(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第2マウントの前記背面部は、前記ロック部材が第1状態のときに、前記ロック部材に適合し、前記ロック部材が第2状態のときに、前記ロック部材に適合しない孔を有する、請求項2に記載の撮像装置。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0014】
特許請求の範囲、明細書、図面、及び要約書には、著作権による保護の対象となる事項が含まれる。著作権者は、これらの書類の何人による複製に対しても、特許庁のファイルまたはレコードに表示される通りであれば異議を唱えない。ただし、それ以外の場合、一切の著作権を留保する。
【0015】
図1及び
図2は、本実施形態に係る撮像装置500の外観斜視図を示す。撮像装置500は、中間マウント100、マウントモジュール300、交換レンズ10、及び筐体501を備える。中間マウント100、マウントモジュール300、及び交換レンズ10は、筐体501に着脱可能に設けられる。
図1に示すように、交換レンズ10は、マウントモジュール300に着脱可能に保持される。マウントモジュール300は、いわゆるバヨネット式の着脱機構により、交換レンズ10を保持してよい。また、
図2に示すように、マウントモジュール300は、中間マウント100を介して、撮像装置500に着脱可能に保持される。中間マウント100は、着脱可能に撮像装置500に固定されてよい。中間マウント100は、ねじ551を介して撮像装置500に着脱可能に固定されてよい。
【0016】
中間マウント100は、バヨネット式の着脱機構により、マウントモジュール300を保持してよい。中間マウント100は、操作部材110を備える。中間マウント100は、環状である。中間マウント100は、開口と、開口の内周面から内側に向かって突出する爪部である係合部107とを有する。マウントモジュール300は、環状である。マウントモジュール300は、外周面から外側に向かって突出する爪部である係合部303を有する。操作部材110が操作されることで、中間マウント100が時計回りである第1方向20に回転する。マウントモジュール300が中間マウント100の開口内に配置された状態で、中間マウント100が回転すると、中間マウント100の係合部107と、マウントモジュール300の係合部303とが係合して、中間マウント100が、マウントモジュール300を保持する。
【0017】
マウントモジュール300は、交換レンズ10のマウント規格に対応するマウントである。マウントモジュール300は、複数の異なるマウント規格の1つであり、マウントモジュール300に保持される交換レンズ10のマウント規格に対応するマウントでよい。撮像装置500に装着する交換レンズ10のマウント規格に応じて、マウントモジュール300は付け替えられてよい。
【0018】
図3は、前面側から見た撮像装置500の分解斜視図である。
図4は、背面側から見た撮像装置500の分解斜視図である。前面とは、交換レンズ10が配置される側の面であり、背面とは、交換レンズ10が配置される側の面と反対側の面であり、イメージセンサ510の撮像面側の面である。
【0019】
撮像装置500は、イメージセンサ510、光学フィルタ520、ベース部530、及び筐体501をさらに備える。ベース部530は、筐体501内に配置される。ベース部530は、イメージセンサ510を支持し、イメージセンサ510を露出する開口531を含む。ベース部530は、撮像装置500の各種回路を収容する骨格部分である。ベース部530は、イメージセンサ510の前面側において、光学フィルタ520を支持する。光学フィルタ520は、ロック部材560により、ベース部530に着脱可能に固定される。光学フィルタ520は、交換式の光学フィルタであり、例えば、減光フィルタ(NDフィルタ)でよい。
【0020】
ベース部530は、光学フィルタ520の前面側で中間マウント100を保持し、かつマウントモジュール300の背面部310を収容する。中間マウント100の開口101を介してマウントモジュール300の背面部310は、ベース部530に収容される。ベース部530は、開口531内のマウントモジュール300の背面部310に対向する位置に凹部550を有する。マウントモジュール300の背面部310は、マウントモジュール300の裏面から突出しており、ベース部530の凹部550に適合する。マウントモジュール300の背面部310は、凹部550に嵌ることで、マウントモジュール300がベース部530に対して位置決めされる。
【0021】
マウントモジュール300の背面部310がベース部530内に収容された状態で、操作部材110が操作され、中間マウント100が第1方向20に回転する。これにより、中間マウント100の係合部107と、マウントモジュール300の係合部303とが係合して、中間マウント100が、マウントモジュール300を保持する。
