(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
複数の前記通信事業者に共通するアクセス先の情報に、前記特定部が特定した前記通信事業者に対応するサーバの情報を付加して、アクセス先を作成する作成部を更に備え、
前記通信部は、前記作成部が作成したアクセス先にアクセスする、請求項1に記載の携帯端末。
前記特定部は、前記契約先の前記通信事業者に対応するサーバにSMSメッセージを送信して回線認証したことに応じて、前記通信事業者を特定する、請求項1または2に記載の携帯端末。
前記特定部は、複数の前記通信事業者それぞれに対応する複数の前記サーバに順次SMSメッセージを送信して回線認証を要求し、回線認証されたことに応じて、認証された回線の通信事業者を前記契約先の前記通信事業者と特定する、請求項1から3のいずれか一項に記載の携帯端末。
前記特定部は、過去に特定した前記通信事業者の情報が前記記憶部に記憶されていることに基づき、回線認証をすることなく、前記記憶部に記憶された前記通信事業者を前記契約先と特定する、請求項7に記載の携帯端末。
前記入力部は、特定のコードを読み取ることにより前記リンク先の情報を取得し、前記携帯端末のユーザが読み取った前記リンク先を選択したことにより、前記アクセス要求の入力を受け付ける、請求項1から8のいずれか一項に記載の携帯端末。
前記入力部は、前記リンク先の情報が含まれているメッセージを前記携帯端末が受け取って前記メッセージを表示した場合に、前記携帯端末のユーザが表示された前記メッセージに含まれている前記リンク先を選択したことにより、前記アクセス要求の入力を受け付ける、請求項1から8のいずれか一項に記載の携帯端末。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
このようなRCSは、ユーザが契約している携帯端末の通信事業者がそれぞれ対応するサーバを設け、ユーザのアクセス要求等に応じたリンク先の情報等を管理および運営していた。即ち、ユーザがアクセス可能なリンク先は、当該ユーザが契約している通信事業者に応じて異なることがある。ユーザにアクセスさせる情報の提供者が、ユーザが契約している通信事業者を知っていれば、ユーザに適したリンク先を通知することができる。しかしながら、情報の提供者が、ユーザがどの通信事業と契約しているかを把握することは困難であり、ユーザがアクセス可能なリンク先を通知することは困難であった。
【0004】
そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、ユーザにアクセスさせる情報の提供者が、ユーザが契約している通信事業者の情報を知らずに当該情報へのリンク先を提供しても、ユーザが適切なアクセス先にアクセスできるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1の態様においては、携帯端末であって、前記携帯端末の契約先の通信事業者を特定する特定部と、前記携帯端末のユーザによる、複数の通信事業者に共通するアクセス先の情報を含むリンク先へのアクセス要求の入力を受け付ける入力部と、複数の前記通信事業者に共通するアクセス先の情報と、前記特定部が特定した前記契約先の前記通信事業者に対応するサーバの情報と、に基づいて特定されたアクセス先にアクセスする通信部とを備える、携帯端末を提供する。
【0006】
前記携帯端末は、複数の前記通信事業者に共通するアクセス先の情報に、前記特定部が特定した前記通信事業者に対応するサーバの情報を付加して、アクセス先を作成する作成部を更に備え、前記通信部は、前記作成部が作成したアクセス先にアクセスしてもよい。
【0007】
前記特定部は、前記契約先の前記通信事業者に対応するサーバにSMSメッセージを送信して回線認証したことに応じて、前記通信事業者を特定してもよい。
【0008】
前記特定部は、前記携帯端末に搭載されたSIMから契約情報を取得して、取得した前記契約情報に対応する前記契約先を特定し、前記通信部は、前記契約先の前記通信事業者に対応するサーバに前記SMSメッセージを送信してもよい。
【0009】
前記特定部は、複数の前記通信事業者それぞれに対応する複数の前記サーバに順次SMSメッセージを送信して回線認証を要求し、回線認証されたことに応じて、認証された回線の通信事業者を前記契約先の前記通信事業者と特定してもよい。
【0010】
前記通信部は、前記SMSメッセージを送信するために用いられる第1通信回線と異なる第2通信回線経由で外部と通信可能であり、前記特定部は、回線認証する前に前記通信部の前記第2通信回線との接続をオフにしてもよい。
【0011】
