特許第6972491号(P6972491)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6972491電子アセンブリの製造方法及び電子アセンブリ
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6972491
(24)【登録日】2021年11月8日
(45)【発行日】2021年11月24日
(54)【発明の名称】電子アセンブリの製造方法及び電子アセンブリ
(51)【国際特許分類】
   H01L 23/12 20060101AFI20211111BHJP
   H01F 38/14 20060101ALI20211111BHJP
   H01F 17/00 20060101ALI20211111BHJP
   H01F 27/28 20060101ALI20211111BHJP
   H01Q 13/08 20060101ALI20211111BHJP
   H01P 11/00 20060101ALI20211111BHJP
   H02J 50/05 20160101ALI20211111BHJP
   H02J 50/10 20160101ALI20211111BHJP
   B29C 45/14 20060101ALI20211111BHJP
【FI】
   H01L23/12 501Z
   H01F38/14
   H01F17/00 D
   H01F27/28 K
   H01Q13/08
   H01P11/00
   H02J50/05
   H02J50/10
   B29C45/14
【請求項の数】18
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2020-504447(P2020-504447)
(86)(22)【出願日】2018年4月5日
(65)【公表番号】特表2020-521338(P2020-521338A)
(43)【公表日】2020年7月16日
(86)【国際出願番号】FI2018050243
(87)【国際公開番号】WO2018185373
(87)【国際公開日】20181011
【審査請求日】2021年3月17日
(31)【優先権主張番号】15/481,976
(32)【優先日】2017年4月7日
(33)【優先権主張国】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】519361106
【氏名又は名称】タクトテック オーイー
(74)【代理人】
【識別番号】100079049
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 淳
(74)【代理人】
【識別番号】100084995
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 和詳
(72)【発明者】
【氏名】イソハタラ、アンネ
(72)【発明者】
【氏名】シニバーラ、ハッセ
(72)【発明者】
【氏名】ヘイキネン、ミッコ
【審査官】 井上 和俊
(56)【参考文献】
【文献】 特表2011−518425(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2017/0094800(US,A1)
【文献】 特表2009−541984(JP,A)
【文献】 特開2014−200087(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 23/12
H01F 38/14
H01F 17/00
H01F 27/28
H01Q 13/08
H01P 11/00
H02J 50/05
H02J 50/10
B29C 45/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも第1の導電素子(410;710;810)と第2の導電素子(420;720;820)とを含む、応答する場を放射する電子アセンブリ(1000)の製造方法であって、
第1の基板フィルム(510)と第2の基板フィルム(520)を取得するステップ(105)と、
プリンテッドエレクトロニクス技術を利用して、前記第1の導電素子(410;710;810)を前記第1の基板フィルム(510)に提供するステップ(110)と、
プリンテッドエレクトロニクス技術を利用して、前記第2の導電素子(420;720;820)を前記第2の基板フィルム(520)に提供するステップ(110)と、
前記導電素子間にワイヤレスな電磁的結合(440)を確立するために、前記基板フィルム(510、520)上に印刷された前記導電素子(410,420;710,720;810,820)を互いに所定の距離(430)で配置するステップであって、前記所定の距離(430)は前記電子アセンブリ(1000)の所望の動作特性に基づく、配置するステップ(120)と、
少なくとも前記導電素子(410,420;710,720;810,820)の間に成形材料層(450)を成形するステップであって、前記成形材料層(450)は前記導
電素子(410,420;710,720;810,820)の間に前記所定の距離(430)で規定される厚さを有する、成形するステップ(130)と、
を含む、方法。
【請求項2】
プリンテッドエレクトロニクス技術を利用して、前記第1の導電素子(410;710;810)を前記第1の基板フィルム(510)に提供する前記ステップは、スクリーン印刷を利用することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
プリンテッドエレクトロニクス技術を利用して、前記第2の導電素子(420;720;820)を前記第2の基板フィルム(520)に提供する前記ステップは、スクリーン印刷を利用することを含む、請求項1又は請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記第1の基板フィルム(510)前記第2の基板フィルム(520)の少なくとも1つを所望の三次元形状に、熱成形又は冷間成形で成形するステップ(115)を含む、請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
パッチ素子を含む第3の導電素子(735)を取得するステップと、
前記第3の導電素子(735)を、前記電子アセンブリ(1000)のグランド素子として動作させるために、前記成形材料層(450)の、前記第1の導電素子(410;710;810)又は前記第2の導電素子(420;720;820)と同じ側に配置するステップと、
を含む、請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
電気エネルギ供給素子(730)を、前記第1の導電素子(410;710;810)又は前記第2の導電素子(420;720;820)に結合させるステップを含む、請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
応答する場を放射するための電子アセンブリ(1000)であって、
第1の基板フィルム(510)上に印刷された第1の導電素子(410;710;810)と、
第2の基板フィルム(520)上に印刷された第2の導電素子(420;720;820)と、
を含み、
前記基板フィルム(510,520)上に印刷された前記導電素子(410,420;710,720;810,820)は、互いに電磁的にワイヤレスで結合され、かつ、
前記電子アセンブリ(1000)は、
少なくとも前記第1の導電素子(410;710;810)と前記第2の導電素子(420;720;820)の間に成形された成形材料層(450)を含み、
前記成形材料層(450)は前記導電素子間に、前記電子アセンブリの応答する場の放射のための所望の動作特性に基づく既定の距離によって規定される厚さを有する、
電子アセンブリ(1000)。
【請求項8】
アンテナ又は静電容量検知デバイスの導電パッチ素子を含む前記導電素子(410,420;710,720;810,820)は、互いに静電結合している、請求項7に記載の電子アセンブリ(1000)。
【請求項9】
結合インダクタの平面コイルを含む前記導電素子(410,420;1110,1120)は、互いに誘導結合している、請求項7に記載の電子アセンブリ(1000)。
【請求項10】
前記成形材料層(450)は、少なくとも前記第1と前記第2の基板フィルム(510,520)の間にある、請求項7から請求項9までのいずれか1項に記載の電子アセンブリ(1000)。
【請求項11】
前記第1と第2の導電素子(410,420;710,720;810,820)の少なくとも1つは3次元形状を有する、請求項7から請求項10までのいずれか1項に記載の電子アセンブリ(1000)。
【請求項12】
前記第1と第2の基板フィルム(510,520)の少なくとも1つは3次元形状を有する、請求項7から請求項11までのいずれか1項に記載の電子アセンブリ(1000)。
【請求項13】
少なくとも第1のアンテナ素子(710)と第2のアンテナ素子(720)を含むアンテナ構造の製造方法であって、