【0022】
中間マウント100は、ベース部530の前面に着脱可能に固定される。中間マウント100は、ベース部530の開口531を取り囲むベース部530の前面に着脱可能に固定される。中間マウント100は、環状の第1マウントの一例である。中間マウント100は、ベース部530の前面に、スペーサ130を介して、ねじ551により着脱可能に固定される。マウントモジュール300は、交換レンズ10を着脱可能に保持し、中間マウント100に着脱可能に保持される。マウントモジュール300は、環状の第2マウントの一例である。
【0023】
スペーサ130は、ベース部530の前面とマウントモジュール300の背面との間に配置され、マウントモジュール300とイメージセンサ510の撮像面との間の距離であるフランジバックを調整する。スペーサ130の厚みを調整することで、マウントモジュール300とイメージセンサ510の撮像面との間のフランジバックを所望の距離に設定できる。複数枚のスペーサ130を用いて、フランジバックを調整してもよい。
【0024】
ベース部530は、凹部550内に光学フィルタ520をベース部530にロックする状態と、光学フィルタ520をベース部530にロックしない状態との間で切り替え可能なロック部材560を有する。
【0025】
ロック部材560は、回転軸561を中心にベース部530に対して回転して、光学フィルタ520をベース部530にロックする状態と、光学フィルタ520をベース部530にロックしない状態との間で切り替わる。
【0026】
図5Aは、ベース部530から光学フィルタ520が取り外され、ロック部材560がベース部530をロックしない状態を示す。
図5Bは、ベース部530に光学フィルタ520が装着され、光学フィルタ520がベース部530から外れないように、ロック部材560が、光学フィルタ520をロックする状態を示す。ベース部530は、凹部550内に光学フィルタ520を配置する溝551を有する。溝551は、光学フィルタ520の外形に応じた形状の溝でよい。
【0027】
ロック部材560は、溝551の周囲に回転可能に保持される円形の本体部562と、本体部562の外周から突出する爪部563を有する。本体部562は、回転軸561に回転可能に支持される。爪部563が、光学フィルタ520上に位置することで、光学フィルタ520は凹部550内の溝551にロックされる。
【0028】
図6は、マウントモジュール300の背面側から見た図を示す。
図7Aは、撮像装置500を正面から見た図である。
図7Bは、
図7Aに示すF−F断面図である。マウントモジュール300の背面部310は、ロック部材560の本体部562に適合する孔312を有する。ロック部材560が、光学フィルタ520をロックしない状態にある場合、爪部563が孔312に適合せず、マウントモジュール300の背面部310は、凹部550に適合しない。
図7Bに示すように、爪部563が背面部310に干渉され、本体部562が孔312に嵌らない。マウントモジュール300の背面部310が、凹部550に完全に嵌らないので、マウントモジュール300は、中間マウント100に取り付けられない。これにより、光学フィルタ520がロック部材560にロックされない状態で、マウントモジュール300が中間マウント100に取り付けられることを防止できる。すなわち、光学フィルタ520が適切に撮像装置500に固定されない状態で撮像装置500が使用されることを防止できる。マウントモジュール300の背面部310に、ロック部材560の本体部562に適合する孔312が設けられることで、マウントモジュール300とイメージセンサ510の撮像面との間のフランジバックを短くできる。
【0029】
図8Aは、前面側から見た中間マウント100と、マウントモジュール300の一部との分解斜視図である。
図8Bは、背面側から見た中間マウント100と、マウントモジュール300の一部との分解斜視図である。
【0030】
マウント本体302は、マウントモジュール300の一部であり、環状の部材である。マウント本体302は、外周面から外側に突出する複数の係合部303を有する。また、マウント本体302は、内周面から内側に突出する複数の係合部304を有する。交換レンズ10は、外周面から外側に向かって突出する係合部を含むマウントを有し、交換レンズ10の係合部と、マウント本体302の係合部304とが係合することで、交換レンズ10がマウントモジュール300に保持される。中間マウント100は、環状の固定部材102、環状の背面可動部材104、及び環状の前面可動部材106、及び操作部材110を有する。
【0031】