前記携帯端末は、前記通信事業者の情報を記憶する記憶部を更に備え、前記特定部は、特定した前記通信事業者の情報を前記記憶部に記憶させてもよい。
【0012】
前記特定部は、過去に特定した前記通信事業者の情報が前記記憶部に記憶されていることに基づき、回線認証をすることなく、前記記憶部に記憶された前記通信事業者を前記契約先と特定してもよい。
【0013】
前記入力部は、特定のコードを読み取ることにより前記リンク先の情報を取得し、前記携帯端末のユーザが読み取った前記リンク先を選択したことにより、前記アクセス要求の入力を受け付けてもよい。
【0014】
前記入力部は、前記リンク先の情報が含まれているメッセージを前記携帯端末が受け取って前記メッセージを表示した場合に、前記携帯端末のユーザが表示された前記メッセージに含まれている前記リンク先を選択したことにより、前記アクセス要求の入力を受け付けてもよい。
【0015】
本発明の第2の態様においては、前記携帯端末にインストールされるプログラムであって、コンピュータにより実行されると、前記コンピュータを第1の態様の前記携帯端末の各部として機能させる、プログラムを提供する。
【0016】
本発明の第3の態様においては、コンピュータが実行する、携帯端末からサーバへのアクセス方法であって、前記携帯端末の契約先の通信事業者を特定するステップと、前記携帯端末のユーザによる、複数の通信事業者に共通するアクセス先の情報を含むリンク先へのアクセス要求の入力を受け付けるステップと、複数の前記通信事業者に共通するアクセス先の情報と、特定した前記契約先の前記通信事業者に対応するサーバの情報と、に基づいて特定されたアクセス先にアクセスするステップとを備える、アクセス方法を提供する。
【0017】
本発明の第4の態様においては、第1の態様の前記携帯端末と、複数の前記通信事業者にそれぞれ対応し、前記通信部がアクセス可能な複数のサーバとを備える、システムを提供する。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、ユーザにアクセスさせる情報の提供者が、ユーザが契約している通信事業者の情報を知らずに当該情報へのリンク先を提供しても、ユーザが適切なアクセス先にアクセスすることができる。
【発明を実施するための形態】
【0020】
<システム10の構成例>
図1は、本実施形態に係るシステム10の構成例を示す。システム10は、電話番号を用いて、ユーザ同士(C2C)、企業とユーザ(B2C)等のコミュニケーションを実行するRCSを提供するシステムの一例である。システム10は、1つの通信事業者と契約した複数のユーザの間だけでなく、異なる通信事業者とそれぞれ契約したユーザ同士も利用可能に構成されている。システム10は、第1サーバ部110と、第2サーバ部120と、第3サーバ部130と、第1ユーザ端末141と、第2ユーザ端末142と、第3ユーザ端末143と、企業端末150と、振り分け部160とを備える。
【0021】
第1サーバ部110は、複数の端末と通信可能に接続され、端末間のコミュニケーションを制御する。第1サーバ部110は、例えば、複数の第1ユーザ端末141と接続され、異なる第1ユーザ端末141間のコミュニケーションを制御する。また、第1サーバ部110は、複数の企業端末150と接続され、企業端末150と第1ユーザ端末141との間のコミュニケーションを制御する。
【0022】
第1サーバ部110は、例えば、1つの通信事業者によって運営される。ユーザは、第1サーバ部110を運営する通信事業者と契約することにより、当該ユーザが所持する携帯端末と第1サーバ部110とが通信可能に接続できる。このように、ユーザが所持する携帯端末は、ユーザが第1サーバ部110を運営する通信事業者と契約したことにより、第1ユーザ端末141として機能する。
【0023】
なお、第1サーバ部110は、複数の企業を含むグループが運営してもよい。この場合、ユーザは、グループに属する1つの企業と契約することにより、当該ユーザが所持する携帯端末と第1サーバ部110とが通信可能に接続できる。これにより、ユーザは、第1ユーザ端末141を操作することにより、他の第1ユーザ端末141および企業端末150等とメッセージ等を送受信できる。第1サーバ部110は、C2Cサーバ112と、B2Cサーバ114と、記憶部116とを有する。
【0024】
C2Cサーバ112は、第1ユーザ端末141と接続され、当該第1ユーザ端末141とメッセージ等を含むデータを送受信する。C2Cサーバ112は、例えば、第1ユーザ端末141から送信されたメッセージを受け取り、当該メッセージに含まれる送信先の第1ユーザ端末141に当該メッセージを送信する。また、C2Cサーバ112は、第1ユーザ端末141から送信された企業宛のメッセージを受け取り、当該メッセージをB2Cサーバ114に送信してもよい。また、C2Cサーバ112は、第1ユーザ端末141からのアクセス要求を受け取り、当該アクセス要求をB2Cサーバ114に送信してもよい。
