(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面を参照して、本発明の用紙処理装置及び画像形成システムの実施の形態について説明する。
【0022】
<第1の実施の形態の用紙処理装置の構成例>
図1は、第1の実施の形態の用紙処理装置の一例を示す構成図である。第1の実施の形態の用紙処理装置1Aは、画像が形成された用紙を加湿することで、画像を形成する動作等によって帯電した用紙の除電を行う。
【0023】
用紙処理装置1Aは、用紙を加湿する加湿部2と、加湿部2に供給される水等の液体が貯水される貯水タンク3を備える。また、用紙処理装置1Aは、貯水タンク3に貯水された水を加湿部2に供給する供給部4と、貯水タンク3に水を補給する補給部5と、貯水タンク3内の水量を検知する水量検知センサ6Aを備える。
【0024】
なお、用紙処理装置1Aでは、用紙を加湿する液体として、用紙の除電効果を高めるため添加剤が添加された水が使用される。本例では、添加剤として界面活性剤が添加された水が使用される。
【0025】
加湿部2は、用紙を搬送する搬送路20と、用紙を挟持する一対の加湿ローラ21と、加湿ローラ21に水を供給する図示しない供給機構を備える。加湿ローラ21は、水を含むことが可能な材質で構成され、挟持した用紙を加湿する。
【0026】
供給部4は、加湿部2と貯水タンク3を繋ぐ配管で構成される供給路40と、供給路40へ水を送出するポンプ41を備える。補給部5は、図示しない水の供給源と貯水タンク3を繋ぐ配管で構成される補給路50と、補給路50を通る水が貯水タンク3に放出される補給口51と、補給口51からの水の放出の有無を切り替えるバルブ52を備える。
【0027】
水量検知センサ6Aは、貯水タンク3内の水量が、満水と見なす水量になったことを検知する第1の検知部60aと、貯水タンク3内の水量が、補給が必要な水量になったことを検知する第2の検知部60bと、第1の検知部60aと第2の検知部60bを支持する支持軸61を備える。
【0028】
第1の検知部60aは、水に対して所定の比重を有したフロート62aと、貯水タンク3内の水量の変化によりフロート62aが所定の位置に移動したことを検知するセンサ部63aを備える。
【0029】
フロート62aは、支持軸61が挿入される図示しない穴部を備え、支持軸61の延在方向に沿って摺動可能に支持される。フロート62aは、水に浮く比重を有し、貯水タンク3内の水量の変化により、支持軸61に沿って上下方向に移動する。
【0030】
センサ部63aは、フロート62aに磁石64aを備え、支持軸61に磁気センサ65aを備える。第1の検知部60aは、貯水タンク3内の水量の変化によりフロート62aが所定の位置に移動すると、フロート62a内の磁石64aが、支持軸61に設けた磁気センサ65aに検知され、出力が変化する。
【0031】
水量検知センサ6Aは、第1の検知部60aのフロート62aの移動範囲を規制する上限位置規制部66aと下限位置規制部67aを備える。上限位置規制部66aと下限位置規制部67aは、支持軸61の外周面にフランジ状の凸部を設けて構成され、フロート62aの移動可能な範囲が、上限位置規制部66aと下限位置規制部67aとの間に規制される。
【0032】
第1の検知部60aは、水量が増加すると、フロート62aが上限位置規制部66aに接する位置まで上昇可能である。また、第1の検知部60aは、水量が減少すると、フロート62aが下限位置規制部67aに接する位置まで下降可能である。
【0033】
第1の検知部60aは、フロート62aが上限位置規制部66aに接する位置まで上昇すると、フロート62a内の磁石64aが、支持軸61に設けた磁気センサ65aに検知可能な位置に移動する。本例では、第1の検知部60aは、貯水タンク3内の水量が増加して、フロート62aが上限位置規制部66aに接する位置まで上昇すると、出力がOFFからONに変化する。
