【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の1つの目的は、塵埃含有空気からの塵埃の分離が改善された電気掃除機用の分離システムを提供することである。
【0008】
本開示の更なる目的は、圧力損失が低減された電気掃除機用の分離システムを提供することである。
【0009】
本開示のなお更なる目的は、コンパクト設計を有する電気掃除機用の分離システムを提供することである。
【0010】
本開示のなお更なる目的は、塵埃含有空気からの塵埃の分離が改善され、圧力損失が低減されかつコンパクト設計を有する電気掃除機用の分離システムを提供することである。
【0011】
一態様によれば、電気掃除機用の分離システムであって、分離システムが、サイクロン室と、中心軸線を画定する略円筒状外観を有する内壁とを有するサイクロン筒と、塵埃含有空気を受け入れるための、中心軸線に対してずらされた入口流路と、サイクロン筒から塵埃を吐出するための塵埃出口と、サイクロン筒から空気を吐出するための空気出口と、空気出口に対してサイクロン筒の反対側の領域におけるサイクロン筒内に配置された螺旋部材であって、サイクロン室内に遠心流を発生させるために入口流路からサイクロン室に中心軸線を中心とする螺旋状通路を画定するまたは部分的に画定する螺旋部材とを備え、螺旋状通路が略一定の断面積を有し、かつ螺旋状通路が中心軸線を中心に360°または360°未満ねじれている、分離システムが提供される。螺旋状通路が中心軸線を中心に360°または360°未満ねじれているという定義では、螺旋状通路が中心軸線を中心に360°または360°未満の角度のある延在部を有することが意図されている。一変形例によれば、螺旋状通路は、中心軸線を中心に180°または180°未満ねじれている。
【0012】
入口流路を通して吸い込まれた塵埃含有空気には、螺旋状通路を通過するときに中心軸線を中心とする回転が与えられる。それにより、サイクロン室内に渦流が発生し、塵埃と空気とがサイクロン分離によりサイクロン室内において分離される。より重い塵埃粒子は、サイクロン室内で径方向外方に押しやられ、塵埃出口を通して吐出される。空気出口は、好ましくは、より小さな粒子を含む空気を受け入れるためにサイクロン筒に対して略中心に位置する。更に、フィルタおよび電動ファンユニットが空気出口の下流側に配置される。
【0013】
多くの従来技術の解決策では、塵埃含有空気をサイクロン分離器内に導く流路の断面積が変化する。そのような断面積の変化は、塵埃または吸い込まれた物体が流路に留まる危険性を高める。その上、断面積のそれぞれの変化により損失、例えば圧力損失が発生する。
【0014】
本開示による分離システムでは、塵埃含有空気が入口流路を通って進み、螺旋状通路を通って、螺旋部材がサイクロン室に開口する螺旋部材開口に至る際に、断面積に変化が全くまたは実質的にない。特に、螺旋状通路の断面積に、すなわち、空気流が中心軸線を中心に旋回するときに変化が全くまたは実質的にない。このようにして、空気流を直進空気流から回転空気流に円滑に移行させる。
【0015】
略一定の断面積を有するように螺旋状通路を配置するとともに、中心軸線を中心に360°または360°未満ねじれるように螺旋状通路を配置することにより、圧力損失が(いくつかの実装形態では1.5kPa未満)低減されかつ分離が(いくつかの実装形態では94%超)改善された、コンパクトな分離システムが提供される。それゆえ、分離システムは、特にバッテリ駆動式電気掃除機の性能を高める。加えて、空気出口の下流側のフィルタに最終的に溜まる塵埃を低減することができる。
【0016】
更に、中心軸線を中心に360°または360°未満ねじれるように螺旋状通路を配置することにより、物体が螺旋状通路内で詰まる危険性が低減され、かつ螺旋部材の掃除が容易になる。
【0017】
塵埃含有空気は前部からサイクロン筒に入り後部から出るので(螺旋部材は入口流路と連通し、かつ空気出口は、サイクロン筒の反対側の領域に配置される)、本開示による分離システムは、代替的に、軸分離システムと称されることがある。
【0018】
螺旋部材は、サイクロン筒の内壁に径方向に延びる羽根部材を備え得る。更に、螺旋部材は、掃除または交換のために螺旋部材を外すことができるようにサイクロン筒内に離脱可能に配置されてもよい。
【0019】
本開示による分離システムはまた、サイクロン筒からの塵埃を受け入れるための集塵容器、例えば、塵埃箱を備え得る。集塵容器は、サイクロン筒に取り外し可能に接続されるかまたはサイクロン筒と一体に形成されてもよい。
【0020】
入口流路は湾曲部を備え得、螺旋部材および湾曲部が螺旋状通路を画定する。この場合、入口流路はまた、湾曲部に移行する、中心軸線に略平行な直線部を備え得る。入口流路の直線部および湾曲部の両方は、等しい断面積を有し得る。
【0021】
入口流路、螺旋状通路および塵埃出口は、略等しい断面積を有し得る。このように、塵埃出口の閉塞を回避することができる。
【0022】
