(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、本発明の好適な実施形態について図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また、以下で説明される構成の全てが本発明の必須構成要件であるとは限らない。
【0033】
1. 第1実施形態
1.1. 発光装置
まず、第1実施形態に係る発光装置について図面を参照しながら説明する。
図1は、第1実施形態に係る発光装置100を模式的に示す断面図である。
図2は、第1実施形態に係る発光装置100を模式的に示す平面図である。なお、
図1は、
図2のI−I線断面図である。
【0034】
発光装置100は、
図1に示すように、第1基体10、積層体20、第1電極30(第1部材)、および第2電極40を有する発光素子1と、第2基体50と、を含む。
【0035】
発光装置100では、第1基体10、積層体20、第1電極30、および第2電極40が発光素子1を構成し、発光素子1が第2基体50(実装基板)にジャンクションダウン実装されている。
【0036】
第1基体10は、例えば、板状の形状を有している。第1基体10は、例えば、サファイア基板である。第1基体10は、発光層24で発生した光Lに対して透明である。そのため、発光層24で発生した光Lは、第1基体10を透過して外部に出射される。すなわち、発光装置100は、第1基体10側から光Lを出射する。なお、第1基体10は、サファイア基板に限定されず、その他のセラミックス基板やガラス基板などを用いることができる。
【0037】
積層体20は、第1基体10に設けられている。積層体20は、第1基体10の主面11に設けられている。積層体20は、第1基体10と第2基体50との間に位置している。積層体20は、第1基体10の主面11に積層された複数の層で構成されている。積層
体20は、発光部2を含む。発光部2は、第1半導体層22と、発光層24と、第2半導体層26と、を有している。
【0038】
上述したように、発光装置100では、発光素子1は第2基体50にジャンクションダウン実装されている。すなわち、発光装置100では、積層体20が第1基体10の反対側において第2基体50に接続されている。積層体20は、第2電極40および接合部材72を介して、第2基体50(第2配線62)に接続されている。
【0039】
なお、本発明に係る記載では、「接続」という文言を、例えば、「特定のもの(以下、「A」という)が他の特定のもの(以下、「B」という)に接続されている」などと用いる場合に、AがBに、直接、接続されているような(AとBが接しているような)場合と、Aが他のものを介してBに接続されているような場合と、が含まれるものとして、「接続」という文言を用いている。また、本発明に係る記載では、「設ける」という文言を、例えば、「特定のもの(以下、「C」という)が他の特定のもの(以下、「D」という)に設けられている」などと用いる場合に、CがDに、直接、設けられているような(CとDが接しているような)場合と、Cが他のものを介してDに設けられているような場合と、が含まれるものとして、「設ける」という文言を用いている。
【0040】
第1半導体層22は、第1基体10に設けられている。第1半導体層22は、第1基体10と発光層24との間に設けられている。第1半導体層22は、例えば、第1導電型(例えばn型)のGaN層(具体的にはSiがドープされたGaN層)である。図示はしないが、第1半導体層22と第1基体10との間にバッファー層が設けられていてもよい。バッファー層は、例えば、アンドープのGaN層である。
【0041】
発光層24は、第1半導体層22と第2半導体層26との間に設けられている。発光層24は、電流が注入されることで光を発することが可能な層である。発光層24は、例えば、GaN層とInGaN層とから構成された量子井戸構造を有している。発光層24を構成するGaN層およびInGaN層の数は、特に限定されない。
【0042】
第2半導体層26は、発光層24と第2電極40との間に設けられている。第2半導体層26は、第1半導体層22と導電型の異なる層である。第2半導体層26は、例えば、第2導電型(例えばp型)のGaN層(具体的にはMgがドープされたGaN層)である。
【0043】
発光素子1では、p型の第2半導体層26、不純物がドーピングされていない発光層24、およびn型の第1半導体層22により、pinダイオードが形成される。第1半導体層22および第2半導体層26の各々は、発光層24よりもバンドギャップが大きい層である。発光素子1では、第1電極30と第2電極40との間に、pinダイオードの順バイアス電圧を印加すると(電流を注入すると)、発光層24において電子と正孔との再結合が起こる。この再結合により発光が生じる。発光層24において生じた光Lは、第1基体10を透過して積層体20の積層方向(以下単に「積層方向」ともいう)に出射される。このように、発光素子1は、発光ダイオード(light emitting diode、LED)である。
【0044】
第1電極30は、第1基体10と第2基体50との間に設けられている。第1電極30は、一端が第1基体10に接続され、他端が第2基体50に接続されている。具体的には、第1電極30と第1基体10とは、第1基体10に設けられた第1半導体層22を除去して、第1基体10に、直接、第1電極30を形成することで接続されている。第1電極30の一端は、さらに、第1半導体層22に接続されている。また、第1電極30と第2基体50とは、接合部材70を介して接合されている。図示の例では、第1電極30と第
2基体50とは、第1電極30を第2基体50に設けられた第1配線60に接合部材70で接合することにより、接続されている。
【0045】
第1電極30は、第1半導体層22に電気的に接続されている。また、第1電極30は、第1配線60に電気的に接続されている。第1電極30は、発光層24に電流を注入するための一方の電極である。第1電極30としては、例えば、Au層、Ag層などの金属層や、第1基体10および第1半導体層22側からCr層、Ni層、Au層の順で積層したもの等を用いる。
【0046】
第1電極30は、
図2に示すように、平面視において(積層方向から見て)、積層体20の周囲を囲っている。第1電極30は、平面視において積層体20の外縁に沿って設けられている。平面視において、第1電極30の一部は、第1半導体層22の外縁部に重なっている。図示の例では、第1電極30は、角筒状である。
【0047】
発光装置100では、積層体20の周囲を囲む第1電極30、第1電極30の一端に接続されている第1基体10、第1電極30の他端に接続されている第2基体50によって、積層体20を気密に収容する空間が形成されている。すなわち、積層体20は、第1電極30、第1基体10、および第2基体50によって気密に封止されている。積層体20が収容される空間は、例えば、不活性ガス雰囲気である。
【0048】
第2電極40は、積層体20の第1基体10側とは反対側に設けられている。第2電極40は、積層体20と第2配線62(第2基体50)との間に設けられている。第2電極40は、第2半導体層26に電気的に接続されている。また、第2電極40は、第2配線62に電気的に接続されている。そのため、第2半導体層26は、第2電極40、第2配線62を介して貫通電極64に電気的に接続されている。第2電極40は、発光層24に電流を注入するための他方の電極である。第2電極40としては、例えば、Au層、Ag層などの金属層や、第2半導体層26側からPd層、Pt層、Au層の順で積層したもの等を用いる。第1電極30の材質と第2電極40の材質とは、同じであってもよいし、異なっていてもよい。
【0049】
なお、図示はしないが、第2電極40と第2半導体層26との間にコンタクト層が設けられていてもよい。コンタクト層は、第2電極40とオーミックコンタクトしていてもよい。コンタクト層は、例えば、p型のGaN層である。
【0050】
