(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して、本発明の結束機の実施の形態としての鉄筋結束機の一例について説明する。
【0014】
<本実施の形態の鉄筋結束機の構成例>
図1は、本実施の形態の鉄筋結束機の全体構成の一例を示す側面から見た構成図、
図2は、本実施の形態の鉄筋結束機の要部構成の一例を示す側面から見た構成図である。
【0015】
本実施の形態の鉄筋結束機1Aは、ワイヤWを一の方向である正方向に送り、結束物である鉄筋Sの周囲に巻き回し、鉄筋Sの周囲に巻き回されたワイヤWを、他の方向である逆方向に送って鉄筋Sに巻き付けた後、ワイヤWを捩じって鉄筋SをワイヤWで結束する。
【0016】
このため、鉄筋結束機1Aは、ワイヤWが収納される収納部であるマガジン2Aと、ワイヤWを送るワイヤ送り部3Aを備える。また、鉄筋結束機1Aは、ワイヤ送り部3Aに送り込まれるワイヤWをガイドする第1のワイヤガイド4A
1と、ワイヤ送り部3Aから送り出されるワイヤWをガイドする第2のワイヤガイド4A
2を備える。
【0017】
更に、鉄筋結束機1Aは、ワイヤ送り部3Aで送られるワイヤWを鉄筋Sの周囲に巻き回す経路を構成するカールガイド部5Aと、鉄筋Sに巻き回されたワイヤWを切断する切断部6Aを備える。また、鉄筋結束機1Aは、鉄筋Sに巻き付けられたワイヤWを捩じる結束部7Aを備える。
【0018】
マガジン2Aはリール収納部の一例で、長尺状のワイヤWが繰り出し可能に巻かれたリール20が回転、着脱可能に収納される。本実施の形態の鉄筋結束機1Aは、2本のワイヤWで鉄筋Sを結束できるようにするため、リール20には2本のワイヤWが繰り出し可能に巻かれる。ワイヤWは、塑性変形し得る金属線で構成されたワイヤ、金属線が樹脂で被覆されたワイヤ、あるいは撚り線のワイヤが使用される。
【0019】
図3及び
図4は、ワイヤ送り部の一例を示す構成図であり、次に、ワイヤ送り部3Aの構成について説明する。ワイヤ送り部3Aは、並列された2本のワイヤWを挟持して送る一対の送り部材として、回転動作でワイヤWを送る第1の送りギア30Lと第2の送りギア30Rを備える。
【0020】
第1の送りギア30Lは、駆動力の伝達を行う歯部31Lを備える。歯部31Lは、本例では平歯車を構成する形状で、第1の送りギア30Lの外周の全周に形成される。また、第1の送りギア30Lは、ワイヤWが入る溝部32Lを備える。溝部32Lは、本例では断面形状が略V字形状の凹部で構成され、第1の送りギア30Lの外周の全周に、円周方向に沿って形成される。
【0021】
第2の送りギア30Rは、駆動力の伝達を行う歯部31Rを備える。歯部31Rは、本例では平歯車を構成する形状で、第2の送りギア30Rの外周の全周に形成される。また、第2の送りギア30Rは、ワイヤWが入る溝部32Rを備える。溝部32Rは、本例では断面形状が略V字形状の凹部で構成され、第2の送りギア30Rの外周の全周に、円周方向に沿って形成される。
【0022】
ワイヤ送り部3Aは、第1の送りギア30Lの溝部32Lと第2の送りギア30Rの溝部32Rを対向させて、第1の送りギア30Lと第2の送りギア30Rが、ワイヤWの送り経路を挟んで設けられる。
【0023】
ワイヤ送り部3Aは、第1の送りギア30Lと第2の送りギア30Rとの間にワイヤWを挟持するため、第1の送りギア30Lと第2の送りギア30Rが互いに近づくに押圧される。これにより、ワイヤ送り部3Aは、第1の送りギア30Lの溝部32Lと第2の送りギア30Rの溝部32Rとの間にワイヤWを挟持する。本例では、第2の送りギア30Rを、第1の送りギア30Lに対して変位させる。
【0024】
そこで、ワイヤ送り部3Aは、第2の送りギア30Rを第1の送りギア30Lに対して接近及び離間させる方向に変位させる変位部材36を備える。変位部材36は、一方の端部側に第2の送りギア30Rが軸300Rにより回転可能に支持される。また、変位部材36は、ワイヤ送り部3Aの支持部材301に、他方の端部が軸36aを支点として回転可能に支持される。
【0025】
変位部材36は、図示しないバネにより押圧され、軸36aを支点とした回転動作で矢印V1方向に変位する。これにより、第2の送りギア30Rは、バネ38の力で第1の送りギア30L方向に押圧される。
【0026】
第1の送りギア30Lと第2の送りギア30Rとの間にワイヤWが装填されている場合、第1の送りギア30Lの溝部32Lと第2の送りギア30Rの溝部32Rとの間にワイヤWが挟持される。
【0027】
また、ワイヤ送り部3Aは、第1の送りギア30Lの溝部32Lと第2の送りギア30Rの溝部32Rとの間にワイヤWを挟持した状態で、第1の送りギア30Lの歯部31Lと第2の送りギア30Rの歯部31Rが噛み合う。これにより、第1の送りギア30Lと第2の送りギア30Rとの間で回転による駆動力が伝達される。
【0028】
ワイヤ送り部3Aは、第1の送りギア30Lと第2の送りギア30Rの一方、本例では第1の送りギア30Lを駆動する原動機の一例である送りモータ33と、送りモータ33の駆動力を第1の送りギア30Lに伝達する駆動力伝達機構34を備える。
【0029】
駆動力伝達機構34は原動機駆動力伝達部の一例で、送りモータ33の軸に取り付けられた小ギア33aと、小ギア33aとかみ合う大ギア33bを備える。また、駆動力伝達機構34は、大ギア33bから駆動力が伝達され、第1の送りギア30Lとかみ合う送り小ギア34aを備える。小ギア33a、大ギア33b及び送り小ギア34aは、それぞれ平歯車で構成される。