【0025】
B2Cサーバ114は、企業端末150と接続され、当該企業端末150とメッセージ等を含むデータを送受信する。B2Cサーバ114は、例えば、企業端末150から送信されたメッセージを受け取り、当該メッセージをC2Cサーバ112に送信する。この場合、C2Cサーバ112は、当該メッセージに含まれる送信先の第1ユーザ端末141に当該メッセージを送信する。また、B2Cサーバ114は、C2Cサーバ112からメッセージを受け取り、当該メッセージに含まれる送信先の企業端末150に当該メッセージを送信する。
【0026】
記憶部116は、ユーザ等に提供する情報を記憶する。記憶部116は、一例として、B2Cサーバ114に接続される。記憶部116は、例えば、B2Cサーバ114が企業端末150から受け取ったデータを、アクセス先と対応付けて記憶する。また、記憶部116は、アクセス要求に応じてアクセス先のデータを読み出し、アクセス元に送信してもよい。
【0027】
記憶部116は、例えば、第1ユーザ端末141からC2Cサーバ112およびB2Cサーバ114を介してアクセス要求を受け取ったことに応じて、アクセス先のデータを読み出す。また、記憶部116は、読み出したデータをB2Cサーバ114およびC2Cサーバ112を介して要求元の第1ユーザ端末141に送信する。なお、記憶部116は、C2Cサーバ112およびB2Cサーバ114の運用に用いるデータ等を記憶してもよい。
【0028】
以上のように、第1サーバ部110は、複数の第1ユーザ端末141および複数の企業端末150と接続され、これらの間のメッセージおよびデータの送受信を制御する。そして第1サーバ部110は、送受信先のアドレスを、端末の電話番号に基づくアドレスとする。例えば、企業は、企業端末150からユーザの電話番号宛のメッセージを第1サーバ部110に送信することにより、第1サーバ部110から対応する第1ユーザ端末141に当該メッセージを送信できる。
【0029】
また、ユーザは、第1ユーザ端末141を操作して、友人等の電話番号宛のメッセージを第1サーバ部110に送信することにより、第1サーバ部110から対応する第1ユーザ端末141に当該メッセージを送信できる。なお、メッセージには、画像データ、音声データ、データアクセス先の情報等が含まれてよい。
【0030】
第2サーバ部120は、第1サーバ部110と同様に、複数の端末と通信可能に接続され、端末間のコミュニケーションを制御する。第2サーバ部120は、例えば、複数の第2ユーザ端末142と接続され、異なる第2ユーザ端末142間のコミュニケーションを制御する。また、第2サーバ部120は、複数の企業端末150と接続され、企業端末150と第2ユーザ端末142との間のコミュニケーションを制御する。
【0031】
第2サーバ部120は、第1サーバ部110を運営する通信事業者とは異なる通信事業者によって運営される。ユーザは、第2サーバ部120を運営する通信事業者と契約することにより、当該ユーザが所持する携帯端末と第2サーバ部120とが通信可能に接続できる。ユーザは、第2ユーザ端末142を操作することにより、他の第2ユーザ端末142および企業端末150等とメッセージ等を送受信できる。第2サーバ部120は、C2Cサーバ122と、B2Cサーバ124と、記憶部126とを有する。
【0032】
C2Cサーバ122、B2Cサーバ124、および記憶部126の動作は、第1サーバ部110のC2Cサーバ112、B2Cサーバ114、および記憶部116の動作と略同一なので、ここでは説明を省略する。なお、第1サーバ部110および第2サーバ部120は、それぞれ異なる通信事業者が運営するので、取り扱うデータのフォーマット、および処理手順等は、通信事業者がそれぞれ定めてよい。
【0033】
同様に、第3サーバ部130は、複数の端末と通信可能に接続され、端末間のコミュニケーションを制御する。第3サーバ部130は、例えば、複数の第3ユーザ端末143と接続され、異なる第3ユーザ端末143間のコミュニケーションを制御する。また、第3サーバ部130は、複数の企業端末150と接続され、企業端末150と第3ユーザ端末143との間のコミュニケーションを制御する。
【0034】
