(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
プレゼンテーションにおいて主として使用されるメイン資料を前記第一の期間にも前記第二の期間にも重複しない第三の期間に前記表示装置に表示させる、メイン資料表示手段、を有する、
請求項3に記載の資料提供支援装置。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1は、資料表示システム100の全体的な構成の例を示す図である。
図2は、資料サーバ1のハードウェア構成の例を示す図である。
図3は、メイン端末装置2のハードウェア構成の例を示す図である。
図4は、サブ端末装置3のハードウェア構成の例を示す図である。
【0017】
図1に示すように、資料表示システム100は、資料サーバ1、メイン端末装置2、複数台のサブ端末装置3、プロジェクタ41、画像形成装置42、および通信回線5などによって構成される。
【0018】
資料表示システム100は、企業、役所、または学校などの組織において会議またはプレゼンテーションなどの際に資料(ドキュメント)を表示し参加者へ閲覧させるためのシステムである。以下、管理職に就く者およびそうでない者が参加するプレゼンテーションのために資料表示システム100が使用される場合を例に説明する。
【0019】
資料サーバ1、メイン端末装置2、プロジェクタ41、複数台のサブ端末装置3、および画像形成装置42は、通信回線5を介して通信することができる。通信回線5として、公衆回線、インターネット、またはLAN(Local Area Network)回線などが用いられる。LAN回線は、ルータ、ハブ、ツイストペアケーブル、および無線基地局などによって構成され、いわゆる有線通信および無線通信の両方を提供する。
【0020】
資料サーバ1は、資料を表示するためのファイルを管理し、メイン端末装置2またはプロジェクタ41へデータを配信する。
【0021】
資料サーバ1は、
図2に示すように、CPU(Central Processing Unit)10a、RAM(Random Access Memory)10b、ROM(Read Only Memory)10c、補助記憶装置10d、およびNIC(Network Interface Card)10eなどによって構成される。
【0022】
NIC10eは、TCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)などのプロトコルによってメイン端末装置2およびサブ端末装置3などと通信を行う。
【0023】
ROM10cまたは補助記憶装置10dには、コンピュータプログラムの1つとして、ファイルサーバプログラム10P(
図5参照)が記憶されている。ファイルサーバプログラム10Pは、ファイルを管理し、メイン端末装置2またはサブ端末装置3からの要求に応じてファイルを提供するプログラムである。さらに、補助記憶装置10dには、資料ごとのファイルが記憶されている。
【0024】
ファイルサーバプログラム10Pは、RAM10bにロードされ、CPU10aによって実行される。補助記憶装置10dとして、ハードディスクまたはSSD(Solid State Drive)などが用いられる。
【0025】
資料サーバ1として、いわゆるファイルサーバが用いられる。NAS(Network Attached Storage)またはクラウドサーバを用いてもよい。クラウドサーバは、「オンラインストレージ」と呼ばれることがある。
【0026】
メイン端末装置2は、プロジェクタ41に接続され、プレゼンテーションにおいて主として使用される資料(以下、「メイン資料6A」と記載する。)をプロジェクタ41によって映写幕または壁面などに表示させる。メイン端末装置2は、プレゼンテーションを行うユーザ(以下、「発表者28」と記載する。)または補助者によって操作される。以下、資料などの画像が映写幕に表示(投影)され、かつ、発表者28がメイン端末装置2を操作する場合を例に説明する。
【0027】
メイン端末装置2として、ノート型のパーソナルコンピュータ、タブレットコンピュータ、またはスマートフォンなどが用いられる。以下、メイン端末装置2としてノート型のパーソナルコンピュータが用いられる場合を例に説明する。
【0028】
メイン端末装置2は、
図3に示すように、CPU20a、RAM20b、ROM20c、補助記憶装置20d、ディスプレイ20e、キーボード20f、ポインティングデバイス20g、無線通信装置20h、画像出力インタフェース20i、および時計20jなどによって構成される。
【0029】
キーボード20fおよびポインティングデバイス20gは、発表者28がコマンドまたは情報を入力するために用いられる。
【0030】
ディスプレイ20eは、発表者28が入力したコマンドなどに応じて、メイン資料6Aを表示する。
【0031】
無線通信装置20hは、いわゆる無線LANの規格つまりIEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)802.11の規格に基づいて通信回線5の無線基地局に接続し、TCP/IPなどのプロトコルで資料サーバ1、サブ端末装置3、プロジェクタ41、および画像形成装置42などと通信を行う。
【0032】
画像出力インタフェース20iは、画像の信号を出力する回路である。画像出力インタフェース20iとして、例えばHDMI(High-Definition Multimedia Interface)(登録商標)またはアナログRGBなどの規格の回路が用いられる。
【0033】
時計20jは、現在の時刻を計る。時計20jは、定期的に(例えば、1日ごとに)、NTP(Network Time Protocol)サーバへ接続し、時刻を補正する。
【0034】
ROM20cまたは補助記憶装置20dには、コンピュータプログラムの1つとして、プレゼンテーション用プログラム20P(
図6参照)が記憶されている。プレゼンテーション用プログラム20Pは、マイクロソフト社のパワーポイントまたはアップル社のキーノートのような、いわゆるプレゼンテーションツールである。
【0035】
プレゼンテーション用プログラム20Pは、RAM20bにロードされ、CPU20aによって実行される。補助記憶装置20dとして、ハードディスクまたはSSDが用いられる。
【0036】
サブ端末装置3は、サブ資料6Bを表示する。サブ資料6Bは、プレゼンテーションを視聴するユーザ(以下、「視聴者38」と記載する。)が補足的に参照する資料である。
【0037】
サブ端末装置3は、視聴者38によって操作される。サブ端末装置3として、タブレットコンピュータまたはスマートフォンのような携帯型の装置が用いられる。以下、サブ端末装置3としてタブレットコンピュータが用いられる場合を例に説明する。
