特許第6972479号(P6972479)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6972479電気掃除機用の分離システム、および分離システムを備える電気掃除機
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6972479
(24)【登録日】2021年11月8日
(45)【発行日】2021年11月24日
(54)【発明の名称】電気掃除機用の分離システム、および分離システムを備える電気掃除機
(51)【国際特許分類】
   A47L 9/16 20060101AFI20211111BHJP
   B01D 45/16 20060101ALI20211111BHJP
【FI】
   A47L9/16
   B01D45/16
【請求項の数】14
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2019-537186(P2019-537186)
(86)(22)【出願日】2017年2月6日
(65)【公表番号】特表2020-506744(P2020-506744A)
(43)【公表日】2020年3月5日
(86)【国際出願番号】EP2017052527
(87)【国際公開番号】WO2018141412
(87)【国際公開日】20180809
【審査請求日】2019年12月2日
(73)【特許権者】
【識別番号】516124465
【氏名又は名称】アクチエボラゲット エレクトロルックス
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】レフラー、ジェンス
(72)【発明者】
【氏名】スパング、ヨハン
【審査官】 柿沼 善一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−284339(JP,A)
【文献】 特開2004−129783(JP,A)
【文献】 米国特許第04179273(US,A)
【文献】 国際公開第00/049932(WO,A1)
【文献】 特開2011−000450(JP,A)
【文献】 実開昭53−091072(JP,U)
【文献】 特開2000−157463(JP,A)
【文献】 欧州特許出願公開第00815788(EP,A2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47L 9/16
B01D 45/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気掃除機用の分離システムであって、前記分離システムが、
サイクロン室と、中心軸線を画定する略円筒状外観を有する内壁とを有するサイクロン筒と、
塵埃含有空気を受け入れるための、前記中心軸線に対してずらされた入口流路と、
前記サイクロン筒から塵埃を吐出するための塵埃出口と、
前記サイクロン筒から空気を吐出するための空気出口と、
前記空気出口に対して前記サイクロン筒の反対側の領域における前記サイクロン筒内に配置された螺旋部材であって、前記サイクロン室内に遠心流を発生させるために前記入口流路から前記サイクロン室に前記中心軸線を中心とする螺旋状通路を画定するまたは部分的に画定する螺旋部材と
を備え、
前記螺旋状通路が略一定の断面積を有し、かつ前記螺旋状通路が前記中心軸線を中心に360°または360°未満ねじれており、前記螺旋部材が、前記中心軸線と略同心の中心片を備え、前記螺旋状通路の一部は、前記中心片の周囲に配置され、前記中心片の断面積は、前記中心軸線に沿って前記サイクロン室に向かって増加し、
前記中心片から延在し、前記中心軸線と略同心に配置され、前記サイクロン室から前記空気出口に空気を導くための管を更に備え、前記管および前記中心片が、互いに取り外し可能に接続されるかまたは一体に形成され、前記管は、前記サイクロン室から前記空気出口に空気を導くための半透過性構造を有する
分離システム。
【請求項2】
前記管が円筒形である、請求項1に記載の分離システム。
【請求項3】
前記中心片は、前記サイクロン室から前記空気出口に空気を導くための半透過性構造を有しない、請求項1または2に記載の分離システム。