【0034】
また、第1の検知部60aは、フロート62aが下限位置規制部67aに接する位置まで下降すると、フロート62a内の磁石64aが、支持軸61に設けた磁気センサ65aで検知可能な位置から外れる。本例では、第1の検知部60aは、貯水タンク3内の水量が減少して、フロート62aが下限位置規制部67aに接する位置まで下降すると、出力がONからOFFに変化する。
【0035】
第2の検知部60bは、水に対して所定の比重を有したフロート62bと、貯水タンク3内の水量の変化によりフロート62bが所定の位置に移動したことを検知するセンサ部63bを備える。
【0036】
フロート62bは、支持軸61が挿入される図示しない穴部を備え、支持軸61の延在方向に沿って摺動可能に支持される。フロート62bは、水に浮く比重を有し、貯水タンク3内の水量の変化により、支持軸61に沿って上下方向に移動する。
【0037】
センサ部63bは、フロート62bに磁石64bを備え、支持軸61に磁気センサ65bを備える。第2の検知部60bは、貯水タンク3内の水量の変化によりフロート62bが所定の位置に移動すると、フロート62b内の磁石64bが、支持軸61に設けた磁気センサ65bに検知され、出力が変化する。
【0038】
水量検知センサ6Aは、第2の検知部60bのフロート62bの移動範囲を規制する上限位置規制部66bと下限位置規制部67bを備える。上限位置規制部66bと下限位置規制部67bは、支持軸61の外周面にフランジ状の凸部を設けて構成され、フロート62bの移動可能な範囲が、上限位置規制部66bと下限位置規制部67bとの間に規制される。
【0039】
第2の検知部60bは、水量が増加すると、フロート62bが上限位置規制部66bに接する位置まで上昇可能である。また、第2の検知部60bは、水量が減少すると、フロート62bが下限位置規制部67bに接する位置まで下降可能である。
【0040】
第2の検知部60bは、フロート62bが上限位置規制部66bに接する位置まで上昇すると、フロート62b内の磁石64bが、支持軸61に設けた磁気センサ65bに検知可能な位置に移動する。本例では、第2の検知部60bは、貯水タンク3内の水量が増加して、フロート62bが上限位置規制部66bに接する位置まで上昇すると、出力がOFFからONに変化する。
【0041】
また、第2の検知部60bは、フロート62bが下限位置規制部67bに接する位置まで下降すると、フロート62b内の磁石64bが、支持軸61に設けた磁気センサ65bで検知可能な位置から外れる。本例では、第2の検知部60bは、貯水タンク3内の水量が減少して、フロート62bが下限位置規制部67bに接する位置まで下降すると、出力がONからOFFに変化する。
【0042】
水量検知センサ6Aは、支持軸61が貯水タンク3内で上下方向に延在し、第1の検知部60aが第2の検知部60bの上側に設けられる。貯水タンク3内の水量が増加し、水面が第1の検知部60aのフロート62aの可動範囲内にある状態では、第1の検知部60aは、水量の増減に追従してフロート62aが上下方向に移動する。これに対し、第2の検知部60bは、水中でフロート62bが上限位置規制部66bに接する位置まで上昇した状態となる。
【0043】
また、貯水タンク3内の水量が減少し、水面が第2の検知部60bのフロート62bの可動範囲内にある状態では、第2の検知部60bは、水量の増減に追従してフロート62bが上下方向に移動する。これに対し、第1の検知部60aは、フロート62aが水に触れておらず下限位置規制部67aに接する位置まで下降した状態となる。
【0044】
補給口51は、第1の検知部60aと第2の検知部60bにおいて、貯水タンク3内の水量検知に寄与する部位に対して水を放出できる位置に設けられ、フロート62aと支持軸61との固着、及び、フロート62bと支持軸61との固着を抑制する。
【0045】
