(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の離隔距離測定具や公知の間隔測定桿を用いる場合、離隔距離の測定及び判定対象となる架空通信線等の直下又はその周辺から測定及び判定を行う必要がある。このため河川上空に架設されている河川横断通信線や田植え時期における水田上空に架設されている横断通信線等のケーブルの離隔距離を測定及び判定することが困難である。また特許文献1に記載の離隔距離測定具や公知の間隔測定桿は、長尺物であるため、規定の感電防止措置を講ずる必要がある。
【0006】
またレーザー距離計を用いる場合には、レーザー光が人体、特に眼に対して有害である点、測定対象が黒色等の暗い色を有しているとレーザー光が吸収され測定時間が長くなる点、日差しの強い屋外において測定可能距離が短くなる点に注意が必要である。
【0007】
本発明の目的は、測定対象物の遠方から簡単かつ精度良く離隔距離を測定可能な離隔距離測定システ
ムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、電柱に架設された架空線間又は架空線と他の構造物との間の離隔距離を測定する、
第1離隔距離測定システム及び第2離隔距離測定システムを備える離隔距離測定システムであって、
前記第1離隔距離測定システム及び前記第2離隔距離測定システムは、それぞれ被写体の3次元画像データを取得可能なステレオカメラと、前記ステレオカメラが取得した画像データに基づいて任意の対象点の3次元座標を演算可能な座標演算手段と、3次元座標に基づいて任意の対象点間の距離を演算可能な離隔距離演算手段と、を備え、前記座標演算手段は、離隔距離の測定対象物及び前記架空線を架設している前記電柱に既設の既知寸法部分の3次元座標を演算するように構成され、前記離隔距離演算手段は、前記測定対象物の3次元座標に基づいて前記測定対象物間の離隔距離を演算するとともに、前記既知寸法部分の3次元座標に基づいて前記既知寸法部分の寸法を演算するように構成され、さらに前記離隔距離演算手段が演算した前記既知寸法部分の測定寸法及び前記既知寸法部分の既知寸法に基づいて、前記離隔距離演算手段が演算した前記測定対象物間の離隔距離を補正し測定値とする補正手段を備え、前記既知寸法部分が、
前記架空線を架設している電柱に取付けられた足場ボルトの間隔Lであり、前記第1離隔距離測定システムは、前記ステレオカメラが地上に設置され地上から測定対象物間の離隔距離の測定を行い、前記第2離隔距離測定システムは、前記ステレオカメラが無人飛行手段に搭載され、上空から測定対象物間の離隔距離の測定を行い、前記第2離隔距離測定システムは、さらに前記第1離隔距離測定システムにより得た3次元座標と、GPS又はGLONASS又は準天頂衛星システム(QZSS)により取得した前記無人飛行手段の位置情報とから無人飛行手段に搭載された前記ステレオカメラの視野に前記測定対象物及び既知寸法部分が入るように前記無人飛行手段を自律飛行させる飛行制御手段を備え、
前記第1離隔距離測定システムにより得た3次元座標が、画像データを取得したときの前記ステレオカメラの位置情報、前記座標演算手段によって演算した、測定対象物である2本の架空線又は架空線と樹木、建物の3次元座標群、及び既知寸法部分である電柱に既設の2本の足場ボルトの各先端部の3次元座標であることを特徴とする離隔距離測定システムである。
【0011】
また本発明の離隔距離測定システムは、同種及び/又は異種の前記離隔距離測定システムを複数備え、さらに複数の前記離隔距離測定システムによる前記測定値のうち、最も小さい値のものを判別可能な判別手段を備え、複数の前記離隔距離測定システムによる前記測定値のうち、最も小さい値のものを最終的な離隔距離測定値として採用するように構成されていることを特徴とする。
【0012】
また本発明の離隔距離測定システムは、同種及び/又は異種の前記離隔距離測定システムを複数備え、さらに複数の前記離隔距離測定システムによる前記既知寸法部分の測定寸法のうち、前記既知寸法部分の既知寸法に最も近いものを判別可能な判別手段を備え、複数の前記離隔距離測定システムによる前記測定値のうち、前記既知寸法部分の測定寸法が前記既知寸法部分の既知寸法に最も近い前記離隔距離測定システムによる前記測定値を最終的な離隔距離測定値として採用するように構成されていることを特徴とする。
