特許第6972634号(P6972634)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6972634
(24)【登録日】2021年11月8日
(45)【発行日】2021年11月24日
(54)【発明の名称】点灯装置および照明器具
(51)【国際特許分類】
   H05B 45/38 20200101AFI20211111BHJP
【FI】
   H05B45/38
【請求項の数】9
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2017-82896(P2017-82896)
(22)【出願日】2017年4月19日
(65)【公開番号】特開2018-181728(P2018-181728A)
(43)【公開日】2018年11月15日
【審査請求日】2020年3月30日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】390014546
【氏名又は名称】三菱電機照明株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100082175
【弁理士】
【氏名又は名称】高田 守
(74)【代理人】
【識別番号】100106150
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 英樹
(74)【代理人】
【識別番号】100142642
【弁理士】
【氏名又は名称】小澤 次郎
(72)【発明者】
【氏名】木所 孝元
(72)【発明者】
【氏名】松本 安雄
【審査官】 大橋 俊之
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−158329(JP,A)
【文献】 特開2011−176911(JP,A)
【文献】 特開2013−033644(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 45/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力電圧を昇圧する昇圧回路と、
前記昇圧回路から電力の供給を受け、光源を点灯させる負荷回路と、
前記負荷回路を制御する負荷制御回路と、
前記昇圧回路の出力電圧を検出する昇圧検出回路と、
前記昇圧検出回路の検出電圧が第1基準電圧よりも低下すると、前記負荷回路の出力電力を低下させるように前記負荷制御回路を制御するフィードバック回路と、
前記負荷回路の出力電圧または出力電流を検出する負荷検出回路と、
を備え
前記フィードバック回路は、
前記負荷検出回路に接続された入力端子を有し、前記入力端子に入力される電圧が第2基準電圧よりも大きい場合に、前記負荷回路の出力電力を低下させるように前記負荷制御回路を制御する負荷フィードバック回路と、
前記昇圧検出回路の検出電圧が前記第1基準電圧よりも低下すると、前記入力端子に入力される電圧を前記第2基準電圧よりも大きくする昇圧フィードバック回路と、
を備えることを特徴とする点灯装置。
【請求項2】
前記昇圧検出回路の検出電圧が前記第1基準電圧よりも大きい場合、前記入力端子には前記負荷検出回路の検出電圧が印加され、前記負荷フィードバック回路は、前記負荷検出回路の検出電圧と前記第2基準電圧とを一致させるように、前記負荷制御回路を制御することを特徴とする請求項に記載の点灯装置。
【請求項3】
前記昇圧フィードバック回路は、前記昇圧検出回路の検出電圧が前記第1基準電圧よりも低下すると、前記昇圧フィードバック回路の出力電圧を前記負荷検出回路の検出電圧に加算することで、前記入力端子に入力される電圧を前記第2基準電圧よりも大きくすることを特徴とする請求項に記載の点灯装置。
【請求項4】
前記昇圧フィードバック回路は、前記昇圧検出回路の検出電圧が前記第1基準電圧よりも低下すると、前記第2基準電圧を低下させることで、前記入力端子に入力される電圧を前記第2基準電圧よりも大きくすることを特徴とする請求項またはに記載の点灯装置。
【請求項5】
前記第1基準電圧は、前記第2基準電圧が立ち上がってから生成されることを特徴とする請求項の何れか1項に記載の点灯装置。
【請求項6】
前記第1基準電圧は、前記昇圧回路の出力電圧が立ち上がってから生成されることを特徴とする請求項1〜の何れか1項に記載の点灯装置。
【請求項7】
前記負荷回路はスイッチング素子のオンオフにより前記光源を点灯させる降圧回路を備え、
前記負荷制御回路は、前記昇圧検出回路の検出電圧が前記第1基準電圧よりも低下すると、前記スイッチング素子のオンデューティを短くすることで前記負荷回路の出力電力を低下させることを特徴とする請求項1〜の何れか1項に記載の点灯装置。
【請求項8】
前記負荷回路は共振回路を備え、
