(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記側部において、前記突出シール部に対応する第1部分は、前記第1部分の両側に位置する第2部分と連続する同一平面または同一曲面を構成している、請求項1に記載の蓋付容器。
前記リブ部が、前記側部において突出シール部に対応する第1部分、及び、前記第1部分の両側に位置する第2部分のそれぞれに形成されている、請求項3に記載の蓋付容器。
前記フランジ部において、前記突出シール部に対応する第1フランジ部分の内縁は、前記第1フランジ部分の両側に位置する第2フランジ部分と連続する直線または曲線を構成している、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の蓋付容器。
前記突出シール部の先端点と前記開口部の中心点とを通るように延びる直線のうち前記シール部の外縁との2つの交点を結ぶ部分を第1線分と称し、前記第1線分に直交するとともに前記開口部の中心点を通るように延びる直線のうち前記シール部の外縁との2つの交点を結ぶ部分を第2線分と称する場合、前記第1線分は前記第2線分よりも短い、請求項1乃至8のいずれか一項に記載の蓋付容器。
前記密着抑制機構から前記開口部までの平面視における第1最短距離は、前記シール部のうち前記主要シール部と前記突出シール部とが接続される接続部の内縁から前記開口部までの平面視における第2最短距離よりも短い、請求項1乃至10のいずれか一項に記載の蓋付容器。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明の各実施形態について、詳細に説明するが、本発明は、以下の実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の目的の範囲内において、適宜変更を加えて実施することができる。
【0031】
第1実施形態
<蓋付容器>
以下、
図1〜
図4Bを用いて第1実施形態の蓋付容器10について説明する。
図1は第1実施形態の蓋付容器の平面図であり、
図2は、第1実施形態の蓋付容器の斜視図である。
図3は、蓋付容器10を構成する容器20の平面図である。
図4Aは、
図1に示す蓋付容器10をIVA−IVA線に沿って切断した断面図であり、
図4Bは、
図1に示す蓋付容器10をIVB−IVB線に沿って切断した断面図である。なお、煩雑になることを避けるため、
図1では蓋30の下側に位置する構成についても実線で示している。また、本件明細書に添付する図面においては、図示と理解のしやすさの便宜上、縮尺および縦横の寸法比等を、実物のそれらから適宜変更し誇張して示すことがある。また、本明細書において用いる、形状や幾何学的条件並びにそれらの程度を特定する、例えば、「平行」、「直交」、「同一」等の用語や長さや角度の値等については、厳密な意味に縛られることなく、同様の機能を期待し得る程度の範囲を含めて解釈することとする。
【0032】
(蓋付容器)
蓋付容器10は、容器20と、容器20の開口部29を覆う蓋30とを備え、容器20と蓋30との間には、周状のシール部40が形成されている。
図1において、符号40xは、シール部40のうち開口部29側に位置する縁部(以下、内縁とも称する)を表し、符号40yは、内縁40xの反対側に位置する外縁を表す。シール部40を介して容器20と蓋30とを接合することにより、食品等の内容物(図示せず)が密封される。なお、本発明において、「周状」とは、一周に亘って形成されるシール部を指し、円周形状のものに限らず、多角形状であってもよいし、円周形状と多角形状を組み合わせたものであってもよい。
【0033】
蓋付容器10に収容される内容物は特には限られないが、内容物の例としては例えば、レトルト食品、冷凍食品や冷蔵食品などを挙げることができる。また食品としては、カレー、お粥、焼きそば、惣菜、魚などを挙げることができる。これらの内容物においては、加熱に伴って水分が蒸発して蓋付容器10の収容部の圧力が高まるので、蓋付容器10内の蒸気を外部に逃がす蒸気抜き機能が加熱調理用の蓋付容器10に求められる。
【0034】
[容器]
容器20は、例えば、射出成形法やシート成形法により成形することができる。容器20を構成する材料としては特に限定されず、ポリプロピレンやポリスチレンやポリエチレンテレフタレートなどのプラスチックを用いることができる。射出成形によって容器20を製造する場合、成形性を確保するため、容器20の高さH1(
図4A,4B参照)を、容器20のフランジ部22の短手方向の長さL2(
図1参照)以下にすることが好ましい。
【0035】
本発明においては、蓋付容器10に収容される内容物として、冷蔵(チルド)や冷凍食品も想定される。この場合、例えば従来のホモポリプロピレンを用いた容器であると、低温における耐衝撃性が低下する。このため、ゴム成分やエチレン成分を含むブロックポリプロピレンなどを用いることで、低温における耐衝撃性が向上する。しかしながら、ゴム成分やエチレン成分の添加は、フランジ部を含む容器の剛性を低下させるので、上記のフランジ部の反りという課題が生じやすくなる。つまり、本発明の蓋付容器は、容器としてゴム成分やエチレン成分を含むブロックポリプロピレンを用いる場合に好適に用いられる。あるいは、ホモポリエチレンを用いた容器であっても、厚さが薄い場合に好適に用いられる。
【0036】
次に、
図1〜
図4Bを参照して、容器20の構成について説明する。容器20は、底部211及び側部213を含む胴部21と、胴部21の側部213の上縁に連設された、平坦なフランジ部22と、を有している。フランジ部22の内縁22xが、容器20の収容部の開口部29を画定する。側部213は、底部211の外縁に沿って一周に亘って広がるよう底部211から立設されている。
【0037】
蓋30は、容器20のフランジ部22の上面に、シール部40を介して接合されている。
図1および
図2においては、フランジ部22が側部213の上縁に連設され、外側に向かって水平方向に延びる例が示されている。なお、本明細書において、「平面」、「上方」、「下方」、「上縁」、「水平」、「水平方向」などの用語は、容器20の底部211が下方に位置するように容器20が載置されている状態を基準として、容器20、蓋30やそれらの構成要素の位置や方向を表すものである。
【0038】
底部211には、
図4A及び
図4Bに示す隆起部212のように、一または複数の凸部や凹部が形成されていてもよい。このことにより、電子レンジを利用して内容物を加熱調理する際、蓋付容器10の内部の圧力が高まったときに蓋付容器10が変形してしまうことを抑制することができる。
【0039】
本実施形態では、側部213において、後述する切欠部23に対応する第1部分214は、第1部分214の両側に位置する第2部分215と連続する同一平面または同一曲面を構成している。本実施形態においては、
図1に示すように、切欠部23の一端に対応する直線laと切欠部23の他端に対応する直線lbに挟まれた部分が側部213の第1部分214であり、第1部分214の両側に側部213の第2部分215が位置し、側部213の第1部分214と第2部分215は連続した一つの平面を形成している。言い換えると、側部213の第1部分214と第2部分215に対応するフランジ部22の内縁22xは直線をなしている(
図1参照)。なお、側部213の第1部分214と側部213の第2部分215が同一曲面を構成する場合、第1部分214と第2部分215が連続した一つの曲面を形成する。
【0040】
[フランジ部]
フランジ部22の輪郭は外縁22yで形成されており、一対の長辺22aと、一対の短辺22bとを備える矩形状の輪郭を有している。
