特許第6972592号(P6972592)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ TDK株式会社の特許一覧

<>
  • 特許6972592-電子部品及び電子部品装置 図000002
  • 特許6972592-電子部品及び電子部品装置 図000003
  • 特許6972592-電子部品及び電子部品装置 図000004
  • 特許6972592-電子部品及び電子部品装置 図000005
  • 特許6972592-電子部品及び電子部品装置 図000006
  • 特許6972592-電子部品及び電子部品装置 図000007
  • 特許6972592-電子部品及び電子部品装置 図000008
  • 特許6972592-電子部品及び電子部品装置 図000009
  • 特許6972592-電子部品及び電子部品装置 図000010
  • 特許6972592-電子部品及び電子部品装置 図000011
  • 特許6972592-電子部品及び電子部品装置 図000012
  • 特許6972592-電子部品及び電子部品装置 図000013
  • 特許6972592-電子部品及び電子部品装置 図000014
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6972592
(24)【登録日】2021年11月8日
(45)【発行日】2021年11月24日
(54)【発明の名称】電子部品及び電子部品装置
(51)【国際特許分類】
   H01G 4/30 20060101AFI20211111BHJP
   H01G 4/12 20060101ALI20211111BHJP
【FI】
   H01G4/30 201F
   H01G4/30 513
   H01G4/12 270
【請求項の数】7
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2017-51590(P2017-51590)
(22)【出願日】2017年3月16日
(65)【公開番号】特開2018-157029(P2018-157029A)
(43)【公開日】2018年10月4日
【審査請求日】2019年12月13日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003067
【氏名又は名称】TDK株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100124062
【弁理士】
【氏名又は名称】三上 敬史
(72)【発明者】
【氏名】小野寺 伸也
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 考喜
(72)【発明者】
【氏名】金子 英樹
【審査官】 北原 昂
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−226017(JP,A)
【文献】 特開平08−203770(JP,A)
【文献】 特開2015−026840(JP,A)
【文献】 特開2014−027085(JP,A)
【文献】 特開2015−216337(JP,A)
【文献】 特開2018−088451(JP,A)
【文献】 特開2002−198229(JP,A)
【文献】 特開2004−296936(JP,A)
【文献】 特開2018−041761(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01G 4/30
H01G 4/12
H01G 4/232
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
直方体形状を呈しており、互いに対向している一対の端面と、前記一対の端面と隣り合い、かつ、実装面とされる主面と、を有している素体と、
前記一対の端面が対向している方向での前記素体の両端部にそれぞれ配置されていると共に、前記端面上に配置されている第一電極部と、前記端面と前記主面との間に位置している稜線部上と前記主面上とに配置されている第二電極部を有している外部電極と、を備え、
前記外部電極は、焼結金属層と、前記焼結金属層上と前記素体上とにわたって形成されている導電性樹脂層と、を有し、
前記第一及び第二電極部が有している前記導電性樹脂層の平均厚みは、前記第一及び第二電極部が有している前記焼結金属層の平均厚みよりも小さく、
前記第一電極部は、前記焼結金属層が前記導電性樹脂層から露出している第一領域と、前記焼結金属層が前記導電性樹脂層で全体的に覆われていると共に前記第一領域よりも前記主面寄りに位置している第二領域と、を有し
前記第二電極部では、前記焼結金属層の全体が前記導電性樹脂層で覆われており、
前記第一電極部が有している前記導電性樹脂層と前記第二電極部が有している前記導電性樹脂層とは一体的に形成されている、電子部品。
【請求項2】
前記素体は、前記一対の端面と前記主面とに隣り合う側面を更に有し、
前記外部電極は、前記側面上と、前記端面と前記側面との間に位置している稜線部上とに配置されている第三電極部を更に有し、
前記第一、第二、及び第三電極部が有している前記導電性樹脂層の平均厚みは、前記第一、第二、及び第三電極部が有している前記焼結金属層の平均厚みよりも小さく、
前記第一電極部が有している前記導電性樹脂層と前記第二電極部が有している前記導電性樹脂層と前記第三電極部が有している前記導電性樹脂層とは一体的に形成されている、請求項に記載の電子部品。
【請求項3】
前記第三電極部は、前記焼結金属層が前記導電性樹脂層から露出している第三領域と、前記焼結金属層が前記導電性樹脂層で全体的に覆われていると共に前記第三領域よりも前記主面寄りに位置している第四領域と、を有している、請求項に記載の電子部品。
【請求項4】
前記一対の端面が対向している前記方向での前記第四領域の幅は、前記第二電極部から離れるにしたがって小さくなっている、請求項に記載の電子部品。
【請求項5】
前記側面に直交する方向から見て、前記第四領域の端縁は、円弧状を呈している、請求項に記載の電子部品。
【請求項6】