【0030】
第1の送りギア30Lは、送りモータ33の回転動作が駆動力伝達機構34を介して伝達されて回転する。第2の送りギア30Rは、第1の送りギア30Lの回転動作が歯部31Lと歯部31Rとの噛み合いにより伝達され、第1の送りギア30Lに従動して回転する。
【0031】
これにより、ワイヤ送り部3Aは、第1の送りギア30Lと第2の送りギア30Rとの間に挟持したワイヤWを、ワイヤWの延在方向に沿って送る。2本のワイヤWを送る構成では、第1の送りギア30Lの溝部32Lと一方のワイヤWとの間に生じる摩擦力、第2の送りギア30Rの溝部32Rと他方のワイヤWとの間に生じる摩擦力、及び、一方のワイヤWと他方のワイヤWとの間に生じる摩擦力により、2本のワイヤWが並列された状態で送られる。
【0032】
ワイヤ送り部3Aは、送りモータ33の回転方向の正逆を切り替えることで、第1の送りギア30Lと第2の送りギア30Rの回転方向が切り替えられ、ワイヤWの送り方向の正逆が切り替えられる。
【0033】
次に、ワイヤWの送りをガイドするワイヤガイドについて説明する。
図2に示すように、第1のワイヤガイド4A
1は、正方向に送られるワイヤWの送り方向に対し、第1の送りギア30L及び第2の送りギア30Rの上流側に配置される。また、第2のワイヤガイド4A
2は、正方向に送られるワイヤWの送り方向に対し、第1の送りギア30L及び第2の送りギア30Rの下流側に配置される。
【0034】
第1のワイヤガイド4A
1及び第2のワイヤガイド4A
2は、ワイヤWが通るガイド穴40Aを備える。ガイド穴40Aは、ワイヤWの径方向の位置を規制する形状を有する。2本のワイヤWを送る構成では、第1のワイヤガイド4A
1及び第2のワイヤガイド4A
2は、2本のワイヤWを並列させて通る形状のガイド穴40Aが形成される。
【0035】
第1のワイヤガイド4A
1及び第2のワイヤガイド4A
2は、第1の送りギア30Lと第2の送りギア30Rとの間を通るワイヤWの送り経路L上にガイド穴40Aが設けられる。第1のワイヤガイド4A
1は、ガイド穴40Aを通るワイヤWを、第1の送りギア30Lと第2の送りギア30Rとの間の送り経路Lに誘導する。
【0036】
第1のワイヤガイド4A
1及び第2のワイヤガイド4A
2は、正方向に送られるワイヤWの送り方向に対してガイド穴40Aの上流側であるワイヤ導入部は、下流側に比べて開口面積が大きくした円錐形状または角錐形状等のテーパ状となっている。これにより、第1のワイヤガイド4A
1及び第2のワイヤガイド4A
2に対するワイヤWの導入が容易になる。
【0037】
次に、ワイヤWを鉄筋Sの周囲に巻き回すワイヤWの送り経路を構成するカールガイド部5Aについて説明する。カールガイド部5Aは、第1の送りギア30L及び第2の送りギア30Rで送られるワイヤWに巻き癖をつけるカールガイド50と、カールガイド50から送り出されたワイヤWを結束部7Aに誘導する誘導ガイド51を備える。
【0038】
カールガイド50は、ワイヤWの送り経路を構成するガイド溝52と、ガイド溝52との協働でワイヤWに巻き癖をつけるガイド部材としての第1のガイドピン53a及び第2のガイドピン53bを備える。
【0039】
第1のガイドピン53aはガイド部材の一例で、カールガイド50において第1の送りギア30L及び第2の送りギア30Rで送られるワイヤWの導入部501側に設けられ、ガイド溝52によるワイヤWの送り経路に対して、ワイヤWにより形成されるループRuの径方向の内側に配置される。第1のガイドピン53aは、ガイド溝52に沿って送られるワイヤWが、ワイヤWにより形成されるループRuの径方向の内側に入り込まないように、ワイヤWの送り経路を規制する。
【0040】
第2のガイドピン53bは、カールガイド50において第1の送りギア30L及び第2の送りギア30Rで送られるワイヤWの排出部側に設けられ、ガイド溝52によるワイヤWの送り経路に対して、ワイヤWにより形成されるループRuの径方向の外側に配置される。
【0041】
カールガイド部5Aは、第1のガイドピン53aを退避させる退避機構53を備える。退避機構53は、ワイヤWが鉄筋Sに巻き回された後、結束部7Aの動作と連動して変位し、ワイヤWを鉄筋Sに巻き付けるタイミングの前に、第1のガイドピン53aをワイヤWが移動する経路から退避させる。
【0042】
誘導ガイド51は、鉄筋Sに巻き回されるワイヤWにより形成されるループRuの径方向の位置を規制する第1のガイド部54と、鉄筋Sに巻き回されるワイヤWにより形成されるループRuの軸方向Ru1に沿った位置を規制する第2のガイド部55を備える。
【0043】
第1のガイド部54は、鉄筋Sに巻き回されるワイヤWにより形成されるループRuの径方向の外側に、ワイヤWの送り方向に沿って延在する面による壁面54aが設けられる。第1のガイド部54は、鉄筋SにワイヤWが巻き回されるときに、壁面54aで、鉄筋Sに巻き回されるワイヤWにより形成されるループRuの径方向の位置を規制する。
【0044】
第2のガイド部55は、ワイヤWの導入側に設けられ、鉄筋Sに巻き回されるワイヤWにより形成されるループRuの軸方向Ru1に沿った両側に、ループRuの径方向の内側に向けて壁面54aから立ち上がる面による壁面55aが設けられる。第2のガイド部55は、鉄筋SにワイヤWが巻き回されるときに、壁面55aで、鉄筋Sに巻き回されるワイヤWにより形成されるループRuの軸方向Ru1に沿った位置を規制する。
