特許第6972632号(P6972632)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6972632
(24)【登録日】2021年11月8日
(45)【発行日】2021年11月24日
(54)【発明の名称】タイヤ搬送システム
(51)【国際特許分類】
   B65G 47/53 20060101AFI20211111BHJP
【FI】
   B65G47/53
   B65G47/53 D
   B65G47/53 Z
【請求項の数】4
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2017-81456(P2017-81456)
(22)【出願日】2017年4月17日
(65)【公開番号】特開2018-177486(P2018-177486A)
(43)【公開日】2018年11月15日
【審査請求日】2020年2月25日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006297
【氏名又は名称】村田機械株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000202
【氏名又は名称】新樹グローバル・アイピー特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】佐野 耕二
(72)【発明者】
【氏名】村山 博史
【審査官】 小川 悟史
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2013/0048469(US,A1)
【文献】 特開平09−220771(JP,A)
【文献】 特開2004−161407(JP,A)
【文献】 特開2004−290522(JP,A)
【文献】 特表2008−514529(JP,A)
【文献】 特開2004−018149(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 47/53
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
丸型パレットでタイヤを搬送するタイヤ搬送システムであって、
前記丸型パレットを第1方向に搬送可能な第1コンベヤと、
前記第1コンベヤの第1位置に接続された出口を有し、前記第1方向とは異なる第2方向から前記出口に向けて前記丸型パレットを搬送可能な第2コンベヤと、
前記第1コンベヤの第2位置に接続された入口を有し、前記入口から前記第1方向とは異なる第3方向に向けて前記丸型パレットを搬送可能な第3コンベヤと、
前記第1コンベヤの前記第2位置の近傍に配置され、前記第1コンベヤと前記第3コンベヤとが共に駆動された状態において前記第1コンベヤによって前記第2位置に搬送されてきた前記丸型パレットの側面と当接し、当該丸型パレットを前記第3コンベヤへと分岐させる分岐機構と、
を備え、
前記第1コンベヤを駆動させた状態で前記第2コンベヤを駆動させることにより、前記第2コンベヤによって前記出口に搬送された前記丸型パレットを前記第1コンベヤへと合流させる、
タイヤ搬送システム。
【請求項2】
丸型パレットでタイヤを搬送するタイヤ搬送システムであって、
前記丸型パレットを第1方向に搬送可能な第1コンベヤと、
前記第1コンベヤの第1位置に接続された出口を有し、前記第1方向とは異なる第2方向から前記出口に向けて前記丸型パレットを搬送可能な第2コンベヤと、
前記第1コンベヤの前記第1方向とは垂直な幅方向の端部、及び/又は、前記第2コンベヤの前記第2方向とは垂直な幅方向の端部に、前記第1方向及び/又は前記第2方向に対して所定の角度をなして設けられた識別コード検出器と、
を備え、
前記第1コンベヤを駆動させた状態で前記第2コンベヤを駆動させることにより、前記第2コンベヤによって前記出口に搬送された前記丸型パレットを前記第1コンベヤへと合流させ、
前記第1コンベヤ及び前記第2コンベヤは、
前記丸型パレットを識別するための情報を示す識別コードを含み、搬送中の前記丸型パレットが外周面の中心軸回りに任意の角度にて回転したとしても、及び/又は、前記識別コード検出器が設けられたコンベヤの中心からずれた位置に前記丸型パレットが存在しても、前記識別コード検出器にていずれかの前記識別コードを検出できるよう、外周面に沿って間隔を空けて設けられた少なくとも3つのラベルを有する前記丸型パレットを搬送する、