【請求項4】
前記入口流路が湾曲部を備え、かつ前記螺旋部材および前記湾曲部が前記螺旋状通路を画定する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の分離システム。
【請求項5】
前記入口流路、前記螺旋状通路および前記塵埃出口が、略等しい断面積を有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の分離システム。
【請求項6】
前記塵埃出口は、前記螺旋部材が前記サイクロン室に開口する螺旋部材開口に前記螺旋部材により画定された螺旋状線に沿って位置決めされる、請求項1〜のいずれか一項に記載の分離システム。
【請求項7】
前記塵埃出口が、前記螺旋部材開口から前記螺旋状線のピッチの1〜2倍の距離をおいて位置決めされる、請求項に記載の分離システム。
【請求項8】
前記塵埃出口が、前記塵埃出口に隣接する前記内壁の接線方向に対してある角度をなす拡開面を備える、請求項1〜のいずれか一項に記載の分離システム。
【請求項9】
前記接線方向に対する前記拡開面の前記角度が、30°〜60°、例えば40°〜50°である、請求項に記載の分離システム。
【請求項10】
前記中心片が略円錐状外観を有する、請求項1〜のいずれか一項に記載の分離システム。
【請求項11】
前記中心片の直径が、前記サイクロン筒の前記内壁の内径の30%〜70%、例えば40%〜60%、例えば50%まで増加する、請求項1〜10のいずれか一項に記載の分離システム。
【請求項12】
前記螺旋部材が、前記サイクロン室に向かって連続的に減少する厚さを有する羽根部材を備える、請求項1〜11のいずれか一項に記載の分離システム。
【請求項13】
前記螺旋部材が、
前記羽根部材の下流側端部において概ね前記入口流路に面する入口面と、
前記羽根部材の前記下流側端部において概ね前記空気出口に面する出口面と
を備え、
前記入口面が、前記中心軸線と略平行な状態から前記中心軸線に対して60°〜80°、例えば70°の角度に徐々に移行し、かつ前記出口面が、前記中心軸線と略平行な状態から前記中心軸線に対して70°〜90°、例えば80°の角度に徐々に移行する、
請求項12に記載の分離システム。
【請求項14】
請求項1〜13のいずれか一項に記載の分離システムを備える電気掃除機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して電気掃除機用の分離システムに関する。特に、サイクロン筒とサイクロン筒内に配置された螺旋部材とを備える分離システムと、分離システムを備える電気掃除機とが提供される。
【背景技術】
【0002】
サイクロン式電気掃除機は、袋なしの集塵での便益のために広く知られている。サイクロン式電気掃除機では、塵埃がサイクロン効果によりサイクロン分離器内で分離される。こうして分離された塵埃は、集塵容器に移される。
【0003】
サイクロン式塵埃分離器の塵埃分離効率は、既知のタイプのサイクロン式電気掃除機にとっても依然として課題である。1つまたは複数のサイクロン分離ステップの分離効率が高ければ高いほど、概してサイクロン段の下流側に設けられる、主フィルタの寿命期間が長くなる。
【0004】
米国特許出願公開第2007271724A1号明細書は、流路内に摺動可能に配置された筒部分と、空気入口と塵埃容器の第1の端部に隣接して配置された空気出口とを有する塵埃容器とを備える手持ち式電気掃除機を開示している。塵埃容器は、サイクロン分離器の一部を構成する。
【0005】
米国特許第6332239B1号明細書は、掃除機を備えるように意図された集塵用装置を開示している。この装置は、吸い込まれる空気を受け入れることが可能な吸気口と空気送出口とを備えた第1の筒と、第1の筒内に略軸方向に位置決めされたスクリューと、スクリュー外径よりも小さな直径を有する第2の筒であって、一方の端部から第1の筒の送出端部に通風連通して、第1の筒の延在部内に同軸に位置するとともに第1の吐出導管により他方の端部が吸引ユニットに接続された第2の筒とを備える。装置は、2次流出流においてフィルタおよび/または容器に向けてごみを吐出するための第2の導管を第2の筒と第3の筒との間に設けるために、第2の筒の周囲に配置されかつ第1の筒の送出端部に接続された第3の筒を更に備える。