【0038】
サブ端末装置3は、
図4に示すように、CPU30a、RAM30b、ROM30c、フラッシュメモリ30d、タッチパネルディスプレイ30e、操作ボタン群30f、無線通信装置30g、デジタルカメラ30h、および時計30iなどによって構成される。
【0039】
タッチパネルディスプレイ30eには、ディスプレイ20eと同様に、ドキュメントの全部分または一部分が表示される。また、タッチパネルディスプレイ30eは、タッチされた位置を検知し、CPU30aにその位置を通知する。
【0040】
操作ボタン群30fは、いわゆるホーム画面に戻るためのボタン、音量を調整するためのボタン、および電源のオン/オフを切り換えるためのボタンなどによって構成される。
【0041】
無線通信装置30gは、無線LANの規格に基づいて基地局を介してTCP/IPなどのプロトコルによって資料サーバ1、メイン端末装置2、および画像形成装置42などと通信を行う。
【0042】
デジタルカメラ30hは、画像を撮影し画像データを生成する。特に本実施形態では、後述するように、サブ資料6Bをダウンロードする際に二次元バーコードを撮影するために使用される。
【0043】
時計30iは、現在の時刻を計る。メイン端末装置2の時計20jと同様に、定期的にNTPサーバへ接続し、時刻を補正する。
【0044】
時計20jおよび時計30iが定期的に時刻を補正することにより、メイン端末装置2およびプロジェクタ41による二次元バーコードの表示のタイミングとサブ端末装置3による二次元バーコードの認識のタイミングとの同期をより正確に行うことができる。
【0045】
ROM30cまたはフラッシュメモリ30dには、コンピュータプログラムの1つとして、資料閲覧プログラム30P(
図5参照)が記憶されている。資料閲覧プログラム30Pは、RAM30bにロードされ、CPU30aによって実行される。
【0046】
サブ端末装置3は、視聴者38ごとに1台ずつ与えられている。以下、各視聴者38を「視聴者38A」、「視聴者38B」、「視聴者38C」、…と区別して記載する。また、視聴者38A、38B、38C、…に与えられたサブ端末装置3をそれぞれ、「サブ端末装置3A」、「サブ端末装置3B」、「サブ端末装置3C」、…と区別して記載する。
【0047】
プロジェクタ41は、メイン端末装置2から送信されてきた画像データに基づいて画像を映写幕に投影する。プロジェクタ41には、画像データをメイン端末装置2から受信するための手段として、画像入力インタフェース、NIC、および無線通信装置のうちの少なくとも1つが設けられている。画像入力インタフェースは、HDMIまたはアナログRGBなどの規格の回路が用いられる。プロジェクタ41として、市販のプロジェクタが用いられる。
【0048】
以下、HDMIによってメイン端末装置2からプロジェクタ41へ画像データが送信される場合を例に説明する。
【0049】
画像形成装置42は、コピー、PCプリント、ファックス、スキャン、およびボックスなどの機能を集約した装置であって、一般に「MFP(Multi Function Peripherals)」または「複合機」などと呼ばれることがある。
【0050】
PCプリント機能は、メイン端末装置2またはサブ端末装置3から受信した画像データに基づいて画像を用紙に印刷する機能である。
【0051】
ボックス機能は、ユーザごとに「ボックス」または「パーソナルボックス」などと呼ばれる記憶領域を与えておき、各ユーザが自分の記憶領域によって画像データなどを保存し管理するための機能である。ボックスは、パーソナルコンピュータにおける「フォルダ」または「ディレクトリ」に相当する。メイン資料6Aおよびサブ資料6Bを、資料サーバ1の代わりに画像形成装置42のボックスによって管理してもよい。
【0052】
次に、メイン資料6Aおよびサブ資料6Bそれぞれの準備ならびに各装置の処理などを、
図5〜
図15などを参照しながら説明する。
【0053】
〔メイン資料6Aおよびサブ資料6Bそれぞれの準備〕
図5は、資料サーバ1およびサブ端末装置3それぞれの機能的構成の例を示す図である。
図6は、メイン端末装置2の機能的構成の例を示す図である。
図7は、メイン資料6Aの例を示す図である。
図8は、視聴者データ7Cの例を示す図である。
図9は、サブ資料属性データ7Dの例を示す図である。
図10は、参照用データ7A2の例を示す図である。
【0054】
ファイルサーバプログラム10Pによると、
図5に示すサブ資料記憶部101およびサブ資料配信部102などの機能が資料サーバ1に実現される。
【0055】
プレゼンテーション用プログラム20Pによると、
図6に示すメイン資料記憶部201、視聴者データ記憶部202、サブ資料属性記憶部203、メイン資料表示部204、タイミング決定部205、タイミング通知部206、二次元バーコード表示部207、および撮影停止指令部208などがメイン端末装置2に実現される。
【0056】
資料閲覧プログラム30Pによると、
図5に示す撮影開始部301、画像キャプチャ部302、二次元バーコード抽出部303、テキスト認識部304、サブ資料取得部305、およびサブ資料表示部306などがサブ端末装置3に実現される。
【0057】
メイン端末装置2のメイン資料記憶部201には、メイン資料6Aを表示するためのファイル7Aが記憶される。ファイル7Aは、プレゼンテーションが開始される前に予め発表者28がプレゼンテーション用プログラム20Pを用いてメイン資料6Aを作成することによって用意され、メイン資料記憶部201に記憶される。
【0058】
メイン資料6Aは、
図7に示すように、複数のページ6APによって構成される。ページは、特にプレゼンテーション用のアプリケーションにおいては「スライド」または「画面」と呼ばれることがある。以下、各ページ6APを、1ページ目から順に「ページ6AP1」、「ページ6AP2」、「ページ6AP3」、…と区別して記載する。各ページ6APには、1ページ目から順番に「1」、「2」、「3」、…、というページ番号が付されている。
【0059】
ファイル7Aは、表示用データ7A1および参照用データ7A2などによって構成される。表示用データ7A1は、各ページ6APを表示するためのデータである。参照用データ7A2は、プレゼンテーション中にサブ資料6Bを視聴者38に参照してもらう際に使用される。参照用データ7A2は、ファイル7Aに1つだけ含まれる場合もあれば、複数含まれる場合もある。参照用データ7A2の詳細については、後述する。
【0060】
資料サーバ1のサブ資料記憶部101には、サブ資料6Bを表示するためのファイル7Bが記憶される。ファイル7Bは、プレゼンテーションが開始される前に予め発表者28がワープロソフト、表計算ソフト、または描画ソフトなどを用いてサブ資料6Bを作成することによって用意され、サブ資料記憶部101に記憶される。または、発表者28は、インターネット上のサーバからダウンロードすることによってファイル7Bを用意してもよい。サブ資料6Bは、ドキュメントであってもよいし、動画像であってもよい。