タイヤ搬送システム。
【請求項3】
前記分岐機構は、前記第1コンベヤから前記第3コンベヤへと分岐される前記丸型パレットが当接すると回転するフリーローラを有する、請求項に記載のタイヤ搬送システム。
【請求項4】
前記第2コンベヤの前記出口の近傍の前記第2コンベヤが設けられた側であって、前記第2コンベヤにおける前記第1コンベヤの下流側に設けられた平面視で円形のガイドであって、前記第2コンベヤにて前記出口に搬送されて前記第1コンベヤへと合流しようとする前記丸型パレットと当接することで、回転しながら前記丸型パレットを前記第1コンベヤへと誘導する円形ガイドをさらに備える、請求項1〜3のいずれかに記載のタイヤ搬送システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タイヤをパレットに収納して搬送するためのタイヤ搬送システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、タイヤを搬送するための搬送システム(以下、タイヤ搬送システム)が知られている。このようなタイヤ搬送システムでは、例えば、タイヤの内径をフックにて支持した状態で当該タイヤを移載する移載装置(特許文献1)によりタイヤがパレットに移載され、その後、タイヤを載置したパレットが所望の箇所に搬送される。
【0003】
一般的に、パレットを搬送するための所望の搬送経路を形成するように複数のコンベヤが設けられている。複数のコンベヤが分岐するか又は合流する地点においては、1つのコンベヤから搬送されてきたパレットを他のコンベヤへと送り出すことで、パレットの搬送経路を切り替える装置が配置される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第5082437号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
タイヤを搬送するタイヤ搬送システムにおいて、搬送経路を切り替える装置又は機構は、タイヤを収納するパレットが角形(四角形)であり、その方向転換(回転)が困難であるために設けられている。
しかしながら、上記の装置又は機構を用いた搬送経路の切替には時間がかかる。例えば、ターンローラ式のターンテーブルを経路の切替に用いる場合には、1つのコンベヤから搬送されてきたパレットをターンテーブルに載置し、当該ターンテーブルを回転させてパレットを他のコンベヤへ向けた後、当該パレットを他のコンベヤへと送り出す工程が必要である。
搬送経路の切替に時間がかかると、パレットを所定の位置まで搬送するための時間が長くなり、その結果、パレットの搬送効率が低下する。
【0006】
本発明の目的は、タイヤをパレットに収納して搬送するタイヤ搬送システムにおいて、搬送経路の切替時間を短縮することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以下に、課題を解決するための手段として複数の態様を説明する。これら態様は、必要に応じて任意に組み合せることができる。
本発明の一見地に係るタイヤ搬送システムは、丸型パレットでタイヤを搬送する。タイヤ搬送システムは、第1コンベヤと、第2コンベヤと、を備える。第1コンベヤは、丸型パレットを第1方向に搬送可能である。第2コンベヤは、第1コンベヤの第1位置に接続された出口を有し、第1方向とは異なる第2方向から出口に向けて丸型パレットを搬送可能である。
タイヤ搬送システムにおいて、第1コンベヤを駆動させた状態で第2コンベヤを駆動させることにより、第2コンベヤによって出口に搬送された丸型パレットを第1コンベヤへと合流させる。
【0008】
上記のタイヤ搬送システムにおいては、丸型パレットによりタイヤを搬送している。そのため、第1コンベヤと第2コンベヤとを同時に駆動した状態で、第2コンベヤにて搬送されてきた丸型のパレットを第1コンベヤに合流させたとしても、当該丸型パレットは、コンベヤの合流地点において、移動方向を第2方向から第1方向へと転換するように、スムーズに回転できる。
この結果、タイヤの搬送において、第2コンベヤから第1コンベヤへの合流時間を短縮して、搬送効率を向上できる。
【0009】
タイヤ搬送システムは、第3コンベヤと、分岐機構と、をさらに備えてもよい。第3コンベヤは、第1コンベヤの第2位置に接続された入口を有し、当該入口から第1方向とは異なる第3方向に向けて丸型パレットを搬送可能である。
