(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
車載用二次電池、特にEVやPHEV等に用いられる二次電池に関しては、より体積エネルギー密度が高く、より電池容量の大きな二次電池の開発が求められる。上記特許文献1に開示されている角形二次電池の場合、電池ケース内には、巻回された正極芯体露出部及び巻回された負極芯体露出部が配置される左右のスペース、及び封口板と巻回電極体の間の上部のスペースが必要であり、二次電池の体積エネルギー密度を増加させることが困難である原因となっている。
【0008】
これに対し、上記特許文献2に開示されている角形二次電池のように、一方の端部に正極芯体露出部及び負極芯体露出部が設けられた電極体を用いると、体積エネルギー密度の高い角形二次電池が得られ易くなる。
【0009】
本発明の一つの目的は、高い体積エネルギー密度を有し、より信頼性の高い角形二次電池を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一様態の角形二次電池は、開口を有する角形外装体と、前記開口を封口する封口板と、前記角形外装体内に配置された正極板及び負極板を含む電極体と、前記正極板又は前記負極板に接続されたタブと、前記タブに接続された集電体と、前記集電体に電気的に接続され、前記封口板から電池外部側に突出する端子と、を備えた角形二次電池であって、前記電極体には、複数の前記タブからなる第1タブ群と、複数の前記タブからなる第2タブ群が接続されており、前記第1タブ群及び前記第2タブ群は前記封口板と前記電極体の間に配置され、前記封口板の長手方向において、前記第1タブ群と前記第2タブ群がずらして配置され、前記第1タブ群と前記第2タブ群は、前記集電体における異なる位置に接続されている。
【0011】
本発明の一様態の角形二次電池では、第1タブ群及び第2タブ群が封口板と電極体の間に配置される。よって、より体積エネルギー密度が高い角形二次電池となりやすい構成となる。さらに、第1タブ群と第2タブ群がずらして配置され、第1タブ群と第2タブ群がそれぞれ別の位置に接続される。このため、一度に接続されるタブの積層数を低減できるため、タブ群と集電体の接続部をより安定的に強固にすることができる。よって、信頼性の高い角形二次電池となる。
【0012】
前記電極体は、第1の電極体要素と、第2の電極体要素を含み、前記第1タブ群は前記第1の電極体要素に接続され、前記第2タブ群は前記第2の電極体要素に接続されていることが好ましい。このような構成であると、第1タブ群と第2タブ群をそれぞれ束ねやすい。
【0013】
前記第1の電極体要素及び前記第2の電極体要素は、それぞれ帯状の正極板と帯状の負極板を帯状のセパレータを介して巻回した巻回型の電極体要素であることが好ましい。このような構成であると、第1タブ群と第2タブ群をそれぞれ束ねやすい。
【0014】
前記タブは前記負極板に接続された負極タブであり、前記第1の電極体要素において、前記第1の電極体要素の厚み方向における前記負極板の積層数よりも、前記第1タブ群に含まれる前記負極タブの積層数が少ないことが好ましい。このような構成であると、負極タブ群と負極集電体の接続部をより安定的に強固にすることができる。
【0015】
前記電極体は、第3タブ群が接続された巻回型の第3の電極体要素と、第4タブ群が接続された巻回型の第4の電極体要素をさらに含み、前記第3タブ群は前記第1タブ群に重ねられて前記集電体に接続され、前記第4タブ群は前記第2タブ群に重ねられて前記集電体に接続されることが好ましい。このような構成であると、電極体要素がそれぞれ巻回型のものであるとき、電池ケース内のスペースをより有効に使用でき、より体積エネルギー密度の角形二次電池となる。
【0016】
前記集電体において、前記端子に接続された部分と前記第1タブ群に接続された部分の間、及び前記端子に接続された部分と前記第2タブ群に接続された部分の間に、それぞれヒューズ部が形成されることが好ましい。
【0017】
