(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6972485
(24)【登録日】2021年11月8日
(45)【発行日】2021年11月24日
(54)【発明の名称】キャパシター部品
(51)【国際特許分類】
H01G 4/30 20060101AFI20211111BHJP
H01G 2/24 20060101ALI20211111BHJP
【FI】
H01G4/30 550
H01G2/24
H01G4/30 201C
H01G4/30 513
【請求項の数】11
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2017-4716(P2017-4716)
(22)【出願日】2017年1月13日
(65)【公開番号】特開2017-228759(P2017-228759A)
(43)【公開日】2017年12月28日
【審査請求日】2019年12月27日
(31)【優先権主張番号】10-2016-0076856
(32)【優先日】2016年6月20日
(33)【優先権主張国】KR
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】594023722
【氏名又は名称】サムソン エレクトロ−メカニックス カンパニーリミテッド.
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】パク、ヒュン キル
(72)【発明者】
【氏名】パク、ジョン フワン
【審査官】
多田 幸司
(56)【参考文献】
【文献】
特開平07−272975(JP,A)
【文献】
特開2002−237429(JP,A)
【文献】
特開2009−170873(JP,A)
【文献】
特開2009−200168(JP,A)
【文献】
特開2014−072515(JP,A)
【文献】
特開2012−104736(JP,A)
【文献】
特開平7−201655(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01G 4/30
H01G 2/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の誘電体層の積層構造、及び前記誘電体層を挟んで交互に配置された複数の第1及び第2内部電極を含む本体と、
前記本体において、互いに対向する第1面及び第2面に形成され、前記第1内部電極と連結された第1外部電極と、
前記本体において、前記第1面と第2面とを連結し且つ互いに対向する第3面及び第4面に形成され、前記第2内部電極と連結された第2外部電極と、を含み、
それぞれ前記複数の第1及び第2内部電極のうち一部を含む複数のキャパシター部に区分され、前記複数のキャパシター部は第1及び第2キャパシター部を含み、
前記第1キャパシター部は、前記本体の少なくとも一面に露出したリードをそれぞれ含む第1及び第2内部電極を含み、且つそれに属する第1内部電極が前記第1面及び第2面に露出したリードを介して前記第1外部電極と連結された貫通型キャパシターであり、
前記第2キャパシター部は、前記本体の少なくとも一面に露出したリードをそれぞれ含む第1及び第2内部電極を含み、
前記第1キャパシター部に属する第1内部電極のリード幅は、前記第2キャパシター部に属する第1内部電極のリード幅より広く、前記第1キャパシター部に属する第2内部電極のリード幅は、前記第2キャパシター部に属する第2内部電極のリード幅より広く、
前記第2キャパシター部に属する第1内部電極のリードは、前記第1内部電極の中心線を基準として一方向に偏った位置に配置され、
前記第2キャパシター部に属する第2内部電極のリードは、前記第2内部電極の中心線を基準として前記第2キャパシター部に属する第1内部電極のリードから遠くなる方向に偏った位置に配置される、
キャパシター部品。
【請求項2】
前記複数のキャパシター部の少なくとも一部は、他のものと異なる共振周波数を発生させる、請求項1に記載のキャパシター部品。
【請求項3】
前記第2キャパシター部に属する第1内部電極は、前記第1面及び第2面の少なくとも何れか一つの面に露出したリードを介して前記第1外部電極と連結される、請求項1または2に記載のキャパシター部品。
【請求項4】
前記第1キャパシター部に属する第2内部電極は、前記第3面及び第4面に露出したリードを介して前記第2外部電極と連結される、請求項1から3のいずれか1項に記載のキャパシター部品。