すなわち、第1の検知部60aは、貯水タンク3内の水の増減に追従してフロート62aが上下動することで、貯水タンク3内の水量を検知する。第1の検知部60aは、フロート62aが支持軸61に対して摺動する構成で、支持軸61において上限位置規制部66aと下限位置規制部67aとの間の部位が、フロート62aの摺動部61aとなる。
【0046】
そして、第1の検知部60aは、貯水タンク3内の水の増減に追従してフロート62aが上下動できなければ、貯水タンク3内の水量を検知できないことから、第1の検知部60aでは、摺動部61aが水量検知に寄与する部位となる。
【0047】
第2の検知部60bも同様に、貯水タンク3内の水の増減に追従してフロート62bが上下動することで、貯水タンク3内の水量を検知する。第2の検知部60bは、フロート62bが支持軸61に対して摺動する構成で、支持軸61において上限位置規制部66bと下限位置規制部67bとの間の部位が、フロート62bの摺動部61bとなる。
【0048】
そして、第2の検知部60bは、貯水タンク3内の水の増減に追従してフロート62bが上下動できなければ、貯水タンク3内の水量を検知できないことから、第2の検知部60bでは、摺動部61bが水量検知に寄与する部位となる。
【0049】
補給口51は、特に、第1の検知部60aでの水量検知に寄与する位置に、水を放出できるように、水の放出方向を下向きとして、支持軸61の直上に設けられる。これにより、貯水タンク3に水を補給するため、補給口51から水が放出されると、支持軸61に沿って上側から下側向けて水が流れることで、まず、第1の検知部60aの摺動部61aに沿って水が流れ、次に、第2の検知部60bの摺動部61bに沿って水が流れる。
【0050】
次に、用紙処理装置1Aの制御機能について説明する。用紙処理装置1Aは、第1の検知部60a及び第2の検知部60bで検知した貯水タンク3内の水量に基づき、水の補給の有無を切り替える制御部7を備える。
【0051】
制御部7は、貯水タンク3内の水量が減少し、フロート62bが下限位置規制部67bに接する位置まで下降して、第2の検知部60bの出力がONからOFFに変化することで、貯水タンク3内の水量が、補給が必要な水量になったと判断し、バルブ52を開く。
【0052】
また、制御部7は、貯水タンク3内の水量が増加し、フロート62aが上限位置規制部66aに接する位置まで上昇して、第1の検知部60aの出力がOFFからONに変化することで、貯水タンク3内の水量が、満水と見なす水量になったと判断し、バルブ52を閉じる。
【0053】
<本実施の形態の画像形成システムの構成例>
図2は、本実施の形態の用紙処理装置を備えた画像形成システムの一例を示す構成図である。本実施の形態の画像形成システム100は、用紙に画像を形成する画像形成装置101と、画像が形成された用紙を加湿する上述した用紙処理装置1Aと、用紙処理装置1Aで加湿された用紙に所定の後処理を行う後処理装置102を備える。
【0054】
画像形成装置101は、感光体ドラム、中間転写ベルト等の像担持体にトナー画像を形成するプロセス、用紙を帯電させて、像担持体からトナー画像を用紙に転写するプロセス、トナー画像を用紙に定着させるプロセスにより、用紙に画像を形成する。
【0055】
画像形成装置101は、イエロー(Y)の画像を形成する画像形成部11Yと、マゼンダ(M)の画像を形成する画像形成部11Mと、シアン(C)の画像を形成する画像形成部11Cと、ブラック(BK)の画像を形成する画像形成部11BKを備える。
【0056】
各画像形成部11Y、11M、11C、11Bkは、感光体ドラム12と、感光体ドラム12に潜像を形成する光書込部13と、潜像を現像する現像装置14を備える。感光体ドラム12は、光書込部13による走査露光により潜像が形成される。現像装置14は、潜像が形成された感光体ドラム12にトナーを供給する。各画像形成部11Y、11M、11C、11Bkは、感光体ドラム12に現像装置14からトナーが供給されることで、潜像が現像されて顕像化される。