【0006】
従来技術の電気掃除機の塵埃分離装置は、エネルギーを消費し場所をとる。エネルギー消費は、バッテリ駆動式電気掃除機にとって特に重要である。米国特許出願公開第2007271724A1号明細書では、筒部分を収容するための流路が場所をとる。米国特許第6332239B1号明細書における装置は損失が高く、かつスクリューの長さが第1の筒の内径の少なくとも2倍であり、これにより装置が長大になる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の1つの目的は、塵埃含有空気からの塵埃の分離が改善された電気掃除機用の分離システムを提供することである。
【0008】
本開示の更なる目的は、圧力損失が低減された電気掃除機用の分離システムを提供することである。
【0009】
本開示のなお更なる目的は、コンパクト設計を有する電気掃除機用の分離システムを提供することである。
【0010】
本開示のなお更なる目的は、塵埃含有空気からの塵埃の分離が改善され、圧力損失が低減されかつコンパクト設計を有する電気掃除機用の分離システムを提供することである。
【0011】
一態様によれば、電気掃除機用の分離システムであって、分離システムが、サイクロン室と、中心軸線を画定する略円筒状外観を有する内壁とを有するサイクロン筒と、塵埃含有空気を受け入れるための、中心軸線に対してずらされた入口流路と、サイクロン筒から塵埃を吐出するための塵埃出口と、サイクロン筒から空気を吐出するための空気出口と、空気出口に対してサイクロン筒の反対側の領域におけるサイクロン筒内に配置された螺旋部材であって、サイクロン室内に遠心流を発生させるために入口流路からサイクロン室に中心軸線を中心とする螺旋状通路を画定するまたは部分的に画定する螺旋部材とを備え、螺旋状通路が略一定の断面積を有し、かつ螺旋状通路が中心軸線を中心に360°または360°未満ねじれている、分離システムが提供される。螺旋状通路が中心軸線を中心に360°または360°未満ねじれているという定義では、螺旋状通路が中心軸線を中心に360°または360°未満の角度のある延在部を有することが意図されている。一変形例によれば、螺旋状通路は、中心軸線を中心に180°または180°未満ねじれている。
【0012】
入口流路を通して吸い込まれた塵埃含有空気には、螺旋状通路を通過するときに中心軸線を中心とする回転が与えられる。それにより、サイクロン室内に渦流が発生し、塵埃と空気とがサイクロン分離によりサイクロン室内において分離される。より重い塵埃粒子は、サイクロン室内で径方向外方に押しやられ、塵埃出口を通して吐出される。空気出口は、好ましくは、より小さな粒子を含む空気を受け入れるためにサイクロン筒に対して略中心に位置する。更に、フィルタおよび電動ファンユニットが空気出口の下流側に配置される。
【0013】
多くの従来技術の解決策では、塵埃含有空気をサイクロン分離器内に導く流路の断面積が変化する。そのような断面積の変化は、塵埃または吸い込まれた物体が流路に留まる危険性を高める。その上、断面積のそれぞれの変化により損失、例えば圧力損失が発生する。
【0014】
本開示による分離システムでは、塵埃含有空気が入口流路を通って進み、螺旋状通路を通って、螺旋部材がサイクロン室に開口する螺旋部材開口に至る際に、断面積に変化が全くまたは実質的にない。特に、螺旋状通路の断面積に、すなわち、空気流が中心軸線を中心に旋回するときに変化が全くまたは実質的にない。このようにして、空気流を直進空気流から回転空気流に円滑に移行させる。
【0015】
略一定の断面積を有するように螺旋状通路を配置するとともに、中心軸線を中心に360°または360°未満ねじれるように螺旋状通路を配置することにより、圧力損失が(いくつかの実装形態では1.5kPa未満)低減されかつ分離が(いくつかの実装形態では94%超)改善された、コンパクトな分離システムが提供される。それゆえ、分離システムは、特にバッテリ駆動式電気掃除機の性能を高める。加えて、空気出口の下流側のフィルタに最終的に溜まる塵埃を低減することができる。
【0016】