【0061】
サブ資料6Bが複数ある場合は、発表者28は、それぞれのサブ資料6Bのファイル7Bを用意し、サブ資料記憶部101に記憶させておく。
【0062】
ところで、発表者28は、あるサブ資料6Bについて、特定の立場(例えば、管理職)の視聴者38に対してはそのサブ資料6Bの内容の全部分を見せてもよいが、それ以外の視聴者38に対しては一部分だけを見せたい場合がある。以下、このようなサブ資料6Bを「第一の制限資料」と記載する。また、特定の立場の視聴者38を「特定視聴者」と記載し、それ以外の視聴者38を「非特定視聴者」と記載する。
【0063】
または、発表者28は、あるサブ資料6Bについて、特定視聴者に対してはそのサブ資料6Bの内容の全部分を見せてもよいが、非特定視聴者に対しては全く見せたくない場合がある。つまり、そのサブ資料6Bを特定視聴者に対してのみ開示したい場合がある。以下、このようなサブ資料6Bを「第二の制限資料」と記載する。また、特定視聴者および非特定視聴者のどちらにも制限なく内容を見せてもよいサブ資料6Bを「無制限資料」と記載する。
【0064】
以下、特定の立場が管理職である場合、つまり、管理職に就く者が特定視聴者であり、そうでない者が非特定視聴者である場合を例に、説明する。
【0065】
発表者28は、第一の制限資料については、ファイル7Bとして、特定視聴者用のファイルおよび非特定視聴者用のファイルを用意する。無制限資料については、ファイル7Bを1つだけ用意すればよい。第二の制限資料についても同様に、ファイル7Bを1つだけ用意すればよい。
【0066】
以下、サブ資料6Bとして4つのサブ資料6B1〜6B4が用いられる場合を例に説明する。サブ資料6B1および6B4が第一の制限資料であり、サブ資料6B3が第二の制限資料であり、サブ資料6B2が無制限資料であるものとする。
【0067】
よって、サブ資料6B1には、ファイル7Bとして、特定視聴者用のファイルおよび非特定視聴者用のファイルが用意される。以下、前者を「ファイル7B11」と記載し、後者を「ファイル7B12」と記載する。同様に、サブ資料6B4には、特定視聴者用のファイル7B41および非特定視聴者用のファイル7B42が用意される。
【0068】
サブ資料6B2およびサブ資料6B3には、ファイル7Bが1つずつ用意される。以下、サブ資料6B2のファイル7Bを「ファイル7B2」と記載し、サブ資料6B3のファイル7Bを「ファイル7B3」と記載する。
【0069】
メイン端末装置2の視聴者データ記憶部202には、
図8に示すように、視聴者38ごとの視聴者データ7Cが記憶されている。視聴者データ7Cには、次の情報が示される。
【0070】
「ユーザコード」は、その視聴者データ7Cが与えられた視聴者38の識別子である。「ユーザ名」は、その視聴者38の氏名である。「装置名」は、その視聴者38に与えられたサブ端末装置3の名称である。「IPアドレス」は、そのサブ端末装置3に与えられたIPアドレスである。
【0071】
「アクセス権」は、その視聴者38に与えられた、サブ資料6Bの閲覧に関するアクセス権である。上述の通り、特定視聴者はサブ資料6Bを無制限に閲覧することができ、非特定視聴者は、一部のみ閲覧することができる。そこで、その視聴者38が特定視聴者である場合は、すべての閲覧のアクセス権が与えられており、その旨を意味する「フル」が「アクセス権」として示される。一方、視聴者38が非特定視聴者である場合は、一部の閲覧のアクセス権が与えられており、その旨を意味する「一部」が「アクセス権」として示される。
【0072】
視聴者データ7Cは、資料表示システム100の管理者によって予め用意され、視聴者データ記憶部202に記憶される。
【0073】
サブ資料属性記憶部203には、
図9に示すようにサブ資料6Bごとのサブ資料属性データ7Dが記憶されている。サブ資料属性データ7Dには、次の情報が示されている。
【0074】
「資料コード」は、そのサブ資料属性データ7Dに対応するサブ資料6Bの識別子である。
【0075】
「配付対象」は、そのサブ資料6Bを配付する対象である視聴者38の属性が示される。上述の通り、第一の制限資料、第二の制限資料、および無制限資料ごとに、その内容をどのように特定視聴者および非特定視聴者それぞれに見せてもよいのかが決まっている。そこで、そのサブ資料6Bが第一の制限資料である場合は、配付対象として「属性別」が示される。第二の制限資料である場合は、「特定視聴者」が示される。無制限資料である場合は、「全員」が示される。
【0076】
「識別コード」は、そのサブ資料6Bのファイル7Bを識別するためのコードである。「ファイル名」は、そのファイル7Bのファイル名であって、サブ資料記憶部101においてそのファイル7Bを他のファイルと区別するために用いられる。
【0077】
ただし、上述の通り、第一の制限資料には、サブ資料6Bが2つ用意されている。そこで、そのサブ資料6Bが第一の制限資料である場合は、特定視聴者のためのファイル7Bのコードおよびファイル名が、それぞれ、識別コードおよびファイル名として示され、さらに、非特定視聴者のためのファイル7Bのコードおよびファイル名がそれぞれ「セカンド識別コード」および「セカンドファイル名」として示される。
【0078】
ところで、発表者28は、プレゼンテーション中、ある特定のページ6APが表示されているときに、ある特定のサブ資料6Bを視聴者38に参照してもらいたいことがある。このような場合は、メイン資料6Aの用意の際に、そのページ6APとそのサブ資料6Bとを対応付ける操作を行う。本実施形態では、そのページ6APのページ番号とそのサブ資料6Bの資料コードとを入力する。
【0079】
このような組合せが複数ある場合は、発表者28は、それぞれの組合せに係るページ番号および資料コードを入力する。
【0080】
入力されたページ番号および資料コードを示すデータが、
図10のように、参照用データ7A2としてメイン資料記憶部201に記憶される。
【0081】
〔プレゼンテーション中の処理〕
図11は、パターン決定処理の流れの例を説明するフローチャートである。
図12は、認識期間パターンの3つの例を示す図である。
図13は、プロジェクタ41によって表示される画像の遷移の例を示す図である。
図14は、二次元バーコード表示処理の流れの例を説明するフローチャートである。
図15は、二次元バーコード取得処理の流れの例を説明するフローチャートである。
【0082】
発表者28は、プレゼンテーションを行う部屋(例えば、会議室)にプロジェクタ41およびメイン端末装置2を配置し、それぞれの電源をオンにしておく。さらに、プロジェクタ41およびメイン端末装置2を通信回線5に繋いでおき、メイン端末装置2にプレゼンテーション用プログラム20Pを起動させておく。
