特許第6972494号(P6972494)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6972494
(24)【登録日】2021年11月8日
(45)【発行日】2021年11月24日
(54)【発明の名称】鉄筋の結束訓練装置
(51)【国際特許分類】
   E04G 21/12 20060101AFI20211111BHJP
   G09B 19/00 20060101ALI20211111BHJP
【FI】
   E04G21/12 105Z
   G09B19/00 Z
【請求項の数】3
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2021-79479(P2021-79479)
(22)【出願日】2021年5月10日
【審査請求日】2021年5月11日
(31)【優先権主張番号】202010558787.9
(32)【優先日】2020年6月18日
(33)【優先権主張国】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】521198767
【氏名又は名称】上海震旦職業学院有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100152180
【弁理士】
【氏名又は名称】大久保 秀人
(72)【発明者】
【氏名】陳錫宝
(72)【発明者】
【氏名】徐剛
(72)【発明者】
【氏名】孫暁艶
(72)【発明者】
【氏名】韓明珍
(72)【発明者】
【氏名】応惠清
(72)【発明者】
【氏名】付奕
(72)【発明者】
【氏名】陳凌峰
【審査官】 齋藤 智也
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭63−066875(JP,U)
【文献】 中国実用新案第210142463(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04G 21/12
G09B 19/00
E04C 5/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベースプレートと、ベースプレート上に立設する、組立壁と、検査機構と、
からなり、

組立壁は、
組立壁の側面から突出し、組立壁の近傍に立設した筒状管を、補強鉄筋とともにワイヤーで固定するための固定鉄筋
を備えており、

検査機構は、
筒状管を囲うように挟む2つの半円リングを先端に有する2つのアームプレートを回転駆動させるギヤ及びギヤードモーターを備えるスライド板と、
スライド板を摺動させる電動プッシュロッド、第1伸縮ロッドを備える昇降板と、
昇降板を昇降させるギヤードモーター、昇降全ネジボルト、ガイドロッドを有する取付板と、
を備えており、

2つの半円リングは、外周側に複数の等間隔で取付スリーブが取り付けられ、
半円リングの内周側に位置する円弧板を先端に有する複数のスライドロッドが、取付スリーブに挿通された状態で半円リングに等間隔で取り付けられ、
各スライドロッドには、初期状態では、取付スリーブに隠れる位置にマーキングリングが取り付けられている構成において、

ワイヤーで補強鉄筋を固定鉄筋に結束して筒状管を固定したあと、
2つの半円リングが筒状管を囲うように挟んだときに、
いずれかのスライドロッドのマーキングリングが取付スリーブから露出していれば、
筒状管は、垂直に設置されていないと判断し、
電動プッシュロッドが第1伸縮ロッドとともにスライド板を引っ張ったときに、
半円リングを備えるスライド板が昇降板上を摺動すれば、
筒状管は、ワイヤーによって十分に補強鉄筋と固定鉄筋に結束されていないと判断する
検査をすることができる
ことを特徴とする鉄筋の結束訓練装置。

【請求項2】
ベースプレートと、ベースプレート上に立設する、組立壁と、検査機構と、
からなり、

組立壁は、
組立壁の側面から突出し、組立壁の近傍に立設した筒状管を、補強鉄筋とともにワイヤーで固定するための固定鉄筋
を備えており、

検査機構は、
筒状管を囲うように挟む2つの半円リングを先端に有する2つのアームプレートを回転駆動させるギヤ及びギヤードモーターを備えるスライド板と、
スライド板を摺動させる電動プッシュロッド、第1伸縮ロッドを備える昇降板と、
昇降板を昇降させるギヤードモーター、昇降全ネジボルト、ガイドロッドを有する取付板と、
スライド板が摺動する方向と同じ方向で、かつ、スライド板から最も遠い位置に配置されているスライドロッドが挿通する取付スリーブの先端に取り付けられたリミットスリーブと、半円リングの当接片とに接続されたロック機構と、
を備えており、

半円リングには、外周側に等間隔で複数の取付スリーブが取り付けられ、
半円リングの内周側に位置する円弧板を先端に有する複数のスライドロッドが、取付スリーブに挿通された状態で半円リングに等間隔で取り付けられ、
各スライドロッドには、初期状態では、取付スリーブに隠れる位置にマーキングリングが取り付けられ、

ロック機構は、リミットスリーブにスライドブロックが嵌入されており、
スライドブロックは、当接片との間で連結され、バネの反発力を受けた伸縮ロッドによって、スライドロッド側に押し込まれた状態にあることで、
スライドロッドとの接触面における摩擦力によって、1のスライドロッドの動きを制限する構成において、

ワイヤーで補強鉄筋を固定鉄筋に結束して筒状管を固定したあと、
2つの半円リングが筒状管を囲うように挟んだときに、
ロック機構によって動きが制限されたスライドロッドを除く、いずれかのスライドロッドのマーキングリングが取付スリーブから露出していれば、
筒状管は、垂直に設置されていないと判断し、
電動プッシュロッドが第1伸縮ロッドとともにスライド板を引っ張ったときに、
半円リングを備えるスライド板が昇降板上を摺動すれば、
筒状管は、ワイヤーによって十分に補強鉄筋と固定鉄筋に結束されていないと判断する
検査をすることができる
ことを特徴とする鉄筋の結束訓練装置。
【請求項3】
ベースプレートと、ベースプレート上に立設する、引抜機構を有する組立壁と、検査機構と、
からなり、

