【実施例1】
【0047】
この実施例1の作業用小物入れは、
図1〜
図4に示すように、形を板状に保持しうる背板1と、該背板1と共に容器部2を構成すべく、その前面に前方に向けて膨出状態に配した可変形性の容体部3と、該容体部3の前面部に形成した側面視で斜め上向きに開口する開口部4と、該開口部4の全縁部に沿って配した可変形性の紐状縁部材5と、前記容器部2の上部に構成した係止手段6とで構成したものである。
【0048】
前記背板1は、前記したように、前記容体部3と共に前記容器部2を構成する部材であり、
図2〜
図4に示すように、文字通り、該容器部2の背面側の部位を構成する板状の部材である。板状である以外には、特定の形状に限定されないが、前記容器部2を若干縦長の器に構成するのが多くの場合は適当であり、その観点では、縦長の長方形状を基本とする形状であるのが適当である。また前記背板1は、該容器部2を方形に構成する場合は、ほぼ平坦な板形状とし、或いは、裏面側が若干凹む半円弧状に構成し、該容器部2を円筒状に構成する場合は、横断面で半円弧状とするのが適当である。この実施例1では、前記背板1は、平坦で縦長長方形で、その上下端をそれぞれ半円状に丸めた板材に構成した。
【0049】
また前記背板1は、前記のように、その形を前記種々の形の板状に保持しうるものである必要があり、その観点より、作業用小物入れの通常の用法で加わる程度の外力では容易に変形しない、ある程度の硬さを有するものであることが必要である。他方、前記の程度を越える特に強い外力が加わった場合に容易に破損しないようにする観点から、その様な場合にある程度の変形を可能とする相応の弾力性をも併せて有するべきである。この実施例1では、その様な趣旨から該背板1は弾力性を有する硬質プラスチックの縦長板状部材で構成したものである。
【0050】
前記容体部3は、
図1〜
図4に示すように、かつ前記したように、前記背板1の前面に膨出状態に配して、該背板1と共に容器部2を構成するものであり、例えば、可変形性の薄いシート状部材で構成した、背部側が全開口で、前上部側に前記開口部4を開口した容器状部材であり、その背部側の全開口の縁部を前記背板1の縁部に結合することで、容器部2を構成するものである。
【0051】
この実施例1では、前記容体部3を、
図1〜
図3及び
図5に示すように、環状の容体基部3Aとその前面下部を閉じる容体前部片3Bとで構成したものであり、前記可変形性の薄いシートとして、目開きの小さいプラスチック製の網状シートを採用した。
【0052】
前記環状の容体基部3Aは前記網状シートで作成する。詳細には、該網状シートで、
図5(a)に示すように、一側(左辺)には、その両端(上下端)に向かって端部側が細幅になるように斜めに切断した斜め切断部3a1、3a1を有し、他側(右辺)には、前記背板1の縁部に沿って接合するための細幅の接合片部3a2を備え、一端(上端)には、他端と重ね合わせて接合固定するための細幅の端部接合片部3a3を備えた網状の容体基部用シート3aを作成し、この容体基部用シート3aを、
図5(b)、(c)に示すように、丸め、一端の端部接合片部3a3を他端に重ねて接合し、接着結合して作成する。
【0053】
こうして作成した容体基部3Aは、
図5(b)に示すように、その開口側から見て(正面視で)、両端(上下端)が半円弧状になっている長方形に構成し、かつ前記斜め切断部3a1、3a1を有する側(正面側)の縁を若干内側に屈曲し、反対側(背面側)の縁の接合片部3a2は内側にほぼ直角に曲げた構成とする。また該容体基部3Aは、
図5(c)に示すように、側面視では、前面側(左辺側)のほぼ上半分が斜めに切断された長方形状になる。
【0054】
以上の容体基部3Aの正面側の縁の内側への若干の屈曲成形は、若干の加熱をした上で行うことができる。単に折り曲げることでもある程度は可能である。またこの実施例1では、前記容体基部3Aの正面側の縁を内側に屈曲成形しているが、その様にしなくても不都合ではない。その場合は、云うまでもなく、前面下部を閉じる前記容体前部片3Bを対応する若干大きなサイズ及び対応する形状に構成する。
また前記反対側(背面側)の接合片部3a2の内側への直角の屈曲は、該接合片部3a2に適宜何カ所かでV字形の切り込みを入れることで、行いやすくなる。正面側の縁と同様に、加熱すると屈曲しやすい。