更に、中心軸線を中心に360°または360°未満ねじれるように螺旋状通路を配置することにより、物体が螺旋状通路内で詰まる危険性が低減され、かつ螺旋部材の掃除が容易になる。
【0017】
塵埃含有空気は前部からサイクロン筒に入り後部から出るので(螺旋部材は入口流路と連通し、かつ空気出口は、サイクロン筒の反対側の領域に配置される)、本開示による分離システムは、代替的に、軸分離システムと称されることがある。
【0018】
螺旋部材は、サイクロン筒の内壁に径方向に延びる羽根部材を備え得る。更に、螺旋部材は、掃除または交換のために螺旋部材を外すことができるようにサイクロン筒内に離脱可能に配置されてもよい。
【0019】
本開示による分離システムはまた、サイクロン筒からの塵埃を受け入れるための集塵容器、例えば、塵埃箱を備え得る。集塵容器は、サイクロン筒に取り外し可能に接続されるかまたはサイクロン筒と一体に形成されてもよい。
【0020】
入口流路は湾曲部を備え得、螺旋部材および湾曲部が螺旋状通路を画定する。この場合、入口流路はまた、湾曲部に移行する、中心軸線に略平行な直線部を備え得る。入口流路の直線部および湾曲部の両方は、等しい断面積を有し得る。
【0021】
入口流路、螺旋状通路および塵埃出口は、略等しい断面積を有し得る。このように、塵埃出口の閉塞を回避することができる。
【0022】
塵埃出口は、螺旋部材がサイクロン室に開口する螺旋部材開口に螺旋部材により画定された螺旋状線に沿って位置決めされてもよい。換言すれば、螺旋部材は、塵埃含有空気が塵埃出口に可能な限り直接当たるように塵埃出口に向けられる。塵埃出口は、螺旋部材開口から螺旋状線のピッチの1〜2倍の距離をおいて位置決めされてもよい。
【0023】
塵埃出口は、塵埃出口に隣接する、例えば、塵埃出口に直接隣接する内壁の接線方向に対してある角度をなす拡開面を備え得る。拡開面は、塵埃出口において塵埃含有空気の速度を低下させる。このようにして、集塵容器内の乱流を低減することができる。接線方向に対する拡開面の角度は、30°〜60°、例えば、40°〜50°であってもよい。
【0024】
螺旋部材は、中心軸線と略同心の中心片を備え得、かつ中心片の断面積は、中心軸線に沿ってサイクロン室に向かって増加し得る。中心片は、略円錐状外観を有し得る。中心片の直径は、サイクロン筒の内壁の内径の30%〜70%、例えば40%〜60%、例えば50%まで増加し得る。螺旋部材は、中心片からサイクロン筒の内壁に径方向に延びる羽根部材を更に備え得る。
【0025】
分離システムは、サイクロン室から空気出口に空気を導くための管を更に備え得る。管は、サイクロン筒内に離脱可能に配置されてもよい。
【0026】
管は、略円筒状でありかつ中心軸線と略同心に配置されてもよい。管は、メッシュなどの半透過性構造を備え得る。半透過性構造は、中心軸線に沿った管の長さの約50%の長さにわたって設けられてもよい。
【0027】
管および中心片は、取り外し可能に接続されるかまたは一体に形成されてもよい。これらの場合、半透過性構造は、螺旋部材から中心軸線に沿った管の長さの約50%の長さにわたって設けられてもよい。それにより、螺旋部材の羽根部材は、管の半透過性構造に隣接して終端してもよい。
【0028】
螺旋部材は、サイクロン室に向かって、すなわち、螺旋状通路の下流側経路に沿って連続的に減少する厚さを有する羽根部材を備え得る。このように、螺旋状通路内の互いに対向する羽根部材面の傾斜は異なる。
【0029】
螺旋部材は、羽根部材の下流側端部において概ね入口流路に面する入口面と、羽根部材の下流側端部において概ね空気出口に面する出口面とを備え得、入口面は、中心軸線と略平行な状態から中心軸線に対して60°〜80°、例えば70°の角度に徐々に移行し、かつ出口面は、中心軸線と略平行な状態から中心軸線に対して70°〜90°、例えば80°の角度に徐々に移行する。一例によれば、入口面は、略70°の角度に徐々に移行し、かつ出口面は、略80°の角度に徐々に移行する。
【0030】
螺旋状通路に沿った1箇所では、入口面および出口面の両方が、中心軸線に対して60°〜80°、例えば70°の角度で傾斜してもよい。この箇所から螺旋状通路に沿った下流側では、中心軸線に対する入口面の角度は、出口面が70°〜90°、例えば80°の角度に徐々に減少する間に略一定のままであってもよい。出口面は、羽根部材の下流側端部では、または羽根部材の下流側端部の上流側では、70°〜90°、例えば80°の角度に達してもよい。
