特許第6972699号(P6972699)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6972699
(24)【登録日】2021年11月8日
(45)【発行日】2021年11月24日
(54)【発明の名称】伸縮性布帛
(51)【国際特許分類】
   D04B 1/18 20060101AFI20211111BHJP
   D03D 15/47 20210101ALI20211111BHJP
   D03D 15/56 20210101ALI20211111BHJP
   D01F 6/94 20060101ALI20211111BHJP
   D04B 21/18 20060101ALI20211111BHJP
   A41B 11/00 20060101ALI20211111BHJP
   A41B 11/14 20060101ALI20211111BHJP
【FI】
   D04B1/18
   D03D15/00 D
   D03D15/08
   D01F6/94 A
   D04B21/18
   A41B11/00 Z
   A41B11/14 E
【請求項の数】8
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2017-122061(P2017-122061)
(22)【出願日】2017年6月22日
(65)【公開番号】特開2018-3233(P2018-3233A)
(43)【公開日】2018年1月11日
【審査請求日】2020年5月29日
(31)【優先権主張番号】特願2016-124189(P2016-124189)
(32)【優先日】2016年6月23日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】502179282
【氏名又は名称】東レ・オペロンテックス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100186484
【弁理士】
【氏名又は名称】福岡 満
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 克哉
(72)【発明者】
【氏名】上林 達昭
(72)【発明者】
【氏名】田中 利宏
【審査官】 橋本 有佳
(56)【参考文献】
【文献】 特開2018−003232(JP,A)
【文献】 特開昭58−186609(JP,A)
【文献】 特開2003−268603(JP,A)
【文献】 特開2004−091939(JP,A)
【文献】 特開2006−063461(JP,A)
【文献】 特開2007−146309(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D04B1/00−1/28
21/00−21/20
A41B11/00−11/14
C08G18/00−18/87
71/00−71/04
D01F1/00−6/96
9/00−9/04
D03D1/00−27/18
D04H1/00−18/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記Aの群より選ばれる1種類以上の白色顔料と下記Bの群より選ばれる1種類以上の着色顔料とを含有しLab表色系におけるL値が35〜80の範囲であり、繊度が5〜500dtexの範囲であるポリウレタン弾性糸と、色素を含有する非弾性糸と、から構成され、前記ポリウレタン弾性糸と前記非弾性糸の色差ΔEが15以上である布帛。
A:酸化チタン、酸化亜鉛、リン酸ジルコニウム
B:酸化第二鉄、オキシ水酸化鉄、カーボンブラック
【請求項2】
前記ポリウレタン弾性糸が、Lab表色系における各値が、下記範囲である原着糸である請求項1に記載の布帛。
L値:35〜80
a値:2〜20
b値:15〜40
【請求項3】
前記ポリウレタン弾性糸が、Lab表色系における各値が、下記範囲である原着糸である請求項1または請求項2に記載の布帛。
L値:50〜75
a値:7〜15
b値:20〜35
【請求項4】
前記ポリウレタン弾性糸中の白色顔料(A)と着色顔料(B)との含有量の比(A/B)が2/1から10/1の範囲である請求項1から請求項3のいずれかに記載の布帛。
【請求項5】
以下の方法で測定したテカリ率が5.0%以下である請求項1から請求項のいずれかに記載の布帛。
(テカリ率の測定方法)
布帛を縦150%、横150%引っ張り、2cm×3cmのサンプル枠に固定した測定試料を3次元変角光度計GP−200にセットし、2次元変角測定にて0度から75度の間で光を照射して測定した反射光の最小値と最大値から下記式より求める。
テカリ率=反射光の最大値/反射光の最小値×100%
【請求項6】
ポリウレタン弾性糸が裸糸の状態で含まれる請求項1から請求項のいずれかに記載の布帛。
【請求項7】
請求項1から請求項のいずれかに記載の布帛からなるストッキング。
【請求項8】
請求項1から請求項のいずれかに記載の布帛からなるタイツ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリウレタン弾性糸と非弾性糸とからなる布帛に関するものである。さらに詳しくは、原着ポリウレタン弾性糸と非弾性糸とを組み合わせた布帛からなり、ポリウレタン弾性糸に起因する目ムキやギラツキを抑えた布帛に関する。
【背景技術】
【0002】