第1電極30の高さH30は、積層体20の高さH20に第2電極40の高さH40を足した高さ(H20+H40)と等しい。なお、高さとは、積層方向の大きさをいう。すなわち、第1基体10の主面11と第1電極30の第2基体50側の面との間の距離と、第1基体10の主面11と第2電極40の第2基体50側の面との間の距離とは、等しい。これにより、発光素子1を第2基体50に実装する際に、第1電極30と第2基体50(第1配線60)、第2電極40と第2基体50(第2配線62)を、確実に接続することができる。
【0051】
なお、図示はしないが、第1電極30の高さH30が、積層体20の高さH20に第2電極40の高さH40を足した高さ(H20+H40)と異なっていてもよい。
【0052】
第2基体50は、例えば、板状の形状を有している。第2基体50は、発光素子1を実装するための実装基板である。第2基体50の主面51(発光素子1が実装される面)には、第1電極30に電気的に接続される第1配線60、第2電極40に電気的に接続される第2配線62が設けられている。また、第2基体50には、第2基体50を貫通する貫通電極64が設けられている。貫通電極64は、第2配線62を介して第2電極40に電
気的に接続されている。
【0053】
第2基体50としては、例えば、SiC基板などの半導体基板、AlN基板などのセラミックス基板などを用いる。SiCなどの半導体材料、AlNなどのセラミックス材料は、熱伝導率が高く、かつ、電気絶縁性が高い。そのため、第2基体50として、これらの基板を用いることにより、発光部2の放熱性を高めることができるとともに、第1配線60、第2配線62、および貫通電極64の絶縁が容易である。なお、第2基体50として、CuW基板、CuMo基板などの金属基板を用いてもよい。この場合、第1配線60、第2配線62、貫通電極64を形成する際に、第2基体50と、配線60,62および貫通電極64と、の間に絶縁層などを設ける必要がある。
【0054】
第2基体50の熱膨張係数は、第1基体10の熱膨張係数に近いことが好ましい。これにより、発光素子1を第2基体50に実装する際の熱や駆動時の発熱によって発生する、第1基体10の反りを低減でき、発光部2に加わる応力を低減できる。また、第2基体50の熱伝導率は、例えば積層体20の熱伝導率よりも高いことが好ましく、第1基体10の熱伝導率よりも高いことがさらに好ましい。また、第2基体50の熱容量は、第1基体10の熱容量よりも大きいことが好ましい。これにより、発光部2(積層体20)の放熱性を高めることができる。
【0055】
第1基体10、積層体20、第2基体50の熱伝導率の測定方法は、特に限定されない。第1基体10、積層体20、第2基体50の熱伝導率は、例えば定常法により得られたものであってもよいし、フラッシュ法などの非定常法により得られる比熱容量、熱拡散率から求めたものであってもよい。また、測定対象物がセラミックス基板などの場合には、JISR1611に準拠して熱伝導率を測定してもよい。
【0056】
第1配線60は、第2基体50の主面51に設けられている。第1配線60は、平面視において第1電極30と重なる領域に設けられている。第1配線60は、第1電極30と外部の電源装置(図示せず)とを電気的に接続するための配線である。
【0057】
第2配線62は、第2基体50の主面51に設けられている。第2配線62は、平面視において第2電極40と重なる領域に設けられている。第2配線62は、貫通電極64に電気的に接続されている。
【0058】
貫通電極64は、第2基体50を貫通している。貫通電極64は、平面視において第2配線62と重なる領域に設けられている。図示の例では、貫通電極64は、複数設けられている。なお、貫通電極64の数は特に限定されない。第2配線62および貫通電極64は、第2電極40と外部の電源装置とを電気的に接続するための配線である。貫通電極64によって、気密に封止された積層体20(発光部2)に電源を供給することができる。
【0059】
接合部材70は、第1電極30と第1配線60とを、電気的および機械的に接続している。また、接合部材70は、第1電極30と第1配線60とを、積層体20が収容される空間の気密が確保されるように接続している。接合部材72は、第2電極40と第2配線62とを、電気的および機械的に接続している。接合部材70および接合部材72は、例えば、AuSnなどのAu系のハンダである。
【0060】
発光装置100は、例えば、以下の特徴を有する。
【0061】
発光装置100では、発光部2を含む積層体20は、第1基体10と反対側において、第2基体50に接続されている。すなわち、発光装置100では、発光素子1は第2基体50にジャンクションダウン実装されている。これにより、発光部2の放熱性を高めるこ
とができる。また、第1電極30が第2基体50に接続されていることにより、発光素子1の放熱性を高めることができる。
【0062】
さらに、発光装置100では、第1電極30は、一端が第1基体10に接続され他端が第2基体50に接続されている。そのため、発光装置100では、製造工程において発光素子1を第2基体50に実装する際に加えられる力が、積層体20と第1電極30とに分散される。したがって、発光装置100では、実装時に、積層体20(発光部2)に加わる圧力を低減できる。この結果、発光部2(積層体20)に応力や歪みが生じる可能性を低減でき、安定した発光特性を有する信頼性の高い発光装置を実現できる。
【0063】
発光装置100では、第1半導体層22に電気的に接続され、導電性を有する第1電極30が、実装時に発光部2に加わる圧力を低減させるための部材(第1部材)として機能する。そのため、発光装置100では、部品点数を増やすことなく、実装時に発光部2に加わる圧力を低減できる。
【0064】
発光装置100では、第1電極30は、積層体20の周囲を囲って設けられている。そのため、発光装置100では、実装時に加えられる力が積層体20に集中することを防ぐことができ、実装時に発光部2に加わる圧力を低減できる。例えば、第1電極30が積層体20の周囲を囲っていない場合、実装時に加えられる力が、第1電極30よりも積層体20に集中してしまう可能性がある。これに対して、発光装置100では、第1電極30が積層体20の周囲を囲っているため、実装時に加えられる力が積層体20に集中してしまうことを防ぐことができる。
【0065】
発光装置100では、第1電極30、第1基体10、および第2基体50によって積層体20が気密に封止されている。そのため、発光装置100では、装置の小型化、製造工程の簡略化を図ることができ、コストを低減できる。
【0066】
例えば、発光素子1を樹脂などで封止する場合、十分な気密性を確保できない。また、発光素子1を、ガラスリッドを用いたセラミックパッケージや、CANパッケージなどに収容した場合、気密性は確保できるが、装置が大型化してしまう、コストがかかってしまう等の問題がある。これに対して、発光装置100では、第1電極30を積層体20の周囲を囲むように設けることで積層体20を気密に封止できるため、装置の小型化、製造工程の簡略化を図ることができる。
【0067】
発光装置100では、第2基体50には、貫通電極64が設けられている。また、第2半導体層26は、貫通電極64に電気的に接続されている。そのため、発光装置100では、第1電極30、第1基体10、および第2基体50によって気密に封止された第2半導体層26と、外部の電源装置(図示せず)と、を電気的に接続することができる。
【0068】
発光装置100では、第1電極30は、接合部材70を介して第2基体50に接続されている。そのため、発光装置100では、第1電極30と第2基体50とを、より確実に接続することができる。
【0069】
1.2. 発光装置の製造方法
次に、第1実施形態に係る発光装置100の製造方法について、図面を参照しながら説明する。
図3は、第1実施形態に係る発光装置100の製造方法の一例を示すフローチャートである。
図4〜
図8は、第1実施形態に係る発光装置100の製造工程を模式的に示す図である。なお、
図5は、
図6のV−V線断面図であり、
図7は、
