特許第6972594号(P6972594)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6972594
(24)【登録日】2021年11月8日
(45)【発行日】2021年11月24日
(54)【発明の名称】ゴム組成物及び空気入りタイヤ
(51)【国際特許分類】
   C08L 9/06 20060101AFI20211111BHJP
   C08K 3/36 20060101ALI20211111BHJP
   C08K 3/22 20060101ALI20211111BHJP
   B60C 1/00 20060101ALI20211111BHJP
【FI】
   C08L9/06
   C08K3/36
   C08K3/22
   B60C1/00 A
【請求項の数】6
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2017-53043(P2017-53043)
(22)【出願日】2017年3月17日
(65)【公開番号】特開2018-154748(P2018-154748A)
(43)【公開日】2018年10月4日
【審査請求日】2020年1月22日
(73)【特許権者】
【識別番号】000183233
【氏名又は名称】住友ゴム工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000914
【氏名又は名称】特許業務法人 安富国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】森 健次
【審査官】 櫛引 智子
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2015/104955(WO,A1)
【文献】 特開2015−013974(JP,A)
【文献】 国際公開第2014/178336(WO,A1)
【文献】 特開2015−218196(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08L,C08K,B60C
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
リニア型摩擦試験機を用いた摩擦試験を連続的に6回実施した際、以下の式を満たすゴム組成物であって、
6回目の摩擦試験のμが2回目の摩擦試験のμより3%以上大きく、
スチレンブタジエンゴムと、シリカと、水酸化アルミニウムとを含み、
ゴム成分100質量%中のスチレンブタジエンゴムの含有量が50質量%以上であり、
ゴム成分100質量部に対するシリカの含有量が10〜75質量部、水酸化アルミニウムの含有量が20質量部以上であるゴム組成物。
(式)
n回目の摩擦試験の摩擦係数μ≦n+1回目の摩擦試験の摩擦係数μn+1
(nは、2〜6の整数を示す。)
【請求項2】
リニア型摩擦試験機を用いた摩擦試験を連続的に6回実施した際、以下の式を満たすゴム組成物であって、
6回目の摩擦試験のμが2回目の摩擦試験のμより3%以上大きく、
スチレンブタジエンゴムと、シリカと、オイルとを含み、
ゴム成分100質量%中のスチレンブタジエンゴムの含有量が50質量%以上であり、
ゴム成分100質量部に対するシリカの含有量が10〜75質量部、オイルの含有量が50質量部以下であるゴム組成物。
(式)
n回目の摩擦試験の摩擦係数μ≦n+1回目の摩擦試験の摩擦係数μn+1
(nは、2〜6の整数を示す。)
【請求項3】
リニア型摩擦試験機を用いた摩擦試験を連続的に6回実施した際、以下の式を満たすゴム組成物であって、
6回目の摩擦試験のμが2回目の摩擦試験のμより3%以上大きく、
ブタジエンゴムと、シリカと、水酸化アルミニウムとを含み、
ゴム成分100質量%中のブタジエンゴムの含有量が5質量%以上であり、
ゴム成分100質量部に対するシリカの含有量が10〜75質量部、水酸化アルミニウムの含有量が20質量部以上であるゴム組成物。
(式)
n回目の摩擦試験の摩擦係数μ≦n+1回目の摩擦試験の摩擦係数μn+1
(nは、2〜6の整数を示す。)
【請求項4】
リニア型摩擦試験機を用いた摩擦試験を連続的に6回実施した際、以下の式を満たすゴム組成物であって、
6回目の摩擦試験のμが2回目の摩擦試験のμより3%以上大きく、
ブタジエンゴムと、シリカと、オイルとを含み、
ゴム成分100質量%中のブタジエンゴムの含有量が5質量%以上であり、
ゴム成分100質量部に対するシリカの含有量が10〜75質量部、オイルの含有量が50質量部以下であるゴム組成物。
(式)
n回目の摩擦試験の摩擦係数μ≦n+1回目の摩擦試験の摩擦係数μn+1
(nは、2〜6の整数を示す。)
【請求項5】
6回目の摩擦試験のμが2回目の摩擦試験のμより10%以上大きい請求項1〜4のいずれかに記載のゴム組成物。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれかに記載のゴム組成物をトレッドに用いた空気入りタイヤ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゴム組成物及び空気入りタイヤに関する。
【背景技術】
【0002】
タイヤトレッド等に用いられるゴム組成物には、安全性等の観点から、グリップ性能(ウェットグリップ性能、ドライグリップ性能等)等が要求され、従来から様々な工夫がなされている。
【0003】
例えば、ウェットグリップ性能等を改良するシリカ配合や、更にビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド等のシランカップリング剤を添加してシリカ分散性を向上したゴム組成物が提案されている(特許文献1参照)。
【0004】