組立壁は、
組立壁の側面から突出し、組立壁の近傍に立設した筒状管を、補強鉄筋とともにワイヤーで固定するための固定鉄筋
を備えており、

検査機構は、
筒状管を囲うように挟む2つの半円リングを先端に有する2つのアームプレートを回転駆動させるギヤ及びギヤードモーターを備えるスライド板と、
スライド板を摺動させる電動プッシュロッド、第1伸縮ロッドを備える昇降板と、
昇降板を昇降させるギヤードモーター、昇降全ネジボルト、ガイドロッドを有する取付板と、
スライド板が摺動する方向と同じ方向で、かつ、スライド板から最も遠い位置に配置されているスライドロッドが挿通する取付スリーブの先端に取り付けられたリミットスリーブと、半円リングの当接片とに接続されたロック機構と、
引抜機構は、
固定鉄筋が挿通され、ベースプレート上を水平方向に摺動する取付スライダーと、
鉛直上下方向にスライドして固定鉄筋を回転させる歯板と、
を備えており、

半円リングには、外周側に等間隔で複数の取付スリーブが取り付けられ、
半円リングの内周側に位置する円弧板を先端に有する複数のスライドロッドが、取付スリーブに挿通された状態で半円リングに等間隔で取り付けられ、
各スライドロッドには、初期状態では、取付スリーブに隠れる位置にマーキングリングが取り付けられ、

ロック機構は、リミットスリーブにスライドブロックが嵌入されており、
スライドブロックは、当接片との間で連結され、バネの反発力を受けた伸縮ロッドによって、スライドロッド側に押し込まれた状態にあることで、
スライドロッドとの接触面における摩擦力によって、1のスライドロッドの動きを制限する構成において、