図1に示すように、本実施形態では、長辺22aと短辺22bとの間に隅部22cが設けられているものも、矩形状の概念に含まれる。すなわち、本実施形態においては、フランジ部22の輪郭は、長辺22a、隅部22c、短辺22b、隅部22c、長辺22a、隅部22c、短辺22b、隅部22cを経て、周状に連続して形成されている。以下の説明において、フランジ部22のうち長辺22aに沿って延びる部分を、長辺部分22Aとも称する。また、フランジ部22のうち短辺22bに沿って延びる部分を、短辺部分22Bとも称する。また、フランジ部22のうち隅部22cに対応する部分を、隅部分22Cとも称する。
【0041】
図1において、符号L1は、フランジ部22の長手方向の長さ(一方の短辺22bと他方の短辺22bとの間隔)を表しており、符号L2は、フランジ部の短手方向の長さ(一方の長辺22aと他方の長辺22aとの間隔)を表しており、長さL1は長さL2よりも大きくなっている。
図1および
図2において、隅部22cは、長辺22aと短辺22bとの間に位置し、外に凸の円弧形状に形成されている。隅部22cは、例えば、矩形状の輪郭を有するフランジ部の角部に面取り加工を施すことによって得られる。
【0042】
図1において、符号M1は、後述する突出シール部44の先端部の先端点P2と開口部29の中心点29cとを通るように延びる直線IVAのうち、周状のシール部40の外縁40yとの2つの交点を結ぶ部分(以下、第1線分と称する)を表す。
図1に示す例において、第1線分M1の一端は、一方の長辺部分22A上の突出シール部44の外縁40yに位置し、第1線分M1の他端は、他方の長辺部分22A上の主要シール部42の外縁40yに位置する。また、
図1において、符号M2は、第1線分M1に直交するとともに開口部29の中心点29cを通るように延びる直線のうち、周状のシール部40の外縁40yとの2つの交点を結ぶ部分(以下、第2線分と称する)を表す。
図1に示す例において、第2線分M2の一端は、一方の短辺部分22B上の主要シール部42の外縁40yに位置し、第2線分M2の他端は、他方の短辺部分22B上の主要シール部42の外縁40yに位置する。第1線分M1は第2線分M2よりも短い。例えば、第1線分M1の長さは、第2線分M2の長さの0.85以下であり、より好ましくは0.75以下であり、更に好ましくは0.70以下である。
【0043】
長さL1を長さL2より大きくすること、又は、第1線分M1を第2線分M2よりも短くすることにより、電子レンジを利用して内容物を加熱する際の蓋30の膨らみ方にばらつきが存在する場合であっても、長辺部分22A上の後述する突出シール部44を、シール部40のその他の部分よりも先に蓋30またはフランジ部22から剥離させることができる。
【0044】
本発明においては、フランジ部22の輪郭形状は特に限定されず、全体として円形、楕円形、多角形状、またはこれらの組み合わせとすることができる。また、隅部22cも曲部に限定されず、角部で構成されていてもよい。また、フランジ部22の厚さは、例えば0.5mm以上2.0mm以下の範囲内に設定される。
【0045】
フランジ部22は、側部213の上縁から水平に延出する鍔状部であるが、本実施形態においては、
図4Aおよび
図4Bに示すように、第1平面221で構成されている。第1平面221は、側部213の上縁、すなわちフランジ部の内縁22xから水平に延出する鍔状部であり、シール部40を構成する平面である。
【0046】
[切欠部]
フランジ部22の一方の長辺部分22Aの長辺方向の中央部には、容器20の内側に突出して形成された切欠部23が形成されている。この切欠部23は、蓋30が存在する領域において、水平方向に延びる平面部が存在しない部分であり、
図1、
図3や
図4Aには、第1平面221が存在しない部分として示されている。切欠部23は、一方の長辺部分22Aの外縁を切り欠くとともに、開口部29側の先端点(頂点)P1に向かって先細り形状となるように形成されており、
図1には切欠部23を三角形状にする例が示されている。後述するように、切欠部23は、内容物を加熱するときにフランジ部22の上面と蓋30の下面とが密着することを抑制するように機能する。以下の説明において、切欠部23などの、フランジ部22と蓋30の密着を抑制する構成要素のことを、密着抑制機構19とも称する。
【0047】
図3において、符号L3が付された直線は、フランジ部22の内縁22xと開口部29の中心点29cとを最短距離で結ぶように延びる直線である。好ましくは、密着抑制機構19は、
図3に示すように、この直線L3上に位置する。
また、
図3において、符号M5は、直線L3のうち開口部29に重なる部分(以下、第5線分と称する)を表す。また、
図3において、符号M6は、第5線分M5に直交するとともに開口部29の中心点29cを通るように延びる直線のうち開口部29に重なる部分(以下、第6線分と称する)を表す。第5線分M5は第6線分M6よりも短い。例えば、第5線分M5の長さは、第6線分M6の長さの0.85以下であり、より好ましくは0.75以下であり、更に好ましくは0.70以下である。
【0048】
[シール部]
図1に示すように、蓋30と容器20のフランジ部22との間には、蓋30とフランジ部22とを接合させる周状のシール部40が、一周にわたって連続的に形成されている。周状のシール部40は、熱、超音波、高周波などのシール手段によって容器20または蓋30の少なくともいずれかを少なくとも部分的に溶融させることによって形成されたものであってもよい。またシール部40は、接着剤などの、容器20および蓋30とは別個の構成要素によって形成されたものであってもよい。シール部40を蓋30とフランジ部22との間に形成することにより、容器20の開口部29を隙間無く密封することができる。
【0049】
図1に示すように、周状のシール部40は、フランジ部22の外縁である長辺22a、短辺22b、隅部22cに沿って延びている主要シール部42と、フランジ部22の長辺部分22A上の略中央部に配置され、主要シール部42から内側に向かって突出した突出シール部44とで構成されている。
【0050】
突出シール部44は、切欠部23の内側に位置する第1平面221上に形成され、切欠部23に沿って、容器20の内側に突出して先端点(頂部)P2を有する略V字状に設けられている。後述するように、突出シール部44は、内容物を加熱するときに主要シール部42よりも先に剥離して、蓋付容器10の内部の蒸気を外部に排出するよう機能する。以下の説明において、突出シール部44などの、蓋付容器10の内部の蒸気を優先的に外部に排出するための構成要素のことを、蒸気抜き機構18とも称する。
【0051】
なお、本発明においては、周状のシール部40を構成するフランジ部は平面に限らず、フランジ部に凸部を形成して、該凸部を介して周状のシール部40を形成してもよい。
【0052】
[蓋]
容器20に接合される蓋30を構成する材料は、蓋30の下面が少なくとも容器20のフランジ部22の上面に接合され得るよう、選択される。例えば、蓋30は、基材層と、蓋30の下面を構成するシーラント層と、を含んでいる。蓋30の厚さは、特に限定されないが、例えば20μm以上100μm以下の範囲内とすることができる。
【0053】
基材層を構成する材料としては、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル系樹脂、ナイロンなどのポリアミド系樹脂や、ポリプロピレン等を用いることができる。またシーラント層を構成する材料としては、ポリプロピレンや、ポリプロピレンおよびポリエチレンの混合樹脂等を用いることができる。なお、基材層およびシーラント層がいずれもポリプロピレンを含む場合、基材層においては二軸延伸ポリプロピレンが用いられ、シーラント層においては無延伸ポリプロピレンが用いられる。
【0054】
<蓋付容器の作用>