【0045】
これにより、カールガイド50から送り出されたワイヤWは、鉄筋Sに巻き回されるループRuの軸方向Ru1の位置が第2のガイド部55の壁面55aで規制され、第2のガイド部55で第1のガイド部54に誘導される。
【0046】
誘導ガイド51は、本例では、第1のガイド部54が鉄筋結束機1Aの本体部10Aに固定され、第2のガイド部55が、軸55bを支点として回転可能な状態で第1のガイド部54に支持される。第2のガイド部55は、カールガイド50から送り出されたワイヤWが入る導入側が、カールガイド50に対して離接する方向に開閉可能に構成される。これにより、鉄筋SをワイヤWで結束した後、鉄筋結束機1Aを鉄筋Sから抜く動作で第2のガイド部55を退避させて、鉄筋結束機1Aを鉄筋Sから抜く動作を容易にしている。
【0047】
次に、ワイヤWに巻き癖を付ける構成について説明する。第1の送りギア30L及び第2の送りギア30Rで送られるワイヤWは、ワイヤWにより形成されるループRuの径方向の外側の2点と、この2点の間の内側の1点の少なくとも3点で、ワイヤWにより形成されるループRuの径方向の位置が規制されることで、ワイヤWに巻き癖が付けられる。
【0048】
本例では、正方向に送らされるワイヤWの送り方向に対し、第1のガイドピン53aの上流側に設けられる第2のワイヤガイド4A
2と、第1のガイドピン53aの下流側に設けられる第2のガイドピン53bの2点で、ワイヤWにより形成されるループRuの径方向の外側の位置が規制される。また、第1のガイドピン53aで、ワイヤWにより形成されるループRuの径方向の内側の位置が規制される。
【0049】
なお、第1のガイドピン53aと第2のガイドピン53bは、ワイヤWにより形成されるループRuを円と見なした場合における仮想の中心O1に対し、矢印Xで示す前後方向においては、第1のガイドピン53aから中心O1までの距離Ds2が、第2のガイドピン53bから中心O1までの距離Ds1より短く設定される。また、矢印Yで示す上下方向においては、第1のガイドピン53aから中心O1までの距離Ds10が、第2のガイドピン53bから中心O1までの距離Ds20より短く設定される。これにより、第2のガイドピン53bの設けられる位置が、上下方向においてループRuの中心O1に近づけられ、ワイヤWに巻き癖が付けやすくなる。
【0050】
次に、鉄筋Sに巻き回されたワイヤWを切断する切断部6Aについて説明する。切断部6Aは、固定刃部60と、固定刃部60との協働でワイヤWを切断する可動刃部61と、結束部7Aの動作を可動刃部61に伝達する伝達機構62を備える。固定刃部60は、ワイヤWが通る開口60aを備え、開口60aにワイヤWを切断可能なエッジ部を設けて構成される。
【0051】
可動刃部61は、軸6aを支点とした回転動作で、固定刃部60の開口60aを通るワイヤWを切断する。伝達機構62は、結束部7Aの動作と連動して変位し、ワイヤWを鉄筋Sに巻き付けた後、ワイヤWを捩じるタイミングに合わせて可動刃部61を回転させ、ワイヤWを切断する。
【0052】
固定刃部60は、正方向に送られるワイヤWの送り方向に対して第2のワイヤガイド4A
2の下流側に設けられ、開口60aが第3のワイヤガイドを構成する。
【0053】
図5及び
図6は、結束部の一例を示す構成図で、次に、ワイヤWで鉄筋Sを結束する結束部7Aについて説明する。
【0054】
結束部7Aは、ワイヤWを把持する把持部70と、ワイヤWの一方の端部WS側と他方の端部WE側を、鉄筋S側へ曲げる折り曲げ部71を備える。
【0055】
把持部70は、固定把持部材70Cと、第1の可動把持部材70Lと、第2の可動把持部材70Rを備える。第1の可動把持部材70Lと第2の可動把持部材70Rは、固定把持部材70Cを介して左右方向に配置される。具体的には、第1の可動把持部材70Lは、固定把持部材70Cに対し、巻き回されるワイヤWの軸方向に沿った一方の側に配置され、第2の可動把持部材70Rは、他方の側に配置される。
【0056】
第1の可動把持部材70Lと固定把持部材70Cは、第1の可動把持部材70Lと固定把持部材70Cの先端側の間にワイヤWが通る。また、第2の可動把持部材70Rと固定把持部材70Cは、第2の可動把持部材70Rと固定把持部材70Cの先端側の間にワイヤWが通る。
【0057】
固定把持部材70Cは、第1の可動把持部材70L及び第2の可動把持部材70Rを回転可能に支持する軸76を備える。固定把持部材70Cは、第1の可動把持部材70L及び第2の可動把持部材70Rの後端側を軸76で支持する。これにより、第1の可動把持部材70Lは、軸76を支点とした回転動作で、先端側が固定把持部材70Cに対して離接する方向に開閉する。また、第2の可動把持部材70Rは、軸76を支点とした回転動作で、先端側が固定把持部材70Cに対して離接する方向に開閉する。
【0058】
折り曲げ部71は、把持部70の周囲を覆う形状を有し、結束部7Aの軸方向に沿って移動可能に設けられる。折り曲げ部71は、第1の可動把持部材70L及び第2の可動把持部材70Rを開閉する開閉ピン71aを備える。第1の可動把持部材70L及び第2の可動把持部材70Rは、開閉ピン71aの動作で第1の可動把持部材70L及び第2の可動把持部材70Rを開閉する開閉ガイド孔77を備える。
【0059】
開閉ピン71aは、折り曲げ部71の内部を貫通して、折り曲げ部71の移動方向に直交する。開閉ピン71aは、折り曲げ部71に固定されており、折り曲げ部71の移動に連動して移動する。