前記素体内に配置されていると共に、前記一対の端面のうち対応する端面に露出している複数の内部電極を更に備えている、請求項1〜のいずれか一項に記載の電子部品。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか一項に記載の電子部品と、
はんだフィレットを介して前記外部電極と連結されているパッド電極を有している電子機器と、を備え、
前記はんだフィレットは、前記第一領域と前記第二領域とに形成されている、電子部品装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子部品に関する。
【背景技術】
【0002】
直方体形状を呈しており、互いに対向している一対の端面を有している素体と、一対の端面が対向している方向での素体の両端部にそれぞれ複数配置されている外部電極と、を備えている電子部品が知られている(たとえば、特許文献1参照)。特許文献1に記載された電子部品では、外部電極は、焼結金属層と、焼結金属層上と素体上とわたって形成されている導電性樹脂層と、を有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平8−107038号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の一つの態様は、素体におけるクラックの発生が抑制され、かつ、ESR(等価直列抵抗)の増大が抑制されている電子部品を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一つの態様に係る電子部品は、直方体形状を呈しており、互いに対向している一対の端面を有している素体と、一対の端面が対向している方向での素体の両端部にそれぞれ配置されている外部電極と、を備え、外部電極は、焼結金属層と、焼結金属層上と素体上とにわたって形成されている導電性樹脂層と、を有し、導電性樹脂層の平均厚みは、焼結金属層の平均厚みよりも小さい。
【0006】
特許文献1に記載された電子部品では、導電性樹脂層の厚みは考慮されていない。一般に、導電性樹脂層の厚みが大きいほど、クラックの発生を抑制する効果が高いとされてきた。これに対し、本発明者らの新たな知見によれば、導電性樹脂層の平均厚みが、焼結金属層の平均厚みよりも小さい場合でも、導電性樹脂層が焼結金属層上と素体上とわたって形成されていれば、クラックが素体に発生するのが抑制される。
【0007】
導電性樹脂層は、導電性材料(たとえば、金属粉末など)と樹脂(たとえば、熱硬化性樹脂など)とを含む。導電性樹脂層の電気抵抗は、焼結金属層の電気抵抗に比して大きい。導電性樹脂層の厚みが大きくなるほど、導電性樹脂層の電気抵抗が大きくなる。本発明の上記一つの態様に係る電子部品では、導電性樹脂層の平均厚みが、焼結金属層の平均厚みよりも小さいので、導電性樹脂層の平均厚みが焼結金属層の平均厚み以上である電子部品に比して、ESRの増大が抑制されている。
【0008】
外部電極は、端面上に配置されている第一電極部を有していてもよい。この場合、第一電極部が有している導電性樹脂層の平均厚みは、第一電極部が有している焼結金属層の平均厚みよりも小さくてもよい。電子部品が素体内に配置された内部導体を備えている場合、一般に、内部導体の端部が、素体の端面に露出しており、当該端部が外部電極に直接接続されている。このため、端面上に配置されている第一電極部は、ESRへの影響が大きい。本形態では、第一電極部が有している導電性樹脂層の平均厚みは、第一電極部が有している焼結金属層の平均厚みよりも小さいので、ESRの増大が確実に抑制される。
【0009】
素体は、一対の端面と隣り合い、かつ、実装面とされる主面を有していてもよい。この場合、第一電極部は、焼結金属層が導電性樹脂層から露出している第一領域と、焼結金属層が導電性樹脂層で覆われていると共に第一領域よりも主面寄りに位置している第二領域と、を有していてもよい。
【0010】
本発明者らの調査研究の結果、以下の事項が判明した。電子部品が電子機器(たとえば、回路基板又は電子部品など)にはんだ実装されている場合、電子機器から電子部品に作用する外力が、はんだ実装の際に形成されたはんだフィレットから外部電極を通して素体に応力として作用することがある。このとき、応力は、外部電極の端縁、実装面である主面上に位置する端縁に集中する傾向があるため、この端縁が起点となって、素体にクラックが発生するおそれがある。
【0011】
本形態では、端面上に配置されている第一電極部の第二領域が導電性樹脂層を有しているので、外部電極が第一電極部を有している場合でも、外部電極の端縁に応力が集中し難い。したがって、クラックが素体に発生するのが確実に抑制される。
【0012】
本形態では、第一電極部の第一領域では、焼結金属層が導電性樹脂層から露出している、すなわち、第一領域が導電性樹脂層を有していないので、第一領域では、導電性樹脂層を介することなく、焼結金属層と電子機器との電気的な接続が実現される。したがって、ESRの増大がより一層抑制されている。
【0013】
外部電極は、主面上と、端面と主面との間に位置している稜線部上とに配置されている第二電極部を更に有していてもよい。この場合、第一及び第二電極部が有している導電性樹脂層の平均厚みが、第一及び第二電極部が有している焼結金属層の平均厚みよりも小さくてもよい。本形態では、第二電極部が、導電性樹脂層を有しているので、クラックが素体に発生するのがより一層抑制される。また、導電性樹脂層を形成するために使用される導電性樹脂ペーストの量が削減される。
【0014】
素体は、一対の端面と主面とに隣り合う側面を更に有していてもよい。この場合、外部電極は、側面上と、端面と側面との間に位置している稜線部上とに配置されている第三電極部を更に有していてもよい。第一及び第三電極部が有している導電性樹脂層の平均厚みは、第一及び第三電極部が有している焼結金属層の平均厚みよりも小さくてもよい。本形態では、第三電極部が、導電性樹脂層を有しているので、クラックが素体に発生するのがより一層抑制される。また、導電性樹脂層を形成するために使用される導電性樹脂ペーストの量が削減される。
【0015】
