(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
原料として少なくとも下記成分(A)〜(C)及び成分(D)を混練処理して熱可塑性エラストマー組成物を製造する方法であって、工程(1);少なくとも成分(A)〜(C)を混練処理する工程と、工程(2):成分(D)を工程(1)の後に混合又は反応させる工程を少なくとも含み、かつ成分(A)〜(C)の合計量100質量部に対する成分(D)の割合を0.1〜100質量部とする熱可塑性エラストマー組成物の製造方法。
成分(A):下記成分(A1)及び成分(A2)を含むポリプロピレン系樹脂
成分(A1):融解ピーク温度が157℃以上175℃以下であるプロピレン単独重合体
成分(A2):融解ピーク温度が100℃以上157℃未満であるプロピレン・エチレンランダム共重合体
成分(B):エチレン・α−オレフィン系共重合体ゴム
成分(C):架橋剤
成分(D):4−メチル−1−ペンテン・プロピレン共重合体
成分(A)中の成分(A1)の含有量が、成分(A1)と成分(A2)の合計量100質量部に対し、50質量部以上、95質量部以下である、請求項1又は2に記載の熱可塑性エラストマー組成物の製造方法。
成分(A)と成分(B)の合計量100質量部に対する成分(A)の割合が40〜70質量部で、成分(B)の割合が30〜60質量部である、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の熱可塑性エラストマー組成物の製造方法。
更に下記成分(E)を原料として用い、かつその使用量が成分(B)100質量部に対して80〜160質量部である、請求項1ないし4のいずれか1項に記載の熱可塑性エラストマー組成物の製造方法。
成分(E):炭化水素系ゴム用軟化剤
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の説明に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、任意に変形して実施することができる。なお、本明細書において、「〜」を用いてその前後に数値又は物性値を挟んで表現する場合、その前後の値を含むものとして用いることとする。
【0019】
〔熱可塑性エラストマー組成物の製造方法〕
本発明の熱可塑性エラストマー組成物の製造方法は、原料として少なくとも下記成分(A)〜(C)及び成分(D)を混練処理して熱可塑性エラストマー組成物を製造する方法であって、工程(1);少なくとも成分(A)〜(C)を混練処理する工程と、工程(2):成分(D)を工程(1)の後に混合又は反応させる工程を少なくとも含み、かつ成分(A)〜(C)の合計量100質量部に対する成分(D)の割合を0.1〜100質量部とすることを特徴とする。
成分(A):ポリプロピレン系樹脂
成分(B):エチレン・α−オレフィン系共重合体ゴム
成分(C):架橋剤
成分(D):4−メチル−1−ペンテン・エチレン及び/又はα−オレフィン共重合体
【0020】
なお、以下において、本発明の熱可塑性エラストマー組成物の製造方法により製造された熱可塑性エラストマー組成物を「本発明の熱可塑性エラストマー組成物」と称し、後述の本発明の成形体の製造方法により製造された成形体を「本発明の成形体」と称す場合がある。
【0021】
[メカニズム]
本発明の熱可塑性エラストマー組成物の製造方法によれば、得られる成形体が防振性と圧縮永久歪(へたり性)に優れ、成形性(流動性)が良好な熱可塑性エラストマー組成物を製造することができるという効果が奏される。
本発明の熱可塑性エラストマー組成物の製造方法がこのような効果を奏する理由の詳細は定かではないが、防振性成分である成分(D):4−メチル−1−ペンテン・エチレン及び/又はα−オレフィン共重合体を工程(2)(後工程)として添加することで、従来の一括添加では成し得なかった圧縮永久歪性付与成分である成分(B)と防振性付与成分である成分(D)の各々の均一分散による優れた効果が発現されることによると考えられる。すなわち成分(D)を後工程で添加することで、工程(1)のせん断力は、主に成分(B):エチレン・α−オレフィン系共重合体ゴムの分散に使われ、この状態で架橋反応が中間まで進行するため、工程(1)で得られる組成物は、成分(A)のマトリックス相中に成分(B)のドメインが均一に分散したマトリックス・ドメイン構造となる。ここに成分(D)を添加することで、工程(2)のせん断力は、主に成分(D)の分散に使われることとなり、マトリックス・ドメイン構造のマトリックス側に成分(D)が良好に分散した状態で動的熱処理が完了するため、最終的に成分(B)、成分(D)各々が成分(A)中に均一に分散した組成物が得られる。成分(D)の組成は成分(A)により近いため、成分(A)によってもたらされる流動性が損なわれることはなく、これが圧縮永久歪(へたり性)を維持した上で、成分(D)による防振性が有効に発揮されると共に、流動性にも優れた熱可塑性エラストマー組成物が得られるメカニズムであると推定される。
成分(B)と成分(D)を同時に添加する従来の一括添加の方法では、せん断力が成分(B)、成分(D)の分散に振り分けられてしまうばかりか架橋反応も同時に進行するため、上述したような各々の成分の均一分散が得られにくく、防振性と圧縮永久歪(へたり性)の両立が困難であると考えている。
【0022】
[成分(A)]
本発明の熱可塑性エラストマー組成物に用いる成分(A)は、好ましくは下記成分(A1)及び成分(A2)を含むポリプロピレン系樹脂であり、これらを含むものであれば、その他のポリプロピレン系樹脂を含むものであってもよい。なお、本発明において、「ポリプロピレン系樹脂」とはプロピレン単位の含有量が50質量%以上であるものを意味する。本発明において、成分(A)は主に押出成形性に寄与する。
成分(A1):融解ピーク温度が157℃以上175℃以下であるプロピレン系重合体
成分(A2):融解ピーク温度が100℃以上157℃未満であるプロピレン系ランダム共重合体
【0023】
なお、成分(A1)及び成分(A2)の融解ピーク温度は、JIS K7121に従い、以下の方法により測定することができる。
即ち、示差走査熱量計(エスエスアイ・ナノテクノロジー社製DSC6220)を用いて、以下の工程(1)〜(3)を順に実施してポリプロピレン系樹脂の融解挙動を測定する。
各工程において横軸に時間、縦軸に融解熱量をプロットして融解曲線を取得し、工程(3)において観測されるピークのピークトップを融解ピーク温度とする。
工程(1):試料5mgを室温から100℃/分の速度で40℃から200℃まで昇温し、昇温終了後、3分間保持する。
工程(2):200℃から10℃/分の速度で40℃まで降温し、降温終了後、3分間保持する。
工程(3):40℃から10℃/分の速度で200℃まで昇温する。
【0024】
成分(A1)のプロピレン系重合体は、融解ピーク温度が157℃以上175℃以下である。成分(A1)は主として熱可塑性エラストマー組成物に耐熱性を付与する成分である。
【0025】
成分(A1)の融解ピーク温度が157℃以上であることにより、耐熱性が付与される。この観点から、成分(A1)の融解ピーク温度は、好ましくは160℃以上である。一方、上限は175℃以下、好ましくは170℃以下である。
【0026】
