(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載された従来の切断装置では、移動部材37によるカッター刃21(切断手段)の取付け動作および取外し動作をカッター刃ホルダ22(支持手段)内に設けられた図示しない駆動機器(別の駆動手段)が行う構成となっているため、支持手段を移動させて保護シートS(被加工物)を切断するロボット本体20(駆動手段)の他に、切断手段の取付け動作および取外し動作を行う別の駆動手段が必要となり、装置が大型化するという不都合がある。
なお、特許文献2に記載された従来の切断装置は、カッタホルダ6(支持手段)に対するカッタ刃7(切断手段)の取付けおよび取外しを自動で行うものではない。
【0005】
本発明の目的は、装置の大型化を防止することができる切断装置および切断手段の装着方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するために、本発明の切断装置は、被加工物を切断する切断手段と、前記切断手段を支持する支持手段と、前記切断手段を支持した前記支持手段を移動させて前記被加工物を切断する駆動手段と、
前記支持手段に取付ける前記切断手段を供給する供給手段とを備え、前記支持手段は、回転動作させることで前記切断手段の取付けおよび取外しが可能な調整部材を有し、前記駆動手段は、前記支持手段を支持した状態で前記調整部材を回転動作させ、前記支持手段へ前記切断手段を取付ける動作および、前記支持手段から前記切断手段を取外す動作のうち少なくとも一方の動作を行うことが可能に構成され
、前記支持手段は、前記切断手段を把持する把持部材を備え、前記調整部材は、前記把持部材に対して相対的に回転させることで、当該把持部材を前記切断手段に離間接近させることが可能に構成され、前記駆動手段は、前記調整部材と共に回転しないように前記把持部材を支持した状態で、前記調整部材を前記把持部材に対して相対的に回転させ、前記供給手段は、前記支持手段へ前記切断手段を取付ける回転動作に追従させて当該切断手段を回転可能に構成されていることを特徴とする。
また、本発明の切断装置では、前記調整部材が回転することを抑制する移動規制手段を備えていることが好ましい。
また、本発明の切断手段の装着方法は、被加工物を切断する切断手段と、前記切断手段を支持する支持手段と、前記切断手段を支持した前記支持手段を移動させて前記被加工物を切断する駆動手段と、
前記支持手段に取付ける前記切断手段を供給する供給手段とを備えた切断装置における切断手段の装着方法において、前記支持手段は、回転動作させることで前記切断手段の取付けおよび取外しが可能な調整部材を有し、前記支持手段を支持した状態で前記駆動手段が前記調整部材を回転動作させ、前記支持手段へ前記切断手段を取付ける動作および、前記支持手段から前記切断手段を取外す動作のうち少なくとも一方の動作を行い
、前記支持手段は、前記切断手段を把持する把持部材を備え、前記調整部材は、前記把持部材に対して相対的に回転させることで、当該把持部材を前記切断手段に離間接近させ、前記駆動手段は、前記調整部材と共に回転しないように前記把持部材を支持した状態で、前記調整部材を前記把持部材に対して相対的に回転させ、前記供給手段は、前記支持手段へ前記切断手段を取付ける回転動作に追従させて当該切断手段を回転させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
請求項1または6によれば、支持手段へ切断手段を取付ける動作および、支持手段から切断手段を取外す動作のうち少なくとも一方の動作を駆動手段が行うので、駆動手段の他に切断手段の取付けおよび取外しを行う別の駆動手段が必要なくなり、装置の大型化を防止することができる。
また、請求項2によれば、支持手段に取り付ける切断手段の供給作業を簡素化したり、支持手段から取り外した切断手段の破棄作業を簡素化したりすることができる。