固定部材102は、ベース部530の前面に着脱可能に固定される。背面可動部材104は、固定部材102の背面に接触しながら回転可能である。前面可動部材106は、内周面から内側に突出する複数の係合部107を有する。前面可動部材106は、固定部材102の前面に配置され、背面可動部材104とともに固定部材102に対して回転可能である。背面可動部材104及び前面可動部材106の間に固定部材102を挟んだ状態で、背面可動部材104及び前面可動部材106は、互いに固定される。背面可動部材104は、第1可動部材の一例である。前面可動部材106は、第2可動部材の一例である。操作部材110は、前面可動部材106の外周面に固定される。操作部材110は、背面可動部材104及び前面可動部材106を回転させる操作を受け付ける。ユーザは、操作部材110を指先で摘まんで中間マウント100を時計回りまたは反時計回りに回転させる。
【0032】
背面可動部材104の前面と接触する固定部材102の背面は、背面可動部材104の回転方向に対して角度をなす傾斜面103を有する。固定部材102の背面と接触する背面可動部材104の前面は、背面可動部材104の回転方向に対して角度をなす傾斜面105を有する。固定部材102は、固定部材102の円周に沿って複数の傾斜面103を有する。背面可動部材104は、背面可動部材104の円周に沿って複数の傾斜面105を有する。
【0033】
背面可動部材104は、傾斜面103に沿って前面可動部材106とともに時計回りである第1方向20に回転しながらベース部530側に移動する。これにより、前面可動部材106の係合部107が、マウント本体302の係合部303をベース部530側に押し付けることで、マウントモジュール300がベース部530に固定される。
【0034】
図9A、
図9B、及び
図9Cは、固定部材102の傾斜面103、及び背面可動部材104の傾斜面105を模式的に示した断面図である。固定部材102の傾斜面103は、第1方向20に対してベース部530側に鋭角902をなす方向に傾斜する。背面可動部材104の傾斜面105は、第1方向20と反対の第2方向30に対して前面可動部材106側に鋭角912をなす方向に傾斜する。背面可動部材104が固定部材102に対して第1方向20に回転することで、傾斜面105が傾斜面103に接した後、さらに、傾斜面105が傾斜面103上をスライドすることで、背面可動部材104及び前面可動部材106がベース部530側に移動する。
【0035】
図9Aに示すように、背面可動部材104が、固定部材102に対して第1方向20に回転すると、
図9Bに示すように、傾斜面105が傾斜面103に接する。さらに、背面可動部材104が、固定部材102に対して第1方向20に回転すると、
図9Cに示すように、傾斜面105が傾斜面103をスライドする。これにより、背面可動部材104が、固定部材102に対して第1方向20に回転しながらベース部530側に向かう第3方向22に移動する。これにより、背面可動部材104の係合部107が、マウントモジュール300の係合部303をベース部530側に押し付ける。これにより、マウントモジュール300をベース部530に固定する。
【0036】
なお、本実施形態では、固定部材102及び背面可動部材104がそれぞれ傾斜面を有する例について説明する。しかし、固定部材102及び背面可動部材104の少なくとも一方が傾斜面を有していればよい。固定部材102及び背面可動部材104の一方が傾斜面を有する場合には、固定部材102及び背面可動部材104の他方は、傾斜面に対向する位置に傾斜面をスライドする突起部を有してよい。
【0037】
図10Aから
図10Fは、マウントモジュール300が中間マウント100に装着され、固定されるまでの様子を示す図である。
【0038】
図10Aは、マウントモジュール300が中間マウント100の開口内に配置され、かつマウントモジュール300の係合部303が中間マウント100の係合部107とまだ係合していない状態を示す。つまり、
図10Aでは、マウントモジュール300を中間マウント100に固定するための中間マウント100の回転操作がまだ行われていない状態を示す。
図10Bは、
図10Aに示すA−A断面におけるマウントモジュール300及び中間マウント100の部分を示す。
図10Bは、マウント本体302の係合部303が前面可動部材106の係合部107に係合していない状態を示す。
【0039】
図10Cは、操作部材110が操作され、中間マウント100が第1方向20に回転している途中の様子を示す図である。
図10Dは、
図10Cに示すA−A断面におけるマウントモジュール300及び中間マウント100の部分を示す。
図10Dは、マウント本体302の係合部303が前面可動部材106の係合部107と係合している途中を示す。