【0055】
前記容体前部片3Bは、前記網状シートで、
図1〜
図3及び
図5(d)、(e)に示すように、前記容体基部3Aの前面下部の開口縁の形状に対応するほぼU字状の両側部及び下部形状を有し、上部は、半楕円弧状の凹部縁を有する形状に構成したものである。該容体前部片3Bは、
図2及び
図3に示すように、前部側に向かって膨らんだ構成でもある。また該容体前部片3Bの両側部及び下部の縁は、前記容体基部3Aの前面下部の開口縁に沿って接合するための細幅の接合片部3bを備えたものでもある。更にまた該容体前部片3Bの高さ方向の寸法(下部の縁から上部の凹部縁の最下部までの寸法)は、前記容器部2中の
図3に示す小物類収納部2aとなる部位の最上部までをカバーできる寸法とする。
【0056】
しかして前記容体部3は、
図5(e)に示すように、前記容体基部3Aに、その前面の全開口のうち、下部側を閉じるべく、その前面に前記容体前部片3Bを配することで構成する。該容体前部片3Bは、同図に示すように、その両側部及び下部の接合片部3bを、前記容体基部3Aの下部開口の縁部に沿って配置すると共に、該接合片部3bを該縁部に接着剤で接着結合することで前記容体基部3Aに結合する。
【0057】
なお、
図5(e)に示すように、前記容体部3を構成する前記容体基部3Aの前面の開口の内の前記容体前部片3Bにカバーされていない開口縁及び該容体前部片3Bの上部の半楕円弧状の凹部縁に囲まれている開口が前記開口部4となる。
【0058】
こうして構成した前記容体部3は、
図2〜
図4に示すように、前記背板1の前面に配置し、かつ、この状態で、該背板1の外縁に沿って接合状態となった前者の容体基部3Aの接合片部3a2を該背板1の外縁に接着剤で接合固定することにより、前記容器部2に構成する。なお、該容体部3と該背板1との結合は、加熱溶着を用いても良い。或いは、縫合でも可能である。種々の結合手段を自由に用いることができる。
以上において、
図3に示すように、該容器部2中の、容体基部3Aの両側部及び底部、容体前部片3B及び背板1で閉じられた内側の空間が前記小物類収納部2aになる。
【0059】
前記紐状縁部材5は、
図1及び
図2に示すように、かつ前記したように、前記容器部2を構成する容体部3の前面の開口部4の全縁部に沿って配置した若干太い可変形性の紐状の部材である。この紐状縁部材5は、最低でも、該容体部3を構成する網状シートの厚さより大径の断面寸法を有するべきであるが、好ましくは、大人の小指以上の径を有するべきである。更により好ましくは20mm程度の径を有することである。そして十分な可変形性を有することである。この実施例1では、最大径の部分でほぼ20mmとし、最少径部分でも10mm程度とした。
【0060】
該紐状縁部材5は、
図6(a)に示すように、中央部で幅が狭くなり、両側(上下方向)に向かって徐々に幅広になり、更に両側途中から両端に向かって徐々に幅が狭くなる構成の帯状フェルト材5aを作成し、これを
図6(b)及び
図6(c)〜(g)のように、丸めて構成するものである。該帯状フェルト材5aは、この実施例1では、以上のように、フェルトを用いて構成したが、同様の可変形性及び柔らかさを有する部材であれば、他の種々の素材を自由に用いることができる。強い弾力性は不要であるが、使用中に外力によって潰れた場合にほぼ原形状に復帰できる程度の弾力性は必要である。以上のフェルトはその程度の弾力性は有している。
【0061】
なお、該帯状フェルト材5aは、
図6(a)に示すように、その一方の辺(右辺)に沿って細幅の接合片部5a1を延長状態に構成しておく。
また該帯状フェルト材5aの長さは、作成する紐状縁部材5の長さに一致させる。すなわち、前記容器部2の容体部3の前面に開口した開口部4の開口縁の長さに一致させる。
該帯状フェルト材5aの中央部は作成する紐状縁部材5の中央部に対応し、それ故、この部位は、前記容体部3の開口部4の最下部に対応する部位となっており、従って該紐状縁部材5のこの部位は特に良好に屈曲可能とすべく細く構成するのが適当である。そこで、前記のように、該帯状フェルト材5aの中央部は幅狭に構成してある。また該帯状フェルト材5aの両端部は、作成する紐状縁部材5の両端部に対応し、それ故、これらの部位は、前記容体部3の開口部4の最上部に対応する部位となっており、従って該紐状縁部材5のこれらの部位は、中央部と同様に、特に良好に屈曲可能とすべく細く構成するのが適当である。そこで、前記のように、該帯状フェルト材5aの両端部はそれぞれ幅狭に構成してある。