さらに、請求項3によれば、調整部材が回転することで切断手段を着脱する場合にでも対応することができる。
また、請求項4によれば、移動規制手段を別途設ける必要がなくなり、周辺機器を含めた設備の簡略化ができる。
さらに、請求項5によれば、切断手段に過剰な負荷を加えることなく当該切断手段を支持手段へ受け渡すことができる。
【0008】
なお、本発明でいう切断とは、被加工物を貫通する切込が連続的に続く完全な切断は勿論のこと、被加工物を貫通する切込が断続的に続く擬似的な切断、被加工物の厚み方向の途中までの深さであって当該被加工物を貫通することのない切込が連続的または断続的に続く擬似的な切断、被加工物の組成、特性、性質、材質、形状、組織等を変更させた改質層が連続的または断続的に続く擬似的な切断および、被加工物を貫通する切込と当該被加工物を貫通することのない切込と改質層との少なくとも2つが規則的または不規則的に、連続的または断続的に続く擬似的な切断をも含むものとする。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
なお、本実施形態におけるX軸、Y軸、Z軸は、それぞれが直交する関係にあり、X軸およびY軸は、所定平面内の軸とし、Z軸は、前記所定平面に直交する軸とする。さらに、本実施形態では、Y軸と平行な
図1に示すBD方向から観た場合を基準とし、方向を示した場合、「上」がZ軸の矢印方向で「下」がその逆方向、「左」がX軸の矢印方向で「右」がその逆方向、「前」がY軸と平行な
図1中手前方向で「後」がその逆方向とする。
【0011】
図1、2において、本発明の切断装置10は、被加工物としての接着シートASを切断する切断手段としてのカッター刃20と、カッター刃20を支持する支持手段30と、カッター刃20を支持した支持手段30を移動させて接着シートASを切断する駆動手段40と、調整部材35が回転することを抑制する移動規制手段50と、支持手段30に取付けるカッター刃20を供給する供給手段60と、支持手段30から取外したカッター刃20を回収する回収手段70とを備え、被着体WKに接着シートASが貼付された一体物WK1を支持する被加工物支持手段80および、カッター刃20の状態を検知するカッター刃検知手段90の近傍に配置されている。
【0012】
支持手段30は、駆動手段40との接続を許容する嵌合穴31Aが形成された嵌合部材31と、嵌合部材31にブラケット32を介して支持され、外面に雄ねじ33Aが形成された基台33と、基台33の下面に弾性変形可能な弾性変形部34Aによって相互に離間するように支持され、カッター刃20を把持する把持部材34と、雄ねじ33Aに螺合する雌ねじ35Aが形成され、所定動作として把持部材34に対して相対的に回転させることで、当該把持部材34をカッター刃20に離間接近させ、カッター刃20の取付けおよび取外しが可能な断面形状6角形の外縁形状を有する調整部材35とを備えている。把持部材34は、その外面の一部に傾斜部34Bが形成され、調整部材35が雄ねじ33Aに沿って回転することで、調整部材35の内円端部35Bが傾斜部34B上を摺動し、弾性変形部34Aの弾性復元力を利用して把持部材34同士が離間接近する構成となっている。なお、双方の把持部材34におけるカッター刃20を挟み込むそれぞれの挟込面34Cには、カッター刃20が嵌り込み、当該カッター刃20の位置決めが可能な溝34Dが形成されている。また、調整部材35の上方には、平面視(Z軸方向上側から見て)円形の張出部35Cが設けられている。
【0013】
駆動手段40は、その作業範囲内において、作業部である先端アーム41Aで支持した支持手段30を何れの位置、何れの角度にでも変位可能な駆動機器としての所謂6軸ロボット41を備え、先端アーム41Aで支持手段30を支持した状態で調整部材35を把持部材34に対して相対的に回転させ、支持手段30へカッター刃20を取付ける動作および、支持手段30からカッター刃20を取外す動作の両方の動作を行うようになっている。なお、先端アーム41Aの先端部には、嵌合穴31Aに嵌り込んで当該先端アーム41Aに対する支持手段30の移動を規制するチャック41Bを駆動する駆動機器としてのチャックモータ41Cが設けられている。これにより、駆動手段40は、調整部材35と共に回転しないように把持部材34を支持した状態で、調整部材35を把持部材34に対して相対的に回転させることができるようになっている。