前記負荷制御回路は、前記昇圧検出回路の検出電圧が前記第1基準電圧よりも低下すると、前記共振回路の周波数を高くすることで前記負荷回路の出力電力を低下させることを特徴とする請求項1〜の何れか1項に記載の点灯装置。
【請求項9】
請求項1〜の何れか1項に記載の点灯装置と、
前記光源と、
を備えることを特徴とする照明器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、点灯装置および照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に示される点灯装置及び照明器具は、入力電圧を平滑および昇圧することで直流化する。さらに、直流電圧は降圧され、一定の直流電流が負荷に供給される。点灯装置は主に、ノイズフィルタ回路、整流回路、PFC(Power Factor Correction)回路および負荷回路から構成される。
【0003】
電源電圧は、整流回路によって全波整流され、PFC回路によって一定の値まで昇圧される。昇圧された電圧は、負荷回路によって負荷である光源に供給される電力に変換される。負荷回路は、PFC回路により昇圧された電圧を入力電圧として、目標とする電圧または電流が負荷に供給されるように動作する。
【0004】
特許文献1における点灯装置は、負荷の変動を検出するためのオペアンプ等の比較器を備える。この点灯装置では、負荷回路が停止した時、過負荷で動作しないように共振回路の周波数を高い周波数から低い周波数に変化させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2016−126945号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
一般に、PFC回路は入力電圧の変動に対して、出力電圧を一定に制御する。また、負荷回路は一定の入力電圧に対して、出力電力を変動させる。しかし、なんらかの要因でPFC回路の出力電圧が低下したとき、負荷回路の入力電圧が低下して動作が不安定となる可能性がある。例えば、PFC回路の出力電圧が半分に低下した場合、負荷回路は半減した入力電圧で動作するため、過負荷状態になる可能性がある。従って、PFC回路の出力電圧の低下により負荷回路の動作が不安定になる可能性がある。
【0007】
特許文献1の点灯装置の場合、負荷回路の入力電圧は検出されず、出力電圧のみが検出される。この構成においてPFC回路の出力電圧が低下した場合、過負荷状態となってから負荷回路の動作を止めることとなる。従って、負荷回路にかかる負荷が大きくなる場合がある。また、特許文献1の点灯装置では、負荷回路を一度停止させてから再度動作させるという2つの制御を行う。このため、制御が複雑化する可能性がある。
【0008】
本発明は、上述の課題を解決するためになされたもので、負荷回路を安定して動作させることができる点灯装置および照明器具を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
開示に係る点灯装置は、入力電圧を昇圧する昇圧回路と、該昇圧回路から電力の供給を受け、光源を点灯させる負荷回路と、該負荷回路を制御する負荷制御回路と、該昇圧回路の出力電圧を検出する昇圧検出回路と、該昇圧検出回路の検出電圧が第1基準電圧よりも低下すると、該負荷回路の出力電力を低下させるように該負荷制御回路を制御するフィードバック回路と、該負荷回路の出力電圧または出力電流を検出する負荷検出回路と、を備え、該フィードバック回路は、該負荷検出回路に接続された入力端子を有し、該入力端子に入力される電圧が第2基準電圧よりも大きい場合に、該負荷回路の出力電力を低下させるように該負荷制御回路を制御する負荷フィードバック回路と、該昇圧検出回路の検出電圧が該第1基準電圧よりも低下すると、該入力端子に入力される電圧を該第2基準電圧よりも大きくする昇圧フィードバック回路と、を備える。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る点灯装置では、昇圧検出回路が昇圧回路の出力電圧を検出する。昇圧検出回路の検出電圧が第1基準電圧よりも低下すると、フィードバック回路は負荷回路の出力電力を低下させるように負荷制御回路を制御する。このため、負荷回路が過負荷状態となることを抑制できる。従って、負荷回路を安定して動作させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】実施の形態1に係る照明器具の回路ブロック図である。
図2】実施の形態1に係る負荷回路の回路図である。
図3】実施の形態1に係る負荷電流の波形を示す図である。
図4】実施の形態1の変形例に係る負荷回路の回路図である。
図5】実施の形態1の変形例に係る負荷電流の周波数依存性を示す図である。
図6】実施の形態2に係る照明器具の回路ブロック図である。
図7】実施の形態3に係る照明器具の回路ブロック図である。