図8のVII−VII線断面図である。
【0070】
(1)積層体の形成(S10)
第1基体10の主面11に、発光部2を含む積層体20を形成する。
【0071】
本工程では、まず、
図4に示すように、第1基体10の主面11に、第1半導体層22、発光層24、第2半導体層26、をこの順でエピタキシャル成長させる。エピタキシャル成長させる方法としては、例えば、MOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition)法、MBE(Molecular Beam Epitaxy)法などが挙げられる。
【0072】
なお、第1基体10の主面11に、バッファー層(図示せず)を形成した後に、バッファー層上に、第1半導体層22、発光層24、第2半導体層26、をこの順でエピタキシャル成長させてもよい。
【0073】
図5および
図6に示すように、第2半導体層26、発光層24、および第1半導体層22をパターニングする。パターニングは、例えば、フォトリソグラフィーおよびエッチングによって行われる。このとき、第1基体10の主面11には、平面視において積層体20の周囲を囲むように、第1基体10が露出した領域12が形成される。また、第1半導体層22には、平面視において発光層24および第2半導体層26を囲むように、第1半導体層22が露出した領域23が形成される。以上の工程により、積層体20を形成することができる。
【0074】
(2)第1電極および第2電極の形成(S12)
図7および
図8に示すように、第1基体10上(領域12)および第1半導体層22上(領域23)に第1電極30を形成し、積層体20上(第2半導体層26上)に第2電極40を形成する。
【0075】
第1電極30および第2電極40は、例えば、真空蒸着法、リフトオフ法などにより形成される。第1電極30は、平面視において積層体20の周囲を囲むように形成される。
【0076】
本工程において、第1電極30の高さH30が、積層体20の高さH20に第2電極40の高さH40を足した高さ(H20+H40)と等しくなるように第1電極30および第2電極40が形成される。これにより、後述する実装工程(S14)において、第1電極30と第2基体50(第1配線60)、第2電極40と第2基体50(第2配線62)を確実に接続することができる。以上の工程により、発光素子1を形成することができる。なお、第1電極30および第2電極40の形成順序は特に限定されない。
【0077】
(3)実装(S14)
図1および
図2に示すように、第1基体10に形成された積層体20(第2電極40)および第1電極30を第2基体50に接続して、発光素子1を第2基体50に実装する。
【0078】
本工程では、積層体20の第1基体10と反対側が第2基体50に接続されるように実装される(ジャンクションダウン実装)。
【0079】
具体的には、第1電極30と第1配線60とを接合部材70で接続し、第2電極40と第2配線62とを接合部材72で接続する。なお、第2基体50には、あらかじめ第1配線60、第2配線62、および貫通電極64を形成しておく。
【0080】
接合部材70および接合部材72は、ハンダであり、第1電極30と第1配線60、第2電極40と第2配線62とは、それぞれハンダ接合される。例えば、第1配線60上および第2配線62上にそれぞれスパッタ法等により接合部材70および接合部材72を形
成した後、第1電極30が接合部材70に接し、第2電極40が接合部材72に接するように発光素子1を第2基体50上に配置した状態で、加熱する。これにより、第1電極30と第1配線60とが接続(接合)され、第2電極40と第2配線62とが接続(接合)される。この接合を不活性ガス雰囲気中で行うことにより、積層体20を収容する空間を不活性ガス雰囲気にすることができる。
【0081】
発光素子1を第2基体50に実装する際には、第1基体10に形成された積層体20が第2基体50に押しつけられるため、積層体20に圧力が加わる。本実施形態では、第1基体10には、積層体20に加えて第1電極30が形成されているため、実装時に加えられる力が積層体20と第1電極30とに分散され、積層体20(発光部2)に加わる圧力を低減できる。
【0082】
本工程により、発光素子1が第2基体50に実装されるとともに、積層体20が第1電極30、第1基体10、および第2基体50によって気密に封止される。
【0083】
以上の工程により、発光装置100を製造することができる。
【0084】
本実施形態に係る発光装置100の製造方法は、例えば以下の特徴を有する。
【0085】
本実施形態に係る発光装置100の製造方法は、第1基体10に、発光部2を含む積層体20を形成する工程と、第1基体10に第1電極30を形成する工程と、第1基体10に形成された積層体20および第1電極30を、第2基体50に接続する工程(実装工程)と、を含む。そのため、上述したように、実装工程において、積層体20(発光部2)に加わる圧力を低減できる。よって、発光部2(積層体20)に応力や歪みが生じる可能性を低減でき、安定した発光特性を有する信頼性の高い発光装置を製造することができる。
【0086】
本実施形態に係る発光装置100の製造方法では、第1電極30が、積層体20の周囲を囲むように形成される。そのため、実装工程において、積層体20を、第1電極30、第1基体10、および第2基体50によって気密に封止することができる。そのため、セラミックパッケージやCANパッケージなどを用いて発光素子1を気密に封止する場合と比べて、製造工程の簡略化を図ることができる。
【0087】
1.3. 発光装置の変形例
1.3.1. 発光装置
次に、第1実施形態の変形例に係る発光装置について、図面を参照しながら説明する。
図9は、第1実施形態の変形例に係る発光装置110を模式的に示す断面図である。なお、第1実施形態の変形例に係る発光装置110の平面形状は、
図2に示す発光装置100の平面形状と同様であり、図示を省略する。
【0088】
以下、第1実施形態の変形例に発光装置110において、上述した第1実施形態に係る発光装置100の構成部材と同様の機能を有する部材については同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0089】
発光装置110では、
図9に示すように、積層体20は複数の柱状部4を有し、発光部2は複数の柱状部4で構成されている点で、上述した発光装置100と異なる。発光装置110では、発光素子1は、例えば、ナノ構造体を適用した半導体レーザーである。
【0090】
積層体20は、バッファー層21を有している。バッファー層21は、第1基体10の主面11に設けられている。バッファー層21は、第1半導体層22と第1基体10との
間に設けられている。バッファー層21は、例えば、アンドープのGaN層である。
【0091】
柱状部4は、バッファー層21に設けられている。柱状部4は、複数設けられている。柱状部4の断面形状(積層方向と直交する方向における断面形状)は、例えば、円、多角形(例えば六角形)などである。柱状部4の径(多角形の場合は内接円の径)は、例えば、nmオーダーであり、具体的には10nm以上500nm以下である。柱状部4は、例えば、ナノコラム、ナノワイヤー、ナノロッド、ナノピラーとも呼ばれる。柱状部4の積層方向の大きさは、例えば、0.1μm以上5μm以下である。複数の柱状部4は、互いに離間している。隣り合う柱状部4の間隔は、例えば、1nm以上500nm以下である。
【0092】
柱状部4は、第1半導体層22と、発光層24と、第2半導体層26と、を有している。
【0093】
複数の柱状部4は、平面視において、所定の方向に所定のピッチで配列されている。
【0094】
発光素子1では、発光層24において発生した光は、半導体層22,26により積層方向と直交する方向に伝搬し、柱状部4において、積層方向と直交する方向に定在波を形成し、発光層24において利得を受けてレーザー発振する。そして、+1次回折光および−1次回折光(光L)が積層方向に進行し、第1基体10を透過して出射される。