第3サーバ部130は、第1サーバ部110および第2サーバ部120を運営する通信事業者とは異なる通信事業者によって運営される。ユーザは、第3サーバ部130を運営する通信事業者と契約することにより、当該ユーザが所持する携帯端末と第3サーバ部130とが通信可能に接続できる。ユーザは、第3ユーザ端末143を操作することにより、他の第3ユーザ端末143および企業端末150等とメッセージ等を送受信できる。第3サーバ部130は、C2Cサーバ132と、B2Cサーバ134と、記憶部136とを有する。C2Cサーバ132、B2Cサーバ134、および記憶部136の動作は、第1サーバ部110のC2Cサーバ112、B2Cサーバ114、および記憶部116の動作と略同一なので、ここでは説明を省略する。
【0035】
第1ユーザ端末141、第2ユーザ端末142、および第3ユーザ端末143は、既に説明したように、それぞれ対応するサーバ部に接続される。第1ユーザ端末141、第2ユーザ端末142、および第3ユーザ端末143は、例えば、携帯電話、スマートフォン、ゲーム機器、タブレット型PC、小型PC、およびノート型PC等といった携帯端末である。
【0036】
企業端末150は、企業が用いる端末であり、ユーザの携帯端末にメッセージ等を送信する。企業端末150は、ユーザの電話番号を用いて、メッセージを送信する。企業端末150は、振り分け部160に当該メッセージを送信する。また、企業端末150は、通信事業者のサーバ部に、情報等を含むデータを送信して、サーバ部内の記憶部にデータを記憶させる。
【0037】
振り分け部160は、企業端末150からのメッセージを受け取り、当該メッセージに含まれる電話番号に対応するサーバ部へ当該メッセージを振り分ける。振り分け部160は、例えば、システム10の全てのサーバ部に対して、電話番号に対応する契約をしているか否かを順番に確認する。振り分け部160は、複数のサーバ部に確認のメッセージをそれぞれ送信して、確認してもよい。振り分け部160は、当該電話番号と契約しているサーバ部を確認すると、企業端末150から受け取ったメッセージを当該サーバ部に送信する。
【0038】
また、振り分け部160は、確認した電話番号と契約しているサーバ部とを、記憶部等に記憶してもよい。この場合、振り分け部160は、同一の電話番号に対するメッセージを受け取った場合、記憶部から対応するサーバ部の情報を読み出して、当該サーバ部へメッセージを送信する。これにより、企業端末150は、ユーザが契約している通信事業者の情報なしに、電話番号の情報だけでユーザにメッセージを送信できる。
【0039】
ここで、各サーバ部は、他のサーバ部と接続され、他のサーバ部と接続された端末との間のコミュニケーションを制御する。例えば、第1サーバ部110のC2Cサーバ112と、第2サーバ部120のC2Cサーバ122と、第3サーバ部130のC2Cサーバ132とは、互いに接続される。サーバ部は、例えば、それぞれNNI(Network-Network Interface)で接続される。
【0040】
例えば、第1ユーザ端末141から第3ユーザ端末143へとメッセージを送信する場合、第1サーバ部110のC2Cサーバ112は、当該メッセージを第1ユーザ端末141から受け取る。そして、C2Cサーバ112は、当該メッセージに含まれる送信先に応じて、対応する第3サーバ部130のC2Cサーバ132に当該メッセージを送信する。これにより、ユーザは、送信先のユーザが契約している通信事業者を意識することなく、メッセージを送信することができる。
【0041】
以上のように、システム10は、複数の通信事業者にそれぞれ対応する複数のサーバ部を備える。なお、
図1に示すシステム10は、3つの通信事業者が運営する3つのサーバ部を備える例を説明したがこれに限定されることはない。システム10は、4つ以上の通信事業者が運営する4つ以上のサーバ部を備えてもよい。また、システム10は、複数の企業がそれぞれ用いる複数の企業端末150を備えてよい。なお、企業端末150、および振り分け部160は、例えば、それぞれサーバ等で構成される。また、このような複数のサーバ部、企業端末150、および振り分け部160は、ネットワークで接続される。
【0042】
以上のシステム10は、メッセージング、音声メッセージング、音声通話、ビデオ通話、1対1のチャット、グループのチャット、ファイル送受信、コンテンツの共有、位置情報の共有等の機能をユーザに提供可能であることが望ましい。例えば、企業は、ユーザに対して画像付きのクーポンの配信、詳細情報を含むアラートメッセージ、特定のコードから情報サイトへのアクセス等を提供可能であることが望ましい。
【0043】