第三電極部は、焼結金属層が導電性樹脂層から露出している第三領域と、焼結金属層が導電性樹脂層で覆われていると共に第三領域よりも主面寄りに位置している第四領域と、を有していてもよい。本形態では、側面上及び端面と側面との間に位置している稜線部上に配置されている第三電極部の第四領域が導電性樹脂層を有しているので、外部電極が第三電極部を有している場合でも、外部電極の端縁に応力が集中し難く、当該端縁がクラックの起点となり難い。したがって、クラックが素体に発生するのが確実に抑制される。
【0016】
本形態では、第三電極部の第三領域では、焼結金属層が導電性樹脂層から露出している、すなわち、第三領域が導電性樹脂層を有していないので、第三領域では、導電性樹脂層を介することなく、焼結金属層と電子機器との電気的な接続が実現される。したがって、ESRの増大がより一層抑制されている。
【0017】
一対の端面が対向している方向での第四領域の幅は、第二電極部から離れるにしたがって小さくなっていてもよい。この場合、クラックが素体に発生するのが抑制されつつ、導電性樹脂層を形成するために使用される導電性樹脂ペーストの量がより一層低減される。
【0018】
第二電極部では、焼結金属層の全体が導電性樹脂層で覆われていてもよい。本形態では、外部電極が第二電極部を有している場合でも、外部電極の端縁に応力が集中し難く、当該端縁がクラックの起点となり難い。したがって、クラックが素体に発生するのが確実に抑制される。
【0019】
第一電極部は、焼結金属層が導電性樹脂層から露出している第一領域と、焼結金属層が導電性樹脂層で覆われていると共に第一領域よりも主面寄りに位置している第二領域と、を有していてもよい。本形態では、部電極が第一電極部を有している場合でも、外部電極の端縁に応力が集中し難い。したがって、クラックが素体に発生するのが確実に抑制される。
【発明の効果】
【0020】
本発明の一つの態様によれば、素体におけるクラックの発生が抑制され、かつ、ESRの増大が抑制されている電子部品を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】第1実施形態に係る積層コンデンサの斜視図である。
図2】第1実施形態に係る積層コンデンサの断面構成を説明するための図である。
図3】第1実施形態に係る積層コンデンサの断面構成を説明するための図である。
図4】第1実施形態に係る積層コンデンサの実装構造を説明するための図である。
図5】第2実施形態に係る積層コンデンサの斜視図である。
図6】第2実施形態に係る積層コンデンサの側面図である。
図7】第2実施形態に係る積層コンデンサの断面構成を説明するための図である。
図8】第2実施形態に係る積層コンデンサの断面構成を説明するための図である。
図9】第2実施形態に係る積層コンデンサの断面構成を説明するための図である。
図10】第2実施形態に係る積層コンデンサの実装構造を説明するための図である。
図11】第2実施形態の変形例に係る積層コンデンサの側面図である。
図12】第2実施形態の変形例に係る積層コンデンサの側面図である。
図13】第2実施形態の変形例に係る積層コンデンサの側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には、同一符号を用いることとし、重複する説明は省略する。
【0023】
(第1実施形態)
図1図3を参照して、第1実施形態に係る積層コンデンサC1の構成を説明する。図1は、第1実施形態に係る積層コンデンサの斜視図である。図2及び図3は、第1実施形態に係る積層コンデンサの断面構成を説明するための図である。第1実施形態では、電子部品として積層コンデンサC1を例に説明する。
【0024】
積層コンデンサC1は、図1に示されるように、直方体形状を呈している素体3と、素体3の外表面に配置されている一対の外部電極5と、を有している。一対の外部電極5は、互いに離間している。直方体形状には、角部及び稜線部が面取りされている直方体の形状、及び、角部及び稜線部が丸められている直方体の形状が含まれる。
【0025】
素体3は、外表面として、互いに対向している長方形状の一対の主面3a,3bと、互いに対向している長方形状の一対の側面3cと、互いに対向している一対の端面3eと、を有している。一対の主面3a,3bが対向している方向が第一方向D1であり、一対の側面3cが対向している方向が第二方向D2であり、一対の端面3eが対向している方向が第三方向D3である。
【0026】
第一方向D1は、各主面3a,3bに直交する方向であり、第二方向D2と直交している。第三方向D3は、各主面3a,3bと各側面3cとに平行な方向であり、第一方向D1と第二方向D2とに直交している。第二方向D2は、各側面3cに直交する方向であり、第三方向D3は、各端面3eに直交する方向である。第1実施形態では、素体3の第三方向D3での長さは、素体3の第一方向D1での長さより大きく、かつ、素体3の第二方向D2での長さより大きい。第三方向D3が、素体3の長手方向である。
【0027】
一対の側面3cは、一対の主面3a,3bの間を連結するように第一方向D1に延在している。一対の側面3cは、第三方向D3にも延在している。一対の端面3eは、一対の主面3a,3bの間を連結するように第一方向D1に延在している。一対の端面3eは、第二方向D2にも延在している。
【0028】
素体3は、外表面として、一対の稜線部3gと、一対の稜線部3hと、四つの稜線部3iと、一対の稜線部3jと、一対の稜線部3kと、を有している。稜線部3gは、端面3eと主面3aとの間に位置している。稜線部3hは、端面3eと主面3bとの間に位置している。稜線部3iは、端面3eと側面3cとの間に位置している。稜線部3jは、主面3aと側面3cとの間に位置している。稜線部3kは、主面3bと側面3cとの間に位置している。本実施形態では、各稜線部3g,3h,3i,3j,3kは、湾曲するように丸められており、素体3には、いわゆるR面取り加工が施されている。
【0029】
端面3eと主面3aとは、稜線部3gを介して、間接的に隣り合っている。端面3eと主面3bとは、稜線部3hを介して、間接的に隣り合っている。端面3eと側面3cとは、稜線部3iを介して、間接的に隣り合っている。主面3aと側面3cとは、稜線部3jを介して、間接的に隣り合っている。主面3bと側面3cとは、稜線部3kを介して、間接的に隣り合っている。