内容物入りの蓋付容器10を、電子レンジを利用して内容物を加熱すると、内容物の温度が高くなり、これに伴って、内容物に含まれる水分が蒸発して蓋付容器10の内部の圧力が高まる。加熱に伴って蓋付容器10の内部の圧力がさらに高くなると、蓋30に膨らみが生じ、周状のシール部40に応力がかかる。ここで、蓋付容器10においては、突出シール部44の先端点P2がフランジ部22の長辺部分22A上に形成されている。このため、応力は突出シール部44の先端点P2に集中する。
【0055】
このとき、突出シール部44に対応する位置のフランジ部22の内縁22xは直線をなしており、側部213の第1部分214と第1部分214の両側に位置する第2部分215は同一平面または同一曲面を構成しており、具体的には、この実施形態においては、第1部分214と第2部分215は同一平面で構成されている。
【0056】
この結果、切欠部23が形成されていない蓋付容器では、突出シール部44の先端点P2に応力集中し、突出シール部44のフランジ部が上方に反った際に、蓋30の下方に第一平面127が存在するため、蓋30とフランジ部22とが密着して蒸気が抜け難くなり、たとえ先端点P2が優先的に剥離したとしても、蒸気を逃がすことができない。
【0057】
しかし、本実施形態の蓋付容器においては、蓋30の下方に切欠部23が形成されているので、突出シール部44を含むフランジ部22が反っても、蒸気を通過させやすくすることができる。
【0058】
[蓋付容器の第1変形例]
第1実施形態の第1変形例について、
図5〜7Bの蓋付容器10を用いて説明する。以下の他の実施形態の説明においては、上述の実施形態と同様の図番については、上述の実施形態における説明を援用して読み替えることとし、その説明を省略する。第2変形例以降も同様である。なお、煩雑になることを避けるため、
図5では蓋30の下側に位置する構成についても実線で示している。
【0059】
図5〜7Bの蓋付容器10は、段差部24が形成されている点が上述の実施形態と異なっている。本変形例においては、段差部24が、内容物を加熱するときにフランジ部22の上面と蓋30の下面とが密着することを抑制する密着抑制機構19として機能する。
【0060】
第1変形例では、フランジ部22は、第1平面221と、第1平面221の外縁に連設され、下方に延びるフランジ壁部241と、を少なくとも含む。フランジ部22は、フランジ壁部241の下部に連設され、水平方向に延びる第2平面242を更に含んでいてもよい。
図7Aに示す例においては、フランジ壁部241と第2平面242によって段差部24が形成されている。この場合、蓋30の下縁と第2平面242の上縁との間に間隔を設けることにより、突出シール部44のフランジ部が上方に反った場合であっても、蒸気を通過させやすくすることができる。ここで、
図7Aにおいて、蓋30の下縁と第2平面242の上縁との間隔が符号h1で示されているが、h1は1mm以上とすることが好ましく、2mm以上5mm以下とすることがより好ましい。なお、蓋30の下縁と第2平面242とが密着しない限りにおいて、第2平面242の形状が平坦形状に限られることはない。
【0061】
[蓋付容器の第2変形例]
第1実施形態の第2変形例について、
図8及び
図9を参照して説明する。
図8は、本変形例に係る蓋付容器10の平面図であり、
図9は、
図8の蓋付容器10を構成する容器20の平面図である。なお、煩雑になることを避けるため、
図8では蓋30の下側に位置する構成についても実線で示している。
図8の蓋付容器10は、切欠部23が一対の長辺22a上の対向する位置に2ヶ所形成されている点が第1実施形態と異なっている。
【0062】
図8に示すように、突出シール部44も、切欠部23の内側に位置する第1平面221上に2ヶ所形成されている。
図8において、符号M3は、2つの突出シール部44の先端点P2を通るように延びる直線L4のうち、周状のシール部40の外縁40yとの2つの交点を結ぶ部分(以下、第3線分と称する)を表す。
図8に示す例において、直線L4は開口部29の中心点29cを通る。また、
図8において、符号M4は、第3線分M3に直交するとともに開口部29の中心点29cを通るように延びる直線のうち、周状のシール部40の外縁40yとの2つの交点を結ぶ部分(以下、第4線分と称する)を表す。第3線分M3は第4線分M4よりも短い。例えば、第3線分M3の長さは、第4線分M4の長さの0.85以下であり、より好ましくは0.75以下であり、更に好ましくは0.70以下である。
【0063】
図9において、符号L5が付された直線は、フランジ部22の内縁22xと開口部29の中心点29cとを最短距離で結ぶように延びる直線である。好ましくは、2つの密着抑制機構19はいずれも、
図9に示すように、この直線L5上に位置する。
図9に示す例において、直線L5は、2つの切欠部23の先端点P1を通る。
また、
図9において、符号M7は、直線L5のうち開口部29に重なる部分(以下、第7線分と称する)を表す。また、
図9において、符号M8は、第7線分M7に直交するとともに開口部29の中心点29cを通るように延びる直線のうち開口部29に重なる部分(以下、第8線分と称する)を表す。第7線分M7は第8線分M8よりも短い。例えば、第7線分M7の長さは、第8線分M8の長さの0.85以下であり、より好ましくは0.75以下であり、更に好ましくは0.70以下である。
【0064】
第1実施形態の第2変形例の蓋付容器10は、周状のシール部40を形成するシールヘッドの圧力が面内で不均一となってシール強度がばらついた場合であっても、フランジ部22に形成された2つの切欠部23のいずれか一方から蒸気を通過させることができ、より確実に蒸気を通過させやすくすることができる。
【0065】
[蓋付容器の第3変形例]
第1実施形態の第3変形例について、
図10の蓋付容器10を用いて説明する。なお、煩雑になることを避けるため、
図10では蓋30の下側に位置する構成についても実線で示している。
図10の蓋付容器10は、段差部24が一対の長辺22a上の対向する位置に2ヶ所形成されている点が第1実施形態の第1変形例と異なっている。
【0066】
第1実施形態の第3変形例の蓋付容器10も、周状のシール部40を形成するシールヘッドの圧力が面内で不均一となってシール強度がばらついた場合であっても、フランジ部22に形成された2つの段差部24のいずれか一方から蒸気を通過させることができ、より確実に蒸気を通過させやすくすることができる。
【0067】
以上、本実施形態の蓋付容器は、電子レンジ加熱によってフランジ部が反った場合であっても、シール部の蒸気抜き機構から蒸気を適切に逃がすことが可能となる。
【0068】
第2実施形態
次に、本発明の第2実施形態について説明する。まず、第2実施形態が解決しようとする課題について説明する。
【0069】
上述の特許文献1においては、フランジ部のうちヒートシールラインの突出ラインの内側に位置する部分に、収容部に向かって突出した凸部が形成され、また、フランジ部のうち突出ラインの外側に位置する部分に、収容部に向かって凹んだ凹部が形成されている。言い換えると、ヒートシールラインの突出ラインは、フランジ部の内縁側の凸部と外縁側の凹部との間に形成されている。この場合、熱板を用いて蓋をフランジ部にヒートシールする工程において、熱板のうち突出ラインに対応するパターンを有する部分を、フランジ部の凸部と凹部との間に配置する必要がある。このため、ヒートシール工程において求められる、熱板の位置決め精度が高くなる。この結果、ヒートシール工程に要する時間やコストが増大してしまう。本実施の形態は、このような課題を効果的に解決し得る蓋付容器を提供することを目的とする。
【0070】
以下、第2実施形態の蓋付容器10について、
図11乃至
図20を参照して説明する。第2実施形態においては、第1実施形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明を省略することがある。また、第1実施形態において得られる作用効果が第2実施形態においても得られることが明らかである場合、その説明を省略することもある。