図8】実施の形態3に係る第1基準電圧、第2基準電圧および昇圧回路の出力電圧の立ち上がりを示すタイムチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の実施の形態に係る点灯装置および照明器具について図面を参照して説明する。同じ又は対応する構成要素には同じ符号を付し、説明の繰り返しを省略する場合がある。
【0013】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る照明器具100の回路ブロック図である。照明器具100は、点灯装置80とLEDモジュール12を備える。点灯装置80は電源1から入力電圧の供給を受け、LEDモジュール12を点灯させる。電源1は例えば商用電源などの交流電源である。
【0014】
LEDモジュール12は光源であるLED23を複数備える。LEDモジュール12は、LED23の集合体である。本実施の形態では、LEDモジュール12は直列に接続された2つのLED23を備える。LEDモジュール12が備えるLEDの数はこれに限らず、1つ以上であれば良い。また、複数のLED23は並列または直並列に接続されても良い。
【0015】
点灯装置80は、ノイズフィルタ回路2を備える。ノイズフィルタ回路2は、電源1からの入力電圧のノイズを除去する。ノイズフィルタ回路2には、整流回路3が接続される。整流回路3は電源1からの入力電圧を整流する。整流回路3の出力には、昇圧回路4が接続される。
【0016】
昇圧回路4は、入力電圧を昇圧する。本実施の形態では、昇圧回路4はPFC回路である。昇圧回路4は、電源1からの入力電圧の波形に沿ってスイッチングを行う。これにより、昇圧回路4は、整流回路3の出力電圧を一定の電圧に昇圧する。さらに昇圧回路4は、整流回路3の出力電圧を整流して力率を改善し、高調波を抑制する。
【0017】
昇圧回路4の出力と並列に平滑コンデンサ13が接続される。平滑コンデンサ13は昇圧回路4の出力電圧を平滑する。平滑コンデンサ13の両端には直流電圧が生成される。平滑コンデンサ13と並列に負荷回路8が接続される。負荷回路8は昇圧回路4から電力の供給を受け、LED23を点灯させる。負荷回路8は、平滑コンデンサ13の両端に印加される電圧を、目標とする電流または電圧に変換してLED23に供給する。
【0018】
点灯装置80は、昇圧検出回路6を備える。昇圧検出回路6は、平滑コンデンサ13と並列に接続される。昇圧検出回路6は、昇圧回路4の出力電圧を検出する。昇圧検出回路6は、直列に接続された第1抵抗14と第2抵抗15とを備える。昇圧回路4の出力電圧は、第1抵抗14と第2抵抗15で分圧され、昇圧制御回路5に入力される。
【0019】
昇圧制御回路5は第2抵抗15に印加される電圧を監視し、第2抵抗15にかかる電圧が一定となるように、昇圧回路4を制御する。このため、昇圧回路4の出力電圧は、昇圧検出回路6の検出電圧によって決定される。昇圧制御回路5は、昇圧検出回路6の検出電圧と目標とする電圧とが一致するように、例えば、昇圧回路4が備えるスイッチング素子のオンオフを制御する。
【0020】
これにより、電源1の入力電圧によらず、昇圧回路4の出力電圧は一定に制御される。本実施の形態では、電源1の入力電圧が例えばAC100V〜AC242Vの範囲において、昇圧回路4の出力電圧は一定に制御される。昇圧回路4の出力電圧は、入力電圧の瞬時値より高い値に設定される。昇圧回路4の出力電圧は、例えば電源1の入力電圧の最大値がAC242Vであれば、342V以上に設定される。
【0021】
点灯装置80はフィードバック回路56を備える。フィードバック回路56は、昇圧フィードバック回路7と負荷フィードバック回路11から構成される。昇圧回路4の出力電圧は、第1抵抗14と第2抵抗15で分圧され、昇圧フィードバック回路7に入力される。昇圧フィードバック回路7は、第1比較器19と第1基準電圧生成回路18を備える。昇圧検出回路6の検出電圧は、第1比較器19のVin−端子に入力される。第1基準電圧生成回路18は第1基準電圧を生成する。第1基準電圧は第1比較器19のVin+端子に入力される。
【0022】
昇圧フィードバック回路7は、昇圧検出回路6の検出電圧と第1基準電圧を比較する。昇圧フィードバック回路7は、昇圧検出回路6の検出電圧と第1基準電圧の差分を検出する。第1基準電圧は、昇圧回路4が正常動作をしており目標とする電圧を出力している場合に、昇圧検出回路6の検出電圧が第1基準電圧よりも大きくなるように設定される。
【0023】
第1比較器19の出力は、ダイオード22のアノードに接続される。ダイオード22のカソードは負荷フィードバック回路11が有する入力端子55および負荷検出回路10に接続される。ダイオード22は第1比較器19側に電流が逆流することを防止している。
【0024】