成分(A1)のプロピレン系重合体において、プロピレン単位の含有量は、成分(A1)を構成する単量体単位の合計量に対し、好ましくは90質量%以上、より好ましくは98〜100質量%である。成分(A1)のプロピレン単位の含有量が上記範囲であると、前述の融解ピーク温度の範囲となり易いために好ましい。なお、成分(A1)の各構成単位の含有量は赤外分光法により求めることができる。後述の成分(A2)、成分(B)についても同様である。
【0027】
成分(A1)はプロピレン単独重合体であっても、ランダム共重合体であってもブロック共重合体であってもよいが、成分(A1)としてプロピレン単独重合体を含むことが好ましい。
【0028】
成分(A1)のプロピレン系重合体は、プロピレン以外の構成単位を有するものであってもよく、例えば、エチレンやプロピレン以外のα−オレフィンと共重合されたものを含むものであってもよい。この場合、成分(A1)が含んでいてもよいα−オレフィン単位としては、例えば、1−ブテン単位、1−ペンテン単位、1−ヘキセン単位、1−へプテン単位、1−オクテン単位、1−ノネン単位、1−デセン単位、1−ウンデセン単位、1−ドデセン単位、1−トリデセン単位、1−テトラデセン単位、1−ペンタデセン単位、1−ヘキサデセン単位、1−ヘプタデセン単位、1−オクタデセン単位、1−ノナデセン単位、1−エイコセン単位、3−メチル−1−ブテン単位、3−メチル−1−ペンテン単位、4−メチル−1−ペンテン単位、2−エチル−1−ヘキセン単位、2,2,4−トリメチル−1−ペンテン単位等が挙げられる。成分(A1)はこれらの1種のみを含むものであっても、2種以上を含むものであってもよい。成分(A1)がプロピレン単位以外の構成単位を含む場合、他の構成単位の好ましいものとしては、エチレン単位、1−ブテン単位等が挙げられる。
【0029】
成分(A2)のプロピレン系ランダム共重合体は、融解ピーク温度が100℃以上157℃未満である。成分(A2)は成分(A)と成分(B)との間での相溶性を良好とするための成分である。
【0030】
成分(A2)の融解ピーク温度は、100℃以上であり、125℃以上であることが好ましい。一方、成分(A2)の融解ピーク温度は、157℃未満である。成分(A2)の融解ピーク温度が上記下限値以上であると耐熱性の観点で好ましく、上記上限値未満であると成分(A)と成分(B)との相溶性の観点で好ましい。
【0031】
成分(A2)のプロピレン系ランダム共重合体において、プロピレン単位の含有量は、成分(A2)を構成する単量体単位の合計量に対し、好ましくは60〜99質量%であり、より好ましくは80〜98質量%である。成分(A2)のプロピレン単位の含有量が上記範囲であると、前述の融解ピーク温度の範囲となり易いために好ましい。
【0032】
成分(A2)のプロピレン系ランダム共重合体は、プロピレン単位とプロピレン単位以外の構成単位を有する共重合体である。プロピレン単位以外の構成単位として、具体的には、エチレン単位やプロピレン単位以外のα−オレフィン単位が挙げられる。成分(A2)が含んでいてもよいプロピレン単位以外の構成単位としては、例えば、エチレン単位、1−ブテン単位、1−ペンテン単位、1−ヘキセン単位、1−へプテン単位、1−オクテン単位、1−ノネン単位、1−デセン単位、1−ウンデセン単位、1−ドデセン単位、1−トリデセン単位、1−テトラデセン単位、1−ペンタデセン単位、1−ヘキサデセン単位、1−ヘプタデセン単位、1−オクタデセン単位、1−ノナデセン単位、1−エイコセン単位、3−メチル−1−ブテン単位、3−メチル−1−ペンテン単位、4−メチル−1−ペンテン単位、2−エチル−1−ヘキセン単位、2,2,4−トリメチル−1−ペンテン単位等が挙げられる。成分(A2)は、これらの1種のみを含むものであっても、2種以上を含むものであってもよい。成分(A2)に含まれるプロピレン単位以外の構成単位の好ましいものとしては、エチレン単位、1−ブテン単位等が挙げられる。
【0033】
成分(A1)及び成分(A2)のプロピレン系重合体の製造方法としては、公知のオレフィン重合用触媒を用いた公知の重合方法が用いられる。例えば、チーグラー・ナッタ系触媒を用いた重合法を挙げることができる。該重合法には、スラリー重合法、溶液重合法、塊状重合法、気相重合法等を用いることができ、これらを2種以上組み合わせてもよい。
【0034】
成分(A1)及び成分(A2)は市販品として入手することもできる。これらに該当する市販品としては、プライムポリマー社のPrim Polypro(登録商標)、住友化学社の住友ノーブレン(登録商標)、サンアロマー社のポリプロピレンブロックコポリマー、日本ポリプロ社のノバテック(登録商標)PP、LyondellBasell社のMoplen(登録商標)、ExxonMobil社のExxonMobil PP、Formosa Plastics社のFormolene(登録商標)、Borealis社のBorealis PP、LG Chemical社のSEETEC PP、A.Schulman社のASI POLYPROPYLENE、INEOS Olefins&Polymers社のINEOS PP、Braskem社のBraskem PP、SAMSUNG TOTAL PETROCHEMICALS社のSumsung Total、Sabic社のSabic(登録商標)PP、TOTAL PETROCHEMICALS社のTOTAL PETROCHEMICALS Polypropylene、SK社のYUPLENE(登録商標)等があり、これらの中から適宜選択し、組み合わせて用いることができる。
【0035】
成分(A1)、成分(A2)はそれぞれ1種のみを用いてもよく、組成や物性の異なるものを2種以上組み合わせて用いてもよい。
【0036】
成分(A1)の含有量は、成分(A1)と成分(A2)の合計量100質量部に対し、耐熱性、剛性、分散性等の観点から、50質量部以上であることが好ましく、60質量部以上であることがより好ましく、70質量部以上であることが更に好ましい。一方、成分(A)と成分(B)との相溶性の観点から、成分(A1)の含有量は、成分(A1)と成分(A2)の合計量100質量部に対し、95質量部以下であることが好ましく、90質量部以下であることがより好ましく、85質量部以下であることが更に好ましい。
【0037】
なお、成分(A)は、成分(A1)及び成分(A2)以外のポリプロピレン系樹脂を含むものであってもよいが、成分(A1)及び成分(A2)の効果を有効に得る上で、成分(A)は、その100質量部中に成分(A1)と成分(A2)とを合計で30質量部以上含むことが好ましく、40質量部以上含むことがより好ましく、50〜100質量部含むことが更に好ましい。
【0038】
[成分(B)]
本発明の熱可塑性エラストマー組成物に用いる成分(B)はエチレン・α−オレフィン系共重合体ゴム(ただし、成分(A)に該当するものを除く。)である。成分(B)は本発明の熱可塑性エラストマーに柔軟性を付与する成分である。
【0039】
成分(B)は、少なくともエチレン単位とα−オレフィン単位とを含む共重合体であれば特に制限されないが、好ましくは更に非共役ジエン単位を含むエチレン・α−オレフィン・非共役ジエン共重合体である。
【0040】