【0031】
入口面は、羽根部材の主要な角度のある延在部に沿って、中心軸線に対して60°〜80°、例えば70°の角度が付けられてもよく、出口面は、羽根部材の主要な角度のある延在部に沿って、中心軸線に対して70°〜90°、例えば80°の角度が付けられてもよい。
【0032】
螺旋部材の入口面および出口面を中心軸線に対して異なる角度で配置することにより、中心片が、サイクロン室に向かって増加する断面積を中心軸線に沿って有する場合、螺旋状通路の一定の断面積を提供することができる。
【0033】
代替的または追加的に、サイクロン筒の内壁は、サイクロン室を中心とする円筒状であるとともに、螺旋部材に隣接して僅かに円錐状であってもよい。このようにして、サイクロン筒の内壁もまた、中心片の断面積がサイクロン室に向かって徐々に増加する際に螺旋状通路の断面積を略一定に維持するのに寄与し得る。
【0034】
更なる態様によれば、本開示による分離システムを備える電気掃除機が提供される。本開示による電気掃除機は、限定するものではないが、スティック型電気掃除機、2in1型電気掃除機、ロボット型電気掃除機および従来のキャニスタ型電気掃除機を含む、任意のタイプであってもよい。その上、本開示による電気掃除機は、コード付きまたはバッテリ駆動式であってもよい。
【0035】
サイクロン筒の中心軸線は、垂直方向に、水平方向に、または傾斜して配置されてもよい。一変形例によれば、小石などのより重い物体の吸い上げを容易にするために、中心軸線は、垂直軸線に対して僅かに傾斜して配置される。
【0036】
本明細書で使用される場合、略一定の断面積は、一定であってもよく、または15%未満、例えば12%未満、例えば10%未満、例えば5%未満変化してもよい。本明細書で使用される場合、略平行、略直交および略同心の関係は、完全に平行、完全に直交および完全に同心の関係ならびにこの関係からの最大5%、例えば最大2%のずれを含み得る。
【0037】
本開示の更なる詳細、利点および態様は、図面と併せて解釈される以下の実施形態から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0038】
図1図1は、分離システムを備える電気掃除機の斜視図を概略的に表す。
図2図2は、分離システムの斜視図を概略的に表す。
図3図3は、代替的な分離システムの斜視図を概略的に表す。
図4図4は、図1および図2の分離システムの分解斜視図を概略的に表す。
図5図5は、管と螺旋部材とを備えるユニットの斜視図を概略的に表す。
図6図6は、管と螺旋部材とを備える代替的なユニットを備える分離システムの部分の正面図を概略的に表す。
図7図7は、図1図2および図4の分離システムの正面図を概略的に表す。
図8図8は、図7の分離システムの断面上面図を概略的に表す。
【発明を実施するための形態】
【0039】
以下では、サイクロン筒とサイクロン筒内に配置された螺旋部材とを備える分離システムと、分離システムを備える電気掃除機とについて説明する。同じまたは同様の構造的特徴を表すために、同じ参照符号が使用される。
【0040】
図1は、本開示による電気掃除機10の一例の斜視図を概略的に表している。この例の電気掃除機10は、2in1のスティック型電気掃除機である。電気掃除機10は、分離システム12と、分離システム12用のハウジングに移行するスティック14と、空気入口を備えたノズル16(図示せず)と、集塵容器18と、ファンユニット(図示せず)を通過した後の濾過された清浄空気を排気するための空気開口20とを備える。
【0041】
図2は、図1の分離システム12の斜視図を概略的に表している。分離システム12は、ノズル16の空気入口と流体連通する入口流路22と、サイクロン筒24と、空気出口26とを備える。サイクロン筒24は、中心軸線30を画定する、略円筒状外観の内壁28を有する。螺旋部材32および管34は、サイクロン筒24内に配置される。
【0042】