弾性繊維は、その優れた伸縮特性からレッグウエア、インナーウエア、スポーツウエアなどの伸縮性衣料用途や産業資材用途に幅広く使用されている。特にポリウレタン弾性糸は様々な用途、素材に混用して用いられており、ナイロン糸やポリエステル糸のような合成繊維だけでなく、綿やウールといった天然繊維、半合成繊維等とも組み合わされ最近ますます広範に使用されている。これらの伸縮性商品は染色されていることと同時に、使用用途に応じた染色堅牢度が良好であることが要求される。
【0003】
従来の伸縮性商品は、各種素材に応じた染色が実施され、染色堅牢度も良好であるが、ポリウレタン弾性糸そのものは、堅牢な染色を施すことができないため着色させないのが一般的である。これは、ポリウレタン重合体が染料を吸着するための十分な官能基を持たないこと、さらには、結晶化度が低く、いったん吸収した染料を堅牢に保持できないという化学構造上の性質によるものである。従って、ポリウレタン弾性糸混用布帛では、実用上十分な染色堅牢度を得るために、ポリウレタン弾性糸に汚染した染料を繰り返し洗浄することが一般的に行われている。一旦汚染した染料を繰り返し洗浄することは、大量の水やエネルギーを消費するばかりでなく、染色加工ロット別の色再現性が悪くなるという問題があった。
【0004】
また別の従来技術として、例えばポリウレタン系弾性糸にアミン類の添加剤を導入し、酸性染料や含金染料を吸着させる染色加工技術が知られている。しかし、末端基量が少ない場合は、十分な色濃度が得られず、逆にアミン類末端基量を増加させると、混用されるナイロン等の他繊維との染料吸着特性が異なるために、3原色の配合染料等で染色した場合は色違い現象を生じ、色あわせが難しいという欠点があった。
さらに別の従来技術として、分散染料を使用した染色加工技術が知られている。分散染料はポリウレタン系弾性糸によく吸収されるが、染料吸着力が弱く、染料濃度が高い中濃色においては実用上耐久できる染色堅牢度は得られていない。むしろポリウレタン系弾性糸の分散染料防染性を求める技術が知られている。(例えば、特許文献1参照)
さらに別の従来技術として、例えば、カチオン染料可染型のポリエーテル・ポリエステルブロック共重合体弾性繊維を使用した繊維構造物が知られている。ポリエーテル・ポリエステルブロック共重合体弾性繊維は、ポリウレタン系弾性繊維と比較して原糸伸度が低く、耐熱性に劣るためほとんど使用されていない。(例えば、特許文献2参照)
さらに別の従来技術として、原着弾性糸が顔料を含有する原着糸で被覆されてなる被覆弾性糸でもってレッグ部が編成されたゾッキストッキングであって、染色工程を経ていないことを特徴とする原着ストッキングが知られている。(例えば、特許文献3参照)しかしながら、単純に原着弾性糸を使用するだけでは染色する手間は省けるものの、生地中のポリウレタン弾性糸が光の反射によってギラつく現象は改善しないという問題点があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第3236005号公報
【特許文献2】特公第2041992号公報
【特許文献3】特開2006−63461号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、ストッキングやタイツ、パンツといったファッション向けの用途においては、より審美性に優れた製品を所望されている。中でも、ポリウレタン弾性糸が布帛の伸長時に目ムキをして発生するギラツキは着用時に目立ち、審美性が損なわれる欠点があった。
【0007】
本発明の課題は、ポリウレタン弾性糸と非弾性糸とからなる布帛であり、布帛の伸長時にポリウレタン弾性糸が目ムキをして結果的にギラツキが発生することを抑えられ、審美性に優れた布帛を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記の課題を解決するための本発明は、以下のいずれかの手段を採用する。
(1)下記Aの群より選ばれる1種類以上の白色顔料と下記Bの群より選ばれる1種類以上の着色顔料とを含有しLab表色系におけるL値が35〜80の範囲であり、繊度が5〜500dtexの範囲であるポリウレタン弾性糸と、色素を含有する非弾性糸と、から構成され、前記ポリウレタン弾性糸と前記非弾性糸の色差ΔEが15以上である布帛。
【0009】
A:酸化チタン、酸化亜鉛、リン酸ジルコニウム
B:酸化第二鉄、オキシ水酸化鉄、カーボンブラック
(2)前記ポリウレタン弾性糸が、Lab表色系における各値が、下記範囲である原着糸である(1)に記載の布帛。
【0010】
L値:35〜80
a値:2〜20
b値:15〜40
(3)前記ポリウレタン弾性糸が、Lab表色系における各値が、下記範囲である原着糸である(1)または(2)に記載の布帛。
【0011】
L値:50〜75
a値:7〜15
b値:20〜35
(4)前記ポリウレタン弾性糸中の白色顔料(A)と着色顔料(B)との含有量の比(A/B)が2/1から10/1の範囲である(1)から(3)のいずれかに記載の布帛
(5)以下の方法で測定したテカリ率が5.0%以下である(1)から()のいずれかに記載の布帛。
【0012】
(テカリ率の測定方法)
布帛を縦150%、横150%引っ張り、2cm×3cmのサンプル枠に固定した測定試料を3次元変角光度計GP−200にセットし、2次元変角測定にて0度から75度の間で光を照射して測定した反射光の最小値と最大値から下記式より求める。
【0013】
テカリ率=反射光の最大値/反射光の最小値×100%
)ポリウレタン弾性糸が裸糸の状態で含まれる(1)から(のいずれかに記載の布帛。
)(1)から(6)のいずれかに記載の布帛からなるストッキング。