第1の基板フィルム(510)と第2の基板フィルム(520)を取得するステップ(205)と、
プリンテッドエレクトロニクス技術を利用して、前記第1のアンテナ素子(710)を前記第1の基板フィルム(510)に提供するステップ(210)と、
プリンテッドエレクトロニクス技術を利用して、前記第2のアンテナ素子(720)を前記第2の基板フィルム(520)に提供するステップ(210)と、
前記アンテナ素子(710,720)の間にワイヤレス静電結合(440)を確立するために、前記基板フィルム(510,520)上に印刷された前記アンテナ素子(710,720)を互いに所定の距離(430)で配置するステップであって、前記所定の距離(430)は前記アンテナ構造の所望の動作特性に基づく、配置するステップ(220)と、
少なくとも前記アンテナ素子(710,720)の間に成形材料層(450)を成形するステップであって、前記成形材料層(450)は前記所定の距離(430)で規定された前記アンテナ素子(710,720)の間の厚さを有する、成形するステップ(230)と、
を含む、方法。
【請求項14】
アンテナ構造であって、
第1の基板フィルム(510)上に印刷された第1のアンテナ素子(710)と、
第2の基板フィルム(520)上に印刷された第2のアンテナ素子(720)と、
を備え、
前記アンテナ素子(710,720)は互いに静電的にワイヤレス結合され、かつ、
前記アンテナ構造は、
少なくとも前記第1と第2のアンテナ素子(710,720)の間に成形された成形材料層(450)を備え、
前記成形材料層は前記アンテナ構造の所望の動作特性に基づく既定の距離によって規定される、前記アンテナ素子間の厚さを有する、アンテナ構造。
【請求項15】
少なくとも第1の検知素子(810)と第2の検知素子(820)を含む静電容量検知デバイスの製造方法であって、
第1の基板フィルム(510)と第2の基板フィルム(520)を取得するステップ(305)と、
プリンテッドエレクトロニクス技術を利用して、前記第1の検知素子(810)を前記第1の基板フィルム(510)に提供するステップ(310)と、
プリンテッドエレクトロニクス技術を利用して、前記第2の検知素子(820)を前記第2の基板フィルム(520)に提供するステップ(310)と、
前記検知素子間にワイヤレス静電結合を確立するために、前記基板フィルム(510,520)上に印刷された前記検知素子を互いに所定の距離で配置するステップであって、前記所定の距離は前記静電容量検知デバイスの所望の動作特性に基づく、配置するステップと、
少なくとも前記検知素子の間に成形材料層を成形するステップと、
を含み、
前記成形材料層は、前記所定の距離によって規定される前記検知素子間の厚さを有する、製造方法。
【請求項16】
静電容量検知デバイスであって、
第1の基板フィルム(510)上に印刷された第1の検知素子(810)と、
第2の基板フィルム(520)上に印刷された第2の検知素子(820)と、
を備え、
前記検知素子(810,820)は互いに静電的にワイヤレス結合し、かつ、
前記静電容量検知デバイスは、
少なくとも前記第1と第2の検知素子(810,820)の間に成形された成形材料層(450)を備え、
前記成形材料層は、前記検知素子の間に、前記静電容量検知デバイスの所望の動作特性に基づく既定の距離で規定される厚さを有する、静電容量検知デバイス。
【請求項17】
少なくとも第1のインダクタ(410;1110)と第2のインダクタ(420;1120)を備える結合インダクタの製造方法であって、
第1の基板フィルム(510)と第2の基板フィルム(520)を取得するステップ(1015)と、
プリンテッドエレクトロニクス技術を利用して、前記第1のインダクタ(1110)を前記第1の基板フィルム(510)に提供するステップ(1020)と、
プリンテッドエレクトロニクス技術を利用して、前記第2のインダクタ(1120)を前記第2の基板フィルム(520)に提供するステップ(1020)と、
前記インダクタ(410,420;1110,1120)の間にワイヤレス静電結合(440)を確立するために、前記基板フィルム(510,520)上に印刷された前記インダクタ(410,420;1110,1120)を互いに所定の距離(430)で配置するステップであって、前記所定の距離(430)は前記結合インダクタの所望の動作特性に基づく、配置するステップ(1030)と、
少なくとも前記インダクタ(410,420;1110,1120)の間に成形材料層(450)を成形するステップであって、前記成形材料層(450)は前記導電素子(410,420;1110,1120;810,820)の間に前記所定の距離(430)で規定される前記インダクタ(410,420;1110,1120)の間の厚さを有する、成形するステップ(1040)と、
を含む、製造方法。
【請求項18】
結合インダクタであって、
第1の基板フィルム(510)上に印刷された第1のインダクタ(410;1110)と、
第2の基板フィルム(520)上に印刷された第2のインダクタ(420;1120)と、
を含み、
前記インダクタ(410,420;1110,1120)は互いにワイヤレスで誘導結合され、
かつ、前記結合インダクタは、少なくとも前記第1と第2のインダクタ(410,420;1110,1120)の間に成形された成形材料層(450)を備え、
前記成形材料層は、前記結合インダクタの所望の動作特性に基づく既定の距離によって規定される、前記インダクタ間の厚さを有する、結合インダクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願に至るプロジェクトは、助成金契約第725076号に基づいて、欧州連合ホライズン2020研究及びイノベーションプログラムから資金提供を受けている。
【0002】
本発明は一般に、電子機器の技術分野に関する。特に、ただし排他的ではないが、本発明は、射出成形などの成形法を利用する電子アセンブリの製造及び、成形層を含むそのような電子アセンブリに関する。
【背景技術】
【0003】
一般に、電子機器及び電子製品においては、様々な異なる多層構造が存在する。多層構造は、熱成形、成形、接着剤、熱及び/又は圧力ベースの積層などを用いて製造することができる。インモールドデコレーション(IMD)/インモールドラベリング(IML)を利用して、構造内に所望の色付け及び例えば図形パターンを組み込むことが可能である。
【0004】
電子部品、集積回路(IC)及び導体などの電子機器は、一般に複数の異なる技術によって多層構造内又はその表面に配置することができる。当然ながら、入手可能な表面実装デバイス(SMD)のような既製の電子機器は、最終的に多層構造の内層又は外層を形成する基板上に取り付けることができる。さらに、「プリンテッドエレクトロニクス」という用語に属する技術を適用して、実際に、関連する基板上に電子機器が直接製造される場合がある。この場合、「プリンテッド」という用語は、これに限らないが、スクリーン印刷、フレキソ印刷及びインクジェット印刷を含む、電子機器/電気素子を製造可能な様々な印刷技術を指す。
【0005】
試案では、電子部品が基板上に配置され、その後、その部品が熱可塑性材料によってオーバーモールドされる。製品は、IC、導体、及びアンテナなどの部品又はデバイスを含むことが可能であり、これらは最初に、設計された特性又は動作特性を有する既成の部品として製造され、それが例えばプリント回路基板(PCB)上に結合又は集積され、その後、部品保護用の成形材料によってオーバーモールドされる。
【0006】
試案においては、オーバーモールドされて製品の一部をなし、かつアンテナ素子間で静電結合を有するアンテナデバイスが、少なくとも3つの異なる金属部品、すなわちラジエータとフィーダ素子(feeding element)とグランド平面と、金属部品間の支持フレームである少なくとも3つの分離された絶縁支持部品、すなわち絶縁基板と上カバーと下カバーと、を利用して製造される。
【0007】
既知の方法で使用されるほどの生産ステップを必要とせずにこれらのアセンブリの生産を促進し、かつさらに電子アセンブリの製品への統合を容易にする、電子アセンブリの製造方法を開発する必要性が依然としてある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、電子アセンブリの製造方法及び電子アセンブリを提示することである。本発明の別の目的は、この方法が電子アセンブリの製造を容易にすることである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の目的は、それぞれの独立請求項によって定義される方法及び電子アセンブリによって達成される。
【0010】
第1の態様によれば、アンテナの電磁場、静電容量検知デバイスの電場あるいはインダクタの磁場などの、応答する場(responsive field)を放射するための電子アセンブリの製造方法が提供される。そのような応答する場は、例えば、電磁放射を放射/送信及び/又は受信するか、又は確立された電場の変化に対して少なくとも感応するように設計されたアンテナ構造若しくは静電容量検知デバイスや、あるいはそのインダクタ間に磁場を有する結合インダクタに含まれ、それによって、アセンブリとそのアセンブリが利用されるように企図された環境との間で、情報及び/又は電力がワイヤレスで移動される。この方法は、少なくとも第1の導電要素と第2の導電要素を含む。この方法は、