【0030】
素体3は、一対の主面3a,3bが対向している方向(第一方向D1)に複数の誘電体層が積層されて構成されている。素体3では、複数の誘電体層の積層方向が第一方向D1と一致する。各誘電体層は、たとえば誘電体材料(BaTiO系、Ba(Ti,Zr)O系、又は(Ba,Ca)TiO系などの誘電体セラミック)を含むセラミックグリーンシートの焼結体から構成されている。実際の素体3では、各誘電体層は、各誘電体層の間の境界が視認できない程度に一体化されている。素体3では、複数の誘電体層の積層方向が第二方向D2と一致していてもよい。
【0031】
積層コンデンサC1は、電子機器(たとえば、回路基板又は電子部品など)に、はんだ実装される。積層コンデンサC1では、主面3aが、電子機器に対向する実装面とされる。主面3bが、電子機器に対向する実装面とされてもよい。
【0032】
積層コンデンサC1は、図2及び図3に示されるように、内部導体として、それぞれ複数の内部電極7,9を備えている。内部電極7,9は、積層型の電気素子の内部電極として通常用いられる導電性材料からなる。導電性材料として、卑金属(たとえば、Ni又はCuなど)が用いられる。内部電極7,9は、上記導電性材料を含む導電性ペーストの焼結体として構成されている。第1実施形態では、内部電極7,9は、Niからなる。
【0033】
内部電極7と内部電極9とは、第一方向D1において異なる位置(層)に配置されている。すなわち、内部電極7と内部電極9とは、素体3内において、第一方向D1に間隔を有して対向するように交互に配置されている。内部電極7と内部電極9とは、互いに極性が異なる。複数の誘電体層の積層方向が第二方向D2である場合、内部電極7と内部電極9とは、第二方向D2において異なる位置(層)に配置される。内部電極7,9の一端部は、対応する端面3eに露出している。
【0034】
外部電極5は、素体3における端面3e側に、すなわち素体3の第三方向D3での端部にそれぞれ配置されている。外部電極5は、主面3a上及び稜線部3g上に配置されている電極部5aと、主面3b上及び稜線部3h上に配置されている電極部5bと、各側面3c上及び各稜線部3i上に配置されている電極部5cと、対応する端面3eに配置されている電極部5eを有している。外部電極5は、稜線部3j,3k上に配置されている電極部も有している。外部電極5は、一対の主面3a,3b、一対の側面3c、及び一つの端面3eの五つの面、並びに、稜線部3g,3h,3i,3j,3kに形成されている。互いに隣り合う電極部5a,5b,5c,5e同士は、接続されており、電気的に接続されている。
【0035】
端面3eに配置されている電極部5eは、対応する内部電極7,9の端面3eに露出した一端部をすべて覆っている。内部電極7,9は、対応する電極部5eに直接的に接続されている。内部電極7,9は、対応する外部電極5に電気的に接続されている。
【0036】
外部電極5は、図2及び図3に示されるように、第一電極層E1、第二電極層E2、第三電極層E3、及び第四電極層E4を有している。第四電極層E4は、外部電極5の最外層を構成している。各電極部5a,5b,5c,5eは、第一電極層E1、第二電極層E2、第三電極層E3、及び第四電極層E4を有している。すなわち、各電極部5a,5b,5c,5eは、四層構造である。
【0037】
電極部5aの第一電極層E1は、稜線部3g上に配置されており、主面3a上には配置されていない。主面3aは、第一電極層E1に覆われておらず、第一電極層E1から露出している。電極部5aの第二電極層E2は、第一電極層E1上及び主面3a上に配置されており、第一電極層E1の全体が第二電極層E2で覆われている。電極部5aの第二電極層E2は、主面3aと接している。電極部5aは、稜線部3g上では四層構造を有しており、主面3a上では三層構造を有している。
【0038】
電極部5bの第一電極層E1は、稜線部3h上に配置されており、主面3b上には配置されていない。主面3bは、第一電極層E1に覆われておらず、第一電極層E1から露出している。電極部5bの第二電極層E2は、第一電極層E1上及び主面3b上に配置されており、第一電極層E1の全体が第二電極層E2で覆われている。電極部5bの第二電極層E2は、主面3bと接している。電極部5bは、稜線部3h上では四層構造を有しており、主面3b上では三層構造を有している。
【0039】
電極部5cの第一電極層E1は、稜線部3i上に配置されており、側面3c上には配置されていない。側面3cは、第一電極層E1に覆われておらず、第一電極層E1から露出している。電極部5cの第二電極層E2は、第一電極層E1上及び側面3c上に配置されており、第一電極層E1の全体が第二電極層E2で覆われている。電極部5cの第二電極層E2は、側面3cと接している。電極部5cは、稜線部3i上では四層構造を有しており、側面3c上では三層構造を有している。
【0040】
電極部5eの第一電極層E1は、端面3e上に配置されており、端面3eの全体が第一電極層E1に覆われている。電極部5eの第二電極層E2は、第一電極層E1上に配置されており、第一電極層E1の全体が第二電極層E2で覆われている。外部電極5では、第一電極層E1の全体が第二電極層E2で覆われている。
【0041】
第一電極層E1は、導電性ペーストを素体3の表面に付与して焼き付けることにより形成されている。第一電極層E1は、端面3e及び稜線部3g,3h,3iを覆うように形成されている。第一電極層E1は、導電性ペーストに含まれる金属成分(金属粉末)が焼結して形成された焼結金属層である。すなわち、第一電極層E1は、素体3に形成された焼結金属層である。第一電極層E1は、一対の主面3a,3b及び一対の側面3cに意図的に形成されていない。たとえば製造誤差などにより、第一電極層E1が意図せず主面3a,3b及び側面3cに形成されていてもよい。
【0042】
本実施形態では、第一電極層E1は、Cuからなる焼結金属層である。第一電極層E1は、Niからなる焼結金属層であってもよい。このように、第一電極層E1は、卑金属を含んでいる。導電性ペーストには、Cu又はNiからなる粉末に、ガラス成分、有機バインダ、及び有機溶剤を混合したものが用いられている。