【0083】
各視聴者38は、自分のサブ端末装置3をその部屋に持参し、電源をオンにしておく。さらに、通信回線5に繋いでおき、資料閲覧プログラム30Pを起動させておく。
【0084】
そして、発表者28は、プレゼンテーション用プログラム20Pによってファイル7Aを開く。
【0085】
すると、メイン端末装置2において、メイン資料表示部204は、ファイル7Aの表示用データ7A1に基づいて、1ページ目つまりページ6AP1の画像データをプロジェクタ41へ送信し始める。すると、プロジェクタ41は、この画像データに基づいてページ6AP1を映写幕に表示させる。
【0086】
さらに、メイン資料表示部204は、発表者28が所定の操作(例えば、次ページボタンの押下)を行うごとに、現在表示されているページ6AP(以下、「カレントページ」と記載する。)の画像データの送信を止め、次のページ6APの画像データをプロジェクタ41へ送信する。
【0087】
すると、プロジェクタ41は、新たに送信されてきた画像データに基づいて次のページ6APを映写幕に表示させる。これにより、カレントページが変わる。
【0088】
上述の通り、発表者28は、あるページ6APがカレントページとして表示されているときに、そのページ6APに対応するサブ資料6Bを視聴者38に参照してもらうことができる。
【0089】
この際に、発表者28は、所定の操作(例えば、サブ資料参照ボタンの押下)を行うことによって、二次元バーコードの表示のコマンドを入力する。
【0090】
なお、発表者28は、所定の操作を行う際に、映写幕を撮影するように各視聴者38へアナウンスする。ただし、そのサブ資料6Bが第二の制限資料である場合は、特定視聴者に対してのみアナウンスする。
【0091】
すると、タイミング決定部205は、サブ端末装置3における撮影の開始の時刻(以下、「開始時刻P0」と記載する。)および二次元バーコードの認識の期間のパターン(以下、「認識期間パターン8S」と記載する。)を、次のように決定する。
【0092】
タイミング決定部205は、開始時刻P0を、コマンドが入力されてから所定の時間が経過した時刻に決定する。開始時刻P0は、絶対時刻でよい。例えば、コマンドが入力された時刻が「午前11時30分15秒20」であり、所定の時間が「7秒」であれば、開始時刻P0を「午前11時30分22秒20」に決定する。
【0093】
さらに、タイミング決定部205は、認識期間パターン8Sを、そのサブ資料6Bの参照用データ7A2に基づいて決定する。認識期間パターン8Sは、特定視聴者のサブ端末装置3および非特定視聴者のサブ端末装置3ごとに異なることがある。以下、特定視聴者のサブ端末装置3における認識期間パターン8Sを「第一のパターン8S1」と記載し、非特定視聴者のサブ端末装置3における認識期間パターン8Sを「第二のパターン8S2」と記載する。
【0094】
ここで、第一のパターン8S1および第二のパターン8S2それぞれの決定の仕方を、
図11のフローチャートを参照しながら説明する。
【0095】
その参照用データ7A2に配付対象として「全員」が示される場合は(
図11の#801でYes)、タイミング決定部205は、第一のパターン8S1および第二のパターン8S2ともにパターン_Aに決定する(#802、#803)。
【0096】
パターン_Aは、
図12(A)に示すような、開始時刻P0から時間Taが経過した後の、時間Tbごとに訪れる時間Tmの期間を認識の期間とするパターンである。
【0097】
または、その参照用データ7A2に配付対象として「特定視聴者」が示される場合は(#801でNo、#804でYes)、タイミング決定部205は、第一のパターン8S1をパターン_Aに決定し(#805)、第二のパターン8S2をパターン_Bに決定する(#806)。
【0098】
パターン_Bは、
図12(B)に示すような、認識の期間をまったく含まないパターンである。
【0099】
または、その参照用データ7A2に配付対象として「属性別」が示される場合は(#801でNo、#804でNo)、タイミング決定部205は、第一のパターン8S1をパターン_Cに決定し(#807)、第二のパターン8S2をパターン_Dに決定する(#808)。
【0100】
パターン_Cは、
図12(C)に示すような、開始時刻P0から時間Tcが経過した後の、時間Tdごとに訪れる時間Tmの期間を認識の期間とするパターンである。パターン_Dは、
図12(D)に示すような、開始時刻P0から時間(Tc+Td/2)が経過した後の、時間Tdごとに訪れる時間Tmの期間を認識の期間とするパターンである。
【0101】
時間Ta、Tb、Tc、およびTdは、いずれも、数秒である。例えば、時間TaおよびTcは、1〜5秒である。時間Tbは、3〜10秒である。時間Tbは、6〜10秒である。
【0102】
時間Tmは、時間Ta、Tb、Tc、およびTdのいずれよりも短い時間であって、例えば、0.1〜2.0秒である。デジタルカメラ30hが二次元バーコードにピントを合わせることができるくらいの時間が望ましい。
【0103】
タイミング通知部206は、タイミング決定部205によって開始時刻P0、第一のパターン8S1、および第二のパターン8S2が決定されると、特定視聴者のサブ端末装置3へ第一のタイミングデータ7E1を送信し、非特定視聴者のサブ端末装置3へ第二のタイミングデータ7E2を送信する。第一のタイミングデータ7E1には、開始時刻P0および第一のパターン8S1が示される。第二のタイミングデータ7E2には、開始時刻P0および第二のパターン8S2が示される。
【0104】
なお、特定視聴者および非特定視聴者それぞれのサブ端末装置3は、視聴者データ7C(
図8参照)によって特定することができる。具体的には、アクセス権として「フル」が示される視聴者データ7Cに対応するサブ端末装置3が、特定視聴者のサブ端末装置3である。「一部」が示される視聴者データ7Cに対応するサブ端末装置3が、非特定視聴者のサブ端末装置3である。
【0105】
二次元バーコード表示部207は、タイミング決定部205によって開始時刻P0、第一のパターン8S1、および第二のパターン8S2が決定されると、カレントページの参照用データ7A2およびカレントページに対応するサブ資料6Bのサブ資料属性データ7D(
図9参照)に基づいて、二次元バーコードを表示する処理を実行する。この処理は、
図14に示す手順で実行される。
【0106】
二次元バーコード表示部207は、サブ資料6Bを資料サーバ1からダウンロードするための情報を示す二次元バーコードを、そのサブ資料属性データ7Dに基づいて生成する(
図14の#811)。
【0107】