しかしながら、ウェットグリップ性能等のグリップ性能の改善要求は厳しく、更なる改善が求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2011−57797号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、前記課題を解決し、グリップ性能(ウェットグリップ性能、ドライグリップ性能等)に優れたゴム組成物、及び空気入りタイヤを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、リニア型摩擦試験機を用いた摩擦試験を連続的に6回実施した際、以下の式を満たすゴム組成物に関する。
(式)
n回目の摩擦試験の摩擦係数μ≦n+1回目の摩擦試験の摩擦係数μn+1
(nは、2〜6の整数を示す。)
【0008】
6回目の摩擦試験のμが2回目の摩擦試験のμより10%以上大きいことが好ましい。本発明はまた、前記ゴム組成物をトレッドに用いた空気入りタイヤに関する。
【発明の効果】
【0009】
本発明は、リニア型摩擦試験機を用いた摩擦試験を連続的に6回実施した際、前記式を満たすゴム組成物であるので、グリップ性能(ウェットグリップ性能、ドライグリップ性能等)に優れた空気入りタイヤを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】摩擦試験のフローを示した模式図の一例である。
図2】表2の摩擦試験回数と動摩擦係数μの関係図の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明のゴム組成物は、リニア型摩擦試験機を用いた摩擦試験を連続的に6回実施した際、以下の式を満たすものである。
(式)
n回目の摩擦試験の摩擦係数μ≦n+1回目の摩擦試験の摩擦係数μn+1
(nは、2〜6の整数を示す。)
【0012】
本発明では、先ず、リニア型摩擦試験機(PFT)を用いて、ゴム組成物(同一サンプル)を連続的に(繰り返し)摩擦試験に供すると、試験回数により供試サンプルのμ(摩擦係数)に変化が見られるという知見、更にはμの変化がゴム組成物の配合により異なると知見、を実験により見出した。ここで、μ変化のメカニズムは、(1)ゴムの状態変化と、(2)路面状態変化によると考えられる。よって、(2)の要素を取り除くと、(1)ゴムの状態変化による摩擦係数の変化のみを評価できると考えられる。
【0013】
そして、本発明は、連続的な(繰り返し)摩擦試験においてμ値が上昇する(大きくなる)配合が実車走行中にグリップ性能が向上するという知見、更にはμ値が大きくなる配合ほど該グリップ性能がより向上するという知見、を更に見出し、完成したものである。グリップが向上するメカニズムは、ゴムの接地面積増加、粘着物の発生効果、表面粗さの変化等により、ゴムの表面状態が変化したことによると考えられる。
【0014】
従って、上記式を満たすトレッドゴムを用いた場合、走行中にゴム表面が慣らされて、グリップ性能が徐々に向上し、走行時全体としてグリップ性能が改善されたものと推察される。なお、ウェットグリップ性能、ドライグリップ性能、共に同様の傾向を示し、上記式を満たす場合、ウェットグリップ性能、ドライグリップ性能に優れたタイヤを提供できる。
【0015】
前記ゴム組成物は、リニア型摩擦試験機を用いた摩擦試験を連続的に6回実施した際、以下の式を満たす。
(式)
n回目の摩擦試験の摩擦係数μ≦n+1回目の摩擦試験の摩擦係数μn+1
(nは、2〜6の整数を示す。)
この場合、走行時に優れたグリップ性能が得られる。
【0016】
前記式を満たすゴム組成物は、走行時のグリップ性能の観点から、特に、6回目の摩擦試験で得られるμの値が、2回目の摩擦試験で得られるμの値に比べ、3%以上大きい値であることが好ましい。より好ましくは5%以上、更に好ましくは10%以上である。
なお、摩擦係数μは、後述の実施例に記載の方法で測定可能である。
【0017】
ここで、リニア型摩擦試験機を用いた摩擦試験は、図1のフロー図に沿って実施できる。
具体的には、予め、基準サンプル(路面状態の管理用に使用した配合)の動摩擦係数の基準値μを測定(確定)しておく。基準サンプルは、試験条件で十分慣らし試験を実施した状態の物を使用する。具体的には、試験機の設定条件(錘無し一定荷重、すべり速度2000mm/s、加速度15m/s等)で、N=30回以上連続試験を実施した後のゴム組成物を基準サンプルとして使用し、摩擦試験を実施する。
【0018】
そして、改めて試験時において、基準サンプルを摩擦試験に供し、動摩擦係数μS1(測定値)を測定し、次いで、サンプルA(トレッド用ゴム組成物)を1回目の摩擦試験に供し、動摩擦係数μA1(測定値)を測定する(図1の路面保障1、測定1)。摩擦試験毎の路面状態のズレは、基準サンプルの値で管理し、動摩擦係数μの積算で補正する。具体的には、μS1(測定値)が0.811、μA1(測定値)が0.781の場合、前記基準値μの0.800を用いて、μA1(測定値)について路面状態のズレを補正すると、サンプルAのμA1(補正値)0.770(=(0.800−0.811)+0.781)が得られる。
【0019】
続いて、同試験機を用いて、基準サンプルの摩擦試験でμS2、サンプルAの2回目の摩擦試験でμA2を測定した後、同様に補正し、μA2(補正値)を得る。そして、これを6回繰り返し、μA3(補正値)、μA4(補正値)、μA5(補正値)、μA6(補正値)を得る、という手法で、本発明における摩擦試験を実施できる。
【0020】
なお、基準サンプルのμS1、μS2、μS3、μS4、μS5、μS6が基準サンプルのμと大きく異なる場合、μの測定値の信頼性が低いため、再試験をし直すことが望ましい。例えば、前記基準値μが0.800で、μS1等の測定値が0.800〜0.850の範囲外である場合、再試験に供する方が良い。
【0021】
サンプルは、スタート時の表面状態の影響をリセットするという点で、表面処理(スライス)したものを使用することが好ましい。スライスは、切断(スライス)可能な装置等を用いて実施可能である。また、各サンプル(ゴム組成物)の表面状態をスライスしたものと同様の状態に調整できる手段も適用可能であり、アセトン等で表面析出物を拭き取る、等の方法も採用できる。なお、タイヤから切り出したサンプルそのものも使用可能である(表面処理なし)。サンプルの接地面積は、特に制限されないが、接地圧0.2Mpa程度が望ましい。
