【実施例1】
【0013】
図1は本発明による空調機システムの実施例を示すブロック図である。
この空調機システム1は、図示しない天井に埋め込まれた天井埋込型の室内機5と室内機6と室内機7と、これらと通信線9aで通信接続された集中管理装置2と、集中管理装置2と通信線9bで通信接続された無線LAN機器3と、無線LAN機器3と通信可能な携帯端末4を備えている。なお、天井に設置された各室内機5〜7が床に向かう面(化粧パネル)の一角には、人検出センサであるサーモパイル51とサーモパイル61とサーモパイル71が、それぞれの室内機に1つずつ備えられている。また、携帯端末4としては携帯ゲーム機器やタブレット端末、スマートフォンなど、操作と表示が可能であり加速度センサや電子コンパスを備えたものであればよい。本実施例では携帯端末4としてスマートフォンを用いている。
【0014】
なお、各サーモパイルは3(縦)×3(横)に配置された9つの図示しない検出素子を備えている。また、
図1において、携帯端末4を携帯した操作者8が室内機5のサーモパイル51の直下に位置している場合を示している。このため、このサーモパイル51の9つの検出素子のうち、中央の検出素子が操作者8の体温を検出し、中央の検出素子の周囲に配置された残りの検出素子は操作者8の周囲の床面の温度を検出しているため、操作者8がサーモパイル51の直下に存在していることを室内機5が検出できる。なお、各室内機の構成はすべて同じである。
【0015】
次に各装置の制御ブロック図を説明する。
図2は本発明による集中管理装置2の実施例を示すブロック図である。この集中管理装置2は無線LAN機器3に接続された通信線9bが接続されるLAN通信部21と、各室内機に接続された通信線9aが接続される管理装置通信部23と、各室内機の通信アドレスと各室内機の位置を対応付けて記憶する管理装置記憶部24と、これらを制御する管理装置制御部22とを備えている。なお、管理装置制御部22内には通信アドレスと各室内機の位置との対応を管理する位置管理部(位置管理手段)20が備えられている。この位置管理部20については後で詳細に説明する。なお、通信アドレスとは通信線9aに通信接続された全ての機器に重複なく事前に割り当てられた識別子であり、一般的には英数記号の組み合わせである。
【0016】
図3は本発明による室内機の実施例を示すブロック図である。なお、各室内機の構成は同じであるため、室内機5を代表として説明する。
室内機5は人を検出するサーモパイル51と、集中管理装置2に接続された通信線9aが接続される室内機通信部53と、各室内機固有の通信アドレスが記憶された室内機記憶部54と、これらを制御する室内機制御部52が備えられている。なお、室内機制御部52内には、前述したサーモパイル51の中央の検出素子で人を検出した時に室内機記憶部54に記憶している通信アドレスを室内機通信部53から集中管理装置2へ送信する人検出通知部(人検出通知手段)50を備えている。人検出通知部50については後で詳細に説明する。なお、隣接する室内機のサーモパイルが検出する人検出の範囲が重ならないのであれば、必ずしもサーモパイルの中央の検出素子を用いる必要はない。
【0017】
図4は本発明による携帯端末4の実施例を示すブロック図である。
この携帯端末4は、無線LAN機器3と通信を行う無線LAN通信部41と、加速度センサ46と、地磁気センサ47と、タッチパネル43と、表示部45と、携帯端末4が存在する位置や空調機システム1で検出した室内機の位置や通信アドレスなどを記憶する端末記憶部44と、これらを制御する端末制御部42を備えている。なお、端末制御部42内には、現在の携帯端末4の位置を測定する位置測定部40を備えている。なお、位置測定部40については後で詳細に説明する。
【0018】
端末制御部42は加速度センサ46によって携帯端末4の加速度の変化を取り込んで、位置測定部40に出力する。また、端末制御部42は地磁気センサ47によって検出した磁界の向きを位置測定部40に出力する。
【0019】
表示部45は端末制御部42を介して位置測定部40から出力される表示データに従って、図示しない液晶表示パネルにドット表示を行うものである。タッチパネル43は、液晶表示パネルの表面に配置されており、人がタッチした場所の座標データを端末制御部42を介して位置測定部40へ出力する。また、端末記憶部44は、各室内機が配置されているフロアの間取図データを予め記憶しており、また、携帯端末4の位置などを記憶する。