【請求項5】
前記第2キャパシター部に属する第2内部電極は、前記第3面及び第4面の少なくとも何れか一つの面に露出したリードを介して前記第2外部電極と連結される、請求項4に記載のキャパシター部品。
【請求項6】
前記第1キャパシター部上に前記第2キャパシター部が配置された形態である、請求項1から5のいずれか1項に記載のキャパシター部品。
【請求項7】
前記本体には、前記キャパシター部品の実装方向を表示するマーキング部が備えられる、請求項1から6のいずれか1項に記載のキャパシター部品。
【請求項8】
前記マーキング部は、前記本体の他の領域とは異なる材質のセラミックからなる、請求項7に記載のキャパシター部品。
【請求項9】
複数の誘電体層の積層構造、及び前記誘電体層を挟んで交互に配置された複数の第1及び第2内部電極を含む本体と、前記本体において、互いに対向する第1面及び第2面に形成され、前記第1内部電極と連結された第1外部電極と、前記本体において、前記第1面と第2面とを連結し且つ互いに対向する第3面及び第4面に形成され、前記第2内部電極と連結された第2外部電極と、を含み、それぞれ前記複数の第1及び第2内部電極のうち一部を含む複数のキャパシター部に区分され、前記複数のキャパシター部は第1及び第2キャパシター部を含み、前記第1キャパシター部は、前記本体の少なくとも一面に露出したリードをそれぞれ含む第1及び第2内部電極を含み、且つそれに属する第1内部電極が前記第1面及び第2面に露出したリードを介して前記第1外部電極と連結された貫通型キャパシターであるキャパシター部品と、
前記キャパシター部品が配置される実装基板と、を含み、
前記第2キャパシター部は、前記本体の少なくとも一面に露出したリードをそれぞれ含む第1及び第2内部電極を含み、
前記第1キャパシター部に属する第1内部電極のリード幅は、前記第2キャパシター部に属する第1内部電極のリード幅より広く、前記第1キャパシター部に属する第2内部電極のリード幅は、前記第2キャパシター部に属する第2内部電極のリード幅より広く、
前記第2キャパシター部に属する第1内部電極のリードは、前記第1内部電極の中心線を基準として一方向に偏った位置に配置され、
前記第2キャパシター部に属する第2内部電極のリードは、前記第2内部電極の中心線を基準として前記第2キャパシター部に属する第1内部電極のリードから遠くなる方向に偏った位置に配置される、
キャパシター部品の実装構造体。
【請求項10】
前記キャパシター部品は、前記第1キャパシター部が前記実装基板に向かう形態に配置される、請求項9に記載のキャパシター部品の実装構造体。
【請求項11】
前記実装基板は、前記第1及び第2外部電極と接続された3個の回路パターンを含む、請求項9または10に記載のキャパシター部品の実装構造体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、キャパシター部品に関する。
【背景技術】
【0002】
キャパシター部品の一つである積層セラミックキャパシターは、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)及びプラズマディスプレイパネル(PDP:Plasma Display Panel)などの映像機器、コンピューター、スマートフォン、及び携帯電話などの種々の電子製品の印刷回路基板に取り付けられ、電気を充電または放電させる役割を担うチップ形態のコンデンサーである。
【0003】
かかる積層セラミックキャパシター(MLCC:Multi−Layered Ceramic Capacitor)は、小型でありながら高容量が保障され、実装が容易であるという利点を有するため、種々の電子装置の部品として用いられることができる。
【0004】
特に、コンピューターなどの中央処理装置(CPU)のための電源供給装置は、低い電圧を提供する過程で、負荷電流の急激な変化による電圧ノイズが発生するという問題がある。このような電圧ノイズを抑制するためのデカップリングキャパシターの用途に、MLCCが電源供給装置に広く用いられている。デカップリングなどの用途に用いられるMLCCにおいて、広い帯域でインピーダンスを低減しようとする試みが行われてきた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の一目的は、複数の共振周波数を有することで、広い周波数帯域でインピーダンスが効果的に制御されることができるキャパシター部品を提供することにある。