【0022】
前記式を満たすゴム組成物は、配合や製法を適宜選択することで作製可能である。
具体的には、所定量の変性ゴムの使用、各種水酸化アルミニウムの添加、シリカ量や水酸化アルミニウム量の調整、各種レジンの添加の方法が挙げられる。また、低分子量ポリマー、可塑剤、粘着付与剤、微粒子シリカ、微粒子カーボンブラック等を用いる方法も挙げられる。ここで、低分子量ポリマーとしては、液状ポリマーが好適に用いられる。可塑剤も特に限定されないが、例えば、高粘度の可塑剤が粘度付与の観点から好適に用いられる。
【0023】
前記ゴム組成物に使用可能なゴム成分としては、天然ゴム(NR)、エポキシ化天然ゴム(ENR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、スチレンイソプレンブタジエンゴム(SIBR)、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)、クロロプレンゴム(CR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、ブチル系ゴムなどが挙げられる。なかでも、グリップ性能の観点から、SBR、BRが好ましい。
【0024】
前記ゴム組成物において、SBRの含有量は、ゴム成分100質量%中、好ましくは50質量%以上、より好ましくは70質量%以上、更に好ましくは80質量%以上である。下限以上にすることで、良好なグリップ性能が得られる傾向がある。上限は特に限定されないが、低発熱性の観点からは、95質量%以下が好ましい。
【0025】
SBRとしては、非変性SBR、変性SBRのいずれも使用可能である。なかでも、グリップ性能の観点から、変性SBRを用いることが好ましい。
【0026】
変性SBRとしては、シリカ等の充填剤と相互作用する官能基を有するSBRであればよく、例えば、SBRの少なくとも一方の末端を、上記官能基を有する化合物(変性剤)で変性された末端変性SBR(末端に上記官能基を有する末端変性SBR)や、主鎖に上記官能基を有する主鎖変性SBRや、主鎖及び末端に上記官能基を有する主鎖末端変性SBR(例えば、主鎖に上記官能基を有し、少なくとも一方の末端を上記変性剤で変性された主鎖末端変性SBR)や、分子中に2個以上のエポキシ基を有する多官能化合物により変性(カップリング)され、水酸基やエポキシ基が導入された末端変性SBR等が挙げられる。
【0027】
上記官能基としては、例えば、アミノ基、アミド基、シリル基、アルコキシシリル基、イソシアネート基、イミノ基、イミダゾール基、ウレア基、エーテル基、カルボニル基、オキシカルボニル基、メルカプト基、スルフィド基、ジスルフィド基、スルホニル基、スルフィニル基、チオカルボニル基、アンモニウム基、イミド基、ヒドラゾ基、アゾ基、ジアゾ基、カルボキシル基、ニトリル基、ピリジル基、アルコキシ基、水酸基、オキシ基、エポキシ基等が挙げられる。なお、これらの官能基は、置換基を有していてもよい。なかでも、本発明の効果がより好適に得られるという理由から、アミノ基(好ましくはアミノ基が有する水素原子が炭素数1〜6のアルキル基に置換されたアミノ基)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜6のアルコキシ基)、アルコキシシリル基(好ましくは炭素数1〜6のアルコキシシリル基)が好ましい。
【0028】
具体的には、変性SBRとして、例えば、下記式(1)で表される化合物(変性剤)により変性されたSBR(S変性SBR)を好適に使用できる。
【化1】
(式(1)中、R、R及びRは、同一又は異なって、アルキル基、アルコキシ基、シリルオキシ基、アセタール基、カルボキシル基(−COOH)、メルカプト基(−SH)又はこれらの誘導体を表す。R及びRは、同一又は異なって、水素原子又はアルキル基を表す。R及びRは結合して窒素原子と共に環構造を形成してもよい。nは整数を表す。)
【0029】
上記S変性SBRとしては、なかでも、溶液重合のスチレンブタジエンゴム(S−SBR)の重合末端(活性末端)を上記式(1)で表される化合物により変性されたスチレンブタジエンゴム(S変性S−SBR(特開2010−111753号公報に記載の変性SBR))が好適に用いられる。
【0030】
、R及びRとしてはアルコキシ基が好適である(好ましくは炭素数1〜8、より好ましくは炭素数1〜4のアルコキシ基)。R及びRとしてはアルキル基(好ましくは炭素数1〜3のアルキル基)が好適である。nは、好ましくは1〜5、より好ましくは2〜4、更に好ましくは3である。また、R及びRが結合して窒素原子と共に環構造を形成する場合、4〜8員環であることが好ましい。なお、アルコキシ基には、シクロアルコキシ基(シクロヘキシルオキシ基等)、アリールオキシ基(フェノキシ基、ベンジルオキシ基等)も含まれる。
【0031】
上記式(1)で表される化合物の具体例としては、2−ジメチルアミノエチルトリメトキシシラン、3−ジメチルアミノプロピルトリメトキシシラン、2−ジメチルアミノエチルトリエトキシシラン、3−ジメチルアミノプロピルトリエトキシシラン、2−ジエチルアミノエチルトリメトキシシラン、3−ジエチルアミノプロピルトリメトキシシラン、2−ジエチルアミノエチルトリエトキシシラン、3−ジエチルアミノプロピルトリエトキシシランなどが挙げられる。なかでも、前述の性能を良好に改善できる点から、3−ジメチルアミノプロピルトリメトキシシラン、3−ジメチルアミノプロピルトリエトキシシラン、3−ジエチルアミノプロピルトリメトキシシランが好ましい。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0032】