点灯装置80は、負荷検出回路10を備える。負荷検出回路10は、一端がLEDモジュール12のカソード側に接続され、他端が負荷フィードバック回路11に接続された第1抵抗16を備える。第1抵抗16の一端には、さらに、第2抵抗17の一端が接続される。第2抵抗17の他端は、負荷回路8の低電位側の出力に接続される。第2抵抗17には、負荷回路8の出力電流に対応する電流が流れる。負荷検出回路10は、負荷回路8の出力電圧を検出する。ここで、負荷回路8の出力電圧は負荷回路8の出力電流に対応する電圧である。
【0025】
負荷回路8の出力電圧は、第1抵抗16と第2抵抗17で分圧され、負荷フィードバック回路11に入力される。負荷フィードバック回路11は、第2比較器21と第2基準電圧生成回路20を備える。第2抵抗17に印加される電圧に対応する電圧は、入力端子55を介し、第2比較器21のVin−端子に入力される。第2基準電圧生成回路20は第2基準電圧を生成する。第2基準電圧は第2比較器21のVin+端子に入力される。
【0026】
点灯装置80は負荷制御回路9を備える。第2比較器21の出力は、負荷制御回路9に接続される。また、負荷制御回路9は、負荷回路8に接続される。負荷制御回路9は負荷回路8を制御する。
【0027】
図2は、実施の形態1に係る負荷回路8の回路図である。負荷回路8は、降圧回路を備える。本実施の形態では、降圧回路はバックコンバータ回路である。負荷回路8は、スイッチング素子29を備える。スイッチング素子29は、例えばMOSFET(Metal−Oxide−Semiconductor Field−Effect Transistor)である。スイッチング素子29のドレインは昇圧検出回路6の高電位側に接続される。スイッチング素子29のソースは、ダイオード30のカソードとインダクタ31の一端に接続される。スイッチング素子29のゲートは負荷制御回路9に接続される。
【0028】
ダイオード30のアノードは昇圧検出回路6の低電位側に接続される。インダクタ31の他端は、コンデンサ32の正極に接続される。コンデンサ32の負極は、昇圧検出回路6の低電位側に接続される。
【0029】
負荷回路8は、スイッチング素子29のオンオフによりLED23を点灯させる。負荷制御回路9は、スイッチング素子29のゲート電圧を出力することで、スイッチング素子29のオンオフを制御している。これにより、昇圧回路4から負荷回路8に取り込む電流が調整される。さらに、昇圧回路4の出力電圧は、降圧用のインダクタ31で目標とする電圧まで降圧され、平滑コンデンサであるコンデンサ32で直流に変換される。なお、ダイオード30は電流帰還用のダイオードである。これにより、負荷回路8からLEDモジュール12に電力が供給される。
【0030】
次に、昇圧回路4が正常動作をしている場合の点灯装置80の動作について説明する。負荷フィードバック回路11の入力端子55には第1比較器19の出力信号および、負荷検出回路10の検出電圧が入力される。昇圧回路4が正常動作をしており、昇圧検出回路6の検出電圧が第1基準電圧よりも大きい場合、第1比較器19の出力はLOWである。このため、入力端子55には負荷検出回路10の検出電圧のみが印加される。
【0031】
負荷フィードバック回路11は、負荷検出回路10の検出電圧と第2基準電圧を比較する。負荷フィードバック回路11は第2抵抗17に印加される電圧を監視し、第2抵抗17にかかる電圧が一定となるように、負荷制御回路9を制御する。つまり、負荷フィードバック回路11は、負荷検出回路10の検出電圧と第2基準電圧とを一致させるように、負荷制御回路9を制御する。従って、正常動作時において負荷回路8の出力電力は、負荷検出回路10によって決定される。
【0032】
負荷制御回路9は、負荷フィードバック回路11における比較結果に応じて、負荷検出回路10の検出電圧と第2基準電圧とが一致するように、負荷回路8を制御する。負荷制御回路9は、負荷検出回路10の検出電圧と第2基準電圧との差分がゼロになるように、負荷回路8の出力電力を調整する。ここで、第2基準電圧は、負荷検出回路10の検出電圧と第2基準電圧とが一致したときに、負荷回路8の出力電力が目標値と一致するように設定される。
【0033】
本実施の形態では、負荷制御回路9は、負荷回路8の出力電流が目標電流と一致するように定電流制御を行う。負荷検出回路10の検出電圧が第2基準電圧よりも大きい場合、負荷制御回路9は、スイッチング素子29のオンデューティを短くする。また、負荷検出回路10の検出電圧が第2基準電圧よりも小さい場合、負荷制御回路9はスイッチング素子29のオンデューティを長くする。
【0034】
本実施の形態では、負荷制御回路9は負荷回路8を定電流制御する。このため、負荷検出回路10は、電流を一定に制御するための定電流検出回路である。これに限らず、負荷制御回路9は、負荷回路8を定電圧制御しても良い。この場合、負荷検出回路10は、電圧を一定に制御するための定電圧検出回路となる。
【0035】