例えば、この情報として、URL(Uniform Resource Locator)が用いられる。具体的には、資料サーバ1のドメイン名が「www.example.com」であり、サブ資料記憶部101の名称が「folder-x」であり、そのサブ資料属性データ7Dにファイル名として「list.doc」が示される場合は、二次元バーコード表示部207は、「http://www.example.com/folder-x/list.doc」というURLを示す二次元バーコードを生成する。以下、この情報としてURLが用いられる場合を例に説明する。
【0108】
そのサブ資料属性データ7Dにセカンドファイル名が示される場合は(#812でYes)、二次元バーコード表示部207は、さらに、ファイル名の代わりにセカンドファイル名を含むURLを示す二次元バーコードに生成する(#813)。
【0109】
以下、ステップ#811で生成された二次元バーコードを「第一の二次元バーコード8A1」と記載し、ステップ#813で生成された二次元バーコードを「第二の二次元バーコード8A2」と記載する。第一の二次元バーコード8A1、8A2のフォーマットとして、QR(Quick Response)コードまたはカラーコードなど公知のフォーマットを用いればよい。
【0110】
二次元バーコード表示部207は、その参照用データ7A2に配付対象として「全員」または「特定視聴者」が示される場合は(#814でYes)、現在の時刻が開始時刻P0になったら、次ページボタンの押下などカレントページを切り換える操作が行われるまでの間(#815でNo)、第一のパターン8S1の期間中(#816でYes、#818でNo)、カレントページの画像データの代わりに第一の二次元バーコード8A1の画像データをプロジェクタ41へ送信する(#817)。この期間が過ぎたら(#818でYes)、第一の二次元バーコード8A1の画像データの送信を停止する(#819)。そして、メイン資料表示部204によってカレントページの画像データがプロジェクタ41へ送信される。
【0111】
上述の通り、配付対象が「全員」または「特定視聴者」である場合は、第一のパターン8S1は、パターン_Aに決定される。よって、この場合は、メイン資料表示部204および二次元バーコード表示部207による処理の結果、
図12(A)に示したように、開始時刻P0から時間Taが経過した後、時間Tbごとに、時間Tmの期間だけ第一の二次元バーコード8A1の画像データがプロジェクタ41へ送信される。それ以外の期間は、カレントページの画像データがプロジェクタ41へ送信される。
【0112】
これにより、
図13(A)に示すように、カレントページの代わりに定期的に時間Tmだけ第一の二次元バーコード8A1が表示される。
【0113】
または、二次元バーコード表示部207は、その参照用データ7A2に配付対象として「属性別」が示される場合は(#814でNo)、現在の時刻が開始時刻P0になったら、カレントページを切り換える操作が行われるまでの間(#820でNo)、第一のパターン8S1の期間中(#821でYes、#823でNo)、カレントページの画像データの代わりに第一の二次元バーコード8A1の画像データをプロジェクタ41へ送信する(#822)。この期間が過ぎたら(#823でYes)、第一の二次元バーコード8A1の画像データの送信を停止する(#824)。そして、メイン資料表示部204によってカレントページの画像データがプロジェクタ41へ送信され始める。
【0114】
また、その操作が行われるまでの間、二次元バーコード表示部207は、第二のパターン8S2の期間中(#825でYes、#827でNo)、カレントページの画像データの代わりに第二の二次元バーコード8A2の画像データをプロジェクタ41へ送信する(#826)。この期間が過ぎたら(#827でYes)、第二の二次元バーコード8A2の画像データの送信を停止する(#828)。そして、メイン資料表示部204によってカレントページの画像データがプロジェクタ41へ送信され始める。
【0115】
上述の通り、配付対象が「属性別」である場合は、第一のパターン8S1は、パターン_Cに決定され、第二のパターン8S2はパターン_Dに決定される。よって、この場合は、メイン資料表示部204および二次元バーコード表示部207による処理の結果、
図12(C)に示したように、開始時刻P0から時間Tcが経過した後、時間Tdごとに、時間Tmの期間だけ第一の二次元バーコード8A1の画像データがプロジェクタ41へ送信される。また、開始時刻P0から時間(Tc+Td/2)が経過した後、時間Tdごとに、時間Tmの期間だけ第二の二次元バーコード8A2の画像データがプロジェクタ41へ送信される。両期間以外の期間は、カレントページの画像データがプロジェクタ41へ送信される。
【0116】
これにより、
図13(B)に示すように、カレントページの代わりに定期的に時間Tmだけ第一の二次元バーコード8A1および第二の二次元バーコード8A2が交互に表示される。
【0117】
撮影停止指令部208は、カレントページが切り換えられると、終了指令データ7Fを各サブ端末装置3へ送信することによって、撮影を終了するように各サブ端末装置3へ指令する。
【0118】
一方、各視聴者38は、発表者28によるアナウンスに従って、映写幕を撮影するために自分のサブ端末装置3を映写幕の方向へ向ける。
【0119】
各サブ端末装置3において、撮影開始部301(
図5参照)は、メイン端末装置2から第一のタイミングデータ7E1または第二のタイミングデータ7E2を受信すると、デジタルカメラ30hに撮影を開始させる。
【0120】
画像キャプチャ部302は、第一のタイミングデータ7E1または第二のタイミングデータ7E2が受信されると、デジタルカメラ30hによって撮影される画像を対象画像8Bとしてキャプチャする。そして、二次元バーコード抽出部303は、対象画像8Bの中から二次元バーコードを抽出する。キャプチャおよび抽出の処理は、
図15に示す手順で実行される。
【0121】
第一のタイミングデータ7E1が受信された場合は、画像キャプチャ部302は、現在の時刻が、第一のタイミングデータ7E1に示される開始時刻P0になったら、終了指令データ7Fがメイン端末装置2から送信されてくるまで(
図15の#831でNo)、第一のタイミングデータ7E1に示される第一のパターン8S1の期間中(#832でYes、#836でNo)、デジタルカメラ30hによって撮影される画像を対象画像8Bとしてキャプチャする(#833)。なお、この期間外はキャプチャが禁止される。
【0122】
この結果、この期間中、対象画像8Bが次々にキャプチャされる。二次元バーコード抽出部303は、対象画像8Bがキャプチャされるごとに、対象画像8Bの中から二次元バーコードの抽出を試みる(#834)。
【0123】