また、具体的には、変性SBRとして、以下に示す変性剤により変性された変性SBRも好適に使用できる。変性剤としては、例えば、エチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、トリメチロールエタントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル等の多価アルコールのポリグリシジルエーテル;ジグリシジル化ビスフェノールA等の2個以上のフェノール基を有する芳香族化合物のポリグリシジルエーテル;1,4−ジグリシジルベンゼン、1,3,5−トリグリシジルベンゼン、ポリエポキシ化液状ポリブタジエン等のポリエポキシ化合物;4,4’−ジグリシジル−ジフェニルメチルアミン、4,4’−ジグリシジル−ジベンジルメチルアミン等のエポキシ基含有3級アミン;ジグリシジルアニリン、N,N’−ジグリシジル−4−グリシジルオキシアニリン、ジグリシジルオルソトルイジン、テトラグリシジルメタキシレンジアミン、テトラグリシジルアミノジフェニルメタン、テトラグリシジル−p−フェニレンジアミン、ジグリシジルアミノメチルシクロヘキサン、テトラグリシジル−1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン等のジグリシジルアミノ化合物;
【0033】
ビス−(1−メチルプロピル)カルバミン酸クロリド、4−モルホリンカルボニルクロリド、1−ピロリジンカルボニルクロリド、N,N−ジメチルカルバミド酸クロリド、N,N−ジエチルカルバミド酸クロリド等のアミノ基含有酸クロリド;1,3−ビス−(グリシジルオキシプロピル)−テトラメチルジシロキサン、(3−グリシジルオキシプロピル)−ペンタメチルジシロキサン等のエポキシ基含有シラン化合物;
【0034】
(トリメチルシリル)[3−(トリメトキシシリル)プロピル]スルフィド、(トリメチルシリル)[3−(トリエトキシシリル)プロピル]スルフィド、(トリメチルシリル)[3−(トリプロポキシシリル)プロピル]スルフィド、(トリメチルシリル)[3−(トリブトキシシリル)プロピル]スルフィド、(トリメチルシリル)[3−(メチルジメトキシシリル)プロピル]スルフィド、(トリメチルシリル)[3−(メチルジエトキシシリル)プロピル]スルフィド、(トリメチルシリル)[3−(メチルジプロポキシシリル)プロピル]スルフィド、(トリメチルシリル)[3−(メチルジブトキシシリル)プロピル]スルフィド等のスルフィド基含有シラン化合物;
【0035】
エチレンイミン、プロピレンイミン等のN−置換アジリジン化合物;メチルトリエトキシシラン等のアルコキシシラン;4−N,N−ジメチルアミノベンゾフェノン、4−N,N−ジ−t−ブチルアミノベンゾフェノン、4−N,N−ジフェニルアミノベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジフェニルアミノ)ベンゾフェノン、N,N,N’,N’−ビス−(テトラエチルアミノ)ベンゾフェノン等のアミノ基及び/又は置換アミノ基を有する(チオ)ベンゾフェノン化合物;4−N,N−ジメチルアミノベンズアルデヒド、4−N,N−ジフェニルアミノベンズアルデヒド、4−N,N−ジビニルアミノベンズアルデヒド等のアミノ基及び/又は置換アミノ基を有するベンズアルデヒド化合物;N−メチル−2−ピロリドン、N−ビニル−2−ピロリドン、N−フェニル−2−ピロリドン、N−t−ブチル−2−ピロリドン、N−メチル−5−メチル−2−ピロリドン等のN−置換ピロリドンN−メチル−2−ピペリドン、N−ビニル−2−ピペリドン、N−フェニル−2−ピペリドン等のN−置換ピペリドン;N−メチル−ε−カプロラクタム、N−フェニル−ε−カプロラクタム、N−メチル−ω−ラウリロラクタム、N−ビニル−ω−ラウリロラクタム、N−メチル−β−プロピオラクタム、N−フェニル−β−プロピオラクタム等のN−置換ラクタム類;の他、
【0036】
N,N−ビス−(2,3−エポキシプロポキシ)−アニリン、4,4−メチレン−ビス−(N,N−グリシジルアニリン)、トリス−(2,3−エポキシプロピル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6−トリオン類、N,N−ジエチルアセトアミド、N−メチルマレイミド、N,N−ジエチル尿素、1,3−ジメチルエチレン尿素、1,3−ジビニルエチレン尿素、1,3−ジエチル−2−イミダゾリジノン、1−メチル−3−エチル−2−イミダゾリジノン、4−N,N−ジメチルアミノアセトフェン、4−N,N−ジエチルアミノアセトフェノン、1,3−ビス(ジフェニルアミノ)−2−プロパノン、1,7−ビス(メチルエチルアミノ)−4−ヘプタノン等を挙げることができる。
なお、上記化合物による変性は公知の方法により行うことができる。
【0037】
前記ゴム組成物において、BRの含有量は、ゴム成分100質量%中、好ましくは5質量%以上である。下限以上にすることで、良好な耐摩耗性が得られる傾向がある。該含有量は、好ましくは50質量%以下、より好ましくは30質量%以下、更に好ましくは20質量%以下である。上限以下にすることで、良好なグリップ性能が得られる傾向がある。
【0038】
BRとしては特に限定されず、例えば、日本ゼオン(株)製のBR1220、宇部興産(株)製のBR130B、BR150B等の高シス含量のBR、宇部興産(株)製のVCR412、VCR617等のシンジオタクチックポリブタジエン結晶を含有するBR等を使用できる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、耐摩耗性の点からは、BRのシス含量は95質量%以上が好ましい。
【0039】
BRは、非変性BRでもよいし、変性BRでもよい。変性BRとしては、前記変性SBRと同様の官能基が導入された変性BRが挙げられる。
【0040】
BRとしては、例えば、宇部興産(株)、JSR(株)、旭化成(株)、日本ゼオン(株)等の製品を使用できる。
【0041】
前記ゴム組成物は、カーボンブラックを含むことが好ましい。カーボンブラックとしては、特に限定されないが、N134、N110、N220、N234、N219、N339、N330、N326、N351、N550、N762等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0042】