【0014】
また本発明の離隔距離測定システムにおいて、前記ステレオカメラに代えて、任意の対象点までの距離を取得可能なレーザースキャナを備え、前記座標演算手段は、前記レーザースキャナが取得した距離に基づいて任意の対象点の3次元座標を演算可能に構成されていることを特徴とする
。
【発明の効果】
【0016】
本発明の離隔距離測定システム及び方法によれば、架空線を架設している電柱に既設の既知寸法部分の寸法を用いて離隔距離の補正を行うことができるので、既知寸法部分の寸法を容易に得ることが可能であるとともに既知寸法部分の既知寸法が明確であり、測定対象物の遠方からでも簡単かつ精度良く離隔距離を測定可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1は、本発明の第1実施形態の離隔距離測定システム1において、既知寸法部分の画像データを取得している状態を示す模式図、
図2は、本発明の第1実施形態の離隔距離測定システム1において、測定対象物の画像データを取得している状態を示す模式図、
図3は、本発明の第1実施形態の離隔距離測定システム1の構成図、
図4は、
図3の離隔距離測定システム1による離隔距離測定方法を示すフローチャートである。
【0019】
本発明の第1実施形態の離隔距離測定システム1は、地上から測定対象物間の離隔距離の測定を行う第1離隔距離測定システム10と、上空から測定対象物間の離隔距離の測定を行う第2離隔距離測定システム11と、第1離隔距離測定システム10及び第2離隔距離測定システム11の測定値のうち、小さい方の測定値を判別する判別手段12とを備え、第1離隔距離測定システム10及び第2離隔距離測定システム11がそれぞれ測定対象物間の離隔距離を測定し、それぞれの測定値のうち、小さい方の測定値を最終的な離隔距離測定値として採用するものである。
【0020】
また本実施形態における第1離隔距離測定システム10及び第2離隔距離測定システム11それぞれは、測定基準として既知寸法部分の寸法を測定し、該測定寸法及び既知寸法部分の既知寸法に基づいて測定対象物間の測定した離隔距離を補正するように構成されている。
【0021】
なお本実施形態における離隔距離の測定対象物は、電柱100に架設された2本の架空線101、102であり、既知寸法部分は、電柱100に既設の足場ボルト103の間隔Lである。足場ボルト103の間隔Lは、通常、0.9mに規定されている。
【0022】
第1離隔距離測定システム10は、三脚20に支持され被写体の3次元画像データを取得するステレオカメラ21と、ステレオカメラ21が取得した画像データに含まれる測定対象物間の離隔距離を演算する演算手段22とを備えている。
【0023】
ステレオカメラ21は、被写体を複数の異なる方向から同時に撮影することで被写体の3次元画像データを取得可能な公知のステレオカメラである。
【0024】
演算手段22は、ステレオカメラ21が取得した画像データに含まれる任意の対象点の3次元座標(経度、緯度、高度)を演算可能な座標演算手段23と、3次元座標に基づいて任意の対象点間の距離を演算し測定対象物間の離隔距離及び既知寸法部分の寸法を演算可能な離隔距離演算手段24と、離隔距離演算手段24が演算した測定対象物間の離隔距離を補正可能な補正手段25とを備えている。
【0025】
なお演算手段22は、例えば、プロセッサ(図示省略)等によって実行可能なプログラムとしてメモリ(図示省略)等に格納された状態で第1離隔距離測定システム10に実装される。演算手段22は、例えば、ステレオカメラ21に組込まれていてもよく、地上のタブレット型コンピュータ(図示省略)等に組込まれていてもよい。さらに演算手段22の一部がステレオカメラ21に組込まれ、他の部分が上のタブレット型コンピュータ(図示省略)等に組込まれていてもよい。なお演算等にタブレット型コンピュータ等を使用する場合には、ステレオカメラ21とタブレット型コンピュータ等とは、画像データや3次元座標データ等を送受信可能に有線又は無線で接続される。
【0026】