成分(B)が含有するα−オレフィン単位としては、1−プロピレン単位、1−ブテン単位、2−メチルプロピレン単位、1−ペンテン単位、3−メチル−1−ブテン単位、1−ヘキセン単位、4−メチル−1−ペンテン単位、1−オクテン単位等を例示することができる。成分(B)に用いられるα−オレフィン単位は好ましくは、1−プロピレン単位、1−ブテン単位、1−ヘキセン単位、1−オクテン単位等の末端の炭素原子に炭素間二重結合を有する炭素数3〜8のα−オレフィン単位である。成分(B)は、これらのα−オレフィン単位の1種のみを含むものであっても、2種以上を含むものであってもよい。
【0041】
成分(B)が含有する非共役ジエン単位としては、1,4−ヘキサジエン、1,6−オクタジエン、2−メチル−1,5−ヘキサジエン、6−メチル−1,5−ヘプタジエン、7−メチル−1,6−オクタジエンのような鎖状非共役ジエンに基づく単位;シクロへキサジエン、ジシクロペンタジエン、メチルテトラヒドロインデン、5−ビニルノルボルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−メチレン−2−ノルボルネン、5−イソプロピリデン−2−ノルボルネン、6−クロロメチル−5−イソプロペニル−2−ノルボルネンのような環状非共役ジエンに基づく単位等が挙げられる。これらの中でも好ましくは、5−エチリデン−2−ノルボルネン単位、ジシクロペンタジエン単位である。
成分(B)はこれらの非共役ジエン単位の1種のみを含むものであってもよく、2種以上を含むものであってもよい。
【0042】
成分(B)のエチレン単位の含有量は、成分(B)を構成する単量体単位の合計量に対し、好ましくは30質量%以上であり、より好ましくは40質量%以上であり、更に好ましくは50質量%以上であり、一方、好ましくは90質量%以下であり、より好ましくは80質量%以下である。エチレン単位の含有量が上記範囲であると適度な柔軟性を与えるため好ましい。
【0043】
成分(B)において、α−オレフィン単位の含有量は、成分(B)を構成する単量体単位の合計量に対し、好ましくは10質量%以上であり、より好ましくは20質量%以上であり、一方、好ましくは50質量%以下であり、より好ましくは40質量%以下である。α−オレフィン単位の含有量が上記範囲であると適度な柔軟性を与えるために好ましい。
【0044】
成分(B)において、非共役ジエン単位の含有量は、成分(B)を構成する単量体単位の合計量に対し、好ましくは1質量%以上であり、好ましくは3質量%以上であり、一方、好ましくは10質量%以下であり、好ましくは8質量%以下である。非共役ジエン単位の含有量が上記下限値以上であると熱可塑性エラストマー組成物の架橋度を高める観点から好ましく、また、上記上限値以下であると成形性の観点から好ましい。
【0045】
成分(B)のムーニー粘度(ML
1+4、125℃)は、通常30〜120であり、好ましくは40〜100である。成分(B)のムーニー粘度(ML
1+4、125℃)が上記範囲であると成形性の観点で好ましい。
【0046】
成分(B)は、密度が0.850g/cm
3以上であることが好ましく、0.860g/cm
3以上であることがより好ましく、一方、0.900g/cm
3以下であることが好ましく、0.890g/cm
3以下であることがより好ましい。成分(B)の密度が上記下限値以上であると加工性の観点で好ましく、一方、上記上限値以下であると柔軟性の観点で好ましい。成分(B)の密度はJIS K7112に基づいて測定することができる。
【0047】
成分(B)のメルトフローレートは限定されないが、通常10g/10分未満であり、強度の観点から、好ましくは9.0g/10分以下であり、より好ましくは8.0g/10分以下であり、更に好ましくは7.0g/10分以下である。また、成分(B)のメルトフローレートは、通常0.01g/10分以上であり、流動性の観点から、好ましくは0.05g/10分以上であり、更に好ましくは0.10g/10分以上である。成分(B)のメルトフローレート(MFR)は、JIS K7210に従い、測定温度230℃、測定荷重49Nの条件で測定される。
【0048】
成分(B)の製造方法としては、公知のオレフィン重合用触媒を用いた公知の重合方法が用いられる。例えば、チーグラー・ナッタ系触媒、メタロセン系錯体や非メタロセン系錯体等の錯体系触媒を用いた、スラリー重合法、溶液重合法、塊状重合法、気相重合法等が挙げられる。
【0049】
成分(B)は市販品を用いることもできる。例えば、JSR社製JSR EPT、三井化学社製三井EPT、住友化学社製エスプレン(登録商標)、LANXESS社製Keltan(登録商標)、Dow社製Nordel(登録商標)、ExxonMobil社製Vistalon(登録商標)等から該当品を選択して使用することができる。
【0050】
成分(B)は、1種のみを用いてもよく、組成や物性の異なるものを2種以上組み合わせて用いてもよい。
【0051】
[成分(A)と成分(B)の割合]
本発明の熱可塑性エラストマー組成物の製造方法において、成分(A)の使用量は、成分(A)と成分(B)の合計量100質量部に対し、成形性の観点から、下限は、通常40質量部以上であり、42質量部以上であることが好ましく、44質量部%以上であることがより好ましい。一方、上限は、通常70質量部以下であり、68質量部以下であることが好ましく、66質量部以下であることがより好ましい。
成分(B)の含有量は、成分(A)と成分(B)の合計量100質量部に対し、成形性の観点から、下限は、通常30質量部以上であり、32質量部以上であることが好ましく、34質量部以上であることがより好ましい。一方、上限は、通常60質量部以下であり、58質量部以下であることが好ましく、56質量部以下であることがより好ましい。
【0052】
[成分(C)]
本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、成分(C):架橋剤の存在下で動的熱処理を行うことにより、成分(B)の少なくとも一部を架橋して得られる。この動的熱処理により、本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、ゴム弾性が良好なものとなる。
【0053】
架橋剤としては、有機過酸化物、フェノール樹脂、その他の架橋助剤等を用いることができ、これらの架橋剤は1種のみで用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0054】
架橋剤として用いることのできる有機過酸化物としては、芳香族系有機過酸化物及び脂肪族系有機過酸化物のいずれも使用することが可能である。具体的には、ジ−t−ブチルパーオキシド、t−ブチルクミルパーオキシド、ジクミルパーオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、1,3−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン等のジアルキルパーオキシド類;t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキシン−3等のパーオキシエステル類;アセチルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド、ベンゾイルパーオキシド、p−クロロベンゾイルパーオキシド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキシド等のヒドロパーオキシド類等が挙げられる。これらの中でも、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサンが好ましい。これらの有機過酸化物は1種類のみを用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0055】