【0057】
画像形成装置101は、感光体ドラム12に形成されたトナー画像が1次転写される中間転写ベルト16と、中間転写ベルト16にトナー画像を転写する1次転写ローラ17を備える。各感光体ドラム12上に形成されたトナー画像は、各1次転写ローラ17により中間転写ベルト16上の所定位置へと逐次転写される。
【0058】
画像形成装置101は、中間転写ベルト16上に転写された各色よりなるトナー画像を用紙に2次転写する2次転写部18を備える。2次転写部18は、用紙の一方の面と対向する側に中間転写ベルト16が設けられ、用紙の他方の面と対向する側に2次転写ローラ18aが設けられる。
【0059】
2次転写部18は、2次転写ローラ18aが中間転写ベルト16に押圧されることにより転写ニップ部が形成される。2次転写部18では、転写ニップ部で用紙が中間転写ベルト16に押圧され、2次転写ローラ18aが中間転写ベルト16と等速で回転駆動されることで、用紙にトナー画像が転写される。
【0060】
2次転写部18では、用紙にトナー画像を転写させるため、2次転写ローラ18aで用紙の裏面側から正の電圧を印加する。これにより、2次転写部18を通過した用紙は、トナー画像が転写される画像形成面側が負極に、裏面が正極に帯電する。
【0061】
画像形成装置101は、用紙を搬送する用紙搬送部10を備える。用紙搬送部10は、2次転写部18を通る用紙の搬送経路を構成する主搬送路10aと、用紙の表裏を反転させる搬送経路を構成する反転搬送路10bを備える。主搬送路10aは、給紙トレイ10c及び外部給紙口10dから給紙される用紙の搬送経路が合流し、排出口10eにつながる。反転搬送路10bは、用紙の搬送方向を逆転させて、表裏を判定する搬送経路を構成する。
【0062】
画像形成装置101は、2次転写部18で用紙に転写されたトナー画像を定着させる定着部15を備える。定着部15は、定着ベルト15aに加圧ローラ15bが圧接されることにより、定着ニップ部が形成される。定着ベルト15aに対して加圧ローラ15bを圧接させた状態で、加圧ローラ15bが回転駆動されるとともに、ヒータ15cに通電されることで、定着ニップ部で挟持された用紙が搬送されるとともに、圧力及び熱により画像が用紙に定着される。
【0063】
後処理装置102は、例えばフィニッシャと称され、例えば、用紙を整列して積載させる。また、整列して積載された用紙を綴じる等の処理を行う。上述したように、画像形成装置101では、トナー像を転写するため用紙が帯電される。一方、帯電された用紙を後処理装置で積載すると、用紙同士の貼り付き、反発が起こる。
【0064】
そこで、画像形成装置101と後処理装置102の間に用紙処理装置1Aを備え、画像形成装置101で画像が形成された用紙を、用紙処理装置1Aで加湿することで除電した後、後処理装置102に搬送することで、用紙同士の貼り付きや反発を抑制する。なお、用紙処理装置1Aは、後処理装置102に備えても良いし、画像形成装置101に備えても良い。
【0065】
<第1の実施の形態の用紙処理装置の動作例>
図3〜
図4は、第1の実施の形態の用紙処理装置で水量が変化した状態の一例を示す構成図で、各図を参照して、用紙処理装置1Aにおいて貯水タンク3に水を補給する動作について説明する。
【0066】
加湿部2の加湿ローラ21に水を供給することで、貯水タンク3内の水量が減少すると、第1の検知部60aのフロート62aが下限位置規制部67aに接する位置まで下降し、更に、貯水タンク3内の水量が減少すると、第2の検知部60bのフロート62bが下限位置規制部67bに接する位置まで下降する。
【0067】
制御部7は、
図3に示すように、貯水タンク3内の水量が減少し、フロート62bが下限位置規制部67bに接する位置まで下降して、第2の検知部60bの出力がONからOFFに変化すると、貯水タンク3内の水量が、補給が必要な水量になったと判断し、バルブ52を開く。