ワイヤーで補強鉄筋を固定鉄筋に結束して筒状管を固定したあと、
2つの半円リングが筒状管を囲うように挟んだときに、
ロック機構によって動きが制限されたスライドロッドを除く、いずれかのスライドロッドのマーキングリングが取付スリーブから露出していれば、
筒状管は、垂直に設置されていないと判断し、
電動プッシュロッドが第1伸縮ロッドとともにスライド板を引っ張ったときに、
半円リングを備えるスライド板が昇降板上を摺動すれば、
筒状管は、ワイヤーによって十分に補強鉄筋と固定鉄筋に結束されていないと判断する
検査をすることができ、
検査後は、歯板を鉛直上下方向にスライドさせて固定鉄筋の結束状態を緩め、
取付スライダーを水平方向に摺動させることで、ワイヤーによって結束された補強鉄筋から固定鉄筋のみを引き抜くことができる
ことを特徴とする鉄筋の結束訓練装置。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、管やパイプの間に通した水平、垂直、平行に配筋された鉄筋の結束技術の習得、向上の目的で使用される訓練装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、組立式建築物の発展により、建築物の建設は、効率が向上している。
この建築物の組立の工程では、組み立てられた壁パネルが交差する節目に、先端がネジ切りされたポリ塩化ビニル製の塩ビ管などの管やパイプを、あらかじめ埋めておくことが多い。
そのため、コンクリートを打設する前に、塩ビ管などの管やパイプをワイヤーで鉄筋に固定し、管やパイプの途中にある出口パイプを室内に向けて固定する際に、垂直性と結束強度の要件を満たす必要がある。
垂直性と結束強度がないと、コンクリートを打設した時に、管やパイプが押されて、ずれてしまうことがある。
コンクリート打設後に管やパイプの設置位置がずれてしまうと、特に、高層階の建築物であれば、例えば上階側と下階側の管をつなぎ合わせることができず、施工が困難になってしまうことがある。
そこで、作業者は、塩ビ管などの管やパイプをワイヤーで強固に鉄筋に固定しつつ、正確に管やパイプを設置することが求められ、これを訓練する装置が必要である。
【0003】
例えば、特許文献1には、技術の習得、向上の目的で使用することができる訓練装置に関する発明が開示されている。
これによれば、組立コンクリート建物における構造用鉄筋の接続方法として主流になっているスリーブグラウト接続において、グラウチングが適切にされているか、つまり、グラウト材が十分に充填されているかを容易に確認できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2021-067931公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1の発明は、グラウチングに関する訓練装置であり、管やパイプの間に通した水平、垂直、平行に配筋された鉄筋の結束技術の習得、向上の目的で使用する訓練装置ではない。
【0006】
そこで、本発明は、上記課題を解決するため、使用者が、塩ビ管などの管やパイプを垂直に保ったまま鉄筋を強固に結束できているかを確認できる訓練装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
従来技術における問題点を解決するために、本発明は、以下の技術的な解決策を講じている。
なお、本発明の説明において、「内」、「下」、「上」など方位と位置関係を指示する用語は、図面に示される方位や作業中によく置く方位、位置関係に基づくものである。
また、方向または、位置関係は、本発明を説明し、説明を簡略化するためのものであり、参照されるデバイスまたは、要素が特定の方向を有し、特定の方向で構築または、操作されなければならないことを示したり示唆したりするものでは、ない。
さらに、「第1」、「第2」などの用語は、説明を区別するためにのみ使用される。相対的な重要性を示したり、暗示することを意味するものではない。
【0008】
本発明にかかる鉄筋の結束訓練装置は、
ベースプレートと、ベースプレート上に立設する、組立壁と、検査機構と、
からなり、
組立壁は、
組立壁の側面から突出し、組立壁の近傍に立設した筒状管を、補強鉄筋とともにワイヤーで固定するための固定鉄筋と、
検査機構は、
筒状管を囲うように挟む2つの半円リングを先端に有する2つのアームプレートを回転駆動させるギヤ及びギヤードモーターを備えるスライド板と、
スライド板を摺動させる電動プッシュロッド、第1伸縮ロッドを備える昇降板と、
昇降板を昇降させるギヤードモーター、昇降全ネジボルト、ガイドロッドを有する取付板と、
を備えており、
2つの半円リングは、外周側に複数の等間隔で取付スリーブが取り付けられ、
半円リングの内周側に位置する円弧板を先端に有する複数のスライドロッドが、取付スリーブに挿通された状態で半円リングに等間隔で取り付けられ、
各スライドロッドには、初期状態では、取付スリーブに隠れる位置にマーキングリングが取り付けられている構成において、
ワイヤーで補強鉄筋を固定鉄筋に結束して筒状管を固定したあと、
2つの半円リングが筒状管を囲うように挟んだときに、
いずれかのスライドロッドのマーキングリングが取付スリーブから露出していれば、
筒状管は、垂直に設置されていないと判断し、
電動プッシュロッドが第1伸縮ロッドとともにスライド板を引っ張ったときに、
半円リングを備えるスライド板が昇降板上を摺動すれば、
筒状管は、ワイヤーによって十分に補強鉄筋と固定鉄筋に結束されていないと判断する
検査をすることができる
ことを特徴とする。
【0009】
本発明にかかる鉄筋の結束訓練装置は、
ベースプレートと、ベースプレート上に立設する、組立壁と、検査機構と、
からなり、