)(1)から(6)のいずれかに記載の布帛からなるタイツ。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、布帛をタイツ等の衣類に加工して着用時に伸長した場合において、ポリウレタン弾性糸特有のギラツキが抑えられ審美性に優れた衣類となる。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の布帛は、下記Aの群より選ばれる1種類以上の白色顔料と下記Bの群より選ばれる1種類以上の着色顔料とを含有しLカラーが35〜80の範囲であり、繊度が5〜500dtexの範囲であるポリウレタン弾性糸と、色素を含有する非弾性糸と、から構成された布帛である。
【0016】
A:酸化チタン、酸化亜鉛、リン酸ジルコニウム
B:酸化第二鉄、オキシ水酸化鉄、カーボンブラック
かかる構成を有することにより、布帛をストッキングやタイツ等の衣類に加工して着用時に伸長した場合において、ポリウレタン弾性糸の色味が人の肌と近くその反射強度が安定したものとなることで、ポリウレタン弾性糸特有のギラツキが抑えられ審美性に優れた衣類となる。
【0017】
はじめに本発明の布帛について述べる。
【0018】
本発明の布帛はポリウレタン弾性糸と非弾性糸とから構成されるものである。ここで非弾性糸とはポリウレタン弾性糸と比べて伸縮性が大きくないものをいう。
【0019】
本発明の布帛は、特に限定されず、織地でも編地でもよく、また、織編組織についても特に限定されない。ポリウレタン弾性糸特有のギラツキを抑えられるという観点から、ポリウレタン弾性糸が布帛の表層で露出しやすいベア使いの織編組織が特に好ましい。また、布帛の伸張時にポリウレタン弾性糸は表面に露出しやすくなることから、布帛の伸張率が縦、横ともに150%以上であることが好ましい。これらの特徴から、布帛を大きく伸張した状態で着用するストッキングやタイツ用途向けに使用することが特に好ましい。
【0020】
次に本発明において用いられるポリウレタン弾性糸について述べる。
本発明において用いられるポリウレタン弾性糸は、後述する特定の白色顔料と着色顔料とを含有し、Lカラーが35〜80の範囲であるものである。
【0021】
特定の白色顔料を含有することで、ポリウレタン弾性糸の目ムキによるギラツキを抑えることができ、それと共に特定の着色顔料を含有することで、肌色に近い原着糸とすることができる。また、このときLab表色系におけるL値を35〜80の範囲とすることで、暗過ぎずかつ明る過ぎない、より自然な肌色に近い色相とすることができる。
【0022】
本発明において用いられる白色顔料は、酸化チタン、酸化亜鉛、リン酸ジルコニウムからなる群から選ばれる1種類以上のものであり、中でもポリウレタン弾性糸の目ムキによるギラツキを抑えるという観点からは酸化チタンが好ましい。酸化チタンであればルチル型、アナターゼ型のいずれでも好ましく用いられる。また、光の反射を抑え、かつポリウレタン弾性糸を安定的に製造するという観点から、平均一次粒子径が0.15μmから0.3μmの範囲のものであることが好ましい。また、ポリウレタン弾性糸中への含有量はギラツキの防止という観点から0.3重量%以上であることが好ましく、口金への詰まり等を防ぎ安定的にポリウレタン弾性糸を紡糸するという観点から3重量%以下であることが好ましい。
【0023】
本発明において用いられるポリウレタン弾性糸には、前記した白色顔料とともに、肌色に近い原着糸とするために酸化第二鉄、オキシ水酸化鉄、カーボンブラックからなる群から選ばれる1種類以上の着色顔料を含有させる。
【0024】
かかる着色顔料は、ポリウレタン弾性糸を原着糸とするために、紡糸溶液中に配合して紡糸を行うため、紡糸の安定性の観点から、平均粒径2μm以下の微細な粉末であることが好ましく、平均粒径1μm以下の微細な粉末であることが一層好ましい。また、ポリウレタン弾性糸の物理的特性に悪影響を与えない観点から、着色顔料は繊維重量に対し0.1〜2.0重量%の範囲で含有されるのが好ましい。
【0025】
一般的なストッキングやタイツの外観の品位を向上するという観点からは、肌色に近い色が好まれるため、酸化第二鉄、オキシ水酸化鉄、カーボンブラックの群からなる物質を組み合わせて着色する。かかる観点から、白色顔料と着色顔料の比率としては白色顔料/着色顔料=2/1から10/1の範囲であることが好ましく、3/1から5/1の範囲であることがより好ましい。
【0026】
本発明において用いられるポリウレタン弾性糸は、L値が35〜80の範囲である。かかる範囲を採ることにより、暗過ぎずかつ明る過ぎない、より自然な肌色に近い色相とすることができる。このため、本発明の布帛を伸ばした時にポリウレタン弾性糸が編み組織から露出した際にも肌色に近く、着用時の美しさを保つことができる。
【0027】
ここで、Lab表色系におけるL値とは、明度を表す指標であり、本発明においてポリウレタン弾性糸L値は、次のようにして測定して得られる値と定義する。
【0028】
測定対象の繊維をステンレス板に10g巻き取りカード状の試料とし、非接触式の分光測色計(たとえば、カラーマスター D25 DP−9000型 シグナルプロセッサー)を使用して測定する(なお、後述するa値、b値もこの測定から得られる)。
このようにして得られるL値が35に満たないと、ポリウレタン弾性糸自体が暗い色相となり、布帛を伸張した時にポリウレタン弾性糸が露出した際、肌が黒ずんいるように見え、80を超えると、同様にポリウレタン弾性糸が露出した際に白んで見えて審美性に劣る布帛となる。
【0029】
本発明において用いられるポリウレタン弾性糸は、Lab表色系における各値が、下記範囲である原着糸であることがポリウレタン弾性糸が生地から露出した際に自然な肌色となり、結果的に着用者の肌として美しくみえることから好ましい。