【0095】
隣り合う柱状部4の間には、隣り合う柱状部4のそれぞれに接続されている(隣り合う柱状部4を接続する)接続部材28が設けられている。接続部材28は、隣り合う柱状部4の間で連続している。接続部材28は、隣り合う柱状部4の間に埋め込まれている埋め込み層である。図示の例では、隣り合う柱状部4の間の空間の全部が接続部材28で埋め込まれている。なお、本実施形態において、接続部材28が隣り合う柱状部4を接続する、あるいは、接続部材28が隣り合う柱状部4のそれぞれに接続されている、とは、隣り合う柱状部4の間に接続部材28が埋め込まれている状態を含む表現である。
【0096】
隣り合う柱状部4の間に接続部材28を設けることにより、柱状部4の強度を向上できる。そのため、発光素子1を第2基体50に実装する際に、柱状部4に加わる圧力によって柱状部4に応力や歪みが生じて、柱状部4に欠陥や転位が生じて発光特性が不安定になったり、柱状部4が破壊されてしまったりする可能性を低減できる。また、実装後でも、環境温度が変化した場合に熱膨張係数の差により柱状部4に生じる応力、すなわち、例えば環境温度変化により生じる、第2基体50、第1電極30、第2電極40、あるいは接合部材70,72から柱状部4に伝わる応力により、柱状部4に欠陥や転位が生じて発光特性が不安定になったり、柱状部4が破壊されてしまったりする可能性を低減できる。したがって、安定した発光特性を有する信頼性の高い発光装置を実現できる。
【0097】
なお、図示はしないが、接続部材28に空隙が含まれていてもよい。また、図示の例では、隣り合う柱状部4の間の空間の全部に接続部材28が設けられているが、隣り合う柱状部4の間の空間の一部に接続部材28が設けられていてもよい。すなわち、隣り合う柱状部4の空間の一部が接続部材28で埋め込まれていればよい。このような場合にも、接続部材28が設けられない場合(隣り合う柱状部4の間が空隙である場合)と比べて、柱状部4の強度を向上できる。
【0098】
接続部材28は、発光層24で発生した光に対して透明であり、発光層24で発生した光を伝搬することができる。接続部材28の屈折率は、例えば、空気(空隙)の屈折率よりも発光層24の屈折率に近い。すなわち、発光層24の屈折率と接続部材28の屈折率との差は、接続部材28の屈折率と空気の屈折率との差よりも小さい。接続部材28の屈
折率は、例えば、半導体層22,26および発光層24の屈折率よりも低い。
【0099】
接続部材28は、例えば、絶縁性の材料で構成されている。接続部材28の材質は、例えば、GaN、InGaN、TiO
2、SiO
2、SiON、などである。また、接続部材28として、ポリイミドを用いてもよい。なお、図示はしないが、接続部材28を複数の層で構成してもよい。例えば、接続部材28の柱状部4に接する部分を絶縁層とし、柱状部4に接しない部分(絶縁層で柱状部4と絶縁された領域)を導電層、またはp型のGaN等からなる半導体層としてもよい。
【0100】
なお、上記では、発光素子1がナノ構造体を用いた半導体レーザーである場合について説明したが、発光素子1は、ナノ構造体を用いたスーパールミネッセントダイオードや、ナノ構造体を用いたLEDであってもよい。
【0101】
発光装置110では、上述した発光装置100と同様の作用効果を得ることができる。
【0102】
さらに、発光装置110では、積層体20は複数の柱状部4を有し、発光部2は複数の柱状部4で構成されている。そのため、発光装置110では、発光層24、および半導体層22,26に発生する転位や欠陥を低減することができ、高い品質の結晶を得ることができる。したがって、発光装置110では、優れた発光特性を有することができる。
【0103】
1.3.2. 発光装置の製造方法
次に、第1実施形態の変形例に係る発光装置110の製造方法について説明する。
図10〜
図12は、第1実施形態の変形例に係る発光装置110の製造工程を模式的に示す断面図である。
【0104】
発光装置110の製造方法は、
図3に示す発光装置100の製造方法と同様に、積層体20を形成する工程(S10)と、第1電極30および第2電極40を形成する工程(S12)と、実装工程(S14)と、を含む。
【0105】
(1)積層体の形成(S10)
まず、第1基体10の主面11に、発光部2を含む積層体20を形成する。
【0106】
具体的には、
図10に示すように、まず、第1基体10の主面11に、バッファー層21をエピタキシャル成長させる。次に、バッファー層21上にマスク層(図示せず)を形成する。マスク層は、例えば、酸化シリコン層、酸化窒化シリコン層、酸化アルミニウム層、酸化ハフニウム層、チタン層、酸化チタン層、酸化ジルコニウム層、窒化シリコン層や、これらの積層膜などである。マスク層は、例えば、スパッタや蒸着などによる成膜、ならびにフォトリソグラフィーおよびエッチングによるパターニングによって形成される。
【0107】
次に、マスク層をマスクとして、MOCVD法やMBE法などにより、バッファー層21上に、第1半導体層22、発光層24、および第2半導体層26を、この順でエピタキシャル成長させる。これにより、複数の柱状部4を形成することができる。
【0108】
次に、隣り合う柱状部4の間に、接続部材28を形成する。接続部材28は、隣り合う柱状部4の間に埋め込まれる。接続部材28がSOG(Spin on Glass)やポリイミド等である場合、接続部材28はスピンコート法などによって形成され、接続部材28がTiO
2などの酸化物である場合、接続部材28はALD(Atomic Layer Deposition)法などによって形成される。また、接続部材28がGaNやInGaNなどの半導体層等である場合、接続部材28はMOCVD法などによって
形成される。
【0109】
次に、
図11に示すように、柱状部4、バッファー層21、および接続部材28をパターニングする。このとき、第1基体10の主面11には、第1基体10が露出した領域12が形成される。また、第1半導体層22には、第1半導体層22が露出した領域23が形成される。以上の工程により、積層体20を形成することができる。
【0110】
(2)第1電極および第2電極の形成(S12)
次に、
図12に示すように、第1基体10上(領域12)および第1半導体層22上(領域23)に第1電極30を形成し、積層体20上(第2半導体層26上)に第2電極40を形成する。本工程は、上述した発光装置100の製造方法における第1電極30および第2電極40を形成する工程(S12)と同様に行われる。以上の工程により、発光素子1を形成することができる。
【0111】
(3)実装(S14)
次に、
図9に示すように、発光素子1を第2基体50に実装する。本工程は、上述した発光装置100の製造方法における実装工程(S14)と同様に行われる。
【0112】
以上の工程により、発光装置110を製造することができる。
【0113】
本実施形態に係る発光装置110の製造方法は、上述した発光装置100の製造方法と同様の作用効果を奏することができる。
【0114】
2. 第2実施形態
2.1. 発光装置
次に、第2実施形態に係る発光装置について、図面を参照しながら説明する。
図13は、第2実施形態に係る発光装置200を模式的に示す断面図である。なお、第2実施形態に係る発光装置200の平面形状は、
図2に示す発光装置100の平面形状と同様であり、図示を省略する。
【0115】
以下、第2実施形態に係る発光装置200において、上述した第1実施形態に係る発光装置100の構成部材と同様の機能を有する部材については同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0116】
上述した発光装置100では、
図1に示す接合部材70および接合部材72は、ハンダであった。これに対して、発光装置200では、
図13に示すように、接合部材70および接合部材72は、導電性ペーストである。
【0117】