【0014】
移動規制手段50は、本体フレーム51と、本体フレーム51の上面に形成され、支持手段30へカッター刃20を取付ける際、調整部材35が嵌合して当該調整部材35の回転を抑制可能な平面視6角形の内縁形状を有する2つの取付け嵌合孔52と、本体フレーム51の上面に形成され、支持手段30からカッター刃20を取外す際、調整部材35が嵌合して当該調整部材35の回転を抑制可能な平面視6角形の内縁形状を有する1つの取外し嵌合孔53とを備えている。
【0015】
供給手段60は、取手61Aが設けられ、本体フレーム51の右側面に形成された第1開口部51Aを介して取付け嵌合孔52の下方に出し入れ可能な供給フレーム61と、供給フレーム61に形成された平面視円形の凹部61Bの底面に支持された付勢手段62と、付勢手段62の支持テーブル62Aに支持されて凹部61Bの側面を摺動回転可能な刃支持部材63と、刃支持部材63の上面に形成された凹部63Aから更に凹んでカッター刃20を位置決めして収容可能なカッター刃支持穴63Bと、刃支持部材63の下面に支持された当板64と、凹部61Bの底面に支持され、当板64が当接することで付勢手段62によって回転する刃支持部材63の回転を規制するストッパ65とを備えている。供給フレーム61は、第1開口部51Aから突き当る位置にまで差し込まれると、カッター刃支持穴63Bにセットされたカッター刃20が取付け嵌合孔52の直下である所定の位置に、所定の方向を向いて配置されるようになっている。なお、カッター刃支持穴63Bは、カッター刃20の4つの側面または、カッター刃20の3つの側面と刃先20Bを形成する面とが摺動して挿入されることで、当該カッター刃20の前後方向と左右方向との位置決めが可能となっている。また、カッター刃支持穴63Bの最下部には、カッター刃20の切先20Aを検出するカメラ等の撮像手段や光学センサ等の図示しない切先検知手段が配置され、当該図示しない切先検知手段によって、カッター刃20の上下方向の位置決めが完了していることを検知できるようになっている。
【0016】
回収手段70は、取手71Aが設けられ、本体フレーム51の左側面に形成された第2開口部51Bを介して取外し嵌合孔53の下方に出し入れ可能な回収箱71を備えている。
【0017】
被加工物支持手段80は、減圧ポンプや真空エジェクタ等の図示しない減圧手段によって被着体WKを支持可能な支持面81Aと、接着シートASを貫通したカッター刃20を受容する溝81Bとを備えた支持テーブル81を備えている。
【0018】
カッター刃検知手段90は、カメラ等の撮像手段や光学センサ等で構成され、カッター刃20の切先20Aの位置や刃先20Bの位置等を検知するとともに、カッター刃20の欠け、傷、曲がり、折れ等の変形や、カッター刃20の錆、腐食等による劣化や、カッター刃20に対する接着剤、その他物質等の異物の付着等が発生していることを検出できるようになっている。
【0019】
以上の切断装置10の動作を説明する。
先ず、本発明の切断装置10の使用者(以下、単に「使用者」という)が取手61Aを持って供給フレーム61を本体フレーム51から引き出し、2体のカッター刃20をそれぞれ各カッター刃支持穴63Bにセットした後、当該供給フレーム61を第1開口部51Aから突き当る位置にまで差し込んだ後、操作パネルやパーソナルコンピュータ等の図示しない操作手段を介して自動運転開始の信号を入力する。すると、駆動手段40が6軸ロボット41を駆動し、カッター刃20が取り付けられ、図示しない所定の格納位置に格納されている支持手段30の嵌合穴31Aにチャック41Bを差し込んだ後、チャックモータ41Cを駆動し、チャック41Bを相互に離間させて当該支持手段30を先端アーム41Aで保持する。次いで、駆動手段40が6軸ロボット41を駆動し、