【0020】
図5は携帯端末4の画面を説明する説明図である。
携帯端末4は前面に液晶表示パネル4aを備えており、この液晶表示パネル4aに、室内機の位置を測定する動作を開始したり停止させる開始/停止ボタン4cと、室内機の位置測定動作の対象となるフロアの間取
図4bと、複数のフロアの間取図から目的とするフロアの間取図とこのフロアを示すフロア番号を選択するフロア選択ボタン4dを表示している。なお、開始/停止ボタン4cとフロア選択ボタン4dはタッチパネル43をタッチした座標で認識可能になっており、これらのボタンがタッチされると、対応するキー信号が端末制御部42を介して位置測定部40に出力される。なお、フロア選択ボタン4dで選択されたフロア番号は位置測定部40によって端末記憶部44に記憶される。
【0021】
一方、フロアの間取
図4b内には、そのフロアの位置の基準となる基準位置座標4eと、室内機の検出点4hと、検出した室内機の位置座標4iと、検出した室内機の通信アドレス4fと、操作者が携帯端末4を持って移動した軌跡4gが位置測定部40からの位置情報によって表示される。この位置測定部40の動作は後で詳細に説明する。なお、あるポイントでの位置座標はP(x,y)で表されており、基準位置座標4eであるP0(0,0)からの距離を数値(単位:メートル)で示している。xはフロアの間取図のx軸方向の距離を、yはフロアの間取図のy軸方向の距離をそれぞれ表している。
【0022】
次に各機器毎にその処理動作について説明する。
図6は集中管理装置2内の位置管理部20の処理を説明する機能ブロック図である。
位置管理部20は、室内機の位置を検出する動作の開始と終了の信号を携帯端末4から受信する処理受付受信部20aと、室内機の位置検出動作の開始と終了を各室内機へ通知する処理通知部20dと、人(操作者)を検出した室内機から送信される通信アドレスを受信する検出室内機受信部20bと、携帯端末4の現在の位置を携帯端末4に問い合わせて確認する位置確認部20cと、検出した室内機の通信アドレスと現在の位置の問い合わせに応じて携帯端末4から送信された携帯端末4の位置とを関連付けて記憶する位置情報記憶部20eを備えている。
【0023】
処理受付受信部20aは、携帯端末4で開始/停止ボタン4cがタッチされたとき、無線LAN機器3とLAN通信部21を介して開始/停止信号を受信する。この開始/停止信号を受信した処理受付受信部20aは、処理通知部20dと検出室内機受信部20bにこの開始/停止信号を出力する。この開始/停止信号が入力された処理通知部20dは、管理装置通信部23を介して各室内機へこの開始/停止信号を出力する。
【0024】
一方、この開始/停止信号が入力された検出室内機受信部20bは、処理の開始であれば管理装置通信部23を介して各室内機が各室内機のサーモパイルで人を検出した時に出力する「人を検出した」ことを知らせる信号(各室内機固有の通信アドレス)を監視する。そして、検出室内機受信部20bは、いずれかの室内機からの「人を検出した」ことを知らせる信号を受け付けると、この信号に含まれる通信アドレスを位置情報記憶部20eと位置確認部20cへ出力する。なお、停止信号が入力された検出室内機受信部20bは室内機の監視を中止する。
【0025】
この通信アドレスが入力された位置確認部20cは、携帯端末4の現在の位置を問い合わせる問合わせ信号として通信アドレスをLAN通信部21と無線LAN機器3を介して携帯端末4へ送信する。携帯端末4は位置測定部40で常に位置を測定しているため、この問合わせ信号を受信すると、現在の携帯端末4の位置と前述したフロア選択ボタン4dで選択されて端末記憶部44に記憶されたフロア番号を位置確認部20cへ送信する。これを受信した位置確認部20cは、位置とフロア番号を位置情報記憶部20eへ出力する。位置情報記憶部20eは、直前に入力された通信アドレスにこの位置とフロア番号を関連付けて記憶する。この結果、集中管理装置2は位置情報記憶部20eを参照することにより、どの室内機がどのフロアのどの位置に配置されているのかを知ることができる。
【0026】
図7は室内機5の処理を説明する機能ブロック図である。他の室内機も同じ機能であるため室内機5を代表として説明する。