【0060】
開閉ガイド孔77は、開閉ピン71aの移動方向に沿って延在し、開閉ピン71aの直線方向の動きを、軸76を支点とした第2の可動把持部材70Rの回転による開閉動作に変換する開閉部78を備える。開閉ガイド孔77は、折り曲げ部71の移動方向に沿って第1の待機距離延在する第1の待機部770と、折り曲げ部71の移動方向に沿って第2の待機距離延在する第2の待機部771を備える。開閉部78は、第1の待機部770の一の端部から斜め外側方向に屈曲して延在し、第2の待機部771と繋がる。なお、
図5(a)、
図5(b)では、第2の可動把持部材70Rに設けられた開閉ガイド孔77を図示しているが、第1の可動把持部材70Lにも左右対称の形状で同様な開閉ガイド孔77が設けられる。
【0061】
把持部70は、
図5(a)に示すように、第1の可動把持部材70L及び第2の可動把持部材70Rが固定把持部材70Cから離れる方向に移動していることで、第1の可動把持部材70Lと固定把持部材70Cとの間、第2の可動把持部材70Rと固定把持部材70Cとの間にワイヤWが通る送り経路が形成される。
【0062】
第1の送りギア30L及び第2の送りギア30Rで送られるワイヤWは、固定把持部材70Cと第2の可動把持部材70Rの間を通り、カールガイド部5Aに誘導される。カールガイド部5Aで巻き癖が付けられたワイヤWは、固定把持部材70Cと第1の可動把持部材70Lの間を通る。
【0063】
鉄筋結束機1Aにおいて、
図1に示すカールガイド部5Aが設けられている側を前側とした場合に、折り曲げ部71が、
図6に矢印Fで示す前方向に移動することで、開閉ピン71aが開閉ガイド孔77の開閉部78を押すと、第1の可動把持部材70L及び第2の可動把持部材70Rは、軸76を支点とした回転動作で、固定把持部材70Cに近づく方向に移動する。
【0064】
図5(b)に示すように、第1の可動把持部材70Lが固定把持部材70Cに近づく方向に移動することで、第1の可動把持部材70Lと固定把持部材70Cとの間にワイヤWが把持される。また、第2の可動把持部材70Rが固定把持部材70Cに近づく方向に移動することで、第2の可動把持部材70Rと固定把持部材70Cとの間でワイヤWが通る部位には、ワイヤWを送ることが可能な間隔が形成される。
【0065】
折り曲げ部71は、第1の可動把持部材70Lと固定把持部材70Cとの間に把持されたワイヤWの一方の端部WS側を押す曲げ部71b1を備える。また、折り曲げ部71は、第2の可動把持部材70Rと固定把持部材70Cとの間に把持されたワイヤWの他方の端部WE側を押す曲げ部71b2を備える。
【0066】
折り曲げ部71は、矢印Fで示す前方向に移動することで、固定把持部材70Cと第1の可動把持部材70Lで把持されたワイヤWの一方の端部WS側を曲げ部71b1で押して、鉄筋S側へ曲げる。また、折り曲げ部71は、矢印Fで示す前方向に移動することで、固定把持部材70Cと第2の可動把持部材70Rの間通されたワイヤWの他方の端部WE側を曲げ部71b1で押して、鉄筋S側へ曲げる。
【0067】
結束部7Aは、
図2に示すように、ワイヤWの一方の端部WSの位置を規制する長さ規制部74を備える。長さ規制部74は、固定把持部材70Cと第1の可動把持部材70Lの間を通過したワイヤWの送り経路に、ワイヤWの一方の端部WSが突き当てられる部材を設けて構成される。
【0068】
図7は、固定把持部材の一例を示す構成図で、
図7(a)は、固定把持部材の側面図、
図7(b)は、
図7(a)のA−A線断面図である。固定把持部材70Cは、第2の可動把持部材70Rと対向する面700のワイヤWの導入側に導入ガイド部701を備える。
【0069】
導入ガイド部701は、固定把持部材70Cと第2の可動把持部材70Rとの間を通るワイヤWの送り経路Lと対向する位置であって、正方向に送られるワイヤWの導入側の角部に、ワイヤWの導入側に向かうに従いワイヤWの送り経路Lから退避する方向に傾斜した直線状または曲線状の斜面を設けて構成される。
【0070】
更に、結束部7Aは、回転軸82と、回転軸82の回転動作で変位する被動作部材である可動部材83と、回転軸82の回転動作と連動した可動部材83の回転を規制する回転規制部材84を備える。また、鉄筋結束機1Aは、結束部7Aを駆動する駆動部8Aを備える。駆動部8Aは、モータ80と、減速及びトルクの増幅を行う減速機81を備える。回転軸82は、減速機81を介してモータ80に駆動される。
【0071】
回転軸82と可動部材83は、回転軸82に設けたネジ部と、可動部材83に設けたナット部により、回転軸82の回転動作が、可動部材83の回転軸82に沿った前後方向への移動に変換される。結束部7Aは、折り曲げ部71が可動部材83と一体に設けられ、可動部材83の前後方向への移動で、折り曲げ部71が前後方向に移動する。
【0072】
可動部材83及び折り曲げ部71と、折り曲げ部71に支持された把持部70は、把持部70でワイヤWを把持及び折り曲げ部71でワイヤWを折り曲げる動作域では、回転規制部材84に係止されることで、回転規制部材84により回転動作が規制された状態で前後方向に移動する。また、可動部材83及び折り曲げ部71と把持部70は、回転規制部材84の係止から抜けることで、回転軸82の回転動作で回転する。
【0073】