【0071】
(蓋付容器)
まず
図11乃至
図13を参照して、蓋付容器10の概略を説明する。
図11は、蓋付容器10を構成する部材の分解図であり、
図12は、蓋付容器10の平面図である。また
図13は、
図12に示す蓋付容器をXIII−XIII線に沿って見た場合を示す断面図である。
【0072】
蓋付容器10は、内容物を収容するための収容部25が形成された容器20と、容器20の収容部25の開口部29を覆う蓋30と、蓋30を容器20に接合するシール部40と、を備える。また、蓋付容器10は、内容物が加熱されることによって収容部25で発生した蒸気を収容部25の外部に排出する蒸気抜き機構18を更に備える。なお本明細書において、「接合」とは、溶着及び接着の両方を含む概念である。「溶着」とは、容器20又は蓋30の少なくともいずれかを少なくとも部分的に溶融させることによって、蓋30を容器20に取り付けることを意味している。また「接着」とは、接着剤などの、容器20及び蓋30とは別個の構成要素を用いて、蓋30を容器20に取り付けることを意味している。
【0073】
容器20に収容される内容物は、少なくとも水を含む。内容物の例としては、例えば、レトルト食品、冷凍食品や冷蔵食品などを挙げることができる。食品の例としては、カレー、お粥、焼きそば、惣菜、魚などを挙げることができる。これらの内容物においては、加熱に伴って水分が蒸発して容器20の収容部25の圧力が高まるので、収容部25内の蒸気を外部に逃がす蒸気抜き機構18が蓋付容器10に必要になる。
【0074】
以下、容器20、蓋30、シール部40及び蒸気抜き機構18について説明する。
【0075】
〔容器〕
図11乃至
図13に示すように、容器20は、収容部25を画成する胴部21と、胴部21の上部に一周にわたって連接されたフランジ部22と、を含む。胴部21は、第1実施形態の場合と同様に、例えば、底部211と、底部211の外縁に沿って一周にわたって広がるよう底部211から立設された側部213と、を含む。底部211には、
図13に示すように、上方へ隆起した隆起部212が形成されていてもよい。フランジ部22は、胴部21の側部213の上縁に連設され、外側に向かって水平方向に延びている。なお本明細書において、「外側」とは、平面視における容器20の開口部29の中心点29cから遠ざかる側である。また、「内側」とは、容器20の開口部29の中心点29cに近づく側である。
【0076】
本実施の形態において、フランジ部22は、略矩形状(略長方形状)の輪郭を有している。例えば、フランジ部22は、一対の長辺部分22Aと、一対の短辺部分22Bと、長辺部分22Aと短辺部分22Bとの間に位置する隅部分22Cと、を有する。長辺部分22Aが延びる方向と、短辺部分22Bが延びる方向とは、互いに直交している。
図12において、符号L1は、一方の短辺部分22Bの外縁と他方の短辺部分22Bの外縁との間の距離を表しており、符号L2は、一方の長辺部分22Aの外縁と他方の長辺部分22Aの外縁との間の距離を表している。長さL1は長さL2よりも大きい。
【0077】
隅部分22Cは、
図12に示すように、外側に向かって凸となる湾曲した形状を有していてもよい。このような隅部分22Cは、例えば、矩形状の輪郭を有するフランジ部の角部に面取り加工を施すことによって得られる。なお図示はしないが、隅部分22Cは、角張った形状を有していてもよい。また、複数の隅部分22Cのうち一部の隅部分22Cは、その他の隅部分22Cよりも外側に突出したタブ22Dとなっていてもよい。
【0078】
なお
図12においては、一対の長辺部分22Aが互いに平行であり、一対の短辺部分22Bが互いに平行であり、かつ長辺部分22Aと短辺部分22Bとが直交している例が示されているが、これに限られることはない。例えば、一対の長辺部分22Aが互いに非平行であってもよく、一対の短辺部分22Bが互いに非平行であってもよい。また、長辺部分22Aと短辺部分22Bとが成す角が90度からずれていてもよい。
【0079】
図11及び
図12に示すように、フランジ部22の外縁22yの一部には、内側に凹んだ切欠部23が形成されている。切欠部23は、上述の蒸気抜き機構18を構成する要素の1つである。切欠部23の詳細については後述する。
【0080】
図13は、切欠部23を通らないXIII−XIII線で
図12の蓋付容器10を切断した場合の断面図である。
図13に示す例において、フランジ部22は、内縁22xから外縁22yに至るまで平坦に広がる第1平面221を含む。しかしながら、これに限られることはなく、フランジ部22は、傾斜面や非平坦面などを含んでいてもよい。例えば
図14に示すように、フランジ部22は、下方に傾斜して外縁22yに至る傾斜面22eを含んでいてもよい。この場合、傾斜面22eには蓋30が接合されていなくてもよい。
【0081】
図13において、符号Tは、容器20の厚みを表す。容器20の厚みTは、例えば、0.1mm以上且つ1.0mm以下である。容器20の厚みTが小さくなるほど、例えば、容器20の厚みTが100μm以上且つ300μm以下の場合に、容器20の側部213やフランジ部22に変形が生じやすく、厚みTが200μm以下の場合に、変形がより生じやすい。
【0082】
また、容器20がゴム成分やエチレン成分を含む場合も容器20の変形が生じやすい。容器20が、例えば、ゴム成分やエチレン成分を含むブロックポリプロピレンで構成されている場合は、ゴム成分やエチレン成分を含まないホモポリプロピレンに比べて剛性や耐熱性が低下する。
【0083】
容器20を作製する方法としては、射出成形法やシート成形法が採用され得る。射出成形によって容器20を製造する場合、成形性を確保するため、容器20の高さH1を、上述の距離L2以下にすることが好ましい。シート成形法とは、プラスチック製のシートに型を押し付けてシートに所望の形状を形成する方法である。容器20を構成する材料としては、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレートなどのプラスチックを挙げることができる。
【0084】
また、プラスチック製のシートを、シート成形法の一種である深絞り成形法で加工することによって容器20を作製する場合、100μm以上300μm以下の厚みを有するシートを用いることができる。シートを構成する積層体の例としては、例えば、CPP/CNy/CPPやLLDPE/CNy/LLDPEを挙げることができる。ここで、「CPP」は無延伸ポリプロピレンであり、「CNy」は無延伸ナイロンであり、「LLDPE」は直鎖状低密度ポリエチレンである。
【0085】
〔蓋〕
蓋30は、容器20の収容部25の開口部29を覆うようフランジ部22の上面の第1平面221に配置され、シール部40によってフランジ部22の第1平面221に接合されている。蓋30の下面32は、フランジ部22の第1平面221に接合され得るよう構成されている。
図15は、蓋30の層構成の一例を示す断面図である。
図15に示すように、蓋30は、蓋30の下面32を構成するシーラント層35と、シーラント層35に積層された基材34と、を少なくとも含む。
【0086】
基材34を構成する材料としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)などのポリエステル系樹脂、ナイロン(Ny)などのポリアミド系樹脂や、ポリプロピレン(PP)などのポリオレフィン系樹脂を用いることができる。基材34は、一軸又は二軸に延伸されたフィルムから構成されていてもよい。基材34の厚みは、例えば5μm以上且つ50μm以下である。
【0087】
シーラント層35を構成する材料としては、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)などのポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)から選択される1種または2種以上の樹脂を用いることができる。シーラント層35は、単層であってもよく、多層であってもよい。また、シーラント層35は、無延伸であることが好ましい。