螺旋部材32は、空気出口26に対してサイクロン筒24の反対側の領域におけるサイクロン筒24内に配置される。分離システム12は、サイクロン筒24に取り外し可能に取り付けられた集塵容器18を更に備える。分離システム12は、中心軸線30が略垂直方向を向くか、垂直方向に対して僅かに傾斜するか、または略水平方向を向くように、電気掃除機10内に配置されてもよい。
【0043】
螺旋部材32は、サイクロン筒24の内壁28に径方向外方に延びる螺旋形の羽根部材36を備える。(分離システム12が略垂直方向に向けられたときの)螺旋部材32の底面は、円形でありかつサイクロン筒24の底部と一致する。
【0044】
図5の例では、羽根部材36は中実である。したがって、羽根部材36は中実の羽根を1つだけ備える。しかしながら、羽根部材36は、代替的に、図6に示すように2つの羽根により構成されてもよい。
【0045】
螺旋部材32は、略円錐状中心片38を更に備える。図2の例では、中心片38は、羽根部材36と一体に形成される。螺旋部材32は、略一定の断面積を有する螺旋状通路40を画定する。螺旋状通路40の断面積は、螺旋状通路40内における主流方向に直交する面積である。螺旋状通路40の断面積は、羽根部材36と、螺旋部材32の中心片38と、サイクロン筒24の内壁28とにより制限される。
【0046】
この例の螺旋状通路40は、入口流路22から螺旋部材32の下流側端部44により画定された螺旋部材開口42に螺旋状に延び、螺旋部材開口42では、螺旋状通路40がサイクロン筒24のサイクロン室46に開口する。更に、螺旋状通路40は、入口流路22からサイクロン室46に中心軸線30を中心に最大360°(図2では約180°)ねじれている。
【0047】
図2に見て取ることができるように、入口流路22は、直線状であり、中心軸線30と略平行であり、かつ中心軸線30に対してずらされる。しかしながら、入口流路22が直線部と湾曲部とを備え、結果として、螺旋状通路40が入口流路22から始まる(図3参照)ことも可能である。
【0048】
螺旋部材32は、入口流路22内の塵埃含有空気の直進空気流をサイクロン室46内で回転空気流に移行させる。螺旋状通路40から流出する回転空気流に起因して、サイクロン室46内に渦流が発生し、より重い塵埃粒子が径方向外方にサイクロン筒24の内壁28に押しやられる。
【0049】
サイクロン筒24は、内壁28に配置された塵埃出口(図示せず)と、サイクロン筒24内に中心軸線30と略同心に配置された管34とを更に備える。より重くかつ粗い塵埃粒子を含有する塵埃含有空気は、塵埃出口を通じて集塵容器18内に導かれ、その一方で、より軽くかつ微細な粒子を含有するより清浄な空気は、管34を通して、次いで空気出口26を通して吸い出される。
【0050】
管34は、第1の濾過手段を構成するとともに粒子が管34に入るのを阻止する、メッシュなどの、半透過性構造48を備える。分離システム12はまた、第2の濾過手段を構成する更なる細目フィルタ50を空気出口26の下流側に備える。
【0051】
フィルタ50を収容する蓋52は、螺旋部材32とは反対側のサイクロン筒24の端部(分離システム12が垂直方向に配置されるかまたは略垂直方向に配置される場合には上端部)に配置される。フィルタ50は、掃除のために蓋52から外すことができる。フィルタ50が外されたときに、管34および螺旋部材32もまた、掃除のために空気出口26を通してサイクロン筒24から外すことができる。管34および螺旋部材32は、取り外し可能に接続されてもよい。管34を螺旋部材32から外すことにより、掃除が容易になる。分離システム12のフィルタ50を除いた全ての構成要素は、例えば、プラスチックで作製されてもよい。
【0052】
図3は、代替的な分離システム12の斜視図を概略的に表している。図3の分離システム12は、入口流路22が直線部54と湾曲部56とを備え、結果として、螺旋状通路40(図3には図示せず)が入口流路22から始まる点においてのみ図2の分離システム12と異なる。
【0053】
図3の代替的な分離システム12では、螺旋状通路40は、入口流路22の湾曲部56および螺旋部材32の両方により画定される。換言すれば、螺旋状通路40は、螺旋部材32により部分的にのみ画定される。また、螺旋状通路40が入口流路22の湾曲部56および螺旋部材32の両方により画定される場合、螺旋状通路40は略一定の断面積を有し、かつ螺旋状通路40は、入口流路22から(すなわち、入口流路22の直線部54から)サイクロン室46に中心軸線30を中心に最大360°ねじれている。入口流路22の直線部54は、中心軸線30と同心であってもなくてもよい。