【0043】
第二電極層E2は、第一電極層E1上、一対の主面3a,3b上、及び一対の側面3c上に付与された導電性樹脂を硬化させることにより形成されている。第二電極層E2は、第一電極層E1上と素体3上とにわたって形成されている。本実施形態では、第二電極層E2は、第一電極層E1の全体を覆うように形成されている。第二電極層E2は、稜線部3j,3kを覆うように形成されている。第一電極層E1は、第二電極層E2を形成するための下地金属層でもある。第二電極層E2は、第一電極層E1上に形成された導電性樹脂層である。
【0044】
導電性樹脂には、樹脂(たとえば、熱硬化性樹脂など)に導電性材料(たとえば、金属粉末など)及び有機溶媒などを混合したものが用いられる。金属粉末としては、たとえば、Ag粉末又はCu粉末などが用いられる。熱硬化性樹脂としては、たとえば、フェノール樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、又はポリイミド樹脂などが用いられる。
【0045】
第三電極層E3は、第二電極層E2上にめっき法により形成されている。本実施形態では、第三電極層E3は、第二電極層E2上にNiめっきにより形成されたNiめっき層である。第三電極層E3は、Snめっき層、Cuめっき層、又はAuめっき層であってもよい。このように、第三電極層E3は、Ni、Sn、Cu、又はAuを含んでいる。
【0046】
第四電極層E4は、第三電極層E3上にめっき法により形成されている。本実施形態では、第四電極層E4は、第三電極層E3上にSnめっきにより形成されたSnめっき層である。第四電極層E4は、Cuめっき層又はAuめっき層であってもよい。このように、第四電極層E4は、Sn、Cu、又はAuを含んでいる。第三電極層E3と第四電極層E4とは、第二電極層E2に形成されるめっき層を構成している。すなわち、本実施形態では、第二電極層E2に形成されるめっき層は、二層構造を有している。
【0047】
各電極部5a,5b,5c,5eが有している第一電極層E1は、一体的に形成されている。各電極部5a,5b,5c,5eが有している第二電極層E2は、一体的に形成されている。各電極部5a,5b,5c,5eが有している第三電極層E3は、一体的に形成されている。各電極部5a,5b,5c,5eが有している第四電極層E4は、一体的に形成されている。
【0048】
第二電極層E2の平均厚みは、第一電極層E1の平均厚みよりも小さい。第一電極層E1の平均厚みは、たとえば、5〜60μmである。第二電極層E2の平均厚みは、たとえば、3〜50μmである。第三電極層E3の平均厚みは、たとえば、1〜7μmである。第四電極層E4の平均厚みは、たとえば、1〜7μmである。
【0049】
平均厚みは、たとえば、以下のようにして求めることができる。
【0050】
第一電極層E1、第二電極層E2、第三電極層E3、及び第四電極層E4を含む断面図を取得する。断面図は、たとえば、互いに対向している一対の面に平行である平面で切断したときの第一電極層E1、第二電極層E2、第三電極層E3、及び第四電極層E4の断面図である。取得した断面図上での、第一電極層E1、第二電極層E2、第三電極層E3、及び第四電極層E4の各面積を算出する。上述した平面は、更に、上記一対の面から等距離に位置していてもよい。
【0051】
第一電極層E1の面積を、取得した断面図上での第一電極層E1の長さで除し、得られた商を第一電極層E1の平均厚みとする。第二電極層E2の面積を、取得した断面図上での第二電極層E2の長さで除し、得られた商を第二電極層E2の平均厚みとする。第三電極層E3の面積を、取得した断面図上での第三電極層E3の長さで除し、得られた商を第三電極層E3の平均厚みとする。第四電極層E4の面積を、取得した断面図上での第四電極層E4の長さで除し、得られた商を第四電極層E4の平均厚みとする。
【0052】
第一電極層E1、第二電極層E2、第三電極層E3、及び第四電極層E4を、一対の側面3cに平行である平面で切断した場合、第一電極層E1の平均厚みは、電極部5a,5b,5eが有する第一電極層E1の平均厚みでもある。電極部5a,5b,5eが有する第一電極層E1は、第一電極層E1の、稜線部3g,3h上及び端面3e上に位置する部分である。同じく、第二電極層E2の平均厚みは、電極部5a,5b,5eが有する第二電極層E2の平均厚みでもある。電極部5a,5b,5eが有する第二電極層E2は、第二電極層E2の、主面3a,3b上、稜線部3g,3h上、及び端面3e上に位置する部分である。
【0053】
同じく、第三電極層E3の平均厚みは、電極部5a,5b,5eが有する第三電極層E3の平均厚みでもある。電極部5a,5b,5eが有する第三電極層E3は、第三電極層E3の、主面3a,3b上、稜線部3g,3h上、及び端面3e上に位置する部分である。同じく、第四電極層E4の平均厚みは、電極部5a,5b,5eが有する第四電極層E4の平均厚みでもある。電極部5a,5b,5eが有する第四電極層E4は、第四電極層E4の、主面3a,3b上、稜線部3g,3h上、及び端面3e上に位置する部分である。
【0054】
第一電極層E1、第二電極層E2、第三電極層E3、及び第四電極層E4を、一対の主面3a,3bに平行である平面で切断した場合、第一電極層E1の平均厚みは、電極部5c,5eが有する第一電極層E1の平均厚みでもある。電極部5c,5eが有する第一電極層E1は、第一電極層E1の、稜線部3i上及び端面3e上に位置する部分である。同じく、第二電極層E2の平均厚みは、電極部5c,5eが有する第二電極層E2の平均厚みでもある。電極部5c,5eが有する第二電極層E2は、第二電極層E2の、側面3c、稜線部3i上、及び端面3e上に位置する部分である。
【0055】
同じく、第三電極層E3の平均厚みは、電極部5c,5eが有する第三電極層E3の平均厚みでもある。電極部5c,5eが有する第三電極層E3は、第三電極層E3の、側面3c、稜線部3i上、及び端面3e上に位置する部分である。同じく、第四電極層E4の平均厚みは、電極部5c,5eが有する第四電極層E4の平均厚みでもある。電極部5c,5eが有する第四電極層E4は、第四電極層E4の、側面3c、稜線部3i上、及び端面3e上に位置する部分である。