【0088】
シーラント層35は、好ましくは、イージーピール性を備える。イージーピール性とは、蓋30を容器20のフランジ部22から剥離させるときに、蓋30がその下面32において、すなわちシーラント層35の界面において、フランジ部22の第1平面221から剥がれやすい、という特性である。イージーピール性は、例えば、シーラント層35を2種類以上の樹脂で構成し、一の樹脂と他の樹脂とを非相溶性とすることにより、発現することができる。イージーピール性を発現させることができる樹脂としては、例えば、ポリエチレン(PE)とポリプロピレン(PP)の混合樹脂が挙げられる。
【0089】
なお、蓋30を容器20のフランジ部22から剥離させる形態が、シーラント層35の界面における剥離(フランジ部22の第1平面221とシーラント層35の表面の間の剥離)に限られることはない。例えば、シーラント層35の凝集破壊によって、蓋30がフランジ部22から剥離してもよく、また、蓋30を構成する一の層及びそれに隣接する他の層との間の層間剥離によって、蓋30がフランジ部22から剥離してもよい。
【0090】
シーラント層35の厚みは、20μm以上且つ100μm以下であることが好ましく、30μm以上且つ80μm以下であることがより好ましい。
【0091】
蓋30は、他の層をさらに含んでいてもよい。他の層としては、水蒸気その他のガスバリア性、遮光性、各種の機械的強度など、必要とされる性能に応じて、適切なものが選択され得る。例えば、ガスバリア層として、アルミニウム箔などの金属層や、アルミニウムなどの金属または酸化アルミニウムなどの金属酸化物または酸化珪素などの無機酸化物の蒸着層、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)、ポリ塩化ビニリデン樹脂(PVDC)や、ナイロンMXD6などの脂肪族ポリアミドなどが設けられ得る。このようなガスバリア層を設けることにより、酸素や水蒸気が蓋付容器10の内部に浸入することを抑制することができる。また、蓋材に機械的強度を付与するために、支持体を設けてもよい。支持体としては、基材34を構成する材料と同じものを用いることができる。ガスバリア層や支持体は、基材34とシーラント層35との間に設けられていてもよいし、基材34のシーラント層35とは反対側の面に設けられていてもよい。
【0092】
基材34とシーラント層35とを積層する方法としては、溶融押出法、ドライラミネート法などを挙げることができる。溶融押出法においては、基材34を含むフィルムの上にシーラント層35を構成する材料を押し出す。ドライラミネート法においては、予め成膜されたフィルムからなるシーラント層35と、基材34を含むフィルムとを、接着剤を用いて貼り合わせる。ドライラミネート法を用いる場合、
図15に示すように、蓋30は、基材34とシーラント層35との間に位置し、接着剤からなる接着層36を更に含む。
【0093】
なお、溶融押出法で蓋30を作製する場合にも、溶融押出法で用いられるアンカーコート剤を含む接着層36が蓋30に存在することがある。
【0094】
接着層36を構成する材料としては、主剤と硬化剤とからなる2液硬化型樹脂のウレタン系やエポキシ系の樹脂を挙げることができる。接着層36の厚みは、例えば1μm以上且つ6μm以下である。
【0095】
(シール部)
シール部40は、フランジ部22の第1平面221と蓋30の下面32とを接合して容器20の収容部25を外部から封止する。
図12に示すように、シール部40は、フランジ部22の第1平面221と蓋30の下面32との間に、平面視において開口部29を囲うように一周にわたって連続的に形成されている。シール部40は、容器20又は蓋30の少なくともいずれかを少なくとも部分的に溶融させることによって形成されたものであってもよい。また、シール部40は、接着剤などの、容器20および蓋30とは別個の構成要素によって形成されたものであってもよい。シール部40を蓋30とフランジ部22との間に形成することにより、容器20の収容部25を外部から封止することができる。
【0096】
図12に示すように、シール部40は、フランジ部22に沿って延びる主要シール部42と、フランジ部22の長辺部分22Aに配置され、主要シール部42から内側に向かって突出した突出シール部44と、を有している。
図12に示す例において、主要シール部42は、フランジ部22の内縁22xに平行に延びている。突出シール部44は、フランジ部22の上述の切欠部23の内側に位置している。符号40xは、シール部40の内縁を表し、符号40yは、シール部40の外縁を表す。
【0097】
図16は、
図12に示す蓋付容器10のシール部40の突出シール部44を拡大して示す図である。なお、
図16及び後述する
図18においては、図が煩雑になることを防ぐため、蓋30の外縁30yの表示を省略している。
【0098】
図16に示すように、シール部40の突出シール部44は、主要シール部42から内側に向かって延びる一対の第1部分45を含む。一対の第1部分45は、突出シール部44のうち最も開口部29側に位置する先端部46において交わっている。言い換えると、突出シール部44は、内側に向かって突出する略三角形の形状を有している。この場合、加熱に伴って容器20の収容部25の圧力が高まると、まず突出シール部44の先端部46が剥がれ、続いて突出シール部44の第1部分45が剥がれて、蓋30とフランジ部22との間に蒸気孔が形成される。
【0099】
図6において、符号θ1は、一対の第1部分45のうちの一方の第1部分45の内縁40xが延びる方向と他方の第1部分45の内縁40xが延びる方向とが成す角度(以下、第1先端角とも称する)を表す。一対の第1部分45の間の第1先端角θ1は、180°よりも小さい。例えば、第1先端角θ1は60°以上且つ150°以下である。第1先端角θ1を60°以上にすることにより、加熱時以外に蓋付容器10に加わる力に起因して突出シール部44の先端部46が剥がれてしまうことを抑制することができる。また、第1先端角θ1を150°以下にすることにより、加熱時にシール部40に加わる圧力を効果的に突出シール部44の先端部46に集中させることができる。
【0100】
なお、内容物を加熱する時に突出シール部44が主要シール部42よりも早くフランジ部22から剥離することができる限りにおいて、突出シール部44の具体的な形状が限られることはない。例えば、図示はしないが、突出シール部44は、上述の第1部分45以外の部分をさらに含んでいてもよい。例えば、突出シール部44は、主要シール部42と第1部分45との間に位置し、第1部分45とは異なる方向に延びる第2部分を含んでいてもよい。
【0101】
〔蒸気抜き機構〕
突出シール部44が剥がれると、蓋30とフランジ部22との間に蒸気孔が形成され、蒸気孔を介して収容部25の蒸気が外部へ抜ける。このように、突出シール部44は、収容部25で発生した蒸気を収容部25の外部に排出するための蒸気抜き機構18を構成する要素の1つである。
【0102】
蒸気抜き機構18は、好ましくは、蒸気抜き機構18の突出シール部44から開口部29の中心点29cまでの距離が、主要シール部42から中心点29cまでの距離よりも短くなるように設けられる。例えば、フランジ部22の輪郭が略矩形状の場合、フランジ部22の突出シール部44は、好ましくは、フランジ部22の長辺部分22Aのうち、長辺部分22Aが延びる方向における中間に位置する。これによって、開口部29の中心点29cと突出シール部44の内縁40xとの間の距離を最短距離とすることができ、このことにより、内容物を加熱する時に生じる圧力に起因して突出シール部44に作用する力をより高めることができる。