−パッチ素子又は平面コイルなどの、導電素子を取得するステップと、
−前記導電素子間の静電結合又は誘導結合などの電磁的結合を確立するために、モールド構造により画定されるキャビティの内部などに互いに所定の距離を置いて、前記導電素子を配置するステップと、
−少なくとも導電素子の間に成形材料層を、射出成型などにより成形するステップと、を含む。ここで成形材料層は、所定の距離によって規定される導電素子間の厚さを有する。
【0011】
本方法は、第1の基板フィルムを取得するステップと、スクリーン印刷などのプリンテッドエレクトロニクス技術を任意選択的に利用することにより、その第1の基板フィルムに第1の導電素子を提供するステップとを含んでよい。
【0012】
本方法は、第1の基板フィルムを取得するステップと、スクリーン印刷などのプリンテッドエレクトロニクス技術を任意選択的に利用することにより、その第2の基板フィルムに第2の導電素子を提供するステップとを含んでよい。
【0013】
本方法は、第1の基板フィルムと第2の基板フィルムの少なくとも1つを所望の三次元(3D)形状に、熱成形又は冷間成形などで成形するステップを含んでもよい。所望の3D形状とは、例えば円筒の側面などのように、物体が一方向に関してのみ3D形状を示す、いわゆる2.5次元(2.5D)あるいは擬似3D形状や、又は様々な異なる局所的曲率を有する複雑な形状を指してもよい。
【0014】
本方法は、好ましくはパッチ素子である第3の導電素子を取得するステップと、その第3の導電素子を、電子アセンブリのグランド素子として動作させるために、成形材料層の、第1又は第2の導電素子と同じ側に配置するステップとを含んでもよい。
【0015】
本方法は、単一のフィーダ素子及び/又は制御ユニットなどの電気エネルギ供給素子を、第1又は第2の導電素子に結合させるステップを含んでもよい。
【0016】
第2の態様によれば、応答する場を放射する電子アセンブリが提供される。電子アセンブリは、
−第1の導電素子と、
−第2の導電素子と、
を含み、この導電素子は互いに電磁気的に、かつ好ましくは静電的又は誘導的などのワイヤレスで互いに結合する。
そしてこの電子アセンブリは、
−少なくとも第1と第2の導電素子の間に成形材料層
を含む。
【0017】
アセンブリの導電素子相互間の距離は、好ましくは、アンテナ構造の場合にはアンテナの周波数帯域、周波数帯域幅及びインピーダンス整合、あるいは素子間の所望静電容量などの、電子アセンブリの動作特性がアセンブリの所期の目的に適するようなものであってよい。静電容量検知デバイスの態様の場合には、送信(Tx)電極からの受信(Rx)電極の距離(これはTx電極の遮蔽能力に影響する)や、所望の静電容量や、成形材料の透磁率や、所望のセンサ信号強度などが考慮される必要があり得る。結合インダクタの場合には、例えばインダクタンス、あるいは少なくともコイル間の相互インダクタンスを最大化するために、インダクタの所望のインダクタンスを考慮して距離を有利に選択してもよい。このことは、平面コイルの導体層の量、コイルのターン間の間隔、平面コイルを構成する導体の幅、平面コイルのターン数、又は、平面コイル相互に関する直径若しくは寸法、あるいは平面コイルの平面が画定する水平方向に直交する垂直方向にコイル同士が直接重ねられて配置されていない場合には平面コイル間の水平方向の変位、によって影響され得る。平面コイル相互の内側の表面積の大きさ及び/又は形状もまた、所定の距離の設計に影響し得る。
【0018】
アンテナ又は静電容量検知デバイスの導電パッチ素子などの導電素子は、互いに静電結合することができる。
【0019】
結合インダクタの平面コイルなどの導電素子は、互いに誘導結合することができる。
【0020】
第1の導電素子は第1の基板フィルム上に配置されてよい。
【0021】
第2の導電素子は第2の基板フィルム上に配置され、成形材料層が少なくとも第1と第2の基板フィルムの間に成形されてもよい。
【0022】
第1と第2の導電部材の少なくとも1つは3次元(3D)形状を有してもよい。3D形状は、いわゆる2.5次元(2.5D)又は擬似3D形状を指してもよい。そこでは物体は、例えば円筒の側面や、様々な異なる局所的曲率を有する複雑な形状のように、一方向に関してのみ3D形状を示す。
【0023】
第1と第2の基板フィルムの少なくとも1つは3次元形状を有してもよい。
【0024】
第3の態様によれば、少なくとも第1のアンテナ素子と第2のアンテナ素子を備えるアンテナ構造の製造方法が提供される。この方法は、
−パッチアンテナ素子などのアンテナ素子を取得するステップと、
−アンテナ素子間の静電結合を確立するために、モールド構造により画定されるキャビティの内部などに互いに所定の距離を置いて、アンテナ素子を配置するステップと、
−少なくともアンテナ素子の間に成形材料層を、射出成型などにより成形するステップと、を含み、成形材料層は、所定の距離によって規定されるアンテナ素子間の厚さを有する。
【0025】
この方法は、所望の動作周波数帯域に基づくなどの、アンテナ構造の所望の動作特性に基づいて所定の距離を画定するステップを含む。
【0026】
第4の態様によれば、アンテナ構造が提供される。アンテナ構造は、
−パッチアンテナ素子などの第1のアンテナ素子と、
−パッチアンテナ素子などの第2のアンテナ素子と、
を備え、これらのアンテナ素子は互いに静電結合する。そして、このアンテナ構造は、
−少なくとも第1と第2のアンテナ素子の間に成形材料層を備える。
【0027】
第5の態様によれば、少なくとも第1の検知素子と第2の検知素子を備える静電容量検知デバイスの製造方法が提供される。この方法は、
−導電パッチ素子などの検知素子を取得するステップと、
−検知素子間の静電結合を確立するために、モールド構造により画定されるキャビティの内部などに互いに所定の距離を置いて、検知素子を配置するステップと、
−少なくとも検知素子の間に成形材料層を、射出成型などにより成形するステップと、
を含む。成形材料層は、所定の距離によって規定される検知素子間の厚さを有する。
【0028】
第6の態様によれば、静電容量検知デバイスが提供される。静電容量検知デバイスは、
−導電性パッチ素子などの第1の検知素子と、
−導電性パッチ素子などの第2の検知素子と、
を備え、これらの検知素子は互いに静電結合する。そして静電容量検知デバイスは、
−少なくとも第1と第2の検知素子の間に成形材料層を備える。
【0029】
第7の態様によれば、少なくとも第1のインダクタと第2のインダクタを備える結合インダクタの製造方法が提供される。この方法は、
−導電性平面コイルなどのインダクタを取得するステップと、
−インダクタ間に好ましくは互いに誘導結合を確立するために、モールド構造により画定されるキャビティの内部などに互いに所定の距離を置いて、インダクタを配置するステップと、
−少なくともインダクタの間に成形材料層を、射出成型などにより成形するステップと、
を含む。成形材料層は、所定の距離によって規定されるインダクタ間の厚さを有する。
【0030】
第8の態様によれば、結合インダクタが提供される。結合インダクタは、
−導電性平面コイルなどの第1のインダクタと、
−導電性平面コイルなどの第2のインダクタと、
を備え、これらのインダクタは互いに誘導結合している。この結合インダクタは、
−少なくとも第1と第2のインダクタの間に成形された成形材料層を含む。
【0031】
本発明の有用性は、実施形態に依存する複数の問題から生じる。アンテナ及び/又は静電容量検知デバイス及び/又は結合インダクタなどの多層電子アセンブリは、アンテナ素子や静電容量検知素子やインダクタなどの導電素子を、結果として得られるアセンブリ又は製品の所望の特性を考慮に入れて、互いに所定の距離で配置することにより、容易に製造可能である。絶縁層を成形してそれを介して電磁的結合を確立することで、以前の試案である、アンテナや静電容量検知デバイスや結合インダクタをまず個別に製造して、例えばそれをPCBに接続するか又はオーバーモールドすることでデバイス又は製品に仕上げる方法に対して、製造ステップ数が低減される。したがって、本発明はこれらのデバイスの製造を容易にする。
【0032】
「第1」、「第2」、「第3」、「第4」、「第5」、「第6」、「第7」、「第8」という用語は、順序や量や重要度を表すものではなく、1つの要素を別の要素から区別するために使用される。
【0033】
本明細書に記載の本発明の例示的実施形態は、添付の特許請求の範囲の適用性を制限するものと解釈してはならない。「to comprise(含む)」という動詞は、本明細書においては開かれた制限として使用され、引用されていない特徴の存在を除外するものではない。従属請求項に引用される特徴は、特に明記されない限り互いに自由に組み合わせ可能である。
【0034】