架橋剤として用いることのできるフェノール樹脂としては、アルキルフェノールホルムアルデヒド、臭化アルキルフェノールノールホルムアルデヒド等が挙げられる。これらのフェノール樹脂は1種類のみを用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0056】
有機過酸化物及びフェノール樹脂以外の架橋助剤としては、例えば、硫黄、p−キノンジオキシム、p−ジニトロソベンゼン、1,3−ジフェニルグアニジン等の過酸化物用助剤;塩化第一錫・無水物、塩化第一錫・二水和物、塩化第二鉄等のフェノール樹脂用架橋助剤;ジビニルベンゼン、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、ジアリルフタレート等の多官能ビニル化合物;エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート等の多官能(メタ)アクリレート化合物等が挙げられる。これらは1種のみで用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0057】
成分(C)の使用量は、成分(A)、成分(B)、後述の成分(D)及び必要に応じて用いられる成分(E)の合計100質量部に対して架橋反応を十分に進行させる観点から、好ましくは0.05質量部以上であり、より好ましくは0.1質量部以上であり、更に好ましくは0.3質量部以上である。一方、成分(C)の使用量は、成分(A)、成分(B)、後述の成分(D)及び必要に応じて用いられる成分(E)の合計100質量部に対し、架橋反応を制御する観点から、好ましくは10質量部以下であり、より好ましくは8質量部以下であり、更に好ましくは6質量部以下であり、特に好ましくは4質量部以下である。
【0058】
[成分(D):4−メチル−1−ペンテン・エチレン及び/又はα−オレフィン共重合体]
本発明の熱可塑性エラストマー組成物に用いる成分(D)は、4−メチル−1−ペンテン・エチレン及び/又はα−オレフィン共重合体であり、熱可塑性エラストマーに防振性を付与する成分である。
【0059】
本発明で用いる成分(D)は、要件(x)、下記要件(a)〜(i)のいずれか一つ以上の要件を満たすことが好ましい。
なお、以下の諸物性の測定のための成分(D)のプレスシートの作製方法は、例えば以下の方法が挙げられる。
【0060】
<各種物性測定用プレスシートの作製法>
成分(D)を、190℃に設定した神藤金属工業社製油圧式熱プレス機を用い、10MPaの圧力でシート成形する。1〜3mm厚のシート(スペーサー形状;240×240×2mm厚の板に80×80×0.5〜3mm、4個取り)の場合、余熱を5〜7分程度し、10MPaで1〜2分間加圧した後、20℃に設定した別の神藤金属工業社製油圧式熱プレス機を用い、10MPaで圧縮し、5分程度冷却して測定用試料を作製する。熱板としては5mm厚の真鍮板を用いる。
【0061】
以下に、本発明で用いる成分(D)の各好適要件について説明する。
【0062】
要件(x):周波数1.6Hz、昇温速度2℃/minで測定した時に、−10℃以上の温度に損失正接tanδのピークが存在する。なお、測定モードには、捩り・曲げ・引張・圧縮・ずりがあるが、本測定においては適宜モードを選択する。
【0063】
上記損失正接tanδのピークが−10℃以上に存在するものは通常自動車の使用が想定される温度に比較的近く、防振性付与の観点から好ましいと考えられる。ただし、この温度が過度に高いと通常自動車において想定される使用温度で十分な損失正接tanδが得られず、防振性が不足すると考えられる。この損失正接tanδのピークは、特に−20〜60℃に存在することが好ましく、−10〜50℃に存在することがより好ましく、0〜40℃に存在することが更に好ましい。
以下、損失正接tanδのピークが存在する温度を「ピーク温度」と称す場合がある。
【0064】
なお、このときの損失正接tanδのピークの値は0.5〜5.0であることが好ましく、0.5〜4.0であることがより好ましく、0.5〜3.5であることがさらに好ましい。損失正接tanδのピーク値が上記範囲にあると、柔軟性、軽量性および防振性に優れたものとなり、好ましい。
【0065】
成分(D)の上記ピーク温度及び損失正接tanδのピーク値は、4−メチル−1−ペンテン・エチレン及び/又はα−オレフィン共重合体の共重合組成比などにより制御することができ、例えば4−メチル−1−ペンテン・エチレン及び/又はα−オレフィン共重合体中の4−メチル−1−ペンテン単位含有量を20〜75モル%にすることで、要件(x)を満たすことができる。
【0066】
要件(a):4−メチル−1−ペンテン単位とエチレン及び/又はα−オレフィン(ただし、4−メチル−1−ペンテンを除く。)単位との合計100モル%に対して、4−メチル−1−ペンテン単位を15〜75モル%、エチレン及び/又はα−オレフィン単位を25〜85モル%含む。
【0067】
成分(D)の4−メチル−1−ペンテン単位の割合は、好ましくは20〜75モル%であり、より好ましくは20〜65モル%であり、さらに好ましくは20〜33モル%であり、特に好ましくは20〜32モル%である。一方、エチレン及び/又はα−オレフィン単位の割合は、好ましくは25〜80モル%であり、より好ましくは35〜80モル%であり、さらに好ましくは67〜80モル%であり、特に好ましくは68〜80モル%である。
【0068】
4−メチル−1−ペンテン単位の割合が上記範囲内であると、柔軟性、軽量性、防振性が良好となる。
【0069】
α−オレフィン単位のα−オレフィンとしては、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコセン等の炭素数3〜20、好ましくは炭素数3〜15、より好ましくは炭素数3〜10の直鎖状のα−オレフィン、3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、3−エチル−1−ペンテン、4,4−ジメチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ヘキセン、4,4−ジメチル−1−ヘキセン、4−エチル−1−ヘキセン、3−エチル−1−ヘキセンなどの炭素数5〜20、好ましくは炭素数5〜15の分岐状のα−オレフィンが挙げられる。成分(D)は、エチレン単位とこれらのα−オレフィン単位の1種のみを含むものであってもよく、2種以上を含むものであってもよい。これらの中でも、エチレン及び/又はα−オレフィン単位としては、エチレン単位、プロピレン単位、1−ブテン単位、1−ペンテン単位、1−ヘキセン単位、1−オクテン単位が好ましく、プロピレン単位が特に好ましい。
【0070】
なお、成分(D)は、本発明の目的を損なわない程度の少量(たとえば、成分(D)を構成する全単量体単位100モル%に対して10モル%以下)であれば、4−メチル−1−ペンテン単位、エチレン単位及びα−オレフィン単位以外の他の単量体単位を含んでいてもよい。他の単量体単位としては、5−メチル−2−ノルボルネン単位、テトラシクロドデセン単位、5−ビニル−2−ノルボルネン単位、5−エチリデン−2−ノルボルネン単位などの1種又は2種以上が挙げられる。