【0030】
L値:35〜80
a値:2〜20
b値:15〜40。
【0031】
さらに、Lab表色系における各値が、下記範囲である原着糸であることがポリウレタン弾性糸が生地から露出した際の目剥けやギラツキを目立たせなくし、より美しくみえることからより好ましい。
【0032】
L値:50〜75
a値:7〜15
b値:20〜35
ここで、Lab表色系におけるL値とは、上述のとおり明度を表す指標であり、a値は赤〜緑の間の位置、b値は黄〜青の間の位置を表す指標である。これらの各値は、上記のL値と同様に測定対象の繊維をステンレス板に10g巻き取りカード状の試料とし、非接触式の分光測色計を用いて測定して得られる値と定義する。
【0033】
本発明の布帛に使用されるポリウレタンは、化学構造、合成法、共に特に限定されるものではない。すなわち、例えば、ポリマージオールとジイソシアネートと低分子量ジアミンとからなるポリウレタンウレアであってもよく、また、ポリマージオールとジイソシアネートと低分子量ジオールとからなるポリウレタンウレタンであってもよい。また、鎖伸長剤として水酸基とアミノ基を分子内に有する化合物を使用したポリウレタンウレアであってもよい。本発明の効果を妨げない範囲で3官能性以上の多官能性のグリコールやイソシアネート等が使用されることも好ましい。
【0034】
ポリマージオールはポリエーテル系、ポリエステル系ジオール、ポリカーボネートジオール等が好ましい。そして、特に柔軟性、伸度を糸に付与する観点からポリエーテル系ジオールが使用されることが好ましい。
【0035】
ポリエーテル系ジオールとしては、例えば、ポリエチレンオキシド、ポリエチレングリコール、ポリエチレングリコールの誘導体、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(以下、PTMGと略す)、テトラヒドロフラン(THF)および3−メチルテトラヒドロフランの共重合体である変性PTMG(以下、3M−PTMGと略する)、THFおよび2,3−ジメチルTHFの共重合体である変性PTMG、特許第2615131号公報などに開示される側鎖を両側に有するポリオール、THFとエチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシドが不規則に配列したランダム共重合体等が好ましく使用される。これらポリエーテル系ジオールを1種または2種以上混合もしくは共重合して使用してもよい。
【0036】
また、ポリウレタン弾性糸として耐摩耗性や耐光性を得る観点からは、ブチレンアジペート、ポリカプロラクトンジオール、特開昭61−26612号公報などに開示されている側鎖を有するポリエステルポリオールなどのポリエステル系ジオールや、特公平2−289516号公報などに開示されているポリカーボネートジオール等が好ましく使用される。
【0037】
また、こうしたポリマージオールは単独で使用してもよいし、2種以上混合もしくは共重合して使用してもよい。
【0038】
ポリマージオールの分子量は、糸にした際の伸度、強度、耐熱性などを得る観点から、数平均分子量が1000以上8000以下のものが好ましく、1500以上6000以下がより好ましい。この範囲の分子量のポリオールが使用されることにより、伸度、強度、弾性回復力、耐熱性に優れた弾性糸を容易に得ることができる。
【0039】
次に、ジイソシアネートとしては、ジフェニルメタンジイソシアネート(以下、MDIと略す)、トリレンジイソシアネート、1,4−ジイソシアネートベンゼン、キシリレンジイソシアネート、2,6−ナフタレンジイソシアネートなどの芳香族ジイソシアネートが、特に耐熱性や強度の高いポリウレタンを合成するのに好適である。さらに脂環族ジイソシアネートとして、例えば、メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)(以下、H12MDIと称する。)、イソホロンジイソシアネート、メチルシクロヘキサン2,4−ジイソシアネート、メチルシクロヘキサン−2,6−ジイソシアネート、シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、ヘキサヒドロキシリレンジイソシアネート、ヘキサヒドロトリレンジイソシアネート、オクタヒドロ−1,5−ナフタレンジイソシアネートなどが好ましい。脂肪族ジイソシアネートは、特にポリウレタン弾性糸の黄変を抑制する際に有効に使用できる。そして、これらのジイソシアネートは単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0040】
次にポリウレタンを合成するにあたって用いられる鎖伸長剤は、低分子量ジアミンおよび低分子量ジオールのうちの少なくとも1種を使用するのが好ましい。なお、エタノールアミンのような水酸基とアミノ基を分子中に有するものであってもよい。
【0041】
好ましい低分子量ジアミンとしては、例えば、エチレンジアミン、1,2−プロパンジアミン、1,3−プロパンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、p−フェニレンジアミン、p−キシリレンジアミン、m−キシリレンジアミン、p,p’−メチレンジアニリン、1,3−シクロヘキシルジアミン、ヘキサヒドロメタフェニレンジアミン、2−メチルペンタメチレンジアミン、ビス(4−アミノフェニル)フォスフィンオキシドなどが挙げられる。これらの中から1種または2種以上が使用されることが好ましい。特に好ましくはエチレンジアミンである。エチレンジアミンを用いることにより伸度および弾性回復性、さらに耐熱性に優れた糸を容易に得ることができる。これらの鎖伸長剤に架橋構造を形成することのできるトリアミン化合物、例えば、ジエチレントリアミン等を効果が失わない程度に加えてもよい。