室内機5の人検出通知部50は、集中管理装置2から室内機の位置測定動作の開始/停止の通知を室内機通信部53を介して受信する処理通知受信部50aと、サーモパイル51によって人(操作者)の有無を判断する人検出部50bと、人検出部50bが人を検出したときに室内機記憶部54に記憶されている自機の通信アドレスを室内機通信部53を介して集中管理装置2へ送信するアドレス送信部50cを備えている。
【0027】
処理通知受信部50aは、集中管理装置2からの通知が「開始」であれば人検出部50bに対して人検出の開始を指示する。なお、集中管理装置2からの通知が「停止」であれば人検出部50bに対して人検出の停止を指示する。
人検出部50bは処理通知受信部50aから「開始」の指示が入力されると人検出を開始し、サーモパイル51の9個の検出素子の中央の素子で人(操作者)が検出されると、アドレス送信部50cへ人検出を通知する。アドレス送信部50cは、人検出の通知が入力されると、室内機記憶部54に記憶されている自機の通信アドレスを集中管理装置2へ送信する。なお、前述したように、隣接する室内機のサーモパイルが検出する人検出の範囲が重ならないのであれば、必ずしもサーモパイルの中央の検出素子を用いる必要はなく、サーモパイル51のいずれかの検出素子で人を検出した時に自機の通信アドレスを集中管理装置2へ送信するようにしてもよい。
【0028】
図8は携帯端末4の処理を説明する機能ブロック図である。
携帯端末4の位置測定部40は、位置を測定する室内機が配置される図示しない建物のフロアを選択して対応するフロア番号を端末記憶部44に記憶すると共に、室内機の位置を測定する動作を開始/停止する指示入力部40aと、指示入力部40aから処理の開始/停止指示が入力された時、携帯端末4の位置の検出を開始/停止する位置検出部(位置検出手段)40gと、位置問い合わせ信号である通信アドレスが受信されたとき、位置検出部40gが算出した現在の位置座標と指示入力部40aが出力するフロア番号とを集中管理装置2へ送信する位置応答部40bと、この通信アドレスとフロア番号と位置検出部40gが算出した位置座標が入力され、これらを表示部45へフロアの間取図と共に表示する室内機位置表示部40cを備えている。なお、指示入力部40aは室内機の位置測定動作の開始信号として「フロア番号」を出力する。
なお、携帯端末4で通信アドレスを表示する必要がなければ、集中管理装置2は位置問い合わせ信号として必ずしも通信アドレスを用いる必要がない。
【0029】
位置検出部40gは、地磁気センサ47で検出した磁界の方向から方位角を求める方位角検出部40dと、加速度センサ46で検出した加速度の変化に基づいて携帯端末4を携帯している人(操作者)の歩数を検出する歩数検出部40eと、方位角検出部40dで求めた方位角と歩数検出部40eで求めた歩数とが入力され、方位角と歩数から携帯端末4の現在の位置座標を算出する位置算出部40fを備えている。
【0030】
なお、指示入力部40aは
図5に示すフロア選択ボタン4dがタッチされるごとに1F、2F、3F、4F、5Fとフロア選択ボタン4dの表示が切り替わり、同時に対応するフロアの間取図と、このフロアを示すフロア番号も切り替えて表示する。また、指示入力部40aは現在選択されているフロア番号を端末記憶部44に記憶する。そして開始/停止ボタン4cがタッチされると指示入力部40aは、位置検出処理の開始信号として端末記憶部44から読みだしたフロア番号を出力する。位置応答部40bは位置問い合わせ信号が集中管理装置2から入力された時、指示入力部40aから出力されたフロア番号と位置検出部40gから出力された携帯端末4の位置座標を集中管理装置2へ送信する。
また、指示入力部40aは開始/停止ボタン4cのタッチごとに室内機の位置検出の開始信号の出力と停止信号を交互に出力する。指示入力部40aはこの位置検出の開始信号と停止信号を無線LAN機器3を介して集中管理装置2へ送信する。
【0031】
次に本空調機システムにおける室内機の位置測定動作を
図1〜
図9を用いて説明する。
図9は室内機が設置されたフロア(5F)の間取図である。各室内機の位置はこのフロアの入り口の左右中央を基準位置の座標P0(0,0)とする座標で示される。位置検出部40gは歩行者自立航法を実現するものであり、基準位置からの歩数(距離)と方位角の変化を監視して常に基準位置からの位置(座標)を算出する。なお、歩数から距離を算出するため、予め端末記憶部44に携帯端末4を操作する操作者の歩幅(50センチメートル)が記憶されているものとする。また、