本発明の特徴とみなされる新規の項目は、特に添付の特許請求の範囲に提示される。ただし、本発明自体は、その構成及び動作方法のいずれについても、更なる目的及びその利点と共に、添付の図面を参照して読めば、以下の特定の実施形態の説明から最もよく理解できるであろう。
【0035】
本発明の実施形態が、以下で簡単に説明する添付図面の図において、限定ではなく例示として示される。
【図面の簡単な説明】
【0036】
図1】本発明の一実施形態による方法のフロー図である。
図2】本発明の一実施形態による方法のフロー図である。
図3】本発明の一実施形態による方法のフロー図である。
図4】本発明の一実施形態による電子アセンブリの図である。
図5】本発明の一実施形態による電子アセンブリの図である。
図6】本発明の一実施形態による電子アセンブリの図である。
図7A】本発明の一実施形態によるアンテナ構造の図である。
図7B】本発明の一実施形態によるアンテナ構造の図である。
図8A】本発明の一実施形態による、静電容量検知デバイスの図である。
図8B】本発明の一実施形態による、静電容量検知デバイスの図である。
図9】本発明の一実施形態による電子アセンブリの図である。
図10】本発明の一実施形態による方法のフロー図である。
図11A】本発明の2つの実施形態によるインダクタの図である。
図11B】本発明の2つの実施形態によるインダクタの図である。
図12】本発明の一実施形態による結合インダクタの図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
図1は、本発明の一実施形態による方法のフロー図である。任意選択のステップ、例えば105と115は図1では破線で示されている。
【0038】
開始の段階であるステップ100において、電気接触パッド、電子部品、コネクタなどの材料や部品やツールの選択、取得、較正及びその他の構成のような必要なタスクが行われてもよい。個別の要素と材料の選択が共に作用して、選択された製造プロセスとその構造が組み込まれるあらゆるターゲット製品が存続できるように特別な配慮がなされなければならない。これらは当然ながら、例えば製造プロセス仕様及び部品データシート、又は製造されたプロトタイプの検査と試験に基づいて、事前にチェックされることが望ましい。とりわけ、射出成型などの成形、インモールドデコレーション(IMD)/インモールドラベリング(IML)、積層成形及び/又は印刷の設備は、このようにしてこの段階で稼働状態にまで立ち上げることができる。
【0039】
任意選択のステップ105において、例えば電子機器を収容するための、好ましくは可撓性のある基板フィルムが取得される。任意選択で、ステップ105の前又はステップ105において、例えば印刷によってフィルム上に装飾、図形表示、色などが作成されてもよい。これは、省略されてもよいし、方法フロー内の別の場所で行われてもよい。代替又は追加として、保護層などの他の層にそのような特徴を与えることが可能である。例えば、スクリーン印刷又はインクジェット印刷を適用することができる。一般に、装飾又は表示(例えば指示)の機能が、IMD/IMLに対応する方法を用いて提供されてもよい。既成の基板材料、例えばロール状のプラスチックフィルムが取得されて、被覆、着色(最初に所望の色ではない場合、又は例えば最適な透明度又は半透明度でない場合)、彫刻、エンボス、成形などの任意選択の処理がなされてもよいし、基板自体が、所望の出発材料から成形又は他の方法によって最初から内製されてもよい。基板フィルムは、既に3次元形状を有する形で取得されてもよい。3次元形状を有する基板フィルムの場合、基板フィルムは、任意選択的にステップ115でさらに成形されてもよい。
【0040】
基板フィルム又はシートの潜在的性質を考慮して、基板フィルム又はシートは好ましくは可撓性であってよい。基板フィルム又はシートは、例えば、ポリカーボネート(PC)、ポリカーボネート/アクリロニトリルブタジエンスチレン(PC/ABS)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリイミド、メチルメタクリレートとスチレンの共重合体(MS樹脂)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、又は金属を含んでもよい。基板フィルム又はシートは、木材、皮革又は繊維などの有機又は生体材料を含んでもよく、これらの材料同士の組み合わせ、又は、これらの材料とプラスチック、ポリマー又は金属との組み合わせであってもよい。これらの材料は、成形層及び/又は保護層に利用されてもよい。基板フィルム又はシートは、型取り、成形、被覆などの更なる処理がなされてもよい。
【0041】
基板フィルム又はシートは、フィルム表面に対する突起、隆起、溝、凹部などのレリーフ形態又は形状や、任意選択で貫通孔を含んでもよい。これらの特徴は、導体、部品などの要素を基板フィルム内に収容、あるいは少なくとも部分的に埋め込むために利用することができる。類似の特徴が保護層にあってもよい。
【0042】
本発明の実施形態によれば、ステップ105において、上で説明したような2つの、好ましくは可撓性である基板フィルムが取得される。基板フィルムは互いに類似していても、異なっていてもよい。それらの1つ又は両方が、電子部品、導体、又はパッチ若しくは平面コイルなどの導電性領域、などの電子機器を収容するためのものであってもよい。フィルムは3次元形状を有していてもよく、本質的に2次元(当然有限の厚さを有する)であってよい。
【0043】
ステップ110において、2つの導電素子が取得される。2つの導電素子は、好ましくは、導電性パッチ又は平面コイルであって、銅、金属メッシュ、インジウム錫酸化物(ITO)又は類似のものを含んでいてもよい。導電素子の形状は、例えば正方形、四角形、円又は楕円であってもよい。素子は1つ又は複数の電気的に接続された部品から成っていてもよい。導電素子は好ましくは、例えば無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)で動作するアンテナとして、又は例えばジェスチャセンサとしての静電容量検知デバイスとして、又は平面コイルの場合に結合インダクタとして有利に利用可能なものであってよい。特に静電容量検知デバイスの場合には、少なくとも1つの導電素子はいくつかの電気的に接続された部品、例えば4つの四角形の部品から成り、それ等が正方形又は四角形、すなわち受信電極(Rx)を形成するように配置され、送信電極(Tx)と接続されて、検知デバイスの検知空間を形成してもよい。
【0044】
ステップ110において、接触パッド、トレース、パッチ、平面コイル又は導体などの導体素子が、例えば印刷によって、好ましくは可撓性の基板フィルム上の所望位置に配置されて、電子部品が適切な取付技術によってそれぞれ取り付けられてもよい。このようにしてフレキシブルプリント回路構造が形成可能である。取付けには、接着剤、糊及び/又は導電性インクを使用して、例えば所望の機械的かつ電気的接続を確立して固定することが可能である。ステップ110は実施形態に応じて反復して又は交互に実行されてもよい。それにより、特別の実行段階へ分離することは必ずしも必要でないか、又はあり得なくなる。
【0045】
本発明の実施形態によれば、特に、少なくとも1つの導電素子が、ステップ105で取得された基板フィルム上に、例えばスクリーン印刷によって配置されてよい。別の実施形態によれば、導電素子の両方が、ステップ105で取得された異なる基板フィルム上に、例えばスクリーン印刷によって配置されてもよい。有利なことに、成形材料はステップ130で基板フィルム間に成形される。そうして好ましくは、いずれか1つの素子が異なる基板フィルムに含まれるように、すなわち各フィルムに1つの素子となるように配置された導電素子が、埋め込まれてもよい。
【0046】
様々な実施形態によれば、導電素子は典型的な接触パッドであり、いくつかの接触パッドを含み、例えばプリント回路基板(PCB)の導電性表面であってもよい。導電素子は1つ又は複数の導電層又は導電素子を含んでもよい。
【0047】
任意選択のステップ115において、熱成形、又は例えばプレス成形若しくは真空、圧力を用いた冷間成形などの成形が行われてもよい。成形の間、好ましくは可撓性の基板フィルムが、モールド構造を利用して所望の実質的に3次元形状に成形されてもよい。いくつかの電子部品が成形される基板フィルム上に配置されている場合、圧力又は曲率が最大となる位置など、成形時に最大応力が発生する場所を回避するように適切に配置されなければならない。
【0048】