また、本発明の他の目的は、かかるキャパシター部品を有することで、部品のサイズなどを減少させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述の課題を解決するための方法として、本発明は、一実施形態により新たなキャパシター部品を提案し、具体的に、複数の誘電体層の積層構造、及び上記誘電体層を挟んで交互に配置された複数の第1及び第2内部電極を含む本体と、上記本体において、互いに対向する第1面及び第2面に形成され、上記第1内部電極と連結された第1外部電極と、上記本体において、上記第1面と第2面とを連結し且つ互いに対向する第3面及び第4面に形成され、上記第2内部電極と連結された第2外部電極と、を含み、それぞれ上記複数の第1及び第2内部電極のうち一部を含む複数のキャパシター部に区分され、上記複数のキャパシター部は第1及び第2キャパシター部を含み、上記第1キャパシター部は、それに属する第1内部電極が上記第1面及び第2面に露出したリードを介して上記第1外部電極と連結された貫通型キャパシターの構造を有する。
【0007】
一実施形態において、上記複数のキャパシター部の少なくとも一部は、他のものと異なる共振周波数を発生させることができる。
【0008】
一実施形態において、上記第2キャパシター部に属する第1内部電極は、上記第1面及び第2面の少なくとも何れか一つの面に露出したリードを介して上記第1外部電極と連結されることができる。
【0009】
一実施形態において、上記第1キャパシター部に属する第1内部電極のリードの幅が、上記第2キャパシター部に属する第1内部電極のリードの幅より広くてもよい。
【0010】
一実施形態において、上記第2キャパシター部に属する第1内部電極のリードは、上記第1内部電極の中心線を基準として一方向に偏った位置に配置されることができる。
【0011】
一実施形態において、上記第2キャパシター部に属する第2内部電極のリードは、上記第2内部電極の中心線を基準として一方向に偏った位置に配置されることができる。
【0012】
一実施形態において、上記第2キャパシター部に属する第2内部電極のリードは、上記第2内部電極の中心線を基準として、上記第2キャパシター部に属する第1内部電極のリードから遠くなる方向に偏った位置に配置されることができる。
【0013】
一実施形態において、上記第1キャパシター部に属する第2内部電極は、上記第3面及び第4面に露出したリードを介して上記第2外部電極と連結されることができる。
【0014】
一実施形態において、上記第2キャパシター部に属する第2内部電極は、上記第3面及び第4面の少なくとも何れか一つの面に露出したリードを介して上記第2外部電極と連結されることができる。
【0015】
一実施形態において、上記第1キャパシター部に属する第2内部電極のリードの幅は、上記第2キャパシター部に属する第2内部電極のリードの幅より広くてもよい。
【0016】
一実施形態において、上記第1キャパシター部上に上記第2キャパシター部が配置された形態であることができる。
【0017】
一実施形態において、上記本体には、上記キャパシター部品の実装方向を表示するマーキング部が備えられることができる。
【0018】
一実施形態において、上記マーキング部は、上記本体の他の領域とは異なる材質のセラミックからなることができる。
【0019】
一方、本発明の他の実施形態は、複数の誘電体層の積層構造、及び上記誘電体層を挟んで交互に配置された複数の第1及び第2内部電極を含む本体と、上記本体において、互いに対向する第1面及び第2面に形成され、上記第1内部電極と連結された第1外部電極と、上記本体において、上記第1面と第2面とを連結し且つ互いに対向する第3面及び第4面に形成され、上記第2内部電極と連結された第2外部電極と、を含み、それぞれ上記複数の第1及び第2内部電極のうち一部を含む複数のキャパシター部に区分され、上記複数のキャパシター部は第1及び第2キャパシター部を含み、上記第1キャパシター部は、それに属する第1内部電極が上記第1面及び第2面に露出したリードを介して上記第1外部電極と連結された貫通型キャパシターであるキャパシター部品と、上記キャパシター部品が配置される実装基板と、を含むキャパシター部品の実装構造体を提供する。
【0020】
一実施形態において、上記キャパシター部品は、上記第1キャパシター部が上記実装基板に向かう形態に配置されることができる。
【0021】