【0071】
要件(b):以下の方法でデカリン中、135℃で測定した極限粘度[η]が0.1〜5.0dL/gの範囲にある。
【0072】
<極限粘度[η]の測定方法>
まず、サンプル20mgをデカリン15mLに溶解し、ウベローデ粘度計を用い、135℃雰囲気にて比粘度(ηsp)を測定する。次いで、このデカリン溶液に、さらにデカリン5mLを加えて希釈し、同様の比粘度測定を行う。この希釈操作と粘度測定を、さらに2度繰り返した測定結果を基に、濃度(C)をゼロに外挿したときのηsp/C値を極限粘度(η)とする。
【0073】
成分(D)の極限粘度[η]が上記範囲にあると成形加工性が良好となる。
成分(D)の極限粘度[η]は、好ましくは0.5〜4.0dL/g、より好ましくは0.5〜3.5dL/g、である。
【0074】
成分(D)の極限粘度[η]は、特開2016−56954号公報に記載されるように、重合中に水素を併用すると分子量を制御でき、低分子量体から高分子量体まで自在に得ることで、調整することができる。
【0075】
要件(c):以下の方法で、ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)により測定される重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との割合(分子量分布;Mw/Mn)が1.0〜3.5の範囲にある。
【0076】
<分子量(Mw、Mn)・分子量分布(Mw/Mn)の測定方法>
液体クロマトグラフ:Waters製ALC/GPC 150−C plus型(示唆屈折計検出器一体型)を用い、カラムとして東ソー株式会社製GMH6−HT×2本およびGMH6−HTL×2本を直列接続し、移動相媒体としてo−ジクロロベンゼンを用い、流速1.0ml/分、140℃で測定する。
得られたクロマトグラムを、公知の方法によって、標準ポリスチレンサンプルを使用した検量線を用いて解析することで、Mw/Mn値を算出する。1サンプル当たりの測定時間は60分とする。
【0077】
成分(D)のMw/Mnが3.5よりも大きいと、組成分布や低分子量ポリマーの影響が懸念されて、制振性に劣る傾向がある。また、該共重合体の機械特性、成形性を発現するのに不利であり、成形時にべたつきがあり不具合を生じるおそれがある。
成分(D)のMw/Mnは、好ましくは1.2〜3.0、さらに好ましくは1.5〜2.5である。
【0078】
特開2016−56954号公報に記載の製造方法に挙げられた触媒を用いることで、上記要件(b)で示される極限粘度[η]の範囲内において、要件(c)を満たす成分(D)を得ることができる。
【0079】
なお、成分(D)の、重量平均分子量(Mw)は、好ましくは500〜10,000,000、より好ましくは1,000〜5,000,000、さらに好ましくは1,000〜2,500,000である。
【0080】
要件(d):以下の方法で測定した密度(ASTM D 1505にて測定)が、880〜810kg/m
3の範囲にある。
【0081】
<密度の測定方法>
ASTM D 1505(水中置換法)に従って、ALFA MIRAGE社電子比重計MD−300Sを用い、水中と空気中で測定された試料の質量から算出する。
【0082】
密度が上記範囲にある成分(D)は、軽量な成形体を製造する上で有利である。
成分(D)の密度は、好ましくは870〜810kg/m
3、より好ましくは860〜820kg/m
3、さらに好ましくは855〜830kg/m
3である。
【0083】
成分(D)の密度は、4−メチル−1−ペンテン・エチレン及び/又はα−オレフィン共重合体の共重合組成比によって変えることができる。
【0084】
要件(e):以下の方法で、−40℃〜150℃の温度範囲で、10rad/sの周波数で動的粘弾性を測定を行って得られる損失正接tanδの最大値(以下「tanδピーク値」ともいう。)が、1.0〜5.0である。
【0085】
<動的粘弾性の測定方法>
厚さ3mmのプレスシートを作製し、さらに動的粘弾性測定に必要な45mm×10mm×3mmの短冊片を切り出す。ANTONPaar社製MCR301を用いて、10rad/sの周波数で−40〜150℃までの動的粘弾性の温度依存性を測定し、ガラス転移温度に起因する損失正接(tanδ)がピーク値(最大値)となる際の温度(以下「ピーク時温度」ともいう。)、およびその際の損失正接(tanδ)の値を測定する。
【0086】
成分(D)のtanδピーク値が上記範囲にあると、柔軟性、軽量性および防振性に優れたものとなり、好ましい。成分(D)のtanδピーク値は好ましくは1.5〜5.0、より好ましくは2.0〜4.0である。
また、tanδの値が最大となる際の温度は、好ましくは−10〜40℃、より好ましくは0〜40℃、さらに好ましくは5〜40℃である。
【0087】
成分(D)のtanδピーク値は、4−メチル−1−ペンテン・エチレン及び/又はα−オレフィン共重合体の共重合組成比などにより制御することができ、例えば4−メチル−1−ペンテン・エチレン及び/又はα−オレフィン共重合体中の4−メチル−1−ペンテン単位含有量を20〜75モル%にすることで、要件(e)を満たすことができる。
【0088】
要件(f):上記動的粘弾性の測定方法において、20℃で測定された損失正接tanδの値が0.5〜5.0である。
成分(D)の20℃で測定された損失正接tanδが上記範囲であると、柔軟性、軽量性および防振性に優れたものとなり、好ましい。成分(D)の20℃で測定された損失正接tanδは、好ましくは0.5〜4.0、より好ましくは0.5〜3.5である。
【0089】
成分(D)の20℃で測定された損失正接tanδは、4−メチル−1−ペンテン・エチレン及び/又はα−オレフィン共重合体の共重合組成などにより制御することができ、例えば、4−メチル−1−ペンテン・エチレン及び/又はα−オレフィン共重合体中の4−メチル−1−ペンテン単位を20〜75モル%とすることで、要件(f)を満たすことができる。
【0090】
要件(g):以下の方法で測定される、酢酸メチルによる抽出量が、0〜1.5質量%である。
【0091】
<酢酸メチル抽出量の測定方法>
試料をソックスレー抽出器に採取し、酢酸メチル下で加熱還流を行い、還流前後の質量を秤量して、抽出量(質量%)を算出する。
【0092】
酢酸メチル抽出量は成形時のべたつきの指標となり、この値が大きいと、得られたポリマーは組成分布が大きく低分子量ポリマーを含み、成形時に不具合を生じる。酢酸メチル抽出量が上記範囲内であると、成形時のべたつきによる不具合は生じない。
例えば、特開2016−56954号公報に記載の触媒を用いることで、立体規則性の低いアタクチック成分が少ない成分(D)が合成でき、べたつきがない成形体を得ることができる。
【0093】
成分(D)の酢酸メチル抽出量は、好ましくは0〜1.0質量%、より好ましくは0〜0.8質量%、更に好ましくは0〜0.5質量%である。
【0094】
要件(h):下式で定義される40℃での反発弾性率が0〜25%である。
反発弾性率(%)=L(mm)/460×100
上記式におけるLは、成分(D)から作製した厚さ6mmのプレスシートの上に、JIS K6400に準拠して、40℃で、460mmの高さから落下させた16.310gの剛体球の跳ね返り高さである。