図1中二点鎖線で示すように、カッター刃検知手段90の検出位置にカッター刃20を配置し、切先20Aの位置と刃先20Bの位置とを認識した状態で停止してスタンバイ状態となる(以下、この状態を単に「スタンバイ状態」という)。なお、駆動手段40は、カッター刃検知手段90の検知結果を基にして、次に切断の対象となる接着シートASに対し、切先20Aを突き刺す位置や刃先20Bで切断する軌道等が所定の位置、所定の軌道等となるように6軸ロボット41の動作を自動で補正するようになっている。これにより、万が一、カッター刃20が位置ずれを起こして支持手段30に支持されていても、接着シートASを所定形状に切断することができるようになっている。
【0020】
そして、使用者または多関節ロボットやベルトコンベア等の図示しない搬送手段によって、一体物WK1が支持面81A上に載置されると、被加工物支持手段80が図示しない減圧手段を駆動し、当該一体物WK1の吸着保持を開始する。その後、駆動手段40が6軸ロボット41を駆動し、カッター刃検知手段90の検出結果を基にして切先20Aを接着シートASに突き刺し、当該切先20Aを溝81B内に位置させた後、支持手段30を所定の軌道に沿って移動させ、刃先20Bで接着シートASを所定形状に切断する。これにより、接着シートASは、当該接着シートASを貫通する切込が連続的に形成されて完全に切断され、当該切断が完了すると、駆動手段40が6軸ロボット41を駆動し、再びスタンバイ状態となる。次いで、被加工物支持手段80が図示しない減圧手段の駆動を停止した後、使用者または図示しない搬送手段が所定形状に切断された接着シートASが貼付された被着体WKを別の工程に搬送するとともに、支持面81A上に残った接着シートAS部分を支持面81A上から取り去り、以降上記同様の動作が繰り返される。
【0021】
ここで、スタンバイ状態となった際、支持手段30で支持されているカッター刃20に変形や劣化または異物の付着等が発生していることをカッター刃検知手段90が検出すると、切断装置10は、カッター刃20を交換する動作を行う。この動作は、先ず、駆動手段40が6軸ロボット41を駆動し、先端アーム41Aで支持している支持手段30を移動させ、
図2(A)に示すように、調整部材35を取外し嵌合孔53に差し込んで当該調整部材35が回転することを抑制する。このとき、駆動手段40は、張出部35Cを本体フレーム51の上面に当接させてもよいし、当接させなくてもよい。次いで、駆動手段40が6軸ロボット41を駆動し、把持部材34によるカッター刃20の把持力が緩む方向に調整部材35を把持部材34に対して相対的に回転させると、調整部材35の内円端部35Bが傾斜部34Bを摺動し、把持部材34が弾性変形部34Aの弾性復元によって相互に離間し、
図2(B)に示すように、カッター刃20が回収箱71内に落下して回収される。その後、駆動手段40が6軸ロボット41を駆動し、
図2(C)に示すように、調整部材35を取付け嵌合孔52に所定深さに達するまで差し込んで調整部材35が回転することを抑制すると、供給手段60にセットされているカッター刃20が相互に離間した把持部材34間に位置するようになる。このとき、駆動手段40は、張出部35Cを本体フレーム51の上面に当接させてもよいし、当接させなくてもよい。なお、駆動手段40は、供給手段60の図示しない切先検知手段の検知結果を基にして、カッター刃20が位置決めされて、所定の姿勢でセットされている刃支持部材63から当該カッター刃20を支持するようになっている。
【0022】
次に、駆動手段40が6軸ロボット41を駆動し、把持部材34がカッター刃20を把持する方向に調整部材35を把持部材34に対して相対的に回転させると、調整部材35の内円端部35Bが傾斜部34Bを摺動し、把持部材34が相互に接近して、