次に、瞬時停電またはサグ等で電源1からの入力電圧が変動した場合の点灯装置80の動作を説明する。このとき、昇圧制御回路5は電源1からの入力電圧の変動の影響を受けて、昇圧回路4の出力電圧を一定にできない場合がある。このような場合、昇圧回路4の出力電圧が低下する可能性がある。
【0036】
昇圧回路4の出力電圧の低下に伴い、昇圧検出回路6の検出電圧が低下する。これにより、昇圧検出回路6の検出電圧が第1基準電圧よりも低下する。第1比較器19のVin−端子に入力される電圧が、Vin+端子に入力される第1基準電圧よりも低下すると、差分をゼロにしようと第1比較器19の出力電圧はHIGHとなる。
【0037】
第1比較器19の出力電圧がHIGHとなると、入力端子55に印加される電圧が増加する。これにより、入力端子55に入力される電圧が第2基準電圧よりも大きくなる。従って、第2比較器21は、入力端子55に入力される電圧と第2基準電圧との差分をゼロにしようと、出力電圧をLOWにする。
【0038】
つまり、昇圧フィードバック回路7は、昇圧検出回路6の検出電圧が第1基準電圧よりも低下すると、昇圧フィードバック回路7の出力電圧を負荷検出回路10の検出電圧に加算する。これにより、昇圧フィードバック回路7は、入力端子55に入力される電圧を第2基準電圧よりも大きくする。
【0039】
これにより、負荷制御回路9は第2比較器21のLOW出力に引っ張られ、負荷回路8において実際に消費している負荷以上のフィードバック信号を受ける。従って、負荷制御回路9は負荷回路8の消費電力を低下させるように制御する。このとき、負荷フィードバック回路11は、負荷回路8の出力電力を低下させるように負荷制御回路9を制御する。
【0040】
昇圧回路4の出力電圧が回復し、昇圧検出回路6の検出電圧が第1基準電圧よりも大きくなると、第1比較器19の出力がLOWに戻る。これに伴い、第2比較器21の出力電圧が正常状態に戻る。従って、点灯装置80は定常状態へ戻り定電流制御が行われる。ここで定常状態は、昇圧回路4が目標とする電圧を出力しており、昇圧検出回路6の検出電圧が第1基準電圧よりも大きい状態を示す。
【0041】
図3は、実施の形態1に係る負荷電流の波形を示す図である。本実施の形態において負荷電流はインダクタ31を流れる電流を示す。領域35には、昇圧回路4が正常動作している場合のゲート電圧および負荷電流が示されている。このとき、負荷制御回路9は、ゲート電圧波形33に示されるように、スイッチング素子29のゲート電圧を出力する。スイッチング素子29がオンすると負荷電流波形34に示されるように負荷電流が増加する。スイッチング素子29がオフすると負荷電流は低下する。
【0042】
領域36には、昇圧回路4の出力電圧が低下した場合のゲート電圧および負荷電流が示されている。矢印50に示される時点で、昇圧検出回路6の検出電圧が第1基準電圧よりも低下したとする。これにより、第2比較器21の出力電圧がLOWになる。このとき、ゲート電圧波形33に示されるように、負荷制御回路9はスイッチング素子29のオンデューティを短くする。このとき、図3に示されるように、負荷制御回路9はスイッチング素子29のオン時間を変更することでオンデューティを変更する。つまり、負荷制御回路9は領域36におけるスイッチング素子29のオン時間52を領域35におけるスイッチング素子29のオン時間51よりも短くする。これに伴い、負荷電流の最大値が低下する。従って、負荷回路8の出力電力が低下する。
【0043】
昇圧回路4の出力電圧が回復すると、領域35に示されるように負荷回路8は定常状態に戻る。以上から、本実施の形態では、スイッチング素子29のオンデューティを短くすることで負荷回路8の消費電力を抑えることができる。
【0044】
以上の動作により、本実施の形態の照明器具100では、昇圧回路4の出力電圧が低下した場合、負荷回路8の出力電力が低下する。従って、負荷回路8への入力電圧が変動した場合に、負荷回路8が過負荷状態になることを抑制できる。このため、負荷回路を安定して動作させることができる。また、負荷回路8が過負荷状態となることを防止することで、点灯負荷であるLED23に安定して電力を供給できる。
【0045】
また、本実施の形態では、昇圧回路4の出力電圧に応じて、フィードバック回路56により負荷回路8の出力電力を制御している。このため、昇圧回路4の出力電圧が低下した場合に、負荷回路8が過負荷状態となる前に負荷回路8の出力電力を低下させることができる。
【0046】
本実施の形態においてフィードバック回路56は、昇圧検出回路6の検出電圧が第1基準電圧よりも低下すると、負荷回路8の出力電力を低下させるように負荷制御回路9を制御する。ここで、フィードバック回路56は、定常状態において負荷回路8を定電流制御する負荷フィードバック回路11を利用して構成されている。つまり、フィードバック回路56は、負荷回路8を定電流制御するための負荷フィードバック回路11に、本実施の形態に係る昇圧フィードバック回路7を追加することで容易に形成される。このため、フィードバック回路56の構成を簡易化できる。従って、簡易な構成で負荷回路8を安定して動作させることができる。