【0095】
成分(D)の反発弾性率が上記範囲であると、成形品にした際の防振性の観点から好ましい。成分(D)の反発弾性率は好ましくは0〜24%、より好ましくは0〜23%である。
【0096】
成分(D)の反発弾性率は4−メチル−1−ペンテン・エチレン及び/又はα−オレフィン共重合体の共重合組成などにより制御することができ、例えば、4−メチル−1−ペンテン単位の含有量を20〜72モル%とすることで、反発弾性率を上記範囲内とすることができる。
【0097】
要件(i):以下の測定方法で測定される押針接触開始から15秒後におけるショアーA硬度(JIS K6253に準拠、厚さ3mmのプレスシートの状態で測定)の値が5〜90である。
【0098】
<ショアーA硬度の測定方法>
厚さ3mmのプレスシートを測定試料として用い、押針接触開始直後と押針接触開始から15秒後の目盛りを読み取る。さらに下式で定義されるショアーA硬度の値の変化ΔHSを以下のようにして求める。
ΔHS=(押針接触開始直後のショアー硬度値−押針接触開始から15秒後のショアー硬度値)。
【0099】
成分(D)のショアーA硬度が上記範囲にあると成形体にする際の硬度調整の観点から好ましい。成分(D)のショアーA硬度は、より好ましくは10〜80である。更に好ましくは15〜75、特に好ましくは20〜70である。
【0100】
成分(D)のショアーA硬度の値は、4−メチル−1−ペンテン・エチレン及び/又はα−オレフィン共重合体の共重合組成により制御することができ、例えば、4−メチル−1−ペンテン単位の含有量を20〜75モル%にすることで、ショアーA硬度を上記範囲とすることができる。
【0101】
上記要件(a)〜(i)及び(x)を満たす本発明に好適な成分(D)は、例えば、特開2016−56954号公報に記載の方法で製造される。
【0102】
上記の成分(D)は、1種のみを用いてもよく、組成や物性の異なるものを2種以上組み合わせて用いてもよい。
【0103】
本発明において、成分(D)の使用量は、成分(A)〜(C)の合計100質量部に対して0.1〜100質量部とする。成分(D)が上記範囲の下限値以上であると良好な防振性を得ることができ、上限値以下であると、圧縮永久歪(へたり性)や、機械物性、成形性が良好となる。成分(D)は、成分(A)〜(C)の合計100質量部に対して10質量部以上用いることが好ましく、11質量部以上用いることがより好ましく、12質量部以上用いることが更に好ましい。また、成分(D)は、成分(A)〜(C)の合計100質量部に対して95質量部以下用いることが好ましく、94質量部以下用いることがより好ましく、93質量部以下用いることが更に好ましい。
【0104】
[成分(E)]
本発明の熱可塑性エラストマー組成物の製造には、成形性を向上させる観点から、更に下記成分(E)を原料として用いることが好ましい。
成分(E):炭化水素系ゴム用軟化剤
【0105】
成分(E)の炭化水素系ゴム用軟化剤としては、鉱物油系軟化剤、合成樹脂系軟化剤等が挙げられるが、他の成分との親和性の観点から鉱物油系軟化剤が好ましい。鉱物油系軟化剤は、一般的に、芳香族炭化水素、ナフテン系炭化水素及びパラフィン系炭化水素の混合物であり、全炭素原子の50%以上がパラフィン系炭化水素であるものがパラフィン系オイル、全炭素原子の30〜45%がナフテン系炭化水素であるものがナフテン系オイル、全炭素原子の35%以上が芳香族系炭化水素であるものが芳香族系オイルと各々呼ばれている。これらの中で、本発明においては、パラフィン系オイルを用いることが好ましい。なお、炭化水素系ゴム用軟化剤は1種のみで用いても、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で用いてもよい。
【0106】
成分(E)の炭化水素系ゴム用軟化剤の40℃における動粘度は特に限定されないが、好ましくは20cSt以上、より好ましくは50cSt以上であり、また、好ましくは800cSt以下、より好ましくは600cSt以下である。また、炭化水素系ゴム用軟化剤の引火点(COC法)は、好ましくは200℃以上、より好ましくは250℃以上である。
【0107】
成分(E)の炭化水素系ゴム用軟化剤は市販品として入手することができる。該当する市販品としては、例えば、JX日鉱日石エネルギー社製日石ポリブテン(登録商標)HVシリーズ、出光興産社製ダイアナ(登録商標)プロセスオイルPWシリーズ等が挙げられ、これらの中から該当品を適宜選択して使用することができる。
【0108】
本発明の熱可塑性エラストマー組成物の製造に成分(E)を用いる場合、成分(E)の使用量の下限は、成分(B)100質量部に対し、柔軟性の観点から、好ましくは80質量部以上であり、より好ましくは81量部以上であり、更に好ましくは82質量部以上である。また、成分(E)の使用量の上限は、成分(B)100質量部に対し、低温耐衝撃性の観点から、通常160質量部以下であり、好ましくは159質量部以下であり、より好ましくは158質量部以下である。
【0109】
[その他の成分]
本発明の熱可塑性エラストマー組成物の製造には、成分(A)〜(E)以外に本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じてその他の成分を原料として用いることができる。
【0110】
その他の成分としては、例えば、成分(A)、成分(B)および成分(D)以外の熱可塑性樹脂やエラストマー等の樹脂、酸化防止剤、充填材、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、中和剤、滑剤、防曇剤、アンチブロッキング剤、スリップ剤、分散剤、着色剤、難燃剤、帯電防止剤、導電性付与剤、金属不活性化剤、分子量調整剤、防菌剤、防黴材、蛍光増白剤等の各種添加物等を挙げることができる。これらは任意のものを単独又は併用して用いることができる。
【0111】
成分(A)、成分(B)および成分(D)以外の熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリフェニレンエーテル系樹脂;ナイロン6、ナイロン66等のポリアミド系樹脂;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等
のポリエステル系樹脂;ポリオキシメチレンホモポリマー、ポリオキシメチレンコポリマー等のポリオキシメチレン系樹脂;ポリメチルメタクリレート系樹脂、ポリオレフィン樹脂(だだし、成分(A)、成分(B)および成分(D)に該当するものを除く。)等を挙げることができる。また成分(A)、成分(B)および成分(D)以外のエラストマーとしては、例えば、スチレン系エラストマー(ただし、成分(E)に該当するものを除く。);ポリエステル系エラストマー;ポリブタジエン等を挙げることができる。
【0112】
酸化防止剤としては、例えば、フェノール系酸化防止剤、フォスファイト系酸化防止剤、チオエーテル系酸化防止剤等が挙げられる。酸化防止剤を用いる場合、酸化防止剤は、成分(A)、成分(B)、成分(D)及び必要に応じて用いられる成分(E)の合計100質量部に対して、通常0.01〜3.0質量部の範囲で用いられる。
【0113】