座標演算手段23は、基本的には、画像データを取得したときのステレオカメラ21の位置情報(3次元座標)に基づいて、画像データにおける任意の対象点の画素の位置から三角測量の原理によって該対象点の位置である3次元座標を演算可能に構成されている。
【0027】
より具体的には、本実施形態における座標演算手段23は、測定対象物である2本の架空線101、102の3次元座標群、及び既知寸法部分である電柱100に既設の2本の足場ボルト103の各先端部の3次元座標を演算するように構成されている。
【0028】
離隔距離演算手段24は、基本的には、座標演算手段23が演算した任意の2つの対象点の3次元座標間の直線距離を演算可能に構成されている。
【0029】
より具体的には、本実施形態における離隔距離演算手段24は、測定対象物である2本の架空線101、102の互いの3次元座標群の各3次元座標間の直線距離を演算し、演算した直線距離のうち最も短い直線距離を測定対象物間の離隔距離とするように構成されている。また本実施形態における離隔距離演算手段24は、既知寸法部分である2本の足場ボルト103の各先端部の3次元座標間の直線距離(間隔L)を演算し、これを既知寸法部分の測定寸法とするように構成されている。
【0030】
補正手段25は、既知寸法部分の既知寸法と、離隔距離演算手段24が演算した既知寸法部分の測定寸法との比率を演算し、該比率を使用して離隔距離演算手段24が演算した測定対象物間の離隔距離を補正するように構成されている。なお既知寸法部分の既知寸法は、規定値や設計値等を用いてもよく、他の測定方法による実測値を用いてもよい。
【0031】
第2離隔距離測定システム11は、無人飛行可能な無人飛行手段30と、被写体の3次元画像データを取得するステレオカメラ31と、ステレオカメラ31が取得した画像データに含まれる測定対象物間の離隔距離を演算する演算手段32とを備えている。
【0032】
無人飛行手段30は、いわゆるドローンである。ただし無人飛行手段30は、ドローンに限定されるものではなく、例えば、無人飛行可能な小型ヘリコプター等であってもよい。また本実施形態における無人飛行手段30は、リモコン37による遠隔操作によって飛行するように構成されているが、後述する第3実施形態における第2離隔距離測定システム50では、無人飛行手段30が自律飛行可能に構成されており、どちらを用いてもよい。
【0033】
また無人飛行手段30は、演算手段32の座標演算手段33で使用する自身(ステレオカメラ31)の位置情報(3次元座標)を高精度に特定可能に、GPS、GLONASS、準天頂衛星システム(QZSS)等を適宜、利用可能に構成されている。
【0034】
ステレオカメラ31、演算手段32は、第1離隔距離測定システム10のステレオカメラ21、演算手段22と同一構成であり、演算手段32は、座標演算手段33、離隔距離演算手段34、補正手段35を備える。
【0035】
判別手段12は、第1離隔距離測定システム10及び第2離隔距離測定システム11の補正手段25、35による補正後の測定値のうち、小さい方の測定値を判別し最終的な離隔距離測定値として採用する。判別手段12は、演算手段22、32と同様、例えば、プロセッサ(図示省略)等によって実行可能なプログラムとしてタブレット型コンピュータ等のメモリ(図示省略)等に格納された状態で離隔距離測定システム1に実装される。
【0036】
また離隔距離測定システム1は、判別手段12が採用した離隔距離測定値を無人飛行手段30のリモコン37やタブレット型コンピュータ等の表示装置に表示させる。
【0037】
次に本実施形態の離隔距離測定システム1による離隔距離測定方法について説明する。本実施形態では、離隔距離を測定する測定対象物を電柱100に架設された2本の架空線101、102とし、測定対象物間の離隔距離の補正に用いる既知寸法部分を電柱100に既設の足場ボルト103の間隔Lとして説明する。
【0038】
まず
図1に示すように第1離隔距離測定システム10において、地上に設置したステレオカメラ21によって2本の足場ボルト103の各先端部が視野に入るように撮影を行い画像データを取得する。また
図2に示すように第1離隔距離測定システム10において、地上に設置したステレオカメラ21によって2本の架空線101、102の被測定部(一部又は全部)が視野に入るように撮影を行い画像データを取得する(ステップS1)。