ステップ120において、導電素子間の静電結合又は誘電結合などの電磁的結合を確立するために、導電素子は、モールド構造により画定されるキャビティの内側などに、相互に所定の距離で配置される。このことは、導電素子がモールド構造のキャビティの反対の両側に配置され、キャビティプレート又はモールド部品を合体してモールドキャビティを形成するなどしてモールド構造の成形準備ができたときに、導電素子が相互に所定の距離を有する位置に移動されるような性質を有するモールド構造を利用することで実行可能である。ただし、この時点での距離が所定の距離とは少し違っていたとしても、成形材料がモールドキャビティ内の少なくとも導電素子間に射出された後に、距離を確立することが可能である。本発明の別の実施形態によれば、成形中に導電素子間の所定の距離が確実に維持されるようにするための、モールドキャビティ内に配置された追加の素子、例えば、スペーサなどの非導電性支持部材を利用して、導電素子を、相互に所定の距離に配置することが可能である。この支持部材は、導電素子間の体積が支持部材ではなく主として成形材料によって充填される配置であることが好ましい。支持部材は、例えば、導電素子が特に正方形素子の場合には、素子の1つ又は複数の側面に取り付けられてもよい。
【0049】
導電素子間の所定の距離を画定する別の基準も存在し得る。これは用途に依存する。例えば、図2に示すように、導電素子を利用してアンテナ構造を形成する場合、所定の距離は、アンテナの所望の動作特性、又は所望の動作特性を得るためのアンテナの設計に係わる他の態様に基づいて定義することができる。これらの特性には、例えば、アンテナの周波数帯域、周波数帯域幅及びインピーダンス整合の最適化などが含まれる。図3に示すように、導電素子を静電容量検知デバイスの一部として利用する場合、考慮すべき点はアンテナ構造の製造に関するものとは異なる場合がある。静電容量検知デバイスに関して考慮すべき点には、例えば、Tx電極の遮蔽能力に影響する、Rx電極からTx電極までの距離、又は成形材料の透磁率、又は距離が増加するときに有利に増加する所望のセンサ信号強度、又はアセンブリの所望の静電容量が、含まれ得る。さらに、結合インダクタの場合には、所定の距離は、例えばインダクタンス又は少なくともコイル間の相互インダクタンスを最大化するために、インダクタの所望のインダクタンスによって選択されてもよい。このことは、平面コイルの導体層の量、コイルのターン間の間隔、平面コイルを形成する導体の幅、平面コイルのターン数、又は、平面コイル相互に関する直径若しくは寸法、或いは、垂直方向、即ち、平面コイルの平面により画定される水平方向に直交する方向にコイル同士が直接重ねられて配置されていない場合には、平面コイル間の水平方向の変位、によって影響され得る。平面コイル相互の内側の表面積の大きさ及び/又は形状もまた、所定の距離の設計に影響し得る。
【0050】
さらに、所定の距離の定義は、好ましくは機械又は材料が取得される前に発生してもよい。モールド構造を設計し、及び/又はモールド構造を取得する前に、すなわち図1図3のそれぞれのステップ100、200、300よりも前に、所定の距離を定義する必要がある場合もある。何故なら、モールド構造のキャビティは、その後、導電素子を互いに所定の距離に配置するために、又は、成形材料を少なくともこの素子の間に成形した後に、導電素子が少なくとも相互に所定の距離に配置されるために、利用することができるからである。例えば、アンテナ構造の場合、所定の距離は、アンテナの所望の周波数帯域、所望の周波数帯域幅、又はインピーダンス整合の最適化に基づいて決定することができる。所定の距離の定義に影響するそのほかの態様は、例えば、もしあるとすれば基板フィルム、アンテナ素子、又は成形材料層に使用される材料に関係する可能性がある。さらに、アンテナ素子の寸法、形状及び位置、又は例えばアンテナ素子に関して追加的なグランド素子もまた、所定の距離の定義に影響する可能性がある。
【0051】
図1にはステップ115がステップ120の前に実行されるように示されているが、ステップ120において又はステップ120の後に実行されてもよい。あるいは、ステップ115は、方法のフローの後の方で、ただし成形ステップであるステップ130の前か、遅くともそれと同時に実行されてもよい。一実施例によると、ステップ115は、高圧で射出された成形材料が、モールド構造によって画定されたキャビティ内部に配置された導電部材を形成するように実行されてもよい。
【0052】
ステップ130において、好ましくはプラスチック層、例えば、熱可塑性、熱硬化性、エラストマー材料、ポリマー、有機体、生体材料、有機又はグラフィックなどの複合物、及びそれらの任意の組み合わせなどが、好ましくは射出成形を用いて、少なくともその導電素子の間に成形される。成形材料層は、このようにして所定の距離によって規定されるこの導電素子間の厚さを有する。
【0053】
射出成形は製造プロセスに適用されてもよい。基板及び任意選択で保護層(既に存在する場合)を、モールド構造又はモールドのインサートとして使用してもよい。任意選択で、例えば複数材料を多層構造へ提供するために、マルチショット又はマルチコンポーネント成形が適用される。プラスチック層は少なくとも部分的に透明であり、及び/又は窪み又は貫通孔を含んで、オプトエレクトロニック部品(発光ダイオード(LED)、感光性検出器)、又は例えばOLED(有機LED)ディスプレイなどのディスプレイ等を含む、その下層に配置された電子機器への視覚経路を提供する。プラスチック層は、追加又は代替として、例えば着色された又はグラフィックスを含む不透明部分や、半透明部分を含んでもよい。プラスチック層にはさらに、光学的用途(例えば、光のインカップリング、アウトカップリング、散乱又は反射)などの様々な目的で、表面レリーフ形状又は他の構造が設けられてもよい。
【0054】
ステップ199において、この方法の実行が終了する。製造された電子アセンブリは、成形材料が十分に固化した後、モールド構造から取り出すことができる。これは、通常、成形材料の温度に影響される。
【0055】
いくつかの実施形態によると、特定の実施形態及び/又は得られる物体の使用目的に応じて、成形後に、成形材料層の上又は少なくとも1つの基板フィルムの上に、接着剤の使用などによって追加の層が例えばラミネートされる場合もある。
【0056】
図2は、本発明の一実施形態による方法のフロー図である。対応する方法ステップが図1のように実行されてもよい。ただし、この実施形態によれば、アンテナ構造がこの製造プロセスのターゲットであり、このため特定の考慮が必要な場合がある。この方法は、本質的にステップ100に対応するステップ200で開始される。任意選択のステップ205において、1つ又は複数の基板フィルムが、ステップ105のように取得されてよい。基板フィルム又はシートは、好ましくは電気的に低損失、すなわち、低誘電率の材料で作製されてよく、これによりアンテナの電磁場の基板フィルム又はシートへの集中を最小化し、フィルム又はシート内での減衰を低減する。ステップ210において、2つのアンテナ素子が取得されてよい。これらは好ましくは、成形構造内に配置されたアンテナのアンテナ動作によく適した、パッチ又はパッチ状の導電領域である。このようなアンテナ素子は、その素子と、少なくともアンテナ素子の間の成形材料との間に静電結合を有するアンテナ構造での利用に特に有用である。任意選択のステップ215において、少なくともアンテナ素子、あるいはその素子と基板フィルム若しくはその素子を含む複数のフィルムは、熱成形、空気圧成形又はプレス成形の利用などにより成形されてよい。ステップ205〜ステップ215を組み合わせて、アンテナ素子を有する成形又は形成された基板フィルムが取得されるようにしてもよいし、あるいは、ステップ210とステップ215の組み合わせだけで、成形又は形成されたアンテナ素子を得るようにしてもよい。
【0057】
特にプリンテッドエレクトロニクス技術を利用することによる、アンテナ素子のための適切な材料は、例えば、デュポン(登録商標)ME10、又はアサヒ(登録商標)SW1600Cなどの銀を含む材料であってよい。
【0058】
ステップ220において、アンテナ素子は相互に所定の距離で配置されてもよいし、あるいは、成形材料層を少なくともアンテナ素子の間に成形した後に、少なくとも素子が互いに所定の距離となるようにしてもよい。好ましくは、アンテナラジエータとして指定されるアンテナ素子は、アンテナ構造の意図した使用環境、例えば、筐体を備え、その筐体が筐体により画定される内側空間すなわち内側と、外側とを有するデバイスの場合には、アンテナ素子がその環境に関してアンテナ構造の外端に位置するように配置されてよい。アンテナラジエータと、アンテナの場すなわち応答場が主として生成されるための体積、すなわち環境との間には、可能な限り少しの材料しかないようにすることが有利である。アンテナフィーダ素子として指定されるアンテナ素子は、アンテナ構造の内部端部に、すなわち典型的にはアンテナラジエータに対する成形材料層の反対側に、位置するように配置されることが好ましい。
【0059】
本明細書でこれまでに述べたように、材料や、アンテナの所望の周波数帯域、所望の周波数帯域幅又はインピーダンス整合の最適化などの態様が、所定の距離の大きさに影響する。ステップ230において、成形材料層は、少なくともそれらのアンテナ素子の間に成形されてよい。成形材料は、好ましくは電気的に低損失、すなわち、低誘電率の材料で作製され、これによりアンテナの電磁場の基板フィルム又はシートへの集中を最小化し、フィルム又はシート内での場の減衰を低減する。ステップ299において、方法の実行が終了し、静電的に接続又は結合されたアンテナ素子と、少なくともそれらの素子の間の成形材料層とを有するアンテナが得られる。