前記端子は、フランジ部と、前記フランジ部に設けられた挿入部を有し、前記フランジ部は前記封口板よりも前記電極体側に配置され、前記挿入部は前記封口板の端子取り付け孔を貫通し、前記封口板よりも電池外部側でカシメられ、前記フランジ部の前記電極体側の面に前記集電体が接続されることが好ましい。
【0018】
前記集電体は、ベース部と、前記ベース部の端部から折り返されたタブ接続部を有し、前記ベース部と前記端子が接続され、前記タブ接続部と前記タブが接続されることが好ましい。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、より高い体積エネルギー密度を有し、より信頼性の高い角形二次電池を提供できる。
【発明を実施するための形態】
【0021】
実施形態に係る角形二次電池20の構成を以下に説明する。なお、本発明は、以下の実施形態に限定されない。
【0022】
図1及び
図2に示すように角形二次電池20は、開口を有する有底角筒状の角形外装体1と、角形外装体1の開口を封口する封口板2からなる電池ケース100を備える。角形外装体1及び封口板2は、それぞれ金属製であることが好ましく、例えば、アルミニウム又はアルミニウム合金製とすることが好ましい。角形外装体1内には、正極板と負極板を含む電極体3が電解液と共に収容されている。電極体3と角形外装体1の間には絶縁シート16が配置されている。
【0023】
電極体3の封口板2側の端部には、第1正極タブ群40a、第2正極タブ群40b、第1負極タブ群50a及び第2負極タブ群50bが設けられている。第1正極タブ群40a及び第2正極タブ群40bは正極集電体6を介して正極端子7に電気的に接続されている。正極端子7は封口板2を貫通して、封口板2の外面側に配置される正極外部導電部材8に接続されている。第1負極タブ群50a及び第2負極タブ群50bは負極集電体9を介して負極端子10に電気的に接続されている。負極端子10は封口板2を貫通して、封口板2の外面側に配置される負極外部導電部材11に接続されている。
【0024】
正極端子7のフランジ部7aは、封口板2よりも電極体3側に配置される。正極端子7の挿入部7bが、電極体3側から封口板2に設けられた正極端子取り付け孔2a及び正極外部導電部材8の貫通孔に挿入され、挿入部7bの先端側が正極外部導電部材8上にカシメられている。正極端子7においてカシメられた部分はカシメ部7cとなっている。負極端子10のフランジ部10aは、封口板2よりも電極体3側に配置される。負極端子10
の挿入部10bが、電極体3側から封口板2に設けられた負極端子取り付け孔2b及び負極外部導電部材11の貫通孔に挿入され、挿入部10bの先端側が負極外部導電部材11上にカシメられている。負極端子10においてカシメられた部分はカシメ部10cとなっている。封口板2と正極端子7の間には、樹脂製の内部側絶縁部材12が配置されている。封口板2と正極外部導電部材8の間には、樹脂製の外部側絶縁部材13が配置されている。封口板2と負極端子10の間には、樹脂製の内部側絶縁部材14が配置されている。封口板2と負極外部導電部材11の間には、樹脂製の外部側絶縁部材15が配置されている。
【0025】
正極集電体6、正極端子7及び正極外部導電部材8は、それぞれ金属製であることが好ましく、アルミニウム又はアルミニウム合金製であることがより好ましい。
【0026】
負極集電体9、負極端子10及び負極外部導電部材11は、それぞれ金属製であることが好ましい。負極集電体9は銅又は銅合金製であることが好ましい。また、負極集電体9の表面にニッケル層を設けるができる。負極端子10は、銅、銅合金、アルミニウム、又はアルミニウム合金製とすることが好ましい。また、負極端子10の表面にニッケル層を設けるができる。負極外部導電部材11は、銅、銅合金、アルミニウム、又はアルミニウム合金製とすることが好ましい。また、負極外部導電部材11の表面にニッケル層を設けるができる。
【0027】
なお、負極端子10を少なくとも2種の金属からなるものとし、電池内部側の部分を銅又は銅合金製とし、電池外部側の部分をアルミニウム又はアルミニウム合金製とすることが特に好ましい。そして、負極端子10においてアルミニウム又はアルミニウム合金製の部分にアルミニウム又はアルミニウム合金製の負極外部導電部材11を接続することが好ましい。また、負極端子10において銅又は銅合金製の部分に銅又は銅合金製の負極集電体9を接続することが好ましい。
