(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記乾燥装置の筐体は鋼製であり、外面には放熱を低減するために保温材が設けられている。このような乾燥装置を起動させる場合、内部を十分に暖機させてから乾燥媒体を内部に投入するが、放熱が起こりやすい乾燥装置内壁部では乾燥媒体の状態によって水蒸気等の流動化ガスや乾燥媒体から放出された水蒸気が凝縮されやすい。このような凝縮によって発生する凝縮液は、乾燥媒体の流動化を阻害する要因となり、乾燥装置の安定運転を妨害する。
【0005】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、凝縮を抑制あるいは防止することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明では、乾燥装置に係る第1の解決手段として、筐体内に取り込んだ対象物を流動化ガスで流動化させつつ乾燥させる乾燥装置であって、前記流動化ガスを加熱する加熱手段を備える、という手段を採用する。
【0007】
本発明では、乾燥装置に係る第2の解決手段として、上記第1の解決手段において、前記加熱手段は前記筐体の側面を加熱することによって前記流動化ガスを加熱する、という手段を採用する。
【0008】
本発明では、乾燥装置に係る第3の解決手段として、上記第1または第2の解決手段において、前記加熱手段は、前記筐体に設けられた伝熱管を備える、という手段を採用する。
【0009】
本発明では、乾燥装置に係る第4の解決手段として、上記第3の解決手段において、前記伝熱管は、前記筐体の上下方向に延在する、という手段を採用する。
【0010】
本発明では、乾燥装置に係る第5の解決手段として、上記第3または第4の解決手段において、前記伝熱管は入口ヘッダ管と出口ヘッダ管との間に複数設けられる、という手段を採用する。
【0011】
本発明では、ボイラシステムに係る解決手段として、上記第1〜第5のいずれかの解決手段に係る乾燥装置を備え、前記加熱手段は、ボイラ本体から水蒸気を熱媒として取り込んで前記流動化ガスを加熱する、という手段を採用する。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、筐体を加熱する加熱手段を備えるので、凝縮を抑制あるいは防止することが可能である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態について説明する。
本実施形態に係る乾燥装置Aは、燃料を燃やして水蒸気を成果物として発生させるボイラシステムに設けられるものであり、低品位炭C(乾燥対象物)を乾燥処理してボイラ本体に燃料として供給する。上記低品位炭Cは、例えば石炭の中では比較的水分が多い褐炭であり、前工程に設けられた粉砕機により所定の粒径範囲に破砕された粒子状の含水物である。
【0015】
このような乾燥装置Aは、
図1に示すように、直方体形状(箱形)の外形を備えた流動層型の乾燥炉であり、筐体1、炭投入部2、ガス取入部3、一対の第1熱媒ヘッダ管4A,4B、4対の第2熱媒ヘッダ管5A〜5D,5E〜5H、炭排出部6及びガス排気部7を備えている。
【0016】
また、この乾燥装置Aは、
図3に示すように、ガス取入部3に連通する複数のガス噴射部8を備えている。さらに、この乾燥装置Aは、
図2や
図3に示すように、一対の第1熱媒ヘッダ管4A,4Bに連通する複数の第1伝熱管9、また4対の第2熱媒ヘッダ管5A〜5D,5E〜5Hに各々連通する複数の第2伝熱管10A〜10Dを備えている。
【0017】
筐体1は、金属製の直方体形状(箱形)であり、乾燥能力に応じた内部容積を備えている。すなわち、この筐体1は、4つの側面(4側面)と1つの底面と1つの上面とを備えた箱形の中空体であり、内部に低品位炭Cを収容する。このような筐体1の内部空間は、低品位炭Cが乾燥処理される乾燥室である。また、詳細については後述するが、この筐体1は、4側面に複数の第2伝熱管10A〜10Dが所定間隔で設けられている。