【0062】
前記のように、前記帯状フェルト材5aは、これを丸めて前記紐状縁部材5を構成するものであるが、これを丸める際には、適切な太さ(径)を確保するために、その内側に適当な充填材5a2を充填する。各部位の径に応じて適切に充填する。この実施例1では、充填材5a2として、該帯状フェルト材5aに用いたのと同様のフェルトを用い、
図6(c)〜(g)に示すように、大径の部位にはゼンマイ状に巻き込んで相応する径としたフェルトによる充填材5a2を充填し、小径の部位には、フェルト片による充填材5a2を充填したものである。なお、充填材5a2としてこれに代えて綿を用いても良い。
【0063】
各部に必要量のフェルトによる充填材5a2を充填して丸めた帯状フェルト材5aは、その両辺を接着剤で接着結合し、紐状の状態を維持するようにして前記紐状縁部材5に形成する。なお、このとき、
図6(b)及び(c)〜(g)に示すように、前記接合片部5a1は、作成された紐状縁部材5本体の周側部から張り出した状態にしておく。
【0064】
前記紐状縁部材5は、
図1及び
図2に示すように、前記容器部2の容体部3に開口した開口部4の全縁に沿って配設する。このとき、前記したように、その中央部を、該開口部4の開口縁の最下部に一致させ、両端部を該開口部4の開口縁の最上部に一致させる。こうして該紐状縁部材5を該容体部3の開口部4の全縁に沿って配置した上で、
図3及び
図4に示すように、前記接合片部5a1を該開口部4の縁部前面に当接させ、その間に接着剤を配して両者を結合固定する。こうして該紐状縁部材5は、該開口部4の全開口縁に取り付けられることになる。
【0065】
前記係止手段6は、
図1〜
図3に示すように、この実施例1では、基本的に、作業者の腰のベルトを通して作業者の腰から吊り下げるようにするべく構成したものであり、前記容体部3の最上部に両端部を固設した取付片6aと、該取付片6aの中央部に取り付けたベルト通し部6bとで構成したものである。該ベルト通し部6bは、
図2及び
図3に示すように、帯状部材の両端を結合し、かつその一端近傍の途中を結合して、該取付片6aの中央部を通してこれに取り付けるための小径の取付環6b1と作業者の腰のベルトを通すための薄型かつ幅広のベルト通し環6b2とで構成したものである。なお、前記取付環6b1は、前記取付片6aの中央部を通してから環状に閉じるのは云うまでもない。
【0066】
なお、前記取付片6aは、
図2及び
図3に示すように、前記容器部2の内の容体部3側に取り付ける。この作業用小物入れを吊り下げた場合に、該容体部3が自重により、又は自重及び収容している小物の重量により、若干縦方向(上下方向)に延び
、これに伴って、前記し、図1中一点鎖線で示すように、前記開口部4の両側縁の紐状縁部材5は相互に当接状態に近似する状態になるか、または当接状態になり、該開口部4はほぼ閉じた状態となるが、前記取付片6aの前記取付位置は、そのようにさせ易くするために定めたものである。【0067】
従ってこの実施例1の作業用小物入れによれば、この作業用小物入れを、作業者の腰のベルトを前記係止手段6のベルト通し環6b2に通すことで、簡単に作業者の腰から吊り下げた状態に装着することができる。
この実施例1の作業用小物入れは、背板1を弾力性を有する硬質プラスチックの縦長板状部材で構成した物であるため、以上のような吊り下げ状態で、前記容器部2の小物類収納部2a中にコネクタやビス等の小物類を収納した場合又は何も収納していない場合のいずれの場合であっても、該容器部2の内の可変形性の容体部3は、自重により又は自重及び収容しているコネクタ等の小物類の重量により、上下方向には若干の変形をすることになるが、該容体部3は、その背面側は前記背板1で保持されているため、それ以上の不定形の変形等は生じない。
【0068】
すなわち、このように作業者の腰から吊り下げたような場合には、前記容器部2の容体部3は、若干上下方向に延びた状態となり、それに伴って、前記し、