カーボンブラックの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは1質量部以上、より好ましくは3質量部以上である。上記含有量は、好ましくは10質量部以下、より好ましくは8質量部以下である。上記範囲内にすることで、良好なグリップ性能が得られる傾向がある。
【0043】
カーボンブラックの窒素吸着比表面積(NSA)は、5m/g以上が好ましく、50m/g以上がより好ましく、100m/g以上が更に好ましい。下限以上にすることで、良好なグリップ性能が得られる傾向がある。また、上記NSAは、200m/g以下が好ましく、150m/g以下がより好ましく、130m/g以下が更に好ましい。上限以下にすることで、カーボンブラックの良好な分散が得られる傾向がある。
なお、カーボンブラックの窒素吸着比表面積は、JIS K6217−2:2001によって求められる。
【0044】
カーボンブラックとしては、例えば、旭カーボン(株)、キャボットジャパン(株)、東海カーボン(株)、三菱化学(株)、ライオン(株)、新日化カーボン(株)、コロンビアカーボン社等の製品を使用できる。
【0045】
前記ゴム組成物は、シリカを含有することが好ましい。シリカとしては、例えば、乾式法シリカ(無水シリカ)、湿式法シリカ(含水シリカ)などが挙げられるが、シラノール基が多いという理由から、湿式法シリカが好ましい。
【0046】
シリカの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは10質量部以上、より好ましくは30質量部以上、更に好ましくは50質量部以上である。下限以上にすることで、良好なグリップ性能が得られる傾向がある。また、上記含有量は、好ましくは100質量部以下、より好ましくは75質量部以下である。上限以下にすることで、良好なシリカ分散性が得られる傾向がある。
【0047】
シリカの窒素吸着比表面積(NSA)は、好ましくは100m/g以上、より好ましくは150m/g以上である。上記NSAは、好ましくは500m/g以下、より好ましくは300m/g以下である。上記範囲内にすることで、良好なグリップ性能が得られる傾向がある。
なお、シリカの窒素吸着比表面積は、ASTM D3037−81に準じてBET法で測定される値である。
【0048】
シリカとしては、例えば、デグッサ社、ローディア社、東ソー・シリカ(株)、ソルベイジャパン(株)、(株)トクヤマ等の製品を使用できる。
【0049】
シリカを含む場合、シリカと共にシランカップリング剤を含むことが好ましい。これにより、本発明の効果がより好適に得られる。
シランカップリング剤としては、特に限定されず、例えば、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(4−トリエトキシシリルブチル)テトラスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリメトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)トリスルフィド、ビス(4−トリメトキシシリルブチル)トリスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)ジスルフィド、ビス(4−トリエトキシシリルブチル)ジスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(2−トリメトキシシリルエチル)ジスルフィド、ビス(4−トリメトキシシリルブチル)ジスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、2−トリエトキシシリルエチル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィド、などのスルフィド系、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、2−メルカプトエチルトリエトキシシラン、Momentive社製のNXT、NXT−Zなどのメルカプト系、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシランなどのビニル系、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシランなどのアミノ系、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、などのグリシドキシ系、3−ニトロプロピルトリメトキシシラン、3−ニトロプロピルトリエトキシシランなどのニトロ系、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリエトキシシランなどのクロロ系などが挙げられる。なかでも、スルフィド系、メルカプト系が好ましい。
【0050】
シランカップリング剤としては、例えば、デグッサ社、Momentive社、信越シリコーン(株)、東京化成工業(株)、アヅマックス(株)、東レ・ダウコーニング(株)等の製品を使用できる。
【0051】
シランカップリング剤の含有量は、シリカ100質量部に対して、3質量部以上が好ましく、5質量部以上がより好ましい。下限以上であると、シランカップリング剤を配合したことによる効果が充分に得られる傾向がある。また、上記含有量は、20質量部以下が好ましく、15質量部以下がより好ましい。20質量部以下であると、配合量に見合った効果が充分に得られ、良好な混練時の加工性が得られる傾向がある。
【0052】
前記ゴム組成物には、シリカに加えて、炭酸カルシウム、タルク、アルミナ、クレー、水酸化アルミニウム、マイカ等の充填剤を配合してもよい。なかでも、グリップ性能の点から、水酸化アルミニウムが好ましい。なお、本明細書において、水酸化アルミニウムとはAl(OH)又はAl・3HOを意味する。これら充填剤は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0053】