組立壁は、
組立壁の側面から突出し、組立壁の近傍に立設した筒状管を、補強鉄筋とともにワイヤーで固定するための固定鉄筋と、
検査機構は、
筒状管を囲うように挟む2つの半円リングを先端に有する2つのアームプレートを回転駆動させるギヤ及びギヤードモーターを備えるスライド板と、
スライド板を摺動させる電動プッシュロッド、第1伸縮ロッドを備える昇降板と、
昇降板を昇降させるギヤードモーター、昇降全ネジボルト、ガイドロッドを有する取付板と、
スライド板が摺動する方向と同じ方向で、かつ、スライド板から最も遠い位置に配置されているスライドロッドが挿通する取付スリーブの先端に取り付けられたリミットスリーブと、半円リングの当接片とに接続されたロック機構と、
を備えており、
半円リングには、外周側に等間隔で複数の取付スリーブが取り付けられ、
半円リングの内周側に位置する円弧板を先端に有する複数のスライドロッドが、取付スリーブに挿通された状態で半円リングに等間隔で取り付けられ、
各スライドロッドには、初期状態では、取付スリーブに隠れる位置にマーキングリングが取り付けられ、
ロック機構は、リミットスリーブにスライドブロックが嵌入されており、
スライドブロックは、当接片との間で連結され、バネの反発力を受けた伸縮ロッドによって、スライドロッド側に押し込まれた状態にあることで、
スライドロッドとの接触面における摩擦力によって、1のスライドロッドの動きを制限する構成において、
ワイヤーで補強鉄筋を固定鉄筋に結束して筒状管を固定したあと、
2つの半円リングが筒状管を囲うように挟んだときに、
ロック機構によって動きが制限されたスライドロッドを除く、いずれかのスライドロッドのマーキングリングが取付スリーブから露出していれば、
筒状管は、垂直に設置されていないと判断し、
電動プッシュロッドが第1伸縮ロッドとともにスライド板を引っ張ったときに、
半円リングを備えるスライド板が昇降板上を摺動すれば、
筒状管は、ワイヤーによって十分に補強鉄筋と固定鉄筋に結束されていないと判断する
検査をすることができる
ことを特徴とする。
【0010】
本発明にかかる鉄筋の結束訓練装置は、
ベースプレートと、ベースプレート上に立設する、引抜機構を有する組立壁と、検査機構と、
からなり、
組立壁は、
組立壁の側面から突出し、組立壁の近傍に立設した筒状管を、補強鉄筋とともにワイヤーで固定するための固定鉄筋と、
検査機構は、
筒状管を囲うように挟む2つの半円リングを先端に有する2つのアームプレートを回転駆動させるギヤ及びギヤードモーターを備えるスライド板と、
スライド板を摺動させる電動プッシュロッド、第1伸縮ロッドを備える昇降板と、
昇降板を昇降させるギヤードモーター、昇降全ネジボルト、ガイドロッドを有する取付板と、
スライド板が摺動する方向と同じ方向で、かつ、スライド板から最も遠い位置に配置されているスライドロッドが挿通する取付スリーブの先端に取り付けられたリミットスリーブと、半円リングの当接片とに接続されたロック機構と、
引抜機構は、
固定鉄筋が挿通され、ベースプレート上を水平方向に摺動する取付スライダーと、
鉛直上下方向にスライドして固定鉄筋を回転させる歯板と、
を備えており、
半円リングには、外周側に等間隔で複数の取付スリーブが取り付けられ、
半円リングの内周側に位置する円弧板を先端に有する複数のスライドロッドが、取付スリーブに挿通された状態で半円リングに等間隔で取り付けられ、
各スライドロッドには、初期状態では、取付スリーブに隠れる位置にマーキングリングが取り付けられ、
ロック機構は、リミットスリーブにスライドブロックが嵌入されており、
スライドブロックは、当接片との間で連結され、バネの反発力を受けた伸縮ロッドによって、スライドロッド側に押し込まれた状態にあることで、
スライドロッドとの接触面における摩擦力によって、1のスライドロッドの動きを制限する構成において、
ワイヤーで補強鉄筋を固定鉄筋に結束して筒状管を固定したあと、
2つの半円リングが筒状管を囲うように挟んだときに、
ロック機構によって動きが制限されたスライドロッドを除く、いずれかのスライドロッドのマーキングリングが取付スリーブから露出していれば、
筒状管は、垂直に設置されていないと判断し、
電動プッシュロッドが第1伸縮ロッドとともにスライド板を引っ張ったときに、
半円リングを備えるスライド板が昇降板上を摺動すれば、
筒状管は、ワイヤーによって十分に補強鉄筋と固定鉄筋に結束されていないと判断する
検査をすることができ、
検査後は、歯板を鉛直上下方向にスライドさせて固定鉄筋の結束状態を緩め、
取付スライダーを水平方向に摺動させることで、ワイヤーによって結束された補強鉄筋から固定鉄筋のみを用意に引き抜くことができる
ことを特徴とする。
【0011】
本発明の有利な効果は、以下のとおりである。
1)検査機構により、塩ビ管を垂直に保ったまま配筋できるかどうか、しっかりと鉄筋同士がワイヤーで結束できているかどうかの確認を目視で行いながら、結束の訓練をすることができる。
2)引抜機構により、ワイヤーで結束された状態から、固定鉄筋のみを素早く引き抜き、迅速に、訓練を繰り返して行うことができる。
3)固定鉄筋の表面が平滑であるため、ワイヤーで結束された状態から、簡単に、固定鉄筋を組立壁内に引き抜くことができ、引き抜き効率が向上する。
4)固定鉄筋を引き抜いた後は、補強鉄筋及びワイヤーを解体して、その後の訓練や点検に繰り返し使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】訓練装置全体の外観を示す斜視図
図2】訓練装置の内部構造を示す概略図
図3】検査機構を除く訓練装置の斜視図(左)、塩ビ管の周囲に補強鉄筋を配した箇所の部分拡大図
図4】訓練装置を長手方向に切断した状態を示す断面図