分岐機構は、第1コンベヤの第2位置の近傍に配置され、第1コンベヤと第3コンベヤとが共に駆動された状態において、第1コンベヤによって第2位置に搬送されてきた丸型パレットの側面と当接し、当該丸型パレットを第3コンベヤへと分岐させる。
【0010】
これにより、第1コンベヤにて搬送されてきた丸型パレットを第3コンベヤに分岐させる際に、当該丸型のパレットは、分岐機構に当接して移動方向を第1方向から第3方向へと転換する際に、スムーズに回転できる。
この結果、タイヤの搬送において、第1コンベヤから第3コンベヤへの分岐時間を短縮して、搬送効率を向上できる。
【0011】
タイヤ搬送システムは、円形ガイドをさらに備えてもよい。円形ガイドは、第2コンベヤの出口近傍の第2コンベヤが設けられた側であって、第2コンベヤにおける第1コンベヤの下流側に設けられた、平面視で円形のガイドである。円形ガイドは、第2コンベヤにて出口に搬送されて第1コンベヤへと合流しようとする丸型パレットと当接することで、回転しながら丸型パレットを第1コンベヤへと誘導する。
これにより、丸型パレットを、第1コンベヤと第2コンベヤの合流地点で滞留させることなく、第2コンベヤから第1コンベヤへとスムーズに合流できる。
【0012】
分岐機構は、第1コンベヤから第3コンベヤへと分岐される丸型パレットが当接すると回転するフリーローラを有してもよい。これにより、丸型パレットを、第1コンベヤから第3コンベヤへとスムーズに分岐できる。
【0013】
タイヤ搬送システムは、識別コード検出器をさらに備えてもよい。識別コード検出器は、第1コンベヤの第1方向とは垂直な幅方向の端部、及び/又は、第2コンベヤの第2方向とは垂直な幅方向の端部に、第1方向及び/又は第2方向に対して所定の角度をなして設けられる。
この場合、第1コンベヤ及び第2コンベヤは、少なくとも3つのラベルを有する丸型パレットを搬送する。少なくとも3つのラベルのそれぞれは、丸型パレットを識別するための情報を示す識別コードを含む。少なくとも3つのラベルは、搬送中の丸型パレットが外周面の中心軸回りに任意の角度にて回転したとしても、及び/又は、識別コード検出器が設けられたコンベヤの中心からずれた位置に丸型パレットが存在しても、識別コード検出器にていずれかの識別コードを検出できるよう、丸型パレットの外周面に沿って間隔を空けて設けられる。
これにより、丸型パレットが搬送中に移動方向に対してどの角度に回転しても、識別コード検出器は、ラベルに示された識別コードを検出できる。
【発明の効果】
【0014】
タイヤをパレットに収納して搬送するタイヤ搬送システムにおいて、丸型パレットを用いてタイヤを搬送することにより搬送経路の切替時間を短縮できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】タイヤ搬送システムの構成を示す図。
図2A】空の丸型パレットを示す図。
図2B】タイヤを収納した丸型パレットを示す図。
図2C】複数の丸型パレットを重ねた状態を示す図。
図3】丸型パレットへのラベルの取付状態の一例を示す図。
図4】任意の位置及び姿勢の丸型パレットに設けられた識別コードを識別コード検出器にて読み取る様子の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
1.第1実施形態
(1)タイヤ搬送システムの構成
以下、第1実施形態に係るタイヤ搬送システム100の構成について、図1を用いて説明する。図1は、タイヤ搬送システムの構成を示す図である。タイヤ搬送システム100は、例えば、タイヤの製造工場などにおいて、生タイヤ(タイヤの製造工程の途中にある(加硫前の)タイヤ)及び/又は完成品のタイヤを、指定された場所に搬送するためのシステムである。
タイヤ搬送システム100は、第1コンベヤ1を備える。第1コンベヤ1は、搬送するタイヤTを収納した丸型パレットPLを、第1方向D1に搬送するコンベヤである。第1コンベヤ1は、例えば、ローラコンベヤである。
【0017】
タイヤ搬送システム100は、第2コンベヤ2を備える。第2コンベヤ2は、例えば、ローラコンベヤである。第2コンベヤ2は、第1位置P1にて第1コンベヤ1と接続された出口O1を有する。図1に示すように、第2コンベヤ2は、第1方向D1に対して垂直な第2方向D2から出口O1に向けて丸型パレットPLを搬送することにより、当該丸型パレットPLを、第1コンベヤ1へと合流させる。すなわち、第2コンベヤ2の搬送方向である第2方向D2は、第1コンベヤ1に向かう方向と定義できる。