【0042】
また、低分子量ジオールとしては、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ビスヒドロキシエトキシベンゼン、ビスヒドロキシエチレンテレフタレート、1−メチル−1,2−エタンジオールなどが代表的なものである。これらの中から1種または2種以上が使用されることが好ましい。特に好ましくはエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオールである。これらを用いると、ジオール伸長のポリウレタンとしては耐熱性がより高くなり、また、より強度の高い糸を得ることができるのである。
【0043】
また、本発明の布帛に用いられるポリウレタン弾性糸においてポリウレタンの分子量は、耐久性や強度の高い繊維を得る観点から、数平均分子量として30000以上150000以下の範囲であることが好ましい。なお、分子量はGPCで測定し、ポリスチレンにより換算する。
【0044】
ポリウレタンには、末端封鎖剤が1種または2種以上混合使用されることも好ましい。末端封鎖剤としては、ジメチルアミン、ジイソプロピルアミン、エチルメチルアミン、ジエチルアミン、メチルプロピルアミン、イソプロピルメチルアミン、ジイソプロピルアミン、ブチルメチルアミン、イソブチルメチルアミン、イソペンチルメチルアミン、ジブチルアミン、ジアミルアミンなどのモノアミン、エタノール、プロパノール、ブタノール、イソプロパノール、アリルアルコール、シクロペンタノールなどのモノオール、フェニルイソシアネートなどのモノイソシアネートなどが好ましい。
【0045】
本発明において用いられるポリウレタン弾性糸は、必要に応じ各種安定剤や顔料などが含有されていてもよい。かかる場合の態様として、例えば、耐光剤、酸化防止剤などとして、いわゆるBHTや住友化学工業(株)製の“スミライザー(登録商標)”GA−80などをはじめとする両ヒンダードフェノール系薬剤、チバガイギー社製“チヌビン(登録商標)”等のベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系薬剤、住友化学工業(株)製の“スミライザー(登録商標)”P−16等のリン系薬剤、各種のヒンダードアミン系薬剤、ポリフッ化ビニリデンなどを基とするフッ素系樹脂粉体またはシリコーン系樹脂粉体、ステアリン酸マグネシウム等の金属石鹸、また、銀や亜鉛やこれらの化合物などを含む殺菌剤、消臭剤、またシリコーン、鉱物油などの滑剤、硫酸バリウム、酸化セリウム、ベタインやリン酸化合物、リン酸エステル化合物などの各種の帯電防止剤などが添加されてもよいし、またポリマと反応して存在してもよい。そして、特に光や各種の酸化窒素などへの耐久性をさらに高めるには、酸化窒素捕捉剤、例えば日本ヒドラジン(株)製のHN−150,Clariant Corporation 製“Hostanox(登録商標)”SE10等、熱酸化安定剤、例えば、住友化学工業(株)製の“スミライザー(登録商標)”GA−80等、光安定剤、例えば、住友化学工業(株)製の“スミソーブ”300#622などの光安定剤などを含有させることが好ましい。
【0046】
本発明において用いられるポリウレタン弾性糸の繊度は非弾性糸と伸縮性布帛に加工するという観点および布帛着用時の審美性の観点から、5dtexから500dtexの範囲であることが好ましい。さらに好ましくは、5dtexから400dtexの範囲である。
【0047】
本発明の布帛において用いられるポリウレタン弾性糸は、裸糸をそのまま用いても非弾性糸を巻き付けたカバリング糸などの加工糸を用いてもよいが、布帛伸長時に生地表面にポリウレタン弾性糸が露出(目剥け)してもポリウレタン弾性糸特有のギラツキを抑えられるという観点から、ポリウレタン弾性糸を裸糸として使用している布帛でより大きなギラツキ抑制効果を発揮でき好ましい。
【0048】
本発明の布帛において用いられる非弾性糸は色素を含有するものであれば、材質については特に限定されない。
【0049】
本発明の布帛において用いられる非弾性繊維に含有される色素としては、染料、顔料のいずれでもよい。かかる色素として、染料を用いる場合は、通常の染色で用いられるものであれば限定されるものではなく、各種非弾性繊維に適した染料を選択して使用することができる。顔料を用いる場合は、一般的には原着糸とするために予め紡糸する原液に混合しておく必要がある。
【0050】
本発明の布帛において用いられる非弾性繊維の材質は上述のとおり、特に限定されるものではないが、例えばポリアミド系繊維、ポリエステル系繊維、ポリオレフィン系繊維、ポリアクリロニトリル系繊維等の合成繊維や、セルロース系繊維、絹、ウールといった天然繊維が挙げられ、中でも耐久性、風合いの観点からポリアミド系繊維またはポリエステル系繊維が好ましく用いられる。これらの例として、ナイロン66、ナイロン6、ポリエステル、カチオン可染性ポリエステルがあげられるが、これらに限定されるものではない。また、非弾性糸は、艶消剤、安定剤、制電剤などの添加剤を含んでいてもよい。
【0051】