図2(D)に示すように、把持部材34でカッター刃20を把持する。そして、調整部材35が所定のトルクで把持部材34を締めつけたことを6軸ロボット41に設けられた図示しないトルクセンサが検知すると、駆動手段40が6軸ロボット41の駆動を停止する。これにより、カッター刃20が溝34Dに嵌り込んで支持手段30に位置決めされて支持される。なお、調整部材35を把持部材34に対して相対的に回転させると、刃支持部材63は、付勢手段62の付勢力に抗してカッター刃20と共に回転するので、供給手段60は、カッター刃20に過剰な負荷を加えることなく、当該カッター刃20を支持手段30へ受け渡すことができる。そして、把持部材34でカッター刃20を把持すると、駆動手段40が6軸ロボット41を駆動し、再びスタンバイ状態となる。なお、カッター刃20がカッター刃支持穴63Bから抜け出ると、刃支持部材63は、付勢手段62の付勢力によって回転し、当板64がストッパ65に当接して係止する。
【0023】
その後、供給フレーム61にセットされた2体目のカッター刃20も支持手段30で支持され、移動規制手段50の外部に搬送されたことをカメラ等の撮像手段や光学センサ等の図示しないカッター刃検知御手段が検知するか、全ての図示しない切先検知手段がカッター刃20の切先20Aを検出しなくなると、切断装置10は、例えば、光や音等のカッター刃供給要請を出力する図示しないカッター刃供給要請手段を駆動し、使用者にカッター刃20の供給を促すことができる。使用者は、カッター刃供給要請を確認すると、取手61Aを持って供給フレーム61を本体フレーム51から引き出し、2体のカッター刃20をそれぞれ各カッター刃支持穴63Bにセットした後、当該供給フレーム61を第1開口部51Aから突き当る位置にまで差し込んでおく。
また、回収箱71内に回収されたカッター刃20が所定量に達したことをカメラ等の撮像手段や光学センサ等の図示しない回収カッター刃検知御手段が検知すると、切断装置10は、例えば、光や音等のカッター刃廃棄要請を出力する図示しないカッター刃廃棄要請手段を駆動し、使用者にカッター刃20の廃棄を促すことができる。使用者は、カッター刃廃棄要請を確認すると、取手71Aを持って回収箱71を本体フレーム51から引き出し、使用済みのカッター刃20を廃棄した後、当該回収箱71を第2開口部51Bから差し込んでおく。
【0024】
以上のような実施形態によれば、支持手段30へカッター刃20を取付ける動作および、支持手段30からカッター刃20を取外す動作の両方を駆動手段40が行うので、駆動手段40の他にカッター刃20の取付けおよび取外しを行う別の駆動手段が必要なくなり、装置の大型化を防止することができる。
【0025】
本発明における手段および工程は、それら手段および工程について説明した動作、機能または工程を果たすことができる限りなんら限定されることはなく、まして、前記実施形態で示した単なる一実施形態の構成物や工程に全く限定されることはない。例えば、切断手段は、被加工物を切断可能なものであれば、出願当初の技術常識に照らし合わせ、その技術範囲内のものであればなんら限定されることはない(他の手段および工程も同様でありその説明は省略する)。
【0026】
支持手段30は、
図3(A)に示すように、基台33の下面に設けられた支持部36に軸37を介して回転する一対の把持部材34αと、各把持部材34αの上方にそれぞれ形成されたU字型のスロープ34E上を摺動する凸状部35Dが設けられた調整部材35αとを備え、凸状部35Dが各スロープ34E上を摺動することで、一対の把持部材34αがカッター刃20に対して離間接近するように構成してもよい。
また、支持手段30は、
図3(B)に示すように、把持部材34の下方に形成された傾斜部34F上を摺動する内円部35Eが形成された調整部材35βを備え、内円部35Eが傾斜部34F上を摺動することで、把持部材34がカッター刃20に対して離間接近するように構成してもよい。
支持手段30は、
