステップS11では、比較の結果から、テストされたアルゴリズム1の品質或いは機能性が推論される。
【0087】
比較の結果に基づいて、テストされるべきアルゴリズム1の十分な品質又は機能性を推論できる場合、アクション領域20を正確なアクション領域22として出力することができ、このことは、図4において、再度単に概略的にブロック画像要素によって示唆されている(ステップS12)。
【0088】
正確なアクション領域22に基づいて、この場合は車両を特に信頼性高く制御することができる(ステップS13)。
【0089】
複数のテストデータセット14が生成された場合、全てのテストデータセット14の画像シーケンス15が、テストされるべきアルゴリズム1に供給されてもよく、アルゴリズム1によりそれに応答して出力されるアクション領域20は、テストデータセット14の、それぞれの画像シーケンス15に関連するアクション領域16と、つまり走行軌跡18及び関連する目標通路19と、比較され得て、また、アルゴリズム1の品質或いは機能性についての逆推論が導出され得る。複数のテストデータセット14が生成されまた使用される場合、アルゴリズム1は、特には包括的に、チェックされ得る。
【0090】
本発明は詳細に関して好ましい実施例により詳しく例示し、説明されたが、本発明は開示された例によって限定されず、他の複数の変形形態が当業者により本発明の保護の範囲から逸脱することなく本開示から導かれ得る。

図1
図2
図3
図4
図5