【0054】
図4は、図1および図2の分離システム12の分解斜視図を概略的に表している。この図では、中心片38は外されている。図3では、フィルタ50が蓋52から外されており、掃除のためにサイクロン筒24から管34および螺旋部材32を外すことができる。集塵容器18は、排出および/または掃除のためにサイクロン筒24から取り外されている。
【0055】
図5は、管34と螺旋部材32とを備えるユニット58の斜視図を概略的に表している。ユニット58は、本開示による任意の分離システム12と共に使用されてもよい。管34および螺旋部材32は、一体に形成されてもよく、または取り外し可能に接続可能であってもよい。
【0056】
図5に見て取ることができるように、中心片38は中心軸線30と略同心であり、かつ中心片38の断面積は中心軸線30に沿って増加している。螺旋状通路40の上流側領域では、中心片38はより小さな断面積を有し、かつ羽根部材36の下流側端部44に隣接して、中心片38はより大きな断面積を有する。図5の中心片38は、略円錐状外観を有する。
【0057】
図5は更に、螺旋部材32の羽根部材36が羽根部材36の下流側端部44に向かって連続的に減少する厚さ60を有することを示している。羽根部材36の厚さ60は、中心軸線30に平行な方向における羽根部材36の寸法である。
【0058】
螺旋部材32は、螺旋部材32がサイクロン筒24に挿入されたときに、概ね入口流路22に面する(図5では下方に面する)入口面62と、概ね空気出口26に面する(図5では上方に面する)出口面64とを備える。入口面62は、中心軸線30と略平行な状態から中心軸線30に対して約70°の角度に移行する。出口面64は、中心軸線30と略平行な状態から中心軸線30に対してより急角度、図5では約80°の角度に移行する。このように、羽根部材36は、羽根部材36の下流側端部44に向かって連続的に減少する厚さ60を有するように形成される。
【0059】
したがって、円錐状中心片38がその増加する断面積によって螺旋状通路40のますます多くの容積を占めるとしても、これは、羽根部材36の下流側端部44に向かって連続的に減少する羽根部材36の厚さ60により補われる。換言すれば、螺旋部材32の入口面62および出口面64を中心軸線30に対して異なる角度で配置することにより、中心軸線30に平行な方向における螺旋状通路40の寸法が、羽根部材36の下流側端部44に向かって増加する。それにより、中心片38が、サイクロン室46に向かって増加する断面積を有する場合、螺旋状通路40の一定の断面積を維持することができる。羽根部材36の下流側端部44における中心片38の断面積は、管34の断面積と一致する。このように、ユニット58は、コンパクトに設計されるとともに、サイクロン室46内に渦流が効果的に発生する。
【0060】
図5は更に、半透過性構造48が中心軸線30に沿った管34の長さの約50%の長さにわたって設けられることを示している。管34の半透過性構造48は、螺旋部材32から中心軸線30に沿った管34の長さの約50%の長さにわたって設けられる。螺旋部材32の羽根部材36は、管34の半透過性構造48に隣接して終端する。
【0061】
図6は、管34と螺旋部材32とを備える代替的なユニット58を備える分離システム12の部分の正面図を概略的に表している。主に図5との違いについて説明する。
【0062】
図6の例では、羽根部材36は、2つの別個の羽根36a、36bを備える。第1の羽根36a(図6の上羽根)は、螺旋部材32の出口面64を形成し、かつ第2の羽根36b(図6の下羽根)は、螺旋部材32の入口面62を形成する。各羽根36a、36bは平坦である。しかしながら、羽根部材36の羽根36a、36bを下流方向において互いに近接させるので、図6の羽根部材36もまた、連続的に減少する厚さ60を有する。したがって、羽根部材36の厚さ60は、この例でも、羽根36a、36b間の距離により構成される。