【0068】
バルブ52が開くと、貯水タンク3内に補給口51から水が放出されることで、貯水タンク3内の水量が増加する。貯水タンク3内の水量が増加していくと、
図4に示すように、フロート62bが上限位置規制部66bに接する位置まで上昇して、第2の検知部60bの出力がOFFからONに変化する。
【0069】
このように、貯水タンク3内の水量が減少して、第2の検知部60bの出力がONからOFFに変化すると、水の補給が開始されて貯水タンク3内の水量が増加することで、第2の検知部60bのフロート62bと支持軸61との摺動部61bが、貯水タンク3内に溜まった水と接した状態となる。
【0070】
これに対し、第2の検知部60bのフロート62bが上昇して上限位置規制部66bに接する位置まで、貯水タンク3内の水量が増加しても、第1の検知部60aは、フロート62aと支持軸61との摺動部61aが、水面より上側に露出した状態である。
【0071】
水に界面活性剤等の添加物が含まれる場合、水に接していた部位が乾燥すると、固形物が発生する。貯水タンク3内の水量が減少した状態では、第1の検知部60aは、フロート62aと支持軸61との摺動部61aが、水面より上側に露出した状態となる。このため、固形物がフロート62aと支持軸61との摺動部61aに固着し、フロート62aが上下方向に移動できない摺動不良が発生する可能性がある。
【0072】
これに対し、貯水タンク3に水を補給するため、補給口51から水が放出されると、第1の検知部60aのフロート62aと支持軸61との摺動部61aに沿って水が流れる。
【0073】
これにより、貯水タンク3内の水量が減少することで、第1の検知部60aが水面から露出しても、フロート62aと支持軸61との摺動部61aに水が掛かり、フロート62aと支持軸61との摺動部61aが乾燥することが抑制される。従って、水に含まれる界面活性剤が固形物となって、フロート62aと支持軸61との摺動部61aに固着することが抑制される。
【0074】
補給口51からの水の放出が継続されることで、貯水タンク3内の水量が増加すると、下限位置規制部67aに接する位置まで下降している第1の検知部60aのフロート62aが浮く位置に水面が上昇する。更に、貯水タンク3内の水量が増加すると、フロート62aが上限位置規制部66aに接する位置まで上昇する。
【0075】
制御部7は、
図1に示すように、貯水タンク3内の水量が増加し、フロート62aが上限位置規制部66aに接する位置まで上昇して、第1の検知部60aの出力がOFFからONに変化すると、貯水タンク3内の水量が、満水と見なす水量になったと判断し、バルブ52を閉じる。これにより、貯水タンク3への水の補給が停止される。
【0076】
水に含まれる界面活性剤が固形物となって、フロート62aと支持軸61との摺動部61aに固着することで、フロート62aが上下方向に移動できない状態となると、貯水タンク3内の水量の増加に追従して、フロート62aが上昇できない。これにより、貯水タンク3内の水量が、満水と見なす水量になっても、第1の検知部60aの出力がOFFからONに変化せず、満水と見なす水量になったと判断できない。このため、バルブ52が開いたままの状態となって水の補給が継続され、貯水タンク3から水が溢れる可能性がある。
【0077】
これに対し、貯水タンク3内の水量が減少することで、水の補給が開始されると、フロート62aと支持軸61との摺動部61aに水が掛かり、第1の検知部60aが水面から露出しても、フロート62aと支持軸61との摺動部61aが乾燥することが抑制される。従って、水に含まれる界面活性剤が固形物となって、フロート62aと支持軸61との摺動部61aに固着することが抑制される。
【0078】