【0060】
本発明の実施形態によれば、第3のアンテナ素子が取得され、アンテナのグランド素子として動作するために、第1又は第2のアンテナ素子に対して例えば平行かつ隣接して配置されてもよい。グランド素子は、好ましくは内部端部に、すなわち成形材料に関してアンテナ構造のフィーダ素子と同じ側に配置されてもよい。グランド素子は有利には、放射に指向性を与える目的に使用することができる。
【0061】
2層積層構造内の異なる種類のスロットアンテナは、本発明による方法の実施形態を利用することにより非常に高い実行性を有する。
【0062】
図3は、本発明の一実施形態による方法のフロー図である。対応する方法ステップを図1のように実行することができる。ただし、この実施形態によれば、静電容量検知デバイスがこの製造プロセスのターゲットであり、このため特定の考慮が必要となり得る。この方法は、本質的にステップ100に対応するステップ300で開始される。任意選択のステップ305において、基板フィルムが、ステップ105のように取得される。ステップ310において、好ましくは2つの検知素子が取得される。これらは好ましくは、成形構造内に配置された検知デバイスの静電容量検知によく適した、パッチ又はパッチ状の導電領域である。このような検知素子は、その素子と、少なくとも検知素子間にある成形材料との間の静電結合を有する検知デバイスとしての利用に特に有用である。任意選択のステップ315において、少なくとも検知素子、あるいはその素子とその素子を含む基板フィルムは、熱成形、空気圧成形又はプレス成形によるなどして成形され得る。ステップ305〜ステップ315を組み合わせて、検知素子を有する成形又は形成された基板フィルムが取得されるようにしてもよいし、あるいは、ステップ310とステップ315の組み合わせだけで、成形又は形成された検知素子を得られるようにしてもよい。
【0063】
好ましくは、例えば、筐体を備え、その筐体が筐体により画定される内側空間すなわち内側と、外側とを有するデバイスの場合には、Rx電極として指定される検知素子は、構造の意図する使用環境に関して検知デバイスの外端に位置するように配置されてよい。Rx電極と、検知デバイスの検知空間が主として生成されるための体積との間には、可能な限り少しの材料しかないようにすることが有利である。検知空間は、例えばその空間内における人の手の動きを認識可能な空間である。少なくともRx電極は、好ましくは、複数のRx電極素子によって構成されて、それらが正方形、四角形、円又は楕円などの形状をなし、それらの電極素子によって画定される領域内に空の空間を有してもよい。Tx電極は、有利には、Rx電極を遮蔽するために少なくともRx電極に対応する領域に配置されてもよい。したがって、Tx電極もまた同様の空の空間を画定し、その空の空間は、好ましくはRx電極によって画定される空の空間よりも少し小さい。ただし、Tx電極はまた固体素子であって、この空の空間を持たない場合もある。Rx電極の素子間の電気接続は、好ましくはTx電極に対応する領域にあって、Tx電極が電気コネクタに対する遮蔽も提供するようになっていてもよい。
【0064】
Tx電極として指定される検知素子は、好ましくは、検知素子構造の内部端部に、すなわち典型的にはRx電極に対して成形材料層の反対側に、位置するように配置される。
【0065】
静電容量検知デバイスのRx電極とTx電極は、銅、金属メッシュ、ITO又は類似のものなどの任意の導電性材料でできていてもよい。電極間の電気絶縁は、有利にはステップ330で成形された成形材料で達成されてよい。電極の上の任意選択のカバー層は、好ましくは同様に非導電性であってもよい。
【0066】
ステップ320において、検知素子は相互に所定の距離に配置されてもよいし、あるいは、少なくとも検知素子の間に成形材料層を成形した後に、それらが互いに所定の距離になるようにしてもよい。上記のように、材料又は所望の静電容量、Tx電極の遮蔽能力又は成形材料の透磁率に影響するRx電極からTx電極までの距離、あるいは、距離が大きくなれば有利に増加する望ましいセンサ信号強度、などの態様が、所定の距離の大きさに影響する可能性がある。ステップ330において、成形材料層は、少なくとも検知素子の間に成形されてよい。ステップ399において、方法の実行が終了し、静電的に接続された検知素子と、少なくともそれらの素子の間の成形材料層とを有する、ジェスチャセンサなどの静電容量検知デバイスが得られる。
【0067】
本発明の実施形態によれば、第3の検知素子が取得されて、例えばTx電極のRx電極とは違う側に配置されて、検知デバイスのグランド素子として動作するか、又は「増強された」検知デバイスを提供する。成形材料又は代替の何らかの他の絶縁材料が、Tx電極とグランド素子の間に使用されてよい。グランド素子は、有利にはRx電極の遮蔽用、及び/又はRx給電線(feeding lines)として使用されてもよい。検知素子の形状は、正方形、四角形、円形、又は楕円形であってよい。
【0068】
本発明の実施形態によれば、アンテナ構造と静電容量検知デバイスは、1つの成形構造、すなわち電子アセンブリに組み込まれてもよい。この場合、静電容量検知デバイスのTx電極は、アンテナのグランド素子としても作用し得る。こうすることで、設計上の自由度が増え、有利には、両者の性能を劣化させることなくスペースが節約される。達成された構造は、簡単で機械的にロバストであり、アンテナ機能と静電容量検知機能の両方の機能を備える。成形材料層は、この場合、少なくともアンテナ要素同士及び検知素子同士の間を同時に成形可能であり、これにより、有利なことに1回だけの成形ステップで簡単でロバストな構造が得られる。
【0069】
本発明の様々な実施形態によれば、アンテナ構造と静電容量検知デバイスは、1つの成形構造、すなわち電子アセンブリに組み込まれてもよい。アンテナ素子は、前述したように、少なくともRx電極によって画定される空の空間に存在するように配置されてもよい。このことによって、アンテナ機能と静電容量検知機能の両方の機能を有する、コンパクトでロバストな構造がもたらされる。Rx電極は、好ましくは、アンテナラジエータとして指定されるアンテナ素子と、成形材料層の同じ側にあってよい。成形材料層は、この場合もまた、少なくともアンテナ素子同士と検知素子同士との間に同時に成形されて、1回だけの成形ステップで簡単でロバストな構造を得ることが可能である。別の実施形態によれば、アンテナ素子と静電容量検知素子とは互いに平行に位置するように配置されてもよく、その結果、1回だけの成形ステップで簡単でロバストな構造が得られる。
【0070】
図4は本発明の一実施形態による電子アセンブリ1000の図である。41において、導電性パッチ又は平面コイルなどの導電素子410、420を取得することができる。42において、この素子410、420が、相互に所定の距離430に配置され、この素子410、420の間に静電結合又は誘電結合などの電磁的結合440を確立可能である。43において、少なくともこの素子410、420の間に、射出成形などによる成形材料層450の成形が行われて、好ましくは成形材料の固化の後に、本発明による電子アセンブリ1000を得ることができる。
【0071】
図5は本発明の一実施形態による電子アセンブリを示す。51において、導電性パッチなどの導電素子410、420が、基板フィルム510、520の内部又はその上に形成又は配置されて取得することができる。導電素子410、420が、好ましくはスクリーン印刷などによって基板フィルム510、520上に提供されていてもよい。52において、この基板フィルム上のこの素子410、420が、相互に所定の距離430に配置され、この素子410と素子420の間に静電結合又は誘電結合などの電磁的結合440を確立することができる。53において、少なくともこの素子410と素子420の間及びフィルム基板同士の間に、射出成形などによる成形材料層450の成形が行われて、好ましくは成形材料の固化の後に、本発明による電子アセンブリ1000を得ることができる。
【0072】
図6は本発明の一実施形態による電子アセンブリ1000を示す。61において、導電性パッチなどの導電素子410、420を、基板フィルム510、520と共に取得することができる。導電素子410、420は、好ましくはスクリーン印刷などによって基板フィルム510、520上に提供されていてもよい。62において、少なくとも導電素子410、420が、熱成形又は冷間成形などによって3次元形状に成形されてもよい。好ましくは、基板フィルム510、520が導電素子410、420と同時に成形されてもよい。63において、この基板フィルム上のこの素子410、420が、相互に所定の距離430に配置され、この素子410、420の間に静電結合又は誘電結合などの電磁的結合440を確立することができる。64において、少なくともこの素子410、420とフィルム基板510、520の間に、射出成形などによる成形材料層450の成形が行われて、好ましくは成形材料の固化の後に、本発明の実施形態による電子アセンブリ1000を得ることができる。
【0073】
