【実施例】
【0040】
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例により限定されるものではない。
【0041】
(実施例1)
温度計を取り付けた加熱式混練ニーダーにイソステアリン酸(クローダジャパン(株) Prisorine 3503、酸価189mgKOH/g)500.0g(1.68mol)を加え、95℃まで加熱した。そこに、アルミニウムトリイソプロポキシド(キシダ化学(株)試薬1級)を229.3g(1.12mol)を加え、加熱混練した。反応によって生成するイソプロピルアルコールの留出がなくなった時点で反応を停止し、粘稠性固体のイソステアリン酸アルミニウム石鹸を得た。
【0042】
(実施例2)
温度計を取り付けた加熱式混練ニーダーにイソステアリン酸(クローダジャパン(株) Prisorine 3503、酸価189mgKOH/g)500.0g(1.68mol)を加え、95℃まで加熱した。そこに、アルミニウムトリイソプロポキシド(キシダ化学(株)試薬1級)を149.6g(0.73mol)を加え、加熱混練した。反応によって生成するイソプロピルアルコールの留出がなくなった時点で反応を停止し、粘稠性固体のイソステアリン酸アルミニウム石鹸を得た。
【0043】
(比較例1)
8Lセパラブルフラスコにイソステアリン酸(クローダジャパン(株) Prisorine 3503、酸価189mgKOH/g)300g、および水2500g
を仕込み、60℃ まで昇温した。次いで、48質量%水酸化ナトリウム水溶液を84.2g加え、同温度(60℃)にて1時間攪拌し、イソステアリン酸アルカリ化合物塩水溶液を得た。その後、60℃に保持したまま、20質量%硫酸アルミニウム水溶液1728.5gを60分かけてイソステアリン酸アルカリ化合物塩水溶液に滴下した。滴下終了後、60℃に保持して10分間攪拌して熟成した。得られたイソステアリン酸アルミニウム石鹸水溶液スラリーに水1500gを加え、40℃以下まで冷却した。その後、吸引濾過機でろ過し、1000gの水で2回水洗し、得られたケーキを棚段乾燥機で乾燥してイソステアリン酸脂肪酸アルミニウム石鹸を得た。
【0044】
(比較例2)
8Lセパラブルフラスコにイソステアリン酸(クローダジャパン(株) Prisorine 3503、酸価189mgKOH/g) 300g、および水2500g
を仕込み、60℃ まで昇温した。次いで、48質量%水酸化ナトリウム水溶液を84.2g加え、同温度(60℃)にて1時間攪拌し、イソステアリン酸アルカリ化合物塩水溶液を得た。その後、60℃に保持したまま、20質量%硫酸アルミニウム水溶液1296.4gを60分かけてイソステアリン酸アルカリ化合物塩水溶液に滴下した。滴下終了後、60℃に保持して10分間攪拌して熟成した。得られたイソステアリン酸アルミニウム石鹸水溶液スラリーに水1500gを加え、40℃以下まで冷却した。その後、吸引濾過機でろ過し、1000gの水で2回水洗し、得られたケーキを棚段乾燥機で乾燥してイソステアリン酸脂肪酸アルミニウム石鹸を得た。
【0045】
(比較例3)
温度計を取り付けた加熱式混練ニーダーにイソステアリン酸(クローダジャパン(株) Prisorine 3503、酸価189mgKOH/g)500.0g(1.68mol)を加え、95℃まで加熱した。そこに、アルミニウムトリイソプロポキシド(キシダ化学(株)試薬1級)を1146.7g(5.61mol)を加え、加熱混練した。反応によって生成するイソプロピルアルコールの留出がなくなった時点で反応を停止し、粘稠性固体のイソステアリン酸アルミニウム石鹸を得た。
【0046】
(比較例4)
温度計を取り付けた加熱式混練ニーダーにイソステアリン酸(クローダジャパン(株) Prisorine 3503、酸価189mgKOH/g)500.0g(1.68mol)を加え、95℃まで加熱した。そこに、アルミニウムトリイソプロポキシド(キシダ化学(株)試薬1級)を114.7g(0.56mol)を加え、加熱混練した。反応によって生成するイソプロピルアルコールの留出がなくなった時点で反応を停止し、粘稠性固体のイソステアリン酸アルミニウム石鹸を得た。
【0047】
(比較例5)
8Lセパラブルフラスコにイソステアリン酸(クローダジャパン(株) Prisorine 3503、酸価189mgKOH/g) 300g、および水2500gを仕込み、60℃まで昇温した。次いで、48質量%水酸化ナトリウム水溶液を84.2
g加え、同温度(60℃)にて1時間攪拌し、イソステアリン酸アルカリ化合物塩水溶液を得た。その後、60℃に保持したまま、20質量%硫酸アルミニウム水溶液743.3gを60分かけてイソステアリン酸アルカリ化合物塩水溶液に滴下した。滴下終了後、60℃に保持して10分間攪拌して熟成した。得られたイソステアリン酸アルミニウム石鹸水溶液スラリーに水1500gを加え、40℃以下まで冷却した。その後、吸引濾過機でろ過し、1000gの水で2回水洗し、得られたケーキを棚段乾燥機で乾燥してイソステアリン酸脂肪酸アルミニウム石鹸を得た。