前記ゴム組成物において、水酸化アルミニウムの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは10質量部以上、より好ましくは20質量部以上である。下限以上にすることで、良好なグリップ性能が得られる傾向がある。該含有量は、好ましくは100質量部以下、より好ましくは80質量部以下、更に好ましくは60質量部以下である。上限以下にすることで、分散不良が抑制される傾向がある。
【0054】
水酸化アルミニウムの平均粒子径は、好ましくは10μm以下、より好ましくは5μm以下、更に好ましくは3μm以下である。上限以下にすることで、良好なグリップ性能が得られる傾向がある。該平均粒子径は、好ましくは0.05μm以上、より好ましくは0.1μm以上である。下限以上にすることで、良好な分散が得られ、良好なグリップ性能が得られる傾向がある。
【0055】
なお、水酸化アルミニウムの平均粒子径は、透過型又は走査型電子顕微鏡を用いて測定する。平均粒子径は長径を意味し、該長径とは、投影面に対する水酸化アルミニウム粉末の方向を種々変化させながら水酸化アルミニウム粉末を投影面に投影したときの最長の長さである。
【0056】
水酸化アルミニウムとしては、例えば、住友化学(株)、昭和電工(株)、Nabaltec社等の製品を使用できる。酸化アルミニウムとしては、例えば、住友化学(株)、昭和電工(株)、日本軽金属(株)、新日鉄住金マテリアルズ(株)等の製品を使用できる。
【0057】
前記ゴム組成物において、シリカ及び水酸化アルミニウムの合計含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは20質量部以上、より好ましくは40質量部以上、更に好ましくは60質量部以上である。また、上記合計含有量は、好ましくは150質量部以下、より好ましくは100質量部以下である。上記範囲内にすることで、良好なグリップ性能が得られる傾向がある。
【0058】
前記ゴム組成物には、固体樹脂、オイル等を配合してもよい。
固体樹脂としては、α−メチルスチレン及び/又はスチレンを重合して得られるα−メチルスチレン系樹脂等の芳香族ビニル重合体などが挙げられる。該固体樹脂は、軟化点が60〜120℃であることが好ましい。なお、固体樹脂の軟化点は、JIS K 6220−1:2001に規定される軟化点を環球式軟化点測定装置で測定し、球が降下した温度である。
【0059】
α−メチルスチレン系樹脂としては、ウェットグリップ性能等に優れていることから、α−メチルスチレン若しくはスチレンの単独重合体又はα−メチルスチレンとスチレンとの共重合体が好ましく、α−メチルスチレンとスチレンとの共重合体がより好ましい。
【0060】
前記ゴム組成物において、固体樹脂の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは3〜30質量部、より好ましくは5〜20質量部である。所定量の固体樹脂を配合することで、グリップ性能等が向上する傾向がある。
【0061】
固体樹脂としては、例えば、丸善石油化学(株)、住友ベークライト(株)、ヤスハラケミカル(株)、東ソー(株)、Rutgers Chemicals社、BASF社、アリゾナケミカル社、日塗化学(株)、(株)日本触媒、JXエネルギー(株)、荒川化学工業(株)、田岡化学工業(株)等の製品を使用できる。
【0062】
オイルとしては、例えば、プロセスオイル、植物油脂、又はその混合物が挙げられる。プロセスオイルとしては、例えば、パラフィン系プロセスオイル、アロマ系プロセスオイル、ナフテン系プロセスオイルなどを用いることができる。植物油脂としては、ひまし油、綿実油、あまに油、なたね油、大豆油、パーム油、やし油、落花生湯、ロジン、パインオイル、パインタール、トール油、コーン油、こめ油、べに花油、ごま油、オリーブ油、ひまわり油、パーム核油、椿油、ホホバ油、マカデミアナッツ油、桐油等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0063】
前記ゴム組成物において、オイルの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは1質量部以上、より好ましくは3質量部以上である。また、上記含有量は、好ましくは50質量部以下、より好ましくは30質量部以下である。上記数値範囲内であると、本発明の効果がより良好に得られる傾向がある。
なお、オイルの含有量には、ゴム(油展ゴム)に含まれるオイルの量も含まれる。
【0064】
オイルとしては、例えば、出光興産(株)、三共油化工業(株)、(株)ジャパンエナジー、オリソイ社、H&R社、豊国製油(株)、昭和シェル石油(株)、富士興産(株)等の製品を使用できる。
【0065】
前記ゴム組成物には、ワックスを配合してもよい。
ワックスとしては、特に限定されず、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス等の石油系ワックス;植物系ワックス、動物系ワックス等の天然系ワックス;エチレン、プロピレン等の重合物等の合成ワックスなどが挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、石油系ワックスが好ましく、パラフィンワックスがより好ましい。
【0066】
前記ゴム組成物において、ワックスの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは1.0質量部以上、より好ましくは1.5質量部以上である。また、上記含有量は、好ましくは10質量部以下、より好ましくは7質量部以下である。上記数値範囲内であると、本発明の効果が良好に得られる傾向がある。
【0067】
ワックスとしては、例えば、大内新興化学工業(株)、日本精蝋(株)、精工化学(株)等の製品を使用できる。
【0068】
前記ゴム組成物は、老化防止剤を含むことが好ましい。