本発明の布帛が、編地である場合、ポリウレタン弾性糸と非弾性糸とからなる編地を作製するには種々の交編方法が用いられる。交編編地は、経編みでも緯編みでもよく、例えば、トリコット、ラッセル、丸編み等が挙げられる。また編組織は、ハーフ編み、逆ハーフ編み、ダブルアトラス編み、ダブルデンビー編み等いずれの編組織でもよい。また、ポリウレタン弾性糸を編地とする際にはその他の繊維にカバリングされた加工糸としても裸糸として使用しても良い。中でも生地表面にポリウレタン弾性糸が露出(目剥け)してもポリウレタン弾性糸特有のギラツキを抑えられるという観点から、ポリウレタン弾性糸を裸糸として使用している編地でより大きなギラツキ抑制効果を発揮でき好ましい。
【0052】
また、本発明の布帛はポリウレタン弾性糸を使用するものであるため、伸縮性布帛であることが好ましい。特に布帛を大きくの伸張させたときにポリウレタン弾性糸が表面に露出(目剥け)しやすくなるため、ポリウレタン弾性糸が露出してもポリウレタン弾性糸特有のギラツキを抑えられるという観点から、布帛の伸張率が150%以上の布帛であることが好ましい。
【0053】
本発明の布帛において、ポリウレタン弾性糸と非弾性糸の色差ΔEは15以上であることが好ましい。ここでいう色差とは、先述したLab表色系におけるL値、a値、b値の各値から以下に示す式により算出される値である。かかる色差ΔEが15以上であることが好ましい。さらに好ましくは色差ΔEが25以上である。色差が異なることにより布帛が伸ばされる前には非弾性糸の持つ色が強調されるものの、布帛を伸張してポリウレタン弾性糸が露出したときに編み地組織から露出したポリウレタン弾性糸が肌のように美しく見え、着用時の外観品位、すなわち審美性が保たれる。特に細い繊度のポリウレタン弾性糸を使用した薄い布帛では、布帛の伸張時にポリウレタン弾性糸が露出しやすいため大きな効果が得られる。
【0054】
本発明においてはポリウレタン弾性糸が原着糸であり布帛としての染色工程を省くために、非弾性繊維は予め着色されたものを使用することも好ましい。非弾性繊維の着色方法については特に限定されるものではなく、紡糸時に予め着色された原着糸でもチーズ染色等によって着色されたものでも良い。
【0055】
本発明の布帛において、以下の方法で測定したテカリ率が5.0%以下であることが好ましい。
(テカリ率の測定方法)
布帛を縦150%、横150%引っ張り、2cm×3cmのサンプル枠に固定した測定試料を3次元変角光度計GP−200にセットし、2次元変角測定にて0度から75度の間で光を照射して測定した反射光の最小値と最大値から下記式より求める。
【0056】
テカリ率=反射光の最大値/反射光の最小値×100%
かかるテカリ率が5.0%以下であることによりどの角度から光が当たったときにも光の反射強度が大きく変わらないため、ストッキングやタイツといった肌に密着した衣類を着用した際に特定の部位が強く光る現象を抑えられることを示す。したがって、テカリ率が5%を超えると伸ばされた部位の角度によっては光の反射強度が高いために部分的に白んで見えるため好ましくない。
【0057】
本発明の布帛において用いられるポリウレタン弾性糸と非弾性糸とからなる布帛は、水着、ガードル、ブラジャー、インティメイト商品、肌着等の各種ストレッチファンデーション、靴下用口ゴム、ストッキング、タイツ、パンティストッキング、ウエストバンド、ボデイスーツ、スパッツ、ストレッチスポーツウエア、ストレッチアウター、包帯、サポーター、医療用ウエア、ストレッチ裏地等の用途が挙げられる。
【0058】
本発明の布帛は、審美性に優れることから特にタイツ、ストッキング、ストレッチスポーツウエア、ストレッチアウター用途に好適である。また、染色処理をしない点を生かしてオーダーメイドの医療用タイツ用途ではサイズ対応が迅速に可能となる点でも優れている。
【実施例】
【0059】
本発明について実施例を用いてさらに詳細に説明する。
以下において、ポリウレタン弾性糸及び非弾性糸の評価は次の方法で実施した。
【0060】
[カラー測定]
測定対象の繊維をステンレス板に10g巻き取り試料カードを作製した。非接触式の分光測色計としてカラーマスター(D25 DP−9000型 シグナルプロセッサー)を使用してLab表色系におけるL値、a値、b値の各値を測定した。また、対象繊維同士の色差“△E”に関しては以下の算式より求めた。
【0061】
ΔE=√((L−L+(a−a+(b−b) (L、a、b)はポリウレタン弾性糸の測定値
(L、a、b)はポリアミド系繊維の測定値
[テカリ率]
布帛を縦150%、横150%引っ張り、2cm×3cmのサンプル枠に固定し、測定試料とした。測定試料を3次元変角光度計GP−200にセットし、2次元変角測定にて0度から75度の間で光を照射し、反射光を測定した。反射光の最小値と最大値から下記式よりテカリ率を求めた。
【0062】
テカリ率=反射光の最大値/反射光の最小値×100%。
【0063】
[外観品位]
膝部にあざに見立てたくすみをペイントしたモデルに作成したタイツ状の布帛を履かせて、パネラー10名によって目剥きの発生有無および光の反射度合いと膝部のあざに見立てたくすみの隠蔽効果の3項目について目視判定を行い、品位評価を実施した。外観品位について、前記3項目をそれぞれに5段階評価による点数を付け、10名の各平均値を評価値とした。評価判定について、目剥け度合いは、目剥けが分からず非常に良好:5、ほとんど目剥け分からず良好:4、目剥けが目立たず気にならない:3、目剥けがやや気になる:2、目剥けが目立つ:1とし、光の反射度合いについては、光の反射がなく良好:5、光の反射がほとんどなく良好:4、光の反射が目立たたず気にならない:3、光の反射がやや気になる:2、光の反射が目立つ:1、とした。膝部のくすみは、くすみが分からず非常に良好:5、ほとんどくすみが分からず良好:4、くすみが目立たず気にならない:3、くすみがやや気になる:2、くすみが目立つ:1とした。