図1に示すように、先端アーム41Aの中心に対して把持部材34の中心がずれるように当該把持部材34を支持するブラケット32を採用してもよいし、
図2(A)、(B)に示すように、先端アーム41Aの中心と把持部材34の中心とが同位置となるように当該把持部材34を支持するブラケット32を採用してもよいし、ブラケット32を介することなく、嵌合部材31で直接基台33を支持してもよい。
【0027】
切断手段は、カッター刃20に代えてまたは併用して、ロータリカッター刃、レーザカッタ、イオンビーム、火力、熱、水圧、電熱線、気体や液体等の吹付け等を採用してもよいし、接着シートASを貫通する切込を形成可能なものでもよいし、接着シートASの厚み方向の途中までの深さであって当該接着シートASを貫通することのない切込を形成可能なものでもよいし、例えば、ミシン目ロータリカッター刃等で接着シートASを貫通または貫通することのない切込が断続的に続くように当該接着シートASを疑似的に切断するものでもよいし、接着シートASをレーザやイオンビーム等で組成、特性、性質、材質、形状、組織等を変更させた改質層を形成するものでもよいし、レーザカッタ、イオンビーム、火力、熱、水圧、吹付け等のエネルギーを出力して接着シートASを切断するものが採用された場合、駆動手段40による支持手段30の移動に合わせてそれらの出力のON−OFF動作を繰り返すことで、接着シートASを貫通または貫通することのない切込が断続的に続くように当該接着シートASを疑似的に切断してもよい。
【0028】
支持手段30は、所定動作として把持部材34に対して相対的に直線移動させることで、当該把持部材34のカッター刃20に対する離間接近を可能とし、カッター刃20の取付けおよび取外しの少なくとも一方が可能な調整部材を採用してもよい。なお、所定動作が直線移動の場合、例えば、前記実施形態における基台33に雄ねじ33Aを設けずに円柱状部材とし、雌ねじ35A設けずに円柱状部材の軸線方向に摺動する内円が設けられた調整部材としての円筒状部材を採用すればよい。
把持部材34は、溝34Dが一方の挟込面34Cのみに形成されていてもよいし、両方の挟込面34Cに形成されていなくてもよいし、弾性変形部34Aに板ばね、巻きばね、樹脂、ゴム、スポンジ等何を採用してもよいし、1体でもよいし、3体以上でもよく、把持部材34が1体の場合、例えば、調整部材35と当該把持部材34とでカッター刃20を把持すればよい。
調整部材35は、断面形状が5角形以下でもよいし、7角形以上でもよいし、楕円形やD形でもよいし、張出部35Cがなくてもよいし、取付け嵌合孔52や取外し嵌合孔53に差し込む方向に延設された溝を有するものでもよく、移動規制手段50でその回転が抑制できればどのような形状でもよい。
【0029】
駆動手段40は、支持手段30へカッター刃20を取付ける動作および、支持手段30からカッター刃20を取外す動作のうち一方の動作のみを行うようにしてもよく、この場合、それら動作のうち他方の動作は、使用者が行ったり、他の装置や他の駆動機器が行ったりすればよい。
駆動手段40は、回動モータ、直動モータ、リニアモータ、単軸ロボット、5軸以下の多関節ロボット、7軸以上の多関節ロボット等の電動機器、エアシリンダ、油圧シリンダ、ロッドレスシリンダおよびロータリシリンダ等のアクチュエータ等を採用することができる上、それらを直接的又は間接的に組み合せたものを採用することもでき、作業部は、それらの出力部とすることができるし、被着体WKの外縁と同形状となるように接着シートASを切断してもよいし、被着体WKの外縁よりも内側で接着シートASを切断してもよいし、被着体WKの外縁よりも外側で接着シートASを切断してもよいし、被着体WKの外縁とは関係なく接着シートASを切断してもよいし、支持手段30が把持部材34に対して相対的に直線移動することで、当該把持部材34のカッター刃20に対する離間接近を可能とする調整部材が採用されている場合、先端アーム41Aで支持手段30を支持した状態で、調整部材を把持部材34に対して相対的に直線移動させ、支持手段30へカッター刃20を取付ける動作および、支持手段30からカッター刃20を取外す動作の少なくとも一方を行うように構成してもよい。