一実施形態において、上記実装基板は、上記第1及び第2外部電極と接続された3個の回路パターンを含むことができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明の様々な効果の一効果は、広い周波数帯域でノイズを効果的に除去することができる、インピーダンス低減型キャパシター部品を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】本発明の一実施形態によるキャパシター部品を概略的に示した斜視図である。
【
図2】
図1のキャパシター部品における本体の形態を概略的に示した斜視図である。
【
図3】
図1のキャパシター部品における第1キャパシター部に属する第1及び第2内部電極の形態を概略的に示した平面図である。
【
図4】
図1のキャパシター部品における第2キャパシター部に属する第1及び第2内部電極の形態を概略的に示した平面図である。
【
図5】本発明のキャパシター部品が基板に実装された形態を示す。
【
図6】本発明により得られたキャパシター部品のインピーダンス特性を示したグラフである。
【
図7】変形例によるキャパシター部品を概略的に示した斜視図である。
【
図8】変形例によるキャパシター部品における第2キャパシター部に属する第1内部電極の形態を概略的に示した平面図である。
【
図9】変形例によるキャパシター部品における第2キャパシター部に属する第2内部電極の形態を概略的に示した平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下では、添付の図面を参照して本発明の好ましい実施形態について説明する。しかし、本発明の実施形態は様々な他の形態に変形されることができ、本発明の範囲は以下で説明する実施形態に限定されない。また、本発明の実施形態は、当該技術分野で平均的な知識を有する者に本発明をより完全に説明するために提供されるものである。したがって、図面における要素の形状及び大きさなどはより明確な説明のために誇張されることがある。
【0025】
また、本発明を明確に説明すべく、図面において説明と関係ない部分は省略し、様々な層及び領域を明確に表現するために厚さを拡大して示し、同一思想の範囲内において機能が同一である構成要素に対しては同一の参照符号を用いて説明する。さらに、明細書全体において、ある構成要素を「含む」というのは、特に反対である記載がない限り、他の構成要素を除外するのではなく、他の構成要素をさらに含むことができることを意味する。
【0026】
図1は本発明の一実施形態によるキャパシター部品を概略的に示した斜視図である。
図2は
図1のキャパシター部品における本体の形態を概略的に示した斜視図である。
図3は
図1のキャパシター部品における第1キャパシター部に属する第1及び第2内部電極の形態を概略的に示した平面図である。
図4は
図1のキャパシター部品における第2キャパシター部に属する第1及び第2内部電極の形態を概略的に示した平面図である。
【0027】
図1〜
図4をともに参照すると、本発明の一実施形態によるキャパシター部品100は、本体101と、第1内部電極121、123と、第2内部電極122、124と、第1外部電極141、142と、第2外部電極151、152と、を含み、それぞれ複数の第1及び第2内部電極121〜124のうち一部を含む複数のキャパシター部C1、C2に区分される。そして、第1キャパシター部C1は、それに属する第1内部電極121がリードR1、R2を介して第1外部電極141、142と連結された貫通型キャパシターをなす。本実施形態では、複数のキャパシター部が第1及び第2キャパシター部C1、C2を含む例を説明しているが、追加的なキャパシター部を含んでいてもよい。
【0028】
第1外部電極141、142は、本体101において互いに対向する第1面S1及び第2面S2に形成され、第1内部電極121、123と連結される。第1外部電極141、142のうち、第1面S1に形成されたものを141と、第2面S2に形成されたものを142と示す。この際、第1面S1と第3面S3は互いに垂直に配置されることができる。これにより、本体101は、直方体またはこれと類似の形状を有することができる。
【0029】
第2外部電極151、152は、本体101において、第1面S1と第2面S2とを連結し且つ互いに対向する第3面S3及び第4面S4の少なくとも何れか一つの面に形成され、第2内部電極122、124と連結される。本実施形態では、第2外部電極151、152が第3面S3と第4面S4の両方に形成された4端子構造を示している。後述のように、キャパシター部品100は、第1キャパシター部C1が実装基板に向かうように配置されることができ、この際、第1面〜第4面S1〜S4は実装基板に垂直に配置されることができる。