しかしながら、システム10は、複数の通信事業者がそれぞれ運営するサーバ部に基づくシステムなので、共通のデータ等を管理して共通の動作を実行させることは困難である。例えば、第1ユーザ端末141は、第1サーバ部110の記憶部116にはアクセスできる一方、他のサーバ部を運営している通信事業者とは契約していないので、第2サーバ部120の記憶部126、および第3サーバ部130の記憶部136にはアクセスできない。同様に、第2ユーザ端末142は、記憶部116および記憶部136にはアクセスできない。また、第3ユーザ端末143は、記憶部116および記憶部126にはアクセスできない。
【0044】
即ち、第1ユーザ端末141、第2ユーザ端末142、および第3ユーザ端末143は、同一の記憶部にアクセスして同一のデータを参照することが困難である。このように、ユーザの携帯端末は、契約先の通信事業者毎にアクセス先が異なるので、同一の情報であっても、通信事業者毎に異なるアクセス先にアクセスすることになる。したがって、システム10を利用する企業は、ユーザにアクセス先を提示してアクセス先から情報を提供する場合、当該ユーザの契約先に応じたアクセス先を供給しなければならない。
【0045】
しかしながら、企業側は、ユーザの電話番号に基づいてシステム10を利用するので、ユーザの契約先を知ることはほとんどない。したがって、電話番号に基づき、ユーザにメッセージまたは特定のコード等を用いてアクセス先を供給できても、ユーザの契約先毎に異なるアクセス先を供給することは困難である。また、ユーザは、電話番号を変えずに契約先だけを変更することもあるので、契約先の情報を総合的に管理するには膨大な手間がかかる。そこで、本実施形態に係る携帯端末は、契約先に応じた適切なアクセス先を選択して、対応するアクセス先から情報を受け取ることを可能とする。このような携帯端末について次に説明する。
【0046】
<携帯端末200の構成例>
図2は、本実施形態に係る携帯端末200の構成例を示す。携帯端末200は、例えば、
図1で説明した、第1ユーザ端末141、第2ユーザ端末142、および第3ユーザ端末143のいずれかとして用いられる。携帯端末200は、SIM搭載部210と、特定部220と、入力部230と、表示部240と、記憶部250と、選択部260と、通信部270とを備える。
【0047】
SIM搭載部210は、SIM(Subscriber Identity Module)を搭載する。SIMは、通信事業者との契約に基づく情報が記憶される。SIMは、例えば、通信事業者との契約情報、ユーザのID、当該カード固有の番号、電話番号等の情報を記憶する。SIM搭載部210は、携帯端末200が起動された場合等に、SIMの情報を読み込む。携帯端末200は、SIMカードの情報に基づき、契約先のサーバ部との接続を可能とする。
【0048】
特定部220は、携帯端末200の契約先の通信事業者を特定する。特定部220は、携帯端末200に搭載されたSIMから契約情報を取得して、取得した契約情報に対応する契約先を特定する。特定部220は、特定した通信事業者に対応するサーバを更に特定する。特定部220は、例えば、
図1に示す第1サーバ部110、第2サーバ部120、および第3サーバ部130のいずれか1つのサーバ部を、携帯端末200の接続先として特定する。
【0049】
入力部230は、携帯端末200のユーザにより選択された複数のアクセス先の情報を含むリンク先へのアクセス要求の入力を受け付ける。ここで、リンク先は、例えば、企業等が提供する情報である。リンク先は、特定のコードでよく、これに代えて、企業から配信されたメッセージに含まれてもよい。また、リンク先は、例えば、サーバ部を運営している複数の通信事業者にそれぞれ対応する複数のアクセス先を含む。
【0050】
入力部230は、ユーザ等からの操作を受け付ける。入力部230は、例えば、携帯端末200にインストールされたアプリケーションソフトウェアの実行、ネットワーク経由で外部のデータベース等へのアクセス、および、外部ソフトウェアの実行等の操作を受け付ける。入力部230は、例えば、タッチパネル、音声入力デバイス、ジェスチャ入力デバイス、マウス、カメラ、およびキーボード等の入力デバイスを有し、ユーザ等からの入力を受け付けるユーザインターフェースとして機能する。
【0051】
表示部240は、アプリケーションソフトウェア、OS、およびユーティリティソフトウェア等の実行に応じた画像等を表示する。表示部240は、表示パネル等を有し、数値データ、文字情報、静止画、動画、ソフトウェアまたは携帯端末200の動作状態、通信状態、ブラウズしているページ等を表示する。表示部240は、タッチパネル等でよく、この場合、一部が入力部230として機能してもよい。
【0052】