【0028】
封口板2には注液孔17が設けられており、注液孔17から電池ケース100内に電解液を注液した後、封止栓18により封止される。
【0029】
封口板2には電池ケース100内の圧力が所定値以上となった際に破断し、電池ケース100内のガスを電池ケース100外に排出するガス排出弁19が設けられている。
【0030】
次に角形二次電池20の製造方法について説明する。
【0031】
[正極板の作製]
正極活物質としてのリチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物、結着剤としてのポリフッ化ビニリデン(PVdF)、導電剤としての炭素材料、及び分散媒としてのN−メチル−2−ピロリドン(NMP)を含む正極スラリーを作製する。この正極スラリーを、正極芯体としての厚さ15μmの帯状のアルミニウム箔の両面に塗布する。そして、これを乾燥させることにより、正極スラリー中のNMPを取り除き、正極芯体上に正極活物質合剤層を形成する。その後、正極活物質合剤層を所定厚みになるように圧縮処理を行う。このようにして得られた正極板を所定の形状に切断する。
【0032】
図3は、上述の方法で作製した正極板4の平面図である。
図3に示すように、正極板4は、帯状の正極芯体の両面に正極活物質合剤層4aが形成された本体部を有する。正極板4の幅方向の端部には、間隔をおいて複数の正極タブ4bが設けられている。正極タブ4bは、正極芯体の一部とすることが好ましい。
【0033】
正極タブ4bの根元近傍の正極芯体上に正極保護層4cを設けることが好ましい。正極
保護層4cは正極活物質合剤層4aよりも電気伝導性が低い層である。正極保護層4cは、アルミナ、シリカ、ジルコニア等のセラミック粒子、及びバインダーを含むことが好ましい。また、正極保護層4cは、炭素材料等の導電性粒子を含むこともできる。
【0034】
[負極板の作製]
負極活物質としての黒鉛、結着剤としてのスチレンブタジエンゴム(SBR)、増粘剤としてのカルボキシメチルセルロース(CMC)、及び水を含む負極スラリーを作製する。この負極スラリーを、負極芯体としての厚さ8μmの帯状の銅箔の両面に塗布する。そして、これを乾燥させることにより、負極スラリー中の水を取り除き、負芯体上に負極活物質合剤層を形成する。その後、負極活物質合剤層を所定厚みになるように圧縮処理を行う。このようにして得られた負極板を所定の形状に切断する。
【0035】
図4は、上述の方法で作製した負極板5の平面図である。
図4に示すように、負極板5は、帯状の負極芯体の両面に負極活物質合剤層5aが形成された本体部を有する。負極板5の幅方向の端部には、間隔をおいて複数の負極タブ5bが設けられている。負極タブ5bは、負極芯体の一部とすることが好ましい。
【0036】
[電極体要素の作製]
上述の方法で作製した正極板4と負極板5をポリオレフィン製の帯状のセパレータを介して巻回し電極体要素を作製する。
図5Aは、巻回型の第1の電極体要素3a及び巻回型の第3の電極体要素3cの平面図である。
図5Bは、巻回型の第2の電極体要素3b及び巻回型の第4の電極体要素3dの平面図である。第1の電極体要素3aは一つの端部に複数の正極タブ4bからなる第1正極タブ群40aと複数の負極タブ5bからなる第1負極タブ群50aとを有する。第2の電極体要素3bは一つの端部に複数の正極タブ4bからなる第2正極タブ群40bと複数の負極タブ5bからなる第2負極タブ群50bとを有する。なお、各電極体要素に用いる各正極板及び各負極板において、それぞれ正極タブ及び負極タブを形成する位置を変えることにより、各電極体要素における正極タブ群及び負極タブ群の位置を変えることができる。
【0037】
[封口体の組立て]
図2及び