【0030】
本体101は、複数の誘電体層110が積層された積層構造、及び誘電体層110を挟んで交互に配置された第1及び第2内部電極121〜124を含む。本体101に含まれた誘電体層110としては、当業界において公知のセラミックなどの誘電物質を用いることができ、例えば、BaTiO
3(チタン酸バリウム)系セラミック粉末などを含むことができる。ここで、上記BaTiO
3系セラミック粉末は、例えば、BaTiO
3にCa(カルシウム)、Zr(ジルコニウム)などが一部固溶した(Ba
1−xCa
x)TiO
3、Ba(Ti
1−yCa
y)O
3、(Ba
1−xCa
x)(Ti
1−yZr
y)O
3またはBa(Ti
1−yZr
y)O
3などが挙げられるが、本発明がこれに限定されるものではない。
【0031】
上述のように、第1キャパシター部及び第2キャパシター部C1、C2は、共振周波数が互いに異なるため、このキャパシター部品100をフィルターなどに適用する場合、ノイズの除去効果が改善することができる。この際、第1キャパシター部C1は3端子型の貫通型キャパシターとして実現され、第2キャパシター部C2は2端子型のキャパシターとして実現されて、第2キャパシター部C2は相対的に高い等価直列インダクタンス(ESL)を有することができる。但し、本実施形態で例示された3端子または2端子などの外部端子の構成は、本発明の技術的思想を維持する範囲で変形され得る。以下、第1及び第2キャパシター部C1、C2の具体的な構成について説明する。
【0032】
図2〜4を参照すると、第1キャパシター部C1は、それに属する第1内部電極121が第1面S1及び第2面S2に露出したリードR1、R2を介して第1外部電極141、142と連結された貫通型キャパシターを構成する。また、第1キャパシター部C1に属する第2内部電極122は、第3面S3及び第4面S4に露出したリードR3、R4を介して第2外部電極151、152と連結される。
【0033】
この際、第1キャパシター部C1に属する第1内部電極121のリードR1、R2の幅W1は、第2キャパシター部C2に属する第1内部電極123のリードR5の幅W3より広い。第1及び第2キャパシター部C1、C2における第1内部電極121、123のリードの幅が互いに異なるようにする理由の一つは、第2キャパシター部C2に属する第1及び第2内部電極123、124のリードR5、R6の間隔が相対的に遠くなるように配置することで、ESLを大きくするためである。これにより、第2キャパシター部C2によって、低周波数側で共振周波数が発生することができる。一方、本実施形態では、第1キャパシター部C1に属する第1内部電極121の幅とリードR1、R2の幅W1とが同一である形態を示しているが、リードR1、R2の幅W1は、第1内部電極121の幅より狭くてもよい。
【0034】
図4に示された形態のように、第2キャパシター部C2に属する第1内部電極123は、第1面S1及び第2面S2の少なくとも何れか一つの面に露出したリードR5を介して第1外部電極142と連結されており、本実施形態では第2面S2にのみリードR5が引き出された形態を示している。また、第2キャパシター部C2に属する第2内部電極124は、第3面S3及び第4面S4の少なくとも何れか一つの面に露出したリードR6を介して第2外部電極152と連結されており、本実施形態では第4面S4にのみリードR6が形成された形態を基準とした。
【0035】
第2キャパシター部C2に属する第1内部電極123のリードR5は、第1内部電極123の中心線CLを基準として一方向(
図4を基準として上側)に偏った位置に配置される。また、第2キャパシター部C2に属する第2内部電極124のリードR6は、第2内部電極124の中心線CLを基準として一方向に偏った位置に配置され、具体的に、第1内部電極123のリードR5から遠くなる方向に偏った位置に配置される。このような構造により、リードR5、R6の間の距離が遠くなって、第2キャパシター部C2のESLが相対的に増加することができ、第2キャパシター部C2が低周波数側で共振周波数を発生させるようにすることができる。
【0036】
一方、
図3及び
図4に示された形態のように、第1キャパシター部C1に属する第2内部電極122のリードR3、R4の幅W2は、第2キャパシター部C2に属する第2内部電極124のリードR6の幅W4より広い。このような構造により、第2キャパシター部C2のESLが増加して、低周波数側での共振周波数の発生が促進されることができる。