接合部材70および接合部材72として用いられる導電性ペーストは、例えば、銀ペーストである。銀ペーストは、ナノサイズの銀粒子が含まれているペーストである。なお、接合部材70および接合部材72として、銀粒子以外の金属粒子が含まれたペーストを用いてもよい。
【0118】
上述した発光装置100では、
図1に示すように、第1電極30の高さH30は、積層体20の高さH20に第2電極40の高さH40を足した高さ(H20+H40)と等しかったが、発光装置200では、第1電極30の高さH30は特に限定されない。図示の例では、第1電極30の高さH30は、積層体20の高さH20に第2電極40の高さH40を足した高さ(H20+H40)よりも小さい。
【0119】
発光装置200では、上述した発光装置100と同様の作用効果を奏することができる
。
【0120】
2.2. 発光装置の製造方法
次に、本実施形態に係る発光装置200の製造方法について説明する。
図14〜
図16は、第2実施形態に係る発光装置200の製造工程を模式的に示す断面図である。
【0121】
発光装置200の製造方法は、
図3に示す発光装置100の製造方法と同様に、積層体20を形成する工程(S10)と、第1電極30および第2電極40を形成する工程(S12)と、実装工程(S14)と、を含む。
【0122】
(1)積層体の形成(S10)
まず、第1基体10の主面11に、発光部2を含む積層体20を形成する。本工程は、上述した発光装置100の製造方法における積層体20を形成する工程(S10)と同様に行われる。
【0123】
(2)第1電極および第2電極の形成(S12)
次に、
図14に示すように、第1基体10上(領域12)および第1半導体層22上(領域23)に第1電極30を形成し、積層体20上(第2半導体層26上)に第2電極40を形成する。
【0124】
本工程では、第1電極30の高さH30が、積層体20の高さH20に第2電極40の高さH40を足した高さ(H20+H40)よりも小さく形成される点を除いて、上述した発光装置100の製造方法における第1電極30および第2電極40を形成する工程(S12)と同様に行われる。以上の工程により、発光素子1を形成することができる。
【0125】
(3)実装(S14)
次に、第1基体10に形成された積層体20(第2電極40)および第1電極30を第2基体50に接続して、発光素子1を第2基体50に実装する。
【0126】
本工程では、積層体20の第1基体10と反対側が第2基体50に接続されるように実装される(ジャンクションダウン)。
【0127】
具体的には、まず、
図15に示すように、第1電極30上および第2電極40上に導電性ペーストをスクリーン印刷した後、焼成して、バンプ70aおよびバンプ72aを形成する。次に、バンプ70aおよびバンプ72aを研削やバイトにより削り出して、表面を平坦化し、バンプ70aの高さと、積層体20の高さに第2電極40およびバンプ72aの高さを足した高さと、を等しくする。これにより、第1電極30と第2基体50(第1配線60)、第2電極40と第2基体50(第2配線62)を確実に接続(接合)することができる。
【0128】
次に、
図16に示すように、第2基体50の主面51に、第1配線60、第2配線62、および貫通電極64を形成する。次に、第1配線60上および第2配線62上に、導電性ペースト70bおよび導電性ペースト72bをスクリーン印刷または塗布する。
【0129】
次に、
図13に示すように、バンプ70aが導電性ペースト70bを介して第1配線60上に位置し、バンプ72aが導電性ペースト72bを介して第2配線62上に位置するように発光素子1を第2基体50上に配置した状態で、導電性ペースト70b,72bを焼成する。これにより、第1電極30と第1配線60とが接合部材70で接続(接合)され、第2電極40と第2配線62とが接合部材72で接続(接合)される。このとき、バンプ70aと導電性ペースト70bとが接合部材70を形成し、バンプ72aと導電性ペ
ースト72bとが接合部材72を形成する。この接合を不活性ガス雰囲気中で行うことにより、積層体20を収容する空間を不活性ガス雰囲気にすることができる。
【0130】
本工程において、発光素子1を第2基体50に実装する際に加えられる力は、積層体20と第1電極30とに分散されるため、実装時に積層体20(発光部2)に加わる圧力を低減できる。
【0131】
本工程により、発光素子1が第2基体50に実装されるとともに、積層体20が第1電極30、第1基体10、および第2基体50によって気密に封止される。
【0132】
以上の工程により、発光装置200を製造することができる。
【0133】
本実施形態に係る発光装置200の製造方法は、上述した発光装置100の製造方法と同様の作用効果を奏することができる。
【0134】
2.3. 発光装置の変形例
2.3.1. 発光装置
次に、第2実施形態の変形例に係る発光装置について、図面を参照しながら説明する。
図17は、第2実施形態の変形例に係る発光装置210を模式的に示す断面図である。なお、第2実施形態の変形例に係る発光装置210の平面形状は、
図2に示す発光装置100の平面形状と同様であり、図示を省略する。
【0135】
以下、第2実施形態の変形例に発光装置210において、上述した発光装置110,200の構成部材と同様の機能を有する部材については同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0136】
発光装置210では、
図17に示すように、積層体20は複数の柱状部4を有し、発光部2は、複数の柱状部4で構成されている点で、上述した発光装置200と異なる。発光装置210では、発光素子1は、例えば、ナノ構造体を適用した半導体レーザーである。
【0137】
発光装置210において、積層体20の構成は、上述した発光装置110の積層体20(
図9参照)の構成と同様である。
【0138】
発光装置210では、上述した発光装置200と同様の作用効果を奏することができる。さらに、発光装置210では、上述した発光装置110と同様に、優れた発光特性を有することができる。
【0139】
2.3.2. 発光装置の製造方法
次に、本変形例に係る発光装置210の製造方法について説明する。発光装置210の製造方法は、
図3に示す発光装置100の製造方法と同様に、積層体20を形成する工程(S10)と、第1電極30および第2電極40を形成する工程(S12)と、実装工程(S14)と、を含む。
【0140】
なお、積層体20を形成する工程(S10)は、上述した発光装置110の製造方法における積層体20を形成する工程(S10)と同様に行われる。また、第1電極30および第2電極40を形成する工程(S12)および実装工程(S14)は、上述した発光装置200の製造方法における第1電極30および第2電極40を形成する工程(S12)および実装工程(S14)と同様に行われる。
【0141】
本変形例に係る発光装置210の製造方法は、上述した発光装置200の製造方法と同
様の作用効果を奏することができる。
【0142】
3. 第3実施形態
3.1. 発光装置
次に、第3実施形態に係る発光装置について、図面を参照しながら説明する。
図18は、第3実施形態に係る発光装置300を模式的に示す断面図である。
図19は、第3実施形態に係る発光装置300を模式的に示す平面図である。なお、
図18は、
図19のXVIII−XVIII線断面図である。
【0143】
以下、第3実施形態に係る発光装置300において、上述した第1実施形態に係る発光装置100,200の構成部材と同様の機能を有する部材については同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0144】
発光装置300は、
図18および
図19に示すように、第1基体10と第2基体50との間に設けられ、第1電極30および積層体20の周囲を囲っている封止部材80(第2部材)を含んで構成されている点で、上述した発光装置100と異なる。
【0145】