図10Dに示す状態では、係合部107と係合部303との間、係合部303と固定部材102との間、及び固定部材102と背面可動部材104との間のそれぞれが、中間マウント100の回転軸の方向において重なる部分において完全に接触していない。
【0040】
図10Eは、操作部材110が操作され、マウント本体302の係合部303が前面可動部材106の係合部107と完全に係合する状態まで中間マウント100が第1方向に回転した状態を示す。
図10Fは、
図10Eに示すA−A断面におけるマウントモジュール300及び中間マウント100の部分を示す。
図10Eに示すように、中間マウント100がベース部530に固定された状態では、係合部107と係合部303とのそれぞれの接触面、係合部303と固定部材102とのそれぞれの接触面、及び固定部材102と背面可動部材104とのそれぞれの接触面が、中間マウント100の回転軸(光軸)方向において重なっている。すなわち、係合部107と係合部303との間、係合部303と固定部材102との間、及び固定部材102と背面可動部材104との間のそれぞれが、中間マウント100の回転軸の方向において重なる位置で、隙間がない部分がある。このように、それぞれの接触面が中間マウント100の回転軸の方向において重なる位置において隙間なく接触していると、マウントモジュール300の中間マウント100に対するがたつきをより効果的に抑制できる。さらに、中間マウント100の径をマウントモジュール300の径とほぼ同じ大きさにしつつ、マウントモジュール300の中間マウント100に対するがたつきをより効果的に抑制できる。
【0041】
図11Aは、中間マウント100を構成する固定部材102、及びマウントモジュール300を構成するマウント本体302をベース部530に装着した状態の正面図を示す。
図11Bは、
図11Aに示すA−A断面、B−B断面、及びC−C断面を示す図である。
【0042】
ベース部530は、イメージセンサ510を支持する支持部5311,5312,5313,5314,5315を含む。イメージセンサ510は、ベース部530に支持されることで、ベース部530に対して予め定められた位置に固定される。
【0043】
マウント本体302のマウント面と、イメージセンサ510の撮像面との間の距離に相当するフランジバック514は、マウント規格に応じて規定されており、フランジバック514のずれは、撮像装置500で撮像される画像の品質に影響を及ぼす。したがって、フランジバック514を精度よく調整することが好ましい。そこで、ベース部530の前面5301と、固定部材102の背面1021との間に、所望の厚さのスペーサ130を介在させて、装着される交換レンズ10のマウント規格に応じたフランジバック514を実現する。装着される交換レンズ10のマウント規格に応じた厚さのスペーサ130を、ベース部530の前面5301と固定部材102の背面1021との間に介在させることで、撮像装置500で撮像される画像の品質の低下を抑制できる。
【0044】
図12は、中間マウント100に設けられる操作部材110の部分を拡大した断面図を示す。
【0045】
操作部材110は、外装である操作本体114と、操作本体114に保持されるボタン111及び制限部材112とを有する。
【0046】
制限部材112は、マウントモジュール300が中間マウント100に係合された状態で中間マウント100が第1方向20とは反対の第2方向30へ回転することを制限する。ボタン111は、制限部材112が中間マウント100の第2方向30への回転を制限する状態と制限しない状態とを切り替える。
【0047】
操作本体114は、ボタン111が押下される方向に沿った回転軸113を有する。ボタン111が押下される方向は、マウントモジュール300を中間マウント100から取り外すときに中間マウント100を回転させる第2方向30である。操作本体114は、回転軸113を中心に回転可能に制限部材112を保持する。制限部材112が、回転軸113を中心に回転すると、制限部材112の端部1121が、中間マウント100の回転中心の方向に移動する。
【0048】
図13は、ベース部530の開口531内の内周面の拡大図である。ベース部530は、中間マウント100を収容する開口531内に、中間マウント100の回転中心からの距離が第1距離の内周面5321、中間マウント100の回転中心からの距離が第1距離より長い内周面5322、及び内周面5321と内周面5322とを繋ぐ境界面5323とを有する。端部1121が、ベース部530の内周面5321と内周面5322との境界面5323で、第2方向30への移動が制限される。
【0049】
図14Aは、ボタン111及び制限部材112を正面から見た斜視図である。