【0018】
炭投入部2は、外部から供給された低品位炭Cを受け入れるための受入開口部であり、筐体1の一側面のうち比較的高い位置に設けられている。この炭投入部2は、
図1に示すように投入口が上向きに設定されており、上方から供給される低品位炭Cを乾燥室に案内する。低品位炭Cは、このような炭投入部2から取り込まれて、乾燥室に収容される。
【0019】
ガス取入部3は、筐体1の一側面の底面近傍に設けられている。このガス取入部3は、筐体1の4側面のうち、
図1に示すように例えば炭投入部2と同一面に設けられている。このようなガス取入部3は、乾燥室の低品位炭Cを流動化させるための流動化ガスGを乾燥室内に取り込むための開口部である。この流動化ガスGは、例えば水蒸気であり、ボイラ本体から供給される。
【0020】
一対の第1熱媒ヘッダ管4A,4Bは、図示するように上記炭投入部2の設置面に直交する側面の中程に、上下方向に所定距離を隔てて水平対向するように設けられている。すなわち、一対の第1熱媒ヘッダ管4A,4Bは、一側面において所定距離を隔てて平行対峙した状態で水平方向に延在する直管である。
【0021】
このような一対の第1熱媒ヘッダ管4A,4Bのうち、上側の第1熱媒ヘッダ管4Aは、外部から供給された第1熱媒Nを複数の第1伝熱管9に分配する入口ヘッダ管であり、下側の第1熱媒ヘッダ管4Bは、熱交換後の第1熱媒(使用済第1熱媒Na)を複数の第1伝熱管9から回収して外部に排出する出口ヘッダ管である。なお、上記第1熱媒Nは、例えばボイラ本体から熱媒として取り込んだ水蒸気である。
【0022】
4対の第2熱媒ヘッダ管5A〜5D,5E〜5Hは、上下方向に所定距離を隔てて水平対向するように筐体1の4側面にそれぞれ設けられている。すなわち、一対の第2熱媒ヘッダ管5A,5Eは、炭投入部2の設置面において上下方向に所定距離を隔てて平行対峙した状態、つまり炭投入部2を挟むように水平方向に延在する直管である。一対の第2熱媒ヘッダ管5B,5Fは、一対の第1熱媒ヘッダ管4A,4Bの設置面において、上下方向に所定距離を隔てて平行対峙した状態、つまり一対の第1熱媒ヘッダ管4A,4Bを挟むように水平方向に延在する直管である。
【0023】
一対の第2熱媒ヘッダ管5C,5Gは、炭投入部2の設置面に平行対峙する側面(設置面)において上下方向に所定距離を隔てて平行対峙した状態、つまり炭排出部6を挟むように水平方向に延在する直管である。また、一対の第2熱媒ヘッダ管5D,5Hは、一対の第1熱媒ヘッダ管4A,4Bの設置面に平行対峙する側面(設置面)において上下方向に所定距離を隔てて平行対峙した状態で水平方向に延在する直管である。
【0024】
このような4対の第2熱媒ヘッダ管5A〜5D,5E〜5Hのうち、上側に位置する第2熱媒ヘッダ管5A〜5Dは、外部から供給された第2熱媒Mを複数の第2伝熱管10A〜10Dに分配する入口ヘッダ管であり、下側に位置する第2熱媒ヘッダ管5E〜5Hは、熱交換後の第2熱媒M(使用済第2熱媒Ma)を複数の第2伝熱管10A〜10Dから回収して外部に排出する出口ヘッダ管である。
【0025】
なお、これら4対の第2熱媒ヘッダ管5A〜5D,5E〜5Hのうち、上側の第2熱媒ヘッダ管5A〜5Dは、図示するように略同一高さに設けられ、また下側の第2熱媒ヘッダ管5E〜5Hは、図示するように略同一高さに設けられている。なお、上記第2熱媒Nは、例えばボイラ本体から熱媒として取り込んだ水蒸気である。
【0026】
炭排出部6は、炭投入部2の設置面に平行対峙する側面(設置面)つまり炭投入部2から離間した状態で設けられている。この炭排出部6は、乾燥処理済みの低品位炭、つまり乾燥低品位炭Caを外部に排出するための排出口である。このような炭排出部6は、
図1に示すように排出口が下向きに形成されており、乾燥低品位炭Caを下方に落下させる。
【0027】
ガス排気部7は、筐体1の上面に設けられた開口部である。このガス排気部7は、ガス噴射部8から乾燥室に噴射されて低品位炭Cの流動化に寄与した流動化ガス、つまり使用済流動化ガスGaを外部に排気する。