なお、第2コンベヤ2は、第1コンベヤ1の搬送方向(第1方向D1)に対して垂直に接続される場合に限られず、タイヤTの所望の搬送方向に従って、任意の角度にて接続できる。
【0018】
タイヤ搬送システム100は、第3コンベヤ3を備える。第3コンベヤ3は、例えば、ローラコンベヤである。第3コンベヤ3は、第2位置P2にて第1コンベヤ1と接続された入口I1を有する。第3コンベヤ3は、当該入口I1から、第1方向D1に対して垂直であり、かつ、第2方向D2に対しては正反対の第3方向D3に向けて丸型パレットPLを搬送することにより、当該丸型パレットPLを、第1コンベヤ1から分岐させる。すなわち、第3コンベヤ3の搬送方向である第3方向D3は、第1コンベヤ1から離反する方向と定義できる。
なお、第3コンベヤ3は、第1方向D1に対して垂直に接続される場合に限られず、タイヤTの所望の搬送方向に従って、任意の角度にて接続できる。
【0019】
図1に示す例においては、第3コンベヤ3の入口I1は、第1コンベヤ1の延長方向の第2コンベヤ2の出口O1が接続された側に接続されているが、当該入口I1は、第1コンベヤ1の延長方向の出口O1が接続された側とは反対側に接続されてもよい。
【0020】
タイヤ搬送システム100は、円形ガイド4を備える。円形ガイド4は、第2コンベヤ2の出口O1近傍であって、第2コンベヤ2における第1コンベヤ1の下流側に設けられた、平面視で円形のガイドである。
円形ガイド4は、その取付位置において、第1方向D1及び第2方向D2により形成される平面(図1の紙面)に実質的に垂直な軸回りに、回転可能となっている。これにより、円形ガイド4は、第2コンベヤ2にて出口O1に搬送されて第1コンベヤ1へと合流しようとする丸型パレットPLと当接することで、回転しながら丸型パレットPLを第1コンベヤ1へと誘導できる。
【0021】
タイヤ搬送システム100は、分岐機構5を備える。分岐機構5は、第1コンベヤ1の第2位置P2の近傍に配置された、例えば、ダイバータである。分岐機構5は、第1コンベヤ1によって第2位置P2に搬送されてきた丸型パレットPLの側面と当接し、当該丸型パレットPLを第3コンベヤへと送り出す。
【0022】
分岐機構5は、取付軸5aの周りに回転可能となっている。これにより、分岐機構5は、丸型パレットPLの搬送を妨害しないよう第1コンベヤ1の搬送経路の外側に収納されるか、または、第2位置P2まで搬送された丸型パレットPLが当接できるよう当該搬送経路の幅方向に延びるよう配置されるか、を切り替えることができる。
例えば、識別コード検出器6(後述)にて読み取った識別コードに示された情報に基づいて、第2位置P2に接近している丸型パレットPLに収納されたタイヤTを第3コンベヤ3へと分岐して搬送すると判定された場合、分岐機構5は、第1コンベヤ1の搬送経路の幅方向に延びるように配置される。一方、上記のタイヤTを第1方向D1へと搬送すると判定された場合には、第1コンベヤ1の搬送経路の外側に収納される。
【0023】
図1に示すように、本実施形態の分岐機構5は、本体51と、複数のフリーローラ53と、を有する。本体51は、分岐機構5の本体を形成する。複数のフリーローラ53は、本体51の長さ方向に沿って、長さ方向とは垂直な軸回りに回転可能に本体51に取り付けられる。これにより、丸型パレットPLがフリーローラ53に当接して第1コンベヤ1の駆動により本体51の長さ方向に移動すると、フリーローラ53は回転して、丸型パレットPLを第1コンベヤ1から第3コンベヤ3へとスムーズに分岐できる。
【0024】
タイヤ搬送システム100は、一対の識別コード検出器6を備える。本実施形態において、一対の識別コード検出器6のそれぞれは、第2位置P2の近傍(第1コンベヤ1における入口I1の近傍)の、第1コンベヤ1の第1方向D1とは垂直な幅方向の端部において、丸型パレットPLに貼られたいずれかのラベル(後述)に表された識別コードを読み取り可能なように、読み取り面が第1方向D1に対して所定の角度をなして設けられる。図1に示すように、一対の識別コード検出器6の1つが一方の端部に設けられ、もう1つが他方の端部に設けられる。
【0025】