これにより、貯水タンク3内の水量の増加に追従して、フロート62aを上昇させることができ、貯水タンク3内の水量が、満水と見なす水量になったことを確実に検知できる。従って、貯水タンク3内の水量が満水と見なす水量になった後、水の補給が継続されることを確実に防止することができ、貯水タンク3から水が溢れることを確実に防止できる。
【0079】
<第2の実施の形態の用紙処理装置の構成例>
図5は、第2の実施の形態の用紙処理装置の一例を示す構成図である。第2の実施の形態の用紙処理装置1Bは、水量検知センサ6Bとして、貯水タンク3内の水量が、満水と見なす水量になったこと、及び、補給が必要な水量になったことを検知する単一の検知部60と、検知部60を支持する支持軸61を備える。
【0080】
検知部60は、水に対して所定の比重を有したフロート62と、貯水タンク3内の水量の変化によりフロート62が所定の位置に移動したことを検知する図示しないセンサ部を備える。フロート62は、水に浮く比重を有し、貯水タンク3内の水量の変化により、支持軸61に沿って上下方向に移動する。
【0081】
検知部60は、貯水タンク3内の水量が増加して、フロート62が上限位置規制部66に接する位置まで上昇したこと、及び、貯水タンク3内の水量が減少して、フロート62が下限位置規制部67に接する位置まで下降したことを検知することで、貯水タンク3内の水量が、満水と見なす水量になったこと、及び、補給が必要な水量になったことを検知する。
【0082】
補給口51は、検知部60において、貯水タンク3内の水量検知に寄与する部位に対して水を放出できる位置に設けられ、フロート62と支持軸61との固着を抑制する。
【0083】
検知部60は、フロート62が支持軸61に対して摺動する構成で、貯水タンク3内の水の増減に追従してフロート62が上下動できなければ、貯水タンク3内の水量を検知できないことから、フロート62と支持軸61との摺動部68が水量検知に寄与する部位となる。
【0084】
補給口51は、検知部60での水量検知に寄与する位置に、水を放出できるように、水の放出方向を下向きとして、支持軸61の直上に設けられる。これにより、貯水タンク3に水を補給するため、補給口51から水が放出されると、支持軸61に沿って上側から下側向けて水が流れることで、検知部60の摺動部68に沿って上側から水が流れる。
【0085】
<第2の実施の形態の用紙処理装置の動作例>
図6は、第2の実施の形態の用紙処理装置で水量が変化した状態の一例を示す構成図で、各図を参照して、用紙処理装置1Bにおいて貯水タンク3に水を補給する動作について説明する。
【0086】
制御部7は、
図6に示すように、貯水タンク3内の水量が減少し、フロート62が下限位置規制部67に接する位置まで下降したことを検知すると、貯水タンク3内の水量が、補給が必要な水量になったと判断し、バルブ52を開く。
【0087】
バルブ52が開くと、貯水タンク3内に補給口51から水が放出されることで、検知部60のフロート62と支持軸61との摺動部68に沿って上側から水が流れる。
【0088】
貯水タンク3内の水量が、満水と見なす水量になったこと、及び、補給が必要な水量になったことを、単一の検知部60で検知する構成では、第1の実施の形態のように、2つの検知部で検知する構成と比較して、フロート62と支持軸61との摺動部68が長い。
【0089】
そこで、補給口51から放出される水が、検知部60のフロート62と支持軸61との摺動部68に沿って上側から水が流れるように構成する。これにより、フロート62と支持軸61との摺動部68の全体に水が掛かり、フロート62と支持軸61との摺動部68が乾燥することが抑制される。従って、水に含まれる界面活性剤が固形物となって、フロート62と支持軸61との摺動部68に固着することが抑制される。
【0090】
制御部7は、
図5に示すように、貯水タンク3内の水量が増加し、フロート62が上限位置規制部66に接する位置まで上昇したことを検知すると、貯水タンク3内の水量が、満水と見なす水量になったと判断し、バルブ52を閉じる。これにより、貯水タンク3への水の補給が停止される。