封止部材80は、一端が第1基体10に接続され、他端が第2基体50に接続されている。封止部材80と第1基体10とは、第1基体10に、直接、封止部材80が接合されることで接続されている。封止部材80と第2基体50とは、第2基体50に設けられた第1配線60に封止部材80が接合されることで接続されている。封止部材80は、例えば、低融点ガラスである。
【0146】
封止部材80は、
図19に示すように、平面視において、第1電極30および積層体20の周囲を囲っている。発光装置300では、第1電極30の周囲を囲っている封止部材80、封止部材80の一端に接続されている第1基体10、および封止部材80の他端に接続されている第2基体50によって、第1電極30および積層体20を気密に収容する空間が形成されている。すなわち、第1電極30および積層体20は、封止部材80、第1基体10、第2基体50によって気密に封止されている。
【0147】
発光装置300では、積層体20は、第1電極30によって周囲を囲まれており、第1電極30は、封止部材80によって周囲を囲まれている。すなわち、積層体20は、第1電極30および封止部材80によって二重に囲まれており、二重に封止されている。そのため、発光装置300では、積層体20が収容される空間の気密性をより高めることができる。
【0148】
発光装置300では、上述した発光装置100と同様の作用効果を奏することができる。
【0149】
さらに、発光装置300では、封止部材80が第1基体10と第2基体50との間に設けられ、封止部材80の一端が第1基体10に接続され、封止部材80の他端が第2基体50に接続されている。そのため、発光装置300では、発光素子1を第2基体50に実装する際に加えられる力が、積層体20と、第1電極30と、封止部材80と、に分散される。したがって、発光装置300では、実装時に、積層体20(発光部2)に加わる圧力をより低減できる。この結果、発光部2(積層体20)に応力や歪みが生じる可能性を低減でき、安定した発光特性を有する信頼性の高い発光装置を実現できる。
【0150】
また、発光装置300では、封止部材80が、第1電極30および積層体20の周囲を囲って設けられている。そのため、発光装置300では、実装時に加えられる力が積層体20に集中することを防ぐことができ、実装時に発光部2に加わる圧力を低減できる。
【0151】
また、発光装置300では、封止部材80、第1基体10、および第2基体50によって第1電極30および積層体20が気密に封止されている。すなわち、発光装置300では、積層体20が二重に封止されている。そのため、発光装置300では、積層体20が収容される空間の気密性をより高めることができる。
【0152】
発光装置300では、第1電極30および積層体20を封止するための封止部材80が、実装時に発光部2に加わる圧力を低減させるための部材(第2部材)として機能する。そのため、発光装置300では、部品点数を増やすことなく、実装時に発光部2に加わる圧力を低減できる。
【0153】
3.2. 発光装置の製造方法
次に、第3実施形態に係る発光装置300の製造方法について、図面を参照しながら説明する。
図20は、第3実施形態に係る発光装置300の製造方法の一例を示すフローチャートである。
図21は、第3実施形態に係る発光装置300の製造工程を模式的に示す断面図である。
【0154】
(1)積層体の形成(S20)
まず、第1基体10の主面11に、発光部2を含む積層体20を形成する。本工程は、上述した発光装置100の製造方法における積層体20を形成する工程(S10)と同様に行われる。
【0155】
(2)第1電極および第2電極の形成(S22)
次に、第1基体10上(領域12)および第1半導体層22上(領域23)に第1電極30を形成し、積層体20上(第2半導体層26上)に第2電極40を形成する。本工程は、上述した発光装置100の製造方法における第1電極30および第2電極40を形成する工程(S12)と同様に行われる。以上の工程により、発光素子1を形成することができる(
図7参照)。
【0156】
(3)封止部材の形成(S24)
次に、
図21に示すように、第2基体50の主面51に封止部材80を形成する。具体的には、第2基体50の主面51にガラスフリットを塗布し、当該ガラスフリットを焼成することで、封止部材80を形成する。このように、事前にガラスフリットを焼成することにより、ガラスフリット内の溶媒を飛ばして、封止部材80で封止される空間への溶媒の残留を防ぐことができる。なお、第2基体50には、あらかじめ第1配線60、第2配線62、および貫通電極64を形成しておく。
【0157】
(4)実装(S26)
次に、
図18および
図19に示すように、発光素子1を第2基体50に実装する。
【0158】
具体的には、まず、第1電極30と第1配線60とを接合部材70で接続(ハンダ接合)し、第2電極40と第2配線62とを接合部材72で接続(ハンダ接合)する。
【0159】
次に、封止部材80にレーザーを照射し、封止部材80の一端を第1基体10に融着させ、封止部材80の他端を第2基体50に融着させる。これにより、封止部材80の一端が第1基体10に接続(接合)され、封止部材80の他端が第2基体50に接続(接合)される。この工程を不活性ガス雰囲気中で行うことにより、第1電極30および積層体20を収容する空間を不活性ガス雰囲気にすることができる。
【0160】
本工程において、発光素子1を第2基体50に実装する際には、第1基体10に形成さ
れた積層体20が第2基体50に押しつけられるため、積層体20に圧力が加わる。このとき、第1基体10には、積層体20に加えて第1電極30が形成され、第2基体50には封止部材80が形成されている。そのため、実装時に加えられる力が、積層体20と、第1電極30と、封止部材80と、に分散され、積層体20(発光部2)に加わる圧力を低減できる。
【0161】
本工程により、発光素子1が第2基体50に実装されるとともに、第1電極30および積層体20が封止部材80、第1基体10、および第2基体50によって気密に封止される。
【0162】
なお、第1電極30と第1配線60との接続(接合)、第2電極40と第2配線62との接続(接合)、および封止部材80と基体10,50との接続(融着)を、同時に行ってもよい。すなわち、接合部材70,72(例えばAuSnハンダ)と、封止部材80(低融点ガラス)と、を同時に加熱して、それぞれの接続(接合や融着)を同時に行ってもよい。
【0163】
以上の工程により、発光装置300を製造することができる。
【0164】
本実施形態に係る発光装置300の製造方法は、上述した発光装置100の製造方法と同様の作用効果を奏することができる。
【0165】
さらに、本実施形態に係る発光装置300の製造方法では、実装工程において、第1電極30および封止部材80によって積層体20(発光部2)に加わる圧力を低減できる。したがって、発光部2(積層体20)に応力や歪みが生じる可能性を低減でき、安定した発光特性を有する信頼性の高い発光装置を製造することができる。
【0166】
また、本実施形態に係る発光装置300の製造方法では、封止部材80が、第1電極30の周囲を囲むように形成される。そのため、発光素子1を第2基体50にジャンクションダウン実装することにより、積層体20を、封止部材80および第1電極30によって二重に封止することができる。これにより、積層体20が収容される空間の気密性をより高めることができる。
【0167】
3.3. 発光装置の変形例
次に、第3実施形態の変形例に係る発光装置について、図面を参照しながら説明する。
図22は、第3実施形態の変形例に係る発光装置310を模式的に示す断面図である。なお、第3実施形態の変形例に係る発光装置310の平面形状は、
図19に示す発光装置300の平面形状と同様であり、図示を省略する。
【0168】
以下、第3実施形態の変形例に発光装置310において、上述した発光装置110,300の構成部材と同様の機能を有する部材については同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0169】
発光装置310では、