把持部70は、可動部材83及び折り曲げ部71の回転と連動して、ワイヤWを把持した固定把持部材70C、第1の可動把持部材70L及び第2の可動把持部材70Rが回転する。
【0074】
上述した第1のガイドピン53aの退避機構53は、可動部材83の前後方向への移動を第1のガイドピン53aの変位に変換するリンク機構で構成される。また、可動刃部61の伝達機構62は、可動部材83の前後方向への移動を可動刃部61の回転動作に変換するリンク機構で構成される。
【0075】
次に、鉄筋結束機1Aの形状について説明する。鉄筋結束機1Aは、作業者が手に持って使用する形態であり、本体部10Aとハンドル部11Aを備える。鉄筋結束機1Aは、上述したカールガイド部5Aのカールガイド50と誘導ガイド51が、本体部10Aの前側の端部に設けられる。また、鉄筋結束機1Aは、上述したワイヤ送り部3A、切断部6A、駆動部8A及び駆動部8Aで駆動される結束部7A等が本体部10Aに収納される。更に、鉄筋結束機1Aは、ハンドル部11Aが本体部10Aから一の方向に延在する。また、鉄筋結束機1Aは、マガジン2Aがハンドル部11Aの前方に設けられる。
【0076】
鉄筋結束機1Aは、外装を構成する筐体100を備える。筐体100は、樹脂等の成型品で本体部10Aとハンドル部11Aの外装を構成し、本体部10Aとハンドル部11Aが一体に設けられる。
【0077】
次に、鉄筋結束機1Aの操作部について説明する。鉄筋結束機1Aは、ハンドル部11Aの前側にトリガ12Aが設けられ、トリガ12Aの操作で押されるスイッチ13Aの状態に応じて、制御部14Aが送りモータ33とモータ80を制御する。また、ハンドル部11Aの下部にバッテリ15Aが着脱可能に取り付けられる。
【0078】
図8は、本実施の形態の鉄筋結束機の要部構成の一例を示す側面図、
図9は、本実施の形態の鉄筋結束機の要部構成の一例を示す正面図、
図10は、本実施の形態の鉄筋結束機の要部構成の一例を示す正面から見た斜視図であり、次に、ワイヤWの送り経路外への侵入を規制する構成について説明する。
【0079】
鉄筋結束機1Aは、ワイヤWにより鉄筋Sを結束する動作でワイヤWが通る開口部101を備える。開口部101は、本体部10の前端で、かつ、カールガイド部5Aのカールガイド50と誘導ガイド51との間に設けた開口により構成される。
【0080】
また、鉄筋結束機1Aは、結束部7Aの把持部70及び折り曲げ部71が動作する動作空間102を備える。動作空間102は、本体部10の内部で開口部101の後方に設けた空間により構成される。
【0081】
鉄筋結束機1Aは、動作空間102で所定の送り経路Lを外れて侵入規制領域へワイヤWが侵入することを規制する侵入規制凸部103Aを備える。侵入規制凸部103Aは侵入規制部の一例で、本体部10Aの内部であって、待機状態にある第2の可動把持部材70Rが位置する側の筐体100の内面に設けた凸部で構成さる。侵入規制凸部103Aは、ワイヤ送り部3Aでカールガイド50に送られるワイヤWの送り方向に対して、結束部7Aの下流側で、カールガイド50の導入部501の一方の側方に設けられる。侵入規制凸部103Aは、筐体100の内面であって、カールガイド50の導入部501の一方の側方に位置する部位から、カールガイド50の導入部501の方向に突出する。具体的には、カールガイド50の導入部501の一方の側部に第1のガイドピン53aの退避機構53が設けられており、退避機構53の側方へのワイヤWの侵入を規制するため、侵入規制凸部103Aは、筐体100の内面であって、第1のガイドピン53aの退避機構53の側方に位置する部位から、第1のガイドピン53aの退避機構53の方向に突出する。侵入規制領域は、本例では第1のガイドピン53aの退避機構53の可動領域である。
【0082】
退避機構53は、第1のガイドピン53aの軸方向に沿って移動することで、侵入規制凸部103Aに近づく方向に退避する。このため、侵入規制凸部103Aの突出高さは、退避機構53の退避位置への移動を妨げない高さ、本例では、退避位置に移動した退避機構53が接しない高さである。
【0083】
侵入規制凸部103Aは、正常に送ることができないワイヤWが接すると、このワイヤWが本体部10Aの外部への排出方向である開口部101に向かうように誘導する排出誘導部103A
1と、正常に送ることができないワイヤWが動作空間102の後方へ侵入することを規制する侵入規制部103A
2を備える。
【0084】
排出誘導部103A
1は、ワイヤWが接する面が、本例では、動作空間102から開口部101に向かうワイヤの排出方向に対し、開口部101に近い側がワイヤ送り部3Aに近づく方向、すなわち、ワイヤ送り部3Aからカールガイド50に送られるワイヤWの送り方向に対して下流側の方向に傾斜した直線状の斜面で構成される。侵入規制部103A
2は、排出誘導部103A
1から連続する凸部を、開口部101とは反対側の動作空間102の後方に設けて構成される。
【0085】
<本実施の形態の鉄筋結束機の動作例>
【0086】
図11は、ワイヤを把持して捩じる動作の一例の詳細を示す動作説明図で、次に、各図を参照して、本実施の形態の鉄筋結束機1Aにより鉄筋Sを2本のワイヤWで結束する動作について説明する。
【0087】
鉄筋結束機1Aは、ワイヤWが第1の送りギア30Lと第2の送りギア30Rとの間に挟持され、このワイヤWの先端が、第1の送りギア30Lと第2の送りギア30Rとの挟持位置から、切断部6Aの固定刃部60との間に位置した状態が待機状態となる。また、鉄筋結束機1Aは、待機状態では、