【0037】
上述の構造を有するキャパシター部品100によると、第1キャパシター部C1は、低いESLを有する貫通型キャパシターとして実現され、高周波数側で共振周波数を発生させ、第2キャパシター部C2は、高いESLを有することで、低周波数側で共振周波数を発生させることができる。そして、第1キャパシター部C1上に第2キャパシター部C2が配置された形態である。この際、低いESLの特性をさらに効果的に発揮するために、第2キャパシター部C2に比べて第1キャパシター部C1を実装基板に近く配置することができる。
【0038】
これを具体的に説明すると、キャパシター部品100が
図5に示された形態のように実装されることで、キャパシター実装構造体が得られる。キャパシター部品100は第1キャパシター部C1が実装基板160に向かう形態を有し、実装基板160は、キャパシター部品100の第1及び第2外部電極141、142、151、152と接続された3個の回路パターン161を含む。この際、キャパシター部品100を安定して実装するために半田162が提供されることができる。この際、キャパシター部品100は、水平実装方式、すなわち、第1及び第2内部電極121〜124が実装面(第3面に垂直な面)に平行に配置されることができる。
図5のキャパシター実装構造体のように、低いESLの第1キャパシター部C1を実装基板160に近く配置することで、キャパシター部品100の高周波数帯域の特性をさらに向上させることができる。一方、キャパシター部品100の実装方向を表示するために、後述の
図7の実施形態のように、本体101にはマーキング部Mが形成されることができる。
【0039】
図6は本発明により得られたキャパシター部品のインピーダンス特性を示したグラフである。
図6のインピーダンス特性グラフに示されたように、本実施形態によるキャパシター部品100は、単一部品内で互いに異なる共振周波数を有する2種のキャパシター(第1及び第2キャパシター部)が含まれた構造であって、広い周波数帯域でインピーダンスを低く維持することができる。したがって、かかるキャパシター部品100を用いることで、電源装置や高速MPUなどに用いられるデカップリングキャパシターの数を減少させることができ、デカップリングキャパシターの実装コストや空間を効果的に低減することができる。
【0040】
図7〜
図9を参照して、変形実施例を説明する。まず、
図7の変形例では、キャパシター部品の実装方向を表示するマーキング部Mが備えられることができる。マーキング部Mにより、実装方向を容易に把握することができ、これを参照して第1キャパシター部C1を実装基板に近く配置することができる。かかるマーキング部Mは、本体101の他の領域とは異なる材質のセラミックからなることができる。
【0041】
他の変形例として、
図8及び
図9はそれぞれ、変形例によるキャパシター部品における第2キャパシター部に属する第1及び第2内部電極の形態を概略的に示した平面図である。示された形態のように、第2キャパシター部C2の第1及び第2内部電極123'、124'はリードの数が上述の実施形態と異なる。すなわち、第2キャパシター部C2に属する第1内部電極123'は、第1面S1及び第2面S2に露出したリードR5'、R5を備えて第1外部電極141、142と連結される。また、第2キャパシター部C2に属する第2内部電極124'は第3面及び第4面S3、S4に露出したリードR6'、R6を備えて第2外部電極151、152と連結される。この変形例のように、第2キャパシター部C2に属する内部電極123'、124'のリードの数を増加させることで、キャパシター部品の全体的な等価直列抵抗(ESR)を低減することができる。
【0042】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明の範囲はこれに限定されず、特許請求の範囲に記載された本発明の技術的思想から外れない範囲内で多様な修正及び変形が可能であるということは、当技術分野の通常の知識を有する者には明らかである。
【符号の説明】
【0043】
100 キャパシター部品
101 本体
110 誘電体層
121、123 第1内部電極
122、124 第2内部電極
141、142 第1外部電極
151、152 第2外部電極
160 実装基板
161 回路パターン
162 半田
R1、R2、R3、R4、R5、R6 リード
S1、S2、S3、S4 第1面、第2面、第3面、第4面