図7A及び図7Bは、本発明の一実施形態による、電子アセンブリ1000、すなわちアンテナ構造を示す。図7A及び図7Bは、本発明の一実施形態によるアンテナ構造を、2つの反対方向から示す。図7Aでは、第1の側、例えば上側からの、図7Bでは、第1の側とは反対の第2の側、例えば下側からの、アンテナ構造が示されている。アンテナラジエータ710、すなわち第1のアンテナ素子710は、好ましくはアンテナ構造を利用しようとする環境に関して、電子アセンブリ1000の外側にあってもよい。アンテナフィーダ素子720、すなわち第2のアンテナ素子720は、好ましくはアンテナ構造を利用しようとする環境に関して、電子アセンブリ1000の内側、例えば、電子アセンブリ1000の筐体がある場合にはその内側、にあってもよい。信号フィーダ素子730が、好ましくはアンテナフィーダ素子720に接続されてもよい。信号フィーダ素子730は1つだけでもよいし、用途に応じて2つ又は任意の数であってもよい。また、第3のアンテナ素子735、例えばアンテナのグランド素子があってもよい。これは好ましくは成形の前に、製造される成形材料層450の、第1のアンテナ素子710又は第2のアンテナ素子720と同じ側に配置される。図7A図7Bでは、グランド素子735は、成形材料層450の、第2のアンテナ素子720と同じ側にあるように示されている。図からわかるように、グランド素子735が、第1のアンテナ素子710又は第2のアンテナ素子720と平行に、又は同じ面上に配置されている場合には、これらは直接電気接続してはならない。すなわち、アンテナに対する所望の特性を得るために、それらが配置される面の少なくとも何もない領域で分離されていなければならない。図7Bの実施形態によれば、これが、第2のアンテナ素子720のための穴を有するグランド素子735によって達成されている。グランド素子735は有利には、放射の指向性を与える目的に使用することができる。
【0074】
図8A及び図8Bは、本発明の一実施形態による、電子アセンブリ1000、すなわち静電容量検知デバイスを示す。図8A及び図8Bは、本発明の一実施形態による静電容量検知デバイスを、2つの反対方向から示す。図8Aでは、第1の側、例えば上側からの、図8Bでは、第1の側とは反対の第2の側、例えば下側からの、電子アセンブリ1000が示されている。第1の側と第2の側は、図7A図7Bに関して規定された側に関する、第1の側と第2の側と同じであってもよいし、同じでなくてもよい。静電容量検知デバイス810のRx電極、すなわち第1の検知素子810は、好ましくは検知デバイスを利用しようとする環境に関して、電子アセンブリ1000の外側にあってもよい。Tx電極820、すなわち第2の検知素子820は、好ましくは、ジェスチャセンサなどの検知デバイスを利用しようとする環境に関して、電子アセンブリ1000の内側、例えば、電子アセンブリ1000の筐体がある場合にはその内側にあってもよい。
【0075】
図8A図8Bにおいて、Rx電極810と、特にそれに電気的に接続された素子は、それを利用して検知空間を生成することができる。これは有利には、例えばその検知空間内での人の手の動きを検知する感度を有する。電気接続素子730は、好ましくはRx電極とTx電極との間、あるいは本質的にRx電極810の素子の近くにあるように配置されてよい。Tx電極820の素子は、好ましくはこれもまた相互に電気接続されていてよい(図8A図8Bには接続は示されていない)。Rx電極810の素子は、その素子によって画定される面の実質的に面内に、空の空間830又は空の領域830を画定してもよく、その形状はRx電極810の具体的形状に依存する。Tx電極820は、好ましくはRx電極を遮蔽して、検知デバイスの動作に影響する可能性のある干渉を少なくとも軽減するために、Rx電極の対応する領域上に配置されてもよい。図8A図8Bでは、空の空間830又は空の領域830をTx電極の中心に示しているが、Tx電極は、空の空間や領域830を持たない固体電極であってもよい。
【0076】
本発明の一実施形態によると、電子アセンブリ1000は、第1と第2の導電素子を利用することにより、アンテナ及び静電容量検知デバイスとして利用されるように構成可能である。利用は、帯域幅又は時間ベースの分離方法に基づいてもよい。帯域幅分離の場合は、アンテナ動作に対しては、静電容量検知動作とは異なる周波数又は周波数帯域を使用して行うことが可能である。アンテナ動作と静電容量検知動作とが互いに干渉することを回避するために、異なる周波数又は周波数帯域は、互いに十分に分離されていることが有利である。アンテナは、例えば約2.4GHzの周波数、すなわちより高い周波数で動作し、その一方で静電容量検知デバイスは、例えば約15kHz又は500kHzの周波数、すなわち前記より高い周波数に対してより低い周波数で動作するように構成されていてもよい。例えば、このようにして動作周波数間において十分な分離が行われる。時間ベースの分離の場合には、電子アセンブリ1000が、第1の期間ではアンテナとして動作し、第2の期間では静電容量検知デバイスとして動作して第1の期間と重ならないように構成されてもよい。
【0077】
電子アセンブリ1000の動作を制御する制御ユニット840が、上記の分離方法の1つ又は両方を実行するように構成されてもよい。制御ユニット840は好ましくは、一般的に電子アセンブリ1000の動作の制御用に設計されたものと同一のユニットであってもよいし、あるいは少なくともその一部であってもよい。ただし、電子アセンブリ1000の特定の部分のためだけの、例えば、アンテナ用、静電容量検知デバイス用、又は結合インダクタ用の、別々の指定された制御ユニットもあり得る。したがって、制御ユニット840は、指定されたものであれ、すべての電子アセンブリ1000に対するものであれ、本発明の全実施形態に関して使用可能である。ただし、本明細書では、アンテナと静電容量検知デバイスに関して記載する。ユニット840はしたがって、結合インダクタなどに関しても利用可能である。制御ユニット840は、IC、受動電子部品、(例えば、結合インダクタに注入する交流電流を作るための)電気コンバータ及び/又はインバータ、導体などの部品を含み得る。
【0078】
帯域幅分離は、十分に分離した所望の周波数を有する信号を導電素子に供給することで簡単に実装可能である。これには、例えば、異なる制御出力又は制御ユニット840に対する信号を生成するための分離信号発生手段に接続された、フィルタ及び/又は分離信号フィーダ素子730を使用することが含まれ得る。信号は、例えば所望の周波数帯域にある、異なるフーリエ成分を含んでもよい。時間分離法は、例えば導電素子にアンテナ動作のための適切な周波数を供給するための分離された時間スロットと、導電素子に静電容量検知動作のための適切な周波数を供給するための別の時間スロットと、を予約することにより、簡単に構成可能である。
【0079】
図9は本発明の一実施形態による電子アセンブリ1000を示す。この実施形態によれば、アンテナ構造と静電容量検知デバイスの両方が、同じ電子アセンブリに含まれてもよい。この実施形態によれば、アンテナ素子710、720が、Rx電極とTx電極によって画定される空の空間830に整列して配置される。アンテナ素子710、720は、好ましくは検知素子810、820の間の距離に対して同一の、相互間に規定された距離を有するように配置されてよい。ただし、図9に示すように、検知素子810、820は互いに隣接して配置され、したがってアンテナ素子710、720の間の距離とは互いに異なる距離を有してもよい。また、図9から分かるように、例えば、電子アセンブリ1000の制御ユニット840に接続された、Rx電極の信号フィーダ素子は、垂直方向に、すなわちRx電極810及び/又はTx電極820によって画定される平面に関して実質的に垂直な方向に、空の空間830に整列して配置されてもよい。
【0080】
本発明のさらに別の実施形態によれば、静電容量検知デバイスのTx電極820は、例えば放射の方向付けのために、アンテナ用のグランド素子として動作してもよい。
【0081】
図10は、本発明の一実施形態による方法のフロー図を示す。対応する方法ステップが図1のように実行されてもよい。ただし、この実施形態によれば、結合インダクタがこの製造プロセスのターゲットであり、このため特定の考慮が必要となる場合がある。この方法は、基本的にステップ100に対応するステップ1010で開始される。任意選択のステップ1015において、基板フィルムが、ステップ105のように取得される。ステップ1010において、好ましくは2つの平面インダクタ又はコイルが取得される。平面インダクタ又はコイルは、これらのインダクタ間に相互インダクタンスを有し、かつ少なくともこれらのインダクタ間に成形材料を有する、結合インダクタで利用されることが特に有用である。任意選択のステップ1025において、少なくとも平面インダクタ、又はそのインダクタと基板フィルム若しくはそのインダクタを含む基板フィルムが、熱成形、又はプレス成形などの空気圧成形若しくは冷間成形を利用するなどして成形可能である。ステップ1015〜ステップ1025を組み合わせて、インダクタを有する成形又は形成された基板フィルムが取得されるようにしてもよいし、あるいは、ステップ1015とステップ1025の組み合わせだけで、成形又は形成されたインダクタを得るようにしてもよい。インダクタの形状は、例えば正方形、四角形、円又は楕円であってよい。