二次元バーコード抽出部303が二次元バーコードを抽出することができたら(#835でYes)、画像キャプチャ部302および二次元バーコード抽出部303は、キャプチャおよび抽出の処理を終了する(#838)。
【0124】
または、この期間が過ぎたら(#836でYes)、画像キャプチャ部302および二次元バーコード抽出部303は、キャプチャおよび抽出を停止し(#837)、次の期間が訪れるのを待つ。
【0125】
図15に示した処理によると、第一のタイミングデータ7E1に第一のパターン8S1としてパターン_Aが示される場合は、
図12(A)に示したように、開始時刻P0から時間Taが経過した後、時間Tbごとに、時間Tmの期間だけ対象画像8Bがキャプチャされ、二次元バーコードの抽出が試みられる。それ以外の期間は、対象画像8Bがキャプチャされないので、二次元バーコードを抽出することができない。
【0126】
または、パターン_Cが示される場合は、
図12(C)に示したように、開始時刻P0から時間Tcが経過した後、時間Tdごとに、時間Tmの期間だけ対象画像8Bがキャプチャされ、二次元バーコードの抽出が試みられる。それ以外の期間は、対象画像8Bがキャプチャされないので、二次元バーコードを抽出することができない。
【0127】
第二のタイミングデータ7E2が受信された場合の処理の流れは、第一のタイミングデータ7E1が受信された場合の処理の流れと基本的に同様であり、
図15に示した通りである。ただし、開始時刻P0として、第二のタイミングデータ7E2に示される開始時刻P0が用いられる。また、第一のパターン8S1の代わりに第二のタイミングデータ7E2に示される第二のパターン8S2が用いられる。
【0128】
図15に示した処理によると、第二のタイミングデータ7E2に第二のパターン8S2としてパターン_Aが示される場合は、
図12(A)に示したように、開始時刻P0から時間Taが経過した後、時間Tbごとに、時間Tmの期間だけ対象画像8Bがキャプチャされ、二次元バーコードの抽出が試みられる。それ以外の期間は、対象画像8Bがキャプチャされないので、二次元バーコードを抽出することができない。
【0129】
または、パターン_Dが示される場合は、
図12(D)に示したように、開始時刻P0から時間(Tc+Td/2)が経過した後、時間Tdごとに、時間Tmの期間だけ対象画像8Bがキャプチャされ、二次元バーコードの抽出が試みられる。それ以外の期間は、対象画像8Bがキャプチャされないので、二次元バーコードを抽出することができない。
【0130】
しかし、パターン_Dが示される場合は、
図12(D)に示したように、キャプチャする期間がまったくないので、二次元バーコードが抽出されない。
【0131】
なお、第一のタイミングデータ7E1が受信された場合に抽出される二次元バーコードは、第一の二次元バーコード8A1であり、第二のタイミングデータ7E2が受信された場合に抽出される二次元バーコードは、第二の二次元バーコード8A2である。
【0132】
テキスト認識部304は、二次元バーコード抽出部303によって抽出された二次元バーコード(第一の二次元バーコード8A1または第二の二次元バーコード8A2)をテキストデータにデコードする。これにより、URLを示すテキストデータが得られる。
【0133】
サブ資料取得部305は、このURLに基づいて次のようにファイル7Bを取得する。サブ資料取得部305は、このURLに基づいて資料サーバ1へアクセスする。そして、このURLによって特定されるファイル7Bを資料サーバ1へ要求する。
【0134】
すると、資料サーバ1において、サブ資料配信部102は、要求されたファイル7Bをサブ資料記憶部101から読み出し、サブ端末装置3へ送信する。そして、サブ資料取得部305は、ファイル7Bを受信する。
【0135】
サブ資料表示部306は、このファイル7Bに基づいてサブ資料6Bをタッチパネルディスプレイ30eに表示させる。
【0136】
図16は、メイン端末装置2における全体的な処理の流れの例を説明するフローチャートである。
図17は、サブ端末装置3における全体的な処理の流れの例を説明するフローチャートである。
【0137】
次に、メイン端末装置2およびサブ端末装置3それぞれの全体的な処理の流れを、フローチャートを参照しながら説明する。
【0138】
メイン端末装置2は、プレゼンテーション用プログラム20Pに基づいて、
図16に示す手順で処理を実行する。
【0139】
メイン端末装置2は、ファイル7Aを開くと、メイン資料6Aの1ページ目すなわちページ6AP1(
図7参照)の画像データをカレントページの画像データとしてプロジェクタ41へ送信し始める(
図16の#851、#852)。
【0140】
サブ資料参照ボタンが押されるなどして二次元バーコードの表示のコマンドが入力されると(#853でYes)、メイン端末装置2は、二次元バーコードを表示する期間のパターン(認識期間パターン8S)および表示し始める時刻(開始時刻P0)を決定する(#854)。これらを決定する処理は、前に
図11に示した手順で実行される。
【0141】
そして、メイン端末装置2は、決定した開始時刻P0および認識期間パターン8S(第一のパターン8S1または第二のパターン8S2)を各サブ端末装置3へ通知するとともに(#855)、二次元バーコードを表示するための処理を行う(#856)。
【0142】
通知の処理は、特定視聴者のサブ端末装置3へ第一のタイミングデータ7E1を送信し、非特定視聴者のサブ端末装置3へ第二のタイミングデータ7E2を送信することによって、行われる。二次元バーコードの表示の処理は、
図14に示した手順で行われる。
【0143】
次のページへ切り換えるコマンドが入力されたら(#857でYes)、メイン端末装置2は、終了指令データ7Fを各サブ端末装置3へ送信するとともに(#858)、カレントページが最後のページでなければ(#860でNo)、次のページの画像データをカレントページの画像データとしてプロジェクタ41へ送信し始める(#861、#852)。
【0144】
二次元バーコードの表示のコマンドが入力されることなく(#853でNo)、次のページへ切り換えるコマンドが入力された場合も(#859でYes)、メイン端末装置2は、カレントページが最後のページでなければ(#860でNo)、次のページの画像データをカレントページの画像データとしてプロジェクタ41へ送信し始める(#861、#852)。ただし、終了指令データ7Fは送信しない。
【0145】
一方、サブ端末装置3は、資料閲覧プログラム30Pに基づいて、
図17に示す手順で処理を実行する。
【0146】
サブ端末装置3は、第一のタイミングデータ7E1または第二のタイミングデータ7E2を受信すると(
図17の#871でYes)、二次元バーコード(第一の二次元バーコード8A1または第二の二次元バーコード8A2)を抽出する処理を実行する(#872)。この処理の手順は、前に