図14Bは、ボタン111及び制限部材112を裏面から見た斜視図である。ボタン111は、第2方向30へ押下される押下面1113と、押下面1113の裏側に突起部1112とを有する。制限部材112は、突起部1112に対応する位置に傾斜面1122を有する。ボタン111の押下面1113が押下されると、突起部1112が傾斜面1122に沿って移動し、制限部材112が、回転軸113を中心に回転する。制限部材112が回転すると、端部1121が中間マウント100の回転中心の方向へ移動する。ボタン111の突起部1112及び制限部材112の傾斜面1122は、ボタン111の直進運動を制限部材112の回転運動に変えるカム構造として機能する。制限部材112の他端1123は、ばねなどの弾性部材116により、端部1121が中間マウント100の回転中心の方向と反対方向に移動するように付勢されている。
【0050】
図15は、
図10Aに示すB−B断面における操作部材110の部分を示す。
図16は、
図10Eに示すG−G断面における操作部材110の部分を示す。
【0051】
図17Aは、撮像装置500を側面から見た外観図である。
図17Bは、マウントモジュール300の係合部303が中間マウント100の係合部107とまだ係合していない状態での
図17Aに示すM−M断面を示す。
図17Cは、マウントモジュール300の係合部303が中間マウント100の係合部107と係合している状態での
図17Aに示すM−M断面を示す。
図18は、操作部材110を固定部材102の背面側から見た図である。操作部材110は、背面可動部材104及び前面可動部材106が固定部材102に対して回転するのを制限する爪部115を有する。爪部115は、前面可動部材106の外周側面から中間マウント100の回転中心に向かって背面可動部材104の背面を超えて固定部材102の背面まで延びている。固定部材102の背面には、爪部115の移動を制限する溝1023が設けられている。
【0052】
マウントモジュール300の係合部303が中間マウント100の係合部107とまだ係合していない状態では、制限部材112の端部1121は、弾性部材116に付勢され、ベース部530の内周面5321に接触している。なお、
図17Bに示すように、爪部115が、固定部材102の背面の溝1023の第1方向20の境界に達すると、溝1023の端に接触して、中間マウント100はこれ以上第1方向20へ回転できなくなる。
【0053】
端部1121は、弾性部材116により中間マウント100の回転中心から遠ざかる方向に付勢されており、中間マウント100が第1方向20へ回転すると、内周面5321に接触しながら移動する。その後、端部1121が内周面5321と内周面5322との間の境界面5323に達すると、端部1121は、境界面5323で、弾性部材116の付勢力により内周面5322側に移動する。端部1121が境界面5323を超えて、内周面5322まで達すると、マウントモジュール300の係合部303が中間マウント100の係合部107と係合した状態になる。
【0054】
マウントモジュール300が中間マウント100に係合された状態で、かつボタン111が押下されていない状態では、制限部材112の端部1121が境界面5323に接触し、中間マウント100の第2方向30への回転が制限される。ボタン111が押下されると、制限部材112が回転軸113を中心に回転して、端部1121が中間マウント100の回転中心の方向へ移動する。これにより、端部1121が境界面5323を超えて第2方向30へ内周面5321上を移動できるようになる。
【0055】
ユーザは、マウントモジュール300を中間マウント100に装着するとき、操作部材110を指で摘まみながら中間マウント100を第1方向20へ回転させる。このとき、ボタン111を押下しなくても、制限部材112の端部1121は、ベース部530の内周面5321に沿って移動できる。一方、ユーザが、マウントモジュール300を中間マウント100から取り外すとき、操作部材110を指で摘まみながら中間マウント100を第2方向30へ回転させる。ボタン111の押下面1113が第2方向30へ押下されやすい位置にあるので、ユーザが操作部材110を摘まみながら中間マウント100を第2方向30へ回転させようとすると、ユーザは容易に指で押下面1113を押下できる。よって、ユーザは、容易に制限部材112による第2方向30への回転の制限を解除でき、中間マウント100を第2方向30へ回転させることができる。
【0056】
ここで、ユーザが操作部材110を摘まんで中間マウント100を回転させようとするとき、ユーザは、撮像装置500が動かないように、撮像装置500を押さえておくほうが好ましい。そこで、
図19及び