図9において破線は室内機を示しており、このフロアの奥(
図9における上方)が真北を向いている。
【0032】
携帯端末4を保持した操作者は
図9の下方左の入り口の左右中央を基準位置とする場所に立つ。なお、基準位置座標はP0(0,0)である。次に操作者は携帯端末4のフロア選択ボタンをタッチすることで指示入力部40aがフロア番号と共に該当するフロアの間取図を表示部45に表示する。操作者は携帯端末4のフロア選択ボタンを複数回タッチすることで希望のフロア、つまり、このフロア(5F)を選択する。そして操作者が開始/停止ボタン4cをタッチすると、指示入力部40aは、開始信号を方位角検出部40dと歩数検出部40eと位置応答部40bへ、それぞれ出力する。これが入力された各部は動作を開始する。
【0033】
開始信号を受信した集中管理装置2の処理受付受信部20aは、この開始信号を処理通知部20dと検出室内機受信部20bへそれぞれ出力する。これが入力された処理通知部20dは、この開始信号を各室内機へ送信し、これが入力された各室内機は人の監視を開始する。一方、開始信号が入力された検出室内機受信部20bは、各室内機からの人検出による通信アドレスの送信を監視する。
【0034】
一方、次に操作者は基準位置から最も近い室内機5の下に向かって歩き出す。携帯端末4は操作者が一歩歩く毎に位置の座標を計算する。具体的に携帯端末4の位置算出部40fは、操作者が基準位置の座標P0(0,0)から方位角17.5度で10歩だけ歩いた場合、歩幅0.5メートルに10歩を乗じてd1=5メートルを算出する。
【0035】
このd1を斜辺の長さdとする直角三角形を考えた場合、x方向の距離xは、
x=d・sinθ・・・・式1
で求めることができる。式1にd=5メートル、θ=17.5度を代入し、x方向の距離x1を求めると、x1=1.5メートルとなる。同様にy方向の距離yは、
y=d・cosθ・・・・式2
で求めることができる。式2にd=5メートル、θ=17.5度を代入し、y方向の距離y1を求めると、y1=4.8メートルとなる。従って、操作者が基準位置から方位角17.5度の方向に5メートルだけ歩いた場所の座標P1(x,y)はP1(1.5,4.8)となる。
【0036】
携帯端末4で算出する位置座標がこのP1(1.5,4.8)となった時に、室内機5の人検出部50bが人(操作者)を検出すると、アドレス送信部50cは端末記憶部44に予め記憶している自機の通信アドレス(#1234)を集中管理装置2へ送信する。これを受信した集中管理装置2の検出室内機受信部20bは、この通信アドレスを位置情報記憶部20eへ記憶させると共に、この通信アドレスを位置問い合わせ信号として携帯端末4へ送信する。
【0037】
この位置問い合わせ信号(通信アドレス)を受信した携帯端末4の位置応答部40bは、位置算出部40fから現在の位置座標(基準位置からの距離)であるP1(1.5,4.8)を読み出して、これと共にフロア番号(5F)を集中管理装置2へ送信する。また、位置応答部40bは、受信した通信アドレスを室内機位置表示部40cへ出力する。この通信アドレスが入力された室内機位置表示部40cは位置算出部40fから現在の位置座標であるP1(1.5,4.8)を読み出して、通信アドレス(#1234)と現在の位置座標P1(1.5,4.8)を検出した室内機として
図5に示すように表示する。
【0038】
位置座標P1(1.5,4.8)とフロア番号を受信した集中管理装置2の位置確認部20cは、直前に位置情報記憶部20eに記憶された通信アドレス(#1234)と対応させて、この室内機の位置座標P1(1.5,4.8)とフロア番号(5F)を位置情報記憶部20eに記憶する。
【0039】
次に操作者は真東(方位角90度)にある室内機6に向かって歩きだす。この場合も前述したようにP1(1.5,4.8)を開始位置として現在の位置を算出する。この場合、真東への移動であるためy方向の座標値は変化せず、x方向のみが増加する。そしてP1の位置からd2(5メートル)だけ移動した時、室内機6は人を検出したため、該当する通信アドレス(#1253)を集中管理装置2へ送信する。これを受信した集中管理装置2は、この通信アドレスを位置情報記憶部20eへ記憶すると共に、この通信アドレスを位置問い合わせ信号として携帯端末4へ送信する。そして、携帯端末4は現在の位置座標であるP2(6.5,4.8)とフロア番号を集中管理装置2へ送信する。また集中管理装置2は、直前に位置情報記憶部20eへ記憶した通信アドレス(#1253)と対応させて、この室内機の位置座標P2(6.5,4.8)とフロア番号(5F)を位置情報記憶部20eに記憶する。