【0064】
[実施例1]
分子量1800のPTMG、MDI、エチレンジアミンおよび末端封鎖剤としてジエチルアミンからなるポリウレタンウレア重合体のDMAc溶液(35質量%)を調整した。次に、酸化防止剤として、t−ブチルジエタノールアミンとメチレン−ビス−(4−シクロヘキシルイソシアネ−ト)の反応によって生成せしめたポリウレタン溶液(デュポン社製“メタクロール(登録商標)”2462D)と、p−クレゾ−ルおよびジビニルベンゼンの縮合重合体(デュポン社製“メタクロール(登録商標)”2390D)とを2対1(質量比)で混合し、酸化防止剤DMAc溶液(濃度35質量%)を調整し、前記ポリウレタンウレア重合体のDMAc溶液96質量部と酸化防止剤溶液4質量部を混合し、ポリマ溶液(A1)とした。 白色顔料として石原産業製酸化チタン“TIPAQUE(登録商標)” PF−711をDMAcに分散し、濃度35重量%DMAc分散液(B1)を調製した。さらに着色顔料として酸化第二鉄、オキシ水酸化鉄、およびカーボンブラックからなる35重量%DMAc分散液(C1)を調整した。
【0065】
ポリマ溶液A1、B1、C1をそれぞれ98.7重量%、1.0重量%、0.3重量%の比率で混合し紡糸原液D1を調製し、この紡糸原液を400m/分の巻き取り速度で、乾式紡糸することにより、ポリウレタン弾性糸(395デシテックス、44フィラメント)(P1)を製造し巻き取った。
【0066】
次に、通常の方法で製造されたポリアミド繊維(56dtex、48フィラメント)(N1)を黒色にチーズ染色を行い、着色したポリアミド系繊維(N2)を得た。原着ポリウレタン弾性糸と着色したポリアミド繊維とを交編機にてタイツを作成し、外観品位を判定した。タイツと同様の方法で作成した布帛のテカリ率を測定した結果を併せて表1に示す。
【0067】
[実施例2]
紡糸原液D1を450m/分の巻き取り速度で、乾式紡糸することによりポリウレタン弾性糸(285dtex、44フィラメント)(P2)を製造し巻き取った。次に、着色したポリアミド繊維(N2)を用い。原着ポリウレタン弾性糸と着色したポリアミド繊維とを交編機にてタイツを作成し、外観品位を判定した。タイツと同様の方法で作成した布帛のテカリ率を測定した結果を併せて表1に示す。
【0068】
[実施例3]
紡糸原液D1を630m/分の巻き取り速度で、乾式紡糸することによりポリウレタン弾性糸(33dtex、3フィラメント)(P3)を製造し巻き取った。
次に、通常の方法で製造されたポリアミド繊維(86dtex、36フィラメント)を濃い茶色となるようにチーズ染色を行い、着色したポリアミド繊維(N3)を得た。原着ポリウレタン弾性糸(P3)に着色したポリアミド繊維(N3)とエアー加工機を用い、以下の条件でエアー加工糸を得た。
【0069】
糸速:200m/min
ポリウレタン弾性糸のドラフト:2.4倍
ノズル:インターレースノズル
オーバーフィード率:+4.0%
ノズルの圧空圧:0.3MPa
得られたエアー加工糸をレッグ部に用い、4口編機でこれらを交互に編成し、ストッキングを得た。得られたストッキングから布帛のテカリ率を測定した結果を併せて表2に示す。
【0070】
[実施例4]
ポリウレタン弾性糸(33dtex、3フィラメント)(P3)と、通常の方法で製造されたポリエステル繊維(84dtex、36フィラメント)を黒色となるようにチーズ染色を行い、着色したポリエステル繊維(N4)を得た。原着ポリウレタン弾性糸(P3)に着色したポリエステル繊維(N4)をカバリング機を使用して、以下の条件でカバリング加工を施し、SヨリおよびZヨリの一重被覆糸をそれぞれ得た。
【0071】
プレドラフト:1.6倍
ドラフト:3.0倍
ヨリ数:800T/m
スピンドル回転数:16000rpm
巻取比:93%
得られたSヨリおよびZヨリの一重被覆糸をストッキングのレッグ部として用いて、4口編み機でこれらを交互に編成し、ストッキングを得た。得られたストッキングから布帛の外観品位とテカリ率を測定した結果を併せて表2に示す。
【0072】
[実施例5]
DMAc分散液B1に代えて、東亞合成(株)製リン酸ジルコニウム(平均一次粒子径:0.9μm)を用いて35重量%DMAc分散液(B2)を調整した。
ポリマ溶液A1、B2、C1をそれぞれ96.6重量%、3.0重量%、0.4重量%の比率で混合し紡糸原液(D2)を調製し、この紡糸原液を400m/分の巻き取り速度で、乾式紡糸することにより、ポリウレタン弾性糸(395デシテックス、44フィラメント)(P4)を製造し巻き取った。
【0073】
実施例1と同様に着色したポリアミド繊維(N2)とポリウレタン弾性糸(P4)とを交編機にてタイツを作成し、外観品位とテカリ率を測定した。結果を表2に示す。
【0074】
[実施例6]
紡糸原液D1を630m/分の巻き取り速度で、乾式紡糸することによりポリウレタン弾性糸(33dtex、3フィラメント)(P5)を製造し巻き取った。実施例4と同様に着色したポリエステル繊維(N4)を使用してストッキングを得た。得られたストッキングから布帛の外観品位とテカリ率を測定した結果を併せて表2に示す。
【0075】
[実施例7]
DMAc分散液B1に代えて、本荘ケミカル(株)製酸化亜鉛(平均一次粒子径:0.2μm)を用いて35重量%DMAc分散液(B3)を調整した。
【0076】
ポリマ溶液A1、B3、C1をそれぞれ97.5重量%、2.0重量%、0.5重量%の比率で混合し紡糸原液(D3)を調製し、この紡糸原液を450m/分の巻き取り速度で、乾式紡糸することにより、ポリウレタン弾性糸(285デシテックス、44フィラメント)(P5)を製造し巻き取った。