【0103】
蒸気抜き機構18を構成するその他の要素である、フランジ部22の上述の切欠部23は、
図12及び
図16に示すように、突出シール部44の外側に位置している。このため、切欠部23が設けられていない場合に比べて、突出シール部44の外縁40yからフランジ部22の外縁22yまでの距離を短くすることができる。これにより、突出シール部44がフランジ部22から剥離された後、蒸気が蓋30とフランジ部22との間の隙間を通ってフランジ部22の外縁22yから外部へ抜け易くなる。
【0104】
(切欠部)
以下、フランジ部22の切欠部23について詳細に説明する。
図17は、切欠部23を通るXVII−XVII線で
図12に示す蓋付容器10を切断した場合を示す断面図である。また、
図18は、フランジ部22の切欠部23を説明するために切欠部23を拡大して示す平面図である。なお、
図17において、符号23が示す箇所に描かれた点線は、フランジ部22の外縁22yの一部を切り欠いて切欠部23を形成する場合の、切り欠かれた領域の一例を示している。
図17に示す断面図において、点線で囲まれた領域には何も存在せず、切欠部23となっている。
【0105】
図17及び
図18に示すように、フランジ部22の切欠部23は、少なくとも部分的に、シール部40の突出シール部44の外縁40yに接している。言い換えると、水平方向において、切欠部23におけるフランジ部22の外縁22yの位置とシール部40の突出シール部44の外縁40yの位置とが、少なくとも部分的に一致している。これにより、後述するように、熱板を用いて蓋30をフランジ部22にヒートシールする工程において、フランジ部22に対する熱板の位置合わせにおいて求められる精度を緩和することができる。このことにより、ヒートシールする工程に要する時間やコストを低減することができる。なお、
図18に示すように、フランジ部22の切欠部23の一部は、長辺部分22Aに沿って延びる主要シール部42の外縁40yにも接している。
【0106】
図17に示す例において、蓋30は、フランジ部22の切欠部23を覆うように構成されている。しかしながら、これに限られることはなく、図示はしないが、フランジ部22の切欠部23に重なる切欠部が蓋30の外縁30yに形成されていてもよい。言い換えると、フランジ部22の切欠部23の位置と、蓋30のフランジ部22の切欠部23に対応する部分の外縁30yの位置とが一致していてもよい。このような蓋付容器10は、例えば、容器20のフランジ部22に蓋30を接合した後に所定の型でフランジ部22及び蓋30を打ち抜いてフランジ部22の外縁22y及び蓋30の外縁30yに切欠部を形成することにより、作製され得る。
【0107】
ところで、加熱時に収容部25に生じる圧力は、突出シール部44を剥離させる力として作用するだけでなく、容器20を変形させる応力としても作用する。フランジ部22に切欠部23が設けられている場合、収容部25の圧力に起因してフランジ部22に生じる応力が、切欠部23に集中し易くなる。この場合、切欠部23を起点として容器20が変形し易くなることが懸念される。
【0108】
これに対して、上述の特許文献1においては、容器20のフランジ部22及び側部213に、内側に突出する凸部が形成されている。凸部は、容器20の変形を抑制するように作用すると考えられる。一方、容器20の側部213に凸部を設けると、凸部の分だけ開口部29の体積が減少してしまう。また、凸部が容器20の使用の妨げになることも考えられる。例えば、容器20に食品が収容されている場合に、凸部が喫食動作の邪魔になることが考えられる。
【0109】
このような課題を考慮し、
図18に示すように、切欠部23の近傍において、容器20の側部213には、特許文献1のような凸部が存在しないことが好ましい。言い換えると、容器20の側部213のうち切欠部23に対応する部分(第1部分214)は、側部213のうち第1部分214を挟んで両側に位置する部分(一対の第2部分215)と同一平面又は同一曲面を形成していることが好ましい(
図11参照)。側部213に凸部が存在しないことにより、収容部25の体積をより大きく確保することができる。また、容器20の使い勝手を向上させることができる。
【0110】
一方、本実施の形態においては、側部213のうち切欠部23に対応する部分に凸部や凹部が存在しないため、特許文献1の場合に比べて容器20が変形し易いと考えられる。このような課題を考慮し、本実施の形態においては、
図18に示す、切欠部23の先端部における第2先端角θ2を比較的大きく設定することを提案する。例えば、第2先端角θ2を、突出シール部44の上述の第1先端角θ1よりも大きくすることを提案する。
【0111】
まず、第2先端角θ2の定義について説明する。
図18において、符号P3及び符号P4は、フランジ部22の切欠部23とシール部40の主要シール部42の外縁40yとが接する第1接点及び第2接点を表す。また、符号P1は、切欠部23のうち最も開口部29(収容部25)側に位置する点(以下、先端点とも称する)を表す。第2先端角θ2は、第1接点P3及び先端点P1を結ぶ直線と第2接点P4及び先端点P1を結ぶ直線とが成す角として定義される。なお、第1接点P3及び第2接点P4は、主要シール部42の外縁40yと突出シール部44の外縁40yとが接続される点でもある。
【0112】
切欠部23の先端部における第2先端角θ2を、突出シール部44の第1先端角θ1よりも大きくすることにより、加熱時に応力が切欠部23に集中することを抑制することができる。これにより、加熱時に切欠部23を起点として容器20が変形してしまうことを抑制することができる。第2先端角θ2は、例えば65°以上且つ160°以下である。好ましくは、第2先端角θ2は、第1先端角θ1よりも少なくとも5°以上大きい。
【0113】
好ましくは、切欠部23は、先端点P1において所定の曲率半径で湾曲している。これにより、加熱時に応力が切欠部23の先端点P1に集中することを抑制することができる。先端点P1における切欠部23の曲率半径は、例えば2mm以上且つ30mm以下である。
【0114】
図18において、符号D1は、フランジ部22の切欠部23の先端点P1とフランジ部22の内縁22xとの間の最短距離(以下、第1最短距離とも称する)を表す。また、符号D2は、主要シール部42と突出シール部44とが接続される位置における、シール部40の主要シール部42の内縁40xとフランジ部22の内縁22xとの間の最短距離(以下、第2最短距離とも称する)を表す。第1最短距離D1は、切欠部23などの密着抑制機構19から開口部29までの、平面視における最短距離に相当する。また、第2最短距離D2は、シール部40のうち主要シール部42と突出シール部44とが接続される接続部(点P3又は点P4に対応する部分)の内縁40xから開口部29までの、平面視における最短距離に相当する。
好ましくは、切欠部23とフランジ部22の内縁22xとの間の第1最短距離D1は、主要シール部42とフランジ部22の内縁22xとの間の第2最短距離D2よりも小さい。これにより、加熱時に突出シール部44の剥離が主要シール部42の内縁40xと突出シール部の内縁40xとの接続点まで進行した時に、収容部25の蒸気を外部に排出することができる。これにより、収容部25の圧力を低減することができるので、シール部40の剥離が更に進行することを抑制することができる。このため、加熱時に主要シール部42が剥がれてしまうことを抑制することができる。第2最短距離D2と第1最短距離D1との差は、好ましくは1mm以上である。
なお、第1最短距離D1及び第2最短距離D2は、第2実施形態以外の実施形態においても定義され得る。また、好ましくは、第1最短距離D1が第2最短距離D2よりも小さいという関係は、第2実施形態以外の実施形態においても成立する。
【0115】