図15で説明した通りである。
【0147】
二次元バーコードの抽出に成功すると(#873でYes)、サブ端末装置3は、二次元バーコードをテキストデータにデコードし(#874)、テキストデータに示されるURLに基づいて資料サーバ1からファイル7Bを取得(ダウンロード)する(#875)。そして、ファイル7Bに基づいてサブ資料6Bを表示する(#876)。
【0148】
サブ端末装置3は、プレゼンテーション用プログラム20Pを継続している間(#877でYes)、ステップ#871〜#876の処理を適宜、実行する。
【0149】
本実施形態によると、サブ資料6Bを従来よりも容易に視聴者38へ属性に応じて配付することができる。
【0150】
図18は、特定視聴者および非特定視聴者それぞれのサブ端末装置3における撮影のタイミングの例を示す図である。
図19は、特定視聴者および非特定視聴者それぞれのサブ端末装置3における撮影のタイミングの変形例の例を示す図である。
図20は、第一の二次元バーコード8A1の復元の例を示す図である。
図21は、3つのファイル7Bを配付し分ける場合の認識および表示それぞれのタイミングの例を示す図である。
【0151】
本実施形態では、メイン端末装置2のタイミング決定部205は、サブ資料6Bのタイプ、すなわち、サブ資料6Bが第一の制限資料、第二の制限資料、および無制限資料のいずれであるかに応じて、第一のパターン8S1および第二のパターン8S2を決定した。そして、タイミング通知部206は、特定視聴者のサブ端末装置3へ開始時刻P0および第一のパターン8S1を通知し、非特定視聴者のサブ端末装置3へ開始時刻P0および第二のパターン8S2を通知した。
【0152】
しかし、第一のパターン8S1および第二のパターン8S2を予め固定的に定義しておき、タイミング決定部205は開始時刻P0のみを決定し、タイミング通知部206は開始時刻P0のみを通知してもよい。この場合は、メイン端末装置2およびサブ端末装置3は、次のように処理を行えばよい。
【0153】
例えば、特定視聴者のサブ端末装置3には、第一のパターン8S1として、
図12(C)に示したパターン_Cを固定的に定義しておき、非特定視聴者のサブ端末装置3には、第二のパターン8S2として、
図12(D)に示したパターン_Dを固定的に定義しておく。
【0154】
二次元バーコード表示部207は、カレントページに対応するサブ資料6Bが無制限資料である場合すなわち配付対象が「全員」である場合は、
図12(A)に示したパターン_Aのタイミングで第一の二次元バーコード8A1の画像データをプロジェクタ41へ送信する。これにより、
図18(A)に示すように、特定視聴者も非特定視聴者も第一の二次元バーコード8A1をキャプチャする機会を得ることができる。
【0155】
または、そのサブ資料6Bが第二の制限資料である場合すなわち配付対象が「一部」である場合は、二次元バーコード表示部207は、パターン_Cのタイミングで第一の二次元バーコード8A1の画像データをプロジェクタ41へ送信する。これにより、
図18(B)に示すように、特定視聴者は第一の二次元バーコード8A1をキャプチャする機会を得ることができるが、非特定視聴者は得ることができない。
【0156】
または、そのサブ資料6Bが第一の制限資料である場合すなわち配付対象が「属性別」である場合は、二次元バーコード表示部207は、パターン_Cのタイミングで第一の二次元バーコード8A1の画像データをプロジェクタ41へ送信し、パターン_Dのタイミングで第二の二次元バーコード8A2の画像データをプロジェクタ41へ送信する。これにより、
図18(C)に示すように、特定視聴者は、第一の二次元バーコード8A1(太い実線に対応)および第二の二次元バーコード8A2(一点鎖線に対応)のうちの第一の二次元バーコード8A1のみをキャプチャする機会を得ることができる。一方、非特定視聴者は、第二の二次元バーコード8A2のみをキャプチャする機会を得ることができる。
【0157】
カレントページに対応するサブ資料6Bが第一の制限資料である場合は、メイン端末装置2およびサブ端末装置3は、次のように処理を行ってもよい。
【0158】
タイミング決定部205は、第一のパターン8S1をパターン_Aに決定し、特定視聴者のサブ端末装置3へ通知する。さらに、第二のパターン8S2をパターン_Dに決定し、非特定視聴者のサブ端末装置3へ通知する。
【0159】
二次元バーコード表示部207は、第一の二次元バーコード8A1を一部分ずつ欠いた複数の断片化二次元バーコード8Cを偶数個、生成し、現在の時刻が開始時刻P0になった後、パターン_Aのタイミングで1つずつ順に繰り返しプロジェクタ41によって表示させる。
【0160】
例えば、二次元バーコード表示部207は、
図19のように、4つの断片化二次元バーコード8C1〜8C4を1つずつ順に繰り返し表示させる。
【0161】
なお、断片化二次元バーコード8C1〜8C4を重ね合わせると、第一の二次元バーコード8A1になる。つまり、第一の二次元バーコード8A1の任意の部分が必ず、断片化二次元バーコード8C1〜8C4のうちの少なくとも1つに現われる。
【0162】
また、重ね合わせる位置の基準をサブ端末装置3が得るために、3つの位置検出パターン(いわゆる、大きい目玉)が欠けないように断片化二次元バーコード8Cを生成するのが望ましい。
【0163】
しかし、偶数個目の断片化二次元バーコード8Cをすべて重ね合わせても、つまり、
図19の例では、断片化二次元バーコード8C2と8C4とを重ね合わせても、第一の二次元バーコード8A1を復元することはできない。一部が欠けたままでテキストデータがデコードされないようにするために、第一の二次元バーコード8A1の誤り訂正のレベルを低くするのが望ましい。例えば、誤り訂正のレベルをL(7%)にするのが望ましい。
【0164】
特定視聴者のサブ端末装置3において、画像キャプチャ部302は、デジタルカメラ30hによって撮影された画像をパターン_Aのタイミングで対象画像8Bとして次々にキャプチャする。そして、二次元バーコード抽出部303は、これらの対象画像8Bを重ね合わせることによって第一の二次元バーコード8A1の復元(再生)を試みる。
【0165】
すると、
図20(A)に示すように、断片化二次元バーコード8C1〜8C4のすべてをキャプチャし得るので、第一の二次元バーコード8A1を復元することができる。
【0166】
一方、非特定視聴者のサブ端末装置3において、画像キャプチャ部302は、デジタルカメラ30hによって撮影された画像をパターン_Dのタイミングで対象画像8Bとして次々にキャプチャする。そして、二次元バーコード抽出部303は、これらの対象画像8Bを重ね合わせることによって第一の二次元バーコード8A1の復元を試みる。
【0167】
しかし、