記憶部250は、入力部230に入力された情報等を記憶する。また、記憶部250は、通信事業者の情報を記憶してもよい。また、記憶部250は、携帯端末200の設定値等の情報を格納してよい。また、記憶部250は、携帯端末200の動作の過程で生成する(または利用する)中間データ、算出結果、閾値、およびパラメータ等をそれぞれ格納してもよい。記憶部250は、携帯端末200内の各部の要求に応じて、格納したデータを要求元に供給してもよい。
【0053】
選択部260は、特定部220が特定した通信事業者の情報に基づき、複数のアクセス先のうちユーザが契約している通信事業者に対応するサーバにおけるアクセス先を示すアクセス先を選択する。選択部260は、ユーザが契約している通信事業者が運営するサーバ内のアクセス先を選択する。選択部260は、選択したアクセス先の情報を通信部270に通知する。
【0054】
通信部270は、SIMカードの情報に基づき、契約先のサーバ部と通信する。ここで、通信部270は、複数の通信回線と通信可能でよい。通信部270は、例えば、電話回線、WiFiによるネットワーク回線等と通信する。通信部270は、このような通信回線を用いて、メッセージ等を送受信する。また、通信部270は、選択部260が選択したアクセス先にアクセスする。通信部270は、例えば、受信したメッセージ、アクセスした情報等を、表示部240に表示させる。
【0055】
<携帯端末200の動作フロー>
以上の本実施形態に係る携帯端末200の動作について次に説明する。
図3は、本実施形態に係る携帯端末200の動作フローの一例を示す。携帯端末200は、
図3のS310からS340の動作を実行することにより、SIMカードの情報から通信事業者の情報を読み出し、適切なアクセス先を選択してアクセスする。
【0056】
まず、S310において、特定部220は、SIMから契約情報を取得して、携帯端末200の契約先の通信事業者を特定する。特定部220は、例えば、携帯端末200が起動した場合に、SIMから契約情報を読み出して取得する。一例として、ユーザが第2サーバ部120を運営している通信事業者と契約している場合、携帯端末200は、第2ユーザ端末142として動作し、第2サーバ部120と接続する。この場合、携帯端末200は、第2サーバ部120を運営している通信事業者との契約に基づく情報がSIMに記憶されている。特定部220は、このような情報をSIMから取得し、第2サーバ部120を運営している通信事業者を特定する。
【0057】
次に、S320において、入力部230は、携帯端末200のユーザからリンク先へのアクセス要求の入力を受け付ける。例えば、入力部230は、QRコード(登録商標)を読み取り、読み取ったQRコードまたはQRコードから変換されたリンク先等を表示部240に表示する。入力部230は、表示部240に表示されたQRコード等をユーザがタッチしたことに応じて、QRコードに含まれるリンク先へのアクセス要求を受け付ける。また、携帯端末200がメッセージを受け取り、表示部240に表示された当該メッセージに含まれるリンク先をユーザがタッチしたことに応じて、入力部230は、当該リンク先へのアクセス要求を受け付けてもよい。
【0058】
ここで、リンク先は、例えば、第1サーバ部110の記憶部116、第2サーバ部120の記憶部126、および第3サーバ部130の記憶部136のアクセス先の情報を含む。この場合、アクセス先のうち、ドメイン名等の一部の情報がサーバ部に応じて異なり、一部の情報以外の部分が共通の情報となるように、予めアクセス先が設定されていることが好ましい。
【0059】
次に、S330において、選択部260は、リンク先に含まれる複数のアクセス先のうち、特定部220が特定した通信事業者に対応するアクセス先を選択する。例えば、特定部220が第2サーバ部120を運営している通信事業者を特定した場合、選択部260は、第2サーバ部120の記憶部126におけるアクセス先を選択する。選択部260は、一例として、ドメイン名が第2サーバ部120を運営している通信事業者を示すアクセス先を選択する。
【0060】
次に、S340において、通信部270は、選択部260が選択したアクセス先にアクセスする。即ち、通信部270は、第2サーバ部120の記憶部126のアクセス先にアクセスする。このように、携帯端末200は、SIMの契約情報に基づき、契約先の通信事業者が運営するサーバ部の適切なアクセス先にアクセスすることができる。また、企業は、サーバ部毎にアクセス先と対応するデータを準備し、全てのアクセス先の情報をリンク先に含めることで、ユーザに適切なアクセス先を選択させることができる。即ち、企業は、電話番号以外のユーザの個人情報を取得することなく、適切なアクセス先を選択させることができる。
【0061】