図6を用いて、封口板2への正極端子7、正極外部導電部材8、負極端子10及び負極外部導電部材11の取り付け方法を説明する。封口板2における正極端子取り付け孔2aの周囲の外面側に外部側絶縁部材13及び正極外部導電部材8を配置し、正極端子取り付け孔2aの周囲の内面側に内部側絶縁部材12を配置する。次に、正極端子7の挿入部7bを、内部側絶縁部材12の貫通孔、封口板2の正極端子取り付け孔2a、外部側絶縁部材13の貫通孔及び正極外部導電部材8の貫通孔に挿入する。そして、挿入部7bの先端側を正極外部導電部材8上にカシメる。これにより、正極端子7、内部側絶縁部材12、外部側絶縁部材13及び正極外部導電部材8が封口板2に取り付けられる。なお、正極端子7のカシメ部7cと正極外部導電部材8とを、レーザ溶接等により溶接接続することが好ましい。
【0038】
封口板2における負極端子取り付け孔2bの周囲の外面側に外部側絶縁部材15及び負極外部導電部材11を配置し、負極端子取り付け孔2bの周囲の内面側に内部側絶縁部材14を配置する。次に、負極端子10の挿入部10bを、内部側絶縁部材14の貫通孔、封口板2の負極端子取り付け孔2b、外部側絶縁部材15の貫通孔及び負極外部導電部材11の貫通孔に挿入する。そして、挿入部10bの先端側を負極外部導電部材11上にカシメる。これにより、負極端子10、内部側絶縁部材14、外部側絶縁部材15及び負極外部導電部材11が封口板2に取り付けられる。なお、負極端子10のカシメ部10cと負極外部導電部材11とを、レーザ溶接等により溶接接続することが好ましい。
【0039】
[電極体]
図7は、電極体3のタブ群が配置された側の面を示す図である。電極体3は、第1の電極体要素3a、第2の電極体要素3b、第3の電極体要素3c及び第4の電極体要素3dを積層したものである。なお、積層された各電極体要素は高いに固定されなくてもよい。但し、接着層やテープ等により互いに固定してもよい。
【0040】
第1の電極体要素3aでは、第1の電極体要素3aの厚み方向において、第1の電極体要素3aの第1巻回中央部3a1よりも一方側(
図7では上方側)に第1正極タブ群40aと第1負極タブ群50aが形成されている。第2の電極体要素3bでは、第2の電極体要素3bの厚み方向において、第2の電極体要素3bの第2巻回中央部3b1よりも他方側(
図7では下方側)に第2正極タブ群40bと第2負極タブ群50bが形成されている。第3の電極体要素3cでは、第3の電極体要素3cの厚み方向において、第3の電極体要素3cの第3巻回中央部3c1よりも他方側(
図7では下方側)に第3正極タブ群40cと第3負極タブ群50cが形成されている。第4の電極体要素3dでは、第4の電極体要素3dの厚み方向において、第4の電極体要素3dの第4巻回中央部3d1よりも一方側(
図7では上方側)に第4正極タブ群40dと第4負極タブ群50dが形成されている。
【0041】
電極体3では、第1正極タブ群40aと第3正極タブ群40c、第2正極タブ群40bと第4正極タブ群40d、第1負極タブ群50aと第3負極タブ群50c、第2負極タブ群50bと第4負極タブ群50dがそれぞれ近接した位置に配置されている。
【0042】
なお、一つの電極体要素において、正極タブ群と負極タブ群の間の距離を大きく設けることが好ましい。したがって、第1の電極体要素3aと第2の電極体要素3bにおいては、第1正極タブ群40a及び第1負極タブ群50aが、それぞれ、第2正極タブ群40b及び第2負極タブ群50bに対して、同じ方向(
図7においては左側)にずれて形成されている。
【0043】
巻回型の電極体要素において、巻回中央部よりも一方側にのみ正極タブ群及び負極タブ群が形成されていると、集電体に接続されるタブ群の積層数を少なくすることができる。よって、より容易且つ確実にタブ群を集電体に溶接接続できる。なお、電極体要素の厚み方向において、正極板の積層数よりも正極タブの数を少なくすることが好ましい。また、正極板の積層数に対する正極タブの数の割合が、0.6以下であることが好ましく、0.5以下であることがより好ましい。負極側についても同様である。
【0044】
[タブ群と集電体の接続]