図5(a)に示すように、第1の可動把持部材70Lが固定把持部材70Cに対して開き、第2の可動把持部材70Rが固定把持部材70Cに対して開いた状態である。
【0088】
鉄筋Sがカールガイド部5Aのカールガイド50と誘導ガイド51の間に入れられ、トリガ12Aが操作されると、送りモータ33が正回転方向に駆動され、第1の送りギア30Lが正転すると共に、第1の送りギア30Lに従動して第2の送りギア30Rが正転する。これにより、第1の送りギア30Lと第2の送りギア30Rとの間に挟持された2本のワイヤWが正方向に送られる。
【0089】
正方向に送られるワイヤWの送り方向に対し、ワイヤ送り部3Aの上流側に第1のワイヤガイド4A
1が設けられ、下流側に第2のワイヤガイド4A
2が設けられることで、2本のワイヤWが並列された状態で送られる。
【0090】
ワイヤWが正方向に送られると、ワイヤWは固定把持部材70Cと第2の可動把持部材70Rの間を通り、カールガイド部5Aのカールガイド50のガイド溝52を通過する。これにより、ワイヤWは、第2のワイヤガイド4A
2と、カールガイド50の第1のガイドピン53a及び第2のガイドピン53bの3点で、鉄筋Sの周囲に巻き回される巻き癖が付けられる。
【0091】
カールガイド50から送り出されたワイヤWは、誘導ガイド51で固定把持部材70Cと第1の可動把持部材70Lの間に誘導される。そして、ワイヤWの先端が長さ規制部74に突き当てられる位置まで送られると、送りモータ33の駆動が停止される。これにより、ワイヤWが、
図11(a)に示すように、鉄筋Sの周囲にループ状に巻き回される。
【0092】
ワイヤWの送りを停止した後、モータ80が正回転方向に駆動されることで、モータ80は、可動部材83を前方向である矢印F方向に移動させる。すなわち、可動部材83は、モータ80の回転に連動した回転動作が、回転規制部材84により規制されて、モータ80の回転が直線移動に変換される。これにより、可動部材83は前方向に移動する。
【0093】
可動部材83が前方向に移動する動作に連動して、可動部材83と一体に折り曲げ部71が回転せずに前方向に移動する。折り曲げ部71が前方向に移動すると、
図5(b)に示すように、開閉ピン71aが開閉ガイド孔77の開閉部78を通過する。
【0094】
これにより、第1の可動把持部材70Lは、軸76を支点とした回転動作で、固定把持部材70Cに近づく方向に移動する。よって、第1の可動把持部材70Lと固定把持部材70Cの間に、ワイヤWの一方の端部WS側が把持される。また、第2の可動把持部材70Rは、軸76を支点とした回転動作で、固定把持部材70Cに近づく方向に移動する。よって、第2の可動把持部材70Rと固定把持部材70Cの間でワイヤWが通る部位には、ワイヤWを送ることが可能な間隔が形成される。
【0095】
更に、可動部材83が前方向に移動すると、可動部材83の動作が退避機構53に伝達され、第1のガイドピン53aが退避する。
【0096】
第1の可動把持部材70L及び第2の可動把持部材70Rの開閉動作でワイヤWを把持する位置まで可動部材83を前進させた後、モータ80の回転を一時停止し、送りモータ33を逆回転方向に駆動する。これにより、第1の送りギア30Lが逆転すると共に、第1の送りギア30Lに従動して第2の送りギア30Rが逆転する。
【0097】
よって、第1の送りギア30Lと第2の送りギア30Rとの間に挟持されたワイヤWが逆方向に送られる。ワイヤWを逆方向に送る動作で、
図11(b)に示すように、ワイヤWは鉄筋Sに密着されるようにして巻き付けられる。
【0098】
ワイヤWを鉄筋Sに巻き付けて、送りモータ33の逆回転方向の駆動を停止した後、モータ80を正回転方向に駆動することで、可動部材83を前方向に移動させる。可動部材83が前方向に移動する動作が伝達機構62で切断部6Aに伝達されることで可動刃部61が回転し、第2の可動把持部材70Rと固定把持部材70Cで把持されたワイヤWの他方の端部WE側が、固定刃部60と可動刃部61の動作で切断される。
【0099】
本例のように2本のワイヤWで鉄筋Sを結束する場合、従来のように1本のワイヤで鉄筋Sを結束する場合と同等の結束強度を得るのであれば、ワイヤWの直径を従来より細くすることができる。このため、ワイヤWを曲げやすく、小さい力でワイヤWを鉄筋Sに密着させることができる。従って、小さい力でワイヤWを確実に鉄筋Sに巻き付けることができる。また、ワイヤWの切断時の負荷低減を図ることができる。これに伴い、鉄筋結束機1Aの各モータの小型化、機構部位の小型化による本体部全体の小型化が可能である。また、モータの小型化、負荷の低減により消費電力の低減が可能である。
【0100】
ワイヤWを切断した後、可動部材83を更に前方向に移動させることで、
図11(c)に示すように、可動部材83と一体で折り曲げ部71が前方向に移動する。折り曲げ部71が、矢印Fで示す前方向である鉄筋Sに接近する方向へ移動することで、固定把持部材70Cと第1の可動把持部材70Lで把持されたワイヤWの一方の端部WS側を、曲げ部71b1で鉄筋S側へ押圧して、把持位置を支点として鉄筋S側へ曲げる。折り曲げ部71が更に前方向に移動することで、第1の可動把持部材70Lと固定把持部材70Cとの間に、ワイヤWの一方の端部WS側が把持された状態で保持される。
【0101】