【0063】
図7は、図1図2および図4の分離システム12の正面図を概略的に表している。図7には、分離システム12の塵埃出口66を見て取ることができる。この例では、入口流路22、螺旋状通路40および塵埃出口66は、略等しい断面積を有する。
【0064】
図7は更に、螺旋部材32が螺旋部材開口42(図7では羽根部材36および中心片38の背後に隠れている)に螺旋状線68を画定することを示している。より具体的には、螺旋状線68は、螺旋部材32の入口面62および出口面64により螺旋部材開口42に画定された線である。中心軸線30に対する螺旋状線68の角度は、螺旋部材開口42におけるそれぞれの入口面62および出口面64の平均値である。
【0065】
当然ながら、電気掃除機10の動作中に全ての塵埃が螺旋状線68に沿って進むわけではないが、螺旋状線68は、管34の周囲に塵埃の主流を定めるとともに、塵埃の捕集を向上させる塵埃出口66を位置決めするための案内部としての役割を果たす。塵埃出口66は、螺旋状線68に沿った位置における内壁28に位置決めされる。図7の例では、塵埃出口66は、螺旋部材開口42から約1.25回転(450°)の位置に螺旋部材開口42から螺旋状線68のピッチの約1.25倍の距離をおいて位置決めされる。本開示によれば、塵埃出口66は、例えば、螺旋部材開口42から螺旋状線68のピッチの1〜2倍の距離(図7の高さ)をおいて位置決めされてもよい。このように、塵埃は、集塵容器18内に捕集されるように、より効果的に塵埃出口66に入ることができる。
【0066】
図7は更に、中心片38の直径70が中心軸線30に沿ってサイクロン筒24の内壁28の内径72の約50%まで増加することを示している。
【0067】
図8は、図7の断面A−Aにおける、分離システム12の上面図を概略的に表している。図8に見て取ることができるように、塵埃出口66は、塵埃出口66に隣接する内壁28の接線方向78に対してある角度76をなす拡開面74を備える。この例では、拡開面74は、サイクロン筒24と一体に形成される。しかしながら、拡開面74は、代替的に、(サイクロン筒24から取り外し可能であり得る)集塵容器18内に設けられてもよい。
【0068】
拡開面74は、サイクロン筒24の内壁28の中心軸線30に略直交する法線を有する略平坦面により構成される。この例では、拡開面74は、塵埃出口66に隣接する内壁28の接線方向78に対して約45°の角度が付けられる。拡開面74は、塵埃出口66に入ったときの塵埃含有空気流の速度を低下させるために塵埃出口66を広くする。結果として、集塵容器18内の乱流が低減されるとともに、塵埃がサイクロン室46内に戻る危険性が低減される。
【0069】
動作時に、電気掃除機10は、塵埃含有空気を分離システム12の入口流路22に引き込む。螺旋部材32内では、または入口流路22および螺旋部材32の螺旋状通路40内では、直進空気流を回転空気流に円滑に移行させる。入口流路22および螺旋状通路40の断面積が一定であるので、圧力損失の発生が減少する。
【0070】
螺旋部材32の互いに対向する入口面62および出口面64は、羽根部材36の厚さ60が徐々に減少するように変化する傾斜を有する。それにより、螺旋部材32の中心片38の断面積は、螺旋状通路40の断面積を変化させずに中心軸線30に沿って管34の断面積まで増加することができる。このことは、中心軸線30を中心に最大1回転の、比較的短い螺旋状通路40と共に、サイクロン室46内での塵埃の分離のために効率的な渦流を発生させる分離システム12のコンパクトな構成に寄与する。螺旋状通路40を塵埃出口66に向かう「箇所」に配置することにより、かつ拡開面74を塵埃出口66に設けることにより、塵埃分離の効率を更に高めることができる。
【0071】
本開示について例示的な実施形態を参照しながら説明してきたが、上で説明してきたものに本発明が限定されないことが認識されるであろう。例えば、部品の寸法が必要に応じて変更され得ることが理解されるであろう。したがって、本明細書に添付された特許請求の範囲によってのみ本発明が制限され得ることが意図されている。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8