充填材としては、例えば、ガラス繊維、中空ガラス球、炭素繊維、タルク、炭酸カルシウム、マイカ、チタン酸カリウム繊維、シリカ、金属石鹸、二酸化チタン、カーボンブラック等が挙げられる。充填剤を用いる場合、充填剤は、成分(A)、成分(B)、成分(D)及び必要に応じて用いられる成分(E)の合計100質量部に対して、通常0.1〜50質量部で用いられる。
【0114】
[熱可塑性エラストマー組成物の製造方法]
本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、前述の通り、成分(A)、成分(B)、成分(D)及び必要に応じて用いられる成分(E)、その他の成分等を所定量含有する組成物を架橋剤である成分(C)の存在下で動的熱処理して得られるものであるが、本発明では、このような熱可塑性エラストマー組成物の製造方法を、下記工程(1)及び(2)を経て製造する。
工程(1);少なくとも成分(A)〜(C)を混練処理する工程
工程(2):成分(D)を工程(1)の後に混合又は反応させる工程
上記工程(2)において、成分(D)は、成分(A)〜(C)の合計量100質量部に対して、前述の好適範囲で用いる。
【0115】
本発明において「動的熱処理」とは架橋剤の存在下で溶融状態又は半溶融状態で混練することを意味する。この動的熱処理は、溶融混練によって行うのが好ましく、そのための混合混練装置としては、例えば非開放型バンバリーミキサー、ミキシングロール、ニーダー、二軸押出機等が用いられる。これらの中でも二軸押出機を用いることが好ましい。この二軸押出機を用いた製造方法の好ましい態様としては、複数の原料供給口を有する二軸押出機の原料供給口(ホッパー)に各成分を供給して動的熱処理を行うものである。
【0116】
動的熱処理を行う際の温度は、通常80〜300℃、好ましくは100〜250℃である。また、動的熱処理を行う時間は通常0.1〜30分である。
【0117】
本発明の熱可塑性エラストマー組成物を二軸押出機により動的熱処理を行うことにより製造する場合においては、二軸押出機のバレル半径(R(mm))、スクリュー回転数(N(rpm))及び吐出量(Q(kg/時))の間に下記式(1)の関係を保ちながら押出することが好ましく、下記式(2)の関係を保ちながら押出することがより好ましい。
2.6<NQ/R
3<22.6 (1)
3.0<NQ/R
3<20.0 (2)
【0118】
二軸押出機のバレル半径(R(mm))、スクリュー回転数(N(rpm))及び吐出量(Q(kg/時))との間の前記関係が上記下限値より大きいことが熱可塑性エラストマー組成物を効率的に製造するために好ましい。一方、前記関係が上記上限値より小さいことが、剪断による発熱を抑え、外観不良の原因となる異物が発生しにくくなるために好ましい。
【0119】
本発明においては、このような動的熱処理において、少なくとも成分(A)〜(C)を混練処理し(工程(1))、その後、得られた混練物に対して、成分(D)を添加して混合又は反応させる(工程(2))。このように2段階での混合を行うことによる本発明の効果をより確実に得る上で、成分(D)を添加するまでの成分(A)〜(C)の混練時間、即ち、工程(1)の時間は30秒以上、特に35秒以上とすることが好ましい。ただし、この時間を過度に長くすることは、生産効率の面で好ましくないことから、50秒以下とすることが好ましい。
【0120】
例えば、二軸押出機を用いて動的熱処理を行う場合、二軸押出機の上流の第1原料供給口とは別に、押出機シリンダーの途中に第2の原料供給口を設け(或いは第2の供給口を有する押出機を用い)、第1の原料供給口から成分(A)〜(C)を投入し、第2の原料供給口から成分(D)を投入して混練する方法を採用することができる。
この場合、押出機のシリンダーブロックの合計数(例えば13)に対して、第2の原料供給口を上流側からシリンダーブロックの合計数(例えば13)の1/3〜2/3程度のシリンダーブロック位置に設け、ここから成分(D)を供給することが好ましい。
成分(D)を添加した後の混練時間、即ち、工程(2)の時間は10〜30秒程度であることが好ましい。
【0121】
成分(A)〜(D)以外に、成分(E)、更にその他の添加成分を用いる場合、これらは工程(1)において成分(A)〜(C)と共に混練し、工程(2)においては、成分(D)のみを後添加することが好ましい。
【0122】
[熱可塑性エラストマー組成物の物性]
本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、JIS K7210の規格に準拠した方法で測定温度230℃、測定荷重49Nで測定したメルトフローレート(MFR)が10g/10分以上であることが成形性の観点から好ましく、より好ましくは15g/10分以上であり、更に好ましくは20g/10分以上である。また、成形性の観点から、メルトフローレート(MFR)は、120g/10分以下であることが好ましく、110g/10分以下であることがより好ましく、100g/10分以下であることが更に好ましい。
【0123】
また、本発明の熱可塑性エラストマー組成物を成形してなる成形体について、JIS K6253(JIS−A)に準拠して測定した硬度デュロAは、35〜95の範囲であることが好ましく、40〜90の範囲であることがより好ましい。
【0124】
〔成形体・用途〕
本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、通常、熱可塑性エラストマー組成物に用いられる成形方法、例えば、射出成形、押出成形、中空成形、圧縮成形等の各種成形方法により、成形体とすることができ、これらの中でも射出成形、押出成形が好適である。また、これらの成形を行った後に積層成形、熱成形等の二次加工を行った成形体とすることもできる。特に、本発明の熱可塑性エラストマー組成物は押出成形性に優れ、成形した際の目ヤニの発生や異物が低減されたものであるため、押出成形、特に異形押出成形に好適である。
【0125】
本発明の熱可塑性エラストマー組成物よりなる成形体は、表皮、ウェザーストリップ、天井材、内装シート、バンパーモール、サイドモール、エアスポイラー、エアダクトホース、シール材等の自動車部品;止水材、目地材、窓枠、シール材等の土木・建材部品;ゴルフクラブのグリップ部、テニスラケットのグリップ部等のスポーツ用品;ホースチューブ、ガスケット等の工業用部品;ホース、パッキン類等の家電部品;医療用容器、ガスケット、パッキン等の医療用部品;容器、パッキン等の食品用部品;医療用機器部品;電線;雑貨等の広汎な分野に適用することができる。
本発明の熱可塑性エラストマー組成物よりなる成形体は以上に挙げたものの中でも自動車用シール材、建材用シール材として好適であり、自動車用シール材、特に自動車用グラスランチャンネルとして好適である。
【実施例】
【0126】
以下、実施例を用いて本発明の内容を更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例によって限定されるものではない。以下の実施例における各種の製造条件や評価結果の値は、本発明の実施態様における上限又は下限の好ましい値としての意味をもつものであり、好ましい範囲は前記した上限又は下限の値と、下記実施例の値又は実施例同士の値との組み合わせで規定される範囲であってもよい。
【0127】
〔原材料〕
以下の実施例及び比較例で使用した原材料は以下の通りである。
【0128】
[成分(A):ポリプロピレン系樹脂]