図8に示すように、第1の電極体要素3aの第1正極タブ群40aと第3の電極体要素3cの第3正極タブ群40cを束ねて正極集電体6に溶接接続する。また、第2の電極体要素3bの第2正極タブ群40bと第4の電極体要素3dの第4正極タブ群40dを束ねて正極集電体6に溶接接続する。これにより、接続部30が形成される。第1の電極体要素3aの第1負極タブ群50aと第3の電極体要素3cの第3負極タブ群50cを束ねて負極集電体9に溶接接続する。第2の電極体要素3bの第2負極タブ群50bと第4の電極体要素3dの第4負極タブ群50dを束ねて負極集電体9に溶接接続する。これにより、接続部31が形成される。なお、溶接接続は、超音波溶接又は抵抗溶接で行われることが好ましい。
【0045】
[端子と集電体の接続]
図8に示すように、正極端子7のフランジ部7aに正極集電体6を溶接接続する。これにより、接続部32が形成される。また、負極端子10のフランジ部10aに負極集電体9を溶接接続する。これにより、接続部33が形成される。なお、溶接接続は、レーザ溶
接等のエネルギー線の照射による溶接が好ましい。また、接続部32及び接続部33は、それぞれ複数個所に設けられることが好ましい。但し、接続部32及び接続部33はそれぞれ1箇所でもよい。
【0046】
次に、正極集電体6及び負極集電体9を曲げ加工する。これにより、正極集電体6及び負極集電体9が折り返されて、正極タブ群及び負極タブ群が湾曲した状態となる。
【0047】
なお、正極端子7に正極集電体6を接続した後、正極集電体6に正極タブ群を接続することもできる。負極端子10に負極集電体9を接続した後、負極集電体9に負極タブ群を接続することもできる。このとき、折り曲げ加工された正極集電体6及び負極集電体9を正極端子7及び負極集電体9に接続することもできる。
【0048】
電極体3を、樹脂シートを折り曲げて箱状とした絶縁シート16内に配置する。そして、絶縁シート16で包まれた電極体3を角形外装体1内に挿入する。その後、封口板2の外周部を角形外装体1に溶接接続し、角形外装体1の開口を封口する。
【0049】
図9は、
図1におけるIX−IX線に沿った正極端子7の近傍の断面図である。角形二次電池20においては、電極体3の封口板2側に正極タブ群と負極タブ群が配置されている。よって、電池ケース100内において、電極体3が占めるスペースをより大きくすることができ、体積エネルギー密度が高い角形二次電池となる。
【0050】
また、角形二次電池20においては、第1正極タブ群40a及び第3正極タブ群40cと、第2正極タブ群40b及び第4正極タブ群40dが、封口板2の長手方向において、ずらして配置されている。そして、第1正極タブ群40a及び第3正極タブ群40cと、第2正極タブ群40b及び第4正極タブ群40dが、正極集電体6において異なる位置に溶接接続されている。よって、正極集電体6に一度に溶接接続される正極タブ4bの積層数が増加することを抑制できるため、正極集電体6と正極タブ4bの接続部の接続品質をより高いものとできる。なお、負極側についても同様である。但し、正極側と負極側の少なくとも一方において、タブ群がずれて配置されていれば良い。
【0051】
正極集電体6は、ベース部6a及びタブ接続部6bを有する。タブ接続部6bはベース部6aから折り返された部分である。ベース部6aが正極端子7に接続されている。タブ接続部6bに第1正極タブ群40a、第2正極タブ群40b、第3正極タブ群40c、及び第4正極タブ群40dに接続されている。なお、
図9においては、ベース部6aとタブ接続部6bは略平行に配置されている。タブ接続部6bがベース部6aに対して、0度〜60度傾いていてもよい。但し、ベース部6aに対するタブ接続部6bの角度は、45度以下であることが好ましく、30度以下であることがより好ましく、15度以下であることがさらに好ましい。
【0052】
角形二次電池20においては、電池ケース100内に、4つの巻回型の電極体要素が、それぞれの巻回軸が封口板2に対して垂直となる方向で収容されている。このため、電池ケース100内のスペースを効率良く使用することができ、体積エネルギー密度がより高い角形二次電池となる。
【0053】
<変形例1>
変形例1に係る角形二次電池は、上述の角形二次電池20とは、正極集電体の形状のみ異なる。