図1中一点鎖線で示すように、前記開口部4の両側縁の紐状縁部材5は相互に当接状態に近似する状態になるか、または当接状態になり、該開口部4はほぼ閉じた状態となる。従って、作業者が様々な作業によって姿勢を種々に変え、この作業用小物入れがこれに伴って揺れ動いたとしても、その容器部2の小物類収納部2a中に収納したコネクタ等の小物類が該開口部4から飛び出して周囲に飛散してしまうようなおそれはない。
【0069】
またこの実施例1の作業用小物入れから、作業者がその容器部2に収容してあるコネクタ等の小物類を取り出す場合は、手指を前記開口部4の両側縁の紐状縁部材5の間に挿入すれば良い。こうすると、手指の挿入に伴って両側の紐状縁部材5は簡単にその間が開き、容器部2中のコネクタ等の小物類を取り出すことができる。取り出して手指が開口部4の外側に出た後は、また該開口部4の両側縁の紐状縁部材5はほぼ閉じた状態に戻る。なお、小物類を必要以上に取り出してしまって、その余分の小物類を、この作業用小物入れに戻したいような場合にも、同様に、該開口部4の両側縁の紐状縁部材5の間に小物類を掴んだ手指を挿入しようとすれば、簡単にその間が開き、該容器部2の小物類収納部2a中に小物類を装入することもできる。
【0070】
以上のように、この実施例1の作業用小物入れからその収容物である小物類を取り出す場合や取り出した余分の小物類を戻したい場合は、手指を開口部4の両側縁の紐状縁部材5の間に挿入してその間を開けば良いわけであるが、この実施例1の作業用小物入れでは、該紐状縁部材5の断面径を最大径部分で約20mmに、最少径部分でも約10mmに構成したため、この紐状縁部材5を手探りで見いだすことが可能であり、その間に手指を滑り込ませることも容易にできる。従って、作業者は、いちいち開口部4の位置を目視することなく、容器部2の小物類収納部2a中の小物類を取り出すことができるし、余分に取り出した小物類を再度投入することもできる。
【0071】
また前記開口部4は、
図3に示すように、前記容器部2の容体部3の前面において、側面視で斜め上向きに構成してあるため、腰から吊り下げた状態のように、身体に極めて近接した状態に位置していても、自然な動作でその開口部4に手指を挿入し、容器部2内部の小物類収納部2aに収容してある小物類を該開口部4から取り出すことができることになる。
【0072】
またこの実施例1の作業用小物入れに、コネクタ等の小物類を予め入れておくのは、通常、腰に装着する前であるが、その場合は、これを、例えば、テーブルの上等に置いて、その装入作業を行うと、前記容器部2の容体部3は、上下に延びた状態にならないので、例えば、
図1に示すように、前記開口部4は若干開いた状態となっており、例えば、手に握った沢山の小物類を該開口部4の両側縁の紐状縁部材5を拡げながら一度に装入することができる。
【0073】
なお、前記のように、前記背板1を弾力性を有する硬質プラスチックで構成したので、前記のように、若干の外力が加わってもその形状を保持することが可能である利点があるが、更に強力な外力が加わった場合には、それに応じて必要な変形をすることにより、その破損を免れることができるものでもある。
【0074】
またこの実施例1では、前記容体部3をプラスチック製の可変形性網状シートからなる容体基部用シート3a等で構成したため、該容体部3の可変形性を容易に確保し得、かつ内部の小物類をある程度透過して視認することが可能となるものでもある。
【0075】
この実施例1の作業用小物入れは、複数のこれを用意して、コネクタとかビスとか種類の異なる小物類を各々別のそれらに収容しておき、必要に応じて、それらを選択して腰に装着するか、あるいは、全部を何らかの手段に吊り下げて作業現場に設置しておき、それらから必要な物を取り出して使用するような使い方もできる。
【実施例3】
【0080】
この実施例3の作業用小物入れは、
図9に示すように、横長の背板21に、この背板21の対応する4箇所の部位にそれぞれ前記開口部4に前記紐状縁部材5を配した前記容体部3を取り付けて4個の前記容器部2、2…を構成し、更に該背板21の上辺中央に係止手段26を取り付けたものである。
【0081】