なお、第1最短距離D1が第2最短距離D2よりも小さいということは、切欠部23や後述する段差部24又は切欠部39などの密着抑制機構19の先端部P1が、
図18に示す線401よりも内側(開口部29側)に位置するということと同義である。線401は、主要シール部42の内縁40xを突出シール部44の外側の領域にまで仮想的に延長した線である。主要シール部42の内縁40xが直線ではなく曲線である場合、仮想的に延長した線401も、内縁40xと同一の曲率を有する曲線になる。
【0116】
(蓋付容器の製造方法)
次に、蓋付容器10の製造方法の一例について説明する。
【0117】
はじめに、ポリプロピレンなどの熱可塑性樹脂を用いた射出成形法によって、一体的に形成された胴部21及びフランジ部22を有する容器20を作製する。続いて、フランジ部22の外縁22yの一部を切り欠いて、フランジ部22に切欠部23を形成する。このようにして、
図19に示すように、フランジ部22の一部に切欠部23が形成された容器20を得ることができる。なお、射出成形で用いる型が、切欠部23に対応した形状を有していてもよい。この場合、フランジ部22の外縁22yの一部を切り欠く工程は不要である。
【0118】
続いて、容器20の収容部25に内容物を充填する。また、蓋30を準備する。その後、容器20のフランジ部22の上面に蓋30を載置する。次に、蓋30のうちシール部40が形成されるべき部分を、熱板を用いて上面31側から加熱して、蓋30のシーラント層35を溶融させ、蓋30をフランジ部22にヒートシールする。
図20は、蓋30をフランジ部22にヒートシールする工程の一例を示す平面図である。
図20においては、熱板のうち蓋30の上面に接して蓋30を加熱する加熱部51を、ハッチングを付した領域として示している。
【0119】
図12と
図20の比較から分かるように、加熱部51の内縁51xは、シール部40の突出シール部44の内縁40xと同一の輪郭を有する。また、加熱部51の外縁51yのうち主要シール部42に対応する部分も、主要シール部42の外縁40yと同一の輪郭を有する。一方、加熱部51の外縁51yのうち突出シール部44に対応する部分は、容器20の切欠部23と重なるよう延びている。すなわち、加熱部51の外縁51yのうち突出シール部44に対応する部分は、突出シール部44の外縁40yと同一の輪郭を有さない。例えば、加熱部51の外縁51yのうち突出シール部44に対応する部分は、加熱部51の外縁51yのうち主要シール部42に対応する部分と同一の直線上に延びている。
【0120】
このため、ヒートシール工程においてフランジ部22の外縁22yに対する熱板の加熱部51の位置が所定の位置からずれた場合であっても、適切な突出シール部44を得ることができる可能性が高くなる。このことにより、ヒートシールする工程に要する時間やコストを低減することができる。
【0121】
また、加熱部51の外縁51yの一部が、容器20の切欠部23と重なるよう延びているので、突出シール部44を、その外縁40yが切欠部23に接するように形成することができる。言い換えると、突出シール部44の外縁40yの位置と、切欠部23の位置とが一致している。これにより、突出シール部44が剥がれた後、蒸気が蓋30とフランジ部22との間の隙間を通って、切欠部23におけるフランジ部22の外縁22yから外部へ抜け易くなる。すなわち、蓋付容器10の蒸通性を高めることができる。
【0122】
また、本実施の形態においては、切欠部23の近傍において、容器20の側部213には凸部や凹部が存在しない。これにより、収容部25の体積をより大きく確保したり、容器20の使い勝手を向上させたりすることができる。また、本実施の形態においては、切欠部23の先端部における第2先端角θ2が突出シール部44の第1先端角θ1よりも大きいので、加熱時に応力が切欠部23に集中することを抑制することができる。このため、容器20の側部213のうち切欠部23に対応する部分には凸部や凹部が存在しない場合であっても、加熱時に容器20が変形することを抑制することができる。
【0123】
なお、上述した実施の形態に対して様々な変更を加えることが可能である。以下、必要に応じて図面を参照しながら、変形例について説明する。以下の説明および以下の説明で用いる図面では、上述した実施の形態と同様に構成され得る部分について、上述の実施の形態における対応する部分に対して用いた符号と同一の符号を用いることとし、重複する説明を省略する。また、上述した実施の形態において得られる作用効果が変形例においても得られることが明らかである場合、その説明を省略することもある。
【0124】
(フランジ部の凹部の変形例)
上述の実施の形態においては、フランジ部22の切欠部23が平面視において略三角形の形状を有する例を示した。しかしながら、これに限られることはなく、
図21に示すように、切欠部23は、平面視において台形の形状を有していてもよい。この場合、切欠部23の輪郭は、フランジ部22の内縁22xに平行に延びる直線部23aを含み得る。直線部23aは、フランジ部22の内縁22xとの間の距離が最短になる点の集合である。この場合、上述の先端点P1は、
図21に示すように、直線部23aの中点として定義される。
【0125】
図21に示す例においても、好ましくは、第1接点P3及び先端点P1を結ぶ直線と第2接点P4及び先端点P1を結ぶ直線とが成す第2先端角θ2が、突出シール部44の第1先端角θ1よりも大きい。これにより、加熱時に応力が切欠部23に集中することを抑制することができる。
【0126】
(容器の変形例)
上述の実施の形態においては、フランジ部22の一対の長辺部分22Aのそれぞれに切欠部23が形成されている例を示した。しかしながら、これに限られることはなく、
図22に示すように、フランジ部22の一対の長辺部分22Aの一方にのみ切欠部23が形成されていてもよい。
【0127】
(容器の変形例)
また、上述の実施の形態においては、容器20のフランジ部22が、略矩形状(略長方形状)の輪郭を有する例を示したが、これに限られることはなく、
図23に示すように、フランジ部22が円形状の輪郭を有していてもよい。本変形例においても、フランジ部22の外縁22yのうちシール部40の突出シール部44の外側に位置する部分に、突出シール部44の外縁40yに接する切欠部23を形成する。これにより、フランジ部22に対する熱板の位置合わせにおいて求められる精度を緩和することができる。また、蓋付容器10の蒸通性を高めることができる。
【0128】
また、上述の実施の形態においては、フランジ部22に形成される密着抑制機構19が、フランジ部22の外縁22yに形成された切欠部23を含む例を示した。しかしながら、これに限られることは無く、第2実施形態においても、第1実施形態の第1変形例又は第3変形例の場合と同様に、
図24に示すように、密着抑制機構19が段差部24を含んでいてもよい。段差部24は、フランジ部22の第1平面221の外縁に連設され、下方に延びるフランジ壁部241と、フランジ壁部241の下部に連設され、水平方向に延びる第2平面242と、を含む。
【0129】
図24に示すように、フランジ部22の段差部24は、少なくとも部分的に、シール部40の突出シール部44の外縁40yに接している。言い換えると、水平方向において、第1平面221に段差部24が接続される位置とシール部40の突出シール部44の外縁40yの位置とが、少なくとも部分的に一致している。これにより、密着抑制機構19が切欠部23を含む場合と同様に、熱板を用いて蓋30をフランジ部22にヒートシールする工程において、フランジ部22に対する熱板の位置合わせにおいて求められる精度を緩和することができる。このことにより、ヒートシールする工程に要する時間やコストを低減することができる。
【0130】
(突出シール部の変形例)
上述の実施の形態においては、突出シール部44が、主要シール部42から内側に向かって延びる一対の第1部分45を含み、一対の第1部分45が、突出シール部44のうち最も開口部29側に位置する先端部46において交わる例を示した。しかしながら、これに限られることはなく、