【0047】
本実施の形態では、フィードバック回路56は、負荷フィードバック回路11と、昇圧フィードバック回路7とを備えるものとした。これに対し、フィードバック回路56に代えて、昇圧検出回路6の検出電圧が第1基準電圧よりも低下すると負荷回路8の出力電力を低下させるように負荷制御回路9を制御するあらゆる回路を採用できる。
【0048】
また、負荷フィードバック回路11に代えて、入力端子55に入力される電圧が第2基準電圧よりも大きい場合に、負荷回路8の出力電力を低下させるように負荷制御回路9を制御するあらゆる回路を採用できる。また、昇圧フィードバック回路7に代えて、昇圧検出回路6の検出電圧が第1基準電圧よりも低下すると、入力端子55に入力される電圧を第2基準電圧よりも大きくするあらゆる回路を採用できる。
【0049】
また、本実施の形態において第1基準電圧は、昇圧回路4が正常動作をしている場合に、昇圧検出回路6の検出電圧が第1基準電圧よりも大きくなるように設定される。これに対し、第1基準電圧は、例えば、負荷回路8が過負荷状態となる電圧まで昇圧回路4の出力電圧が低下した場合に、昇圧検出回路6の検出電圧が第1基準電圧よりも小さくなるように設定されても良い。
【0050】
また、本実施の形態では昇圧制御回路5と負荷制御回路9を別個に設けた。これに対し、昇圧制御回路5と負荷制御回路9はマイコンなどの1つの制御回路であっても良い。
【0051】
図4は、実施の形態1の変形例に係る負荷回路108の回路図である。図4に示されるように、負荷回路108は共振回路を備えても良い。負荷回路108が備える共振回路は、LLC共振回路である。負荷回路108は、第1スイッチング素子138と第2スイッチング素子139を備える。第1スイッチング素子138と第2スイッチング素子139のゲートは、負荷制御回路9に接続される。第1スイッチング素子138のドレインは昇圧検出回路6の高電位側に接続される。第1スイッチング素子138のソースには、第2スイッチング素子139のドレインと、インダクタ140の1次巻き線の一端が接続される。
【0052】
第2スイッチング素子139のソースは昇圧検出回路6の低電位側に接続される。インダクタ140の1次巻き線の他端は、コンデンサ141を介して第2スイッチング素子139のソースに接続される。インダクタ140の2次巻き線と並列に、整流回路137が接続される。整流回路137の出力にはLEDモジュール12および負荷検出回路10が接続される。
【0053】
負荷制御回路9は第1スイッチング素子138と第2スイッチング素子139を駆動させる信号を出力する。これにより、第1スイッチング素子138と第2スイッチング素子139は交互にスイッチングする。負荷回路108を流れる電流は、共振用のインダクタ140と共振用のコンデンサ141により共振する。負荷回路108を流れる電流は、整流回路137で直流に変換され、LEDモジュール12に供給される。負荷回路108では、インダクタ140とコンデンサ141の共振を利用し、第1スイッチング素子138および第2スイッチング素子139の周波数を変化させることでLEDモジュール12に供給される電力を調節できる。
【0054】
図5は、実施の形態1の変形例に係る負荷電流の周波数依存性を示す図である。ここで、負荷電流は整流回路137から出力される電流を示す。図5は、負荷制御回路9により第1スイッチング素子38と第2スイッチング素子39が交互にスイッチングされた場合の、負荷回路108のスイッチング周波数と負荷電流との関係を示す。負荷電流は、共振周波数において極大となり、スイッチング周波数が共振周波数から離れるほど小さくなる。
【0055】
昇圧回路4が正常動作をしている場合、負荷回路108は周波数42で動作する。昇圧回路4の出力電圧が下がり、昇圧検出回路6の検出電圧が第1基準電圧よりも低下すると、第2比較器21の出力がLOWになる。これにより、負荷制御回路9は、共振回路のスイッチング周波数を周波数43まで高くする。これにより、負荷電流が低下する。従って、負荷回路108の出力電力が低下する。昇圧回路4の出力電圧が回復すると、負荷制御回路9は、スイッチング周波数を正常動作時の周波数42に戻す。これにより、負荷回路108は定常状態へ戻る。
【0056】
以上から、負荷回路108が共振回路を備える場合、スイッチング周波数を共振周波数から離れる方向に変化させることで、負荷回路8の消費電力を抑えることができる。
【0057】
これらの変形は以下の実施の形態に係る点灯装置および照明器具について適宜応用することができる。なお、以下の実施の形態に係る点灯装置および照明器具については実施の形態1との共通点が多いので、実施の形態1との相違点を中心に説明する。
【0058】
実施の形態2.