【0056】
本実施形態では、電極部5a,5b,5eが有する第二電極層E2の平均厚みは、電極部5a,5b,5eが有する第一電極層E1の平均厚みよりも小さい。電極部5a,5eが有する第二電極層E2の平均厚みも、電極部5a,5eが有する第一電極層E1の平均厚みよりも小さい。電極部5c,5eが有する第二電極層E2の平均厚みは、電極部5c,5eが有する第一電極層E1の平均厚みよりも小さい。
【0057】
本実施形態では、電極部5eの第二電極層E2の平均厚みは、電極部5eの第一電極層E1の平均厚みよりも小さい。電極部5eの第二電極層E2は、第二電極層E2の端面3e上に位置する部分である。電極部5eの第一電極層E1は、第一電極層E1の端面3e上に位置する部分である。電極部5eの第一電極層E1の平均厚みは、たとえば、5〜60μmである。電極部5eの第二電極層E2の平均厚みは、たとえば、3〜50μmである。
【0058】
電極部5eの第二電極層E2の平均厚み、及び、電極部5eの第一電極層E1の平均厚みも、上述したようにして求めることができる。
【0059】
取得した上記断面図上での、第一電極層E1及び第二電極層E2の端面3e上に位置する部分の各面積を算出する。第一電極層E1の端面3e上に位置する部分の面積を、取得した断面図上での端面3e上に位置する部分の長さで除し、得られた商を第一電極層E1の端面3e上に位置する部分の平均厚みとする。第二電極層E2の端面3e上に位置する部分の面積を、取得した断面図上での端面3e上に位置する部分の長さで除し、得られた商を第二電極層E2の端面3e上に位置する部分の平均厚みとする。
【0060】
以上のように、第1実施形態では、第二電極層E2は、導電性材料(たとえば、金属粉末など)と樹脂(たとえば、熱硬化性樹脂など)とを含む。第二電極層E2の電気抵抗は、第一電極層E1の電気抵抗に比して大きい。第二電極層E2の厚みが大きくなるほど、第二電極層E2の電気抵抗が大きくなる。積層コンデンサC1では、第二電極層E2の平均厚みが、第一電極層E1の平均厚みよりも小さいので、第二電極層E2の平均厚みが第一電極層E1の平均厚み以上である積層コンデンサに比して、ESRの増大が抑制されている。
【0061】
一般に、第二電極層E2の厚みが大きいほど、クラックの発生を抑制する効果が高いとされてきた。これに対し、本発明者らの新たな知見によれば、第二電極層E2の平均厚みが、第一電極層E1の平均厚みよりも小さい場合でも、第二電極層E2が第一電極層E1上と素体3上とわたって形成されていれば、クラックが素体3に発生するのが抑制される。
【0062】
積層コンデンサC1では、電極部5eが第二電極層E2を有しているので、外部電極5が電極部5eを有している場合でも、外部電極5の端縁に応力が集中し難い。したがって、クラックが素体3に発生するのが確実に抑制される。
【0063】
内部電極7,9の一端部が、対応する端面3eに露出していると共に、外部電極5に直接接続されている。このため、端面3e上に配置されている電極部5eは、ESRへの影響が大きい。積層コンデンサC1では、電極部5eが有している第二電極層E2の平均厚みは、電極部5eが有している第一電極層E1の平均厚みよりも小さいので、ESRの増大が確実に抑制される。
【0064】
外部電極5は、電極部5aを有している。電極部5a,5eが有している第二電極層E2の平均厚みが、電極部5a,5eが有している第一電極層E1の平均厚みよりも小さい。積層コンデンサC1では、電極部5aが、第二電極層E2を有しているので、クラックが素体3に発生するのがより一層抑制される。また、第二電極層E2を形成するために使用される導電性樹脂ペーストの量が削減される。
【0065】
外部電極5は、電極部5cを有している。電極部5c,5eが有している第二電極層E2の平均厚みは、電極部5c,5eが有している第一電極層E1の平均厚みよりも小さい。積層コンデンサC1では、電極部5cが、第二電極層E2を有しているので、クラックが素体3に発生するのがより一層抑制される。また、第二電極層E2を形成するために使用される導電性樹脂ペーストの量が削減される。
【0066】
電極部5aでは、第一電極層E1の全体が第二電極層E2で覆われている。積層コンデンサC1では、外部電極5が電極部5aを有している場合でも、外部電極5の端縁に応力が集中し難く、当該端縁がクラックの起点となり難い。したがって、クラックが素体3に発生するのが確実に抑制される。
【0067】
第一電極層E1の端縁は、主面3a,3b及び側面3c上には位置していない。積層コンデンサC1では、第一電極層E1の端縁が主面3a,3b及び側面3c上に位置している積層コンデンサに比して、第一電極層E1の端縁に応力が集中する場合でも、クラックが素体3に発生し難い。
【0068】
続いて、図4を参照して、積層コンデンサC1の実装構造を説明する。図4は、第1実施形態に係る積層コンデンサの実装構造を説明するための図である。
【0069】
図4に示されるように、電子部品装置ECD1は、積層コンデンサC1と、電子機器EDと、を備えている。電子機器EDは、たとえば、回路基板又は電子部品である。
【0070】
積層コンデンサC1は、電子機器EDにはんだ実装されている。電子機器EDは、主面EDaと、二つのパッド電極PE1,PE2とを有している。各パッド電極PE1,PE2は、主面EDaに配置されている。二つのパッド電極PE1,PE2は、互いに離間している。積層コンデンサC1は、実装面である主面3aと主面EDaとが対向するように、電子機器EDに配置されている。
【0071】
積層コンデンサC1がはんだ実装される場合、溶融したはんだが外部電極5(第四電極層E4)を濡れ上がる。濡れ上がったはんだが固化することにより、外部電極5にはんだフィレットSFが形成される。対応する外部電極5とパッド電極PE1,PE2とは、はんだフィレットSFを介して連結されている。
【0072】
電子部品装置ECD1では、上述したように、クラックが素体3に発生するのが抑制されていると共に、ESRの増大が抑制されている。