駆動手段40は、接着シートASを貫通する切込が断続的に続くように、接着シートASに対して支持手段30を離間接近させながら移動させ、接着シートASを疑似的に切断してもよいし、接着シートASを貫通することのない切込が連続的に続くように支持手段30を移動させ、接着シートASを疑似的に切断してもよいし、接着シートASを貫通することのない切込が断続的に続くように、接着シートASに対して支持手段30を離間接近させながら移動させ、接着シートASを疑似的に切断してもよいし、例えば、切断手段としてミシン目ロータリカッター刃を採用し、接着シートASを貫通または貫通することのない切込が断続的に続くように支持手段30を移動させ、接着シートASを疑似的に切断してもよいし、例えば、切断手段として上述のような改質層を形成するものを採用し、当該改質層が連続的または断続的に続くように支持手段30を移動させ、接着シートASを疑似的に切断してもよいし、接着シートASを貫通する切込と当該接着シートASを貫通することのない切込と改質層との少なくとも2つが規則的または不規則的に、連続的または断続的に続くようにして当該接着シートASを疑似的に切断してもよい。なお、上記のように疑似的に切断された接着シートASは、後に張力付与手段や振動付与手段等によって張力や振動が付与されることで、当該疑似的に切断された部分を境にして完全に切断することができ、本発明の切断装置10は、このような張力付与手段や振動付与手段等を備えていてもよいし、備えていなくてもよい。
駆動手段40は、先端アーム41Aに対して着脱不能な状態で支持手段30を支持する構成としてもよく、この場合、先端アーム41Aにチャックモータ41Cを設けなくてもよい。
【0030】
移動規制手段50は、調整部材35の断面形状と略同様の形状を有する取付け嵌合孔52や取外し嵌合孔53で当該調整部材35の回転を抑制してもよいし、例えば、平面視4角形やコ字状の内縁形状を有する取付け嵌合孔52や取外し嵌合孔53で、4角形、6角形、8角形等の断面形状を有する調整部材35の回転を抑制する等、調整部材35の断面形状と関係のない形状を有する取付け嵌合孔52や取外し嵌合孔53で当該調整部材35の回転を抑制してもよいし、調整部材35を挟み込む駆動機器を備えていてもよいし、他の装置や他の部材で調整部材35の回転を抑制する場合、本発明の切断装置10に備わっていなくてもよい。
取付け嵌合孔52や取外し嵌合孔53は、底有の穴でもよいし、縦穴でもよいし、横穴でもよいし、斜め穴でもよいし、それぞれがそれぞれ単数でもよいし複数でもよいし、何れか一方が単数で他方が複数でもよいし、それらをそれぞれ複数設ける場合は、2個以上でもよい。
取外し嵌合孔53を設けずに、駆動手段40が使用後のカッター刃20を当該カッター刃20を取り換えた取付け嵌合孔52に戻して、当該取付け嵌合孔52を利用してカッター刃20を取り外す構成としてもよい。
【0031】
供給手段60は、カッター刃20を1個ずつまたは、3個以上ずつ供給する構成でもよいし、本体フレーム51に対してスライドレールで支持された供給フレーム61を採用してもよいし、ばねやゴム等の弾性部材や駆動機器等で構成された付勢手段62を採用してもよいし、移動規制手段50と一体的に形成されてもよいし、刃支持部材63全体が移動することなく、その一部または全部が弾性変形することで、支持手段30へカッター刃20を取付ける動作に追従させて当該カッター刃20を移動させてもよいし、他の装置や他の部材で切断手段を供給する場合、本発明の切断装置10に備わっていなくてもよい。
【0032】
回収手段70は、カッター刃20を1個ずつ回収する構成でもよいし、本体フレーム51に対してスライドレールで支持された回収箱71を採用してもよいし、移動規制手段50と一体的に形成されてもよいし、他の装置や他の部材でカッター刃20を回収する場合、本発明の切断装置10に備わっていなくてもよい。