図20に示すように、筐体501は、第1方向20及び第2方向30の両側面のそれぞれに、操作部材110の操作を補助する凹部118を有してもよい。凹部118の形状は、操作部材110のつまみ部分の形状と同じでよい。操作部材110は、筐体501の上方で移動するので、凹部118は、筐体501の上方の両側面に設けられてよい。例えば、ユーザが、右手の親指と人差し指で両凹部118を抑えながら、左手の親指と人差し指で操作部材110を摘まむ。そして、左手の親指でボタン111の押下面1113を押下しながら、第2方向30へ中間マウント100を回転させる。これにより、マウントモジュール300の係合部303と中間マウント100の係合部107との係合が解除され、マウントモジュール300を中間マウント100から取り外すことができる。なお、ユーザは、操作部材110を指で摘ままずに、操作部材110の押下面1113または押下面1113と反対側の面を単に指で押すことで、中間マウント100を第1方向20または第2方向30へ回転させてもよい。
【0057】
図20に示すように、マウントモジュール300は、ロックピン360、及びボタン352を含むボタン構造体350を有する。ロックピン360は、交換レンズ10のマウントに設けられた孔に挿入されることで、交換レンズ10が回転することをロックする。ボタン352は、ロックピン360に機械的に結合され、ロックピン360を孔に挿入した状態から孔に挿入してない状態に切り替える。
【0058】
図22は、マウントモジュール300のボタン構造体350部分を分解して前面側から見た図である。
図23は、マウントモジュール300のボタン構造体350部分を分解して背面側から見た図である。ボタン352は、L字状の連結部材354の一端に固定される。ボタン352は、マウントモジュール300の外周縁付近から中間マウント100の回転軸の方向に沿って、前面側に延びる連結部材354の一端に固定される。ロックピン360は、連結部材354の他端に固定される。ロックピン360は、マウントモジュール300の外周縁付近から中間マウント100の回転軸の方向に延びる連結部材354の他端に固定される。ロックピン360は、ボタン352の直下に配置される弾性部材3521、及びロックピン360の直下に配置される弾性部材3522により、マウント本体302の前面から突出する方向に付勢されている。弾性部材3521及び3522は、ばねなどでよい。交換レンズ10がマウントモジュール300に装着されるとき、ロックピン360は、交換レンズ10のマウント面に押されて、マウント本体302の前面から突出しない状態になる。
【0059】
交換レンズ10が予め定められた位置まで回転すると、ロックピン360が交換レンズ10のマウント面に設けられた孔の位置まで移動して、弾性部材の付勢力により、ロックピン360がマウント本体302の前面から突出して、交換レンズ10のマウント面の孔に挿入される。この状態ではロックピン360が障壁となり、交換レンズ10は回転できなくなる。つまり、交換レンズ10はマウントモジュール300から取り外すことができなくなる。
【0060】
ボタン352が押下されると、ロックピン360がマウント本体302の前面から突出しない状態になる。これにより、ロックピン360が障壁とならず、交換レンズ10は回転できるようになる。つまり、交換レンズ10はマウントモジュール300から取り外すことができるようになる。
【0061】
マウントモジュール300がベース部530から着脱可能な構造でなければ、中間マウント100は存在しない。この場合、ロックピン360のロックを解除するボタン352は、ベース部530に設けることができる。しかし、本実施形態に係るマウントモジュール300は、着脱可能であり、中間マウント100も存在するので、ボタン352をベース部530に設けることができない。
【0062】
そこで、本実施形態では、ボタン構造体350をマウントモジュール300に設ける。ボタン構造体350は、マウントモジュール300の外周縁から外側に迫り出すように、マウントモジュール300に設けられる。ボタン352をできるだけ中間マウント100の回転中心の近くに寄せて設けると、交換レンズ10が障害となり、ボタン352の操作がしづらくなる。そこで、
図21に示すように、ボタン構造体350は、中間マウント100の回転軸方向において、中間マウント100の外周縁1001と重なるように設けられる。
【0063】
また、比較的フランジバックが短いマウント規格の交換レンズ10でも撮像装置500に装着できるように、中間マウント100及びマウントモジュール300の光軸方向の厚みは小さいほうが好ましい。そのため、ボタン構造体350の厚みに起因して、中間マウント100及びマウントモジュール300の光軸方向の厚みが大きくならないほうが好ましい。そこで、
図24及び
図25に示すように、ボタン構造体350は、中間マウント100の径方向において、ボタン構造体350の外周面1002と重なるように設けられる。ボタン構造体350は、ボタン352の押下面と、操作部材110の前面側の面とは、中間マウント100の径方向において重なるように設けられる。