【0073】
(第2実施形態)
図5図9を参照して、第2実施形態に係る積層コンデンサC2の構成を説明する。図5は、第2実施形態に係る積層コンデンサの斜視図である。図6は、第2実施形態に係る積層コンデンサの側面図である。図7は、第2実施形態に係る積層コンデンサの断面構成を説明するための図である。図8は、第2実施形態に係る積層コンデンサの断面構成を説明するための図である。図9は、第2実施形態に係る積層コンデンサの断面構成を説明するための図である。第2実施形態では、電子部品として積層コンデンサC2を例に説明する。
【0074】
積層コンデンサC2は、図5に示されるように、直方体形状を呈している素体3と、素体3の外表面に配置されている一対の外部電極5と、を有している。積層コンデンサC1は、図7に示されるように、内部導体として、それぞれ複数の内部電極7,9を備えている。
【0075】
外部電極5は、図7図8、及び図9に示されるように、主面3a上及び稜線部3g上に配置されている電極部5aと、稜線部3h上に配置されている電極部5bと、各側面3c上及び各稜線部3i上に配置されている電極部5cと、対応する端面3eに配置されている電極部5eを有している。外部電極5は、稜線部3j上に配置されている電極部も有している。外部電極5は、一つの主面3a、及び一つの端面3eの五つの面、並びに、稜線部3g,3h,3i,3jに形成されている。本実施形態では、外部電極5は、主面3b上に意図的に形成されていない。
【0076】
外部電極5は、第一電極層E1、第二電極層E2、第三電極層E3、及び第四電極層E4を有している。
【0077】
電極部5aは、第一電極層E1、第二電極層E2、第三電極層E3、及び第四電極層E4を有している。電極部5aは、稜線部3g上では四層構造を有しており、主面3a上では三層構造を有している。電極部5aにおいては、第一電極層E1の全体が第二電極層E2で覆われている。電極部5bは、第一電極層E1、第三電極層E3、及び第四電極層E4を有している。電極部5bは、第二電極層E2を有していない。電極部5bは、三層構造である。
【0078】
電極部5cは、領域5cと領域5cとを有している。領域5cは、領域5cよりも主面3a寄りに位置している。領域5cは、第一電極層E1、第三電極層E3、及び第四電極層E4を有している。領域5cは、第二電極層E2を有していない。領域5cは、三層構造である。領域5cは、第一電極層E1、第二電極層E2、第三電極層E3、及び第四電極層E4を有している。領域5cは、稜線部3i上では四層構造を有しており、側面3c上では三層構造を有している。領域5cは、第一電極層E1が第二電極層E2から露出している領域である。領域5cは、第一電極層E1が第二電極層E2で覆われている領域である。
【0079】
電極部5eは、領域5eと領域5eとを有している。領域5eは、領域5eよりも主面3a寄りに位置している。領域5eは、第一電極層E1、第三電極層E3、及び第四電極層E4を有している。領域5eは、第二電極層E2を有していない。領域5eは、三層構造である。領域5eは、第一電極層E1、第二電極層E2、第三電極層E3、及び第四電極層E4を有している。すなわち、領域5eは、四層構造である。領域5eは、第一電極層E1が第二電極層E2から露出している領域である。領域5eは、第一電極層E1が第二電極層E2で覆われている領域である。
【0080】
第一電極層E1は、端面3e及び稜線部3g,3h,3iを覆うように形成されている。第一電極層E1は、一対の主面3a,3b及び一対の側面3cに意図的に形成されていない。たとえば製造誤差などにより、第一電極層E1が意図せず主面3a,3b及び側面3cに形成されていてもよい。
【0081】
第二電極層E2は、第一電極層E1の一部の領域(電極部5a、電極部5cの領域5c、及び電極部5eの領域5eに対応する領域)を覆うように形成されている。第二電極層E2は、第一電極層E1の上述した一部の領域上と素体3上とにわたって形成されている。
【0082】
第三電極層E3は、第二電極層E2上と、第一電極層E1(第二電極層E2から露出している部分)上とに形成されている。第四電極層E4は、第三電極層E3上に形成されている。
【0083】
積層コンデンサC2でも、積層コンデンサC1と同じく、第二電極層E2の平均厚みは、第一電極層E1の平均厚みよりも小さい。電極部5aと電極部5eの領域5eとが有する第二電極層E2の平均厚みは、電極部5a,5b,5eが有する第一電極層E1の平均厚みよりも小さい。電極部5aと電極部5eの領域5eとが有する第二電極層E2の平均厚みは、電極部5a,5eが有する第一電極層E1の平均厚みよりも小さい。電極部5cと電極部5eの領域5eとが有する第二電極層E2の平均厚みは、電極部5c,5eが有する第一電極層E1の平均厚みよりも小さい。
【0084】
積層コンデンサC2でも、積層コンデンサC1と同じく、電極部5eの第二電極層E2の平均厚みは、電極部5eの第一電極層E1の平均厚みよりも小さい。
【0085】
第三方向D3での領域5cの幅は、電極部5aから離れるにしたがって小さくなっている。第一方向D1での領域5cの幅は、電極部5eから離れるにしたがって小さくなっている。本実施形態では、第二方向D2から見たとき、領域5cの端縁は、略円弧状である。第二方向D2から見たとき、領域5cは、略扇形状を呈している。本実施形態では、第二方向D2から見たときの第二電極層E2の幅も、電極部5aから離れるにしたがって小さくなっており、第二電極層E2の端縁は、略円弧状である。
【0086】
以上のように、第2実施形態でも、第1実施形態と同じく、第二電極層E2の平均厚みが、第一電極層E1の平均厚みよりも小さい。したがって、積層コンデンサC2では、第二電極層E2の平均厚みが第一電極層E1の平均厚み以上である積層コンデンサに比して、ESRの増大が抑制されている。積層コンデンサC2でも、第二電極層E2が第一電極層E1上と素体3上とわたって形成されているので、クラックが素体3に発生するのが抑制される。
【0087】
積層コンデンサC2では、電極部5eの領域5eが第二電極層E2を有しているので、外部電極5が電極部5eを有している場合でも、外部電極5の端縁に応力が集中し難い。したがって、積層コンデンサC2では、クラックが素体3に発生するのが確実に抑制される。