【0039】
さらに
図1に示すように第2離隔距離測定システム11において、リモコン37によって無人飛行手段30の遠隔操作を行い、無人飛行手段30に搭載したステレオカメラ31によって2本の足場ボルト103の各先端部が視野に入るように撮影を行い画像データを取得し、
図2に示すようにリモコン37によって無人飛行手段30の遠隔操作を行い、無人飛行手段30に搭載したステレオカメラ31によって2本の架空線101、102の第1離隔距離測定システム10のときと同じ被測定部が視野に入るように撮影を行い画像データを取得する(ステップS11)。
【0040】
なお画像データの取得順番は、上記の順番に限定されるものではない。
【0041】
第1離隔距離測定システム10及び第2離隔距離測定システム11は、画像データを取得すると、それぞれ、演算手段22、32によって画像データに含まれる2本の足場ボルト103の各先端部の3次元座標、及び2本の架空線101、102の3次元座標群を演算する(ステップS2、ステップS12)。
【0042】
3次元座標の演算後、離隔距離演算手段24、34によって3次元座標に基づいて2本の足場ボルト103の各先端部間の離隔距離(間隔Lの測定寸法)、及び2本の架空線101、102の離隔距離を演算する(ステップS3、S13)。
【0043】
離隔距離の演算後、補正手段25、35によって2本の足場ボルト103の各先端部間の間隔Lの測定寸法と該間隔Lの既知寸法との比率に基づいて、2本の架空線101、102の離隔距離を補正する(ステップS4、S14)。
【0044】
離隔距離の補正後、離隔距離測定システム1は、判別手段12によって第1離隔距離測定システム10及び第2離隔距離測定システム11それぞれの補正後の測定値のうち、小さい方の測定値を判別し最終的な離隔距離測定値として採用する(ステップS21)。離隔距離測定システム1は、採用した離隔距離測定値を適宜、タブレット型コンピュータ等に表示させる。
【0045】
以上のように本実施形態の離隔距離測定システムによれば、架空線101、102の周辺の既知寸法部分である電柱100の足場ボルト103の間隔Lを測定基準とし、該間隔Lの測定寸法及び既知寸法を用いて測定対象物である架空線101、102の間の離隔距離を補正可能なので、測定基準となる既知寸法部分の測定寸法を容易に得ることが可能であるとともに既知寸法部分の既知寸法が明確であり、架空線101、102の遠方からでも簡単かつ精度良く離隔距離を測定可能となる。
【0046】
これにより従来の測定具や判定器を持ち込めない場所に架設されている架空線、例えば、河川横断通信線や水田上空横断通信線等の離隔距離の測定及び判定を簡単かつ精度良く実施可能となる。また充電物に接近することなく離隔距離の測定が可能となり、感電の恐れがなく安全性も向上する。
【0047】
また第1離隔距離測定システム10及び第2離隔距離測定システム11の補正後の測定値のうち、小さい方の測定値を最終的な離隔距離測定値として採用するので、架空線101、102を架設するときの離隔距離の規定に対する判定がより厳しいものとなり、結果的により安全に配慮した架空線101、102の架設及び維持管理が実現可能となる。
【0048】
また測定にレーザー光を使用しないので、人体、特に眼に悪影響を及ぼす心配がなく、日差しの強い野外でも測定可能距離が低下することはない。なお本実施形態の離隔距離測定システム1において、ステレオカメラ21、31に代えて、レーザースキャナを用いて任意の対象点の3次元座標を取得するように構成することも可能である。
【0049】
地上のステレオカメラ21に代えてレーザースキャナを用いる場合には、レーザー光が人体、特に眼に悪影響を及ぼす恐れがある点、測定対象が黒色等の暗い色を有しているとレーザー光が吸収され測定時間が長くなる点、日差しの強い野外では測定可能距離が低下する点に注意が必要であるが、無人飛行手段30に搭載されたステレオカメラ31に代えて、レーザースキャナを用いる場合には、無人飛行手段30によって作業員から遠ざかりつつ測定対象物及び既知寸法部分に接近可能なので上記のデメリットが緩和される。