図6は、実施の形態2に係る照明器具200の回路ブロック図である。照明器具200は、点灯装置280を備える。点灯装置280は、フィードバック回路256の構成が実施の形態1と異なる。フィードバック回路256は、昇圧フィードバック回路207と、負荷フィードバック回路211とを備える。
【0059】
昇圧検出回路6の検出電圧は、昇圧フィードバック回路207が備える第1比較器19のVin+端子に入力される。また、第1比較器19のVin−端子には、第1基準電圧が入力される。
【0060】
負荷フィードバック回路211において、第2比較器21のVin+端子は、第2基準電圧生成回路220の出力に接続される。第2基準電圧生成回路220には、ダイオード22のアノードが接続される。ダイオード22のカソードは第1比較器19の出力に接続される。
【0061】
昇圧回路4が正常動作をしており、昇圧検出回路6の検出電圧が第1基準電圧よりも大きい場合、第1比較器19の出力はHIGHである。このとき、第2基準電圧生成回路220は、負荷回路8の定常動作時の出力電力に対応する第2基準電圧を出力する。この第2基準電圧は、負荷検出回路10の検出電圧と第2基準電圧が一致したときに、負荷回路8の出力電力が目標値と一致する電圧である。
【0062】
また、本実施の形態では、入力端子55には負荷検出回路10の検出電圧が印加される。負荷フィードバック回路211は、負荷検出回路10の検出電圧と第2基準電圧を比較する。負荷フィードバック回路211は、負荷検出回路10の検出電圧と第2基準電圧とを一致させるように、負荷制御回路9を制御する。
【0063】
次に、瞬時停電またはサグ等で電源1からの入力電圧が変動した場合の点灯装置280の動作を説明する。昇圧回路4の出力電圧が低下により昇圧検出回路6の検出電圧が低下すると、第1比較器19のVin+端子に入力される電圧が低下する。昇圧検出回路6の検出電圧が第1基準電圧より低下すると、昇圧検出回路6の検出電圧と第1基準電圧との差分をゼロにしようと、第1比較器19の出力電圧はLOWとなる。
【0064】
第2基準電圧生成回路220は、第1比較器19からLOWが入力されると、第2基準電圧を低下させ、ゼロにする。このため、第2比較器21のVin+端子への入力電圧はゼロになる。この結果、入力端子55に入力される電圧が第2基準電圧よりも大きくなる。このとき、入力端子55に入力される電圧と第2基準電圧との差分をゼロにしようと、第2比較器21の出力電圧はLOWとなる。
【0065】
本実施の形態において、昇圧フィードバック回路207は、昇圧検出回路6の検出電圧が第1基準電圧よりも低下すると、第2基準電圧を低下させる。これにより、昇圧フィードバック回路207は、入力端子55に入力される電圧を第2基準電圧よりも大きくする。
【0066】
従って、実施の形態1と同様に、負荷制御回路9は負荷回路8において実際に消費している負荷以上のフィードバック信号を受ける。このため、負荷フィードバック回路211は、負荷回路8の出力電力を低下させるように負荷制御回路9を制御する。
【0067】
昇圧回路4の出力電圧が回復し、昇圧検出回路6の検出電圧が第1基準電圧よりも大きくなると、第1比較器19の出力がHIGHに戻る。これに伴い、第2比較器21の出力電圧が正常状態に戻る。従って、点灯装置280は定常状態へ戻り、定電流制御が行われる。
【0068】
以上の動作により、本実施の形態の照明器具200では、昇圧回路4の出力電圧が低下した場合、負荷回路8の出力電力が低下する。従って、負荷回路8への入力電圧が変動した場合に、負荷回路8が過負荷状態になることを抑制できる。このため、負荷回路を安定して動作させることができる。
【0069】
実施の形態3.