【0091】
水に含まれる界面活性剤が固形物となって、フロート62と支持軸61との摺動部68に固着することで、フロート62が上下方向に移動できない状態となると、貯水タンク3内の水量の増加に追従して、フロート62が上昇できない。これにより、貯水タンク3内の水量が、満水と見なす水量になったことを検知できない。このため、バルブ52が開いたままの状態となって水の補給が継続され、貯水タンク3から水が溢れる可能性がある。
【0092】
これに対し、貯水タンク3内の水量が減少することで、水の補給が開始されると、フロート62と支持軸61との摺動部68の全体に水が掛かり、フロート62の上面側が水面から露出しても、フロート62と支持軸61との摺動部68が乾燥することが抑制される。従って、水に含まれる界面活性剤が固形物となって、フロート62と支持軸61との摺動部68に固着することが抑制される。
【0093】
これにより、貯水タンク3内の水量の増加に追従して、フロート62を上昇させることができ、貯水タンク3内の水量が、満水と見なす水量になったことを確実に検知できる。従って、貯水タンク3内の水量が満水と見なす水量になった後、水の補給が継続されることを確実に防止することができ、貯水タンク3から水が溢れることを確実に防止できる。
【0094】
<第3の実施の形態の用紙処理装置の構成例>
図7は、第3の実施の形態の用紙処理装置の一例を示す構成図である。第3の実施の形態の用紙処理装置1Cは、例えば、第1の実施の形態と同様な構成で、貯水タンク3の容量が小さい場合等に、検知部による水量検知のみならず、画像が形成された用紙の枚数に応じて貯水タンク3への水の補給を開始する。
【0095】
貯水タンク3の容量が少ない場合、貯水タンク3内の水量が、補給が必要な水量にまで減少する時間が早く、貯水タンク3の容量が大きい場合と比較して、第1の検知部60aのフロート62aと支持軸61との摺動部61aが水面から露出する時間が早くなる。
【0096】
そこで、制御部7は、
図2に示す画像形成装置101から、画像を形成した用紙の枚数情報を取得する。画像を形成した用紙の枚数が多い場合、加湿のための水の消費量も多くなるので、貯水タンク3内の水量が、補給が必要な水量になったことを第2の検知部60bで検知するより前に、バルブ52を開く。例えば、用紙の枚数情報に閾値を設定し、画像を形成した用紙の枚数が閾値を超えると、バルブ52を開く。なお、バルブ52の開度を制御できる構成では、第2の検知部60bで水の補給が必要であると判断した場合より、放出する水量を減らしても良い。
【0097】
バルブ52が開くと、貯水タンク3内に補給口51から水が放出されることで、第1の検知部60aのフロート62aと支持軸61との摺動部61aに沿って水が流れる。これにより、フロート62aと支持軸61との摺動部61aに水が掛かり、フロート62aと支持軸61との摺動部61aが乾燥することが抑制される。従って、水に含まれる界面活性剤が固形物となって、フロート62aと支持軸61との摺動部61aに固着することが抑制される。
【0098】
制御部7は、貯水タンク3内の水量が、満水と見なす水量になったことを検知すると、バルブ52を閉じる。これにより、貯水タンク3への水の補給が停止される。
【0099】
上述したように、画像を形成した用紙の枚数が多く、加湿のための水の消費量が多くなる場合、貯水タンク3内の水量が、補給が必要な水量となったことを検知するより前に水の補給を開始することで、フロート62aと支持軸61との摺動部61aに水が掛かり、フロート62aと支持軸61との摺動部61aが乾燥することが抑制される。従って、水に含まれる界面活性剤が固形物となって、フロート62aと支持軸61との摺動部61aに固着することが抑制される。
【0100】