老化防止剤としては、例えば、フェニル−α−ナフチルアミン等のナフチルアミン系老化防止剤;オクチル化ジフェニルアミン、4,4′−ビス(α,α′−ジメチルベンジル)ジフェニルアミン等のジフェニルアミン系老化防止剤;N−イソプロピル−N′−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−(1,3−ジメチルブチル)−N′−フェニル−p−フェニレンジアミン、N,N′−ジ−2−ナフチル−p−フェニレンジアミン等のp−フェニレンジアミン系老化防止剤;2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリンの重合物等のキノリン系老化防止剤;2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、スチレン化フェノール等のモノフェノール系老化防止剤;テトラキス−[メチレン−3−(3′,5′−ジ−t−ブチル−4′−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン等のビス、トリス、ポリフェノール系老化防止剤などが挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。なかでも、p−フェニレンジアミン系老化防止剤、キノリン系老化防止剤が好ましく、N−(1,3−ジメチルブチル)−N′−フェニル−p−フェニレンジアミン、2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリンの重合物がより好ましい。
【0069】
前記ゴム組成物において、老化防止剤の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは1質量部以上、より好ましくは2質量部以上である。また、上記含有量は、好ましくは10質量部以下、より好ましくは7質量部以下である。上記数値範囲内であると、本発明の効果が良好に得られる傾向がある。
【0070】
老化防止剤としては、例えば、精工化学(株)、住友化学(株)、大内新興化学工業(株)、フレクシス社等の製品を使用できる。
【0071】
前記ゴム組成物は、ステアリン酸を含むことが好ましい。
ステアリン酸としては、従来公知のものを使用でき、例えば、日油(株)、NOF社、花王(株)、和光純薬工業(株)、千葉脂肪酸(株)等の製品を使用できる。
【0072】
前記ゴム組成物において、ステアリン酸の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.5質量部以上、より好ましくは1質量部以上である。また、上記含有量は、好ましくは10質量部以下、より好ましくは5質量部以下である。上記数値範囲内であると、本発明の効果が良好に得られる傾向がある。
【0073】
前記ゴム組成物は、酸化亜鉛を含むことが好ましい。
酸化亜鉛としては、従来公知のものを使用でき、例えば、三井金属鉱業(株)、東邦亜鉛(株)、ハクスイテック(株)、正同化学工業(株)、堺化学工業(株)等の製品を使用できる。
【0074】
前記ゴム組成物において、酸化亜鉛の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.5質量部以上、より好ましくは1質量部以上である。また、上記含有量は、好ましくは10質量部以下、より好ましくは5質量部以下である。上記数値範囲内であると、本発明の効果がより良好に得られる傾向がある。
【0075】
前記ゴム組成物は、硫黄を含むことが好ましい。
硫黄としては、ゴム工業において一般的に用いられる粉末硫黄、沈降硫黄、コロイド硫黄、不溶性硫黄、高分散性硫黄、可溶性硫黄などが挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0076】
前記ゴム組成物において、硫黄の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.5質量部以上、より好ましくは0.8質量部以上である。また、上記含有量は、好ましくは10質量部以下、より好ましくは5質量部以下、更に好ましくは3質量部以下である。上記数値範囲内であると、本発明の効果が良好に得られる傾向がある。
【0077】
硫黄としては、例えば、鶴見化学工業(株)、軽井沢硫黄(株)、四国化成工業(株)、フレクシス社、日本乾溜工業(株)、細井化学工業(株)等の製品を使用できる。
【0078】
前記ゴム組成物は、加硫促進剤を含むことが好ましい。
加硫促進剤としては、2−メルカプトベンゾチアゾール、ジ−2−ベンゾチアゾリルジスルフィド、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド等のチアゾール系加硫促進剤;テトラメチルチウラムジスルフィド(TMTD)、テトラベンジルチウラムジスルフィド(TBzTD)、テトラキス(2−エチルヘキシル)チウラムジスルフィド(TOT−N)等のチウラム系加硫促進剤;N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N−t−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−オキシエチレン−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N−オキシエチレン−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N,N’−ジイソプロピル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド等のスルフェンアミド系加硫促進剤;ジフェニルグアニジン、ジオルトトリルグアニジン、オルトトリルビグアニジン等のグアニジン系加硫促進剤を挙げることができる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、本発明の効果がより好適に得られるという理由から、スルフェンアミド系加硫促進剤、グアニジン系加硫促進剤が好ましい。
【0079】