図25に示すように、突出シール部44は、内側に向かって凸となるよう湾曲した形状を有していてもよい。また、
図26に示すように、突出シール部44は、一対の第1部分45の開口部29側の端部に接続され、フランジ部22の内縁22xに平行に延びる先端部46を有していてもよい。この場合、先端部46の先端点P2は、内縁22xに平行に延びる先端部46の内縁の中点として定義される。
【0131】
(容器の側部の変形例)
上述の第1実施の形態及び第2実施形態においては、容器20の側部213が連続した平面又は曲面である例を示した。しかしながら、これに限られることはなく、容器20の側部213にリブ部216が形成されていてもよい。以下、容器20が側部213に形成されたリブ部216を有する例について、
図27乃至
図31を参照して説明する。
【0132】
図27は、本変形例に係る蓋付容器10を構成する部材の分解図であり、
図28は、本変形例に係る蓋付容器10の平面図である。また
図29は、
図28に示す蓋付容器をXXIX−XXIX線に沿って見た場合を示す断面図である。
【0133】
図27及び
図28に示すように、側部213には、底部211からフランジ部22に向かって延びるリブ部216が複数形成されていてもよい。側部213にリブ部216を形成することにより、側部213の強度を高めることができる。
【0134】
一部のリブ部216は、側部213の第1部分214に形成されていてもよい。また、その他の一部のリブ部216は、側部213の第2部分215に形成されていてもよい。例えば、複数のリブ部216が、第1部分214及び第2部分215が並ぶ方向に沿って一定の間隔で側部213に形成されていてもよい。例えば、リブ部216が、側部213の第1部分214及び第2部分215のそれぞれに形成されていてもよい。また、第1部分214に形成されたリブ部216及び第2部分215に形成されたリブ部216はそれぞれ、同一の形状を有してもよく、例えば、同一の突出高さを有していてもよい。
【0135】
図27及び
図29に示すように、側部213とフランジ部22との間に、リブ部216が形成されていない第2側部217が介在されていてもよい。第2側部217は、
図29に示すように、鉛直方向に広がっていてもよい。以下の説明においては、リブ部216が形成されていない第2側部217よりも底部211側に位置する側部のことを、第1側部213とも称する。
【0136】
図30は、
図29に示す蓋付容器10の容器20をXXX−XXX線に沿って見た場合を示す横断面図である。
図30に示すように、リブ部216は、例えば外側に凸となるよう構成されている。外側に凸となるリブ部216の突出高さは、例えば5mm以下である。
【0137】
図31は、フランジ部22の切欠部23及びその周辺のシール部40を拡大して示す平面図である。以下の説明において、フランジ部22のうち切欠部23などの密着抑制機構19に対応する部分を、第1フランジ部分V1と称する。また、フランジ部22のうち第1フランジ部分V1の両側に位置する部分を、第2フランジ部分V2と称する。第1フランジ部分V1は、上述の側部213の第1部分214と同様に、切欠部23の一端E1を通るとともにフランジ部22の外縁22yが延びる方向に直交する直線laと、切欠部23の他端E2を通るとともにフランジ部22の外縁22yが延びる方向に直交する直線lbに挟まれた部分である。
【0138】
好ましくは、フランジ部22の第1フランジ部分V1の内縁22xは、変曲点を含むことなく連続的に延びている。例えば
図31に示すように、第1フランジ部分V1の内縁22xは直線的に延びている。これにより、第1フランジ部分V1の内縁22xが、変曲点を含む複雑な形状を有する場合に比べて、容器20の使い勝手を向上させることができる。例えば、特許文献1のようにフランジ部の内縁が凸部を有する場合に比べて、収容部25の開口部の面積を確保することができる。
【0139】
また、好ましくは、第1フランジ部分V1の内縁22xは、第1フランジ部分V1に隣接する第2フランジ部分V2の内縁22xと連続する直線または曲線を構成している。例えば
図31に示すように、第1フランジ部分V1の内縁22xは、第2フランジ部分V2の内縁22xと同一直線上に位置する。このことにより、第1フランジ部分V1においてシール部40の剥離を安定に生じさせて蒸気を外部に排出することができる。
【0140】
(容器のリブ部の変形例)
図27乃至
図31の例においては、リブ部216が形成された第1側部213とフランジ部22との間に、リブ部216が形成されていない第2側部217が介在されている例を示した。しかしながら、これに限られることはなく、
図32に示すように、胴部21の側部213に形成されたリブ部216がフランジ部22の内縁22xにまで達していてもよい。
【0141】
一部のリブ部216は、第1フランジ部分V1の内縁22xに達するように側部213の第1部分214に形成されていてもよい。また、その他の一部のリブ部216は、第1フランジ部分V1に隣接する第2フランジ部分V2の内縁22xに達するように側部213の第2部分215に形成されていてもよい。例えば、フランジ部22の内縁22xにまで達する複数のリブ部216が、第1フランジ部分V1及び第2フランジ部分V2が並ぶ方向に沿って一定の間隔で側部213の第1部分214及び第2部分215に形成されていてもよい。例えば、リブ部216が、側部213の第1部分214及び第2部分215のそれぞれに形成されていてもよい。また、第1フランジ部分V1の内縁22x及び第2フランジ部分V2の内縁22xに達する複数のリブ部216はそれぞれ、同一の形状を有してもよく、例えば、同一の突出高さを有していてもよい。
【0142】
本変形例においても、
図27乃至
図31の例の場合と同様に、リブ部216は、外側に凸となるよう構成されている。すなわち、リブ部216は、平坦な側部213から外側に向かって突出するよう構成されている。このため、リブ部216がフランジ部22の内縁22xに達している場合であっても、リブ部216に起因して収容部25の開口部の面積が減少することを抑制することができる。これにより、フランジ部22の内縁22xから内側に凸となるようなリブ部が形成されている場合に比べて、容器20の使い勝手を向上させることができる。
【0143】
なお、
図27乃至
図32においては、突出シール部44の外縁40yがフランジ部22の切欠部23などの密着抑制機構19に接するタイプの蓋付容器10(すなわち、第2実施形態に係る蓋付容器10)にリブ部216を形成する例が示されているが、これに限られることはなく、第1実施形態に係る蓋付容器10にリブ部216を形成してもよい。
【0144】
(密着抑制機構の位置の変形例)
上述の第1実施の形態及び第2実施形態においては、フランジ部22の長辺部分22Aの中央部に切欠部23などの密着抑制機構19が形成されている例を示した。しかしながら、これに限られることはなく、
図33に示すように、フランジ部22の長辺部分22Aの、中央部以外の部分、例えば長辺部分22Aの隅部分22C寄りの位置に切欠部23などの密着抑制機構19を形成してもよい。例えば、長辺部分22Aが延びる方向における、容器20の収容部25の中心点25cと切欠部23の中心との間の距離L3が、10mm以上且つ200mm以下になっていてもよい。距離L3は、一対の短辺22bの間の距離L1に対する比(=L3/L1)が例えば0.025以上且つ0.5以下になるように設定されてもよい。
【0145】
なお、上述した実施の形態に対するいくつかの変形例を説明してきたが、当然に、複数の変形例を適宜組み合わせて適用することも可能である。また、上述した各実施形態やその変形例と、他の実施形態やその変形例とを適宜組み合わせてもよい。