したがって、本実施形態に係る携帯端末200によれば、リンク先の提供者がユーザの契約先の通信事業者の情報を知らなくても、提供されたリンク先に応じてユーザが適切にリンク先へアクセスできる。これにより、SMSの機能を拡張し、より多くの機能を有するRCSを容易に提供することができる。
【0062】
以上の本実施形態に係る携帯端末200において、特定部220がSIMから契約情報を取得して、当該携帯端末200の契約先の通信事業者を特定する例を説明したが、これに限定されることはない。これに加えて、特定部220は、通信事業者に対して回線の認証を要求してもよい。例えば、特定部220は、契約先の通信事業者に対応するサーバにSMSメッセージを送信して回線認証したことに応じて、通信事業者を特定する。
【0063】
ユーザは、契約を解除、または契約を変更することがあり、また、端末内のSIMを入れ替えて使用することもある。この場合、SIMの情報と実際の契約内容とが異なってしまうことがある。そこで特定部220は、回線認証をすることで、より確実に、契約先の通信事業者を特定できる。また、これに代えて、特定部220は、SIMから契約情報を取得することなく、複数の通信事業者に対して順番に回線認証を要求し、認証された回線の通信事業者を契約先として特定してもよい。
【0064】
なお、通信部270は、SMSメッセージを送信するために用いられる第1通信回線と異なる第2通信回線経由で外部と通信可能な場合がある。この場合、通信部270が第2通信回線でSMSメッセージを送信しても、契約先の通信事業者は回線認証することができない。そこで、特定部220は、回線認証する前に通信部270の第2通信回線との接続をオフにする。これにより、通信部270は、第1通信回線でSMSメッセージを送信することになるので、契約先の通信事業者に回線を認証させることができる。
【0065】
以上の本実施形態の携帯端末200において、特定部220が携帯端末200の起動時に通信事業者を特定する例を説明したが、これに限定されることはない。特定部220は、予め定められたアプリケーションが実行されたことに応じて、通信事業者を特定してもよい。また、特定部220は、入力部230にアクセス先が入力されたことに応じて、通信事業者を特定してもよい。
【0066】
また、特定部220は、特定した契約先の通信事業者の情報を再利用してもよい。例えば、特定部220は、特定した通信事業者の情報を記憶部250に記憶させる。そして、特定部220は、過去に特定した通信事業者の情報が記憶部250に記憶されていることに基づき、回線認証をすることなく、記憶部250に記憶された通信事業者を契約先と特定する。これにより、特定部220は、常にSIMにアクセスすることなく、契約先の通信事業者を特定することができる。
【0067】
<携帯端末200の変形例>
以上の本実施形態に係る携帯端末200は、複数のアクセス先を含むリンク先が入力され、契約先の通信事業者の情報に基づいて適切なアクセス先を選択する例を説明したが、これに限定されることはない。携帯端末200は、契約先の通信事業者のアクセス先を含まないリンク先が入力されてもよい。
【0068】
例えば、第1通信事業者と契約している第1ユーザが、第1通信事業者が運営している第1サーバのアクセス先をリンク先としてメッセージに含め、第2ユーザに送信することがある。このような場合、第1ユーザが手動でリンク先をメッセージに含めることもあり、リンク先に第1通信事業者のアクセス先しか含まれないことがある。ここで、第2ユーザも第1通信事業者と契約していれば、第1サーバのアクセス先にアクセスできるが、第1通信事業者とは異なる第2通信事業者と契約していると、第1サーバのアクセス先にアクセスできない。
【0069】
また、企業側の準備が不十分で、リンク先に全ての通信事業者のアクセス先が含まれていない場合もある。また、新規参入の通信事業者のアクセス先は、古いリンクには含まれていない。したがって、このようなリンク先が入力されても、適切なアクセス先にアクセスできる携帯端末200が望ましい。そこで、このようなリンク先にも対応可能な携帯端末200について、次に説明する。
【0070】
図4は、本実施形態に係る携帯端末200の変形例を示す。
図4に示す本変形例の携帯端末200において、
図2に示された携帯端末200の動作と略同一のものには同一の符号を付け、説明を省略する。本変形例の携帯端末200は、作成部280を更に備える。また、本変形例の選択部260は、リンク先に含まれる複数のアクセス先のうち、特定部220が特定した通信事業者に対応するアクセス先がない場合、特定した通信事業者の情報と共にアクセス先がないことを作成部280に通知する。
【0071】