【0050】
図5は、本発明の第2実施形態の離隔距離測定システム2の構成図、
図6は、
図5の離隔距離測定システム2による離隔距離測定方法を示すフローチャートである。
図1から
図4に示す第1実施形態の離隔距離測定システム1と同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。第2実施形態の離隔距離測定システム2は、第1実施形態の離隔距離測定システム1と基本的構成は同じであるが、判別手段40の機能が異なる。
【0051】
本実施形態における判別手段40は、第1離隔距離測定システム10及び第2離隔距離測定システム11それぞれの既知寸法部分の測定寸法のうち、既知寸法部分の既知寸法に近い方を判別し、第1離隔距離測定システム10及び第2離隔距離測定システム11のうち、測定寸法が既知寸法部分の既知寸法に近い方、つまり既知寸法部分の寸法をより正確に測定している方の補正後の測定値を最終的な離隔距離測定値として採用するように構成されている。
【0052】
本実施形態の離隔距離測定システム2による離隔距離測定方法は、
図6に示すように、ステップS1〜S4、S11〜S14までは、第1実施形態の離隔距離測定システム1による離隔距離測定方法と同じである。
【0053】
離隔距離の補正後、離隔距離測定システム2は、判別手段40によって第1離隔距離測定システム10及び第2離隔距離測定システム11それぞれにおける2本の足場ボルト103の各先端部間の間隔Lである測定寸法のうち、該間隔Lの既知寸法に近い方を判別し、判別した方の補正後の測定値を最終的な離隔距離測定値として採用する(ステップS23)。なお判別手段40による判別は、測定対象物間の離隔距離の補正前に実行してもよく、この場合には、測定寸法が既知寸法に近い方のみ、測定対象物間の離隔距離の補正を行えばよく、補正後の測定値を最終的な離隔距離測定値として採用する。
【0054】
以上のように、第2実施形態の離隔距離測定システム2によれば、第1離隔距離測定システム10及び第2離隔距離測定システム11の測定値のうち、既知寸法部分の寸法をより正確に測定している方の測定値、つまり測定対象物間の離隔距離をより正確に測定していると推定される測定値を採用することができる。
【0055】
図7は、本発明の第3実施形態の離隔距離測定システム3の構成図、
図8は、
図7の離隔距離測定システム3による離隔距離測定方法を示すフローチャートである。
図1から
図4に示す第1実施形態の離隔距離測定システム1と同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。第3実施形態の離隔距離測定システム3は、第1実施形態の離隔距離測定システム1と基本的構成は同じであるが、第2離隔距離測定システム50が無人飛行手段30を自律飛行させる飛行制御手段51を備える。
【0056】
飛行制御手段51は、第1離隔距離測定システム10で使用した3次元座標に基づいて測定対象物である2本の架空線101、102、既知寸法部分である電柱100に既設の足場ボルト103の近傍に無人飛行手段30を自律飛行させるように構成されている。飛行制御手段51は、演算手段32等と同様、例えば、プロセッサ(図示省略)等によって実行可能なプログラムとして無人飛行手段30やリモコン37に搭載されたコンピュータ等のメモリ(図示省略)等に格納された状態で第2離隔距離測定システム50に実装される。
【0057】
第1離隔距離測定システム10で使用した3次元座標とは、具体的には、画像データを取得したときのステレオカメラ21の位置情報、座標演算手段23によって演算した、測定対象物である2本の架空線101、102の3次元座標群、及び既知寸法部分である電柱100に既設の2本の足場ボルト103の各先端部の3次元座標である。
【0058】
飛行制御手段51は、第2離隔距離測定システム50のステレオカメラ31による測定対象物及び既知寸法部分の画像データ取得時に、第1離隔距離測定システム10で使用した上記の3次元座標と、GPS、GLONASS、準天頂衛星システム(QZSS)等を利用して取得した無人飛行手段30の位置情報(3次元座標)とを比較演算し、無人飛行手段30に搭載したステレオカメラ31の視野に測定対象物(被測定部)及び既知寸法部分が入るように無人飛行手段30を自律飛行させる。