図5】組立壁の内部構造を示す概略図(上)、ベースプレートの斜視図(下)
図6】引抜機構の一部の構成を示す概略図
図7】引抜機構の各構成部品を示す概略図(左:取付スライダー、中:歯板、右:固定鉄筋)
図8】検査機構の使用状態を示す斜視図
図9】検査機構の構成を示す斜視図
図10】検査機構の構成を示す平面図(左)と斜視図(右)
図11】昇降板の構成を示す斜視図
図12】半円リングとアームプレートを示す斜視図
図13】ロック機構と半円リングの構成を示す斜視図(左)と断面構造を示す概略図(右)
図14】ロック機構と半円リングを切断した状態を示す断面図(上)とロック機構の拡大図(下)とスライドブロックの拡大図(右)
図15】リミットスリーブの内部構造を示す概略図
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の具体的な実施形態は、添付の図面および実施形態と関連して、以下にさらに詳細に説明される。以下の実施形態または、添付図面は、本発明を説明するために使用されるが、本発明の範囲を限定することを意図するものでは、ない。
【0014】
本発明にかかる鉄筋の結束訓練装置は、図1のとおり、組立壁1、検査機構3、引抜機構5、ベースプレート6からなる。
組立壁1と検査機構3は、ベースプレート6上に設置される。
組立壁1には、空洞の摺動溝11が形成されているほか、図5の左側には丸型取付溝10が、図5の右側には鉄筋挿通孔12が、それぞれ形成されている。
また、組立壁1は、上面側に第1ラックスライド9が、下面側に開口部が、それぞれ形成されている。
【0015】
組立壁1には、固定鉄筋4が、その一端が組立壁1の側面から突出した状態で、同じ高さの位置に2本ずつ、鉛直方向に複数箇所、水平に延設されている。
この2本の固定鉄筋4の間に、訓練に使用する塩ビ管2が収められる。
塩ビ管2は、ポリ塩化ビニル製の管であるが、内部が空洞の筒状の形態の筒状管であれば、樹脂製でも鋼製でも使用できる。
補強鉄筋7は、塩ビ管2の周りを前後左右から囲うように、4本を1セットにして、2本の固定鉄筋4ごとに取り付けられる。
補強鉄筋7は、ワイヤーによって固定鉄筋4に固定される。
【0016】
つまり、塩ビ管2をベースプレート6上に固定するには、塩ビ管2の下端部を、ベースプレート6上に形成された設置用スリーブ13に挿嵌して、鉛直上下方向に2列に並設される固定鉄筋の間に位置するように、塩ビ管2を組立壁1の近傍に立設させ、塩ビ管2の周りを囲うように補強鉄筋7を固定鉄筋4ごとに組み、ワイヤーで結束する。
【0017】
ベースプレート6上には、塩ビ管2が傾き無く、垂直に設置されているか、補強鉄筋7が固定鉄筋4にしっかりとワイヤーで結束されているかどうかを確認するための検査機構3が設けられている。
検査機構3は、図9から図11のとおり、取付板25、ガイドロッド24、昇降全ネジボルト22、第1ギヤードモーター23、昇降板28、電動プッシュロッド30、第1伸縮ロッド31、スライド板27、スライダー45、第2ギヤードモーター29、モーター支持部34、クランク32、リンク33、シャフト35、ガイド支持部36、第2ギヤ37、ラック38、アームプレート39、半円リング40、円弧板42からなる。
【0018】
検査機構3は、ベースプレート6上に立設する取付板25の2本のガイドロッド24と、その間の1本の昇降全ネジボルト22によって、鉛直上下方向に昇降する。
検査機構3の昇降板28には、ガイド孔43、内ネジ孔44が形成されており、2本のガイドロッド24はガイド孔43に挿通し、昇降全ネジボルト22は内ネジ孔44に挿通する。
昇降全ネジボルト22の外周に形成されたネジ山が内ネジ孔44のネジ溝2に螺合しているため、第1ギヤードモーター23が駆動して昇降全ネジボルト22を回転させることで、昇降板28が鉛直上下方向に昇降する。
2本のガイドロッド24は、昇降板28を安定して昇降させるためのガイドの役割を果たしている。
昇降板28を鉛直上下方向に摺動させることができるため、異なる高さでの検査が可能になる。
【0019】
スライド板27は、その一角が、昇降板28に固定された電動プッシュロッド30の先端の第1伸縮ロッド31に取り付けられている。
スライド板27は、その裏面に、昇降板28に形成されたスライド溝46内を摺動するスライダー45が取り付けられている。
スライド溝46もスライダー45も、底面に向かって末広がりの台形状になっている。
そのため、第1伸縮ロッド31が電動プッシュロッド30に引っ張られることで、第1伸縮ロッド31に取り付けられているスライド板27が引っ張られ、スライド溝46に沿って昇降板28上を摺動する。
第1伸縮ロッド31とスライド板27の間には、引張バネが取り付けられている。
【0020】
スライド板27には、立設するモーター支持部34の上に第2ギヤードモーター29が取り付けられている。
第2ギヤードモーター29の出力軸には、クランク32の一端が取り付けられており、クランク32の他端は、リンク33の一端が連結手段によって取り付けられている。
リンク33とクランク32は、非作動時は、水平方向に重なるように並設されている。
第2ギヤードモーター29の出力軸が回転することで、リンク33とクランク32がクランク運動を行う。
リンク33の先端は、第1連結ロッド26を介して、2つのラック38が接続されている。
2つのラック38は、スライド板27上に設置されたガイド支持部36の長手方向に、摺動自在にガイド支持部36に取り付けられる。
【0021】
第2ギヤードモーター29の出力軸が回転してクランク32を回転させ、リンク33がクランク運動をすると、リンク33の先端の第1連結ロッド26が、ガイド支持部36の長手方向に沿って、ラック38を摺動させる。
このラック38が摺動すると、ラック38の背面と噛み合う第2ギヤ37を回転させる。