前記ゴム組成物において、加硫促進剤の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは1質量部以上、より好ましくは3質量部以上である。また、上記含有量は、好ましくは10質量部以下、より好ましくは7質量部以下である。上記数値範囲内であると、本発明の効果が良好に得られる傾向がある。
【0080】
前記ゴム組成物には、前記成分の他、タイヤ工業において一般的に用いられている添加剤を配合することができ、有機過酸化物;可塑剤、滑剤などの加工助剤;等を例示できる。
【0081】
前記加硫後ゴム組成物は、例えば、前記各成分をオープンロール、バンバリーミキサーなどのゴム混練装置を用いて混練し、その後加硫する方法等により製造できる。
【0082】
本発明の空気入りタイヤは、前記各成分を含む未加硫ゴム組成物を用いて通常の方法で製造できる。上記成分を配合したゴム組成物を、未加硫の段階でトレッド等のタイヤ部材の形状にあわせて押出し加工し、他のタイヤ部材とともに、タイヤ成型機上にて通常の方法で成形することにより、未加硫タイヤを形成する。この未加硫タイヤを加硫機中で加熱加圧することによりタイヤを得る。
【0083】
本発明の空気入りタイヤは、乗用車用タイヤ、大型乗用車用、大型SUV用タイヤ、トラック、バスなどの重荷重用タイヤ、ライトトラック用タイヤに好適に使用可能である。
【実施例】
【0084】
以下、実施例及び比較例で使用した各種薬品について、まとめて説明する。
SBR:旭化成(株)製のタフデン3830(ビニル含有量:35質量%、スチレン含有量:33質量%)
変性SBR:下記製造例1で合成した溶液重合変性SBR(スチレン量35質量部、ビニル量50質量%、Mw70万)
BR:宇部興産(株)製のBR360L(シス1,4結合量98%)
NR:TSR
カーボンブラック:キャボットジャパン(株)製のショウブラックN220(NSA:111m/g、DBP:115ml/100g)
シリカ:エボニック社製のUltrasil VN3(NSA:175m/g)
水酸化アルミニウム:Nabaltec製Apyral200SM(平均粒子径:0.6μm)
ステアリン酸:日油(株)製 ステアリン酸「椿」
酸化亜鉛:三井金属鉱業(株)製 亜鉛華2種
老化防止剤6C:大内新興化学工業(株)製ノクラック6C(N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン)
老化防止剤RD:大内新興化学工業(株)製ノクラック224(2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン重合体)
オイル:出光興産(株)製のダイアナプロセスNH−70S
シランカップリング剤:デグッサ社製のSi266(ビス(3−トリエトキシシリルプロピルジスルフィド))
5%オイル含有粉末硫黄:細井化学工業(株)製のHK−200−5(加硫剤、オイル分5質量%)
加硫促進剤CZ:N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド
加硫促進剤DPG:ジフェニルグアニジン
【0085】
(製造例1:変性SBRの合成)
撹拌機及びジャケットの付いた反応器を用い、窒素雰囲気下で、シクロヘキサン、1,3−ブタジエン、テトラヒドロフラン及びスチレンを仕込み、30℃に調整した後n−ブチルリチウムを添加し、重合を開始した。70℃まで昇温後、2時間重合を行い、重合転化率100%に達した後、少量の四塩化スズを加え、70℃でカップリング反応を行った。その後、3−ジエチルアミノプロピルトリメトキシシランを加え、60℃で変性反応を行った。得られた共重合体溶液に2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾールを添加した後、スチームストリッピングにより脱溶媒し、更に110℃の熱ロールで乾燥することにより、変性SBRを得た。
【0086】
<実施例及び比較例>
表1に示す配合内容に従い、硫黄及び加硫促進剤を除く各種薬品を、バンバリーミキサーにて、150℃で5分間混練りした。得られた混練物に、硫黄及び加硫促進剤を添加して、オープンロールを用いて、80℃で5分間混練りし、未加硫ゴム組成物を得た。
得られた未加硫ゴム組成物を170℃で20分間プレス加硫し、加硫ゴムシートを得た。
【0087】
得られた加硫ゴムシート(サンプル)を使用して、下記評価を行った。結果を表1〜2、図2に示す。
【0088】
〔リニア型摩耗試験機(PFT)による摩擦試験〕
HENTSCHEL製リニア型摩擦試験機「Portable friction teter(型番380.02)」を用いて、下記試験条件で摩擦試験を実施した(連続試験回数:6回)。
なお、試験サンプルは、サンプル表面を表面処理(スライス)したものを使用し、スタート時の表面状態の影響をリセットした(スライスには、(株)ニッピ機械製「NP−120」を使用)。
摩擦試験毎に、路面状態を管理し、路面の状態変化をリセットした。
路面状態の管理には、基準トレッド配合を使用し、本試験では、基準サンプルの基準値としてμ0.800を用い、補正値を求めた(例えば、配合Aの摩擦試験2回目では、その際の測定値、すなわち、基準サンプルのμs20.815(測定値)、サンプルAの測定値0.736(測定値)から、μA2(補正値)が、0.736+(0.800−0.815)=0.721と算出した。
【0089】
(試験条件)
錘なし一定荷重
すべり速度2000mm/s
加速度15m/s
接地圧0.2Mpa
水温20℃
路面温度20℃
路面:テストコースモデル路面(タイヤラベリングμ−S評価規格路面)
TD=0.7±0.3、BPN=42〜60
※BNPについては参考、基準サンプルのμで管理
【0090】
【表1】
【0091】
【表2】
【0092】
表1〜2、表2の結果を表した図2から、配合A、Bは、試験回数に応じて徐々にμが上昇し、一定値に収まる傾向が見られた。配合C、D、Eは、試験回数に応じて、μが大きく上昇した。そして、これらの配合のトレッドを有するタイヤでグリップ性能を確認したところ、μが大きく上昇するものほど、ウェットグリップ性能、ドライグリップ性能等のグリップ性能が向上することが明らかとなった。
図1
図2