図20(D)に示すように、断片化二次元バーコード8C1〜8C4のうちの断片化二次元バーコード8C2および8C4しかキャプチャすることができないので、第一の二次元バーコード8A1を復元することができない。
【0168】
本実施形態では、第一の二次元バーコード8A1および第二の二次元バーコード8A2として、ファイル7BのURLを示す二次元バーコードを生成したが、ファイル7Bの識別コードまたはセカンド識別コード(
図9参照)を示す二次元バーコードを生成してもよい。
【0169】
この場合は、資料サーバ1のドメイン名およびサブ資料記憶部101のフォルダ名を予めサブ端末装置3に記憶させておく。さらに、ファイル7Bごとの識別コードまたはセカンド識別コードとファイル名との対応関係を記憶させておく。そして、サブ資料取得部305は、これらの情報に基づいて次のようにファイル7Bをダウンロードする。
【0170】
サブ資料取得部305は、第一の二次元バーコード8A1または第二の二次元バーコード8A2が抽出されテキストデータにエンコードされると、テキストデータに示される識別コードまたはセカンド識別コードに対応するファイル名を特定する。そして、資料サーバ1のサブ資料記憶部101へアクセスし、特定したファイル名のファイル7Bをサブ資料記憶部101からダウンロードする。
【0171】
本実施形態では、あるページ6APがカレントページである場合に、資料サーバ1は、特定視聴者のサブ端末装置3には、内容に限定のないファイル7Bを提供し、非特定視聴者のサブ端末装置3には、内容に限定のあるファイル7Bを提供した。つまり、サブ端末装置3に応じて、内容の相違する2つのファイル7Bを送信し分けた。
【0172】
しかし、内容の相違する3つ以上のファイル7Bを送信し分けてもよい。以下、この仕組みを、内容の相違する3つのファイル7B1〜7B3をファイル7Bとして送信する場合を例に説明する。
【0173】
各視聴者38は、所属する部署に応じて第一の属性、第二の属性、および第三の属性のうちのいずれか1つに分類されている。
【0174】
メイン端末装置2において、タイミング決定部205は、第一の属性の視聴者38のサブ端末装置3、第二の属性の視聴者38のサブ端末装置3、および第三の属性の視聴者38のサブ端末装置3それぞれの認識期間パターン8Sを、
図21(A)に示すパターン_D、
図21(B)に示すパターン_E、および
図21(C)に示すパターン_Fに決定する。
【0175】
タイミング通知部206は、各サブ端末装置3へ、タイミング決定部205によって決定した認識期間パターン8Sを開始時刻P0とともに通知する。
【0176】
二次元バーコード表示部207は、開始時刻P0の後、パターン_Dのタイミングで、ファイル7B1のURLを示す二次元バーコードの画像データをプロジェクタ41へ送信する。パターン_Eのタイミングで、ファイル7B2のURLを示す二次元バーコードの画像データをプロジェクタ41へ送信する。パターン_Fのタイミングで、ファイル7B3のURLを示す二次元バーコードの画像データをプロジェクタ41へ送信する。これにより、
図21(D)に示すように、カレントページおよび3つの二次元バーコードが順に繰り返し表示される。
【0177】
第一の属性の視聴者38のサブ端末装置3において、画像キャプチャ部302は、開始時刻P0の後、デジタルカメラ30hによって撮影された画像をパターン_Dのタイミングで対象画像8Bとしてキャプチャする。二次元バーコード抽出部303は、対象画像8Bから二次元バーコードを抽出する。これにより、ファイル7B1に対応する二次元バーコードだけが抽出される。そして、サブ資料取得部305は、ファイル7B1をダウンロードする。
【0178】
同様に、第二の属性の視聴者38のサブ端末装置3において、画像キャプチャ部302は、パターン_Eのタイミングでキャプチャし、二次元バーコード抽出部303は、二次元バーコードを抽出する。これにより、ファイル7B2に対応する二次元バーコードだけが抽出される。そして、サブ資料取得部305は、ファイル7B2をダウンロードする。
【0179】
同様に、第三の属性の視聴者38のサブ端末装置3において、画像キャプチャ部302は、パターン_Fのタイミングでキャプチャし、二次元バーコード抽出部303は、二次元バーコードを抽出する。これにより、ファイル7B3に対応する二次元バーコードだけが抽出される。そして、サブ資料取得部305は、ファイル7B3をダウンロードする。
【0180】
本実施形態では、ファイル7Bを視聴者38へ提供する際に、そのファイル7BのURLを表わす二次元バーコードを表示したが、そのURLを表わすバーコード(いわゆる一次元バーコード)を表示してもよい。または、URLの代わりにそのファイル7Bの識別コードまたはセカンド識別コードを表わすバーコードを表示してもよい。
【0181】
本実施形態では、メイン端末装置2は、プロジェクタ41によってメイン資料6A、第一の二次元バーコード8A1、および第二の二次元バーコード8A2を表示したが、液晶ディスプレイまたはプラズマディスプレイなどによって表示してもよい。または、画像形成装置42に大型のタッチパネルディスプレイが設けられている場合は、このタッチパネルディスプレイによって表示してもよい。
【0182】
メイン端末装置2とプロジェクタ41とを1つの装置として構成してもよい。例えば、パーソナルコンピュータまたはタブレットコンピュータなどで用いられるOS(Operating System)が備わるプロジェクタ(いわゆるスマートプロジェクタ)をプロジェクタ41として用い、プレゼンテーション用プログラム20Pをプロジェクタ41に実行させてもよい。
【0183】
本実施形態では、二次元バーコード表示部207は、URLを暗号化せずに第一の二次元バーコード8A1または第二の二次元バーコード8A2を生成したが、暗号化したURLを表わす二次元バーコードを第一の二次元バーコード8A1または第二の二次元バーコード8A2として生成してもよい。この場合は、共通の復号鍵を各サブ端末装置3に用意しておき、二次元バーコード表示部207は、その復号鍵で復号できるように、URLを暗号化する。そして、暗号化したURLを表わす二次元バーコードを生成する。
【0184】
本実施形態では、次のページへの切換えのコマンドが入力されるまで、メイン端末装置2は二次元バーコードを定期的に表示し、各サブ端末装置3は画像を定期的にキャプチャしたが、コマンドが入力される前であっても、所定の回数、二次元バーコードが表示されたら、表示およびキャプチャを停止してもよい。または、所定の時間が経過しまたは発表者28が所定の操作を行ったら停止してもよい。
【0185】
その他、資料表示システム100、資料サーバ1、メイン端末装置2、サブ端末装置3の全体または各部の構成、処理の内容、処理の順序、データの構成などは、本発明の趣旨に沿って適宜変更することができる。