図22に示すように、積層体20は複数の柱状部4を有し、発光部2は、複数の柱状部4で構成されている点で、上述した発光装置300と異なる。発光装置310では、発光素子1は、例えば、ナノ構造体を適用した半導体レーザーである。
【0170】
なお、発光装置310の構成は、発光素子1を上述した発光装置110の発光素子1(
図9参照)とした点を除いて、発光装置300と同じであり、その説明を省略する。
【0171】
発光装置310は、上述した発光装置300と同様の作用効果を奏することができる。
さらに、発光装置310では、上述した発光装置110と同様に、優れた発光特性を有することができる。
【0172】
4. 第4実施形態
4.1. 発光装置
次に、第4実施形態に係る発光装置について、図面を参照しながら説明する。
図23は、第4実施形態に係る発光装置400を模式的に示す断面図である。なお、第4実施形態に係る発光装置400の平面形状は、
図19に示す発光装置300の平面形状と同様であり、図示を省略する。
【0173】
以下、第4実施形態に係る発光装置400において、上述した発光装置100,200,300の構成部材と同様の機能を有する部材については同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0174】
発光装置400は、
図23に示すように、第1基体10と第2基体50との間に設けられ、第1電極30および積層体20の周囲を囲っている封止部材80(第2部材)を含んで構成されている点で、上述した発光装置200と異なる。
【0175】
なお、発光装置400の構成は、発光素子1の構成が上述した発光装置200の発光素子1(
図13参照)の構成と同様である点を除いて、発光装置300(
図18参照)の構成と同様であり、その説明を省略する。
【0176】
発光装置400は、上述した発光装置300と同様の作用効果を奏することができる。
【0177】
4.2. 発光装置の製造方法
次に、第4実施形態に係る発光装置400の製造方法について説明する。第4実施形態に係る発光装置400の製造方法は、上述した第2実施形態に係る発光装置200の製造方法および第3実施形態に係る発光装置300の製造方法を組み合わせることで製造することができる。
【0178】
発光装置400の製造方法は、上述した発光装置200,300の製造方法と同様の作用効果を奏することができる。
【0179】
4.3. 発光装置の変形例
次に、第4実施形態の変形例に係る発光装置について、図面を参照しながら説明する。
図24は、第4実施形態の変形例に係る発光装置410を模式的に示す断面図である。なお、第4実施形態の変形例に係る発光装置410の平面形状は、
図19に示す発光装置300の平面形状と同様であり、図示を省略する。
【0180】
以下、第4実施形態の変形例に発光装置410において、上述した発光装置210,400の構成部材と同様の機能を有する部材については同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0181】
発光装置410では、
図24に示すように、積層体20は複数の柱状部4を有し、発光部2は、複数の柱状部4で構成されている点で、上述した発光装置400と異なる。発光装置410では、発光素子1は、例えば、ナノ構造体を適用した半導体レーザーである。
【0182】
なお、発光装置410の構成は、発光素子1を上述した発光装置210の発光素子1(
図17参照)とした点を除いて、発光装置400と同じであり、その説明を省略する。
【0183】
発光装置410は、上述した発光装置400と同様の作用効果を奏することができる。
【0184】
さらに、発光装置410では、上述した発光装置210と同様に、優れた発光特性を有することができる。
【0185】
5. 第5実施形態
5.1. 発光装置
次に、第5実施形態に係る発光装置について図面を参照しながら説明する。
図25は、第5実施形態に係る発光装置500を模式的に示す断面図である。
図26は、第5実施形態に係る発光装置500を模式的に示す平面図である。なお、
図25は、
図26のXXV−XXV線断面図である。
【0186】
以下、第5実施形態に係る発光装置500において、上述した発光装置100,200,300,400の構成部材と同様の機能を有する部材については同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0187】
発光装置500では、
図25および
図26に示すように、第1電極30には、第1電極30の内側の積層体20が収容される空間と、第1電極30と封止部材80との間の空間と、を連通するスリット部32が設けられている点で、発光装置400と異なる。すなわち、発光装置500では、積層体20は、第1電極30によって封止されておらず、封止部材80のみで気密に封止されている。
【0188】
第1電極30にスリット部32が形成されているため、第1電極30は積層体20の周囲を囲っていない。第1電極30は、角筒の側壁の一部を切り欠いた形状を有している。第1電極30にスリット部32を設けることにより、製造工程において接合部材70,72(導電性ペースト)から発生するガスによる積層体20(発光部2)の汚染を低減できる。
【0189】
また、第1電極30にスリット部32が形成されている場合でも、発光素子1を第2基体50に実装する際に加えられる力は第1電極30によって分散される。そのため、本実施形態においても、実装時に積層体20(発光部2)に加わる圧力を低減できる。
【0190】
第5実施形態に係る発光装置500では、上述した発光装置400と同様の作用効果を奏することができる。
【0191】
さらに、第5実施形態に係る発光装置500では、製造工程において接合部材70,72から発生するガスによる積層体20(発光部2)の汚染を低減できる。
【0192】
5.2. 発光装置の製造方法
次に、第5実施形態に係る発光装置500の製造方法について説明する。第5実施形態に係る発光装置500の製造方法は、第1電極30にスリット部32を設ける点、スリット部32を通してガスの排気を行う点が、上述した第4実施形態に係る発光装置400の製造方法と異なる。以下、この相違点について説明する。
【0193】
第5実施形態に係る発光装置500の製造方法では、第1電極30および第2電極40を形成する工程において、第1電極30にスリット部32が形成される。
【0194】
また、実装工程において、第1電極30の内側の空間を、スリット部32を通して排気し、不活性ガスに置換する。具体的には、まず、第1電極30と第1配線60とを接合部材70(導電性ペースト)で接合し、第2電極40と第2配線62とを接合部材72(導
電性ペースト)で接合する。このとき、導電性ペーストの焼成により接合部材70,72からガスが発生する。次に、スリット部32を通して、第1電極30の内側の空間からガスを排気し、不活性ガスに置換する。次に、封止部材80にレーザーを照射して、封止部材80の一端を第1基体10に融着させ、封止部材80の他端を第2基体50に融着させる。これにより、積層体20および第1電極30を気密に封止することができる。
【0195】
導電性ペーストを焼成する際には、導電性ペーストから溶媒が気化してガスが発生する。このガスにより積層体20(発光部2)が汚染される場合がある。例えば、第1電極30にスリット部32を設けない場合、導電性ペーストの焼成により積層体20が収容される空間が気密に封止されるが、この空間には導電性ペーストから発生したガスが残留してしまう。これに対して、第1電極30にスリット部32を設けることにより、導電性ペーストから発生したガスを除去することができる。この結果、積層体20のガスによる汚染を低減できる。
【0196】
第5実施形態に係る発光装置500の製造方法は、第4実施形態に係る発光装置400の製造方法と同様の作用効果を奏することができる。
【0197】
さらに、第5実施形態に係る発光装置500の製造方法では、上述したように、実装工程においてスリット部32を通して接合部材70,72(導電性ペースト)から発生したガスを除去できる。そのため、実装時に接合部材70,72から発生するガスによる積層体20(発光部2)の汚染を低減できる。