塵埃出口は、螺旋部材がサイクロン室に開口する螺旋部材開口に螺旋部材により画定された螺旋状線に沿って位置決めされてもよい。換言すれば、螺旋部材は、塵埃含有空気が塵埃出口に可能な限り直接当たるように塵埃出口に向けられる。塵埃出口は、螺旋部材開口から螺旋状線のピッチの1〜2倍の距離をおいて位置決めされてもよい。
【0023】
塵埃出口は、塵埃出口に隣接する、例えば、塵埃出口に直接隣接する内壁の接線方向に対してある角度をなす拡開面を備え得る。拡開面は、塵埃出口において塵埃含有空気の速度を低下させる。このようにして、集塵容器内の乱流を低減することができる。接線方向に対する拡開面の角度は、30°〜60°、例えば、40°〜50°であってもよい。
【0024】
螺旋部材は、中心軸線と略同心の中心片を備え得、かつ中心片の断面積は、中心軸線に沿ってサイクロン室に向かって増加し得る。中心片は、略円錐状外観を有し得る。中心片の直径は、サイクロン筒の内壁の内径の30%〜70%、例えば40%〜60%、例えば50%まで増加し得る。螺旋部材は、中心片からサイクロン筒の内壁に径方向に延びる羽根部材を更に備え得る。
【0025】
分離システムは、サイクロン室から空気出口に空気を導くための管を更に備え得る。管は、サイクロン筒内に離脱可能に配置されてもよい。
【0026】
管は、略円筒状でありかつ中心軸線と略同心に配置されてもよい。管は、メッシュなどの半透過性構造を備え得る。半透過性構造は、中心軸線に沿った管の長さの約50%の長さにわたって設けられてもよい。
【0027】
管および中心片は、取り外し可能に接続されるかまたは一体に形成されてもよい。これらの場合、半透過性構造は、螺旋部材から中心軸線に沿った管の長さの約50%の長さにわたって設けられてもよい。それにより、螺旋部材の羽根部材は、管の半透過性構造に隣接して終端してもよい。
【0028】
螺旋部材は、サイクロン室に向かって、すなわち、螺旋状通路の下流側経路に沿って連続的に減少する厚さを有する羽根部材を備え得る。このように、螺旋状通路内の互いに対向する羽根部材面の傾斜は異なる。
【0029】
螺旋部材は、羽根部材の下流側端部において概ね入口流路に面する入口面と、羽根部材の下流側端部において概ね空気出口に面する出口面とを備え得、入口面は、中心軸線と略平行な状態から中心軸線に対して60°〜80°、例えば70°の角度に徐々に移行し、かつ出口面は、中心軸線と略平行な状態から中心軸線に対して70°〜90°、例えば80°の角度に徐々に移行する。一例によれば、入口面は、略70°の角度に徐々に移行し、かつ出口面は、略80°の角度に徐々に移行する。
【0030】
螺旋状通路に沿った1箇所では、入口面および出口面の両方が、中心軸線に対して60°〜80°、例えば70°の角度で傾斜してもよい。この箇所から螺旋状通路に沿った下流側では、中心軸線に対する入口面の角度は、出口面が70°〜90°、例えば80°の角度に徐々に減少する間に略一定のままであってもよい。出口面は、羽根部材の下流側端部では、または羽根部材の下流側端部の上流側では、70°〜90°、例えば80°の角度に達してもよい。
【0031】
入口面は、羽根部材の主要な角度のある延在部に沿って、中心軸線に対して60°〜80°、例えば70°の角度が付けられてもよく、出口面は、羽根部材の主要な角度のある延在部に沿って、中心軸線に対して70°〜90°、例えば80°の角度が付けられてもよい。
【0032】
螺旋部材の入口面および出口面を中心軸線に対して異なる角度で配置することにより、中心片が、サイクロン室に向かって増加する断面積を中心軸線に沿って有する場合、螺旋状通路の一定の断面積を提供することができる。
【0033】
代替的または追加的に、サイクロン筒の内壁は、サイクロン室を中心とする円筒状であるとともに、螺旋部材に隣接して僅かに円錐状であってもよい。このようにして、サイクロン筒の内壁もまた、中心片の断面積がサイクロン室に向かって徐々に増加する際に螺旋状通路の断面積を略一定に維持するのに寄与し得る。
【0034】
更なる態様によれば、本開示による分離システムを備える電気掃除機が提供される。本開示による電気掃除機は、限定するものではないが、スティック型電気掃除機、2in1型電気掃除機、ロボット型電気掃除機および従来のキャニスタ型電気掃除機を含む、任意のタイプであってもよい。その上、本開示による電気掃除機は、コード付きまたはバッテリ駆動式であってもよい。
【0035】
サイクロン筒の中心軸線は、垂直方向に、水平方向に、または傾斜して配置されてもよい。一変形例によれば、小石などのより重い物体の吸い上げを容易にするために、中心軸線は、垂直軸線に対して僅かに傾斜して配置される。
【0036】
本明細書で使用される場合、略一定の断面積は、一定であってもよく、または15%未満、例えば12%未満、例えば10%未満、例えば5%未満変化してもよい。本明細書で使用される場合、略平行、略直交および略同心の関係は、完全に平行、完全に直交および完全に同心の関係ならびにこの関係からの最大5%、例えば最大2%のずれを含み得る。
【0037】
本開示の更なる詳細、利点および態様は、図面と併せて解釈される以下の実施形態から明らかになるであろう。