【0077】
実施例2と同様に着色したポリアミド繊維(N2)とポリウレタン弾性糸(P5)とを交編機にてタイツを作成し、外観品位とテカリ率を測定した。結果を表2に示す。
【0078】
[実施例8]
ポリマ溶液A1、B1、C1をそれぞれ98.75重量%、1.0重量%、0.25重量%の比率で混合し紡糸原液(D4)を調製し、この紡糸原液を500m/分の巻き取り速度で、乾式紡糸することにより、ポリウレタン弾性糸(200デシテックス、12フィラメント)(P6)を製造し巻き取った。
【0079】
実施例2と同様に着色したポリアミド繊維(N2)とポリウレタン弾性糸(P6)とを交編機にてタイツを作成し、外観品位とテカリ率を測定した。結果を表2に示す。
[実施例9]
ポリマ溶液A1、B1、C1をそれぞれ98.75重量%、0.6重量%、0.15重量%の比率で混合し紡糸原液(D20)を調製し、この紡糸原液を630m/分の巻き取り速度で、乾式紡糸することによりポリウレタン弾性糸(33dtex、3フィラメント)(P20)を製造し巻き取った。
【0080】
実施例3と同様に着色したポリアミド繊維(N3)とポリウレタン弾性糸(P20)とを交編機にてストッキングを作成し、外観品位とテカリ率を測定した。結果を表2に示す。
[実施例10]
ポリウレタン弾性糸(P20)と着色したポリエステル繊維(N4)とを実施例4と同様に交編機にてストッキングを作成し、外観品位とテカリ率を測定した。結果を表2に示す。
[実施例11]
ポリマ溶液A1、B2、C1をそれぞれ97.96重量%、1.8重量%、0.24重量%の比率で混合し紡糸原液(D21)を調製し630m/分の巻き取り速度で、乾式紡糸することによりポリウレタン弾性糸(33dtex、3フィラメント)(P21)を製造し巻き取った。
【0081】
着色したポリアミド繊維(N2)とポリウレタン弾性糸(P21)とを実施例4と同様に交編機にてストッキングを作成し外観品位とテカリ率を測定した。結果を表2に示す。
【0082】
[比較例1]
ポリマ溶液A1をそのまま紡糸原液とし、400m/分の巻き取り速度で、乾式紡糸することにより、ポリウレタン弾性糸(395デシテックス、44フィラメント)(P7)を製造し巻き取った。
【0083】
実施例1で使用した染色後のポリアミド繊維(N2)とポリウレタン弾性糸(P7)とを交編機にてタイツを作成した。編み上がったタイツについて外観品位とテカリ率を測定した。結果を表2に示す。
【0084】
[比較例2]
ポリウレタン弾性糸(P7)と実施例1で使用した染色後のポリアミド繊維(N2)を交編機にてタイツを作成した。編み上がったタイツについて、一般的に使用される酸性染料にて染色処理を行い、タイツを作成した。仕上がったタイツについて外観品位とテカリ率を測定した。結果を表2に示す。
【0085】
[比較例3]
ポリマ溶液A1をそのまま紡糸原液とし、650m/分の巻き取り速度で、乾式紡糸することにより、ポリウレタン弾性糸(33デシテックス、3フィラメント)(P8)を製造し巻き取った。
【0086】
実施例3で使用した染色後のポリアミド繊維(N3)とポリウレタン弾性糸(P7)とを交編機にてタイツを作成した。編み上がったタイツについて外観品位とテカリ率を測定した。結果を表2に示す。
【0087】
[比較例4]
ポリウレタン弾性糸(P8)と実施例3で使用した染色前のポリアミド繊維とを交編機にてタイツを作成した。編み上がったタイツについて、比較例2と同様に一般的に使用される酸性染料にて染色処理を行いベージュ色のタイツを作成した。仕上がったタイツについて外観品位を判定した。結果を表2に示す。
【0088】
[比較例5]
ポリマ溶液A1、B1をそれぞれ99.0重量%、1.0重量%の比率で混合し紡糸原液(D5)を調製し、この紡糸原液を500m/分の巻き取り速度で、乾式紡糸することにより、ポリウレタン弾性糸(395デシテックス、44フィラメント)(P9)を製造し巻き取った。
【0089】
実施例1で使用した着色したポリアミド繊維(N2)とポリウレタン弾性糸(P9)とを交編機にてタイツを作成し、外観品位とテカリ率を測定した。結果を表2に示す。
【0090】
[比較例6]
ポリウレタン弾性糸(P9)と実施例1で使用した染色前のポリアミド繊維(N1)とを交編機にてタイツを作成した。編み上がったタイツについて、比較例2と同様に一般的に使用される酸性染料にて染色処理を行いベージュ色のタイツを作成した。仕上がったタイツについて外観品位を判定した。結果を表2に示す。
【0091】
[比較例7]
ポリマ溶液A1、C1をそれぞれ99.77重量%、0.23重量%の比率で混合し紡糸原液(D6)を調製し、この紡糸原液を500m/分の巻き取り速度で、乾式紡糸することにより、ポリウレタン弾性糸(395デシテックス、44フィラメント)(P10)を製造し巻き取った。
【0092】
実施例1で使用した着色したポリアミド繊維(N2)とポリウレタン弾性糸(P10)とを交編機にてタイツを作成し、外観品位とテカリ率を測定した。結果を表2に示す。
【0093】
[比較例8]
紡糸原液D6を630m/minの巻き取り速度で、乾式紡糸することによりポリウレタン弾性糸(33dtex、3フィラメント)(P11)を製造し巻き取った。
【0094】
ポリウレタン弾性糸(P11)と着色したポリエステル繊維(N4)とを実施例4と同様に編成し、ストッキングを得た。得られたストッキングから布帛の外観品位とテカリ率を測定した結果を併せて表2に示す。
【0095】
【表1】
【0096】
【表2】