図10は、変形例1に係る角形二次電池の正極集電体及び正極タブ群を示す図である。正極集電体60は、ベース部60aと、ベース部60aの端部に設けられた二つのタブ接続部60bを有する。二つのタブ接続部60bは、封口板2の長手方向において離間して配置されている。ベース部60aにおいて、正極集電体60のベース部60aは、
正極端子7のフランジ部7aに溶接接続され、接続部32が形成される。タブ接続部60bにおいて、正極集電体60は、第1正極タブ群40a、第2正極タブ群40b、第3正極タブ群40c及び第4正極タブ群40dに溶接接続され、接続部30が形成される。
【0054】
第1正極タブ群40a及び第3正極タブ群40cと正極集電体60の接続部30と、正極集電体60と正極端子7のフランジ部7aの接続部32との間にヒューズ部60cが設けられている。また、第2正極タブ群40b及び第4正極タブ群40dと正極集電体60の接続部30と、正極集電体60と正極端子7のフランジ部7aの接続部32との間にヒューズ部60cが設けられている。ヒューズ部60cは、角形二次電池に過剰な電流が流れたときに溶断する。正極集電体60にヒューズ孔60dを設けることによりヒューズ部60cとされている。なお、ヒューズ孔60dに代えて、あるいはヒューズ孔60dに加えて、切り欠き部を設けることもできる。
【0055】
正極集電体60は、ベース部60aとタブ接続部60bの境界部で折り返される。なお、ベース部60aとタブ接続部60bの境界部にヒューズ孔60dが設けられることが好ましい。
【0056】
図11は、変形例1に係る角形二次電池の正極端子7近傍の封口板2の短手方向に沿った断面図である。正極集電体60において、ベース部60aとタブ接続部60bの間に絶縁部材70が配置されることが好ましい。これにより、ヒューズ部60cが溶断した後、ベース部60aとタブ接続部60bないし正極タブ群が接触し、導電経路が形成されることを防止できる。なお、絶縁部材は、樹脂シートや絶縁テープ、樹脂板、あるいはセラミック板とすることができる。
【0057】
図12に示すように、正極集電体60のヒューズ部60cを覆うように、正極集電体60に絶縁テープ71を貼り付けることができる。これにより、ヒューズ部60cが溶断した際、溶融した金属が飛散することを抑制できる。あるいは、ヒューズ部60cが溶断した後、正極集電体60のベース部60aと正極タブ群ないしタブ接続部60bが電気的に接続されることを防止できる。絶縁テープ71は、正極タブ群にも貼り付けられていることが好ましい。また、一枚の絶縁テープ71が、二つのタブ接続部60bに跨って貼り付けられることが好ましい。これにより、振動や衝撃等により各正極タブ群が個別に動きヒューズ部60cが損傷することを防止できる。
【0058】
<変形例2>
変形例2に係る角形二次電池は、正極集電体の形状のみ、変形例1に係る角形二次電池と異なる。
図13は、変形例2に係る角形二次電池の正極集電体及び正極タブ群を示す図である。正極集電体61は、ベース部61aと、ベース部61aの端部に設けられた二つのタブ接続部61bを有する。二つのタブ接続部61bは、封口板2の長手方向において離間して配置されている。ベース部61aにおいて、正極集電体61は正極端子7のフランジ部7aに溶接接続され、接続部32が形成される。タブ接続部61bにおいて、正極集電体61は、第1正極タブ群40a、第2正極タブ群40b、第3正極タブ群40c及び第4正極タブ群40dに溶接接続され、接続部30が形成される。
【0059】
第1正極タブ群40a及び第3正極タブ群40cと正極集電体61の接続部30と、正極集電体61と正極端子7のフランジ部7aの接続部32との間にヒューズ部61cが設けられている。また、第2正極タブ群40b及び第4正極タブ群40dと正極集電体61の接続部30と、正極集電体61と正極端子7のフランジ部7aの接続部32との間にヒューズ部61cが設けられている。ヒューズ部61cは、角形二次電池に過剰な電流が流れたときに溶断する。ヒューズ部61cはヒューズ孔61dを設けることにより形成されている。
【0060】
[短絡機構]