また、折り曲げ部71が、矢印Fで示す前方向である鉄筋Sに接近する方向へ移動することで、固定把持部材70Cと第2の可動把持部材70Rで把持されたワイヤWの他方の端部WE側を、曲げ部71b2で鉄筋S側へ押圧して、把持位置を支点として鉄筋S側へ曲げる。折り曲げ部71が更に前方向に移動することで、第2の可動把持部材70Rと固定把持部材70Cとの間に、ワイヤWが支持される。
【0102】
ワイヤWの端部を鉄筋S側に折り曲げた後、モータ80が更に正回転方向に駆動されることで、モータ80は、可動部材83を更に前方向である矢印F方向に移動させる。可動部材83が矢印F方向の所定の位置まで移動することで、可動部材83は回転規制部材84の係止から抜け、可動部材83の回転規制部材84による回転の規制が解除される。
【0103】
これにより、モータ80が更に正回転方向に駆動されることで、ワイヤWを把持している把持部70が折り曲げ部71と一体に回転し、
図11(d)に示すように、ワイヤWを捩じる。
【0104】
ワイヤWを捩じった後、モータ80が逆回転方向に駆動されることで、モータ80は、可動部材83を矢印Rで示す後方向に移動させる。すなわち、可動部材83は、モータ80の回転に連動した回転動作が、回転規制部材84により規制されて、モータ80の回転が直線移動に変換される。
【0105】
これにより、可動部材83が後方向に移動する。可動部材83が後方向に移動する動作に連動して、第1の可動把持部材70Lと第2の可動把持部材70Rが固定把持部材70Cから離れる方向に変位し、把持部70はワイヤWを離す。
【0106】
図12は、ワイヤが正常に送れない場合の動作の一例を示す側面図、
図13及び
図14は、ワイヤが正常に送れない場合の動作の一例を示す正面図であり、次に、ワイヤWが正常に送れない場合の動作について説明する。
【0107】
鉄筋結束機1Aでは、カールガイド部5Aで鉄筋Sの周囲にワイヤWを巻き回して、ワイヤWによるループRuを形成するために必要なワイヤWの送り量に応じて、送りモータ33を正方向に回転させる量が設定されている。
【0108】
カールガイド50と誘導ガイド51との間に入れられた鉄筋Sが所定の位置におらず、ワイヤ送り部3Aで送られるワイヤWの先端が鉄筋Sに接触すると、鉄筋Sより先にワイヤWを送ることができなくなる。
【0109】
但し、送りモータ33は予め決められた量、回転を継続するので、ワイヤWの正方向への送りが継続される。ワイヤWを正常に送ることができない状態で、ワイヤWの送りが継続されると、ワイヤWが正規の送り経路Lを外れる方向に移動しようとする。
【0110】
カールガイド50に導入されたワイヤWは、第1のガイドピン53aとガイド溝52により送り経路が規制されるので、正規の送り経路Lから外れることが抑制される。また、固定把持部材70Cと第2の可動把持部材70Rより上流側では、ワイヤは切断部6Aの固定刃部60により送り経路が規制されるので、ワイヤWが正規の送り経路Lから外れることが抑制される。
【0111】
これに対し、動作空間102には、正規の送り経路L以外にワイヤWが入ることが可能な空間がある。このため、ワイヤWの先端がカールガイド50の排出側から突出する位置まで送られた状態で、ワイヤWが正常に送れなくなった後、ワイヤWの所定量の送りが継続されると、第2の可動把持部材70Rと固定把持部材70Cとの間から、カールガイド50に導入されるまでの部分のワイヤWが、
図12及び
図13に示すように、ワイヤWを送る動作が継続されることで送り経路Lから外れ、座屈と称す折れ曲がった状態となる。
【0112】
ワイヤWの送りにより座屈するワイヤWは、
図13に示すように、待機状態にある第2の可動把持部材70Rが位置する側の筐体100に向かう。侵入規制凸部103Aは、座屈したワイヤWが向かう位置に設けられる。これにより、座屈したワイヤWが侵入規制凸部103Aに当たり、更にワイヤWが送られても、侵入規制凸部103Aを超えて退避機構53側へ侵入することが規制される。また、座屈したワイヤWが侵入規制部103A
2を超えて動作空間102の後方へ侵入することが規制される。
【0113】
上述したように、鉄筋SをワイヤWで結束する一連の動作として、ワイヤ送り部3AでワイヤWを正方向に所定量送る動作、ワイヤWの送りを停止した後、結束部7Aで折り曲げ部71を前進させる動作、折り曲げ部71の前進で第1の可動把持部材70Lと第2の可動把持部材70Rを綴じる動作、折り曲げ部71の前進で第1のガイドピン53aを退避させる動作、ワイヤ送り部3AでワイヤWを逆方向に所定量送る動作、切断部6AでワイヤWを切断する動作が行われる。
【0114】
動作空間102内でワイヤWが座屈した場合、このワイヤWが侵入規制凸部103Aを超えて退避機構53側へ侵入することが規制されるので、
図14に示すように、第1のガイドピン53aを退避させる動作で、退避機構53がワイヤWを挟むことを抑制できる。
【0115】
また、動作空間102内で座屈したワイヤWは、正方向へのワイヤWの送りにより、侵入規制凸部103Aの排出誘導部103A
1に接した部位が開口部101方向に誘導される。これにより、座屈が発生したワイヤWが切断部6Aで切断されると、この切断されたワイヤWは、鉄筋結束機1Aを開口部101が下を向くように傾ける等により、開口部101から容易に排出される。
【0116】
図15は、ワイヤを装填する動作の一例を示す要部正面図であり、次に、ワイヤWを装填する動作での異常の発生を抑制する機能について説明する。把持部70は、固定把持部材70Cと、第1の可動把持部材70L及び第2の可動把持部材70Rが、上述したように折り曲げ部71に取り付けられており、回転軸82の動作で折り曲げ部71と共に回転する。