【0028】
ガス噴射部8は、筐体1の底面に所定間隔を隔てて2次元状に配置された噴射ノズルである。このガス噴射部8は、上側に位置する低品位炭Cに向けて流動化ガスGを噴射することによって乾燥室の低品位炭Cを流動化させる。すなわち、乾燥室には、複数のガス噴射部8から噴射される流動化ガスGによって、低品位炭Cの流動層Rが形成される。
【0029】
複数の第1伝熱管9は、一対の第1熱媒ヘッダ管4A,4Bに連通する金属管であり、一方の第1熱媒ヘッダ管4Aから供給された第1熱媒Nが他方の第1熱媒ヘッダ管4Bに向かって流通する。これら複数の第1伝熱管9は、上記流動層R内に存在し、低品位炭Cとの熱交換によって当該低品位炭Cを加熱する。
【0030】
複数の第2伝熱管10A〜10Dは、4対の第2熱媒ヘッダ管5A〜5D,5E〜5Hに各々連通する金属管であり、一方の第2熱媒ヘッダ管5A〜5Dから供給された第2熱媒Mが他方の第2熱媒ヘッダ管5E〜5Hに向かって流通する。複数の第2伝熱管10A〜10Dは、
図2や
図3に示すように、筐体1の4側面にそれぞれ設けられている。
【0031】
このような複数の第2伝熱管10A〜10Dのうち、第2伝熱管10Aは、筐体1の4側面のうち、炭投入部2の設置面に設けられた第2熱媒ヘッダ管5A(入口ヘッダ管)と第2熱媒ヘッダ管5E(出口ヘッダ管)との間に複数設けられている。また、第2伝熱管10Bは、一対の第1熱媒ヘッダ管4A,4Bの設置面に設けられた第2熱媒ヘッダ管5B(入口ヘッダ管)と第2熱媒ヘッダ管5F(出口ヘッダ管)との間に複数設けられている。
【0032】
また、第2伝熱管10Cは、炭排出部6の設置面に設けられた第2熱媒ヘッダ管5C(入口ヘッダ管)と第2熱媒ヘッダ管5G(出口ヘッダ管)との間に複数設けられている。さらに、第2伝熱管10Dは、一対の第1熱媒ヘッダ管4A,4Bの設置面に平行対峙する側面に設けられた第2熱媒ヘッダ管5D(入口ヘッダ管)と第2熱媒ヘッダ管5H(出口ヘッダ管)との間に複数設けられている。
【0033】
これら複数の第2伝熱管10A〜10Dは、上側の第2熱媒ヘッダ管5A〜5Dと下側の第2熱媒ヘッダ管5E〜5Hとの間において筐体1の上下方向に延在する。また、このような複数の第2伝熱管10A〜10Dが設けられた筐体1の4側面は、筐体1内に噴き込まれた流動化ガスGが凝縮し易い箇所として選定されたものである。
【0034】
このように筐体1の4側面に設けられた複数の第2伝熱管10A〜10D、当該第2伝熱管10A〜10Dに連通し、複数の第2伝熱管10A〜10Dに第2熱媒Mを供給する第2熱媒ヘッダ管5A〜5D(入口ヘッダ管)及び複数の第2伝熱管10A〜10Dから第2熱媒Mを回収する第2熱媒ヘッダ管5E〜5H(出口ヘッダ管)は、本発明における加熱手段を構成している。すなわち、本実施形態における第2熱媒ヘッダ管5A〜5H及び第2伝熱管10A〜10Dは、ボイラ本体から水蒸気を熱媒として取り込んで流動化ガスGを加熱する。
【0035】
次に、このように構成された乾燥装置Aの動作について詳しく説明する。
本実施形態に係る乾燥装置Aは、外部から連続的に供給される低品位炭Cを炭投入部2で順次受け入れて乾燥処理を施し、当該乾燥処理によって得られた乾燥低品位炭Caを炭排出部6から外部に順次排出する。
【0036】
すなわち、炭投入部2から順次取り込まれた低品位炭Cは、筐体1の乾燥室においてガス噴射部8から流動化ガスGが順次噴射されるによって連続的に流動化し、流動層Rを形成する。そして、この低品位炭Cは、流動層R内に複数存在する第1伝熱管9との熱交換によって加熱される。この結果、低品位炭Cが内包する水分は、水蒸気化して低品位炭Cから分離して乾燥室を上昇し、最終的にガス排気部7から筐体1の外部に排気される。
【0037】
そして、乾燥室の低品位炭Cは、このような流動化ガスGによる流動化と第1伝熱管8による加熱とを受けることによって徐々に乾燥される。また、この低品位炭Cは、炭投入部2の近傍から炭排出部6に向かって徐々に移動し、最終的に乾燥低品位炭Caとして炭排出部6から外部に排出される。