【0088】
積層コンデンサC2でも、電極部5eが有している第二電極層E2の平均厚みは、電極部5eが有している第一電極層E1の平均厚みよりも小さいので、ESRの増大が確実に抑制される。
【0089】
電極部5eの領域5eでは、第一電極層E1が第二電極層E2から露出している、すなわち、領域5eが第二電極層E2を有していないので、領域5eでは、第二電極層E2を介することなく、第一電極層E1と電子機器との電気的な接続が実現される。したがって、積層コンデンサC2では、ESRの増大がより一層抑制されている。
【0090】
電極部5a,5eが有している第二電極層E2の平均厚みが、電極部5a,5eが有している第一電極層E1の平均厚みよりも小さい。積層コンデンサC2でも、電極部5aが、第二電極層E2を有しているので、クラックが素体3に発生するのがより一層抑制される。また、第二電極層E2を形成するために使用される導電性樹脂ペーストの量が削減される。
【0091】
電極部5c,5eが有している第二電極層E2の平均厚みは、電極部5c,5eが有している第一電極層E1の平均厚みよりも小さい。積層コンデンサC2でも、電極部5cが、第二電極層E2を有しているので、クラックが素体に発生するのがより一層抑制される。また、第二電極層E2を形成するために使用される導電性樹脂ペーストの量が削減される。
【0092】
電極部5cの領域5cが第二電極層E2を有しているので、外部電極5が電極部5cを有している場合でも、外部電極5の端縁に応力が集中し難く、当該端縁がクラックの起点となり難い。したがって、積層コンデンサC2では、クラックが素体3に発生するのが確実に抑制される。
【0093】
積層コンデンサC2では、電極部5cの領域5cでは、第一電極層E1が第二電極層E2から露出している、すなわち、領域5cが第二電極層E2を有していないので、領域5cでは、第二電極層E2を介することなく、第一電極層E1と電子機器との電気的な接続が実現される。したがって、積層コンデンサC2では、ESRの増大がより一層抑制されている。
【0094】
積層コンデンサC2では、第三方向D3での領域5cの幅は、電極部5aから離れるにしたがって小さくなっている。このため、クラックが素体3に発生するのが抑制されつつ、第二電極層E2を形成するために使用される導電性樹脂ペーストの量がより一層低減される。
【0095】
積層コンデンサC2でも、電極部5aの第一電極層E1の全体が第二電極層E2で覆われているので、外部電極5の端縁に応力が集中し難く、当該端縁がクラックの起点となり難い。したがって、クラックが素体3に発生するのが確実に抑制される。
【0096】
続いて、図10を参照して、積層コンデンサC2の実装構造を説明する。図10は、第2実施形態に係る積層コンデンサの実装構造を説明するための図である。
【0097】
図10に示されるように、電子部品装置ECD2は、積層コンデンサC2と、電子機器EDと、を備えている。積層コンデンサC2は、電子機器EDにはんだ実装されている。
【0098】
はんだフィレットSFは、電極部5eの領域5eと領域5eとに形成されている。すなわち、領域5eだけでなく、第二電極層E2を有していない領域5eが、はんだフィレットSFを介してパッド電極PE1,PE2と連結されている。図示は省略するが、はんだフィレットSFは、電極部5cの領域5cと領域5cとにも形成されている。電子部品装置ECD2でも、上述したように、クラックが素体3に発生するのが抑制されていると共に、ESRの増大が抑制されている。
【0099】
次に、図11図13を参照して、第2実施形態の変形例に係る積層コンデンサC3の構成を説明する。図11図13は、本変形例に係る積層コンデンサの側面図である。
【0100】
積層コンデンサC3は、積層コンデンサC2と同様に、素体3と、一対の外部電極5と、それぞれ複数の内部電極7,9(不図示)と、を備えている。積層コンデンサC3では、領域5cの形状が積層コンデンサC1と相違している。
【0101】
図11及び図12に示された積層コンデンサC3では、積層コンデンサC2と同様に、第三方向D3での領域5cの幅は、電極部5aから離れるにしたがって小さくなっている。図11に示された積層コンデンサC3では、第二方向D2から見たとき、領域5cの端縁は、略直線状である。第二方向D2から見たとき、領域5cは、略三形状を呈している。図12に示された積層コンデンサC3では、第二方向D2から見たとき、領域5cの端縁は、略円弧状である。
【0102】
図13に示された積層コンデンサC3では、第三方向D3での領域5cの幅は、第一方向D1で略同じである。第二方向D2から見たとき、領域5cの端縁は、第三方向D3に延びる辺と第一方向D1に延びる辺とを有している。本変形例では、第二方向D2から見たとき、領域5cは、略矩形状を呈している。
【0103】
以上、本発明の実施形態について説明してきたが、本発明は必ずしも上述した実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
【0104】
電子部品装置ECD2は、積層コンデンサC2の代わりに、積層コンデンサC3を備えていてもよい。
【0105】
本実施形態では、電子部品として積層コンデンサC1,C2,C3を例に説明したが、適用可能な電子部品は、積層コンデンサに限られない。適用可能な電子部品は、たとえば、積層インダクタ、積層バリスタ、積層圧電アクチュエータ、積層サーミスタ、もしくは積層複合部品などの積層電子部品、又は、積層電子部品以外の電子部品である。
【符号の説明】
【0106】
3…素体、3a,3b…主面、3c…側面、3e…端面、3g,3h,3i,3j,3k…稜線部、5…外部電極、5a,5b,5c,5e…電極部、5c,5c,5e,5e…電極部の領域、C1,C2,C3…積層コンデンサ、D1…第一方向、D2…第二方向、D3…第三方向、E1…第一電極層、E2…第二電極層、E3…第三電極層、E4…第四電極層。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13