角形二次電池には、過充電等により電池ケース内の圧力が所定値以上となった時に作動する短絡機構を設けることが好ましい。この短絡機構が作動し、正極板と負極板が電極体の外部で電気的に短絡するようにする。そして、短絡により大電流が流れ、大電流により正極集電体等に設けたヒューズ部が溶断するようにすることが好ましい。
【0061】
図14Aは、短絡機構を備えた角形二次電池の負極端子10の近傍の封口板102の長手方向に沿った断面図である。
図14Bは、短絡機構を備えた角形二次電池の正極端子7の近傍の封口板102の長手方向に沿った断面図である。
【0062】
図14Aに示すように、封口板102には変形部103が設けられている。負極集電体9には第1負極タブ群50a及び第2負極タブ群50bが接続されている。負極端子10のフランジ部10aの電極体3側の面には負極集電体9が接続されている。負極端子10の挿入部10bは、内部側絶縁部材14の貫通孔、封口板102の貫通孔、外部側絶縁部材15の貫通孔及び負極外部導電部材111の貫通孔に挿入され、挿入部10bの先端側がカシメられカシメ部10cが形成されている。負極外部導電部材111は、封口板102の変形部103と対向する位置まで延びている。
【0063】
図14Bに示すように、正極外部導電部材8は封口板102上に直接配置されている。したがって、正極板4は、第1正極タブ群40a及び第2正極タブ群40b、正極集電体6、正極端子7、正極外部導電部材8を介して封口板102と電気的に接続されている。なお、正極外部導電部材8と封口板102の間に導電性の部材を配置してもよい。
【0064】
電池ケース内の圧力が所定値以上となったとき、封口板102に設けられた変形部103が負極外部導電部材111に近づくように変形し、変形部103と負極外部導電部材111が電気的に接続される。これにより、封口板102及び変形部103を介して正極板4と負極板5が電気的に短絡する。そして、角形二次電池に短絡電流が流れ、正極集電体6等に設けられたヒューズ部が溶断する。これにより、角形二次電池が過充電状態となった場合の信頼性が向上する。なお、短絡機構が作動する圧力は、ガス排出弁19が作動する圧力よりも低い値とする。
【0065】
<変形例3>
短絡機構を備えた変形例3に係る角形二次電池を、
図15を用いて説明する。
図15は、封口板202に各部品を取り付けた後の封口板202の電極体3側の面、及び電極体3を示す図である。封口板202には、電池ケース内の圧力が所定値以上となったときに変形する変形部203が設けられている。また、封口板202にはガス排出弁219及び注液孔217が設けられている。
【0066】
封口板202上には内部側絶縁部材212が配置され、内部側絶縁部材212上には正極集電体206が配置されている。正極集電体206はベース部206a及びタブ接続部206bを有する。ベース部206aは正極端子に接続され、正極端子は封口板202に電気的に接続されている。タブ接続部206bには、第1正極タブ群40a及び第2正極タブ群40bが接続されている。内部側絶縁部材212において、注液孔217に対応する位置には絶縁部材開口212aが設けられている。正極集電体206において、ベース部206aとタブ接続部206bの境界部であって、折り曲げ部となる部分にヒューズ部206xが設けられている。なお、ヒューズ孔206yを設けることによりヒューズ部206xとされている。
【0067】
封口板202上には内部側絶縁部材214が配置され、内部側絶縁部材214上には負
極集電体209が配置されている。負極集電体209はベース部209a及びタブ接続部209bを有する。ベース部209aは負極端子に接続され、封口板202よりも電池外部側において負極外部導電部材と電気的に接続されている。また、負極外部導電部材は、変形部203と対向する位置に配置されている。タブ接続部209bには、第1負極タブ群50a及び第2負極タブ群50bが接続されている。内部側絶縁部材214において、変形部203に対応する位置には絶縁部材開口214aが設けられている。なお、絶縁部材開口214aの面積は変形部203の面積より小さく、内部側絶縁部材214は変形部203と対向する部分を有する。
【0068】
正極集電体206及び負極集電体209はそれぞれ、