【0038】
ここで、このような乾燥装置Aでは、複数のガス噴射部8から流動層R内に流動化ガスGが噴射されるが、筐体1の4側面(所定箇所)近傍に噴射された流動化ガスGは、4側面(所定箇所)が外気によって冷却されるために凝縮し易い。このような事情に対して、乾燥装置Aでは、筐体1の4側面(所定箇所)に複数の第2伝熱管10A〜10Dが設けられており、4側面(所定箇所)が第2伝熱管10A〜10D内を流れる第2熱媒Mによって十分に加熱されるので、上述した流動化ガスGの凝縮を抑制あるいは防止することが可能である。
【0039】
したがって、本実施形態に係る乾燥装置Aによれば、流動化ガスGの凝縮を抑制あるいは防止することが可能なので、流動化ガスGの凝縮液に起因して流動層Rにおける低品位炭Cの流動不良を抑制あるいは解消することが可能である。そして、この結果として本実施形態に係る乾燥装置Aによれば、乾燥装置Aの安定運転を実現することが可能である。
【0040】
また、この乾燥装置Aでは、一対の第2熱媒ヘッダ管5A〜5D,5E〜5Hを上下方向に対向させることにより、複数の第2伝熱管10A〜10Dを筐体1の上下方向に延在させるので、上側の第2熱媒ヘッダ管5A〜5D(入口ヘッダ管)から供給された第2熱媒Mが第2伝熱管10A〜10D内で凝縮するような事態が発生しても、この凝縮水を重力の作用によって容易に下側の第2熱媒ヘッダ管5E〜5H(出口ヘッダ管)に回収することが可能である。
【0041】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、例えば以下のような変形例が考えられる。
(1)上記実施形態では、第2熱媒ヘッダ管5A〜5D,5E〜5H及び第2伝熱管10A〜10Dによって加熱手段を構成したが、本発明はこれに限定されない。すなわち、上記実施形態では、第2熱媒Mによって筐体1の4側面を加熱したが、加熱手段として他の加熱手法を採用してもよい。例えば、第2熱媒ヘッダ管5A〜5D,5E〜5H及び第2伝熱管10A〜10Dに代えて、電気ヒータを採用してもよい。
【0042】
また、上記実施形態では、筐体1の内側に第2伝熱管10A〜10Dを設けたが、本発明はこれに限定されない。筐体1及び複数の第2伝熱管10A〜10Dに代えて、例えば平行配置された複数の伝熱管の周面同士を相互接続することにより、加熱手段の機能を備えた筐体(壁面)を構成しても良い。また、この場合に、互いに隣り合う伝熱管の周面同士を直接接続するのではなく、伝熱管の間に当該伝熱管を接続するための部材(接続部材)を挿入しても良い。
【0043】
(2)上記実施形態では、筐体1の4側面を所定箇所として複数の第2伝熱管10A〜10Dを設けたが、本発明はこれに限定されない。筐体1の4側面の一部、例えば4側面の下部のみに複数の第2伝熱管10A〜10Dを設けてもよい。すなわち、筐体1の4側面のうち、流動層Rに流動化ガスGを噴射するガス噴射部8の近傍領域のみを選択的に加熱してもよい。
【0044】
(3)上記実施形態では、第2熱媒Mを第2伝熱管10A〜10D内に流通させることによって4側面(所定箇所)を加熱するが、この流通は、乾燥装置Aの運転期間中、常に行ってもよいが、乾燥装置Aの運転状態や周囲温度等に応じて必要な期間だけ行ってもよい。この期間として、例えば乾燥装置Aの運転開始から所定時間が考えられる。
【0045】
(4)上記実施形態では、
図1〜
図3に示すように、4対の第2熱媒ヘッダ管5A〜5D,5E〜5Hを筐体1の4側面の外側に配置し、これに対して複数の第2伝熱管10A〜10Dを筐体1の4側面の内側に配置した。このような構成によれば、複数の第2伝熱管10A〜10Dを筐体1の4側面の内側に配置されているので、流動化ガスGの凝縮を効率よく抑制することが可能である。
【0046】
しかしながら、必要に応じて複数の第2伝熱管10A〜10Dを筐体1の4側面の外側に配置してもよい。また、4対の第2熱媒ヘッダ管5A〜5D,5E〜5Hについても、必要に応じて筐体1の4側面の内側に配置してもよい。