【0040】
次に操作者は室内機7に向かって歩きだす。この場合、携帯端末4の方位角検出部40dは方位角348.5度を検出する。そして、携帯端末4は前述したようにP2(6.5,4.8)を開始位置として現在の位置を算出する。この場合は、真北(方位角0度)よりも西方向に11.5度の角度である。この場合も携帯端末4は計測した歩数から算出した距離と、真北からの角度と式1を用いて現在の携帯端末4の位置座標を算出する。
【0041】
そして操作者が室内機7の下に到達した場合、人(操作者)を検出した室内機5は該当する通信アドレス(#1246)を集中管理装置2へ送信する。これを受信した集中管理装置2は、この通信アドレスを位置情報記憶部20eへ記憶すると共に、この通信アドレスを位置問い合わせ信号として携帯端末4へ送信する。この位置問い合わせ信号(通信アドレス)を受信した携帯端末4は、現在の位置(基準位置からの距離)であるP3(5.0,12.1)とフロア番号を集中管理装置2へ送信する。同時に携帯端末4は通信アドレス(#1246)と現在の位置P3(5.0,12.1)を検出した室内機として表示する。
【0042】
現在の位置P3(5.0,12.1)とフロア番号を受信した集中管理装置2は、直前に位置情報記憶部20eへ記憶した通信アドレス(#1246)と対応させて、この室内機7の位置座標P3(5.0,12.1)とフロア番号を位置情報記憶部20eに記憶する。
【0043】
ここで操作者は、目視による室内機の確認やフロアの設計図面などを確認して、このフロアのすべての室内機の位置測定を完了したと判断すると、携帯端末4の開始/停止ボタンをタッチする。この操作を受け付けた携帯端末4は、集中管理装置2へ停止信号を送信し、これを受信した集中管理装置2は、位置測定動作を停止すると共に各室内機へ停止信号を送信する。これを受信した各室内機は、室内機の位置を測定する動作を停止する。
【0044】
以上説明したように、各室内機が設置されている場所と、その室内機に割り当てられている通信アドレスの関連付けを、各室内機と携帯端末4によって容易に、また、携帯端末4の操作者が各室内機の下を歩くという最小限の手間で行なうことができる。
【0045】
なお、本実施例では位置管理部20を集中管理装置2に備えているが、これに限るものでなく、空調機システム内であればどこに備えていてもよい。例えば位置管理部20の機能を携帯端末4に備えていてもよい。
また、別の構成として、無線LAN機器3を各室内機に備え、さらに位置管理部20の機能を携帯端末4に備えた構成にしてもよい。このような構成にすると無線LAN機器3の費用が増加するが、集中管理装置2を備えていない空調機システムでも本発明の効果を得ることができる。
【0046】
この構成では、室内機が操作者を検出した時、室内機から携帯端末へ直接通信アドレスを送信する。さらに、集中管理装置2と携帯端末4との送受信を省略できるため、実施例1で説明した集中管理装置2を経由する方法よりも通信形態がシンプルになる。
なお、通信アドレスと対応する位置座標とフロア番号のデータは携帯端末内に保存されることになるため、位置測定が終了したらこのデータを集中管理装置2や空調機システムの管理機器へ移動する必要がある。
【0047】
また、本実施例では歩行者自立航法を位置検出部40gを用いて実現しているが、これに限るものでなく、例えば、ジャイロスコープなどを用いて歩行者自立航法を実現してもよい。このような歩行者自立航法を実現するためのセンサ類はスマートフォンなど標準で備えられているため、本発明による携帯端末はスマートフォンに専用のアプリケーションをインストールすることで容易に実現することができる。
【0048】
また、本実施例では集中管理装置2からの問い合わせにより携帯端末4が現在の位置とフロア番号を返信する構成を説明しているが、これに限るものでなく、携帯端末4が現在の位置とフロア番号を常に集中管理装置2へ送信し、集中管理装置2は人を検出した室内機からの通信アドレスを受信したタイミングと近接するタイミングで受信した携帯端末4の位置とフロア番号を関連付けて記憶するようにしてもよい。