この実施例3の作業用小物入れは、以上のとおりであり、実施例1と異なるのは、前記背板21が横長であり、前記開口部4に前記紐状縁部材5を配した4個の前記容体部3、3…を該背板21に横一列に配設することにより、該背板21に4個の容器部2、2…を構成した点及び前記係止手段26を該背板21の上辺中央に構成した点のみであり、前記容体部3、その開口部4及び前記紐状縁部材5のそれぞれ自体の構成は、実施例1のそれらと各々同一の構成である。
【0082】
すなわち、前記容体部3は、前記容体基部3Aとその前面開口の下部側を閉じる容体前部片3Bとからなり、その開口部4は、実施例1のそれと全く同様に、該容体前部片3Bの上部の凹状の縁部と該容体基部3Aの開口の上部縁及び両側縁で囲まれる口部であり、前記紐状縁部材5も実施例1のそれと全く同様の構成である。
【0083】
以下に実施例1と異なる構成に力点を置いて説明する。
前記背板21は、前記のように横長の板状部材であるが、材質は、実施例1のそれと同様に、弾力性を有する硬質プラスチックの平坦な板状部材で構成したものである。この背板21の前面には、前記のように、前記容体部3を構成する、4個の容体基部3A、3A…を横一列に配するわけであるが、これは、前記背板21に、
図8に一点鎖線で示すように、横一列に対応する形状及びサイズ(実施例1の背板1と同様の形状及びサイズ)の4個の取付領域21a、21a…を想定し、各取付領域21a、21a…に各々容体基部3Aを配することで行う。
【0084】
該各容体基部3A、3A…は、その背後側の接合片部3a2をそれぞれ前記各取付領域21a、21a…の全縁に沿ってその内側に当接させ、この実施例3の場合も実施例1の場合と同様に、接着剤で両者を接着結合して、前記背板21に取り付け固定したものである。該背板21の各取付領域21a、21a…に取り付けた容体基部3A、3A…には、実施例1のそれと同様に、各々容体前部片3Bを取り付け、更にそれぞれの開口部4、4…には紐状縁部材5、5…を同様に取り付ける。
【0085】
前記係止手段26は、前記のように、実施例1のそれと異なり、前記背板21の上辺中央に取り付けたものであるが、特に
図9に示すように、この係止手段26は、特に作業現場の脚立やはしごその他の係止可能な各種部材に係止して吊り下げるようにすべく構成したものであり、前記背板21の上辺中央部に両端部を固設した取付片26aと、該取付片26aの中央部に取り付けたフック片26bとで構成したものである。
【0086】
前記フック片26bは、実施例2のフック部16bと同様に、フック部26b2と、その基部に前記取付片26aの中央部を通してこれに取り付けるための小径の取付環26b1とからなる一般的な構成のものである。なお、前記取付片26aは、その中央部を前記取付環26b1に通してからその両端を前記背板21の上辺中央部に取り付ける。該取付片26aは、その一端を取り付けてからその中央部を前記取付環26b1に通し、その後に他端を該背板21の上辺中央部に取り付けることとしても良いのは云うまでもない。
【0087】
この実施例3の作業用小物入れによれば、この作業用小物入れを、前記係止手段26を介して作業現場に配してある、例えば、脚立やはしごの一部から吊り下げておけば、前記背板21と前記容体部3、3…とで構成する複数の容器部2、2…のそれぞれに収納してある小物類を一箇所で取り出して極めて便利に使用することができる。特に本発明の6の作業用小物入れの場合は、複数の容器部2、2…に、その作業現場で必要とする複数種の小物類を分けて収納しておくことが可能であり、そうすれば、必要な小物類を一箇所に保管しておき、それらを確実にスピーディに取り出して使用することができるものであり、極めて好都合である。
【0088】
なお、実施例3の作業用小物入れにおける背板21、容体部3、開口部4、紐状縁部材5及び係止手段26のそれぞれについての作用及び効果は、容体部3、開口部4及び紐状縁部材5については、実施例1のそれらと同様の構成であり、係止手段26については、実施例2の係止手段16と実質的に同様の構成であり、背板21については、実施例1の背板1と若干構成が異なるが、機能が実施例1の背板1と同様であることは明かであり、それ故、それらに関して実施例1又は2で説明したのと全く同様である。