第2ギヤ37は、シャフト35によって、スライド板27上に設置されている。
第2ギヤ37がシャフト35を中心に周方向に回転を始めると、連結スリーブ48を介して第2ギヤ37に連結された回転スリーブ47も同じ角度で回転し、この回転により、回転スリーブ47に接続されているアームプレート39が開閉する。
つまり、第2ギヤードモーター29は、塩ビ管2を2つの半円リング40によって囲うように挟むために、2つの半円リング40が互いに離れるような状態の半円リング40を開くときと、さらに、開いた状態の2つの半円リング40を閉めるときに駆動される。
【0022】
アームプレート39は、塩ビ管2を外周側から囲うため、先端に、半円形の半円リング40が取り付けられており、この2つの半円リング40によって、塩ビ管2の周囲をホールドする。
半円リング40は、半円リング40に形成された円形貫通孔50に、半円リング40の内外を貫通するスライドロッド53が挿通され、スライドロッド53の先端に取り付けられた円弧板42が、半円リング40の内周側に配置されている。
円形貫通孔50には、外周側に向かって、取付スリーブ52が取り付けられており、円弧板42から半円リング40の外周側に向かって伸びるスライドロッド53は、取付スリーブ52内を挿通した状態で配置される。
【0023】
取付スリーブ52とスライドロッド53の間には、第1バネ54が取り付けられており、円弧板42が外周側に押し込まれると、第1バネ54が縮み、反発する。
また、全てのスライドロッド53には、外周部分にマーキングリング60が篏合されている。
そのため、円弧板42が、第1バネ54の反発を受けながらも、外周側に押し込まれると、取付スリーブ52の開口部からスライドロッド53の先端が突出した状態になるが、円弧板42が外周側に押し込まれると、スライドロッド53のマーキングリング60が、取付スリーブ52の開口部から見えるようになる。
【0024】
つまり、半円リング40が塩ビ管2をホールドするとき、塩ビ管2が垂直に設置されていたり、補強鉄筋7が固定鉄筋4にワイヤーで強固に結束されていれば、全ての円弧板42は、同じ反発力が生じ、円弧板42に取り付けられたスライドロッド53は、全て同じ長さだけ、取付スリーブ52から突出した状態になり、スライドロッド53のマーキングリング60は、取付スリーブ52の開口部からは全く見えない。
【0025】
しかし、塩ビ管2が垂直に設置されていなかったり、補強鉄筋7が固定鉄筋4にワイヤーで十分に結束されていないと、傾く方向に位置する円弧板42が、半円リング40の外周側に押し込まれ、押し込まれた円弧板42のスライドロッド53が、取付スリーブ52から大きく突出した状態になり、取付スリーブ52に隠れて見えなかったマーキングリング60が、見えるようになる。
そのため、一か所でもマーキングリング60が見えれば、塩ビ管2は垂直に設置されていなかったり、補強鉄筋7が固定鉄筋4にワイヤーで十分に結束されていないと判断することができる。
【0026】
このとき、スライドロッド53のうち、電動プッシュロッド30によってスライド板27が引っ張られることで塩ビ管2に当接する1のスライドロッド53だけは、ロック機構41によって、摺動運動できないようにされている。
そのため、図13のロック機構41が取り付けられている位置に配置されているスライドロッド53だけは、このスライドロッド53の先端の円弧板42は、半円リング40に対して動かない状態になっている。
【0027】
これは、電動プッシュロッド30によって第1伸縮ロッド31が引っ張られると、第1伸縮ロッド31がスライド板27を引っ張り、これにより塩ビ管2が引っ張られるが、ロック機構41が取り付けられていない場合、図13のロック機構41が取り付けられている位置に配置されているスライドロッド53は、塩ビ管2に押し付けられる状態になっているため、マーキングリング60が取付スリーブ52から大きく突出した状態になる。
【0028】
しかし、本発明にかかる訓練装置による検査は、電動プッシュロッド30によってスライド板27を引っ張ることで、図13のロック機構41が取り付けられている位置に配置されているスライドロッド53とは別のスライドロッド53のマーキングリング60が見えるかを確認することによって行われるべきであって、電動プッシュロッド30によってスライド板27を引っ張ることで、当然に塩ビ管2に押し付けられるスライドロッド53のマーキングリング60が見えることを確認することではない。
そのため、図13のロック機構41が取り付けられている位置に配置されているスライドロッド53だけは、あらかじめ摺動できないようにスライドロッド53の動きを制限するため、ロック機構41が取り付けられている。
【0029】
そして、ロック機構41は、図13のロック機構41が取り付けられている位置に配置されている1つのスライドロッド53を、スライドブロック59との摩擦によって摺動できないようにするものである。
つまり、ロック機構41は、スライド板27が摺動する方向と同じ方向で、かつ、スライド板27から最も遠い位置に配置されているスライドロッド53(図12の50の数字が示す円形貫通孔に挿通されるスライドロッド)に対してのみ、取り付けられる。
ロック機構41は、半円リング40の当接片49に接続された状態で、このスライドロッド53が挿通する取付スリーブ52の先端に取り付けられたリミットスリーブ57とによって取り付けられる。
【0030】
ロック機構41は、伸縮機構55、第2連結ロッド56、リミットスリーブ57、スライドブロック59からなる。
伸縮機構55は、筒体61、第2伸縮ロッド62、第2バネ63からなる。
筒体61は、当接片49に形成されたガイド円形孔51に嵌入された状態で、当接片49に取り付けられている。