【0064】
このような態様でボタン構造体350がマウントモジュール300に設けられることで、交換レンズ10が障害となり、ボタン352が押下しにくくなるのを防止できる。また、中間マウント100及びマウントモジュール300の光軸方向の厚みを小さくできる。
【0065】
上記のような撮像装置500は、移動体に搭載されてもよい。撮像装置500は、
図26に示すような、無人航空機(UAV)に搭載されてもよい。UAV600は、UAV本体640、ジンバル620、複数の撮像装置630、及び撮像装置500を備えてよい。ジンバル620、及び撮像装置500は、撮像システムの一例である。UAV600は、推進部により推進される移動体の一例である。移動体とは、UAVの他、空中を移動する他の航空機などの飛行体、地上を移動する車両、水上を移動する船舶等を含む概念である。
【0066】
UAV本体640は、複数の回転翼を備える。複数の回転翼は、推進部の一例である。UAV本体640は、複数の回転翼の回転を制御することでUAV600を飛行させる。UAV本体640は、例えば、4つの回転翼を用いてUAV600を飛行させる。回転翼の数は、4つには限定されない。また、UAV600は、回転翼を有さない固定翼機でもよい。
【0067】
撮像装置500は、所望の撮像範囲に含まれる被写体を撮像する撮像用のカメラである。ジンバル620は、撮像装置500を回転可能に支持する。ジンバル620は、支持機構の一例である。例えば、ジンバル620は、撮像装置500を、アクチュエータを用いてピッチ軸で回転可能に支持する。ジンバル620は、撮像装置500を、アクチュエータを用いて更にロール軸及びヨー軸のそれぞれを中心に回転可能に支持する。ジンバル620は、ヨー軸、ピッチ軸、及びロール軸の少なくとも1つを中心に撮像装置500を回転させることで、撮像装置500の姿勢を変更してよい。
【0068】
複数の撮像装置630は、UAV600の飛行を制御するためにUAV600の周囲を撮像するセンシング用のカメラである。2つの撮像装置630が、UAV600の機首である正面に設けられてよい。更に他の2つの撮像装置630が、UAV600の底面に設けられてよい。正面側の2つの撮像装置630はペアとなり、いわゆるステレオカメラとして機能してよい。底面側の2つの撮像装置630もペアとなり、ステレオカメラとして機能してよい。複数の撮像装置630により撮像された画像に基づいて、UAV600の周囲の3次元空間データが生成されてよい。UAV600が備える撮像装置630の数は4つには限定されない。UAV600は、少なくとも1つの撮像装置630を備えていればよい。UAV600は、UAV600の機首、機尾、側面、底面、及び天井面のそれぞれに少なくとも1つの撮像装置630を備えてもよい。撮像装置630で設定できる画角は、撮像装置500で設定できる画角より広くてよい。撮像装置630は、単焦点レンズまたは魚眼レンズを有してもよい。
【0069】
遠隔操作装置650は、UAV600と通信して、UAV600を遠隔操作する。遠隔操作装置650は、UAV600と無線で通信してよい。遠隔操作装置650は、UAV600に上昇、下降、加速、減速、前進、後進、回転などのUAV600の移動に関する各種命令を示す指示情報を送信する。指示情報は、例えば、UAV600の高度を上昇させる指示情報を含む。指示情報は、UAV600が位置すべき高度を示してよい。UAV600は、遠隔操作装置650から受信した指示情報により示される高度に位置するように移動する。指示情報は、UAV600を上昇させる上昇命令を含んでよい。UAV600は、上昇命令を受け付けている間、上昇する。UAV600は、上昇命令を受け付けても、UAV600の高度が上限高度に達している場合には、上昇を制限してよい。
【0070】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0071】
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【解決手段】撮像装置は、第1マウントと、第1マウントに着脱可能に保持される第2マウントと、イメージセンサを支持し、イメージセンサの前面側で光学フィルタを着脱可能に保持し、光学フィルタの前面側で第1マウントを保持し、かつ第2マウントの背面部を収容するベース部とを備えてよい。ベース部は、第2マウントの背面部をベース部に対して位置決めする凹部と、光学フィルタをベース部の凹部内の溝にロックする第1状態と、光学フィルタをベース部の凹部内の溝にロックしない第2状態との間で切り替え可能なロック部材とを有してよい。ロック部材が第2状態の場合、第2マウントの背面部は、凹部に適合しなくてよい。