作成部280は、特定部220が特定した通信事業者の情報に基づき、他の通信事業者に対応するアクセス先の一部を、特定した通信事業者に対応する情報に書き換えて、アクセス先の情報を作成する。それぞれのサーバ部のアクセス先は、一部が通信事業者に対応し、残りの一部が共通の表記であることが多い。例えば、アクセス先のうち、通信事業者に対応する部分を企業アカウントとする。この場合、残りの一部が共通URLとなって、企業アカウントと共に全体のアクセス先の表記となる。したがって、第1通信事業者に対応する企業アカウントを第2通信事業者に対応する企業アカウントに書き換えれば、第2通信事業者と契約している第2ユーザは、第2サーバのアクセス先にアクセスできる。
【0072】
そこで、アクセス要求に含まれる複数のアクセス先に、特定した通信事業者に対応するアクセス先が存在しない場合、作成部280は、他の通信事業者に対応するアクセス先の一部を書き換えて、特定した通信事業者に対応するアクセス先を作成する。そして、作成部280は、作成したアクセス先を選択部260に供給する。これにより、選択部260は、作成部280によって作成されたアクセス先を選択することができるので、通信部270は、選択部260が選択したアクセス先にアクセスできる。
【0073】
以上のように、本実施形態に係る携帯端末200は、契約先の通信事業者のアクセス先を含まないリンク先が入力されても、適切なアクセス先を作成してアクセスすることができる。したがって、企業側は、リンク先として1つのアクセス先だけを含めるだけでよく、これに代えて、企業アカウントを空白にしたアクセス先を含めるだけでもよく、アクセス先の提供を容易にすることができる。
【0074】
以上の本実施形態に係るシステム10は、携帯端末200と、複数の通信事業者にそれぞれ対応し、携帯端末200の通信部270がアクセス可能な複数のサーバ部とを備え、携帯端末200が適切なアクセス先を作成する例を説明した。しかしながら、システム10は、これに限定されることはない。例えば、携帯端末200に代えて、サーバ部が適切なアクセス先を作成してもよい。
【0075】
この場合、それぞれのサーバ部は、他の通信事業者に対応するアクセス先の一部を書き換えて、自己のアクセス先を作成して携帯端末200に供給する変換サーバを更に備える。そして、携帯端末200は、リンク先に契約先の通信事業者のアクセス先が含まれていない場合、契約先のサーバ部にリンク先の情報と共にアクセス先が含まれていないことを通知する。変換サーバは、当該通知に応じて、自己のアクセス先を作成して携帯端末200に供給する。これにより、携帯端末200は、適切なアクセス先を変換サーバから受け取り、契約先の通信事業者に対応するアクセス先にアクセスすることができる。
【0076】
以上の本実施形態に係る携帯端末200の少なくとも一部は、一例として、コンピュータである。コンピュータは、例えば、プログラム等を実行することにより、本実施形態に係るSIM搭載部210、特定部220、入力部230、表示部240、記憶部250、選択部260、および通信部270の少なくとも一部として機能する。
【0077】
記憶部250は、携帯端末200が端末として機能するOS(Operating System)、およびアプリケーションソフトウェアの情報を格納する。また、記憶部250は、当該アプリケーションソフトウェアの実行時に参照されるデータベースを含む種々の情報を格納してもよい。記憶部250は、例えば、コンピュータのBIOS(Basic Input Output System)等を格納するROM(Read Only Memory)、および作業領域となるRAM(Random Access Memory)を含む。また、記憶部250は、HDD(Hard Disk Drive)および/またはSSD(Solid State Drive)等の大容量記憶装置を含んでよい。
【0078】
コンピュータは、CPU等のプロセッサを備え、記憶部250に記憶されたプログラムを実行することによって、SIM搭載部210、特定部220、入力部230、表示部240、記憶部250、選択部260、および通信部270の少なくとも一部として機能する。コンピュータは、GPU(Graphics Processing Unit)等を更に備えてもよい。
【0079】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、装置の分散・統合の具体的な実施の形態は、以上の実施の形態に限られず、その全部又は一部について、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果を合わせ持つ。