筒体61は、当接片49に取り付けられているガイドスリーブ67に収められている。
第2伸縮ロッド62の当接片49側の先端は、筒体61内に摺動自在に収容されている。
筒体61内には、第2伸縮ロッド62の先端側に、第2バネ63が収められている。
【0031】
リミットスリーブ57は、取付スリーブ52の先端に取り付けられ、スライドスロット65に嵌入されているスライドブロック59によって、第2連結ロッド56と連結する。
スライドブロック59と第2連結ロッド56、第2連結ロッド56と第2伸縮ロッド62は、それぞれ軸を支点に回転自在にヒンジ結合により連結されている。
スライドスロット65の上端側と下端側には、凹んだガイドスロット64が形成されており、スライドスロット65に嵌入されているスライドブロック59の上面と下面には、ガイドブロック58が取り付けられている。
そのため、スライドブロック59は、ガイドブロック58が、ストッパーの役目を果たしてガイドスロット64内での移動が制限されることで、第2伸縮ロッド62の筒体内での摺動に合わせて、スライドスロット65内を出たり入ったり繰り返す。
【0032】
スライドブロック59は、スライドロッド53の外周部分に密接している。
スライドブロック59のスライドロッド53に接する面は、スライドロッド53との摩擦による抵抗を大きくするため、平滑ではなく、粗い質感に形成されている。
そのため、スライドブロック59は、摩擦力によってスライドロッド53の動きを抑制する。
これによって、スライドロッド53の動きを制限するロック機構41の役割を果たす。
【0033】
スライドロッド53の動きを抑制する方法は、第2伸縮ロッド62が、第2バネ63の反発力を受けて、第2連結ロッド56を介して、スライドブロック59をスライドスロット65の奥に押し込むことによって行う。
つまり、第2伸縮ロッド62は、常に、第2バネ63の反発力を受けた状態にあり、そのため、スライドブロック59は、常に、スライドスロット65の奥に押し込まれた状態にある。
スライドスロット65の奥に押し込まれたスライドブロック59は、スライドロッド53との接触面における摩擦力によって、スライドロッド53の動きを制限する。
【0034】
組立壁1には、塩ビ管2から固定鉄筋4や補強鉄筋7、ワイヤーを迅速に取り外すための引抜機構5が設けられている。
引抜機構5は、取付スライダー15、歯板16、固定鉄筋4、第1油圧ロッド8、第2油圧ロッド66からなる。
取付スライダー15は、摺動溝11内に、摺動自在に設置されている。
取付スライダー15は、複数の取付孔17が等間隔に形成されている。
取付孔17には、固定鉄筋4が挿入されている。
固定鉄筋4は、取付スライダー15の両側面側である取付孔17の入口と出口の両方の軸上に、リミットディスク20が取り付けられている。
取付スライダー15を挿通する固定鉄筋4には、第1歯車21が取り付けられている。
【0035】
歯板16は、ベースプレート6上に形成された第2ラックスライド14に差し込まれ、組立壁1に形成された第1ラックスライド9から延出している。
歯板16は、固定鉄筋4の軸上に取り付けられている第1歯車21に噛み合う。
そのため、歯板16が鉛直上下方向に摺動すると、第1歯車21を回転させ、同軸上の固定鉄筋4を回転させる。
これにより、ワイヤーで補強鉄筋7に結束されている固定鉄筋4を、引き抜きやすくする。
【0036】
2枚の歯板16は、鉛直上下方向に等間隔に配置された複数の連結板18によって併設された状態で連結しており、連結板18には固定板19及びガイドスライダー68が取り付けられている。
ガイドスライダー68は、取付スライダー15に形成されたガイドスライド溝69に嵌入する。
第2油圧ロッド66は、取付スライダー15に固定されており、2枚の歯板16の間に取り付けられている。
そのため、第2油圧ロッド66を油圧によって鉛直上下方向に摺動させると、第2油圧ロッド66に連結する2枚の歯板16が鉛直上下方向に摺動する。
【0037】
第1油圧ロッド8は、組立壁1の固定鉄筋4が突出する側とは反対側の側面に取り付けられた丸型取付溝10に嵌入され、丸型取付溝10内で摺動自在に水平方向に移動する。
ワイヤーで補強鉄筋7を固定鉄筋4に結束する練習を終えたら、取付スライダー15を水平方向にスライドさせることで、固定鉄筋4を組立壁1内にスライドさせることができる。
固定鉄筋4のスライドの操作は、第1油圧ロッド8を油圧によって図4の水平方向に摺動させ、第1油圧ロッド8に連結する取付スライダー15をスライドさせることで行う。
取付スライダー15が、図4の左方向に摺動すれば、固定鉄筋4を組立壁1内にスライドさせることができる。
固定鉄筋4は、表面が平滑に形成されているため、ワイヤーで強固に補強鉄筋7と結束された状態でも、簡単に固定鉄筋4のみを引き抜くことができる。
【0038】
本発明にかかる鉄筋の結束訓練装置の具体的な使用方法を、以下説明する。
【0039】
塩ビ管2を、ベースプレート6上に形成された設置用スリーブ13に挿嵌し、組立壁1の近傍に立設する。
このとき、塩ビ管2は、鉛直上下方向に2列に並設され、組立壁1の側面から突出する固定鉄筋4の間に位置している。
そして、鉛直上下方向に等間隔で突出する固定鉄筋4ごとに、塩ビ管2の周りを囲うように補強鉄筋7を組み、補強鉄筋7を固定鉄筋4にワイヤーで結束する。
その後、塩ビ管2が垂直に設置されているかが検査される。
検査の手順は、次のとおりである。
【0040】
第1ギヤードモーター23を駆動し、昇降全ネジボルト22を回転させながら、検査をする任意の高さに合わせて、昇降板28を鉛直上下方向に昇降させる。
第2ギヤードモーター29を駆動して、クランク32を回転させ、リンク33をクランク運動させる。
リンク33と第1連結ロッド26によって連結されているラック38が、ガイド支持部36の長手方向に沿って摺動し、ラック38の背面と噛み合う第2ギヤ37が回転する。