後述するように、本実施形態において、丸型パレットPLに設けられている識別コードはバーコードであるので、識別コード検出器6は、例えば、バーコードリーダである。
その他、識別コードがQRコード(登録商標)である場合には、識別コード検出器6は、例えば、QRコード(登録商標)リーダーであるか、または、画像データ取得デバイス(例えば、CCDデバイス)と、画像データ中のQRコード(登録商標)の認識と読み取りを実行するソフトウェアとの組み合わせであってもよい。
【0026】
なお、一対の識別コード検出器6は、第2位置P2(入口I1)の近傍に限られず、第1コンベヤ1の第2位置P2よりも上流側の任意の位置に設けられてもよい。また、一対の識別コード検出器6は、第2コンベヤ2における出口O1よりも上流側、及び/又は、第2コンベヤ2における出口O1の近傍の第2コンベヤ2の第2方向D2とは垂直な幅方向の端部に設けられてもよい。さらに、一対の識別コード検出器6は、第3コンベヤ3の第3方向D3の任意の位置において、第3方向D3とは垂直な幅方向の端部に設けられてもよい。
【0027】
タイヤ搬送システム100は、制御部7を備える。制御部7は、タイヤ搬送システム100の各構成要素の制御、及び、入力データ(例えば、識別コード検出器6にて読み取った情報)などに基づいて各種情報処理を実行する、例えば、記憶装置(RAM、ROMなど)と、CPUと、各種インターフェースと、を有するコンピュータシステムである。
タイヤ搬送システム100の制御及び情報処理は、制御部7にて実行可能であり、記憶装置に記憶されたソフトウェアにて実現されてもよい。また、当該制御及び/又は情報処理の全部又は一部をSoC(System on Chip)にてハードウェア的に実現してもよい。
【0028】
(2)丸型パレット
次に、タイヤ搬送システム100においてタイヤTを収納して搬送する丸型パレットPLについて、図2A図2Cを用いて説明する。
図2Aに示すように、丸型パレットPLは、例えば、プラスチック製の所定の高さを有する円形の部材である。円柱形状の丸型パレットPLの内径側には、すり鉢状の溝Gが形成されている。図2Bに示すように、丸型パレットPLにて搬送されるタイヤT(図2Bに示す例では、生タイヤ)は、すり鉢状の溝Gの内部に収納される。
【0029】
また、上記のすり鉢状の溝Gは所定の深さを有しており、丸型パレットPLの底部B(丸型パレットPLの下部)の外径は溝Gの内径よりも小さくなっている。これにより、複数の丸型パレットPLは、図2Cに示すように、底部Bを溝Gに収納した状態で、高さ方向に重ねることができる。
【0030】
さらに、丸型パレットPLの外周面OPには、3つのラベルLが設けられている。ラベルLは、丸型パレットPLを識別するための識別コードを含んでいる。本実施形態において、ラベルLに含まれる識別コードは、バーコードである。その他、QRコード(登録商標)などの所定の直線及び/又は図形等により、各種情報を表すことができるコードを識別コードとして用いることもできる。
丸型パレットPLにて物品(タイヤT)を搬送する際には、当該丸型パレットPLに付されたラベルLが含んでいる識別コードと、当該丸型パレットPLにて搬送中の物品(タイヤT)に関する情報が関連付けられる。
【0031】
3つのラベルLは、丸型パレットPLの外周面OP上において、外周面OPの外円周に沿って間隔を空けて設けられる。具体的には、図3に示すように、外周面OPにおいて3つのラベルLのうちの2つが形成する円弧の長さが、一対の識別コード検出器6によりラベルLを検出可能な領域の境界線(検出限界線)と外周面OPとの交点C1、C2(第1方向D1側の交点)が外周面OPにおいて形成する円弧(第1方向D1側の円弧)の長さよりも小さくなるよう、3つのラベルLは間隔を空けて外周面OPに設けられる。
なお、上記の交点C1、C2にて形成される第1方向D1側の円弧の長さは、丸型パレットPLが第1コンベヤ1の中心に存在するか中心からずれて存在するかなどにより変化するが、2つのラベルLにより外周面OPにて形成される円弧の長さは、交点C1、C2により外周面OPにて形成される円弧の長さのうち最小のものよりも小さく設定される。
【0032】
3つのラベルLを外周面OP上に上記のように設けることにより、図4の(A)〜(C)に示すように、第1コンベヤ1にて搬送中の丸型パレットPLが第1コンベヤ1の中心からずれた位置に存在した場合(図4の(A))、外周面の中心軸回りに任意の角度にて回転した場合(図4の(B))、搬送中の丸型パレットPLが第1コンベヤ1の中心からずれた位置に存在しかつ外周面の中心軸回りに任意の角度にて回転した場合(図4の(C))であっても、一対の識別コード検出器6のいずれかにより、3つのラベルLのいずれかの識別コードを検出できる。