<A1−1>
プロピレン単独重合体(融解ピーク温度:165℃、プロピレン単位含有量:100質量%)/日本ポリプロ株式会社製 ノバテック(登録商標)PP FY6
【0129】
<A2−1>
プロピレン・エチレンランダム共重合体(融解ピーク温度:138℃、プロピレン単位含有量:98質量%)/日本ポリプロ株式会社製 ノバテック(登録商標)PP FW4B
【0130】
[成分(B):エチレン・α−オレフィン系共重合体ゴム]
<B−1>
エチレン・プロピレン・5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体(ムーニー粘度(ML
1+4、125℃):61、密度(JIS K7112):0.87g/cm
3、MFR(JIS K7210、230℃、49N):6g/10分、エチレン単位含有量:65.9質量%、エチリデンノルボルネン含有量:4.6質量%)/三井化学株式会社製 三井化学 EPT3092PM
【0131】
[成分(C):架橋剤]
<C−1>
2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン40質量%と炭酸カルシウム60質量%の混合物/化薬アクゾ株式会社製 カヤヘキサAD40C
<C−2>
ジビニルベンゼン60質量%とエチルビニルベンゼン40質量%の混合物/和光純薬工業社製 ジビニルベンゼン
【0132】
[成分(D):4−メチル−1−ペンテン・エチレン及び/又はα−オレフィン共重合体]
<D−1>
4−メチル−1−ペンテン・プロピレン共重合体(周波数1.6Hz、昇温速度2℃/minで測定した時のピーク温度:30℃、損失正接tanδピーク値:2.7/三井化学株式会社製 EP1001
<d−1>
スチレン・ブタジエン共重合体(周波数1.6Hz、歪み0.5%で測定した時のピーク温度:17.1℃、損失正接tanδピーク値:1.55)/旭化成ケミカルズ株式会社製 S1605
<d−2>
脂環族飽和炭化水素樹脂/荒川化学工業株式会社製 アルコンP115
【0133】
[成分(E)]
<E−1>
パラフィン系ゴム用軟化剤(40℃の動粘度:95.5cSt、流動点:−15℃、引火点:272℃)/出光興産株式会社製 ダイアナ(登録商標)プロセスオイルPW90
【0134】
[成分(F):酸化防止剤]
<F−1>
フェノール系酸化防止剤/BASFジャパン社製 イルガノックス(登録商標)1010
【0135】
[評価方法]
以下の実施例及び比較例における熱可塑性エラストマー組成物の評価方法は以下の通りである。
【0136】
なお、以下の(1)〜(3)の測定には、インラインスクリュウタイプ射出成形機(東芝機械社製「IS130」)にて、射出圧力50MPa、シリンダー温度220℃、金型温度40℃の条件で射出成形して得られたシート(横120mm、縦80mm、肉厚2mm)を使用し、(4)については射出成形して得られたシート(横120mm、縦80mm、肉厚1mm)から、長さ40mm、幅5mmの試験片を打ち抜き測定に使用した。
【0137】
(1)硬度デュロA
JIS K6253に準拠(JIS−A)して、試験片に針を押し付けてから15秒後の値を測定した。
硬度デュロAは35〜95、特に40〜98の範囲であることが好ましい。
【0138】
(2)圧縮永久歪み:JIS K6262に準拠して、70℃、22時間、25%圧縮の条件で測定した。
圧縮永久歪(へたり性)の測定値CSから下記基準で評価した。
◎:CS 60%未満
○:CS 60%以上72%未満
△:CS 72%以上83%未満
×:CS 83%以上
【0139】
(3)メルトフローレート(MFR)
JIS K7210に準拠して、230℃、測定荷重49Nで測定した。
MFRの値から、成形性を下記基準で評価した。
○:MFR 20g(/10分)以上
△:MFR 10g(/10分)以上20g(/10分)未満
×:MFR 10g(/10分)未満
【0140】
(4)損失正接tanδ
固体粘弾性測定装置・RSA−III(試験機メーカ:ティー・エイ・インスツルメント・ジャパン社製)で損失正接tanδの周波数依存性(5、13、20、32Hz)を測定した。その時の測定条件は、温度23℃で、引っ張りモード、昇温速度2℃/min、振幅(与えた変位量)歪み0.1%とした。
測定周波数域で最も高い32Hzにおける損失正接tanδから、防振性を以下の基準で評価した。
◎:損失正接tanδ 0.35以上
○:損失正接tanδ 0.25以上0.35未満
△:損失正接tanδ 0.17以上0.25未満
×:損失正接tanδ 0.17未満
【0141】
[実施例/比較例]
<実施例1>
(A1−1)20質量部、(A2−1)6質量部、(B−1)34質量部、(E−1)30質量部、(C−1)0.4質量部(2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン40質量%と炭酸カルシウム60質量%の混合物)、(C−2)0.3質量部(ジビニルベンゼン60質量%とエチルビニルベンゼン40質量%の混合物)、(F−1)0.1質量部をヘンシェルミキサーにて1分間ブレンドして混合物を得た。この混合物を、2個の原料供給口を有する同方向二軸押出機(日本製鋼所製「TEX30α」、L/D=46、シリンダーブロック数:13)の第1の供給部へ合計15kg/hの速度で投入し、110〜180℃の範囲で昇温させ溶融混練を行い(ここまでを工程(1)とする)、同時に押出機シリンダーの途中(上流から8番目のブロック位置)に設けられた第2の供給口から、(D−1)10質量部を15kg/hの速度で供給して混練を行い(工程(2)とする)、ペレット化して熱可塑性エラストマー組成物を製造した。工程(1)の時間は35秒、工程(2)の時間は25秒であった。
得られた熱可塑性エラストマー組成物の評価結果を表−1に示す。
【0142】
<実施例2〜4及び比較例1〜3>
表−1に示したように配合組成を変更した以外は実施例1と同様にして実施し、熱可塑性エラストマー組成物のペレットを得た。得られた熱可塑性エラストマー組成物について、実施例1と同様の評価を実施した結果を表−1に示す。
【0143】
<比較例4〜8>
表−1に示したように工程(2)で加えた成分(D)を工程(1)で添加するよう変更したこと、配合組成を変更したこと以外は実施例1と同様にして実施し、熱可塑性エラストマー組成物のペレットを得た。得られた熱可塑性エラストマー組成物について、実施例1と同様の評価を実施した結果を表−1に示す。
【0144】
【表1】
【0145】
<評価結果>
表−1に示す通り、実施例1〜4は「圧縮永久歪み(へたり性)」、「MFR(成形性)」、「損失正接tanδ(防振性)」の評価において優れる。
【0146】
比較例4〜7は実施例1〜4で使用している(D−1)を工程(2)ではなく工程(1)で添加するよう変更した例であるが、比較例5〜7は「圧縮永久歪み(へたり性)」の評価で劣る。また、比較例3では、「損失正接tanδ(防振性)」の評価が劣る。
また、比較例1〜3は、実施例1、2の(D−1)を(d−1)又は(d−2)に変更した例であるが、「MFR(成形性)」、「損失正接tanδ(防振性)」の評価が劣っている。
比較例8は、実施例2の(D−1)を(d−1)に変更しかつ、その添加工程を工程(2)から工程(1)に変更した例であるが、「MFR(成形性)」、「損失正接tanδ(防振性)」の評価が劣っている。