第2ギヤ37の回転とともにアームプレート39が回転し、先端の半円リング40を開く。
2つの半円リング40を、塩ビ管2を囲える位置に合わせたら、第2ギヤードモーター29を駆動して、クランク32を逆回転させ、全ての動きを反対運動させる。
これによって、2つの半円リング40が塩ビ管2を囲うように挟む。
【0041】
半円リング40は、内側に円弧板42が取り付けられているため、円弧板42が塩ビ管2に当接する。
塩ビ管2は、垂直に設置されている場合には、全ての円弧板42が、同じ強さの圧力を塩ビ管2から受ける。
この場合は、塩ビ管2は、垂直に設置されていると判断される。
塩ビ管2は、傾いていれば、傾いている方向の円弧板42を押し、スライドロッド53が取付スリーブ52の外に飛び出し、マーキングリング60が露出することで、
この場合は、塩ビ管2は、垂直に設置されていないと判断される。
次に、補強鉄筋7がワイヤーによって固定鉄筋4に結束され、塩ビ管2が、しっかりと固定されているかを検査する方法を説明する。
【0042】
半円リング40が、塩ビ管2を囲うように塩ビ管2を挟んだ状態で、電動プッシュロッド30を駆動し、第1伸縮ロッド31を引っ張る。
第1伸縮ロッド31が引っ張られることで、昇降板28上のスライド板27が、第1伸縮ロッド31が引っ張られる方向に摺動する。
このスライド板27が摺動する方向と同じ方向で、かつ、スライド板27から最も遠い位置に配置されているスライドロッド53(図12の50の数字が示す円形貫通孔に挿通されるスライドロッド)に対しては、半円リング40の当接片49に接続された状態で、ロック機構41が取り付けられているため、このスライドロッド53だけは、取付スリーブ52内を摺動しない。
【0043】
第1伸縮ロッド31がスライド板27を引っ張ると、塩ビ管2も同じ方向に引っ張られるが、補強鉄筋7がワイヤーによって固定鉄筋4に結束され、塩ビ管2が、しっかりと固定されていれば、第1伸縮ロッド31は一定の距離だけ伸びて、スライド板27はスライドしない。
この場合は、塩ビ管2は、しっかりと固定されていると判断される。
しかし、補強鉄筋7がワイヤーによって固定鉄筋4に、十分に結束されておらず、塩ビ管2の固定が不十分であった場合、第1伸縮ロッド31の引っ張りに応じて、スライド板27が摺動する。
この場合は、塩ビ管2は、十分に固定されていないと判断される。
このようにして、検査が行われる。
【0044】
検査の後は、固定鉄筋4を、ワイヤーで結束された補強鉄筋7から取り外す。
第1油圧ロッド8を駆動して、取付スライダー15をスライドさせ、固定鉄筋4を組立壁1内に引き抜く。
固定鉄筋4は、表面が平滑に形成されているため、ワイヤーで強固に補強鉄筋7と結束された状態でも、簡単に固定鉄筋4のみを引き抜くことができる。
固定鉄筋4を引き抜く前に、第2油圧ロッド66を駆動させ、歯板16を鉛直上下方向に摺動させることで、歯板16に噛み合う第1歯車21が回転して固定鉄筋4を回転させ、ワイヤーによる結束状態がほぐされ、固定鉄筋4を引き抜きやすくなる。
固定鉄筋4の引き抜き後は、結束状態が緩められたワイヤーと補強鉄筋7のみが残るため、解体効率が向上し、迅速に、繰り返し訓練を行うことができる。
【符号の説明】
【0045】
1 組立壁
2 塩ビ管
3 検査機構
4 壁内鉄筋
5 引抜機構
6 ベースプレート
7 補強鉄筋
8 第1油圧ロッド
9 第1ラックスライド
10 丸型取付溝
11 摺動溝
12 鉄筋挿通孔
13 設置用スリーブ
14 第2ラックスライド
15 取付スライダー
16 歯板
17 取付穴
18 連結板
19 固定板
20 リミットディスク
21 第1歯車
22 昇降全ネジボルト
23 第1ギヤードモーター
24 ガイドロッド
25 取付板
26 第1連結ロッド
27 スライド板
28 昇降板
29 第2ギヤードモーター
30 電動プッシュロッド
31 第1伸縮ロッド
32 クランク
33 リンク
34 モーター支持部
35 シャフト
36 ガイド支持部
37 第2ギヤ
38 ラック
39 アームプレート
40 半円リング
41 ロック機構
42 円弧板
43 ガイド孔
44 内ネジ孔
45 スライダー
46 スライド溝
47 回転スリーブ
48 連結スリーブ
49 当接片
50 円形貫通孔
51 ガイド円形孔
52 取付スリーブ
53 スライドロッド
54 第1バネ
55 伸縮機構
56 第2連結ロッド
57 リミットスリーブ
58 ガイドブロック
59 スライドブロック
60 マーキングリング
61 筒体
62 第2伸縮ロッド
63 第2バネ
64 ガイドスロット
65 スライドスロット
66 第2油圧ロッド
67 ガイドスリーブ
68 ガイドスライダー
69 ガイドスライド溝

【要約】      (修正有)
【課題】使用者が、塩ビ管などの管やパイプを垂直に保ったまま鉄筋を強固に結束できているかを確認できる訓練装置を提供する。
【解決手段】ベースプレートと、ベースプレート上に立設する、組立壁と、検査機構と、からなり、ワイヤーで補強鉄筋を固定鉄筋に結束して筒状管を固定したあと、2つの半円リングが筒状管を囲うように挟んだときに、いずれかのスライドロッドのマーキングリングが取付スリーブから露出していれば、筒状管は、垂直に設置されていないと判断し、電動プッシュロッドが第1伸縮ロッドとともにスライド板を引っ張ったときに、半円リングを備えるスライド板が昇降板上を摺動すれば、筒状管は、ワイヤーによって十分に補強鉄筋と固定鉄筋に結束されていないと判断する検査をすることができることを特徴とする鉄筋の結束訓練装置。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15