【0082】
好ましくは、例えば、筐体を含みその筐体が筐体により画定される内側空間すなわち内側と、外側とを有するデバイスの場合には、第1のインダクタがその電子アセンブリ1000の意図する使用環境に関して、電子アセンブリ1000の外端に位置するように配置されてもよい。第1のインダクタと、結合インダクタの対応する磁場が主として生成されるようになった体積との間に、可能な限り少しの材料しかないことが有利である。第2のインダクタは、好ましくは、結合インダクタ構造の内側端部に、すなわち、一般的には第1のインダクタに関して成形材料層の反対側に、位置するように配置されてよい。
【0083】
結合インダクタのインダクタは、インダクタ間の相互インダクタンスを最大化するように配置されることが好ましい場合がある。これは有利には、それらを互いに対応位置に移動させることを伴い得る。相互の磁気フラックスを効果的に双方の平面インダクタを貫通して流すために、平面インダクタが、互いに、実質的に同じ内部空間を画定する、すなわち平面コイルがインダクタの内部端部に画定する空間面が相互に同じになるようにすれば有益となり得る。
【0084】
本発明のいくつかの実施形態によれば、結合インダクタの平面インダクタは、互いに電気的に結合されてもよいし、これらのインダクタが別々に利用可能であって、例えば別々のフィーダ素子を有してもよい。平面インダクタ間の電気接続(galvanic connection)は、成形の前に確立されていてもよいし、あるいは成形後に確立されてもよい。電気接続は、スクリーン印刷によって、又は個別の導体によって提供されてもよい。
【0085】
結合インダクタの平面コイルは、銅、金属メッシュ、ITO又は類似のものなどの任意の導電性材料でできていてもよい。電気的に結合されていないコイルの場合には、コイル間の電気絶縁は、有利にはステップ1040で成形された成形材料で達成されてもよい。インダクタの上の、任意選択のカバー層は、好ましくは同様に非導電性であってよい。
【0086】
ステップ1030において、平面コイルなどのインダクタは相互に所定の距離で配置されてもよいし、あるいは少なくともインダクタ間に成形材料層を成形した後に、それらが互いに所定の距離になるようにしてもよい。前述したように、このことは、平面コイルの導体層の量、コイルのターン間の間隔、平面コイルを形成する導体の幅、平面コイルのターン数、又は、平面コイルの相互に関する直径若しくは寸法、あるいは平面コイルの平面が画定する水平方向に直交する垂直方向にコイル同士が直接重ねられて配置されていない場合には平面コイル間の水平方向の変位、などの態様によって影響され得る。平面コイル相互の内側の表面積の大きさ及び/又は形状もまた、所定の距離の設計に影響し得る。
【0087】
ステップ1040において、成形材料層が、少なくともこれらのインダクタの間に成形されてよい。ステップ1099で方法の実行が終了し、変圧器、ワイヤレス充電器、又は通信用誘導アンテナなどの結合インダクタであって、相互に誘導接続されたインダクタと、かつ好ましくは平面インダクタであるインダクタの少なくとも間にある成形材料層とを有する、結合インダクタが得られる。
【0088】
本発明の様々な実施形態によれば、インダクタの片方又は両方が複数のコイルから成っていてもよい。本発明の様々な実施形態によれば、2つ以上のインダクタがあってもよい。第3の、あるいは第3と第4のインダクタが、互いに所定の距離にあるか、又は例えば実行される全体の電子アセンブリに応じて任意の距離を有するかして、配置されてもよい。3つ以上のインダクタがあることにより、結合インダクタの性能及び/又は効率は向上する可能性がある。
【0089】
図11A図11Bは、本発明の2つの実施形態によるインダクタを示す。図11Aは、円形の形状を有し、複数ターンを有する平面コイル1110を備える、平面インダクタ410を示す。図からわかるように、インダクタ410は図12に示すような3D形状を示し、インダクタが僅かに凸型/凹型であってもよい。インダクタ410には、磁場を発生させるためにインダクタに通電するための、第1端1115Aと第2端1115Bが含まれてよい。図11Bは正方形の平面インダクタ410を示す。
【0090】
図12は本発明の一実施形態による電子アセンブリ1000、すなわち結合インダクタを示す。結合インダクタは、第1のインダクタ410と第2のインダクタ420を含む。インダクタは互いに所定の距離430で配置される。インダクタ410、420は、好ましくは、電流で励起されると、インダクタ410、420が、この場合には誘導結合を介して、相互に電磁的に結合又は係合するように配置できる。インダクタの1つに通電すると、発生する磁場及びそのフラックスがもう一方のインダクタを貫通して流れ、そのもう一方のインダクタに電圧を誘起する。これが電気変圧器の基本原理である。ただし、同一の方向と位相を有する電流を、両方のインダクタを貫通して流すことにより、磁場の振幅(amplitude)を増加させることが可能である。このことは3つ以上のインダクタを有する結合インダクタにも当てはまる。振幅の増加は、結合インダクタを、送電か受電のいずれか又はその両方を行うワイヤレス充電器として使用する場合に特に有益である。さらに、インダクタは情報交換、すなわち結合インダクタを配置しようとする環境と通信するために使用可能である。さらに別の実施例では、特に第1のインダクタ410と第2のインダクタ420が互いに電気接続されていない場合に、結合インダクタの少なくとも両インダクタ410、420の間に成形された成形材料層450を介してデータ及び/又は電力を送信するためにインダクタが利用される。
【0091】
本発明のさらに別の実施形態によれば、アンテナ、静電容量検知デバイス及び結合インダクタの内の任意の2つ又は3つ全部でさえも、1つの物体に統合可能であり、そうして複数の機能を有する製品がもたらされ、かつ1つの成形ステップのみで製造される。上記の3つのデバイスすべての組み合わせは、周波数及び/又は時間ベースの分離方法で動作するように構成されたアンテナ及び静電容量検知デバイスの組み合わせソリューションを使用可能である。ここで、結合インダクタは他のデバイスに隣接して配置可能であり、それにより例えば、アンテナと、静電容量センサと、ワイヤレス充電デバイスとを有する製品が得られる。
【0092】
当業者であれば、使用される材料、寸法及び構成要素の観点で、最適プロセスパラメータを事前に知っているかあるいは実地試験により決定するであろう。一般的なガイダンスとして与えられる、単なる例示的指針は非常に少ない。基板フィルムがPETであり、かつそこにオーバーモールドされるプラスチックがPCである場合、溶融PCの温度は280℃〜320℃の間であり、適用可能な成形温度は、約20℃〜95℃の範囲であって、例えば約80℃であってもよい。使用される基板フィルム及びプロセスパラメータは、工程中に基板が実質的に固体のままでいるように選択されるものとする。
【0093】
事前取付けが可能な電子機器は、好ましくは成形時に動かないように基板に取り付けられている。トレース/構成要素を有する基板の提供又は層の統合などの、少なくとも選択された段階に関する製造方法の実行時に、任意選択として、ロール・ツー・ロール技術が利用されてもよい。ロール・ツー・ロール技術の適用には、使用される材料層にある程度の可撓性があることが必要とされる。したがって、最終製品(得られる多層構造又は最終的にその受け皿となるデバイス)に可撓性があってよい。ただし、本発明は実際にはより剛性のある材料シート又は一般的に所望の材料片の場合にも適用可能である。
【0094】
アンテナ、静電容量検知デバイス又は結合インダクタなどの、電子アセンブリ1000を組み込む、ターゲットとなる電子製品またはデバイスには、例えば、家電デバイス、産業用電子機器、自動化設備、機械、自動車製品、安全又は保護デバイス、コンピュータ、タブレット、ファブレット、セルフォンなどの携帯端末、警報デバイス、ウェアラブル電子機器/製品(衣服、帽子、履物など)、センサデバイス、計測デバイス、表示デバイス、ゲームコントローラ又はコンソール、照明装置、マルチメディア又はオーディオプレーヤ、視聴覚(AV)デバイス、スポーツ用具、通信デバイス、輸送又は搬送設備、電池、光学デバイス、ソーラーパネル又は太陽エネルギーデバイス、送信器、受信器、無線制御デバイス、あるいはコントローラデバイスなどが含まれ得る。
【0095】
以上の説明で記述した特徴は、明示した組み合わせ以外の組み合わせで使用可能である。機能を特定の特徴を参照して説明したが、これらの機能は、説明したか否かに拘わらず他の特徴によって遂行可能であり得る。機能を特定の実施形態を参照して説明したが、これらの機能は、説明したか否かに拘わらず他の実施形態にも存在し得る。

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図8A
図8B
図9
図10
図11A
図11B
図12