【0059】
このため本実施形態の離隔距離測定システム3による離隔距離測定方法では、
図8に示すように、第1離隔距離測定システム10の座標演算手段23による3次元座標の演算(ステップS2)後に第2離隔距離測定システム50が測定対象物及び既知寸法部分の撮影(ステップS11)を実施する。
【0060】
さらに第2離隔距離測定システム50において、飛行制御手段51は、ステレオカメラ31が取得した画像データを解析し、画像データ内に測定対象物及び既知寸法部分が含まれていない場合、ステレオカメラ31の視野に測定対象物及び既知寸法部分が入るように無人飛行手段30の飛行経路を補正するように構成されていてもよい。
【0061】
以上のように、本実施形態の離隔距離測定システム3によれば、無人飛行手段30が自律飛行可能なので、リモコン37による無人飛行手段30の遠隔操作が不要となり、より簡単に測定対象物間の離隔距離を測定可能となる。
【0062】
以上、第1から第3実施形態の離隔距離測定システム1、2、3を用いて、本発明の離隔距離測定システム及び方法を説明したが、本発明の離隔距離測定システム及び方法は、上記実施形態に限定されるものではなく要旨を変更しない範囲で変形することができる。
【0063】
例えば、本発明の離隔距離測定システムは、単独又は複数の第1離隔距離測定システム10で構成されていてもよく、単独又は複数の第2離隔距離測定システム11、50で構成されていてもよく、1つの第1離隔距離測定システム10と複数の第2離隔距離測定システム11、50とで構成されていてもよく、複数の第1離隔距離測定システム10と1つの第2離隔距離測定システム11、50とで構成されていてもよく、複数の第1離隔距離測定システム10と複数の第2離隔距離測定システム11、50とで構成されていてもよい。
【0064】
本発明の離隔距離測定システムが合計3以上の第1離隔距離測定システム10及び/又は複数の第2離隔距離測定システム11、50で構成される場合には、各第1離隔距離測定システム10及び第2離隔距離測定システム11、50の測定値のうち、最も小さい値のものを最終的な離隔距離測定値として採用する、又は既知寸法部分の測定寸法が既知寸法に最も近い第1離隔距離測定システム10又は第2離隔距離測定システム11、50の測定値を最終的な離隔距離測定値として採用すればよい。
【0065】
また無人飛行手段30を自律飛行させる飛行制御手段51を備える複数の第2離隔距離測定システム50のみで本発明の離隔距離測定システムを構成する場合には、最初に画像データを取得する第2離隔距離測定システム50の無人飛行手段30の自律飛行経路については、地図情報や地形図情報等に基づいて予め設定しておき、これ以降に画像データを取得する第2離隔距離測定システム50の無人飛行手段30の自律飛行経路については、最初に画像データを取得した第2離隔距離測定システム50で使用した3次元座標を用いて設定及び補正すればよい。
【0066】
また本発明の離隔距離測定システム及び方法において、測定値の補正に使用する既知寸法部分は、上記実施形態の足場ボルト103の間隔Lに限定されるものではなく、例えば、電柱番号札(事業者によって異なるが、縦の長さが100mm〜300mm)、大型電柱札(事業者によって異なるが、縦400mm、横150mm)、開閉器取付柱、分岐柱、特殊機器の設置柱、その他保守運用上、特に必要な箇所であってもよい。なお離隔距離の測定精度を向上する上では、既知寸法部分とステレオカメラ又はレーザースキャナとの距離は、補正時の誤差の影響を低減すべく、測定対象物とステレオカメラ又はレーザースキャナとの距離に近いことが好ましい。
【0067】
また本発明の離隔距離測定システム及び方法において、架空線との離隔距離を測定する構造物は、上記実施形態の架空線に限定されるものではなく、例えば、樹木や建物等であってもよい。
【0068】
以上のとおり、図面を参照しながら好適な実施形態を説明したが、当業者であれば、本明細書を見て、自明な範囲内で種々の変更及び修正を容易に想定するであろう。従って、そのような変更及び修正は、請求の範囲から定まる発明の範囲内のものと解釈される。