【0033】
すなわち、丸型パレットPLが第1コンベヤ1のどの位置にあっても、また、どの方向を向いたとしても、3つのラベルLのいずれかが、一対の識別コード検出器6のいずれかの識別コードの検出範囲内に入る。図4は、任意の位置及び姿勢の丸型パレットに設けられた識別コードを識別コード検出器にて読み取る様子の一例を示す図である。
【0034】
なお、複数のラベルLのうちの2つのラベルLにより外周面OPにて形成される円弧の長さが、検出境界線と外周面OPとの交点C1、C2により外周面OPにて形成される円弧の最小長さよりも小さいとの条件を満たす限り、丸型パレットPLに取り付けるラベルLの数は、3つ以上の任意の数とできる。
ラベルLの数が2つ以下の場合には、2つのラベルL間の外周面OPにおける円弧の長さが上記の条件を満たさなくなり、丸型パレットPLの位置及び向きによっては、一対の識別コード検出器6のいずれによっても識別コードを認識できない場合がある。
【0035】
また、2つのラベルL間の外周面OPにおける円弧の長さが上記の条件を満たす限りは、複数のラベルLを外周面OPに等間隔に設けてもよいし、2つのラベルL間の距離をそれぞれ異ならせて複数のラベルLを設けてもよい。
【0036】
上記のように、少なくとも3つのラベルLを、丸型パレットPLの外周面OP上において、外周面OPの外円周に沿って間隔を空けて設けることにより、丸型パレットPLが搬送中に第1コンベヤ1の中心からずれたとしても、また、移動方向に対してどの角度に回転しても、識別コード検出器6は、ラベルLに示された識別コードを検出できる。
【0037】
(3)合流動作
次に、第2コンベヤ2にて第2方向D2に搬送された丸型パレットPLが、第1コンベヤ1に合流するときの動作について説明する。
第2コンベヤ2を駆動した状態で、丸型パレットPLを第2コンベヤ2の出口O1まで搬送後さらに第2方向D2へ移動させると、当該丸型パレットPLの一部が、第1コンベヤ1の移動部分(例えば、第1方向D1に回転しているローラ)へと移動する。
【0038】
第2コンベヤ2が駆動中には第1コンベヤ1も駆動されているので、第1コンベヤ1に到達した丸型パレットPLの一部は、第1コンベヤ1により第1方向D1へ引っ張られる。このとき、丸型パレットPLの残りの部分は第2方向D2に移動しているので、出口O1にて第2コンベヤ2から第1コンベヤ1へと合流しようとしている丸型パレットPLは、回転する。
【0039】
角形のパレットとは異なり、丸型パレットPLは、その形状から、第2コンベヤ2から第1コンベヤ1への合流による上記の回転の際に、第2コンベヤ2及び/又は第1コンベヤ1の側面に衝突するか、又は、これらのコンベヤの側面から飛び出しにくい。
すなわち、タイヤ搬送システム100において、丸型パレットPLによりタイヤTを搬送することにより、第1コンベヤ1と第2コンベヤ2とを同時に駆動した状態で、第2コンベヤ2にて搬送されてきた丸型パレットPLを第1コンベヤ1に合流させたとしても、当該丸型パレットPLは、コンベヤの合流地点において、移動方向を第2方向D2から第1方向D1へと転換するように、スムーズに回転できる。この結果、タイヤTの搬送において、第2コンベヤ2から第1コンベヤ1への合流時間を短縮して、搬送効率を向上できる。
【0040】
また、第2コンベヤ2から第1コンベヤ1へ合流する際、丸型パレットPLの一部が第1コンベヤ1により第1方向D1へ引っ張られるため、丸型パレットPLは、第2コンベヤ2の出口O1における第1コンベヤ1の下流側(第1方向D1側)に移動する傾向にある。
従って、当該位置に中心軸回りに回転可能な円形ガイド4を設けることにより、第2コンベヤ2にて出口O1に搬送されて第1コンベヤ1へと合流しようとする丸型パレットPLは、円形ガイド4と当接する。
丸型パレットPLと当接した円形ガイド4は、丸型パレットPLの第2コンベヤ2から第1コンベヤ1への移動により、回転しながら丸型パレットPLを第1コンベヤ1へと誘導する。その結果、円形ガイド4は、丸型パレットPLを、第1コンベヤ1と第2コンベヤ2の合流地点(出口O1付近)で滞留させることなく、第2コンベヤ2から第1コンベヤ1へとスムーズに合流できる。