図15において破線が付与されている部分で折り曲げられる。
【0069】
封口板202の長手方向において、ベース部209aの長さが、タブ接続部209bの長さよりも小さい。そして、ベース部209aが変形部203と対向しない。このような構成であると、変形部203と負極集電体209の間に大きな隙間が確実に形成され、変形部203の下部にガスがスムーズに到達するため好ましい。
【0070】
なお、変形例3の角形二次電池において、電極体3が、第3の電極体要素及び第4の電極体要素を含むようにしてもよい。
【0071】
[絶縁シート]
図16は、電極体3を包む樹脂製の絶縁シート16の展開図である。
図16において破線部の部分を折り曲げることにより、絶縁シート16が箱状に成形される。そして、箱状に成形された絶縁シート16内に電極体3を配置する。絶縁シート16は、底部16a、第1側面16b、第2側面16c、第3側面16d、第4側面16e、第1ガイド部16f、第2ガイド部16g、第5側面16h及び第6側面16iを有することが好ましい。底部16aは電極体3と角形外装体1の底部の間に配置される。第1側面16bは、電極体3と角形外装体1の一方の大面積の側面の間に配置される。第2側面16cは、電極体3と角形外装体1の他方の大面積の側面の間に配置される。第3側面16d、第1ガイド部16f、及び第5側面16hは、重なるようにして、電極体3と角形外装体1の一方の小面積の側面の間に配置されている。第4側面16e、第2ガイド部16g、及び第6側面16iは、重なるようにして、電極体3と角形外装体1の他方の小面積の側面の間に配置されている。
【0072】
底部16aには、補強部材116が取り付けられている。補強部材116は、絶縁性であり、樹脂シート、樹脂板、あるいはセラミック板からなることが好ましい。補強部材116の配置される位置は、底部16aの上面であってもよいし下面であってもよい。また、補強部材116は、底部16aに接着、あるいは溶着等されていることが好ましい。
【0073】
電極体3が複数の電極体要素を含む場合、特に電極体3が4つ以上の巻回型の電極体要素を含む場合、絶縁シート16内に配置した電極体3を角形外装体1内に挿入する際、絶縁シート16の底部16aが撓み、底部16aと第3側面16dの間、及び底部16aと第4側面16eの間に隙間が生じ、第3側面16dあるいは第4側面16eが角形外装体1の開口の縁に引っ掛かりやすくなる虞がある。
図16に開示の絶縁シート16では、底部16aに補強部材116が取り付けられており、且つ、底部16aに繋がる第1ガイド部16f及び第2ガイド部16gが設けられている。したがって、底部16aが撓み難く、底部16aと第3側面16dの間、及び底部16aと第4側面16eの間に隙間が生じ難く、第3側面16dあるいは第4側面16eが角形外装体1の開口の縁に引っ掛かることを確実に防止できる。なお、このような効果は、複数の正極タブ群をずらすことなく一つに纏めて正極集電体に接続し、複数の負極タブ群をずらすことなく一つに纏めて負極集
電体に接続した場合でも得られる。なお、第1ガイド部16fは、第3側面16d及び第5側面16hよりも外側(角形外装体1の小面積の側面側)に配置されることが好ましい。第2ガイド部16gは、第4側面16e及び第6側面16iよりも外側(角形外装体1の小面積の側面側)に配置されることが好ましい。
【0074】
<その他の発明>
各電極体要素は、帯状の正極板と帯状の負極板を用いた巻回型の電極体要素に限定されない。複数の正極板と複数の負極板を用いた積層型の電極体要素とすることもできる。
【0075】
上述の実施形態に係る角形二次電池20においては電極体3が4つの電極体要素を含む例を示したが、電極体要素の数は限定されない。但し、電極体3が3つ以上の巻回型の電極体要素を含むことが好ましく、電極体3が4つ以上の巻回型の電極体要素を含むことがより好ましい。
【0076】
端子のフランジ部を封口板よりも電池外部側に配置し、端子を封口板より電極体側においてカシメてもよい。この場合、集電体のベース部に設けた貫通孔を貫通させた端子の先端部をカシメることが好ましい。