【0048】
(比較例6)
8Lセパラブルフラスコにステアリン酸(日油(株) NAA−180、酸価196mgKOH/g)300g、および水2500gを仕込み、60℃
まで昇温した。次いで、48質量%水酸化ナトリウム水溶液を84.2g加え、同温度(60℃)にて1時間攪拌し、イソステアリン酸アルカリ化合物塩水溶液を得た。その後、60℃に保持したまま、20質量%硫酸アルミニウム水溶液1792.5gを60分かけてイソステアリン酸アルカリ化合物塩水溶液に滴下した。滴下終了後、60℃に保持して10分間攪拌して熟成した。得られたイソステアリン酸アルミニウム石鹸水溶液スラリーに水1500gを加え、40℃以下まで冷却した。その後、吸引濾過機でろ過し、1000
gの水で2回水洗し、得られたケーキを棚段乾燥機で乾燥してイソステアリン酸脂肪酸アルミニウム石鹸を得た。
【0049】
<アシル基のアルミニウムに対するモル比>
得られた各例のアルミニウム石鹸について、アシル基のアルミニウムに対するモル比を以下のようにして測定した。
所定量のアルミニウム石鹸に塩酸を加えて酸分解し、ヘキサンを加えて脂肪酸を抽出し、ヘキサン層を蒸発乾固させてカルボン酸量を定量した。一方、水層に関してアルミニウム量を原子吸光光度法から定量し、両者のモル比を求めた。
【0050】
<実測灰分>
試料約1gを磁器製ルツボにて精秤し、始めは低温で加熱して揮発分を揮発させ、試料に着火させて加熱し、煙がなくなるまで焼いた。650℃の電気炉内に1時間保持して完全に灰化させた後、電気炉から取り出し、5分間放冷後、デシケーター中で60分間放置し、強熱残分を精秤した。以下の式より算出した。
実測灰分(%)=(強熱残分(g)/試料(g))×100
【0051】
<理論灰分>
以下の式により算出した。
理論灰分(%)={102/[78+(M−18)×A]}×100
・102・・・酸アルミニウムの分子量
・78 ・・・水酸化アルミニウムの分子量
・M ・・・用いた脂肪酸の分子量(56110/酸価)
・A ・・・アルミニウム化合物に対する脂肪酸の仕込みモル比
【0052】
<ヘキサンへの溶解度>
25℃にしたヘキサンにアルミニウム石鹸を所定量入れ、スターラーで混合して、1時間後の状態を目視で確認した。溶解した量を測定値とした。
【0053】
各サンプルに関して、液状油として水素化ポリイソブチレン(日油(株)製;パールリーム6)を用いて、サンプル/液状油=90/10(質量比)になるように所定量ビーカーに仕込み、90±2℃で加熱して溶解して混合物を得た。得られたサンプルについて、溶解性、粘度を測定した。
<溶解性>
完全に溶解している・・・○
不溶分が残存している・・・×
<粘度および温度変化に対する粘度変化率>
各所定温度(25℃、65℃)におけるB型粘度計による測定値
および25℃に対する65℃の粘度の変化率を算出した。
粘度変化率
=(25℃の粘度-65℃の粘度)/25℃の粘度
【0054】
各実施例、比較例の原料、脂肪酸とアルミニウム化合物とのモル比、アシル基のアルミニウムに対するモル比、実測灰分、理論灰分、A値、MFR、粘度、粘度変化率の測定結果を表1、表2、表3に示す。
【0055】
【表1】
【0056】
【表2】
【0057】
【表3】
【0058】
表1からわかるように、本発明例のアルミニウム石鹸では、有機溶媒と混合することで、透明性を維持した増粘物を得ることができ、しかも増粘物の粘度変化率を小さくすることができる。
【0059】
一方、比較例1(特開昭54−64645号に記載にされたアルミニウム化合物)はヘキサンへの溶解度が低く、液状油に対しては増粘効果が見られなかった。
比較例2では、アルミニウム化合物として硫酸アルミニウムを用いており、ヘキサンへの溶解度が低く、液状油に対しては増粘効果が見られなかった。
比較例3では、アシル基/アルミニウムのモル比が0.3/1と低くなっておりヘキサンへの溶解度が低く、液状油に対しては増粘効果が見られなかった。
【0060】
比較例4では、アシル基/アルミニウムのモル比が3.0/1と高くなっており、本発明の上限値2.5を超えているため、
液状油に対してはある程度の増粘効果は見られたものの、粘度の温度変化に対して十分な安定性を有していなかった。
比較例5では、アルミニウム化合物として硫酸アルミニウムを用いており、ヘキサンへの溶解度が低く、液状油に対しては増粘効果が見られなかった。
比較例6では、アルミニウム化合物として硫酸アルミニウムを用いており、ヘキサンへの溶解度が低く、液状油に対しては増粘効果が見られなかった。