【0041】
(4)分岐動作
次に、第1コンベヤ1にて第1方向D1に搬送された丸型パレットPLが、第3コンベヤ3へと分岐するときの動作について説明する。
まず、制御部7が、第1方向D1に搬送中の丸型パレットPLを、第3コンベヤ3へ分岐させるべきか否かを判定する。例えば、識別コード検出器6にて読み取った識別コードに示される情報から、第1方向D1に搬送中の丸型パレットPLを第3コンベヤ3へ分岐させるか否かを判定できる。
第1方向D1から第2位置P2へと搬送中の丸型パレットPLを第3コンベヤ3へ分岐すると判定した場合、制御部7は、分岐機構5を第1コンベヤ1の搬送経路上に配置させる。なお、丸型パレットPLを第3コンベヤ3へ分岐させない場合には、分岐機構5を第1コンベヤ1の外側に収納する。
【0042】
分岐機構5を第1コンベヤ1の搬送経路に配置させた状態で、丸型パレットPLが第1方向D1から第2位置P2へ搬送されると、当該丸型パレットPLは分岐機構5と当接する。分岐機構5に丸型パレットPLが当接する際に第1コンベヤ1は駆動されているので、分岐機構5に当接した丸型パレットPLは、第1コンベヤ1の幅方向へ移動する。
【0043】
第3コンベヤ3が駆動された状態で、第1コンベヤ1の幅方向に移動する丸型パレットPLの一部が入口I1に到達すると、当該丸型パレットPLの一部は、第3コンベヤ3により第3方向D3へと引っ張られる。
【0044】
第2コンベヤ2から第1コンベヤ1への合流と同様に、第1コンベヤ1から第3コンベヤ3へ分岐されようとしている丸型パレットPLも回転するが、その形状により、第1コンベヤ1と第3コンベヤ3との接続位置(入口I1)において、第1コンベヤ1及び/又は第3コンベヤ3の側面に衝突するか、又は、これらのコンベヤの側面から飛び出してしまうことはない。
すなわち、丸型パレットPLにてタイヤTを搬送することにより、第1コンベヤ1にて第2位置P2に搬送されてきた丸型パレットPLを第3コンベヤ3に分岐させる際に、当該丸型パレットPLは、分岐機構5に当接して移動方向を第1方向D1から第3方向D3へと転換する際に、スムーズに回転できる。この結果、タイヤTの搬送において、第1コンベヤ1から第3コンベヤ3への分岐時間を短縮して、搬送効率を向上できる。
【0045】
また、分岐機構5は、その延長方向にフリーローラ53が設けられているので、第3コンベヤ3へと分岐される丸型パレットPLが分岐機構5に当接し第1コンベヤ1の幅方向に移動すると、当該フリーローラ53が本体51の長さ方向に垂直な軸回りに回転する。当該フリーローラ53の回転により、丸型パレットPLは、第1コンベヤ1の幅方向へスムーズに移動できる。すなわち、丸型パレットPLの第1コンベヤ1から第3コンベヤ3への分岐時間をさらに短縮して、搬送効率を向上できる。
【0046】
2.他の実施形態
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。特に、本明細書に書かれた複数の実施形態及び変形例は必要に応じて任意に組み合せ可能である。
第1〜第3コンベヤ1〜3は、直線状のコンベヤに限られず、カーブを有したり、他の分岐あるいは合流するコンベヤが接続されたりといった、任意の形状とできる。
【0047】
第1〜第3コンベヤ1〜3により搬送されるものは、タイヤTを収納した丸型パレットPLに限られず、図2Cに示すような他の丸型パレットPLを収納した丸型パレットPLであってもよい。この場合、重ねる丸型パレットPLの数は任意とできるが、第1〜第3コンベヤ1〜3での搬送中に安定する程度の高さとなるように制限を設けることが好ましい。
また、円筒形状の容器又は部材を第1〜第3コンベヤ1〜3にて搬送することも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0048】
本発明は、タイヤをパレットに収納して搬送するためのタイヤ搬送システムに広く適用できる。
【符号の説明】
【0049】
100 タイヤ搬送システム
1 第1コンベヤ
2 第2コンベヤ
3 第3コンベヤ
4 円形ガイド
5 分岐機構
51 本体
53 フリーローラ
6 識別コード検出器
7 制御部
P1 第1位置
P2 第2位置
D1 第1方向
D2 第2方向
D3 第3方向
I1 入口
O1 出口
PL 丸型パレット
G 溝
OP 外周面
L ラベル
T タイヤ
図1
図2A
図2B
図2C
図3
図4