これにより、貯水タンク3内の水量の増加に追従して、フロート62aを上昇させることができ、貯水タンク3内の水量が、満水と見なす水量になったことを確実に検知できる。従って、貯水タンク3内の水量が満水と見なす水量になった後、水の補給が継続されることを確実に防止することができ、貯水タンク3から水が溢れることを確実に防止できる。
【0101】
また、制御部7は、検知部による水量検知のみならず、貯水タンク3への水の補給を停止してからの時間に応じて貯水タンク3への水の補給を開始する。例えば、用紙処理装置1Aが長時間使用されない場合、加湿部2への水の供給に伴う水量の減少は発生しないが、自然乾燥に伴う水量の減少が発生し、フロート62a等が固着する可能性がある。
【0102】
そこで、制御部7は、貯水タンク3への水の補給を停止してからの時間を計時し、所定の時間が経過すると、バルブ52を開く。例えば、経過時間の閾値を設定し、貯水タンク3への水の補給を停止してからの時間が閾値を超えると、バルブ52を開く。これにより、フロート62aと支持軸61との摺動部61aに水が掛かり、フロート62aと支持軸61との摺動部61aが乾燥することが抑制される。従って、水に含まれる界面活性剤が固形物となって、フロート62aと支持軸61との摺動部61aに固着することが抑制される。
【0103】
制御部7は、貯水タンク3内の水量が、満水と見なす水量になったことを検知すると、バルブ52を閉じる。または、所定時間の経過後、バルブ52を閉じる。これにより、貯水タンク3への水の補給が停止される。
【0104】
<第4の実施の形態の用紙処理装置の構成例>
図8は、第4の実施の形態の用紙処理装置の一例を示す構成図である。第4の実施の形態の用紙処理装置1Dは、水量検知センサ6Dとして、光学式の検知部60dを備える。検知部60dは、水に対して所定の比重を有したフロート62dと、フロート62dを支持する支持軸61と、フロート62dを検知する一対の受発光素子から構成されるセンサ部63dを備える。
【0105】
貯水タンク3は、本例では、貯水タンク3内の水量が満水と見なす水量となった場合において水面に浮くフロート62dの高さに合わせて、一の側面30に光を透過する透過部31を備える。
【0106】
検知部60dは、貯水タンク3の外側で透過部31の位置に合わせてセンサ部63dが設けられる。センサ部63dは、発光素子から出射された光が透過部31を透過し、貯水タンク3内の水量が満水と見なす水量となった場合に、水面に浮くフロート62dに光が反射して受光素子に受光することで、フロート62dを検知する。
【0107】
補給口51は、検知部60dにおいて、貯水タンク3内の水量検知に寄与する部位に対して水を放出できる位置に設けられ、フロート62dと支持軸61との固着、及び、透過部31への固形物の付着を抑制する。
【0108】
検知部60dは、フロート62dが支持軸61に対して摺動する構成で、貯水タンク3内の水の増減に追従してフロート62dが上下動できなければ、貯水タンク3内の水量を検知できないことから、フロート62dと支持軸61との摺動部61dが水量検知に寄与する部位となる。また、透過部31に固着物が付着して光が遮蔽されると、貯水タンク3内の水量を検知できないことから、透過部31も水量検知に寄与する部位となる。
【0109】
そこで、補給口51は、水の放出方向を下向きとして、支持軸61の直上と、透過部31が設けられた側面30の直上に設けられる。これにより、貯水タンク3に水を補給するため、補給口51から水が放出されると、支持軸61に沿って上側から下側向けて水が流れる。また、透過部31に沿って上側から下側向けて水が流れる。
【0110】
従って、貯水タンク3内の水量の増加に追従して、フロート62dを上昇させることができると共に、透過部31に固着物が付着することが抑制され、貯水タンク3内の水量が、満水と見なす水量になったことを確実に検知できる。従って、貯水タンク3内の水量が満水と見なす水量になった後、水の補給が継続されることを確実に防止することができ、貯水タンク3から水が溢れることを確実に防止できる。