【0198】
5.3. 発光装置の変形例
次に、第5実施形態の変形例に係る発光装置について、図面を参照しながら説明する。
図27は、第5実施形態の変形例に係る発光装置510を模式的に示す断面図である。なお、第5実施形態の変形例に係る発光装置510の平面形状は、
図26に示す発光装置500の平面形状と同様であり、図示を省略する。
【0199】
以下、第5実施形態の変形例に発光装置510において、上述した発光装置210,500の構成部材と同様の機能を有する部材については同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0200】
発光装置510では、
図27に示すように、積層体20は複数の柱状部4を有し、発光部2は、複数の柱状部4で構成されている点で、上述した発光装置500と異なる。発光装置510では、発光素子1は、例えば、ナノ構造体を適用した半導体レーザーである。
【0201】
なお、発光装置510の構成は、発光素子1を上述した発光装置210の発光素子1(
図17参照)とした点を除いて、発光装置500と同じであり、その説明を省略する。
【0202】
発光装置510は、上述した発光装置500と同様の作用効果を奏することができる。さらに、発光装置510では、上述した発光装置210と同様に、優れた発光特性を有することができる。
【0203】
6. 第6実施形態
次に、第6実施形態に係るプロジェクターについて、図面を参照しながら説明する。
図28は、第6実施形態に係るプロジェクター900を模式的に示す図である。
【0204】
本発明に係るプロジェクターは、本発明に係る発光装置を含む。以下では、本発明に係る発光装置として発光装置100を含むプロジェクター900について説明する。
【0205】
プロジェクター900は、筐体(図示せず)と、筐体内に備えられている赤色光、緑色光、青色光を出射する赤色光源100R、緑色光源100G、青色光源100Bと、を含む。赤色光源100R、緑色光源100G、および青色光源100Bの各々は、例えば、複数の発光装置100を積層方向と直交する方向にアレイ状に配置させ、複数の発光装置100において第2基体50を共通基板としたものである。光源100R,100G,100Bの各々を構成する発光装置100の数は、特に限定されない。なお、便宜上、
図28では、プロジェクター900を構成する筐体を省略し、さらに光源100R,100G,100Bを簡略化している。
【0206】
プロジェクター900は、さらに、筐体内に備えられているレンズアレイ902R,902G,902B、透過型の液晶ライトバルブ(光変調装置)904R,904G,904B、および投射レンズ(投射装置)908を含む。
【0207】
光源100R,100G,100Bから出射された光は、各レンズアレイ902R,902G,902Bに入射する。光源100R,100G,100Bから出射された光は、レンズアレイ902R,902G,902Bによって、集光され、例えば重畳(一部重畳)されることができる。これにより、均一性よく液晶ライトバルブ904R,904G,904Bを照射することができる。
【0208】
各レンズアレイ902R,902G,902Bによって集光された光は、各液晶ライトバルブ904R,904G,904Bに入射する。各液晶ライトバルブ904R,904G,904Bは、入射した光をそれぞれ画像情報に応じて変調する。そして、投射レンズ908は、液晶ライトバルブ904R,904G,904Bによって形成された像(画像)を拡大してスクリーン(表示面)910に投射する。
【0209】
また、プロジェクター900は、液晶ライトバルブ904R,904G,904Bから出射された光を合成して投射レンズ908に導くクロスダイクロイックプリズム(色光合成手段)906を、含むことができる。
【0210】
各液晶ライトバルブ904R,904G,904Bによって変調された3つの色光は、クロスダイクロイックプリズム906に入射する。このプリズムは、4つの直角プリズムを貼り合わせて形成され、その内面に赤色光を反射する誘電体多層膜と青色光を反射する誘電体多層膜とが十字状に配置されている。これらの誘電体多層膜によって3つの色光が合成され、カラー画像を表す光が形成される。そして、合成された光は、投射光学系である投射レンズ908によりスクリーン910上に投射され、拡大された画像が表示される。
【0211】
なお、光源100R,100G,100Bは、光源100R,100G,100Bを構成する発光装置100を映像の画素として画像情報に応じて制御する(変調する)ことで、液晶ライトバルブ904R,904G,904Bを用いずに、直接的に映像を形成してもよい。そして、投射レンズ908は、光源100R,100G,100Bによって形成された映像を、拡大してスクリーン910に投射してもよい。
【0212】
また、上記の例では、光変調装置として透過型の液晶ライトバルブを用いたが、液晶以外のライトバルブを用いてもよいし、反射型のライトバルブを用いてもよい。このようなライトバルブとしては、例えば、反射型の液晶ライトバルブや、デジタルマイクロミラーデバイス(Digital Micromirror Device)が挙げられる。また、投射光学系の構成は、使用されるライトバルブの種類によって適宜変更される。
【0213】
また、光源100R,100G,100Bを、光源100R,100G,100Bから
の光をスクリーン上で走査させることにより、表示面に所望の大きさの画像を表示させる画像形成装置である走査手段を有するような走査型の画像表示装置(プロジェクター)の光源装置にも適用することが可能である。
【0214】
7. その他
なお、本発明は上述した実施形態に限定されず、本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能である。
【0215】
例えば、上述した第1実施形態では、
図1に示すように、第2電極40を第2基体50(第2配線62)に接合することで発光素子1をジャンクションダウン実装していたが、積層体20に、発光部2で発生した熱を第2基体50に伝達するための部材(金属層等)を設けて、当該部材を第2基体50に接合することで発光素子1をジャンクションダウン実装してもよい。この場合、第2電極40は第2基体50に接合されなくてもよい。この変形例は、上述した第2〜第5実施形態にも適用できる。
【0216】
また、例えば、上述した第1実施形態では、
図1に示すように、第1電極30は第2基体50に接合部材70で接続(接合)されて、積層体20を気密に封止するとともに、実装時に積層体20に加わる圧力を低減していたが、第1電極30とは別部材であって、一端が第1基体10に接続され、他端が第2基体50に接続された部材(第1部材)を設けて、実装時に積層体20に加わる圧力を低減させてもよい。このとき、当該部材は、実装時に積層体20に加わる圧力を低減させることができれば、必ずしも第2基体50に接合(接着)されなくてもよく、第2基体50に接していればよい。また、当該部材は、絶縁性の部材であってもよい。この変形例は、上述した第2〜第5実施形態にも適用できる。
【0217】
本発明に係る発光装置の用途は、上述した実施形態に限定されず、プロジェクター以外にも、屋内外の照明、ディスプレイのバックライト、レーザープリンター、スキャナー、車載用ライト、光を用いるセンシング機器、通信機器等の光源としても用いることが可能である。
【0218】
また、上述した実施形態及び変形例は一例であって、これらに限定されるわけではない。例えば各実施形態及び各変形例は、適宜組み合わせることが可能である。
【0219】
本発明は、実施の形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法および結果が同一の構成、あるいは目的及び効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。