【0117】
把持部70は、待機状態では、固定把持部材70Cの第2の可動把持部材70Rと対向する面700が、ワイヤWの送り経路Lと略平行となる向きが待機状態である。待機状態では、第1のワイヤガイド4A
1、第1の送りギア30Lと第2の送りギア30R及び第2のワイヤガイド4A
2を通るワイヤWが、固定把持部材70Cと第2の可動把持部材70Rとの間を通る。
【0118】
しかし、各部品の公差により、待機状態で把持部70が回転方向に傾斜している可能性がある。固定把持部材70Cに導入ガイド部701が設けられていない従来の構成では、固定把持部材70CにおけるワイヤWの導入側が、ワイヤWの送り経路Lに近づく方向に傾斜した場合、ワイヤWが固定把持部材70Cに接触すると、固定把持部材70Cを超えてワイヤWを送れなくなり、固定把持部材70Cと第2の可動把持部材70Rの間に送れない不良が発生する可能性がある。
【0119】
これに対し、固定把持部材70CにおいてワイヤWの導入側に導入ガイド部701を備えることで、固定把持部材70CにおけるワイヤWの導入側が、ワイヤWの送り経路Lに近づく方向に傾斜した場合でも、ワイヤWが導入ガイド部701に接することで、このワイヤWが固定把持部材70Cと第2の可動把持部材70Rの間に誘導される。これにより、ワイヤWが固定把持部材70Cに接触して送り不良が発生することが抑制される。
【0120】
特に、2本のワイヤWが並列されて送られる場合、従来は、一方のワイヤWが固定把持部材70Cに接することで送られず、他方のワイヤWが固定把持部材70Cに接しないことで送られるという送り不良が発生する可能性があった。これに対し、固定把持部材70Cに導入ガイド部701を備えることで、固定把持部材70Cに接した一方のワイヤWも、導入ガイド部701で固定把持部材70Cと第2の可動把持部材70Rの間に誘導される。これにより、2本のワイヤWを並列させた状態を維持して送ることができる。
【0121】
<本実施の形態の鉄筋結束機の変形例>
図16〜
図18は、本実施の形態の変形例の鉄筋結束機の要部構成の一例を示す側面図であり、次に、侵入規制凸部の他の実施の形態について説明する。
図16に示す侵入規制凸部103Bは侵入規制部の一例で、筐体100の内面に設けた凸部で構成され、第1のガイドピン53aの退避機構53に向けて突出する。
【0122】
侵入規制凸部103Bは、正常に送ることができないワイヤWが接すると、このワイヤWが排出方向である開口部101に向かうように誘導する排出誘導部103B
1と、正常に送ることができないワイヤWが動作空間102の後方へ侵入することを規制する侵入規制部103B
2を備える。
【0123】
排出誘導部103B
1は、ワイヤWが接する面が、本例では、動作空間102から開口部101に向かうワイヤの排出方向に対し、開口部101に近い側がワイヤ送り部3Aに近づく方向、すなわち、ワイヤ送り部3Aからカールガイド50に送られるワイヤWの送り方向に対して下流側の方向に傾斜した曲線状の斜面で構成される。侵入規制部103B
2は、排出誘導部103B
1から連続する凸部を、開口部101とは反対側の動作空間102の後方に設けて構成される。
【0124】
図17に示す侵入規制凸部103Cは侵入規制部の一例で、筐体100の内面に設けた凸部で構成され、第1のガイドピン53aの退避機構53に向けて突出する。
【0125】
侵入規制凸部103Cは、正常に送ることができないワイヤWが接すると、このワイヤWが排出方向である開口部101に向かうように誘導する排出誘導部103C
1と、正常に送ることができないワイヤWが動作空間102の後方へ侵入することを規制する侵入規制部103C
2を備える。
【0126】
排出誘導部103C
1は、ワイヤWが接する面が、本例では、動作空間102から開口部101に向かう前後に沿った直線状の面で構成される。侵入規制部103C
2は、排出誘導部103C
1から連続する凸部を、開口部101とは反対側の動作空間102の後方に設けて構成される。
【0127】
図18に示す侵入規制凸部103Dは侵入規制部の一例で、筐体100の内面に設けた凸部で構成され、第1のガイドピン53aの退避機構53に向けて突出する。
【0128】
侵入規制凸部103Dは、正常に送ることができないワイヤWが接すると、このワイヤWが排出方向である開口部101に向かうように誘導する排出誘導部103D
1と、正常に送ることができないワイヤWが動作空間102の後方へ侵入することを規制する侵入規制部103D
2を備える。
【0129】
排出誘導部103D
1は、ワイヤWが接する面が、本例では、動作空間102から開口部101に向かうワイヤの排出方向に対し、開口部101に近い側がワイヤ送り部3Aから離れる方向、すなわち、ワイヤ送り部3Aからカールガイド50に送られるワイヤWの送り方向に対して上流側の方向に傾斜した曲線状の斜面で構成される。侵入規制部103D
2は、排出誘導部103D
1から連続する凸部を、開口部101とは反対側の動作空間102の後方に設けて構成される。
【0130】
なお、以上の各実施の形態では、侵入規制部としての侵入規制凸部を筐体100に設ける構成とした。これに対し、退避機構53に、筐体100に到達する長さの侵入規制凸部を備えると共に、筐体100に、退避機構53の移動で侵入規制凸部が入る穴部を設ける構成としても良い。