図7は、実施の形態3に係る照明器具300の回路ブロック図である。照明器具300は点灯装置380を備える。点灯装置380は、点灯装置80と比較して、マイコン328と、第3基準電圧生成回路327をさらに備える。マイコン328には、昇圧検出回路6の検出電圧が入力される。また、マイコン328には、第2基準電圧が入力される。マイコン328は、第1基準電圧生成回路18に接続されている。マイコン328は、第1基準電圧生成回路18を起動する。
【0070】
第3基準電圧生成回路327は第3基準電圧を生成する。第3基準電圧は、マイコン328の電源電圧となる。
【0071】
図8は、実施の形態3に係る第1基準電圧、第2基準電圧および昇圧回路4の出力電圧の立ち上がりを示すタイムチャートである。マイコン328は、昇圧検出回路6の検出電圧を監視している。また、マイコン328は第2基準電圧を監視している。マイコン328は、昇圧検出回路6の検出電圧と第2基準電圧が立ち上がり、一定の電圧に安定してから、第1基準電圧生成回路18を起動する。
【0072】
この結果、図8に示されるように、実線24に示される昇圧検出回路6の検出電圧と、実線26に示される第2基準電圧が立ち上がり一定の電圧に安定してから、実線25に示される第1基準電圧が生成される。つまり、第1基準電圧は、昇圧回路4の出力電圧と第2基準電圧が立ち上がり一定の電圧に安定してから生成される。
【0073】
昇圧回路4の出力電圧または第2基準電圧が不安定な状態で、第1基準電圧が出力されると、フィードバック回路56が適切に動作しない可能性がある。これに対し、本実施の形態では、第1基準電圧は、昇圧回路4の出力電圧が立ち上がってから生成される。また、第1基準電圧は第2基準電圧が立ち上がってから生成される。このため、フィードバック回路56の誤動作などを防止できる。
【0074】
また、本実施の形態の変形例として、マイコン328は起動から一定時間の経過後に、第1基準電圧生成回路18を起動させても良い。この場合、マイコン328はタイマ機能を備える。
【0075】
本変形例におけるマイコン328の動作を説明する。まず、第3基準電圧生成回路27によってマイコン328の電源がONする。マイコン328は、タイマ機能によりマイコンの電源がONになってからの時間をカウントする。マイコン328は、電源がONになってから例えば3秒後に、第1基準電圧生成回路18を起動させる信号を出力する。
【0076】
マイコン328の電源がONになってから、第1基準電圧生成回路18が起動するまでの時間は、昇圧検出回路6の検出電圧と第2基準電圧が立ち上がり安定するのに十分な時間に設定される。このため、本変形例においても、第1基準電圧は昇圧回路4の出力電圧および第2基準電圧が立ち上がってから生成される。従って、フィードバック回路56の誤動作などを防止できる。さらに、本変形例では、マイコン328は昇圧検出回路6の検出電圧と第2基準電圧を検出する必要がない。このため、点灯装置380の構造を簡易化できる。
【0077】
本実施の形態では、昇圧検出回路6の検出電圧と第2基準電圧は同時に立ち上がる。これに対し、昇圧検出回路6の検出電圧および第2基準電圧は、一方が他方よりも先に立ち上がっても良い。
【0078】
また、昇圧検出回路6の検出電圧と第2基準電圧の立ち上がりを検出し、第1基準電圧生成回路18を起動させるのは、マイコン328以外の制御回路でも良い。例えば、負荷制御回路9または昇圧制御回路5が、昇圧検出回路6の検出電圧と第2基準電圧の立ち上がりを検出し、第1基準電圧生成回路18を起動させても良い。
【0079】
これに限らず、第1基準電圧を昇圧回路4の出力電圧および第2基準電圧の立ち上がりよりも後に生成することができれば、第1基準電圧のあらゆる出力方法を採用できる。また、第1基準電圧が出力される時間およびタイミングは自由に設定することができる。
【0080】
なお、各実施の形態で説明した技術的特徴は適宜に組み合わせて用いてもよい。
【符号の説明】
【0081】
100、200、300 照明器具、80、280、380 点灯装置、4 昇圧回路、6 昇圧検出回路、23 LED、7、207 昇圧フィードバック回路、8、108 負荷回路、9 負荷制御回路、10 負荷検出回路、11、211 負荷フィードバック回路、29 スイッチング素子、55 入力端子、56、256 フィードバック回路
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8