【0033】
被加工物支持手段80は、メカチャックやチャックシリンダ等の把持手段、クーロン力、接着剤、粘着剤、磁力、ベルヌーイ吸着、駆動機器等で接着シートASを支持する構成を採用してもよいし、例えば、被着体WKに接着シートASを貼付するシート貼付装置の被着体支持手段や、被着体WKを検査して不要な部分を切断する検査装置の被着体支持手段等どんなものであってもよいし、被着体WKが上側となるように一体物WK1が載置されてもよいし、接着シートASが上側となるように一体物WK1が載置されてもよいし、被着体WKのある位置のみを吸着保持してもよいし、被着体WKのない位置のみを吸着保持してもよいし、それら両方の位置を吸着保持してもよいし、接着シートASに被着体WKが接着されていなくてもよいし、他の装置や他の部材で接着シートASを支持する場合、本発明の切断装置10に備わっていなくてもよい。
【0034】
カッター刃検知手段90は、カッター刃20の切先20Aの位置および刃先20Bの位置の何れか一方のみを検知する構成でもよいし、カッター刃20の変形、劣化および異物の付着のうち少なくとも1つを検知する構成でもよいし、本発明の切断装置10に備わっていなくてもよい。
【0035】
切断装置10は、天地反転して配置したり横向きに配置したりして、接着シートASを切断してもよい。
切断装置10は、所定時間が経過した時点でカッター刃20の交換を行ってもよいし、所定枚数の接着シートASを切断した時点でカッター刃20の交換を行ってもよいし、所定の長さ以上の切込を形成した時点でカッター刃20の交換を行ってもよい。
所定の格納位置に格納されている支持手段30は、カッター刃20が取り付けられていなくてもよく、この場合、駆動手段40が6軸ロボット41を駆動し、支持手段30を先端アーム41Aで保持した後、前記実施形態と同様の動作で先に支持手段30でカッター刃20を支持してから、スタンバイ状態となるようにすればよい。
カッター刃供給要請手段が出力するカッター刃供給要請と、カッター刃廃棄要請手段が出力するカッター刃廃棄要請とは、同じでもよいし、異なっていてもよいし、カッター刃供給要請手段およびカッター刃廃棄要請手段のうち少なくとも一方がなくてもよい。
【0036】
本発明における被加工物および被着体WKの材質、種別、形状等は、特に限定されることはない。例えば、被加工物および被着体WKは、円形、楕円形、三角形や四角形等の多角形、その他の形状であってもよいし、被加工物が接着シートの場合、感圧接着性、感熱接着性等の接着形態のものであってもよい。また、このような接着シートは、例えば、接着剤層だけの単層のもの、基材シートと接着剤層とだけで構成されたもの、基材シートと接着剤層との間に中間層を有するもの、接着剤層の間に中間層を有するもの等、1層または2層以上のものであってよい。また、被加工物や被着体WKとしては、例えば、食品、樹脂容器、シリコン半導体ウエハや化合物半導体ウエハ等の半導体ウエハ、回路基板、光ディスク等の情報記録基板、ガラス板、鋼板、陶器、木板、紙、ゴムまたは樹脂等の単体物であってもよいし、それら2つ以上で形成された複合物であってもよく、任意の形態の部材や物品なども対象とすることができる。なお、接着シートを機能的、用途的な読み方に換え、例えば、情報記載用ラベル、装飾用ラベル、保護シート、ダイシングテープ、ダイアタッチフィルム、ダイボンディングテープ、記録層形成樹脂シート等の任意の形状の任意のシート、フィルム、テープ等を前述のような任意の被着体に貼付することができる。
【0037】
前記実施形態における駆動機器は、回動モータ、直動モータ、リニアモータ、単軸ロボット、多関節ロボット等の電動機器、エアシリンダ、油圧シリンダ、ロッドレスシリンダおよびロータリシリンダ等のアクチュエータ等を採用することができる上、それらを直接的又は間接的に組み合せたものを採用することもできる。